JP2512965B2 - 用紙搬送装置 - Google Patents

用紙搬送装置

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、静電吸収力を用いて用紙を搬送する用紙搬
送手段と、その搬送経路の一部に、電子写真感光体上の
トナー、或いは静電現像された基体上のトナーを該用紙
上に転写させる転写手段を設けてなる複写機における用
紙搬送装置に関する。
従来の技術 電子写真複写方式或いは静電複写方式においては、電
子写真感光体又は静電転写記録基体上に形成されたトナ
ー像を、被転写用紙の上に連続的に転写させるものであ
るが、これら両方式の複写機において適用される用紙搬
送装置としては、種々のものが知られている。
即ち、その内の一つに紗(スクリーン状メッシュ布)
織物などの絶縁シートを搬送基材とし、その搬送基材に
対し、外部から帯電手段を用いて帯電させ、それによっ
て発生する静電吸着力を利用して、被転写用紙を吸着さ
せつつ該基材ともども搬送し、電子写真感光体上又は静
電転写記録基体上のトナーを該用紙上に転写させる装置
は、既に、例えば特開昭52−139431号公報等に記載され
ている。
発明が解決しようとする問題点 上記の様な絶縁シートを帯電させ、その静電吸着力を
利用した用紙搬送方式において、一般に絶縁シートが当
初、即ち搬送部材としてセットされたスタート時点か
ら、或いはある程度経時した段階で、均一に展張され
ず、良好な平面性を示さないというトラブルがしばしば
発生する。
該絶縁シートのうち、搬送部材としては、繊維織物、
特に紗織物、即ちスクリーン状メッシュ布が、静電印加
の均一性と静電吸着搬送性、及び生地の薄さ、軽さ等の
取扱性の点から良好なものとして推奨され、したがっ
て、より多く利用されつつある。しかしながら、その一
方、搬送部材としてセットする場合、当初から全面を均
一に展張して、セットすることが比較的難しく、また、
特に使用持の経時的な変形、特に収縮或いは“たるみ”
等による平面性の不均一化が、絶縁シートの使い難さの
原因となっていた。特に搬送方向における平面性の不揃
いによるトナーの転写不良が、実際的なトラブルの多く
を占める。就中、搬送方向における平面性の不均一化、
即ち、部分的に凹状部が生じたり、或いは全面が凹状と
なる等の現象が比較的多くみられ、この不均一化現象
は、該絶縁シートに静電的に吸着されている用紙も凹状
になるため、単に電子写真感光体又は静電転写記録基体
との接触が不良(浮き、空きが生じる)となるだけでな
く、一部或いは全体のトナー像が該用紙上に転写されな
い“転写不良”が発生することになる。また、この平面
性が特に悪い場合は、用紙自身が該搬送基材となじま
ず、用紙のシワ等が入り、より基本的なトラブルを生じ
させる。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもの
である。
本発明の目的は、トナー像の転写不良が発生せず、用
紙の搬送不良が生じることのない用紙搬送装置を提供す
ることにある。
問題点を解決するための手段 本発明は、静電吸収力を用いて用紙を搬送する用紙搬
送手段と、その搬送経路の一部に、トナー像担持体上の
トナーを該用紙上に転写させる転写手段を設けてなる複
写機における用紙搬送装置において、該用紙搬送手段
が、枠体に電気絶縁性の搬送部材を貼着してなり、該搬
送部材の熱収縮反応及び/又は熱収縮率が、用紙搬送方
向よりも、その直角方向において大きいことを特徴とす
る。
本発明をその一実施例に相当する第2図によって説明
すると、本発明の用紙搬送装置は、内部に転写コロトロ
ン10を設けてなる転写ドラム1のフリンジ3の開口部
に、グリッパ4によって電気絶縁性の搬送部材2を貼着
して構成される。この場合、搬送部材の熱収縮反応力及
び/又は熱収縮率が、用紙搬送方向(以下、MD方向とい
う)よりも、用紙搬送方向に対して直角方向(以下、TD
方向という)において大きくなるように電気絶縁性の搬
送部材を貼着する。
本発明の用紙搬送装置が適用される複写機は、電子写
真複写方式のものでも、静電複写方式のものでもよい。
これらの方式においては、電子写真感光体上に現像され
たトナー或いは静電印加によりパターン化された静電潜
像上に現像されたトナー像を、被転写用紙へ転写させる
ことによって複写が連続的に行われる。被転写用紙をト
ナー転写面の裏面から担持、搬送する手段が用いられる
が、該用紙の担持、搬送を静電吸着力を用いて行うもの
である。
作用 本発明の用紙搬送装置は、上記のように、枠体に貼着
された電気絶縁性の搬送部材が、MD方向よりも、TD方向
において大きい熱収縮反応力及び/又は熱収縮率を有す
るから、トナー像の転写操作を実施する際に、MDにおけ
る平面性の不均一化が生じることがなくなる。したがっ
て、部分的に凹状部が生じたり、或いは全体が凹状とな
る等の現象が発生しない。したがって又、絶縁シート基
材に吸着されて搬送される用紙と、トナー像担持性との
接触が不良(浮き、空きが生じる)ことがない。
実施例 次に、本発明の実施例を図面にって説明する。
第2図は、本発明の用紙搬送装置の一例であって、第
1図はその用紙搬送装置が適用された電子写真複写装置
の一例である。
1は円筒状の転写ドラムであって、開口部が形成され
たフランジ3に用紙搬送部材2が貼着され、グリッパ4
によって展張されている。又、内部には転写コロトロン
10が配設されている。又転写ドラム1内には転写材吸着
コロトロン5が設けられており、そしてこれと対向した
位置に対向電極8が設けられている。この転写ドラム
が、電子写真複写装置のトナー転写部に付設される。電
子写真複写装置には、感光体11の周りに帯電器12、露光
手段13、現像機14、転写前除電コロトロン9、クリーナ
15が配設されている。尚、6は除電コロトロン、7はリ
リースフィンガーであり、16は定着器である。
帯電器12によって一様に帯電され、露光手段13によっ
て形成された感光体上の静電潜像は、現像機14によって
可視像化され、トナー像が形成される。一方、転写ドラ
ム1の内面に設置された転写材吸着コロトロン5と対向
電極8によって転写ドラム上に静電的に吸着された用紙
は、転写ドラムの回転によって移送され、転写部に達す
る。転写部において、感光体上に形成されたトナー像が
転写コロトロン10によって用紙の上に転写される。用紙
は、除電コロトロン6により除電され、リリースフィン
ガー7によって転写ドラムから剥離され、定着器16によ
って定着される。
なお、第1図においては、説明を簡略化するために、
現像機14を一個しか図示していないが、この現像機14
が、例えば特開昭62−90673号ないし同62−90676号公報
に見られるように、カラー像形成可能なように複数個の
現像機から構成されたものであってもよい。
第3図は、本発明の用紙搬送装置の他の一例が適用さ
れた電子写真複写装置の概略の構成図である。この実施
例においては、円筒状の転写ドラムの代わりにエンドレ
スベルト状の転写ベルト17が設けられている。この転写
ベルトに、上記搬送部材が展着されている。
第4図は、本発明の用紙搬送装置が適用されたいわゆ
るタンデム型の電子写真感光体の概略の構成図である。
この実施例においては、三つの感光体11′、11″、11
がエンドレスベルト状の転写ベルト17上に設けられてい
る。転写ベルトの裏面には、各感光体に対応した位置に
転写コロトロン10′、10″、10が設けられている。こ
の実施例の電子写真複写装置は、カラー像の複写におい
て有用である。
本発明において、搬送部材は、その体積固有抵抗が少
なくとも1012Ω・cm、好ましくは1015Ω・cm以上の繊維
状材料から構成される。これら繊維状材料は、いわゆる
紗(シルクスクリーン)からなるもので、主としてポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリア
クリロニトリル等の合成繊維が主体として構成される。
合成繊維は、必ずしも上記のものに限定されるものでは
ないが、強度、伸び、耐熱、吸水、寸法安定性、コスト
等の点から、ポリエチレンフタレート繊維が実用上最も
好ましい。
また、これらの繊維としては、モノフィラメントが最
も好ましいが、マルチフィラメントであってもよい。
これらの繊維の太さは、一般に48から1160デニール程
度であり、これらを経、緯、それぞれインチ幅当り20〜
100本打ち込んで織布とされる。
織布としては、平織りが平面性の点で最も好ましい
が、必ずしもこれに限定されるものではない。搬送方式
等により、種々工夫されてもよい。これらの織布は、搬
送部材として、特に平面性と用紙とのなじみ性、さらに
は静電吸着性の点から、織目の間に、いわゆる、紗織物
の一つの特徴である開口部分がある程度存在する方が好
ましい。
また、上記のごとき合成繊維が、均一性と物性上、好
ましいが、必要に応じて、一部、例えば天然繊維または
加工天然繊維を交織としたり、或いは、同一繊維内に共
存させてもよい。また、合成繊維も一種類のみに限定す
る必要はなく、同時に2種以上の繊維を複合的に一つの
紗織物の中に共存させてもよい。
いずれにしても、これ等の繊維は織機によって織ら
れ、精練、セットされて目的の搬送部材として使用され
るが、本発明者等は、一般的な織物〜精練・ヒートセッ
トの工程を経てきただけの紗織物では、本発明の搬送部
材としては極めて不満足であることを発見した。
その原因は、まず第1に、一般的な織物加工工程を経
てきた織物では、完全にフラットで均質なものは望むべ
きもないこと、又、当初から、或いは経時した段階で寸
法変化がなく極めて安定したものにはならないことであ
る。第2に、一般的な織物加工によって得られた織物、
特に紗織物は、そのまま織布経方向に沿って切断して、
搬送部材として利用するのが、従来から最も一般的で安
直な使い形であるが、これがそのままでは上記した搬送
基材として不適当となる根本原因であることを見出だし
た。
本発明者等は、該搬送部材の紗織物について、用紙搬
送方向に対して直角方向の熱収縮応力及び/又は熱収縮
率が大きいことが、セット当初及び後々までの経時的な
安定性を含めて良好であることを見出だした。すなわ
ち、紗織物の織布時の経、緯は、まず問わないとして、
いずれにしても搬送部材としてセットする際に、紗織物
のTD方向の熱収縮応力及び/又は熱収縮率がMD方向のそ
れよりも大きくなるようにセットすることが必要であ
る。この場合、熱収縮応力と熱収縮率との両方とも、TD
方向の方がMD方向よりも大きいことが好ましい。実際に
も熱収縮応力と熱収縮率との両性質が同じ挙動を取るこ
とが多い。しかしながら、これ等のうち、熱収縮率より
も熱収縮応力について、TD方向の方がMD方向よりも大き
いことの方がより望ましい。
これ等の傾向は、第1図に示した円筒状支持枠に紗織
物を展張する場合に特に有効であるが、第3図及び第4
図に示される場合においても勿論有効である。第3図及
び第4図における搬送方式では、用紙搬送部材はTD方向
に幅出し機構を有しながら搬送するのが一般的であるだ
けに、本発明の用紙搬送装置は有効に適用できる。
これ等熱収縮応力及び熱収縮率は、一般に複写機が使
用される機内温度における条件が適用されるが、モデル
化する意味からは、例えば、80℃における値を似て代表
させるのがよい。そして80℃における熱収縮応力として
は、TD方向が400g/cm幅前後が好ましく、MD方向は、こ
れより小さいこと、できれば方向の2/3〜1/2以下、さら
には1/10以下であることが好ましい。
また、熱収縮率も、たとえば、測定試料を80℃におい
て30分間放置した後の値が、TD方向において1%以下で
あることが好ましく、MD方向においては、これより小さ
くなることを、できればTD方向の値の3/4〜1/2以下であ
ることが好ましい。
尚、これ等の物性は、一般に複写機が使用される温度
範囲(機内の温度を含む)或いはそれ以上の温度におけ
る物性として設定すべきもので、すなわち、具体的には
5℃以上〜80℃程度の範囲であるが、数値より明確に出
させる温度としては、80℃〜100℃の範囲が望ましい。
又、これ等の搬送部材が第1図にごとく枠に展張される
場合、セット時に熱加工を伴うときには、その熱処理加
工温度の範囲(例えば80℃〜150℃が比較的良好)まで
も及ぶものである。又、測定時間については、それぞれ
相対的に同一時間にて比較すればよいのであるが、一般
に測定数値として安定化するという意味では少なくとも
3分程度の測定時間を取るのがよい。熱収縮応力につい
ては緩和が急速な場合はより短い時間内にて相対比較す
べき場合もある。
一般に、上記熱収縮応力及び熱収縮率の挙動がほぼ同
じ傾向を持つ繊維が多いが、本発明においては、この様
な両物性共に同時に満足する繊維、したがって紗織物を
用いることが好ましい。しかしながら、必ずしも熱収縮
応力と熱収縮率の値が同じ傾向を持たないものもある。
すなわち、熱収縮応力が大きい割りには熱収縮率自身は
意外に小さいという挙動を示すものもあり、或いは希
に、これ等の物性が逆転した関係にあるものもあるが、
上記のごとく、いずれにしても熱収縮応力或いは熱収縮
率のTD方向における値がMD方向における値よりも大きい
ことが必須の条件になる。好ましくは、熱収縮応力のTD
方向における値がMD方向における値よりも大きいことで
ある。
本発明の具体的実施において、まず第1の方法は、上
記の通り、通常の紗織物の織布時において経方向に沿っ
て精練・セットを受けた紗織物をそのまま経方向は前記
したMD方向として切断し、複写機の搬送部材としてセッ
トすることである。必要により更に熱処理したりする
が、あまり好ましくはない。このように経糸をMD方向と
してそのまま使用する場合は、特に精練・セット(テン
ターやカレンダー等によるヒートセットを含む)工程に
おいて、紗織物の緯方向の熱収縮応力及び/又は熱収縮
率を残すように工夫し、それと同時に、或いは別に、経
方向の熱収縮応力及び/又は熱収縮率を殺してセット処
理するようにしなければならない。
又、第2の方法は、最も簡便な方法であって、上記の
ごとき経、緯方向について特別に注意を払って精練・セ
ット処理することなく、通常の方式に沿った織布の処理
を受けた紗織物の経方向が、搬送部材のTD方向に、ま
た、緯方向が同じくMD方向になるように、90゜回してセ
ットする。この方法はコストの点からも好ましい。
これ等の特性を持つ紗織物で織布から精練・セットを
含めた工程にて付与された場合の、該織物の構造を見る
と、材質が全く同じで繊度も同じ糸であっても、TD方向
の糸の形状が、やや平たく、かつ対抗する糸の間に入っ
てよりうねりを持つ恰好になっているのが一般的で、こ
れによって外見からも識別されるケースが多い。勿論こ
れにて一義的に決められるものではないことは自明であ
り、実際の諸特性を測定することにより明確になる。
又、DSCによる解析などでも、これ等の糸の熱処理の履
歴が分る。
本発明の用紙搬送装置を用いた場合において、極めて
顕著な効果を示すに至る作用機差は必ずしも明確に解明
されてはいないが、搬送部材としてセットされるとき、
或いはセット後に適当な熱処理などをうけた後も、TD方
向はより適度な緊張、捕縛力を受けて一種の梁の効果を
生み、MD方向の収縮或いは変形、たるみ等の寸法変化を
防止しているものと考えられる。
以下、本発明の更に具体的な実施例を比較例と共に示
す。
実施例1 経糸、緯糸とも、219デニール(直経約150μm)のポ
リエチレンテレフタレートからなるモノフィラメント系
を1インチ当り、それぞれ70本ずつ打ち込んだ平織の紗
織物を織布し、生地を作成した。
これを、常法により精練し、テンターによってヒート
セットして、紗織物サンプルを得た。このサンプルの緯
及び経方向の熱収縮応力及び熱収縮率は第1表に示す通
りであった。なお、これらの物性値は、このサンプルを
幅15mm、長さ250mmのテストピースとして、経及び緯方
向からこれに沿って切断し、チャックに固定してオーブ
ン中に入れて、ストレインケージによって熱収縮応力を
測定し、また高精密読取り望遠鏡によって、熱収縮率を
測定した。
この紗織物サンプルを、第1図に示される開口部を有
する搬送ドラム(外径200mm、面長350mm)の外側に貼り
付けた。
実験A:紗織物サンプルの経方向は、搬送ドラムのMD方向
に、緯方向は、TD方向に沿って展張し、 実験B:紗織物のサンプルの経方向は、搬送ドラムのTD方
向に、緯方向は、MD方向に沿って展張し、 いずれも周辺を接着剤で固定して、平面性の良好な均
一の形状になるようにセットして、搬送部材を作成し
た。
上記実験A及びBの搬送部材を電子写真複写機に装着
し、室温27℃の雰囲気において、5000枚まで複写を行っ
た。
上記の実験の結果、実験Aの搬送部材は、TD方向に波
打ちむらが発生し、用紙の接触が不良になり、トナーの
転写むらが著しく発生した。これに対して、実験Bの搬
送部材は、TD方向の波打ちむらは発生しなく、5000枚以
降の転写画像の乱れもなかった。
なお、熱収縮応力及び熱収縮率の100℃、120℃及び15
0℃における経方向及び緯方向の値の傾向は、第1表に
示す傾向と同様であり、経方向及び緯方向の値が逆転す
ることなどの現象はなかった。
実施例2 実施例1で得られた生地をそのまま利用した。この生
地を、まず適当な大きさに切断して長方形状にし、常温
の水中で精練し、つぎに常温で風乾した後、、これを縦
及び横とも、周辺を固定でき、かつ必要により、弛緩
(リラックス)処理のできる平面形の枠に展張した。
この展張布を、100℃のギアオーブンの中にいれ、適
宜、経、緯の弛緩処理を施し、また、その率を変化させ
て、第2表に示すごとき各種の熱収縮特性を有するサン
プルを調製した。(サンプルC〜J) これらのサンプルを、実施例1の実験Aと同様に、紗
織物の経が搬送ドラムのMD方向に、緯がTD方向になるよ
うに展張し、実施例1におけると同様に処理し、同様に
複写試験を行った。その結果を第2表に示す。
第2表からも明らかなように、常法によって得られた
生地も、後処理によって熱収縮応力及び/又は熱収縮率
の適正化を図るならば、紗織物の経が搬送ドラムのMDの
方向に、緯がTD方向になるように展張しても、良好な結
果が得られ(サンプルF、G)、一方、本発明の要件に
合致しない場合には不適当であることが分かる。
実施例3 実施例1におけると同様にして、経糸、緯糸ともに15
2デニールのポリエチレンテレフタートからなるモノフ
ィラメント糸を1インチ当り、それぞれ80本ずつ打ち込
んだ平織りの紗織物を織布し、生地を作成した。
これを、実施例2におけると同様な方法で、常温の水
中で精練し、平面枠に展張し、同様な条件で熱処理し
て、第3表に示す熱収縮特性を有するサンプルを得た。
(サンプルK〜O) これらのサンプルを、紗織物の経方向を搬送ドラムの
TD方向に緯方向をMD方向に展張し、実施例1におけると
同様に処理し、同様に複写試験を行った。その結果を第
3表に示す。
第3表からも明らかなように、搬送部材の展張につい
て、TD方向に熱収縮性の大きなものを展張する方が、良
好な結果が得られることが分かる。
実施例4 実施例1〜3におけるサンプルを第3図に示すベルト
状の搬枠に展張し、その搬送部材の回転途中にエキスパ
ンダー装置を設けた設備によって複写操作を行った。そ
の結果、実施例1〜3に示すとほぼ同様な結果が得られ
た。
実施例5 実施例1〜4において、ナイロン66モノフィラメント
及びポリブチレンテレフタレートモノフィラメントにつ
いて同様にテストを行ったところ、それぞれ実施例1〜
4におけると同様な結果が得られた。
発明の効果 本発明の用紙搬送装置は、上記のように用紙搬送手段
が、枠体に電気絶縁性の搬送部材を貼着してなり、該搬
送部材の熱収縮率及び/又は熱収縮力が、MD方向より
も、そのTD方向において大きくなるように構成されてい
るから、搬送部材としてセットした当初から全面を均一
に展張してセットすることができ、また、特に使用時の
経時的な変形、特に収縮或いは“たるみ”等による平面
性の不均一が発生することもない。したがって、部分的
に凹状部が生じたり、或いは全体が凹状となる等の現象
が発生しなく、用紙と電子写真感光体又は静電転写記録
基体との間の接触が良好であって、トナー像の転写不良
を発生することがない。また、用紙の搬送不良が生じる
こともない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の用紙搬送装置の一例が適用された電
子写真複写装置の概略構成図、第2図は、本発明の用紙
搬送装置の要部の斜視図、第3図は本発明の用紙搬送装
置の他の一例が適用された電子写真複写装置の概略構成
図、第4図は本発明の用紙搬送装置が適用されたタンデ
ム型の電子写真複写装置の概略構成図である。 1……転写ドラム、2……搬送部材、3……フランジ、
4……グリッパ、5……転写材吸着コロトロン、6……
除電コロトロン、7……リリースフィンガー、8……対
向電極、9……転写前除電コロトロン、10……転写コロ
トロン、11……感光体、12……帯電器、13……露光手
段、14……現像機、15……クリーナー、16……定着器,1
7……転写ベルト。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静電吸収力を用いて用紙を搬送する用紙搬
    送手段と、その搬送経路の一部に、トナー像担持体上の
    トナーを該用紙上に転写させる転写手段を設けてなる複
    写機における用紙搬送装置において、該用紙搬送手段
    が、枠体に電気絶縁性の搬送部材を貼着してなり、該搬
    送部材の熱収縮反応及び/又は熱収縮率が、用紙搬送方
    向よりも、その直角方向において大きいことを特徴とす
    る用紙搬送装置。
  2. 【請求項2】電気絶縁性の搬送部材が化学繊維の紗織物
    からなることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載
    の用紙搬送装置。
  3. 【請求項3】電気絶縁性の搬送部材がプラスチックフィ
    ルムからなることを特徴とする特許請求の範囲第1項に
    記載の用紙搬送装置。
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