JP2515222B2 - ラケットフレ―ム - Google Patents

ラケットフレ―ム

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JP2515222B2
JP2515222B2 JP5069340A JP6934093A JP2515222B2 JP 2515222 B2 JP2515222 B2 JP 2515222B2 JP 5069340 A JP5069340 A JP 5069340A JP 6934093 A JP6934093 A JP 6934093A JP 2515222 B2 JP2515222 B2 JP 2515222B2
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fiber
racket frame
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reinforcing
resin
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幸三 谷澤
良司 樋口
和彦 新留
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Mizuno Corp
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Mizuno Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テニス、スカッシュ等
のラケットフレームに関するものであり、特に連続繊維
補強材と熱可塑性繊維とで編成したブレードを使って形
成された、剛性が比較的小さく、かつ強度及び振動吸収
性に優れたラケットフレームに関する。
【0002】
【従来の技術】テニス、スカッシュ等のラケットフレー
ムは、近年、繊維強化樹脂(FRP)製のものが主流と
なっている。そして前記FRPの構成としては、補強繊
維として、たとえば、ガラス繊維、カーボン繊維、ステ
ンレス繊維、ボロン繊維、アラミド繊維などを単独でま
たは2種以上を組み合わせて、連続繊維の形態あるいは
短繊維の形態で用いられる。前記繊維が連続繊維の形態
で用いられる場合には、マトリックス樹脂としてポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱
硬化性樹脂が主として用いられ、前記連続繊維に樹脂を
含浸させてプリプレグ化したものを、加熱、加圧するこ
とによって所定の形状に硬化成形されている。
【0003】そのほか、特開昭63−212514号公
報に開示されているように、ポリアミド樹脂を用いて、
予め成形型内に補強繊維を配置し、前記樹脂材料を注入
して成形型内で反応硬化させる、RIM成形法により形
成されたものがみられるが、この場合は、熱硬化性樹脂
あるいは熱可塑性樹脂のいずれでも良い。補強繊維を短
繊維の形態で用いる場合は、たとえば特公昭59−35
632号公報に開示されているように、ポリアミド樹脂
などの熱可塑性樹脂中に前記短繊維を混入し、成形型内
に射出注入して成形されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のラケットフ
レームには、以下の問題点があった。すなわち、従来の
連続繊維にマトリックス樹脂として熱硬化性樹脂を用い
てプリプレグにより成形したものにおいては、通常、カ
ーボン繊維などの剛性の高い補強繊維を、50〜60体
積%含有させて、必要な剛性や機械的強度を満たしてい
る。熱硬化性樹脂は、靱性に劣り、それを強化するため
に補強繊維の量を多くすると、剛性が上り、重量が重く
なる。また、振動吸収性が低下し、打撃時に振動が持つ
人の肘に伝わるといった欠点がある。前記のようなラケ
ットフレームを成形する場合には、補強繊維の含有量を
50体積%以下にすると、加熱成形時にマトリックス樹
脂の流動で補強繊維の配置が乱れることや、成形型から
樹脂が流出することなどにより、ラケットフレームの品
質、物性が安定しないなどの恐れがあった。
【0005】RIM成形法でラケットフレームを成形す
る場合には、補強繊維中にマトリックス樹脂を充分含浸
させることが難しく、品質が安定しにくかった。また、
熱可塑性樹脂中に短繊維を補強繊維として混入させ射出
成形するものにあっては、射出成形であるため成形時の
樹脂の流動性を良くするために、繊維の含有量は30体
積%程度であり、しかも繊維長は1mm以下程度となって
いる場合が多く、したがって剛性や強度が不足する欠点
がある。このような、欠点を補うためには、ラケットフ
レームの外殻の肉厚を大きくした構造とする必要があ
り、その場合には、重量が大きくなるといった不具合が
あった。そこで本発明は、上記欠点に鑑み、ラケットフ
レームの成形に際し、熱可塑性繊維と補強繊維とで編成
したブレードを用いて成形したラケットフレームにする
ことにより、ラケットフレーム全体のEI値が1.2〜
1.5kg・mm2(ラケットフレーム頭部と、前記頭部から
グリップ側へ600mmの位置を支持し、中央部に60kg
の荷重をかけたときのEI値)程度で、軽量であって強
靭、しかも振動吸収性に優れたラケットフレームを提供
しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、全繊維含有量に対して約80〜60体積
%の熱可塑性繊維と全繊維含有量に対して20〜40体
積%の補強繊維とで編成したブレードをラケットフレー
ム成形型内で、前記熱可塑性繊維を溶融し、前記補強繊
維と一体に硬化して形成したラケットフレームである。
熱可塑性繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ナイロン、ポリアミドイミド、ポリ
エーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテル
エーテルケトン樹脂のポリマーの繊維が使用できる。補
強繊維としては、通常のFRP成形品に使用される補強
繊維が使用できる。たとえばカーボン繊維、ガラス繊
維、アラミド繊維、セラミック繊維、ジルコニヤ繊維、
石英繊維などを使用できる。これらの補強繊維は、ラケ
ットフレームの特性及び各部位の特性により種々組み合
わせて用いることができる。
【0007】本発明のラケットフレームの補強繊維の含
有量は、補強繊維の配置される角度により任意に選ぶこ
とができるが、比較的剛性の低い、EI値が1.2〜
1.5kg・mm2の範囲のラケットフレームとするために
は、全繊維含有量に対して、20〜40体積%であるこ
とが必要であり、更に好ましくは25〜35体積%程度
である。前記熱可塑性繊維と補強繊維とで編成したブレ
ードは、熱可塑性繊維と補強繊維を混合して収束したヤ
ーンで編成したものを使用してラケットフレームを形成
するほか、前記ブレードを、熱可塑性繊維を収束したヤ
ーンと補強繊維を収束したヤーンとで交織して編成した
ものを使用してラケットフレームを形成することができ
る。またいずれの場合も前記補強繊維は、一種類である
必要はなく、2種以上の材料を組み合わせることができ
る。
【0008】
【作用】本発明のラケットフレームは、熱可塑性繊維と
補強繊維とを混合したブレードを、前記熱可塑性繊維を
ラケットフレーム形状に溶融固化して形成したものであ
るため、補強繊維間にマトリックス樹脂となる熱可塑性
の繊維が緊密に配置された状態で成形型に配置され、加
熱溶融されるので、成形時のマトリックス樹脂の流動に
よる補強繊維の乱れがなく、補強繊維の含有量が20〜
40体積%と少なくても、樹脂と繊維の割合がラケット
フレームのどの部分でも、常に一定に成形でき、品質、
強度にばらつきを生じることがない。また、補強繊維と
熱可塑性繊維とが成形前に緊密に混合された状態である
ことから、樹脂とのぬれ性が余り良好でない材料であっ
ても、繊維の隅々まで樹脂が含浸し、層間剥離等を生ず
ることがないために、例えば、剛性の大なる材料と、振
動吸収性の良好な材料とを組み合わせるなど、2種類以
上を組み合わせることができる。
【0009】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づき説明する。図
1は本実施例によるラケットフレーム1であり、以下の
方法により成形されたものである。すなわち、図4に示
すように、ナイロン6樹脂のポリマー繊維4と、炭素繊
維5を、体積比が7:3となるように収束してヤーンと
した。このときのヤーンのデニール数は5300であっ
た。前記ヤーンを用いて、図2〜図3に示すように、ヤ
ーンの角度が20〜30度で、重さが30g/mとなる
ようにラケットフレーム成形用のブレード3を編成し
た。前記ブレード3を、図6に示すように、ラケットフ
レームの長さに相当するシリコンのチューブ7に被覆
し、成形型6内に配置し、型締め後、チューブに空気等
を圧入して膨張させ、前記ナイロン6繊維を溶融させる
温度まで加熱加圧してラケットフレーム形状に溶融固化
させて形成した。
【0010】成形されたラケットフレーム1の物性を、
フレーム曲げ強度について測定し、従来品と比較した。
従来品として、ナイロン樹脂をマトリックスとしカーボ
ン繊維を50体積%含有したラケットフレームを成形
し、その破壊強度、60kgの荷重を加えたときのたわみ
量及び、破壊時のたわみ量を100とした場合の比較値
は、本実施例品は、破壊強度は従来品とあまり変わらな
かったが、60kgの荷重を加えたときのたわみ量が15
0%、破壊時のたわみ量が125%であり、強度を低下
させることなく、剛性を小さくしたラケットフレームと
することができた。
【0011】本実施例においては、補強繊維にカーボン
繊維を使用し、ナイロン6繊維との混合ヤーンで編成し
たブレードを使用したが、そのほか、図5に示すよう
に、補強繊維の種類を5、5aと2種類以上使用して混
合ヤーンとしたり、図7に示すように、補強繊維5、5
aと熱可塑性繊維4を別々のヤーンに収束し、前記別々
のヤーンを交織してブレードを編成することで混合した
ものを使用して、ラケットフレームを形成することもで
きる。補強繊維の種類は、1種類に限定する必要はな
く、例えば、炭素繊維を主体としてそのほかに、振動減
衰性を向上させるためにシャフト部、グリップ部等にア
ラミド繊維を混合するといったように、2種類以上を混
合させて使用できる。いずれの場合も補強繊維と熱可塑
性繊維の体積比は、20〜40:80〜60の範囲であ
ることが必要である。
【0012】
【発明の効果】以上のように、本発明のラケットフレー
ムは、熱可塑性の繊維と補強繊維とを緊密に混合して編
成されたブレードを用いて形成したことから、成形時に
マトリックス樹脂の流動により繊維が乱れたり、マトリ
ックス樹脂の割合が多い場合にも流出などの恐れがな
く、品質、特性の安定したラケットフレームであった。
したがって、補強繊維含有量を20〜40体積%と低く
することができ、しなやかであってしかも強靭で、軽量
なラケットフレームとすることができた。また、補強繊
維と熱可塑性の繊維は、繊維の形態で混合の割合が緊密
に設定されていることから、例えば樹脂とのぬれ性が余
り良好でない補強繊維であっても補強繊維の隅々まで均
等に樹脂が行きわたり、含浸不良による層間剥離などの
恐れがない。したがって、ラケットフレームの任意の箇
所に、必要な特性を有する補強繊維を組み合わせて使用
することができるため、設計の自由度が大きいラケット
フレームとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例によるラケットフレームの正面図。
【図2】本実施例に使用するブレードの説明図。
【図3】ブレードのB−B線切断説明図。
【図4】混合ヤーンの説明図。
【図5】混合ヤーンの説明図。
【図6】本実施例のラケットフレームの成形方法の説明
図。
【図7】ブレードの説明図。
【符号の説明】
1 ラケットフレーム 2 ヤーン 3 ブレード 4 熱可塑性繊維 5 補強繊維 5a 補強繊維 6 成形型 7 チューブ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全繊維含有量の80〜60体積%の熱可
    塑性繊維と全繊維含有量の20〜40体積%の補強繊維
    とで編成したブレードをラケットフレーム成形型内で、
    前記熱可塑性繊維を溶融し、前記補強繊維と一体に硬化
    して形成したことを特徴とするラケットフレーム。
  2. 【請求項2】 前記ブレードは、熱可塑性繊維と補強繊
    維を混合して収束したヤーンで編成したことを特徴とす
    る請求項1記載のラケットフレーム。
  3. 【請求項3】 前記ブレードは、熱可塑性繊維を収束し
    たヤーンと補強繊維を収束したヤーンとを交織して編成
    したことを特徴とする請求項1記載のラケットフレー
    ム。
  4. 【請求項4】 前記補強繊維は、2種以上の材料を組み
    合わせたことを特徴とする請求項1、2または3記載の
    ラケットフレーム。
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