JP2510323B2 - 壁パネルの取り付け方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、住宅ユニットにおける壁パネルの取り付
け方法に関するものである。

［従来の技術］ 住宅ユニットの外壁パネルには、特公昭62−62224号
公報に開示されているように、その表面にタイルが貼ら
れてなるものがある。この種の外壁パネルは一般に木片
セメント等からなるパネル基板を具備していて、このパ
ネル基板の表面にタイルが貼り付けられた構造となって
いる。

従来、上記外壁パネルを住宅ユニットの骨組となる構
造体に取り付ける場合には、外壁パネルのタイルに孔を
開け、この孔にビス等の固定具を差し込みパネル基板を
突き通して、その先端を構造体に係止させるという方法
が採られていた。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、上述方法で外壁パネルを取り付けた場
合には、取り付け作業中にタイルの表面を傷付けたりタ
イルを割ってしまう虞れがあった。又、取り付けた後に
タイルの孔を埋める補修を行わなければならず面倒であ
った。又、この補修作業も非常に難しく、補修の仕上が
りが悪いと外観を損なうという欠点もあった。

この発明は上述従来の技術の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、取り付け作業性
に優れ、且つ、住宅ユニットの品質の向上にも貢献し得
る壁パネルの取り付け方法を提供しようとするところに
ある。

［課題を解決するための手段］ この発明は上記目的を達成するためになされたもの
で、その要旨は、パネル基板の表面にタイルが貼られて
なるとともに、裏面周縁部に補強枠材が固定されてなる
壁パネルを住宅ユニットの構造体に取り付ける方法にお
いて、予め上記壁パネルの周縁部領域に上記パネル基板
の表面の一部が露出する露出部を設けておき、この露出
部の外側から上記補強枠材を貫通するように取り付けた
固定具を介して上記パネル基板を上記構造体に固定し、
この後、上記露出部のパネル基板の表面にタイルを貼っ
て露出部を消滅せしめるようにしたことを特徴とする壁
パネルの取り付け方法にある。

［作用］ 壁パネルの取り付け作業を露出部の外側から行うよう
にしているので作業性が極めてよい。又、露出部にはタ
イルが取り付けられていないので、取り付け作業中にタ
イルを損傷する虞れはない。更に、露出部を有する壁パ
ネルを構造体に固定した後、この露出部にタイルを貼る
だけでよいので、作業が簡単なだけでなく、非常に奇麗
に仕上げることができる。

又、本発明における壁パネルは裏面縁部に補強枠材が
固定されており、固定具をこの補強枠材を貫通させて構
造体へ壁パネルを固定するので、壁パネル自体の強度、
及び構造体への固定強度ともに大きい。

［実施例］ 以下、この発明の一実施例を第１図から第３図までの
図面に基づいて説明する。

第３図は住宅ユニットの構造体１の一側部に外壁パネ
ル10A〜10Dを取り付けた状態を示したものである。構造
体１は住宅ユニットの骨組になるものであって、複数の
柱部材２と複数の梁部材３を箱形に連結して構成されて
いる。

構造体１の一側部中央には窓枠４が固定されており、
この窓枠４の周りに外壁パネル10A〜10Dが配置されてい
る。外壁パネル10A〜10Dは全て同じ方法によって構造体
１に取り付けられたものである。

第１図、第２図は、窓枠４の下側に取り付けられた外
壁パネル10Aの取り付け方法を示したものである。

初めに、外壁パネル10Aについて説明する。外壁パネ
ル10Aは木片セメント等からなるパネル基板11を有して
おり、その表面11aには左右上端の露出部12,12を除いて
多数のタイル13が貼り付けられている。各露出部12はタ
イル一枚分の面積になっており、パネル基板11の表面11
aが露出している。一方、パネル基板11の裏面11bの周縁
部には矩形断面のフレーム14が固定されている。

次に、上記外壁パネル10Aを構造体１の一側部におけ
る床梁3A（第３図では外壁パネル10A及び窓枠４の陰に
隠れている。）に取り付ける手順を説明する。

初めに、床梁3Aにおいて外壁パネル10Aの左右両端部
が配置される部位にブチルゴム等からなるソフトロンテ
ープ５を貼り付ける。

次に、上記外壁パネル10Aを上記ソフトロンテープ５
の上から配置して位置決めを行う。そして、外壁パネル
10Aの外側から露出部12のパネル基板11の表面11aにタッ
ピンネジ15を突き当ててねじ込んでいき、フレーム14を
貫通させて、タッピンネジ15の先部を床梁3Aにねじ込ん
で、外壁パネル10Aを床梁3Aに固定する。この時、タッ
ピンネジ15の頭部がパネル基板11の表面11aから突出し
ないように充分にねじ込んでおく。第２図はこの状態を
示している。

この後、上記露出部12にタイル13と同寸法、同材質の
他のタイル16を貼り付ける。これによって露出部12は消
滅する。

このようにして取り付けられた外壁パネル10Aの仕上
がりは非常に奇麗である。

上述した外壁パネル10Aの取り付け方法では、外壁パ
ネル10Aの取り付けを外壁パネル10Aの外側から行うよう
にしているので非常に作業性がよく、又、簡単に取り付
けることができる。

又、外壁パネル10Aを床梁3Aに固定する時点では、露
出部12にタイル16,16が取り付けられていないので、タ
ッピンネジ15のねじ込み作業中にタイル16が損傷すると
いうことは起こり得ず、又、露出部12の面積はタイル一
枚分もあって大きいので、タッピンネジ15のねじ込み作
業中に誤ってタイル13にドライバー等の工具をぶつけて
タイル13を損傷する虞れもない。

尚、外壁パネル10Bから10Dについても外壁パネル10A
の場合と同様である。

この発明は上述実施例に制約されず種々の態様が採用
可能である。

例えば、外壁パネルを構造体に固定する固定具はタッ
ピンネジに限るものではなく、他の固定具を用いてもよ
い。

又、パネル基板は木片セメント板に限るものではな
く、石膏ボード等であってもよい。

［発明の効果］ 以上説明したように、この発明によれば、壁パネルに
予め露出部を設けておき、この露出部を利用して外側か
ら作業を行い壁パネルを構造体に固定し、その後、露出
部にタイルを貼って露出部を消滅するようにしているの
で、壁パネルの取り付け作業が非常に簡単であり、且
つ、仕上がりも非常に奇麗になるという優れた効果が奏
される。

【図面の簡単な説明】

第１図から第３図までの図面はこの発明の一実施例を示
すものであり、第１図は構造体に固定する際の壁パネル
の分解組立斜視図、第２図は構造体に固定された壁パネ
ルの要部の横断面図、第３図は住宅ユニットの外観斜視
図である。 １……構造体、10……外壁パネル、 11……パネル基板、11a……表面、 12……露出部、13……タイル、14……フレーム（補強枠
材）、 15……タッピンネジ（固定具）、16……タイル。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】パネル基板の表面にタイルが貼られてなる
   とともに、裏面周縁部に補強枠材が固定されてなる壁パ
   ネルを住宅ユニットの構造体に取り付ける方法におい
   て、予め上記壁パネルの周縁部領域に上記パネル基板の
   表面の一部が露出する露出部を設けておき、この露出部
   の外側から上記補強枠材を貫通するように取り付けた固
   定具を介して上記パネル基板を上記構造体に固定し、こ
   の後、上記露出部のパネル基板の表面にタイルを貼って
   露出部を消滅せしめるようにしたことを特徴とする壁パ
   ネルの取り付け方法。