JP2514883B2 - クリ―ル - Google Patents

クリ―ル

Info

Publication number
JP2514883B2
JP2514883B2 JP21283192A JP21283192A JP2514883B2 JP 2514883 B2 JP2514883 B2 JP 2514883B2 JP 21283192 A JP21283192 A JP 21283192A JP 21283192 A JP21283192 A JP 21283192A JP 2514883 B2 JP2514883 B2 JP 2514883B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
bobbin
creel
twisting
untwisted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21283192A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0673643A (ja
Inventor
幸一 菊地
光之 北川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kikuchi Kogyo KK
Original Assignee
Kikuchi Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kikuchi Kogyo KK filed Critical Kikuchi Kogyo KK
Priority to JP21283192A priority Critical patent/JP2514883B2/ja
Publication of JPH0673643A publication Critical patent/JPH0673643A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2514883B2 publication Critical patent/JP2514883B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、織機、整経機等の所定
の装置に給糸する際、未加撚糸材料を加撚して供給する
為のクリールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、撚糸をたて糸として使用する
各種の安全帯やスリングベルト等の帯状織物を製造する
には、ビームに加撚糸を所要本数巻いて製織するか、予
め加撚した糸をボビンに巻き、このボビンをクリールに
配置して該クリールから加撚糸をたて糸として織機に供
給する方法がとられている。
【0003】たて糸に撚糸を使用して製織する場合次の
ような問題がある。すなわち、撚糸加工は織物メーカー
内では行なわれず外部の撚糸業者に依頼するのが普通で
あるが、用途や糸の仕様により個々の織物に要求される
風合いに応じて撚り度の変更を必要とするにも拘わら
ず、撚糸加工後は不具合と分かっても撚り度の変更はで
きず不便である。また、各ボビンには同一長さの撚糸が
巻かれているとは限らず、ばらつきがあり加撚糸の無駄
が生じる。さらに、ボビンに巻かれる加撚糸の長さはラ
ージパッケージの原糸の長さに比べて長くても二分の
一、通常は三分の一以下であり、このため製織の途中で
加撚糸ボビンの交換と糸結びの手間がかかり且つ製品の
用途によって結び目部分は不良品となり廃棄しなければ
ならないものがある。このように、撚糸をたて糸として
使用する織物の製織の場合は、未加撚糸をクリールから
ダイレクトに織機に供給する場合に比べて不都合な点が
多く問題となっていた。
【0004】一方、未加撚糸をたて糸としてクリールよ
りダイレクトに製織する場合にあっては、ラージ、パッ
ケージの原糸のまま使用するために製織の途中で原糸ど
うしをつなぐ手間がほとんどなく、また巻返し工程や整
経工程が不要で、さらに原糸を外部の撚糸業者に送って
撚糸加工を依頼しなくても済む等の理由から製造効率が
前者の場合に比して格段と優れているものの、製品の風
合は限定され、またこしが弱く、摩耗に対して弱い等品
質的に若干問題があり、また製織中に無撚りであるがた
めにフィラメントの集束性が悪く糸が切れて毛羽立ちや
すく、これがひどくなると織機を停止させて正常な状態
に復旧させなければならない煩わしさがある。
【0005】本発明者は上記問題を解決するため、特願
昭57−029084号において未加撚糸を巻いた各ボ
ビンに対してフライヤー機構に類似した構成の加撚装置
を装備して、ボビンから未加撚糸を送ると同時に該未加
撚糸に撚りを加えるようにしてなるクリールを提案し
た。この発明によればラージパッケージの未加撚糸を撚
糸して織機に供給する目的は達成することができたもの
の設備費用が多額となる問題があった。
【0006】そこで、特願昭60−189847号にお
いて比較的少額の設備投資費用で同様の効果を挙げるこ
とを目的として、加撚機構にリングとトラベラーを使用
したクリールを提案し、前記フライヤー機構に類似した
構成のものより構造が簡単でコストが比較的に安価なも
のになった。これにより撚糸加工した糸を使用して製織
する場合の種々の不具合点は解消することができた。し
かし、安価になった設備投資費用といっても、撚糸加工
の費用に比べたとき圧倒的にコストが低くなったとは言
えない設備投資費用を必要とする欠点があり問題点の抜
本的解決に至らなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は未加撚糸をク
リールからダイレクトに織機に供給する場合に比べて遜
色のない、撚糸をダイレクトに織機に供給する方法を提
供することを第1の目的とする。 又本発明の第2の目
的は、設備費用の低減にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するため次に示すような技術構成を採用するもので
ある。即ち、未加撚糸を巻いたボビンを所要本数配置し
て、該各ボビンから該未加撚糸を引き出して、同時並行
して所定の装置に対して加撚糸を供給する過程で撚加工
を施す様に構成されたクリールで有って、該ボビンを支
持固定して回転させるスピンドルと該スピンドルを任意
の回転方向及び任意の回転数に可変できる駆動装置とを
具備し、該スピンドルに支持固定された該ボビンの先端
部には、ヤーンアジャストリングが嵌合しているヤーン
ストレージ部を有するボビンアタッチメントが取付けら
れており、該ボビンに巻かれている該未加撚糸が解舒さ
れてヤーンストレージ部とヤーンアジャストリングを通
過した後、所定の装置に導かれる間に該未加撚糸に撚り
が加えられて、前記所定の装置に供給される様に構成さ
れている加撚装置を備えたクリールである。
【0009】本発明に係るクリールに於いては、上記し
た様な新しい技術を採用したものであって、従来のクリ
ールとは異なり全く新規の加撚装置を備えたクリールを
提供したものである。尚、上記ヤーンアジャストリン
グ、ヤーンストレージ部、ボビンアタッチメント等は、
従来にない構成部品であるため、本願発明者が定義した
新規な名称であり、詳細は後述する。
【0010】この結果、従来のこの種のクリールに比べ
て部品点数が少なく、且つ、安価な材料を使用できるこ
とから設備投資費用を著しく低減する事が可能となっ
た。
【0011】
【作用】本発明に係るクリールにおいては、上述したよ
うな新しい技術を採用したものであって、従来のクリー
ルとは異なり、全く新規の加撚装置を備えたクリールを
提供したものである。即ち、本発明に係るクリールに於
いては、図2に示される様に、スピンドルに支持固定さ
れる未加撚糸を巻いたボビンは糸が解舒される方向に回
転しているが、糸が引き出される位置によりいわゆるバ
ルーニングの大きさが異なり引き出される糸の長さも異
なる。
【0012】該ボビンアタッチメントのヤーンストレー
ジ部の出口に位置するヤーンアジャストリングにより糸
はフリーに出ていかない様に抑えられている為にバルー
ニングの変動によって余分に解舒された糸の先端はヤー
ンストレージ部にまつわり付く様に一時蓄えられる。ま
つわり付く糸の長さはバルーニングの変動によって異な
るが、この作用によってバルーニングの変動による糸の
出方が調整される。
【0013】又、ヤーンアジャストリングは、ここから
出ていく糸にほぼ一定の張力を付与すると共に、この出
口より先で撚りが加えられるので、撚り度を一定に保つ
作用がある。ボビンアタッチメントのヤーンストレージ
部とヤーンアジャストリングのコンビネーションにより
安定した解舒と均一な加撚操作が行われて織機、整経機
等の所定の装置に撚糸を供給する事が可能となるのであ
る。
【0014】
【実施例】以下に、本発明に係るクリールの具体例を図
面を参照しながら詳細に説明する。即ち、図1は、本発
明に係るクリールの一具体例の全体の構成を示す側面図
であり、図中、未加撚糸2を巻いたボビン3を所要本数
配置して、該各ボビン3から該未加撚糸2を引き出し
て、同時並行して経糸引き揃えローラー群12を経て所
定の装置13(例えば、図1に於ける織機)に対して撚
糸4を供給する様に構成されている。
【0015】所定の装置13は整経機で有っても良い。
図2は、加撚部分図を示す具体例であり、該クリール1
は該ボビン3を支持固定すると共に該ボビン3を回転さ
せるスピンドル5と該スピンドル5を回転させるモータ
ー6と駆動伝達装置6aとを具備し、該スピンドル5に
支持固定されている各ボビンの先端部には、ヤーンアジ
ャストリング9が嵌合しているヤーンストレージ部8を
有するボビンアタッチメント7が嵌合されているもので
あり、図6及び図7に示されている様に、該各ボビン3
に巻かれている該未加撚糸2が、スピンドルによって回
転する該ボビン3より解舒されるに際して発生するバル
ーニング10の先端10aは該ボビンアタッチメント7
のヤーンストレージ部8に入り込む。
【0016】該ヤーンストレージ部には解舒時のバルー
ニングの大きさにより長さは異なるが、一周を越えない
範囲で外周を回り込んでから該ヤーンアジャストリング
の内側を通過する。通過した直後から該ボビンアタッチ
メント7が回転している為にヤーンガイド11に至る間
に糸に所定の撚りが加えられる。
【0017】本発明に係る該クリール1に於いて使用さ
れる該ボビン3は、円筒形管、テーパー管、パーン管等
両つば付き管を除き、如何なる形状、材質、構造のもの
で有っても良く、又該ボビンに巻かれている糸も無撚糸
はもとよりメーカーによって予め甘撚糸として供給され
る糸(本発明に於いて未加撚糸の範疇に含まれる)でも
良く特に限定されるものではない。
【0018】又、未加撚糸の繊度も特に限定されるもの
ではなく、当該糸が使用される用途に応じて適宜に選択
される。必要であれば、原糸を合糸しておけば合撚糸と
同様の効果を得る事も可能である。図1では、スピンド
ル5を駆動するモーターをクリール後方に6台配置して
あるが、これに限らず単独のモーターで有っても良く、
勿論複数のモーターで有っても良いし、モーター位置も
クリールの上方でも下方で有っても良い。
【0019】図2は、加撚機構を示す部分図であるが、
モーター6と駆動伝達装置6aによって、ここでは図示
されない多本数のスピンドル5を回転駆動させる。該モ
ーター6とスピンドル5への駆動伝達手段は特に限定さ
れるものではなく、従来公知の例えばチェーン駆動方
式、タイミングベルト駆動方式等何れを採用しても良い
が、チェーン駆動方式を採用することが設備投資費用の
低減の為に特に好ましい。
【0020】又、図2ではボビンに円筒形紙管を使用す
る例を示したが、この例では中央の2本のフレームを貫
く1本のスピンドル5の左右にそれぞれボビン3aと3
bを支持固定している。この駆動方式も極めてシンプル
で、又、設備投資費用の低減の為に大きく寄与する。
【0021】スピンドルの回転方向に未加撚糸の解舒方
向を合わせて支持固定する為、通常の場合は、左右の何
れかはボビンを逆に差し込む必要がある。従って、図2
の右側では、未加撚糸の解舒する方向を時計回りの方向
に合わせて取り付けるとスピンドルの回転によりS撚り
に加撚され、図2の左側では、未加撚糸の解舒する方向
時計回りの方向に合わせて取り付けられてスピンド
ルの回転によりZ撚りに加撚される。
【0022】糸をボビンの一方向からのみ引き出され
る、例えばテーパー紙管の場合には、ボビンを逆に支持
する事ができないが、この場合は特別に原糸の解舒方向
を2方向に巻き分ければ上記例と同様の加撚をする事が
可能である。又、必要であればスピンドルを左右単独に
設置して左右の回転方向を変える事により、同一の撚り
方向とすることも可能である。
【0023】本発明に係る該クリールに於いて、該ボビ
ン3を回転させながら未加撚糸2を解舒することによっ
て、該未加撚糸を加撚糸4とするものであるが、その加
撚糸4としての必要な加撚数は、該ボビンの回転数と該
ボビンから引き出される未加撚糸の引き出し速度によっ
て決定される。従って、本発明に於いては、前述のよう
に該ボビン3を任意の方向に回転させる事が可能な構成
を有すると同時に任意の回転数を該ボビンに与える事が
可能な構成を有する事が必要である。
【0024】又、本発明に於いては、該クリールから引
き出される複数本の加撚糸群4は、必要に応じて全てが
同一の撚数或いは同一の撚り方向を有しているもので有
っても良く、又撚数と撚方向の双方が互いに異なる様に
配置配列されているもので有っても良い。従って、本発
明に於けるクリール1に配置されたそれぞれのボビン3
は、該モーター6若しくは駆動手段6aによって系列毎
にそれぞれ任意の方向に回転される様に構成されている
事が好ましく、又それぞれの系列が任意の撚数に加撚さ
れる様に回転数が自由に設定出来る様に構成されている
事が好ましい。
【0025】勿論それぞれの系列を全て同一の回転数と
する事も自由である。具体的に図1により説明するなら
ば、クリール1の後方にはモーター6−1から6−6ま
での6台が配置されていて、それぞれ水平方向のボビン
群を図示されていない駆動手段によって駆動している
が、それぞれの駆動系列が単独に回転方向と回転数を任
意に設定できるように構成されていることが好ましい。
系列別の回転数の変更は経糸の繊度に応じた撚度、経糸
の使途別の撚度を設定することを可能とする。必要であ
れば回転させずに未加撚糸のまま供給することもでき
る。
【0026】回転方向の変換は公知の適当な回転方向切
換手段を使用することにより容易に実施でき、又、ベル
ト或いはチェーン等を掛け替える等の方法でも実施する
ことができる。具体例ではモーター6に回転数を10分
の1にする変速機を装備した。例えば60ヘルツでモー
ター回転数が1800rpm の場合出力回転数は180rp
m となる。具体例ではモーター6の回転数は制御盤を通
してインバーターにより周波数を変更して制御するよう
にした。周波数を0から120ヘルツの範囲で変更する
ようにしたが、この場合は、理論的には0から360rp
m にすることが可能である。
【0027】又、図1では1台のモーター系列で水平方
向1列のスピンドル群を駆動する様に図示されているが
駆動手段を複数段設けることにより1台のモーター系列
で複数段を駆動することも可能である。スピンドルとス
ピンドルの間隔は、通常使用されるボビン及びボビンに
巻かれている原糸の巻き量により決定される。本発明に
係るクリールを用いて製織する各種の具体例を以下に説
明するが、説明を簡明にする為にニードル細幅織機を用
いて左右2帯の織物を製織する例を説明する。即ち、 1)図1のモーター6−1〜6−6のすべてを回転方向
・回転数を揃えた場合は、撚度はすべて同じでクリール
正面から見て左右はそれぞれ撚り方向が異なることにな
る。このケースでは必要であればクリール左右の糸をそ
のまま織機左右に振り分ければ左右の織物はそれぞれ撚
り方向の異なる織物が得られる。 2)クリール出口と経糸引き揃えローラー群12の間で
Z撚りとS撚りを振り分ければ織機の左右2帯はそれぞ
れがS・Z撚りが所定の幅毎に混在する織物が得られ
る。織物が杉綾織の場合、同一方向の撚糸を使用して織
ると綾目方向により綾目の見え方が異なるが、この方法
では綾目毎に撚り方向を変えられるので綾目の見え方が
同じ織物を織ることができる。振り分ける方法は当業者
であれば織物の仕様に応じて任意に行うことができる。 3)モーター6−1・6−3・6−5の回転方向を同一
として、モーター6−2・6−4・6−6の回転方向を
これと反対の方向に回転させると、クリール1の左右共
にZ撚りとS撚りが混在することになる。このクリール
左右の糸をそのまま織機の左右2帯に引き込んで製織す
る。比較的に強撚の糸を一方向の撚糸で織ると織物に捩
れが生じるがこのようにして織られた織物はZ撚りとS
撚りが混在しているのでバランスがとれて捩れることが
ない。 4)1帯の織物に太さの異なる経糸を使用したい場合と
か、同じ太さの糸を使用する場合でも撚度を部分的に変
更したい場合がある。このような場合モーター6−1〜
6−6のそれぞれを任意に変更してそれぞれの経糸に必
要な撚度を設定することができる。必要であれば一部の
モーターを停止すれば未加撚糸を供給することもでき
る。 5)すべてのモーターを停止すれば、従来のクリールと
同様に未加撚糸だけを、又は撚糸をそのまま供給するこ
ともできる。
【0028】上記は本発明に係るクリールを織機に用い
る場合について説明したが織機に限定されるものでは無
く、整経機に供給するクリールにもこの発明を応用する
ことができる。但し、整経機に使用する場合は巻取速度
が織機に比べて速いのでそれに即したモーター回転出力
と駆動装置が設計される必要がある。次に、本発明のポ
イントである該ボビンアタッチメントとヤーンアジャス
ターを用いた未加撚糸の加撚方法について詳細に説明す
る。
【0029】本発明の加撚方法は従来にない新規の加撚
方法であって、従来の各種の撚糸方法のいずれと比較し
ても非常にシンプルで低コストで撚糸できる特徴があ
る。例えば、ニードル織機で細幅織物を製織する場合、
2000ピック/分の速度とすると33ピック/インチ
の緯糸打込数であれば約1.5m/分、16.5ピック
/インチの緯糸打込数であれば約3.0m/分の経糸が
供給される。この様に比較的に低速度なので仮に100
t/mの撚度を与えるとすればボビンの回転数を1.5
m/分の糸速であれば150rpm 、3.0m/分の糸速
であれば300rpm の回転をさせれば良い。この程度の
低速に有ってはスピンドル回転、ボビン支持機構、ボビ
ンアタッチメント等の精度は比較的にラフで有っても実
用上問題がない。
【0030】基本的には、糸の解舒する方向にボビンを
回転させて糸を引き出すとそれだけでも糸に撚りが加わ
る。しかし、単にボビンを回転させるだけでは解舒時の
糸の位置とバルーニングの影響で糸に撚りが掛かり始め
る位置が変動する為に撚度が不安定になるし、更に解舒
そのものも不安定でボビン本体や周りの糸にまつわる等
の原因で糸が切断してしまい連続して織機の運転が不可
能となる。本発明はこの点に着目してバルーニングの変
動を吸収して解舒を安定にさせると共に、撚りの掛かり
始める位置を一定にして撚度を安定させ、更には糸の張
力をほぼ一定にすることを図ったものである。
【0031】即ち、本発明の撚糸方式のポイントは二つ
の部品からなり、その一つはボビンアタッチメント7で
これはボビンに嵌め込み固定する部分と、バルーニング
の変動により変化する糸の送り出し長さを一時的に蓄え
て糸の送り出し長さを補正するヤーンストレージ部8を
有する部品であり、もう一つはヤーンアジャストリング
9で前記ヤーンストレージ部の先端部分に取付けられて
未加撚糸がフリーに出て行かない様に抑えて必要に応じ
てヤーンストレージ部に余分な糸を蓄える働きと、糸を
抑えることによって糸に一定の張力を与えると共に、こ
の位置から糸に撚りをかけ始める位置決めの役割を受け
持つ部品である。
【0032】更に、上記のボビンアタッチメント7、ヤ
ーンストレージ部8とヤーンアジャストリング9につい
て具体的に説明する。図5(A)は、本発明に係るボビ
ンアタッチメント7の1具体例の構成を示す図であって
図3のアルミパーン用に使用されるものの側面図であ
る。図5の(B)は本発明に係る図5(A)の該ボビン
アタッチメント7に嵌合して使用されるヤーンアジャス
トリング9の1具体例を示したものであり、JISに基
づく市販品の合成ゴム材料よりなる所謂Oリングの一種
であり好ましく使用される。
【0033】該ヤーンアジャストリング9は、所定の弾
性と摩擦力を有して該未加撚糸2をフリーに出て行かな
い様に押えると共に加撚糸4に一定の張力を付与する作
用を有するものであれば如何なるもので有っても良い。
又、該ヤーンアジャストリング9は上記した機能を発揮
しえる素材であれば特に限定されるものではないが、例
えば、合成樹脂、合成ゴム、天然ゴム等から選択された
一つの材料であることが好ましい。更に、単なるリング
でなく図5(C)に示される様な、合成樹脂で構成され
たリング状本体部分200と該本体部分200の内側に
一方向に傾斜して形成された多数の髭状突起部201を
設けたもので有っても良い。
【0034】本発明に係る該ボビンアタッチメント7に
設けられる該ヤーンストレージ部8は、該ボビンアタッ
チメント7の外周表面に設けられているもので、適宜の
幅と深さを有する溝状体を構成するものである。該ヤー
ンストレージ部8の幅及びその深さは、特に限定される
ものでは無いが、該ボビン3に巻かれている未加撚糸の
素材の種類、繊度、構成単繊維本数、加撚数、引き出し
速度、該ボビンの回転数等によるバルーニングの形状を
主とし、該ヤーンアジャストリングの材質、弾力性、摩
擦力等も勘案して、最適なディメンジョンのものを採用
することが好ましい。何れにしても未加撚糸がどの位置
から引き出されてもバルーニングの先端がヤーンストレ
ージ部に入り込む様に設計されなければならない。その
為の一つの手段として図4に示す様に該ボビンアタッチ
メント7の糸巻き層に近い部分までボビン本体を被覆す
る様にしたカバー部80を設けておくことが望ましい。
【0035】本発明のクリールに於いて、未加撚糸が解
舒される時にその糸材質、繊度、糸の巻径の大きさ、引
き出される糸の位置、ボビンの回転数等の様々な要素に
よって引き出される糸のバルーニングの大きさが変化す
るが、特にボビンの前方から糸が引き出される場合はバ
ルーニングは大きく膨らみ、糸が後方から引き出される
場合はほとんど膨らまない。
【0036】このことは送り出される糸の長さが膨らみ
が大きい場合に長く、小さい場合は比較的に短いことを
意味する。一方、糸は一定の速度で引き出されているの
でこれを放置して置くと膨らみの大きい時にはボビンの
先端の糸が巻かれていない部分に巻きついて不具合であ
る。そこで本発明者はこれを補正する為にボビン先端に
アタッチメントを取付けてこれに糸が巻きつく部分、即
ち、ヤーンストレージ部8と称する部分を設けたもので
ある。
【0037】しかしこれだけでは未だ不安定であること
が判明したのでヤーンストレージ部8の先端部分にヤー
ンアジャストリング9を取付けた結果、安定して解舒、
加撚できる様になった。引き出される糸はヤーンアジャ
ストリング9に抑えられているので、バルーニングの膨
らみが小さい場合はヤーンストレージ部8に殆ど巻きつ
くことなく引き出されていくが、膨らみが大きい場合は
ヤーンストレージ部8に巻きついて長さが補正される。
巻きつく場合でも実験観察の結果ヤーンストレージ部8
の外周一周を超えることはなかった。
【0038】しかし、巻きついた糸に余分な抵抗が加わ
ると張力の変動が大きくなるのでこれを少なくする為に
ヤーンストレージ部8の表面はできる限り平滑にするの
が効果的であり、また、出口つまり先端のヤーンアジャ
ストリング9に向けて緩やかなテーパーをつけることも
有効である。尚、ボビンアタッチメントの製作は比較的
に安価である合成樹脂の成型品を使用した。
【0039】以上に加撚の機構及び構成を説明したがス
ピンドルをパイプ状としてこの中空部に芯となる部材を
通して使用すれば本発明のクリールをカバーリング形成
機として利用することも可能である。尚、図1にはクリ
ール1と所定の装置(織機)13の間に経糸引き揃えロ
ーラー群12が設けられているがこの装置は、引き出さ
れた糸に張力むらが発生した場合にここで張力むらを吸
収させる働きをする。更には、糸の材質、繊度等によっ
て撚糸される時に必要以上の過剰張力がかかってしまう
場合は、前記ローラー群の一部に製織時の張力を感知し
て積極的に糸を送り出す装置を使用することが可能であ
る。
【0040】
【発明の効果】本発明に係るクリールに於いては、上記
したような構成を有しているので以下に示す様な多くの
効果を得ることができる。即ち、 1)以上説明したように本発明のクリールによれば、加
撚糸を使用することによる無駄な作業、例えば加撚機へ
の仕掛け作業、撚糸ボビンからの巻き返し作業等を省略
できるので製造期間・コスト等全体的な生産性が向上す
る。 2)予め加撚した撚糸を使用する場合にはボビンに巻か
れる糸の重量(長さ)が原糸メーカーより供給されるラ
ージパッケージ糸に比べて少ないが、本発明では、ラー
ジパッケージ糸がそのまま使用できる利点がある。 3)フライヤー方式やリング・トラベラー方式の撚糸方
式に比べて、シンプルな構造であり構成する部品が圧倒
的に少なく、しかも、ボビンアタッチメントを例外とし
て、全て極く普通の一般市販品を利用して製作できる。
この結果、加撚機構全体を安価に製造することができて
製品の生産コストを大幅に低減させることができる。 4)本発明のクリールによれば、上記の効果に加えて、
経糸にS撚りとZ撚りの糸を使用する際に、糸を誤って
配置する恐れがなくなる。また、S撚りとZ撚りの糸を
使用することで製品の捩れ対策が容易に行える。 5)材質や繊度の異なる糸や経糸の使途に応じた適切な
撚度をそれぞれに与えることが容易に可能となる。 6)マルチフィラメント糸等を比較的強い撚りにすると
撚り戻りによって糸が捩れて作業性が悪くなるので捩れ
止め加工を施す必要があるが、本発明ではこのような捩
れ止め加工の必要がなく作業性が損なわれない。 7)本発明では、任意の撚度に加撚された糸を直接製織
機に供給することができるので、風合いの良い摩耗に対
して強靱な製品を製造できる上に、予め加撚した撚糸を
使用した場合と比べて糸荒れのない品質の優れた製品を
製造できる。 8)本発明に於いてスピンドルの回転数を可変できる様
に駆動装置も具備されているので、従来できなかった製
織過程での撚度の変更が容易に実施できて製品の風合の
改良が確認しながら行える。 9)所謂、撚糸機による加撚糸は、一般的に糸強力が原
糸の糸強力より低下することが知られているが、本発明
による加撚糸は糸強力の低下が殆ど無い。
【0041】従って、シートベルト等の強力が特に要求
さえる分野の製品にとって、本発明の撚糸技術は極めて
有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る加撚装置を備えたクリー
ルの一具体例の構成例を示す図である。
【図2】図2は、本発明に係るスピンドル駆動手段と加
撚機構を示す一具体例を示す図である。
【図3】図3は、本発明に係る未加撚糸のボビン(アル
ミパーン)と巻き形状の一種及びボビンアタッチメント
を取り付けた状態を示す図である。
【図4】図4は、本発明に係る未加撚糸のボビン(円筒
形紙管)と巻き形状の一種及びボビンアタッチメントを
取り付けた状態を示す図である。
【図5】図5Aは、本発明に係る未加撚糸のボビン(ア
ルミパーン)に取り付けられるボビンアタッチメントの
一具体例を示す図である。図5Bは、本発明に係る図5
Aのボビンアタッチメントに取り付けられるヤーンアジ
ャストリング(Oリング)を示す図である。図5Cは、
本発明に係る図5Aのボビンアタッチメントに取り付け
られるヤーンアジャストリングの別の一具体例を示す図
である。
【図6】図6は、本発明に係るクリールに於ける未加撚
糸の引出し状況を説明する図である。
【図7】図7は、図6を引出し側から見た未加撚糸の引
出し状況を説明する図である。
【符号の説明】
1…クリール(フレーム) 2…未加撚糸 3…ボビン 4…加撚糸 5…スピンドル 6…駆動手段、モータ 6a…駆動伝達装置(スプロケット、チェーン) 7…ボビンアタッチメント 8…ヤーンストレージ部 9…ヤーンアジャストリング 10…バルーニング 10a…バルーニング先端部 11…ヤーンガイド 12…引き揃えローラー群 13…所定の装置 80…カバー部 200…リング本体 201…髭状突起部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D03J 1/02 D03J 1/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未加撚糸を巻いたボビンを所要本数配置
    して、該各ボビンから該未加撚糸を引き出して、同時並
    行して所定の装置に対して加撚糸を供給する過程で撚加
    工を施す様に構成されたクリールで有って、該ボビンを
    支持固定して回転させるスピンドルと該スピンドルの回
    転方向と回転数を変換できる駆動装置とを具備し、該ス
    ピンドルに支持固定された該ボビンの先端部には、ヤー
    ンアジャストリングが嵌合しているヤーンストレージ部
    を有するボビンアタッチメントが取付けられており、該
    ボビンに巻かれている該未加撚糸が解舒されてヤーンス
    トレージ部とヤーンアジャストリングを通過した後、所
    定の装置に導かれる間に該未加撚糸に撚りが加えられる
    事を特徴とする加撚装置を備えたクリール。
  2. 【請求項2】 前記スピンドル駆動装置は、モーターと
    駆動伝達手段からなる複数系列であり、その系列のそれ
    ぞれがスピンドルの回転方向を変換しかつ回転数も変換
    出来る様に構成されている事を特徴とする請求項1記載
    のクリール。
  3. 【請求項3】 クリールから糸を引き出して供給する該
    所定の装置が織機又は整経機である事を特徴とする請求
    項1記載のクリール。
JP21283192A 1992-08-10 1992-08-10 クリ―ル Expired - Fee Related JP2514883B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21283192A JP2514883B2 (ja) 1992-08-10 1992-08-10 クリ―ル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21283192A JP2514883B2 (ja) 1992-08-10 1992-08-10 クリ―ル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0673643A JPH0673643A (ja) 1994-03-15
JP2514883B2 true JP2514883B2 (ja) 1996-07-10

Family

ID=16629084

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21283192A Expired - Fee Related JP2514883B2 (ja) 1992-08-10 1992-08-10 クリ―ル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2514883B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BR112014014264A2 (pt) * 2011-12-22 2017-06-13 Procter & Gamble máquina compacta para desenrolamento de múltiplas mechas de material
CN106144753B (zh) * 2015-03-24 2018-12-21 中原工学院 一种经纱制筒机及其制筒工艺
CN105803643A (zh) * 2016-06-06 2016-07-27 石狮市诚新电脑织唛有限公司 一种经纱张紧装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0673643A (ja) 1994-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1996010664A1 (fr) Cantre dote d'un dispositif de double torsion
JPS6028936B2 (ja) 糸の製造方法
US6775970B2 (en) Apparatus and method for making a hybrid cord
JP2514883B2 (ja) クリ―ル
JP2630567B2 (ja) ダブル加撚装置を備えたクリール
JP2514884B2 (ja) 加撚装置を備えたクリ―ル
US4789008A (en) Creel for loom
CA2104473C (en) Creel with twisting device
JPH10121342A (ja) 弾性糸の給糸方法
US5492152A (en) Creel with twisting device
Gokerneshan Weaving preparation technology
JPS6119747B2 (ja)
KR0141611B1 (ko) 복합사의 제조장치
EP0187686A2 (en) Rubber thread covered with one or more windings having a controlled and limited elasticity, method and apparatus for its production
JPH10259535A (ja) 弾性糸の給糸方法
JPH07157934A (ja) 特殊紡績糸及びその製造方法
KR200231103Y1 (ko) 합성수지제 원사의 공급장치
JPH0472274A (ja) 糸パッケージの巻取装置
JPS6119742B2 (ja)
JPS638171A (ja) 管捲方法
JPH0742617B2 (ja) 合成繊維糸条の巻き取り方法
JP2004250849A (ja) モノフィラメント仮撚糸の製造方法および製造装置
EP1111105A1 (en) A winding interweaving machine for the treatment of one or more yarns
JP2004353152A (ja) モノフィラメント仮撚糸の製造方法および製造装置
JPS61252320A (ja) 合糸方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 13

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090430

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090430

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 14

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100430

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100430

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110430

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110430

Year of fee payment: 15

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees