JP2513906Y2 - クラウンリム―バ― - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はクラウンを患歯に試適する時に使用するクラ
ウンリムーバーの改良に関するものである。

（従来の技術） 一般にクラウン（歯頭被覆冠）を患歯に装着してセメ
ント（接着剤）で固定する場合、その装着状態を診るた
め、セメントを付けずに予め患歯に被せて咬合の状態を
調べている。

このように製作したクラウンを試適した後、取外して
修正などを行なうが、クラウンは患歯に合わせて鋳造し
たもので、隙間がなく患歯に嵌合しているため取外せな
くなる。

このためクラウンリムーバーと呼ばれる器具を使用し
て患歯から取外している。

従来のクラウンリムーバーは、第４図に示すように丸
棒状のホルダー１の両端にストッパー2a,2bが設けら
れ、このホルダー１に六角柱状のスライダー３が可動自
在に取付けられている。

先端側のストッパー2aには、ネジ孔が形成され、ここ
に先端側が細くなった棒状部４が螺合している。この棒
状部４の先端は第５図に拡大して示すようにＬ字形に折
曲してカマ状に形成され、ここを作用部５としている。

このクラウンリムーバーを使用して患歯６に被せたク
ラウン７を取外す場合、第６図に示すようにカマ状の作
用部５をクラウン７の下縁部に引っかけて、スライダー
３をホルダー１に沿って引上げ、重りとなるスライダー
３をストッパー2bに当てて、この時の衝撃でクラウン７
を取外すようになっている。

しかしながらクラウン７の下縁部は湾曲して薄く引っ
掛かり部分が少なく、しかも作用部５はカマ状になって
いるので１点接触となり安定が悪く滑ってしまって引っ
掛かりが悪く、何度も引っ掛けなければ取外せなかっ
た。

また作用部５はホルダー１の軸延長線から外れて位置
しているので、ホルダー１の引上げ方向と作用部５の力
が加わる作用方向とがずれて力が有効に作用しない問題
があった。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は上記欠点を除去し、クラウンの下縁部に滑ら
ずに安定して確実に引っ掛かり、しかもホルダーの引上
げ方向と作用部の力が加わる作用方向とが一致して有効
に力が作用し、容易にクラウンを患歯から取外せて操作
性に優れたクラウンリムーバーを提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案のクラウンリムーバーは、上下にストッパーを
設けたホルダーに、スライダーを可動自在に取付け、前
記ホルダーの先端に棒状部を設け、この棒状部の先端側
をＬ字形に折曲し、その折曲した先端を二又のクギ抜き
状に形成して作用部とし、この作用部を前記ホルダーの
軸延長線上に形成したことを特徴とするものである。

（作用） 次に本考案の作用について説明すると、患歯に被せた
クラウンを取外す場合、二又のクギ抜き状に形成した作
用部を患歯の下縁部に引っかけて、スライダーをホルダ
ーに沿って引上げ、重りとなるスライダーをストッパー
に当てて、この時の衝撃でクラウンを取外す。

作用部は二又のクギ抜き状に形成されているので、ク
ラウンの下縁部に間隔をおいて２点で点接触した状態と
なり、左右に安定して滑りにくくなり確実に引っ掛かっ
て取外すことができる。

また作用部をホルダーの軸延長線上に形成してあるの
で、ホルダーの引上げ方向と作用部の力が加わる作用方
向とが一致して力が有効に作用し、更に容易に取外すこ
とができる。

（実施例） 以下、本考案を図面に示す実施例を参照して詳細に説
明する。

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示すもので、
丸棒状のホルダー１の両端にストッパー2a、2bが設けら
れ、このホルダー１に六角柱状のスライダー３が可動自
在に取付けられている。

先端側のストッパー2aには、ネジ孔が形成され、ここ
に先端側が細くなり、勾形状に折曲した棒状部４が螺合
している。

この棒状部４の先端は第２図に拡大して示すようにＬ
字形に折曲して、その折曲した先端を二又のクギ抜き状
に形成して作用部５としたものである。

更にこの作用部５は、ホルダー１の軸延長線８上に形
成されている。

このクラウンリムーバーを使用して患歯６に被せたク
ラウン７を取外す場合、第３図に示すように二又のクギ
抜き状に形成した作用部５を患歯６の下縁部に引っ掛け
て、スライダー３をホルダー１に沿って引上げ、重りと
なるスライダー３をストッパー2bに当てて、この時の衝
撃でクラウン７を取外す。

この場合、作用部５は二又のクギ抜き状に形成されて
いるので、クラウン７の下縁部に間隔をおいて２点で点
接触した状態となり、左右に安定して滑りにくく、確実
に引っ掛かって容易に取外すことができる。

また作用部５はホルダー１の軸延長線８上に位置して
いるので、ホルダー１の引上げ方向と作用部５の力が加
わる作用方向とが一致しており、力が有効に作用して更
に容易に取外すことができる。

（考案の効果） 以上説明した如く本考案に係わるクラウンリムーバー
によれば、作用部が二又のクギ抜き状に形成されている
ので、クラウンの下縁部に間隔をおいて２点で点接触し
た状態となり、左右に安定して確実に引っ掛かり容易に
取外すことができる。

また、作用部をホルダーの軸延長線上に形成している
ので、引上げ方向と作用部の力が加わる作用方向とが一
致して有効に力が作用するので更に容易に取外せて操作
性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示すもので、第
１図はクラウンリムーバーの正面図、第２図は第１図の
作用部を拡大して示す斜視図、第３図はクラウンリムー
バーを使用して患歯からクラウンを取り外している状態
を示す斜視図、第４図は従来のクラウンリムーバーを示
す正面図、第５図は第４図の作用部を拡大して示す斜視
図、第６図は従来のクラウンリムーバーを使用して患歯
からクラウンを取り外している状態を示す斜視図であ
る。 １……ホルダー、2a、2b……ストッパー ３……スライダー、４……棒状部 ５……作用部、６……患歯 ７……クラウン、８……軸延長線

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上下にストッパーを設けたホルダーに、ス
   ライダーを可動自在に取付け、前記ホルダーの先端に棒
   状部を設け、この棒状部の先端側をＬ字形に折曲し、そ
   の折曲した先端を二又のクギ抜き状に形成して作用部と
   し、この作用部を前記ホルダーの軸延長線上に形成した
   ことを特徴とするクラウンリムーバー。