JP2511597B2 - 水性塗料組成物 - Google Patents

水性塗料組成物

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JP2511597B2 JP27540091A JP27540091A JP2511597B2 JP 2511597 B2 JP2511597 B2 JP 2511597B2 JP 27540091 A JP27540091 A JP 27540091A JP 27540091 A JP27540091 A JP 27540091A JP 2511597 B2 JP2511597 B2 JP 2511597B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防錆性能に優れた水性
塗料組成物に関する。本発明の水性塗料組成物はエンジ
ンブロック、シフトフォークなどの鋳鉄部品に有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車の足回り部品などは、走行時に小
石によるチッピングを受けるため塗膜に傷が付きやす
く、その部分から錆が発生する場合がある。そこで保護
する塗膜には、防錆性能と耐チッピング性を兼ね備えた
ものが望ましいとされている。ところで足回り部品は鋳
鉄から形成されたものが多い。この鋳鉄部品は一般に厚
肉であり、熱容量が大きいため、焼き付け塗料などを塗
布して硬化させるためには熱エネルギーが多量に必要と
なり、焼き付け時間も長く必要となる。したがって電着
塗料などの焼き付け塗料を用いるのは得策ではなく、従
来は常温乾燥型の塗料が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】鋳鉄部品にあっては、
鋳型で成形されてから切削加工までの放置時間が長い場
合もあり、表面に錆が発生している場合がある。したが
って錆を完全に除去しなくとも塗装でき、高い防錆性能
を発揮する塗料の開発が望まれている。また公害防止の
観点から、水性の塗料とすることが望ましい。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、錆を完全に除去しなくとも塗装でき、高い
防錆性能を有する塗膜が形成できる常温乾燥型の水性塗
料組成物とすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】タンニン酸は、鉄イオン
とキレート反応して安定なタンニン酸鉄を形成すること
が知られている。本発明者は、このタンニン酸を塗料の
一成分として用いることにより防錆性能を向上させるこ
とを想起した。そして鋭意研究したところ、確かに防錆
性能は向上するが、耐水性などの物性が大幅に低下する
ことが明らかとなった。この原因は、塗膜中に存在する
遊離のタンニン酸に起因するものと推察された。
【0006】そして遊離のタンニン酸を低下させるべく
鋭意研究した結果、防錆性能と耐水性などの物性の両方
が満足される組成を見出し本発明を完成したものであ
る。すなわち上記課題を解決する本発明の水性塗料組成
物は、カチオン型変性エポキシエマルジョンと、リン酸
アルミニウム系防錆顔料と、タンニン酸誘導体と、を含
んでなることを特徴とする。
【0007】カチオン型変性エポキシエマルジョンは、
本発明の塗料組成物の基体樹脂である。ここでカチオン
型とすることにより、タンニン酸誘導体と鉄とのキレー
ト反応を促進することができ、塗膜中の遊離のタンニン
酸誘導体を低下させることができる。pHが6.0以下
のものが特に好ましい。アニオン型ではタンニン酸誘導
体との反応が生じ、鉄とのキレート反応が期待できな
い。また変性エポキシエマルジョンとすることで、樹脂
自体の鉄との付着力及び防錆力が高いので、各種性能を
高く維持することができる。なお、変性の内容として
は、アクリル変性、ブタジエン変性、ウレタン変性な
ど、目的とする性能により種々の変性とすることができ
る。
【0008】タンニン酸誘導体としては、鉄とキレート
反応するものであれば用いることができ、例えばタンニ
ン酸、没食子酸、ピロガロール、ガロタンニンなどを用
いることができる。このタンニン酸誘導体は、カチオン
型エポキシエマルジョンの樹脂固形分100重量部に対
して0.1〜10重量部用いるのが好ましい。0.1重
量部より少ないと十分な防錆性能が得られず、10重量
部より多くなると塗膜中に遊離のタンニン酸誘導体が残
留し易くなる。特に望ましくは2〜5重量部の範囲であ
る。
【0009】タンニン酸誘導体のみをカチオン型エポキ
シエマルジョンと組み合わせた塗料では、十分な防錆性
能が得られるだけタンニン酸誘導体を添加するとその添
加量が多くなり、塗膜中に残留するため形成された塗膜
の耐水性などの物性が大幅に低下する。そこで本発明で
は、リン酸アルミニウム系防錆顔料を用いる。このリン
酸アルミニウム系防錆顔料により防錆性能が得られるた
め、タンニン酸誘導体の添加量を低減することができ、
耐水性などの物性と防錆性能を両立させることができ
る。
【0010】リン酸アルミニウム系防錆顔料としては、
リンモリブデン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミ
ニウムなど公知の顔料を用いることができる。その添加
量は、カチオン型変性エポキシエマルジョンの樹脂固形
分100重量部に対して5〜50重量部用いるのが好ま
しい。5重量部より少ないと、十分な防錆性能を得るた
めにはタンニン酸誘導体を増量する必要があり、残留タ
ンニン酸誘導体により耐水性などの物性が低下する。ま
た50重量部より多く添加しても効果が飽和し、他の物
性に悪影響が生じる。10〜20重量部の範囲が特に好
ましい。
【0011】なお、本発明の塗料組成物には、他にタル
ク、硫酸バリウムなどの充填材、カーボンブラックなど
の着色顔料、分散剤などの各種塗料添加剤を従来と同様
に添加することができる。
【0012】
【発明の作用及び効果】本発明の水性塗料組成物には、
タンニン酸誘導体が含有されている。したがって鋳鉄部
品などに塗布されると、タンニン酸誘導体と鉄とのキレ
ート反応が生じ、安定なタンニン酸鉄などが形成される
ことにより防錆性能が得られる。また一部錆が生じてい
る部品についても、タンニン酸誘導体が錆を安定化する
ため錆を完全に除去しなくとも塗装することができ、防
錆性能を有する塗膜を形成することができる。そして樹
脂成分としてカチオン型変性エポキシエマルジョンが用
いられているので、タンニン酸誘導体と鉄とのキレート
反応が促進され、塗膜中にタンニン酸誘導体が残留する
のが防止される。これにより耐水性などの物性の低下が
防止される。
【0013】またリン酸アルミニウム系防錆顔料の併用
により、タンニン酸誘導体を単独で使用する場合より防
錆性能が向上する。したがってその分タンニン酸誘導体
の添加量を低減することができるので、塗膜中のタンニ
ン酸誘導体の残存量が一層低減され、防錆性能を維持し
ながら耐水性などの物性を一層向上させることができ
る。
【0014】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。な
お、以下にいう「部」は全て重量部を意味する。 (実施例1)カチオン型ウレタン変性エポキシエマルジ
ョンを固型分で100部、タンニン酸2部、リン酸アル
ミニウム系防錆顔料(「PM−303W」菊池色素
(株)製)17部、カーボンブラック5部、タルク50
部、分散剤(「ポイズ530」花王(株)製)5部およ
び脱イオン水200部をペイントシェーカーで混合し、
実施例1の水性塗料組成物とした。この水性塗料組成物
のpHは5.0である。
【0015】この水性塗料組成物を脱脂された軟鋼板
(SPCC−SD)と鋳肌パネル(FCD−40A)に
エアースプレーにて塗布し、10分セッティング後60
℃で20分乾燥してそれぞれ試験片とした。軟鋼板の塗
膜厚は20〜25μm、鋳肌パネルの塗膜厚は40〜4
5μmである。それぞれの試験片について耐水性と防錆
性能を試験した。耐水性は試験片を40℃の温水中に1
0日間浸漬し、取り出して塗膜の外観の異常の有無を観
察するとともに碁盤目付着試験を行った。碁盤目付着試
験は、塗膜にナイフで2mm間隔の碁盤目を100個刻
み、セロテープを貼り付けて引き剥がしたときの塗膜が
残った枡目の数を数えて評価する試験法である。また防
錆性能は、5%の食塩水を35℃で試験片に240時間
噴霧し、錆の発生の有無を調べた。なお、軟鋼板の試験
片については、ナイフでクロスカットを入れて試験に供
し、クロスカット部からの錆幅を調べた。これらの結果
を表1に示す。 (実施例2)タンニン酸を3部添加したこと以外は実施
例1と同様の組成で、実施例2の水性塗料組成物を調製
した。この水性塗料組成物のpHは5.0である。そし
て実施例1と同様に試験し結果を表1に示す。 (実施例3)タンニン酸を5部添加したこと以外は実施
例1と同様の組成で、実施例3の水性塗料組成物を調製
した。この水性塗料組成物のpHは4.8である。そし
て実施例1と同様に試験し結果を表1に示す。 (比較例1)タンニン酸を5部添加し、リン酸アルミニ
ウム系防錆顔料を添加しなかったこと以外は実施例1と
同様の組成で、比較例1の水性塗料組成物を調製した。
この水性塗料組成物のpHは4.6である。そして実施
例1と同様に試験し結果を表1に示す。 (比較例2)タンニン酸を10部添加し、リン酸アルミ
ニウム系防錆顔料を添加しなかったこと以外は実施例1
と同様の組成で、比較例2の水性塗料組成物を調製し
た。この水性塗料組成物のpHは4.5である。そして
実施例1と同様に試験し結果を表1に示す。 (比較例3)タンニン酸を添加しなかったこと以外は実
施例1と同様の組成で、比較例3の水性塗料組成物を調
製した。この水性塗料組成物のpHは5.5である。そ
して実施例1と同様に試験し結果を表1に示す。 (比較例4)カチオン型変性エポキシエマルジョンの代
わりにアニオン型変性エポキシエマルジョン(「CD−
530」大日本インキ化学工業(株)製)を用いたこと
以外は実施例3と同様の組成で、比較例4の水性塗料組
成物を調製した。この水性塗料組成物のpHは8.7で
ある。そして実施例1と同様に試験し結果を表1に示
す。
【0016】
【表1】
【0017】(評価)比較例1と比較例2の水性塗料組
成物を比較すると、リン酸アルミニウム系防錆顔料が含
まれない場合において、タンニン酸を10部と多量に添
加することにより防水性能が向上している。しかし、反
面耐水性は比較例1でも悪く、比較例2ではさらに低下
している。
【0018】一方、比較例1にさらにリン酸アルミニウ
ム系防錆顔料が添加された実施例3の水性塗料組成物で
は、耐水性と防錆性能の両方に優れた結果を示し、リン
酸アルミニウム系防錆顔料とタンニン酸の併用が好まし
いことがわかる。そして実施例1や実施例2のように、
タンニン酸の添加量を減らしても耐水性と防錆性能は好
ましい結果を示している。しかし比較例3のようにタン
ニン酸が添加されない場合には十分な防錆性能が得られ
ない。
【0019】また比較例4のようにアニオン型のエマル
ジョンを用いた場合には、耐水性と防錆性能の両方が各
実施例に比べて格段に低下している。これはタンニン酸
と鉄とのキレート反応が進まず、タンニン酸はそのほと
んどがエマルジョンに含まれるアミンとの塩として存在
していることに起因しているものと考えられる。すなわ
ち、カチオン型変性エポキシエマルジョンと、タンニン
酸と、リン酸アルミニウム系防錆顔料との3成分を含有
することにより、耐水性と防錆性能の両性能に優れた塗
膜を形成できることが明らかである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン型変性エポキシエマルジョン
    と、リン酸アルミニウム系防錆顔料と、タンニン酸誘導
    体と、を含んでなる水性塗料組成物。
JP27540091A 1991-10-23 1991-10-23 水性塗料組成物 Expired - Lifetime JP2511597B2 (ja)

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WO2016076311A1 (ja) * 2014-11-11 2016-05-19 国立研究開発法人物質・材料研究機構 タンニン酸誘導体を含む皮膜形成性組成物

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