JP2515407B2 - 定流量弁 - Google Patents

定流量弁

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JP2515407B2
JP2515407B2 JP1253762A JP25376289A JP2515407B2 JP 2515407 B2 JP2515407 B2 JP 2515407B2 JP 1253762 A JP1253762 A JP 1253762A JP 25376289 A JP25376289 A JP 25376289A JP 2515407 B2 JP2515407 B2 JP 2515407B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は定量供給が必要とされる上水、工業用水、農
業用水、石油または化学薬液などの流体輸送配管に使用
される定流量弁に関するものである。
〔従来の技術〕
本出願人は先に、定流量制御を目的とした自動調整弁
として、定流量制御機能、制御流量値の任意設定機能お
よびストップ弁としての開閉機能を同時に備えた定流量
弁を考案し出願した。該出願は、実開昭62−96173号公
報に「定流量弁」として開示されている。
前記実開昭62−96173号公報に開示されている「定流
量弁」は、ストップ弁型本体に下流側から上流側に向っ
て縮径された形状を有する開口部を設け、該開口部とピ
ストン弁の下端に取り付けられた弁体とによってオリフ
ィスを形成し、その前後に発生する圧力差を該ピストン
弁内部に設けられた圧力導入口およびバネ座に設けられ
た圧力導入口からシリンダ内のピストンによって形成さ
れる1次圧室と2次圧室に導通することによって増幅
し、該ピストン弁を該圧力差に応じて作動させ流量を一
定に保つとともに、該シリンダーを開口部軸線方向に進
退動可能に配設することで、前記弁体の開口部に対する
初期作動位置を変化させ、制御流量値の任意設定を可能
にしている。又、前記シリンダー下端面にシール部が設
けられているため、シール部を弁座部に押圧させること
で完全に流体を閉止させることができる。以上のように
この定流量弁は、従来になかった「定流量制御」、「制
御流量値の任意設定」、および「止水弁」の3つの機能
を同時に併せもつものである。更に、流体の滞留しがち
なシリンダー内部も、前記ピストン弁が摺動自在に嵌合
されていることから、流体が1次圧室から2次圧室、出
口流路へと流れて行くため、いわゆる「死水」が発生し
ない構造となっている。そのため半導体製造分野を始め
とする化学工業分野では大きな利用価値がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、この型式のものは流体を前記1次圧室
から2次圧室、出口流路へとリークさせる構造のために
以下の2つの欠点を有していることがわかった。制御
流量の一部が出口流路へとリークするため、微小流量の
制御が困難である。したがって、制御流量値の範囲が制
限を受ける。一般に他の公知のものも含めて、レンジア
ビリティは4:1〜8:1が現状である。ゴミの非常に多い
ラインでは、前記リークのためにピストンの摺動部にゴ
ミが咬み込まれ、作動に支障をきたすことがある。
本発明は、以上の様な実情に鑑みなされたもので、そ
の目的は「定流量制御」、「制御流量値の任意設定」、
「止水弁」の3つの機能を維持しながら、制御流量範囲
が大幅に拡大され、かつ、ゴミ等の異物による作動不良
のない、構造が簡単でコンパクトな定流量弁を提供する
ことである。
〔課題を解決するための手段〕
上記問題点を解決するための本発明の構成をその実施
例に対応する第1図を参照して説明する。
本発明の定流量弁は、内部に設けられた隔壁1により
流路がわん曲された入口流路2と、出口流路3と、さら
に入口流路2の軸線に対してある角度をもって配された
軸線を持ち、かつ、入口流路2と出口流路3との間に位
置する中空室4とを有するストップ弁型弁本体5(以
下、弁本体と略記する。)、弁本体5内に設けられ出口
流路3と中空室4とを連通し、かつ、その内周面が上流
側から下流側に向かって縮径された形状を有する開口部
7、弁本体5に装着された蓋体17、蓋体17に支持され開
口部7の軸線にほぼ一致する軸線を有し、該軸線方向に
進退動可能なスピンドル9、スピンドル9の下端部に一
体的に設けられ、中空室4内に進退動可能に装着され、
かつ、その下端面が開口部7の弁座部6に当接可能なシ
リンダー10、シリンダー10内に遊嵌され開口部7とほぼ
同一軸線上に位置する中実の弁軸12、弁軸12の先端部に
装着され、開口部7との間にオリフィス11を形成するこ
とができるよう配設された弁体13、弁体13を開口部7か
ら離間させるよう付勢し、かつ、流体圧力の変動に応じ
た伸縮作用の実質的開始時期が相互に異なるようシリン
ダー10内に配設されたバネ定数の異なる第1のスプリン
グ14および第2のスプリング15とを具備してなるもので
ある。なお、本発明の定流量弁の材質は、プラスチック
でも金属でも良く、特に限定されるものではない。
〔作用〕
第1図において、流体を通過させると、入口流路2を
通って中空室4に達した流体は開口部7と弁体13とで構
成されるオリフィス11を通過し出口流路3へと流出す
る。流体がオリフィス11を通過すると、その上流側と下
流側に圧力差ΔPが発生する。圧力差ΔPは弁体13の受
圧有効面積Aのみに作用するので、弁軸12および弁体13
はAXΔP[Kgf]の荷重を受けて、圧力差ΔPの大きさ
に応じ第1スプリング14、または第1スプリング14と第
2スプリング15とを圧縮付勢しながら開口部7方向へ、
逆に第1スプリング14、または第1スプリング14と第2
スプリング15とからの弾性反発力を受けながら開口部7
から離間させられる方向へと移動する。このような弁体
13の移動に伴って弁体13と開口部7との間に形成されて
いるオリフィス11は拡大または縮小される。それによっ
て、オリフィス11を通過する流体の流量は弁本体5の上
下流側の圧力が大幅に変動しても予め設定された流量値
へと自動的に制御される。次にスピンドル9およびシリ
ンダー10を開口部7から離間させる方向へ移動させ固定
すると、弁体13もそれに伴って移動するのでオリフィス
11は拡大される。この位置から弁体13が作動すると、オ
リフィス11は相対的に拡大された範囲内で変化するの
で、制御流量値は大となる。
逆に、スピンドル9およびシリンダー10を開口部7方
向へ移動させ固定すると、弁体13もそれに伴って移動す
るので、弁体13と開口部7との間に形成されているオリ
フィス11は縮小される。この位置から弁体13が作動する
と、オリフィス11は相対的に縮小された範囲内で変化す
るので、制御流量値は小となる。
更に、スピンドル9およびシリンダー10を開口部7方
向へ移動させ続けると、ついには、シリンダー10の下端
面が弁座部6に当接し、更に押圧されるようになるの
で、中空室4と開口部7との間が完全に閉塞される。す
なわち、流体の流れは完全に止められるので、この定流
量弁は閉止状態となる。
〔実施例〕
本発明の実施例を第1図及び第3図を参照して説明す
る。第1図は、本発明の第1の実施例を示し、この第1
実施例は、入口流路2の軸線に対し中空室4の軸線が上
流側に傾斜しているY型の定流量弁である。
尚、中空室4の軸線は入口流路2の軸線に対して垂直
になるように設けてもよい。
第1図において、5は弁本体であって、内部に設けら
れた隔壁1により、流路がわん曲された入口流路2と出
口流路3およびこの入口流路2と出口流路3との間に位
置する中空室4を有している。
8は縮流管であって、その上部外周面にシール用の弁
座部6を嵌合接着して設けてあり、かつ縮流管8の内部
には上流側から下流側に向かって縮径された曲面形状を
有する開口部7を有し、開口部7の軸線が中空室4の軸
線とほぼ一致し、中空室4と出口流路3とを連通するよ
う、隔壁1および中空室4底部に位置する弁本体5の内
壁に、前記弁座部6を挟み込むよう螺合接着されてい
る。なお本実施例では、開口部7は縮流管8の内部に設
けたものを弁本体5内に螺合接着して設けられている
が、中空室4底部に位置する弁本体5の内壁部および隔
壁1に直接賦形させることによって設けてもよい。
17は蓋体であり、その上端中央部に開口部17aを有す
るシリンダー状であり、その下端部外周面に設けたネジ
部を弁本体5の中空室4上部に設けた内ネジ部に螺合し
て締めつけることにより、弁本体5に固定されている。
蓋体17の開口部17aには、開口部7の軸線にその軸線を
ほぼ一致させたスピンドル9および、このスピンドル9
に螺合されているスリーブ24が保持されている。10はシ
リンダーであって、スピンドル9の下端部に一体成形に
て設けられ、内部に中空室10aを有している。このシリ
ンダー10は、開口部7の軸線にその軸線をほぼ一致さ
せ、その下方部分および下端シール面10bが弁本体5の
中空室4内に、またその上方部分が蓋体17内に、それぞ
れ進退動自在に装着されている。シリンダー10の外周部
には直径方向に相対して一対のガイド溝18,19が設けら
れ、蓋体17の下端内周面に固定された突起20,21と係合
しており、したがって、シリンダー10は上下動のみが可
能となっている。12は中実の弁軸、すなわち内部に貫通
孔を有しない弁軸であり、上端部にはピストン状の鍔部
12aを有し、また下端部には円錐台状の弁体13が接着固
定して設けられ、シリンダー10内の中空室10a内を進退
動自在に移動できるよう装着されている。前記したごと
く、弁軸12には貫通孔が設けられていないため、弁軸12
の鍔部12aとシリンダー10との間に形成される空間に流
体が流入しない。したがって、流体中に含まれるゴミ等
の異物が流入しないため、弁軸12とシリンダー10との摺
動部にも該異物が咬み込まれることがなく、作動がスム
ーズに行われる。弁体13は、開口部7とほぼ同一軸線上
に位置しており、必要に応じて、開口部7との間にオリ
フィス11を形成できるよう配設されている。なお、弁体
13の形状は円錐台状に限定されるものではなく円板状の
ものでも、逆円錐台状のものでも構わない。本実施例の
形状は、その中の好適な形状の一例を示したものであ
る。14,15は各々第1および第2スプリングであって、
バネ定数は第1<第2となるよう、また自由長は第1>
第2となるように設定してある。第1スプリング14は、
前記弁軸12の軸部12bをその内部に挿入してあり、その
上端部は前記ピストン状鍔部12aの下面に設けられたス
プリング座用の溝12cに嵌入してあり、その下端面は後
記スプリング座16に当接するよう装着されている。第2
スプリングは、その内部に第1スプリング14が挿入して
あり、その上端面と下端面は本定流量弁の取り付け角度
によって上端面が前記弁軸12の鍔部12a下端面にあるい
は、下端面が後記スプリング座16に当接するよう前記シ
リンダー中空室10a内にフリーな状態で装着されてい
る。なお、上記弁軸12の軸部12b、第1スプリング14、
第2スプリング15およびシリンダー10の内周面は各々可
及的に接触しないように構成されている。
通常、これらのスプリングは金属製が使用されるが、
耐食性が要求される場合には、金属製スプリングにフッ
素樹脂等を完全被覆させた被覆スプリングを使用すると
よい。
16は内部に円形の開口部を有するリング状のスプリン
グ座であって、該開口部に前記弁軸12が摺動自在に嵌合
され、かつ、シリンダー10内中空室10aへの流体の出入
が可能なように複数の圧力導入口16aを有し、シリンダ
ー10内に嵌合され、ストップリング22によって固定され
ている。23はスリーブ24に固定されているハンドルであ
り、スリーブ24を介してスピンドル9と係合している。
第1図においては、ハンドル23を回転させるとそれに応
じてスピンドル9およびシリンダー10は上下動される構
造となっている。
上記の構成からなる本実施例の作動を第1図及び第2
図を参照して説明する。第1図において、流体を流通さ
せると、入口流路2を通って中空室4に達した流体は、
開口部7と弁体13とで形成されるオリフィス11を通過し
出口流路3へと流出する。流体がオリフィス11を通過す
ると、その上流側と下流側に圧力差ΔPが発生する。
今、第2図において、P1はオリフィス11よりも上流側の
圧力を示している。P2はオリフィス11よりも下流側の圧
力を示している。図中、31〜37および31′〜37′までの
番号は弁軸12および弁体13の受圧部を示している。P1
圧力導入口16aからシリンダー10内に導入され弁軸12の
表面全体に作用するが、31と31′、32と32′、34と34′
および35と35′は各々上面、下面からP1が作用するので
圧力は相殺される。一方、36と36′、33と33′および37
と37′には上面にP1、下面にP2が作用している。今、3
6,33および37の投影面積の総和をAとすると、A=36′
+33′+37′となることは明確であるから、結果的に前
記圧力差ΔP(=P1−P2)は弁軸12および弁体13表面に
おいて面積Aのみに作用していることになる。従って、
第1図において、弁軸12および弁体13はAXΔP[Kgf]
の荷重を受けて開口部7の軸線方向に作動する。該圧力
差ΔPおよびその変動が比較的僅少である場合には、弁
軸12は第1スプリング14のみを圧縮付勢しながら開口部
7方向へ、また逆に第1スプリング14の弾性反発力によ
り付勢されながら開口部7から離間させられる方向へと
作動するが、該圧力差ΔPおよびその変動が比較的大な
る場合には、弁軸12はある一定区間第1スプリング14を
圧縮付勢しながら作動したあとは、次に主として第2ス
プリング15からの強力な弾性反発力を受けながら開口部
7方向へ、あるいはそれと逆の作用で、開口部7から離
間させられる方向へと作動する。このような、圧力差Δ
Pの変動に応じた弁軸12およびそれに連動する弁体13の
作動に従って開口部7と弁体13の間に形成されているオ
リフィス11は拡大または縮小される。今、何らかの原因
で弁本体5に流通されている流体の上流側圧力が、増大
するかまたは下流側圧力が減少して流量が増大した場
合、前記圧力差ΔPが大となる。それに伴って弁体13
は、前記作用により自動的にオリフィス11を縮小するの
で、流量は瞬時に減少して予め設定された流量へと制御
される。逆に何らかの原因で流体の上流側圧力が減少す
るかまたは下流側圧力が増大して流量が減少した場合、
前記圧力差ΔPは小となる。それに伴って弁体13は前記
作用によりオリフィス11を自動的に拡大するので、流量
は瞬時に増大して予め設定された流量へと制御される。
このような各部の作用により、弁本体5の上流側と下流
側の圧力差が変動しても流量は一定に維持される。な
お、このような作用を効果的にするために第1スプリン
グ14のバネ定数は第2スプリング15のバネ定数よりも可
及的に小とすることが必要である。開口部7は、広範囲
な流量設定が可能であるように、また弁体13がどの位置
から作動し始めても任意の定流量制御が可能であるよう
になめらかにわん曲した形状になっている。ハンドル23
を閉方向に回してスピンドル9およびシリンダー10を開
口部7方向へ移動させ固定すると、それに従って弁体13
も移動する。開口部7は下流側へ行く程縮径された形状
となっているから、オリフィス11はそれに従って縮小さ
れる。この位置から弁体13が作動すると、オリフィス11
は相対的に縮小された範囲内で変化して流体の制御をす
るように作用する。すなわち、弁体の初期作動位置が流
体を相対的に小流量に制御できるよう変化する。逆にハ
ンドル23を開方向に回してスピンドル9およびシリンダ
ー10を開口部7から離間させる方向へ移動させ固定する
と、上記と逆の作用でオリフィス11は拡大される。この
位置から弁体13が作動すると、オリフィス11は相対的に
拡大された範囲内で変化して、流体の制御に作用する。
つまり、弁体の初期作動位置が流体を相対的に大流量に
制御できるように変化する。このように、スピンドル9
およびシリンダー10の移動は、制御流量値を大小任意に
変化させるよう作用する。
さらに、スピンドル9およびシリンダー10を開口部7
方向へ移動させ、ついにはシリンダー10の下端シール面
10bが開口部7の弁座部6に当接し、押圧させるように
すると、中空室4と出口流路3との間が完全閉塞される
ので、流体の流れは止められ、弁は完全な閉止状態とな
る。
この弁の完全閉止状態において、実開昭62−96173号
公報に開示されているような従来のこの種の定流量弁で
は、開口部が下流側から上流側に縮径されているため第
5図に示すようにオリフィスよりも上流側の高い流体圧
力P1が弁座部6(通常ゴムシートを用いる)の内側から
作用し、弁座部6が外側にめくられる様になり、弁座部
6に若干の漏れが生じる。これに対し、本実施例では開
口部7が上流側から下流側に縮径されているため第6図
に示すように、オリフィスよりも上流側の高い流体圧力
P1が外側から弁座部6に作用しシール部分をさらに密接
に押圧するよう変形し漏れの発生をなくする。このよう
に本実施例によればシール性が従来品に比べ格段に向上
する。
第3図は、本発明の第2の実施例を示したものであ
る。第1スプリング40と第2スプリング41とが移動スプ
リング座42を介して直列に配置されているものである。
他の構成は、第1の実施例と同一のため説明を省略す
る。
第1のスプリング40は、その上端部が弁軸12のスプリ
ング座用の溝12cに嵌入され、その下端部が移動スプリ
ング座42の上面に当接するように配設され、第2のスプ
リング41は、その上端部が移動スプリング座42の下面に
当接し、その下端部がスプリング座16に当接するよう配
設されている。移動スプリング座42は、中央に開口部を
もち、該開口部に弁軸12の軸部12bが接触しないように
挿入され、かつ前記シリンダー10内周面に摺動自在に嵌
合されている。
上記の構成からなる本実施例の作動については、弁軸
12、弁体13、第1スプリング40、第2スプリング41およ
び移動スプリング座42の関係についてのみ説明し、その
他については第1の実施例と同様であるから説明を省略
する。
第3図において、弁軸12および弁体13が、前記圧力差
ΔPの変動によってAXΔP[Kgf]の荷重を受けて開口
部7方向へ移動する際、該ΔPおよびその変動が比較的
僅少なる時は、ある一定区間主に第1スプリング40を圧
縮付勢しながら、あるいは逆に主に第1スプリング40か
ら付勢されながら移動するが、該ΔPおよびその変動が
大なる時は、弁軸の鍔部12aが移動スプリング座42の筒
状突起部42aに当接した後は、主に第2スプリング41を
圧縮付勢しながらあるいは逆に主に第2スプリング41か
ら付勢されながら移動する。このように弁体13は圧力差
ΔPの大小の変動に応じて作動し、弁体13と開口部7と
の間に形成されているオリフィス11を拡大または縮小す
るので、配管圧力の変動に起因する流量の増減を自動的
に瞬時に設定値へと制御する。このような作用を効果的
にするために、第1のスプリング40は第2のスプリング
41よりも可及的にバネ定数の小なるものを適用すること
が必要である。
つぎに、第1図に示した構造を有する口径25Aの定流
量弁を使用して、下記条件にて実流試験を行った。その
結果の流量特性を第4図に示す。
〔条件〕 流体 〜 水 温度 〜 25℃ 弁の流量設定範囲 1/min〜30l/min 弁前後の圧力差 0〜1.0Kgf/cm2 バネ定数 第1スプリング 0.35Kgf/mm 第2スプリング 0.91Kgf/mm 以上の条件でテストした結果は以下の通りであった。
精度 各設定値の±4〜±6%以内 制御圧力差範囲 (0.1〜0.18)〜1.0Kgf/cm2 圧力損失 0.1〜0.18Kgf/cm2 レンジアビリティ 30:1(従来品 4:1〜8:1) 第4図からわかるように、本定流量弁は大流量から微
少流量まで広範囲にわたって制御でき(レンジアビリテ
ィ 30:1)、制御精度も各設定値の±4〜±6%以内と
良好であった。
〔発明の効果〕
本発明は以上説明したような構成および作用を有する
ものであるから、次のような効果を奏する。
微少流量から大流量まで極めて広範囲に渡って流量
制御が行える。すなわち、従来品のレンジアビリティが
4:1〜8:1であったのに対し本発明の定流量弁では30:1と
大幅に拡大されている。
流体は、弁体と開口部とで形成されるオリフィスの
拡大・縮小の作用のみによって制御されるから、従来品
に比較して配管内のゴミ・異物等による作動不良がな
く、長期にわたって、安定した流量制御が可能である。
特に、弁軸には従来例のような貫通孔が設けられていな
いため、弁軸の鍔部とシリンダーとの間に形成される空
間に流体が流入することがなく、そのため流体中に含ま
れるゴミ等の異物が弁軸とシリンダーとの摺動部に咬み
込まれることがなくなり、弁体の作動がスムーズに行わ
れる。
以上,の長所が新たに付加され、更に従来の
「定流量制御」、「制御流量値の任意設定」、「止水
弁」としての3つの機能を同時に具備している。
また、弁本体の開口部を上流側から下流側に縮径し
ているため、止水弁として作用した時、高い流体圧力が
開口部の弁座部に外側から作用し弁座部のシール部分を
密接するよう押圧変形させ、漏れの発生を完全に防止す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の定流量弁の一実施例を示す縦断面図、
第2図は流体の圧力バランス説明用の要部縦断面図、第
3図は他の実施例を示す縦断面図、第4図は実流試験結
果を示す流量特性図である。 第5図は従来の定流量弁の全閉状態を示す拡大部分縦断
面図、第6図は本発明の定流量弁の全閉状態を示す拡大
部分縦断面図である。 図において 1……隔壁、2……入口流路、3……出口流路、4……
中空室、5……弁本体、6……弁座部、7……開口部、
8……縮流管、9……スピンドル、10……シリンダー、
10b……下端シール面、11……オリフィス、12……弁
軸、13……弁体、14……第1スプリング、15……第2ス
プリング、16……スプリング座、17……蓋体、23……ハ
ンドル、40……第1スプリング、41……第2スプリン
グ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に設けられた隔壁により、流路がわん
    曲された入口流路と出口流路を有し、さらに、該入口流
    路の軸線に対してある角度をもって配された軸線を有
    し、かつ前記両流路の間に位置し該入口流路とを連通す
    るように配された中空室を有するストップ弁型弁本体、
    前記弁本体内に設けられ前記出口流路と前記中空室とを
    連通し、かつ、その内周面が上流側から下流側に縮径さ
    れた形状を有する開口部、前記弁本体に装着された蓋
    体、該蓋体に支持され前記開口部の軸線にほぼ一致する
    軸線を有し該軸線方向に進退動可能なスピンドル、該ス
    ピンドルの下端部に一体的に設けられ、前記中空室内に
    進退動可能に装着され、かつ、その下端面が前記開口部
    の弁座部に当接可能なシリンダー、該シリンダー内に遊
    嵌され前記開口部とほぼ同一軸線上に配された中実の弁
    軸、該弁軸の先端部に該開口部との間にオリフィスを形
    成することができるよう装着された弁体、及び前記シリ
    ンダー内に配設され該弁体を前記開口部から離間させる
    よう付勢しかつ流体圧力の変動に応じた伸縮作用の実質
    的開始時期が相互に時間差をもって行われるよう配設さ
    れたバネ定数の異なる複数のスプリングとを具備してな
    る定流量弁。
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