JP2510956B2 - ナフチルエ―テル化合物 - Google Patents
ナフチルエ―テル化合物Info
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- JP2510956B2 JP2510956B2 JP27430194A JP27430194A JP2510956B2 JP 2510956 B2 JP2510956 B2 JP 2510956B2 JP 27430194 A JP27430194 A JP 27430194A JP 27430194 A JP27430194 A JP 27430194A JP 2510956 B2 JP2510956 B2 JP 2510956B2
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- Japan
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- oil
- naphthyl ether
- ether compound
- compound
- lubricating oil
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- Expired - Lifetime
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Lubricants (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成潤滑油に用いられる
特定のナフチルエーテル化合物に関し、さらに詳しくは
酸化安定性に特に優れた合成潤滑油に用いられる新規か
つ特定のナフチルエーテル化合物に関する。
特定のナフチルエーテル化合物に関し、さらに詳しくは
酸化安定性に特に優れた合成潤滑油に用いられる新規か
つ特定のナフチルエーテル化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】潤滑油は一般に長期間の使用に耐え得る
ことが要求される。そのため通常は、高度に精製された
鉱油に、必要に応じて適当な酸化防止剤を配合したもの
が潤滑油として使用されている。しかし、鉱油はその酸
化安定性に限界があり、温度条件が厳しい環境下で、長
期間使用することは困難である。そこで、より酸化安定
性に優れた潤滑油として、ジエステル、ポリオールエス
テル等のエステル系合成油やポリα−オレフィン等の炭
化水素合成油が開発され、現在広く使用されている。
ことが要求される。そのため通常は、高度に精製された
鉱油に、必要に応じて適当な酸化防止剤を配合したもの
が潤滑油として使用されている。しかし、鉱油はその酸
化安定性に限界があり、温度条件が厳しい環境下で、長
期間使用することは困難である。そこで、より酸化安定
性に優れた潤滑油として、ジエステル、ポリオールエス
テル等のエステル系合成油やポリα−オレフィン等の炭
化水素合成油が開発され、現在広く使用されている。
【0003】しかし、これら従来公知の合成潤滑油は鉱
油より酸化安定性が高いとされているものの、その酸化
安定性は満足できるものではなかった。
油より酸化安定性が高いとされているものの、その酸化
安定性は満足できるものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる課題
を解決すべく、合成潤滑油に用いられ、高い酸化安定性
を有する化合物を提供することを目的とする。
を解決すべく、合成潤滑油に用いられ、高い酸化安定性
を有する化合物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成できる化合物を開発すべく研究を重ねた結果、新規
かつ特定のナフチルエーテル化合物が高い酸化安定性を
示すことを見出し本発明を完成するに至った。
達成できる化合物を開発すべく研究を重ねた結果、新規
かつ特定のナフチルエーテル化合物が高い酸化安定性を
示すことを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、式
【化2】 で表されるo−secブチルフェニル−1−ナフチルエ
ーテルを提供するものである。
ーテルを提供するものである。
【0007】以下、本発明の内容をより詳細に説明す
る。本発明の新規かつ特定のナフチルエーテル化合物
は、式
る。本発明の新規かつ特定のナフチルエーテル化合物
は、式
【化3】 で表されるo−secブチルフェニル−1−ナフチルエ
ーテル化合物であり、この化合物の製造法は任意である
が、この化合物は、通常、ウルマン(Ullmann)
反応により得ることができる。すなわち、α−ハロゲン
化ナフタレンを銅、酸化銅(I)、塩化銅(I)、ヨウ
化銅(I)、塩化鉄(III)等の触媒の存在下、加熱し
てo−secブチルフェノールと反応させることにより
得られる。
ーテル化合物であり、この化合物の製造法は任意である
が、この化合物は、通常、ウルマン(Ullmann)
反応により得ることができる。すなわち、α−ハロゲン
化ナフタレンを銅、酸化銅(I)、塩化銅(I)、ヨウ
化銅(I)、塩化鉄(III)等の触媒の存在下、加熱し
てo−secブチルフェノールと反応させることにより
得られる。
【0008】本発明のナフチルエーテル化合物を少なく
とも主成分とする合成潤滑油は単独でも通常の潤滑油に
要求される各種性状とともに酸化安定性が特に良いとい
う優れた性状を兼ね備えているが、この合成潤滑油に
は、必要に応じて通常使用されている公知の潤滑油添加
剤、例えば酸化防止剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、
流動点降下剤、油性剤、耐摩耗性剤、極圧剤、腐食防止
剤、金属不活性化剤、さび止め剤、消泡剤、乳化剤、抗
乳化剤、殺菌剤、着色剤等を添加してもよい。これら各
種添加剤の詳細は、例えば“潤滑油学会誌、第15巻、
第6号”または“桜井俊男編著、「石油製品添加剤」
(幸書房)”等に記載されている。これら各種添加剤の
合計添加量は、潤滑油全量を基準として10wt%以
下、好ましくは5wt%以下、特に好ましくは3wt%
以下である。
とも主成分とする合成潤滑油は単独でも通常の潤滑油に
要求される各種性状とともに酸化安定性が特に良いとい
う優れた性状を兼ね備えているが、この合成潤滑油に
は、必要に応じて通常使用されている公知の潤滑油添加
剤、例えば酸化防止剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、
流動点降下剤、油性剤、耐摩耗性剤、極圧剤、腐食防止
剤、金属不活性化剤、さび止め剤、消泡剤、乳化剤、抗
乳化剤、殺菌剤、着色剤等を添加してもよい。これら各
種添加剤の詳細は、例えば“潤滑油学会誌、第15巻、
第6号”または“桜井俊男編著、「石油製品添加剤」
(幸書房)”等に記載されている。これら各種添加剤の
合計添加量は、潤滑油全量を基準として10wt%以
下、好ましくは5wt%以下、特に好ましくは3wt%
以下である。
【0009】また、この合成潤滑油はその高い酸化安定
性を損ねない範囲において、必要に応じて鉱油や公知の
合成潤滑油、例えば、ポリブテン、α−オレフィンオリ
ゴマー、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエ
ステル化合物、ポリオールエステル化合物、ポリグリコ
ール、ポリフェニルエーテル化合物、トリクレジルホス
フェート、シリコーン油、パーフルオロアルキルエーテ
ル化合物等の合成潤滑油を潤滑油全量を基準として50
wt%未満、好ましくは30wt%以下、特に好ましく
は20wt%以下混合することも可能である。
性を損ねない範囲において、必要に応じて鉱油や公知の
合成潤滑油、例えば、ポリブテン、α−オレフィンオリ
ゴマー、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエ
ステル化合物、ポリオールエステル化合物、ポリグリコ
ール、ポリフェニルエーテル化合物、トリクレジルホス
フェート、シリコーン油、パーフルオロアルキルエーテ
ル化合物等の合成潤滑油を潤滑油全量を基準として50
wt%未満、好ましくは30wt%以下、特に好ましく
は20wt%以下混合することも可能である。
【0010】本発明のナフチルエーテル化合物を少なく
とも主成分とする合成潤滑油は、例えば、ガソリンエン
ジン油、陸用ディーゼルエンジン油や舶用ディーゼルエ
ンジン油等のディーゼルエンジン油、無添加タービン
油、添加タービン油、ガスタービン油、舶用タービン油
等のタービン油、自動車用ギヤー油、工業用ギヤー油、
自動変速機油等のギヤー油、油圧作動油、圧縮機油、冷
凍機油、切削油、研削油、塑性加工油、熱処理油、放電
加工油等の金属加工油、滑り案内面油、軸受油等に利用
できる。
とも主成分とする合成潤滑油は、例えば、ガソリンエン
ジン油、陸用ディーゼルエンジン油や舶用ディーゼルエ
ンジン油等のディーゼルエンジン油、無添加タービン
油、添加タービン油、ガスタービン油、舶用タービン油
等のタービン油、自動車用ギヤー油、工業用ギヤー油、
自動変速機油等のギヤー油、油圧作動油、圧縮機油、冷
凍機油、切削油、研削油、塑性加工油、熱処理油、放電
加工油等の金属加工油、滑り案内面油、軸受油等に利用
できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の内容を実施例および比較例に
よりさらに具体的に説明する。
よりさらに具体的に説明する。
【0012】実施例1 フラスコにα−ブロムナフタレン1モル、o−sec−
ブチルフェノール1.3モル、酸化銅(I)0.5モ
ル、γ−コリジン2モルを入れ、加熱、還流を6時間行
った。反応終了後、室温まで冷却して、反応混合物を濾
過し、濾液を減圧蒸留して、式
ブチルフェノール1.3モル、酸化銅(I)0.5モ
ル、γ−コリジン2モルを入れ、加熱、還流を6時間行
った。反応終了後、室温まで冷却して、反応混合物を濾
過し、濾液を減圧蒸留して、式
【化4】 で表される目的生成物120gを得た。沸点は187〜
192℃/5mmHgであった。
192℃/5mmHgであった。
【0013】この得られた生成物の性能を評価するた
め、以下に示す評価試験を行い、その結果を表1に示し
た。
め、以下に示す評価試験を行い、その結果を表1に示し
た。
【0014】[粘度]JIS−K−2283に規定され
る原油および石油製品の動粘度試験方法に従い、40℃
と100℃での動粘度を測定した。
る原油および石油製品の動粘度試験方法に従い、40℃
と100℃での動粘度を測定した。
【0015】[酸化試験寿命]JIS−K−2514−
3.3に規定される回転ボンベ式酸化試験を行った。酸
化性能は酸素圧が1.8kg/cm2低下するまでの時
間で評価した。 試験温度:150℃ 酸素圧 :13kg/cm2 触 媒 :銅線1.60mmφ
3.3に規定される回転ボンベ式酸化試験を行った。酸
化性能は酸素圧が1.8kg/cm2低下するまでの時
間で評価した。 試験温度:150℃ 酸素圧 :13kg/cm2 触 媒 :銅線1.60mmφ
【0016】なお、この化合物は 1H NMR、13C
NMRおよびマススペクトルによりo−secブチルフ
ェニル−1−ナフチルエーテルであると同定された。図
1に1H NMR、図2に13C NMR、図3にマスの
各スペクトルを示す。
NMRおよびマススペクトルによりo−secブチルフ
ェニル−1−ナフチルエーテルであると同定された。図
1に1H NMR、図2に13C NMR、図3にマスの
各スペクトルを示す。
【0017】比較例1〜4 従来より合成潤滑油として用いられている平均分子量5
00の1−デセンオリゴマー(比較例1)、ジノニルア
ジペート(比較例2)、ペンタエリスリトールテトラカ
プリエート(比較例3)およびアルキル基の合計炭素数
が12〜24のジアルキルベンゼン(比較例4)の酸化
安定性の評価を実施例1と同様の方法により行い、その
結果を表1に示した。
00の1−デセンオリゴマー(比較例1)、ジノニルア
ジペート(比較例2)、ペンタエリスリトールテトラカ
プリエート(比較例3)およびアルキル基の合計炭素数
が12〜24のジアルキルベンゼン(比較例4)の酸化
安定性の評価を実施例1と同様の方法により行い、その
結果を表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】表1の酸化試験寿命の結果から明らかなよ
うに、本発明のナフチルエーテル化合物よりなる合成潤
滑油は非常に高い高温酸化安定性を示している。それに
対して、従来より酸化安定性に優れるといわれているポ
リα−オレフィン、ジエステル化合物、ポリエステル化
合物、アルキルベンゼン等の化合物は、酸化試験寿命が
本発明のナフチルエーテル化合物を用いた合成潤滑油よ
り大きく劣っていることがわかる。
うに、本発明のナフチルエーテル化合物よりなる合成潤
滑油は非常に高い高温酸化安定性を示している。それに
対して、従来より酸化安定性に優れるといわれているポ
リα−オレフィン、ジエステル化合物、ポリエステル化
合物、アルキルベンゼン等の化合物は、酸化試験寿命が
本発明のナフチルエーテル化合物を用いた合成潤滑油よ
り大きく劣っていることがわかる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の新規かつ
特定のナフチルエーテル化合物を少なくとも主成分とす
る合成潤滑油は、従来公知の合成潤滑油では到達し得な
い高い酸化安定性を有するものである。
特定のナフチルエーテル化合物を少なくとも主成分とす
る合成潤滑油は、従来公知の合成潤滑油では到達し得な
い高い酸化安定性を有するものである。
【図1】 本発明のo−secブチルフェニル−1−ナ
フチルエーテル化合物の 1H NMRスペクトルを示す
図。
フチルエーテル化合物の 1H NMRスペクトルを示す
図。
【図2】 同化合物の13C NMRスペクトルを示す
図。
図。
【図3】 同化合物のマススペクトルを示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:08 C10N 40:08 40:20 40:20 A Z 40:22 40:22 40:24 40:24
Claims (1)
- 【請求項1】 式 【化1】 で表されるo−secブチルフェニル−1−ナフチルエ
ーテル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27430194A JP2510956B2 (ja) | 1988-02-08 | 1994-10-14 | ナフチルエ―テル化合物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2574288 | 1988-02-08 | ||
JP63-25742 | 1988-02-08 | ||
JP27430194A JP2510956B2 (ja) | 1988-02-08 | 1994-10-14 | ナフチルエ―テル化合物 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31008788A Division JPH0762147B2 (ja) | 1988-02-08 | 1988-12-09 | 合成潤滑油 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07165658A JPH07165658A (ja) | 1995-06-27 |
JP2510956B2 true JP2510956B2 (ja) | 1996-06-26 |
Family
ID=26363414
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27430194A Expired - Lifetime JP2510956B2 (ja) | 1988-02-08 | 1994-10-14 | ナフチルエ―テル化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2510956B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5676005A (en) * | 1995-05-12 | 1997-10-14 | H. C. Starck, Inc. | Wire-drawing lubricant and method of use |
-
1994
- 1994-10-14 JP JP27430194A patent/JP2510956B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07165658A (ja) | 1995-06-27 |
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