JP2510613B2 - トリフルオロロイコトリエン誘導体およびその製造法 - Google Patents

トリフルオロロイコトリエン誘導体およびその製造法

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JP2510613B2 JP62201868A JP20186887A JP2510613B2 JP 2510613 B2 JP2510613 B2 JP 2510613B2 JP 62201868 A JP62201868 A JP 62201868A JP 20186887 A JP20186887 A JP 20186887A JP 2510613 B2 JP2510613 B2 JP 2510613B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規な20,20,20−トリフルオロロイコトリエ
ンB4誘導体、及びその製造法に関するものである。
[従来の技術] ロイコトリエン(LT)類はアラキドン酸の5−リポキ
シゲナーゼ代謝生成物であり、LTA4を生合成中間体とし
て下図に示した種々の誘導体が存在している。
これらLT類が喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギ
ー状態、乾癬及びアトピー性皮膚炎を含む皮膚病、炎
症、通風性関節炎、胆嚢痙攣、及び狭心症等の心血管障
害を始めとする様々な病態の発現に深く関与し、重要な
役割を果たしていることが明らかになるにつれ、LT合成
酵素阻害剤や拮抗剤を開発し、かかる病態治療に用いよ
うとする試みが盛んに行なわれるようになってきてい
る。
LT類は上図に示すようにペプチドLT(LTC4、LTD4、LT
E4)とLTA4がヒドラーゼの代謝を受けたLTB4に大別さ
れ、互いに異なる生理活性、生物活性を示す。
これまで酵素阻害剤や代謝拮抗剤の開発対象として
は、ペプチドLT類が主として取り上げられてきており、
LTB4に注目した研究例は少ない。LTB4ジメチルアミド修
飾体が、単独で活性のない濃度でLTB4の作用に拮抗する
ことが報告されている程度である(「Biochim.Biophys.
Res.Commun.」、106巻、741(1982))。
しかしながらLTB4は好中球及び好酸球の走化作用及び
化学運動作用が極めて強く、多核白血球血管外遊走作用
やヒトでの痛覚過敏作用等を誘起することが知られてお
り、有効な酵素阻害剤、拮抗剤が開発されれば様々な治
療分野への応用が期待される。
[発明の解決しようとする問題点] 本発明は、従来知られていなかった有効なLTB4の酵素
阻害剤、拮抗剤の開発に取り組んだものである。LTB4
の構造類似性を保持しつつ、生物的安定性の向上が期待
される化合物として、LTB4の末端20位の水素原子をフッ
素原子に置換した20,20,20−トリフルオロLTB4に注目
し、その合成に到達するに至ったものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明はこの新規な20,20,20−トリフルオロLTB4誘導
体とその製造法に関するものであり、すなわち以下の発
明である。
下記式[I]で表わされる20,20,20−トリフルオロロ
イコトリエンLTB4誘導体、またはRが水素原子であると
きその非毒性塩。
但し、R:水素原子、あるいは1価アルコールの残基 二重結合あるいは三重結合 下記式[II]で表わされるトリフルオロアルデヒド類
と、下記式[III]で表わされるウイッチヒ試薬の強塩
基処理物とを反応させることを特徴とする下記式[I]
で表わされる20,20,20−トリフルオロロイコトリエンLT
B4誘導体の製造法。
但し、R1:水素原子又は保護基 但し、R2:水素原子又は保護基 R3:1価アルコールの残基 上記式[I]で表わされる20,20,20−トリフルオロLT
B4誘導体において、Rは水素原子であるかまたは1価ア
ルコールの残基である。1価アルコールの残基としては
アルコールの残基、すなわちアルキル基が好ましいが、
シクロアルキル基やベンジル基などのアルキル基であっ
てもよい。好ましいRは炭素数1〜10のアルキル基であ
り、特に炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。Rが水
素原子であるとき、この20,20,20−トリフルオロLTB4
導体は非毒性塩であってもよい。たとえば、アルカリ金
属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩
などが挙げられる。
6位、7位の炭素原子の不飽和結合および14位、15位
の不飽和結合のいずれかあるいは両者とも三重結合であ
ってもよいが、好ましくは両者共Z型二重結合である。
上記の20,20,20−トリフルオロLTB4誘導体は、上記式
[II]で表わされるトリフルオロアルデヒド類と、上記
式[III]で表わされる公知のウイッチヒ試薬の強塩基
処理物とを常法により反応させ(「J.Am.Chem.Soc」,10
6巻、3548(1984)参照)、以下所望により水素添加、
脱保護、加水分解に付すことにより得られる。
式[III]で表わされるウイッチヒ試薬において、R2
は水素原子あるいは保護基である。保護基としては、例
えばアルキル基、アリール基、アルアルキル基等を3個
有するシリル基、アルカノイル基テトラヒドロビニル
基、テトラヒドロフラニル基、置換基を有していてもよ
いベンジル基、メトキシエトキシ基等が挙げられるが、
特にシリル基、中でもt−ブチルジフェニルシリル基が
好ましい。R3は1価アルコールの残基である。1価アル
コールの残基としてはアルカノールの残基、すなわちア
ルキル基が好ましいが、シクロアルキル基やベンジル基
などの他の1価アルコールの残基であってもよい。好ま
しい炭素数1〜10のアルキル基であり、特に炭素数1〜
6のアルキル基が好ましい。
強塩基としては、水素化ナトリウム、リチウムアミ
ド、アルキルリチウムなどが適当であり、特にリチウム
ジイソプロピルアミド等が好ましい。なお、Rが水素原
子の場合は、ウイッチヒ試薬に対して2倍モルの塩基を
用いカルボン酸をその金属塩としておく。反応溶媒とし
てはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、
ジオキサンなどのエーテル系溶媒が好ましい。ウイッチ
ヒ試薬の使用量はフルオロアルデヒド類に対し約1〜10
当量が適当で、特に約1.0〜1.2当量が好ましい。反応温
度は塩基滴下時には約−100〜30℃、特に−90〜−50℃
が好ましく、滴下終了後は反応を速やかに完結させるた
めに0〜30℃に保つことが好ましい。
前記式[II]で表わされるフルオロアルデヒド類の合
成方法は特に限定されるものでないが、下記フローチャ
ートで示される反応式の方法によって合成されることが
好ましい。
参考例および実施例は下記反応式のフローチャートに
従って20,20,20−トリフルオロLTB4を合成した例を示す
ものである。なお、本発明の20,20,20−トリフルオロLT
B4はこれらの例で示す方法によって得られるものに限ら
れない。
参考例 2(R)−(t−ブチルジフェニルシロキシ)−10,1
0,10−トリフルオロ−4(Z)−デセン−1−アール (式[II]中、R1がt−ブチルジフェニルシリル基、不
飽和結合が二重結合である化合物)の合成 1−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキ
シ]−7(t−ブチルジメチルシロキシ)ヘプト−4−
イン−2(R)−オール アルゴン雰囲気下、3−ブチン−1−オールのt−ブ
チルジメチルシリルエーテル体(2.5g、11.6mmol)のTH
F溶液にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(11.6mmo
l)を−78℃で滴下し、同温度で1時間攪拌した後、
(R)−グリシドールのテトラヒドロピラニルエーテル
体(0.92g、5.88mmol)のTHF溶液(1.1ml)を−78℃で
滴下した。徐々に室温まで昇温後、室温にて原料が消失
するまで攪拌し、氷とエーテルの混合物にあけエーテル
で抽出した。エーテル層を無水硫酸マグネシウムを用い
て乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーに付して精製し(ヘキサン−酢酸エチ
ル=2:1)、目的化合物を1.2g(収率60%)得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:3.5〜4.0(m,7H),3.16(d,j=3.9
Hz),2.87(d,j=4.1Hz),2.26〜2.52(m,4H),2.26〜
2.52(m,4H),1.42〜1.92(m,6H),0.92(s,9H),0.10
(s,6H) 1−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキ
シ]−ヘプト−4−イン−2(R),7−ジオール 前例で得られたシリル体(1.2g、3.48mmol)のTHF(3
0ml)溶液にフッ化テトラブチルアンモニウムの1N THF
溶液(5.5mmol)を氷冷下滴下し、室温にて3時間攪拌
後、THFを留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにて精製し(ヘキサン−酢酸エチル=1:
2)、目的化合物を0.74g(収率93%)得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:4.59(bs,1H),4.09〜3.40(m,8
H),2.50〜2.36(b,4H),1.90〜1.47(b,7H) 1−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキ
シ]−7−(p−トルエンスルホニルオキシ)ヘプト−
4−イン−2(R)−オール アルゴン雰囲気下、塩化p−トルエンスルホニル(0.
62g)のピリジン溶液(5ml)に前記例で得られたジオー
ル(0.74g、3.2mmol)のピリジン溶液(5ml)を−20℃
で加え、同温度で終夜攪拌した。反応混合物を氷にあけ
エーテル抽出した。エーテル層をIN塩酸、飽和炭酸水素
ナトリウム水で洗浄後、乾燥した。濾液を濃縮し、残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(ヘ
キサン−酢酸エチル=2:1)、目的化合物を0.65g(収率
53%)得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:7.78(d,2H,j=9Hz),7.31(d,2H,
j=9Hz),4.52(bs,1H),4.05(t,2H,j=6Hz),3.95〜
3.35(m,5H),3.20(d,0.5H,j=3Hz),2.91(d,0.5H,j
=3Hz),2.60〜2.20(m,4H),2.42(s,3H),1.76〜1.36
(m.6H) 1−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキ
シ]−2H(R)−(t−ブチルジフェニルシロキシ)−
7−(p−トルエンスルホニルオキシ)ヘプト−4−イ
ン アルゴン雰囲気下、イミダゾール(0.25g、3.75mmo
l)及び前例で得られたアルコール(0.65g、1.7mmol)
のジメチルホルムアミド溶液(3.3ml)にt−ブチルク
ロロジフェニルシラン(0.56g、2.05mmol)を氷冷下加
え、室温にて終夜攪拌した。反応混合物を氷水中にあけ
エーテルで抽出し、そのエーテル層を3%塩酸、水、飽
和炭酸水素ナトリウム水、飽和食塩水で順次洗浄した。
乾燥後エーテルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにて精製し(ヘキサン−酢酸エチル=1
0:1)、表題化合物を0.9g(収率93%)得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:7.92〜7.26(m,14H),4.56(bs,1
H),4.03(t,2H,j=6Hz),3.92〜3.22(m.5H),2.67〜
2.2(m.4H),2.49(s,3H),1.86〜1.32(m,6H),1.12
(s,9H) [α]25 D−25.7(c=0.28,CHCl3) 1−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキ
シ]−2(R)−(t−ブチルジフェニルシロキシ)−
10,10,10−トリフルオロ−4−デシン アルゴン雰囲気下THF(5ml)中、マグネシウム(0.16
g)及び1−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン(0.
84g、4.8mmol)より調製したグリニャール試薬に、氷冷
下ジリチウムテトラクロロクプラート(0.1M THF溶液)
(5ml)を加え、前例で得られたトシラート体(0.99g、
1.6mmol)のTHF溶液(1.2ml)を同温度にてゆっくり滴
下した。室温にて終夜攪拌後、更に2時間加熱還流し
た。冷却後飽和塩化アンモニウム水を加えエーテルで抽
出し、エーテル層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥した。溶
媒を留去後、残渣シリカゲルカラムクロマトグラフィー
にて精製し(ヘキサン−酢酸エチル=40:1)、表掲化合
物を0.63g(収率72%)得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:7.26〜7.85(m,10H),4.52(bs,1
H),4.16〜3.26(m,12H)、1.16(s,9H)19 F−NMR(CDCl34)ppm:2.0(t,j=10Hz) [α]25 D−11.1(c=1.41,CHCl3) 1−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキ
シ]−2(R)−(t−ブチルジフェニルシロキシ)−
10,10,10−トリフルオロ−4(Z)−デセン 前例で得られたアセチレン体(0.63g、1.16mmol)の
メタノール(2ml)溶液中にパラジウム−硫酸バリウム
及びキノリン(触媒量)を加え、水素気流下接触還元し
た。触媒を濾別後、水にあけエーテルで抽出した。エー
テル層を3%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水、飽和食
塩水で洗浄後、乾燥した。濃縮後、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにて精製し(ヘキサン−酢酸エ
チル=15:1)、表掲化合物を得た。(収量0.47g、収率7
4%)。1 H−NMR(CDCl3)δ:7.85〜7.25(m,10H),5.41(m,2
H),4.47(bs,1H),1.12(s,9H),2.39〜1.26(m,16
H),1.12(s,9H) [α]22 D−11.7(c=0.68,CHCl3) 2(R)−(t−ブチルジフェニルシロシキ)−10,1
0,10−トリフルオロ−4(Z)−デセン−1−オール 前例で得られたテトラヒドロピラニルエーテル体(0.
47g、0.86mmol)を酢酸−THF−水(3:2:2)(14ml)溶
液中45℃で30分間攪拌し、原料の消失を確認後飽和食塩
水に反応混合物をあけ、エーテルで抽出した。エーテル
層を飽和炭酸水素ナトリウム水、飽和食塩水で洗浄し、
乾燥、濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにて精製し(ヘキサン−酢酸エチル=4:1)、表掲
化合物を0.28g(収率70%)得た。
IR(CCl4)cm-1:35801 H−NMR(CDCl3)δ:7.84〜7.29(m,10H),5.48(m,2
H),1.11(s.9H)19 F−NMR(CDCl3)ppm:2.0(t,j=11Hz) [α]22 D−21(c=12.4,MeOH) 2(R)−(t−ブチルジフェニルシロキシ)−10,1
0,10−トリフルオロ−4(Z)−デセン−1−アール 前例で得られたアルコール体(0.085g、0.18mmol)を
塩化メチレン中(3ml)、ピリジン(0.3ml)、三酸化ク
ロム(0.18g)、セライト(0.18g)より調製した酸化剤
にて氷冷下酸化した(2時間)。粉末状硫酸水素ナトリ
ウム(0.078g)を加え、室温にて5分間攪拌後、シリカ
ゲル(10g)及び硫酸マグネシウムを用いて溶液を濾過
し、溶液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにて精製し(ヘキサン−酢酸エチル=15:
1)、目的化合物を83mg(収率99%)得た。
IR(CCl4)cm-11:1730 MS m/z:433(M−CHO)1 H−NMR(CDCl3)δ:9.58(d,1H,j=1Hz),7.68〜7.33
(m,10H),5.45(m.2H),4.07(dt,1H,j=1.6Hz),2.40
(m,2H),1.56〜1.31(m,4H).1.90〜2.10(m,4H),1.1
1(s,9H)19 F−NMR(CDCl3)ppm:2.0(t,j=10Hz) [α]22 D−18.5(c=0.46,MeOH) 実施例1 20,20,20−トリフルオロLTB4(式[I]中、Rが水素
原子、不飽和結合が二重結合である化合物)の合成 (8E,10E,14Z)−メチル(5S,12R)−ビス(t−ブチ
ルジフェニルシロキシ)−20,20,20−トリフルオロ−8.
10,14−エイコサトリエン−6−イノアート アルゴン雰囲気下、(8E)−メチル5(S)−(t−
ブチルジフェニルシロキシ)−10−(ジメトキシホスホ
リル)デカ−8−エン−6−イノアート(0.18g、0.34m
mol)のTHF溶液(2.6ml)にリチウムジイソプロピルア
ミド(0.44mmol)を−78℃で滴下し、更に前例で得られ
たアルデヒド体(0.14g、0.31mmol)のTHF溶液(0.7m
l)を同温度で加えた。同条件下で終夜攪拌後、室温に
て1時間攪拌した。反応混合物を氷冷後、飽和塩化アン
モニウム水及びエーテルを加え、エーテル層を飽和食塩
水により洗浄し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより精製し(ヘキサン−酢酸
エチル=20:1)、更に中圧カラムクロマトグラフィー
(シリカゲル、ヘキサン−酢酸エチル=20:1)にて分離
し、表掲化合物を0.13g(収率48%)得た。
IR(CCl4)cm-1:1730 MS m/z:878(M−HF)1 H−NMR(CDCl3)δ:7.74〜7.34(m,20H),6.17(dd,1
H,j=15,11Hz),5.89(dd,1H,j=15,11Hz),5.67(dd,1
H,j=15,7Hz),5.30(m,3H),4.48(m.1H),4.17(m,1
H),3.64(s,3H),2.29〜2.16(m,4H),2.02〜1.95(m,
2H),1.84〜1.69(m,6H),1.48〜1.28(m,4H),1.07
(s,9H),1.06(s,9H)19 F−NMR(CDCl3)ppm:2.3(t,j=10Hz) [α]26 D−32.3(c=1.86,CHCl3) (6Z,8E,14Z)−メチル−(5S,12R)−ビス(t−ブ
チルジフェニルシロキシ)−20,20,20−トリフルオロ−
6,8,10−エイコサテトラエノアート 前例で得られたアセチレン体(113.7mg、0.13mmol)
の塩化メチレン溶液(1ml)をパラジウム−硫酸バリウ
ム(キノリン被毒)により水素雰囲気下、部分接触還元
した。触媒を濾去し溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにてキノリンと分離後(ヘキサ
ン−酢酸エチル=10:1)、中圧カラムクロマトグラフィ
ー(シリカゲル、ヘキサン−酢酸エチル=30:1)にて精
製し、目的化合物を56.9m(収率50%)得た。
IR(CCl4)cm-1:1730 MS m/z:880(M−HF)1 H−NMR(CDCl3)δ:7.70〜7.26(m,20H),5.96(dd,1
H,j=15,10Hz),5.80〜5.56(m.4H),5.39(t,1H),j=
10Hz,4.48(m,1H),4.18(m,1H),3.61(s,3H),2.30〜
2.08(m,4H),2.03〜1.90(m,2H),1.87〜1.77(m,2
H),1.21〜1.62(m,10H),1.10(s,9H),1.05(s,9H)19 F−NMR(CDCl3)ppm:2.3(t,j=10Hz) [α]21 D−42.6(c=0.23,CHCl3) 20,20,20−トリフルオロLTB4 アルゴン雰囲気下、前例で得られたシリルエーテル体
(10mg、0.01mmol)のTHF溶液(1ml)にフッ化テトラブ
チルアンモニウム(1M THF溶液、0.125mmol)を氷冷下
加えた。室温にて4時間攪拌後、飽和食塩水を加えエー
テルで抽出した。エーテル層を飽和食塩水で洗浄、乾
燥、濃縮後、残渣をシリカゲルプレートにより精製(メ
タノール:エーテル=2:98)し、更にHPLC(C18カラ
ム、メタノール:水=65:35、酢酸1%添加)により分
離精製し、表掲化合物を得た。(収量2.1mg、収率51
%)。1 H−NMR(CDCl3)δ:6.51(dd,1H,j=15,12Hz),6.31
(dd,1H,j=15,10Hz),6.16(dd,1H,j=15,10Hz),5.98
(t,1H,j=12Hz),5.73(dd,1H,j=15,6Hz),5.55〜5.3
9(m,3H),4.65(m,1H),4.23(m,1H),2.35(m,4H),
2.05(m,4H),1.80〜1.35(m,10H) UV吸収スペクトル(メタノール)はLTB4骨格特有のスペ
クトルを示した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/20 ACD A61K 31/20 ACD AED AED 31/23 ABE 31/23 ABE ABN ABN ABS ABS ADA ADA

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I]で表わされる20,20,20−トリ
    フルオロロイコトリエンB4誘導体、またはRが水素原子
    であるときその非毒性塩。 但し、R:水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、シクロ
    アルキル基、あるいはベンジル基 二重結合あるいは三重結合
  2. 【請求項2】式[I]において6位及び14位がZ型オレ
    フィンであることを特徴とする特許請求の範囲第1項の
    誘導体。
  3. 【請求項3】下記式[II]で表わされるフルオロアルデ
    ヒド類と、下記式[III]で表わされるウイッチヒ試薬
    の強塩基処理物とを反応させることを特徴とする下記式
    [I]で表わされる20,20,20−トリフルオロロイコトリ
    エンB4誘導体の製造法。 但し、R:水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、シクロ
    アルキル基、あるいはベンジル基 二重結合あるいは三重結合 但し、R1:水素原子又は保護基 但し、R2:水素原子又は保護基 R3:炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、あ
    るいはベンジル基
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