JP2511911Y2 - 自転車ハンドルの安全装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は自転車ハンドルの安全装置、主として折畳
み自転車など、運搬時あるいは格納時に、車体を折畳み
あるいは分解をする自転車にあって、ハンドルの締付け
を緩め、任意に角度を回すこと、あるいは取り外すこと
の多い自転車の安全を確保する装置に関する。

従来の技術 従来、自転車用ハンドルはホークステムとハンドルポ
ストを両方から接合端を所要長互に重合し、その重合部
を、ハンドルステムの接合端の内径側からネジ軸の引き
上げ拡径する栓型拡径体でホークステムに圧接し、一体
に固着するものである。

考案が解決しようとする課題 従来、輪行車のような特殊車においては、ハンドルを
簡易に取り外しができるものがあったが、近年、折畳み
など一般自転車で運搬格納に便利さが追及され、これら
で走行上安全につながるハンドルを緩めて保管しやすい
角度に回すこと、或いは取り外すことが使用の都度行な
われるようになった。

そこで、ハンドルポストの締付けが充分に行なわれ
ず、走行中に緩むことがあっても危険に至ることがな
く、ハンドル操作が維持できるようにすることが必要と
なった。

またその構造が堅牢で、しかも外観上美麗で、かつ安
全なものが要請されるものである。

この考案は、かかるニーズに適合した構造のホークス
テムとハンドルステムとを連けいする自転車ハンドルの
安全装置の提供を目的としてなされたものである。

課題を解決するための手段 ホークステムの外周に嵌合する嵌合孔の内径面にホー
クステムのキー溝に嵌入する係合突起を、外周面に連け
い突起を夫々備え、ホークステムに螺合するロックナッ
トによりホークステムに螺合する上玉押しと共に締付け
られてホークステムに固着されるホークステム連けい金
具と、ハンドルステムの外周に嵌装されて前記ホークス
テム連けい金具に上方から被嵌し、該ホークステム連け
い金具の連けい突起と係合する係合凹陥部を内面に有
し、外面にハンドルステムの外周にねじ止めする取付片
を上方に突設して備え、ハンドルステムに固着されるハ
ンドルステムを取付キャップとによりホークステムとハ
ンドルステムとを連けいすることを特徴とする自転車ハ
ンドルの安全装置にある。

作用 この考案装置の構成により、ホークステムとハンドル
ステムとの接続手段が走行中に緩むことがあっても、両
者はホークステム連けい金具とハンドルステム取付キャ
ップとの連けいによって、ホークステムとハンドルステ
ムとがフリーになることがなく、したがって、ハンドル
機能を失うことなく走行を維持できる。

また、ホークステム連けい金具およびハンドルステム
上の取付キャップを夫々固着した後は、ハンドルの折畳
み回動、或いは分解時にこれに触れて取り外す等の手間
が全く掛からないものである。

また、ホークステム連けい金具をハンドルステム取付
キャップが被嵌して係合連けいするものであるから、連
係突起が外方に露出することがなく、接触による怪我の
危険性が減少して安全である。

実施例 以下、この考案を実施例として示す図面により説明す
ると、１はホークステム連けい金具で、全体を平板状に
形成され、ホークステム２に装嵌する嵌合孔３の内径面
に係合突起４が形成され、この係合突起４がホークステ
ム２の外周に設けたキー溝５に嵌入してホークステム２
に嵌合され、外周面の一部が外周方向に突出し、連けい
突起６に形成される。

７はハンドルステムの取付キャップで、全体を椀形に
形成され、また嵌合孔９が開口されてハンドルステム８
に嵌装して前記ホークステム連けい金具１に被嵌可能に
設けられると共に、その内面の一部を係合凹陥部11に形
成され、前記ホークステム連けい金具１の連けい突起６
を係合し、外面に取付孔12付の取付片13が突出形成さ
れ、取付孔12に挿通したネジ14をハンドルステム８に設
けたネジ孔15に螺合し、ハンドルステム取付キャップを
ハンドルステム８に締付け固着する。

尚、前記取付孔12は上下に長い長孔としてハンドルス
テム８を上下に調整可能に設けてもよい。而して、16は
ロックナット、17は上玉押し、18は上ワン、19は引き上
げネジ棒、20は栓型拡径体（ウス）、21はヘッドパイプ
である。

上記実施例から、いま仮りに何等かの原因で栓型拡径
体20が緩み、ホークステム２とハンドルステム８との圧
接固定がなくなっても、両連けい金具１、７により結合
しているので、接続が断れることはなくハンドル操作は
維持できる。したがって、危険は全くない。

効果 この考案は前記のようになるから、ホークステムとハ
ンドルステムとは本来的接続手段、例えば引上げ棒が緩
むことがあってがたがたとなっても連けいは確保され、
ハンドル機能は維持され、安全に走行することができ
る。

また、この考案装置の連けい金具は、いったんホーク
ステムおよびハンドルステムに装着した後は、これを外
す必要がなく、ハンドルの回動または取り外しに際して
そのままにしておくことができ、したがって、一般使用
者が普通に取り扱うことができる。すなわち、その運
搬、格納などのためにハンドルの回動または取り外しに
は、本来の引上げネジ棒のみを緩めるだけでよく、そし
てハンドルをわずか引き上げれば連けい金具の係合は外
れ、組立時には連けい金具を相互に一致させ、一方の連
けい部を他方の連けい部に単に落し込めば、ハンドルは
定められた位置、角度に設定できるので、自転車の折畳
み、分解、組立などを簡易迅速に行える効果がある。

また、この考案装置は、ホークステムに固着されるホ
ークステム連けい金具に対してハンドルステムに固着さ
れたハンドルステム取付キャップを被嵌させて連けいす
るから、係合突起が外方に現れることがなく、ハンドル
の回動又は取外し時に身体の一部を引っ掛けて怪我をす
るおそれがなく、また、外観上も美麗でデザイン的にも
優れたものである。さらに構造が簡単・堅牢で緩みが発
生しても、係合は持続して危険を警告するものになって
おり、そのうえ調整も簡易であるなどの優れた実用的効
果を奏するものである。

よって、折畳み自転車など、ハンドルが所望角に回さ
れたり、あるいは外されるものでの走行安全を特に確保
でき、その効果は多大である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案装置の実施例を示すものであって、第１
図は要部の縦断面図、第２図はホークステム連けい金具
単体の平面図、第３図はハンドルステム取付キャップ単
体の背面図、第４図は同じく底面図である。 １……ホークステム連けい金具、２……ホークステム、
３……嵌合孔、４……係合突起、５……キー溝、６……
連けい突起、７……ハンドルステム取付キャップ、８…
…ハンドルステム、９……嵌合孔、11……係合凹陥部、
12……取付孔、13……取付片、14……ネジ、15……ネジ
孔、16……ロックナット、17……上玉押し、18……上ワ
ン、19……引上げネジ棒、20……栓型拡径体、21……ヘ
ッドパイプ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ホークステムの外周に嵌合する嵌合孔の内
   径面にホークステムのキー溝に嵌入する係合突起を、外
   周面に連けい突起を夫々備え、ホークステムに螺合する
   ロックナットによりホークステムに螺合する上玉押しと
   共に締付けられてホークステムに固着されるホークステ
   ム連けい金具と、ハンドルステムの外周に嵌装されて前
   記ホークステム連けい金具に上方から被嵌し、該ホーク
   ステム連けい金具の連けい突起と係合する係合凹陥部を
   内面に有し、外面にハンドルステムの外周にねじ止めす
   る取付片を上方に突設して備え、ハンドルステムに固着
   されるハンドルステム取付キャップとによりホークステ
   ムとハンドルステムとを連けいすることを特徴とする自
   転車ハンドルの安全装置。