JP2514441Y2 - 流体式サスペンション - Google Patents

流体式サスペンション

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JP2514441Y2
JP2514441Y2 JP9607289U JP9607289U JP2514441Y2 JP 2514441 Y2 JP2514441 Y2 JP 2514441Y2 JP 9607289 U JP9607289 U JP 9607289U JP 9607289 U JP9607289 U JP 9607289U JP 2514441 Y2 JP2514441 Y2 JP 2514441Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、自動車等の車両の懸架機構部に使用される
流体式のサスペンションに関する。
[従来の技術] 流体式のサスペンションは、内部に液室をもつシリン
ダと、このシリンダに挿入されたロッドと、圧縮ガスが
封入された気室等を備えて構成され、上記圧縮ガスの反
発力を上記ロッドの伸び方向に作用させることによって
車両の荷重を支えるようにしている。従って気室の内部
には高圧(例えば50〜100kg f/cm2)のガスが封入され
る。この種のサスペンションにおいて、シリンダ内の液
室に減衰力発生機構を内蔵することにより、ショックア
ブソーバに相当する機能をもたせることも行われてい
る。また、減衰力を可変としたショックアブソーバも知
られている。
従来の減衰力可変ショックアブソーバは、実開昭62-3
4239号公報に見られるように、ロッドの先端部分にピス
トン組立体を設けることによってシリンダ内部を第1液
室と第2液室とに分けるとともに、このピストン組立体
とは別にロータリ弁を内蔵し、ロータリ弁の弁体をモー
タによって回転させることにより、第1液室と第2液室
との間の流路断面積を変化させるように構成されてい
る。
この場合、弁体はロッドの内部に回転自在に保持されて
おり、弁体の側壁部に複数種類のオリフィスが設けられ
ているとともに、ロッドの側壁部には上記弁体の回転位
置に応じて上記オリフィスに選択的に連通する複数の流
通孔が開設されている。従って油はこれらオリフィスお
よび流通孔を通って第1液室と第2液室との間を流れ
る。
[考案が解決しようとする課題] この種の装置において、適正な減衰特性を発揮させる
には、ロータリ弁自身と、弁体が収容される収納部の内
径寸法等が高精度に加工されている必要がある。しかし
ながらロッドは長尺でありかつロッドの外周部に傷をつ
けてはいけないため、ロッドのチャッキングに格別な工
夫が必要であり、ロッドのロータリ弁収納部を高精度に
仕上げることに困難を伴う。こうした問題を解決するに
は、ロッドとは別体のハウジングをロッドの端部に組付
けるようにし、ハウジング内にロータリ弁収納部を設け
るようにすればよいが、シリンダ内の減衰力発生機構部
付近は狭く、かつ細かな部品が多数収納されるため、各
種部分を合理的な配置構造にしないと、減衰力発生機構
部が大形化したり部品点数が増大するなどの問題が生じ
る。
従って本考案の目的は、減衰力を切替えることの可能
な減衰力発生機構部を備えたものにおいて、ロータリ弁
収納部をロッドとは別体のハウジングに設けることによ
り高精度な加工を可能とし、かつ減衰力発生機構部を構
成する部品を合理的に配置できるとともに、ロッドが縮
み側に動く時の減衰力の立上がりを小さくすることによ
って乗り心地を良くすることができるような流体式のサ
スペンションを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を果たすために本考案者が開発した流体式サ
スペンションは、内部に液室をもつシリンダと、上記シ
リンダに挿入されかつ軸線方向に沿う液体流路を兼ねた
中空孔を有するとともにシリンダ内に位置する端部に雄
ねじが設けられている中空のロッドと、上記中空ロッド
の雄ねじにねじ込まれる雌ねじを有する大径部分および
この大径部分に連なる小径部分およびこれら両部分の間
に位置する中間端面を有していて上記小径部分に軸線方
向に貫通する軸方向流通孔を有しているとともに上記大
径部分には径方向に貫通する横孔を有している段付きス
タッドと、上記中空ロッドの端部の開口からこの中空ロ
ッド内に挿入されかつ中心部に軸線方向に貫通する軸方
向貫通孔を有しているとともに側壁部に上記スタッドの
横孔に連通する径方向のオリフィスを有するハウジング
と、両端が開口する直円筒状をなしていて上記ハウジン
グの軸方向貫通孔に回転自在に収容されるとともに中心
部に上記スタッドの小径部分の軸方向流通孔に連なる軸
方向の中空孔を有しかつ側壁部に上記ハウジングのオリ
フィスに連通可能な第1ポートおよび上記中空ロッドの
中空孔に連通可能な第2ポートを有したロータリ弁体
と、上記中空ロッドの内部に収容されていて上記ロータ
リ弁体を駆動する電動アクチュエータと、上記スタッド
の小径部分に組付けられていて上記シリンダ内の上記液
室を第1液室と第2液室とに仕切るとともにこれら両液
室間の差圧が所定値以上になった時に開弁するプレート
弁を備えているピストン組立体とを具備し、かつ、上記
段付きスタッドの中間端面に、上記ロータリ弁体に設け
られた第3ポートを介してロータリ弁体の上記中空孔に
連通可能なバイパス流通孔を設けるとともに、上記中間
端面と上記ピストン組立体との間に、上記中空ロッドが
シリンダに対して伸び側に動く時には閉弁状態にあって
上記バイパス流通孔を塞ぎかつ上記中空ロッドが縮み側
に動く時にのみ差圧により開弁して上記バイパス流通孔
を開口させるチェック弁とを具備している。
[作用] 上記ロータリ弁体はステッピングモータ等の電動アク
チュエータによって回転させられ、所定ポジションに位
置させられる。そしてこの弁体の回転位置に応じて、弁
体の第1ポートがハウジングのオリフィスに連通する。
このオリフィスはスタッドの横孔を介して第1液室に連
通する。また上記第1ポートは弁体の中空孔とスタッド
の軸方向流通孔を介して第2液室に連通する。
シリンダに対してロッドが伸び方向に移動する時、第
1液室内の液は、スタッドの横孔→ハウジングのオリフ
ィス→弁体の第1ポート→弁体の中空孔→スタッドの軸
方向流通孔という経路を経て第2液室に流入するととも
に、第1液室の液の一部はピストン組立体のプレート弁
を通って第2液室に流入する。ロッドが縮み方向に移動
する時には、第2液室内の液が上記とは逆の経路を通っ
て第2液室に流入するとともに、第2液室の液の一部が
ピストン組立体のプレート弁を通って第1液室に流入す
る。従って、ロッドの移動方向に応じた減衰力が得られ
るとともに、弁体の第1ポートとハウジングのオリフィ
スの大きさ等に応じた減衰力が得られる。
ピストン組立体は段付きスタッドの小径部分に組付け
られている。また、この段付きスタッドの小径部分と大
径部分との間の中間端面を利用して、バイパス流通孔と
チェック弁を設けることができる。バイパス流通孔は、
ロータリ弁体に設けられた第3ポートを介してこの弁体
の中空孔に連通可能である。チェック弁は中空ロッドが
伸び側に動く時には閉弁状態にあってバイパス流通孔を
塞ぎ、中空ロッドが縮み側に動く時にのみ開弁してバイ
パス流通孔を開口させる。このようなバイパス流通孔と
チェック弁を段付きスタッドの中間端面に設けたため、
コンパクトな構成でありながら、ロッドが縮み側に移動
する時の減衰力の立上がりを伸び側に移動する時の減衰
力の立上がりよりも小さくすることができる。
[実施例] 以下にこの考案の一実施例について、第1図ないし第
10図を参照して説明する。
第3図に示された流体式サスペンション10は、第1の
蓄圧手段としてのシリンダ機構11と、第2の蓄圧手段と
してのサブチャンバ12とを備えている。シリンダ機構11
は、アウタシリンダ13と、このアウタシリンダ13の軸線
方向に往復移動自在に挿入された中空のロッド14と、後
述するインナシリンダ30等を有している。中空ロッド14
の内部に、軸線方向に沿う液体流路を兼ねた中空孔15が
設けられている。
ロッド14の図示上端側にバンプラバー20とダストカバ
ー21およびブラケット22等が設けられているとともに、
車体側に連結するために使われるマウントインシュレー
タ23が設けられている。ロッド14の図示下端部すなわち
アウタシリンダ13の内部に位置する端部に、後述するス
タッド42を取付けるための雄ねじ24(第4図参照)が設
けられている。この雄ねじ24の近傍に、径方向に貫通す
る孔25が設けられている。
アウタシリンダ13の内側にインナシリンダ30が同心状
に設けられている。また、アウタシリンダ13の図示上端
側に軸封シール部31が設けられている。アウタシリンダ
13の下端に取着された連結用部材32は、車両のアクスル
側の部材(図示せず)に連結される。
アウタシリンダ13の内部に、仕切り部材の一例として
の金属製ベローズ35がアウタシリンダ13の軸線方向に伸
縮自在に設けられている。ベローズ35の下端に設けられ
たベローズ蓋36は、インナシリンダ30の開口端に対向し
ている。ベローズ35の外面とアウタシリンダ13の内面と
によって規定される空間は気室37として使われる。気室
37の内部には、圧縮された窒素ガス等の不活性ガスが車
両の荷重を支えるに足る圧力で封入されている。気室37
に封入されたガスの圧力はロッド14をシリンダ13から押
出す方向に作用する。
ベローズ35の内側は液室38として使われる。この液室
38には作動液の一例としての油が満たされている。この
液室38は、後述するピストン組立体110によって図示上
側の第1液室38aと図示下側の第2液室38bとに仕切られ
る。
ロッド14の図示下端に減衰力発生機構部41が設けられ
ている。第1図に拡大して示すように、減衰力発生機構
部41は、ロッド14の端に固定された段付きのスタッド42
を備えている。
スタッド42は、ロッド14の雄ねじ24にねじ込まれる雌
ねじ43を有する大径部分44と、この大径部分44に連なる
小径部分45と、これら両部分44,45の間に位置する中間
端面46を有している。また、小径部分45には軸線方向に
貫通する軸方向流通孔50が設けられているとともに、雄
ねじ51が設けられている。大径部分44にはロッド14の端
部が嵌合する孔52と、この孔52の内周部に形成された上
下2条の環状溝53,54と、径方向に貫通する複数の横孔5
5が設けられている。横孔55は一方の環状溝53に連通す
る。また、このスタッド42の中間端面46に、他方の環状
溝54に連通する複数のバイパス流通孔56が開口してい
る。
また、中空ロッド14の下端開口からこの中空ロッド14
の内部にハウジング60が挿入されている。このハウジン
グ60は、軸線方向に貫通する軸方向貫通孔61を有してい
る。ハウジング60の側壁部には、スタッド42の横孔55に
連通する環状溝62と、この環状溝62に連通する2種類の
大きさの第1オリフィス63,64が設けられている。更に
このハウジング60には、ロッド14の中空孔15に連通する
第2オリフィス65と、前述したバイパス流通孔56に連通
する3種類の大きさの第3オリフィス66,67,68が設けら
れている。
ハウジング60の軸方向貫通孔61に、ロータリ弁体71が
回転自在に挿着されている。このロータリ弁体71は、両
端が開口する直円筒状をなしており、中心部に軸線方向
の中空孔72を有している。この中空孔72は、スタッド42
の軸方向流通孔50に連なっている。この弁体71の側壁部
には、弁体71の回転位置に応じて前記第1オリフィス6
3,64に選択的に連通する第1ポート73と、前記第2オリ
フィス65に連通可能な第2ポート74と、前記第3オリフ
ィス66,67,68に選択的に連通する第3ポート75が設けら
れている。
上記弁体71は、カップリング80とギヤヘッド81を介し
て、電動アクチュエータの一例としてのステッピングモ
ータ82によって回転させられるようになっている。ステ
ッピングモータ82に駆動信号を送るためのリード線83
は、耐圧コネクタ84,85とリード線ケース86の内部を通
って、ロッド14の外部に引出され、図示しないコントロ
ーラから送出される駆動パルスをステッピングモータ82
に伝送するようになっている。モータ82とギヤヘッド81
は、液体流路としての中空孔15に収容されているため、
モータ82とギヤヘッド81は中空孔15内を流れる液中に浸
漬された状態となる。
ギヤヘッド81の出力軸87はカップリング80に連結され
ている。カップリング80の基部に設けられたフランジ部
88とロータリ弁体71の端面との間にスラストベアリング
89が設けられており、弁体71の軸線方向に作用する軸力
を回転自在に支持し、モータ82による弁体71の円滑な回
転を可能にしている。ギヤヘッド81とベアリング89との
間にはジョイントカラー90が設けられている。ジョイン
トカラー90はキーピン91によってハウジング60との位置
決めがなされている。92は止め輪である。
カップリング80の先端部はロータリ弁体71の内部に挿
入されており、径方向に貫通するストッパピン93によっ
てロータリ弁体71に連結されている。カップリング80の
先端部は、ロータリ弁体71の第2ポート74を流れる液の
流通を円滑にするように先端を尖らせた円錐形状に形成
されている。
ジョイントカラー90とハウジング60との間に、弁体71
の回動範囲とステッピングモータ82の初期の位置出しを
規制するためのストッパ部材95がキーピン91によって固
定されている。このストッパ部材95は、第5図(A)に
示されるように、互いに90°の角度をなす2つのストッ
パ壁96,97を有しており、これらストッパ壁96,97とスト
ッパピン93とによって弁体71の回動範囲が90°に制限さ
れている。ストッパ部材95に設けられた流通部98,99
は、ロッド14の中空孔15とハウジング60の第2オリフィ
ス65との間に液が流れることができるように開口してい
る。
スタッド42の小径部分45に、ピストン組立体110がナ
ット111とリテーナ112を用いて取付けられている。ナッ
ト111は、小径部分45に形成された前記雄ねじ51にねじ
込まれている。ピストン組立体110は、外周部にスライ
ドベアリング113を備えた円盤状のピストン本体114を備
えて構成され、ピストン本体114に周知のプレート弁115
が設けられている。プレート弁115は、ピストン本体114
の図示上面側に配置された第1のディスク116と、ピス
トン本体114の図示下面側に配置された第2のディスク1
17と、これらディスク116,117間に形成された第1の流
通孔118と第2の流通孔119等からなる。
このピストン組立体110によって、液室38が第1液室3
8aと第2液室38bとに仕切られている。第1のディスク1
16は、第2液室38bの圧力が第1液室38aよりも所定値以
上大きくなった時に開弁し、第2のディスク117は、第
1液室38aの圧力が第2液室38bよりも所定値以上大きく
なった時に開弁するような荷重−撓み特性をもたせてい
る。
また、スタッド42の中間端面46を利用してチェック弁
121が設けられている。このチェック弁121は、第2図に
拡大して示したように、中間端面46とピストン組立体11
0との間に挟み込まれたリテーナ122と、チェックプレー
ト123と、チェックばね124と、スペーサ125等を備えて
構成されている。チェックプレート123は、チェックば
ね124の弾力によってバイパス流通孔56を塞ぐ方向に付
勢されている。すなわちこのチェック弁121は、ロッド1
4がシリンダ13,30に対して縮み側に動く時にのみ差圧に
より開弁してバイパス流通孔56を開口させるような配置
である。
サブチャンバ12(第3図)は、密閉された円筒状の圧
力容器130と、この圧力容器130の内側に同心状に配置さ
れた内筒131とを備えて構成されている。圧力容器130の
内部に金属製のベローズ132が圧力容器130の軸線方向に
伸縮自在に設けられている。圧力容器130の内部は、上
記ベローズ132によって気室133と液室134とに仕切られ
ている。気室133には、シリンダ機構11の気室37と同様
に圧縮された窒素等の高圧不活性ガスが封入されてい
る。ベローズ132の下端に設けられたベローズ蓋135は、
内筒131の開口端に対向している。液室134は液路136を
介してロッド14の中空孔15に連通している。
次に、上記構成のサスペンション10の作用について説
明する。
第5図(A)〜(D)は、ロータリ弁体71がソフトポ
ジションに位置している状態を示している。このソフト
モードでは、第5図(A)に示されるようにストッパピ
ン93が第1のストッパ壁96に突当たることによって、弁
体71がソフトポジションに保持される。そしてこのソフ
トモードでは、第5図(B)に示されるように第2ポー
ト74が第2オリフィス65に連通するため、このオリフィ
ス65と第2ポート74を介して、ロッド14の中空孔15とス
タッド42の軸方向流通孔50が互いに連通状態となる。こ
のため、シリンダ機構11の第2液室38bとサブチャンバ1
2の液室134が互いに連通する。しかもこのソフトモード
では、第5図(C)に示されるようにロータリ弁体71の
第1ポート73がハウジング60の大口径第1オリフィス63
に連通するとともに、第5図(D)に示されるように第
3ポート75が大口径第3オリフィス66に連通する。
上記ソフトモードにおいて、車両走行中の路面の凹凸
等によってロッド14がシリダ13に押込まれる方向(縮み
側)に動くと、第8図に示したように、第2液室38bの
液の一部は、流通孔50→中空孔72→第1ポート73→第1
オリフィス63→環状溝62→孔25→環状溝53→横孔55とい
った経路を経て第1液室38aに流入する。更に第2液室3
8bの液の一部は、流通孔50→中空孔72→第3ポート75→
第3オリフィス66→環状溝54→バイパス流通孔56→チェ
ック弁121といった経路を経て第1液室38aに流入する。
また第2液室38b内の液の一部は、所定の差圧以上にな
るとピストン組立体110の流通孔118を通り、上側のディ
スク116を押し開けて第1液室38aに流入する。このよう
な経路を液が流れることにより減衰力が得られ、ロッド
14の動きが抑制される。また、バイパス流通孔56を通っ
て液の一部が流れることができるため、第10図の減衰力
特性図においてAに示されるように減衰力の立上がりを
小さくすることができる。バイパス流通孔56とチェック
弁121を設けていないと、第10図中にBに示されるよう
に減衰力の立上がりが大きくなり、ゴツゴツした感触の
乗り心地になってしまう。
また上記ソフトモードにおいて、ロッド14が縮み側に
移動することに伴って気室37が更に圧縮されると、第2
液室38bの液の一部が流通孔50→中空孔72→第2ポート7
4→第2オリフィス65→ロッドの中空孔15→液路136とい
った経路を経てサブチャンバ12の液室134に流入する。
従ってサブチャンバ12の気室133も更に圧縮されるよう
になる。すなわちこのソフトモードでは2つの気室37、
133が互いに協働してガスばねとして機能するため、ば
ね定数を低く(小さく)することができる。
上記ソフトモードにおいて、ロッド14がシリンダ13か
ら抜ける方向(伸び側)に動く時には、第9図に矢印で
示したように、第1液室38a内の液の一部が、横孔55→
環状溝53→孔25→環状溝62→第1オリフィス63→第1ポ
ート73→中空孔72→流通孔50を通って第2液室38bに流
入するとともに、第1液室38a内の液の一部が、所定の
差圧以上になるとピストン組立体110の流通孔119を通
り、下側のディスク117を押し開けて第2液室38bに流入
することにより、減衰力が生じる。またこの場合にも、
サブチャンバ12の気室133とシリンダ機構11の気室37が
互いに協働してガスばねとして機能するため、ばね定数
が小さくなる。このようにロッド14が伸び側に動く時に
は、チェック弁121のチェックプレート123が閉弁したま
まであるから、バイパス流通孔56には液が流れない。こ
のため減衰力の立上がりは縮み側に比べると大きくな
る。
第6図(A)〜(D)は、ロータリ弁体71がハードポ
ジションまで回転させられた状態を示している。このハ
ードモードでは、第6図(B)に示されるように第2ポ
ート74が遮断されるため、シリンダ機構11の液室38とサ
ブチャンバ12の液室134は互いに独立する。従ってハー
ドモードにおいては、シリンダ機構11の気室37のみがガ
スばねとして機能するため、ばね定数が大きくなる。し
かもハードモードでは、第6図(C)に示されるように
ロータリ弁体71の第1ポート73が遮断されるとともに、
第6図(D)に示されるように第3ポート75が小口径の
第3オリフィス68に連通する。従ってハードモードにお
いては流路断面積が小さくなり、大きな減衰力が得られ
る。
第7図(A)〜(D)は、ロータリ弁体71がミディア
ムポジションまで回転させられた状態を示している。こ
のミディアムモードでは、第7図(A)に示されるよう
に、ストッパピン93が第2のストッパ壁97に突当たるこ
とによって、弁体71が当該位置に保持される。このミデ
ィアムモードでは、第7図(B)に示されるように第2
ポート74が第2オリフィス65に連通するため、シリンダ
機構11の液室38とサブチャンバ12の液室134が互いに連
通する。従って2つの気室37,133が互いに協働してガス
ばねとして機能するため、ばね定数を下げることができ
る。しかもこのミディアムモードでは、第7図(C)に
示されるようにロータリ弁体71の第1ポート73がハウジ
ング60の中間径第1オリフィス64に連通するとともに、
第7図(D)に示されるように第3ポート75が中間径第
3オリフィス67に連通する。このため、ミディアムモー
ドにおいては、中程度の減衰力が得られる。
なお、ハードモードは、悪路走行時や急カーブあるい
は急制動時等において車体の姿勢を安定化させるのに役
立つ。ソフトモードは、良路における直進走行時等にお
いて乗り心地を良くするのに役立つ。上述した路面状況
や車体の状態は、図示しないセンサによって検出して前
記モータ82を自動制御してもよいし、あるいは手動スイ
ッチによる操作でモータ82への指令信号を送出するよう
にしてもよい。
ばね定数を切替える必要のない場合、第11図に示され
るような大きな切欠き部140をもったハウジング60を採
用することにより、弁体71の回転位置にかかわらず常に
第2ポート74をロッド14内の液路(中空孔15)に連通さ
せるように構成してもよい。この場合、シリンダ機構11
の気室37またはサブチャンバ12の気室133のいずれか一
方を省略することができる。
また第12図に示されるように、ハウジング60に2種類
の大きさのオリフィス65a,65bを設けてもよい。この場
合、ソフトモードでは第2ポート74が大口径のオリフィ
ス65aに連通させられ、ハードモードでは第2ポート74
が遮断され、ミディアムモードの時に第2ポート74が小
口径のオリフィス65bに連通させられる。従って、ミデ
ィアムモードではソフトモードに比べて液室38,134間を
流れる液速度が抑制されるようになるため、シリンダ13
に対するロッド14の移動速度(ピストン速度)が速くな
るにつれて動ばね定数が大きくなる。このため第13図に
示されるような3種類の動ばね特性が得られる。
本実施例の減衰力発生機構41によれば、ロータリ弁体
71の収納部がロッド147とは別部品のハウジング60内に
あり、しかもハウジング60の貫通孔61と弁体71の中空孔
72はいずれもストレートな貫通孔であるから、加工が容
易であるとともに、径寸法等を高精度に仕上げることが
できる。また、ピストン組立体110とチェック弁121が段
付きスタッド42に一体に組付けられるので、このアッセ
ンブリを別工程で自動組立することが可能であり、組立
を能率よく行うことができる。また、ロータリ弁体71を
収納するハウジング60がロッド14とは別部品であるの
で、ハウジング60、ストッパ部材95、ギヤヘッド81、モ
ータ82、耐圧コネクタ84,85等の内蔵品をサブ・アッシ
ーしておくことができ、ロッド14内への挿入が容易とな
る。更には、チェック弁121を段付きスタッド42の中間
端面46に組付けてあり、ロータリ弁体71の内部にはチェ
ック弁121等の内蔵物を設けないようにしているため、
ロッド14の内部の中空孔15を液体流路として利用する必
要がある流体式サスペンションに好適な構造である。
[考案の効果] 本考案によれば、スタッドおよびロッドの端部等を利
用して減衰力発生機構部の各部品をコンパクトにまとめ
て組付けることができ、しかも弁体および弁体収納部等
を高精度に加工することができる。また、バイパス流通
孔とチェック弁を段付きスタッドの中間端面に設けたた
め、コンパクトな構成でありながら、ロッドが縮み側に
移動する時の減衰力の立上がりを伸び側に移動する時の
減衰力の立上がりよりも小さくすることができ、乗り心
地の良いものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第10図は本考案の一実施例を示し、第1図
は減衰力発生機構部の断面図、第2図はチェック弁が設
けられている部分の拡大断面図、第3図は流体式サスペ
ンションの一部を断面で示す側面図、第4図は減衰力発
生機構部の一部の分解斜視図、第5図(A)はソフトモ
ード時の第1図中のA-A線に沿う断面図、第5図(B)
はソフトモード時の第1図中のB-B線に沿う断面図、第
5図(C)はソフトモード時の第1図中のC-C線に沿う
断面図、第5図(D)はソフトモード時の第1図中のD-
D線に沿う断面図、第6図(A)はハードモード時の上
記A-A線に沿う断面図、第6図(B)はハードモード時
の上記B-B線に沿う断面図、第6図(C)はハードモー
ド時の上記C-C線に沿う断面図、第6図(D)はハード
モード時の上記D-D線に沿う断面図、第7図(A)はミ
ディアム時の上記A-A線に沿う断面図、第7図(B)は
ミディアム時の上記B-B線に沿う断面図、第7図(C)
はミディアム時の上記C-C線に沿う断面図、第7図
(D)はミディアム時の上記D-D線に沿う断面図、第8
図はロッドが縮み側に移動する時の液の流れを示す断面
図、第9図はロッドが伸び側に移動する時の液の流れを
示す断面図、第10図は各モードでのピストン速度と減衰
力との関係を示す図、第11図はハウジングの変形例を示
す横断面図、第12図はハウジングの更に別の変形例を示
す横断面図、第13図は第12図に示された変形例における
動ばね定数を示す図である。 10……流体式サスペンション、11……シリンダ機構、12
……サブチャンバ、13……アウタシリンダ、14……ロッ
ド、15……中空孔(液体流路)、24……雄ねじ、25……
孔、30……インナシリンダ、37……気室、38……液室、
38a……第1液室、38b……第2液室、41……減衰力発生
機構部、42……段付きスタッド、43……雌ねじ、44……
大径部分、45……小径部分、46……中間端面、50……軸
方向流通孔、55……横孔、56……バイパス流通孔、60…
…ハウジング、61……軸方向貫通孔、63,64……第1オ
リフィス、65……第2オリフィス、66,67,68……第3オ
リフィス、71……ロータリ弁体、72……中空孔、73……
第1ポート、74……第2ポート、75……第3ポート、82
……アクチュエータ(ステッピングモータ)、95……ス
トッパ部材、110……ピストン組立体、115……プレート
弁、121……チェック弁、133……気室、134……液室、1
36……液路。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に液室(38)をもつシリンダ(13)
    と、 上記シリンダ(13)に挿入されかつ軸線方向に沿う液体
    流路を兼ねた中空孔(15)を有するとともにシリンダ
    (13)内に位置する端部に雄ねじ(24)が設けられてい
    る中空のロッド(14)と、 上記中空ロッド(14)の雄ねじ(24)にねじ込まれる雌
    ねじ(43)を有する大径部分(44)およびこの大径部分
    (44)に連なる小径部分(45)およびこれら両部分(4
    4,45)の間に位置する中間端面(46)を有していて上記
    小径部分(45)に軸線方向に貫通する軸方向流通孔(5
    0)を有しているとともに上記大径部分(44)には径方
    向に貫通する横孔(55)を有している段付きスタッド
    (42)と、 上記中空ロッド(14)の端部の開口からこの中空ロッド
    (14)内に挿入されかつ中心部に軸線方向に貫通する軸
    方向貫通孔(61)を有しているとともに側壁部に上記ス
    タッド(42)の横孔(55)に連通する径方向のオリフィ
    ス(63-68)を有するハウジング(60)と、 両端が開口する直円筒状をなしていて上記ハウジング
    (60)の軸方向貫通孔(61)に回転自在に収容されると
    ともに中心部に上記スタッド(42)の小径部分(45)の
    軸方向流通孔(50)に連なる軸方向の中空孔(72)を有
    しかつ側壁部に上記ハウジング(60)のオリフィス(6
    3,64)に連通可能な第1ポート(73)および上記中空ロ
    ッド(14)の中空孔(15)に連通可能な第2ポート(7
    4)を有したロータリ弁体(71)と、 上記中空ロッド(14)の内部に収容されていて上記ロー
    タリ弁体(71)を駆動する電動アクチュエータ(82)
    と、 上記スタッド(42)の小径部分(45)に組付けられてい
    て上記シリンダ(13)内の上記液室(38)を第1液室
    (38a)と第2液室(38b)とに仕切るとともにこれら両
    液室(38a,38b)間の差圧が所定値以上になった時に開
    弁するプレート弁(115)を備えているピストン組立体
    (110)と、 を具備し、かつ、 上記段付きスタッド(42)の中間端面(46)に、上記ロ
    ータリ弁体(71)に設けられた第3ポート(75)を介し
    てロータリ弁体(71)の上記中空孔(72)に連通可能な
    バイパス流通孔(56)を設けるとともに、上記中間端面
    (46)と上記ピストン組立体(110)との間に、上記中
    空ロッド(14)がシリンダ(13)に対して伸び側に動く
    時には閉弁状態にあって上記バイパス流通孔(56)を塞
    ぎかつ上記中空ロッド(14)が縮み側に動く時にのみ差
    圧により開弁して上記バイパス流通孔(56)を開口させ
    るチェック弁(121)を設けたことを特徴とする流体式
    サスペンション。
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