JP2514024B2 - 新規な電気絶縁油組成物の製造方法 - Google Patents

新規な電気絶縁油組成物の製造方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、低温特性に優れ、また実質的に塩素を含ま
ない電気絶縁油組成物の製造方法に関するものである。
[従来技術とその問題点] 西ドイツ公開特許第3127805号公報には、トルエンと
塩化ベンジルとを、塩化アルミニウム触媒の存在下で反
応させることにより、アルキル化ジフェニルメタンから
なる電気絶縁油組成物が得られることが開示されてい
る。ここで得られた電気絶縁油は、優れた低温特性を有
するが、その出発原料として塩化ベンジルを用いている
ために、得られた電気絶縁油組成物中に多量の塩素が入
り易い。絶縁油が塩素を多く含むと、電気絶縁油の酸化
安定性が低下する。あるいは、高電圧下の絶縁油から塩
素が発生し、これが絶縁油の容器の素子や容器それ自体
を腐食する場合がある。更に、この発生した塩素ガスと
絶縁油とが反応して、一般に毒性の高いことが認識され
ている塩素化芳香族炭化水素が生成する恐れがある。
従って、絶縁油、特に芳香族炭化水素からなる絶縁油
においては、塩素の混入は厳しく規制しなければならな
い。然るに、前述のごとく、前記西ドイツ公開特許公報
に開示された絶縁油組成物では、塩素の混入が避けられ
ないという欠点があった。
前記公報においては、このような塩素による弊害を防
止するために、ハイドロキノン誘導体などの酸化安定
剤、あるいは、酸受容体などを加えることを提案してい
る。勿論、このような方法では根本的な解決方法にはな
らない。
[発明の構成] すなわち、本発明は、ベンゼンと、塩素化炭化水素を
出発原料とすることなく製造されたジトリルメタンと
を、不均化触媒の存在下に、−10〜550℃で反応させる
ことにより、ベンジルトルエンおよびジトリルメタンを
含む反応生成物を得て、次いで該反応生成物から、蒸留
によりベンジルトルエンおよびジトリルメタンを回収す
ることを特徴とする、ベンジルトルエン20〜80%および
ジトリルメタン80〜20%からなることを特徴とする電気
絶縁油組成物の製造方法に関するものであって、塩素を
実質的に含まず、かつ、低温特性の優れた電気絶縁油組
成物を提供するものである。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
本発明に用いられる不均化触媒とは、ベンゼンとジト
リルメタンとから、ベンジルトルエンとジトリルメタン
が、不均化反応により生成し得る触媒ならばいずれのも
のも使用できる。
例えば、塩化アルミニウムなどのルイス酸、シリカ・
アルミナなどの固体酸、ケイタングステン酸などのヘテ
ロポリ酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの超強
酸、パーフルオロスルホン酸樹脂(商品名:ナフィオ
ン、デュポン社製)などの強酸型陽イオン交換樹脂など
が、本発明の不均化触媒として挙げられる。
不均化反応の温度は、不均化触媒の種類に応じて−10
〜550℃、好ましくは20〜500℃の広い温度範囲から選択
することができる。
−10℃よりも低い温度では、不均化反応が進行し難
く、また、550℃を越える高温では、分解などの副反応
が生じるので、何れの場合も好ましくない。
より具体的には、例えば、塩化アルミニウムなどのル
イス酸では、−10〜180℃、好ましくは20〜150℃の範
囲、シリカ・アルミナなどの固体酸では、180〜550℃、
好ましくは200〜500℃、また、パーフルオロスルホン酸
樹脂などの陽イオン交換樹脂では、140〜250℃、好まし
くは150〜230℃の範囲からそれぞれ選択される。
本発明の原料であるジトリルメタンは、塩素化炭化水
素をその出発原料とすることなく製造された物質であ
る。前記西ドイツ公開特許公報に記載されているよう
に、塩化ベンジルのような塩素化炭化水素を出発原料と
して製造された化合物では塩素を含むことが多いので好
ましくない。従って、例えば、ホルムアルデヒドとトル
エンとを縮合させることにより製造された化合物を本発
明の原料とすればよい。また、その他の塩素化炭化水素
を出発原料としない公知の方法によって得られた化合物
でもよい。なお、本発明のもう一方の原料であるベンゼ
ンは、通常石油から蒸留あるいは抽出などにより、物理
的に分離されて製造されるものである。従って、通常、
ベンゼンは実質的に塩素を含まないものである。
反応系に供給すべきベンゼンの、ジトリルメタンに対
するモル比は1〜30が適当である。ベンゼンのモル比が
1よりも小さいと重質分が多く生成し、一方、30よりも
大になると、生成物中のジトリルメタンの割合が多くな
り、何れも好ましくない。
反応形式は流通式またはバッチ式の何れでもよい。反
応時間はバッチ式では20分〜1時間、また連続式ではSV
0.5〜10である。反応圧力は特に限定されないが、通常
は常圧から10Kg/cm2である。
反応終了後、要すれば触媒を分離除去した後、必要に
応じて、中和、水洗、および乾燥することによりベンジ
ルトルエンおよびジトリルメタンを含む反応生成物を得
る。
次に、前記反応生成物から、蒸留により、好ましくは
減圧蒸留により、ベンジルトルエンおよびジトリルメタ
ンからなる電気絶縁油を回収する。この蒸留の際には、
適宜に流出温度を調節し、ベンジルトルエンおよびジト
リルメタンの量比が適切になるようにする。なお、前記
反応生成物から蒸留により個別にベンジルトルエンおよ
びジトリルメタンを回収し、これらを混合することによ
っても、本発明の絶縁油組成物を製造することができ
る。更に、本発明の方法により、別個に反応させること
によって得られた反応生成物から、別個に蒸留すること
によってベンジルトルエンおよびジトリルメタンを回収
し、これらを混合してもよい。
本発明の方法により製造される電気絶縁油組成物は、
コンデンサー油、ケーブル油などに使用される他に、特
にプラスチックを絶縁材料または誘電材料の少なくとも
一部に使用する油含浸電気機器、例えば、油含浸コンデ
ンサー、油含浸ケーブルなどに含浸させるために好適で
ある。プラスチックとしては、ポリエステル、ポリフッ
化ビニリデンなどの他、ポリプロピレン、ポリエチレン
などのポリオレフィンが特に好適である。好適な油含浸
コンデンサーは、アルミニウムなどの導体としての金属
箔とプラスチックフィルムとを巻回し、それに含浸させ
ることにより製造するか、あるいは、アルミニウムや亜
鉛などの、導体としての金属蒸着層を形成した金属化プ
ラスチックフィルムを、必要に応じてプラスチックフィ
ルムあるいは絶縁紙と共に巻回し、それを含浸すること
により製造される。また同様に、油含浸ケーブルは、紙
とのラミネートプラスチックフィルム、プラスチック不
織布などからなる絶縁体を、銅などの導体上に巻回し、
含浸することにより製造される。
なお、絶縁油として使用するに際しては、従来公知の
電気絶縁油、例えば、フェニルキシリルエタン、アルキ
ルビフェニル、アルキルナフタレンなどを、適宜に任意
の割合で混合することができる。
[発明の効果] 本発明の方法により得られる組成物中におけるベンジ
ルトルエンは、その位置異性体のうち、融点が低いm−
体を多く含む。また、ジトリルメタンもメチル基がm−
位に配向した位置異性体を多く含むので、結晶析出温度
が低い。従って、本発明の電気絶縁油組成物は、ベンジ
ルトルエンの特性である低温時における低粘度性を生か
しつつ、成分相互の相乗効果により、結晶の析出を本質
的に抑制することが可能となる。また、電気絶縁油に含
まれる塩素の量も少なく、酸化安定性が良好で、腐食性
のない優れた電気絶縁油を製造することができる。
[実施例] 組成物の製造方法 (組成物1) 10のセパラブルフラスコに、ベンゼン3.3、ジト
リルメタン1および塩化アルミニウム60gを入れて、3
0℃で4時間撹拌した。反応終了後、触媒を失活させ、
中和、水洗、および乾燥を行ない、蒸留によりベンジル
トルエンとジトリルメタンからなる電気絶縁油を710ml
回収した。その組成は、ベンジルトルエン51%(重量
%、以下同じ)およびジトリルメタン49%であった。ベ
ンジルトルエンの異性体分布は、m−体63.5%、o−体
10.5%およびp−位26.0%であった。また、ジトリルメ
タンの86.9%がメチル基の少なくとも1つがm−位に付
いたものであった。
(組成物2) 10のオートクレーブに、ベンゼン2.4、ジトリル
メタン0.8およびシリカアルミナ60gを入れて、260℃
で3時間撹拌した。反応終了後、触媒を除いて、蒸留に
よりベンジルトルエンとジトリルメタンからなる電気絶
縁油を380ml回収した。その組成は、ベンジルトルエン4
6%およびジトリルメタン54%であった。ベンジルトル
エンの異性体分布は、m−体53.8%、o−体16.9%およ
びp−体29.3%であった。また、ジトリルメタンの80.6
%が、メチル基の少なくとも1つがm−位に付いたもの
であった。
(組成物3) 10のオートクレーブに、ベンゼン2.4、ジトリル
メタン0.87およびナフィオン20gを入れて、190℃で3
時間撹拌した。反応終了後、触媒を除いて、蒸留により
ベンジルトルエンとジトリルメタンからなる電気絶縁油
を480ml回収した。その組成は、ベンジルトルエン49%
およびジトリルメタン51%であった。ベンジルトルエン
の異性体分布は、m−体59.1%、o−体13.3%およびp
−体27.6%であった。またジトリルメタンの83.0%が、
メチル基の少なくとも1つがm−位に付いたものであっ
た。
(組成物4、5) 組成物1を製造するときに用いた方法と同じ方法で、
ベンジルトルエンとジトリルメタンの混合物を得て、こ
れより蒸留でベンジルトルエンとジトリルメタンを別々
に得た。各々を、重量比で9:1および1:9で混合すること
により組成物4および5の電気絶縁油を得た。
組成物1から5で用いた原料としてのジトリルメタン
は公知の方法でトルエンとホルムアルデヒドを縮合させ
て製造したものである。
(組成物6) 2のセパラブルフラスコに、730gのトルエンと10g
の塩化アルミニウムを入れて、70℃で撹拌しながら210g
のベンジルクロライド(塩化ベンジル)を2時間で加
え、更に2時間撹拌した。反応終了後、触媒除いて、蒸
留によりベンジルトルエン40%とジトリルメタン60%を
含む電気絶縁油190gを得た。
実施例1(電気絶縁油の塩素量の測定) 組成物1から6の塩素の量をウィックボルト法により
測定した。組成物6の塩素の量は43ppmであった。ま
た、組成物1から5の塩素量は何れも1ppm以下であっ
た。
実施例2(酸化安定性の検討) 組成物1および組成物6について、ASTM D−1934に
従って酸化安定性の検討を行なった。その結果を表1に
示す。
前記表1から、塩素を多く含む組成物6の酸化安定性
が劣ることが解る。
実施例3(コンデンサーの破壊試験) 厚さ14μの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを2枚重
ねて、電極としてのアルミニウム箔と共に巻回し、容量
0.4μFのモデルコンデンサーを作成した。常法に従
い、表2の各電気絶縁油組成物を含浸させた。昼は−50
℃、夜は−60℃の温度サイクルで1週間冷却した後、−
50℃で一昼夜放置して測定に供した。各絶縁油組成物に
ついて10個のコンデンサーを作成し、測定した。−50℃
において、10V/μずつ電位傾度を上昇させて課電し、各
電位傾度ごとに、破壊したコンデンサーの数を求めた。
その結果を表2に示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベンゼンと、塩素化炭化水素を出発原料と
    することなく製造されたジトリルメタンとを、不均化触
    媒の存在下に−10〜550℃で反応させることにより、ベ
    ンジルトルエンおよびジトリルメタンを含む反応生成物
    を得て、次いで該反応生成物から蒸留によりベンジルト
    ルエンおよびジトリルメタンを回収してなる、ベンジル
    トルエン20〜80%およびジトリルメタン80〜20%からな
    ることを特徴とする電気絶縁油組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】前記塩素化炭化水素が、塩化ベンジルであ
    る特許請求の範囲第1項に記載の電気絶縁油組成物の製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記不均化触媒が、ルイス酸、固体酸、ヘ
    テロポリ酸、超強酸および強酸型陽イオン交換樹脂から
    なる群から選ばれたいずれかの触媒である特許請求の範
    囲第1項記載の電気絶縁油組成物の製造方法。
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