JP2510160B2 - 自動変速機におけるプラネタリギヤ機構 - Google Patents

自動変速機におけるプラネタリギヤ機構

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    • F16H3/663Gearings having three or more central gears composed of a number of gear trains without drive passing from one train to another with conveying rotary motion between axially spaced orbital gears, e.g. RAVIGNEAUX
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、自動変速機、特にトルクコンバータと共に
用いられる自動車用自動変速機に係り、詳しくはそのプ
ラネタリギヤ機構に関する。
一般に、自動変速機は、ピニオンが1個からなるシン
グルプラネタリギヤのみを用いた変速機、一例としてシ
ンプソン型の変速機と、ピニオンが複数個からなるデュ
アルプラネタリギヤを少なくとも1個用いた変速機、例
えばラビニヨ型及び特願昭60−230809号等により本出願
人が提案した変速機があるが、本発明は、後者の変速機
に係り、詳しくはそのデュアルプラネタリギヤの構造に
関する。
(ロ) 従来の技術 一般に、デュアルプラネタリギヤ1は、第11図に示す
ように、サンギヤS′、リングギヤR′、第1のプラネ
タリピニオンP′、第2のプラネタリピニオンQ′及び
これらピニオンP′,Q′を支持するキャリヤCR′からな
り、従来、第1及び第2のピニオンP′,Q′は各1個か
ら構成され、かつ互に噛合すると共にそれぞれサンギヤ
S′又はリングギヤR′に噛合している。
ところで、デュアルプラネタリギヤは、一般に、シン
グルプラネタリギヤと組合せて用いられる。例えば、ラ
ビニョ型の場合、サンギヤをそれぞれ別個に有し、かつ
第2のピニオン、リングギヤ及びキャリヤを両プラネタ
リギヤに共通に用いてユニットとし、一方のサンギヤは
共通(第2の)ピニオン及びリングギヤとでシングルプ
ラネタリギヤを構成し、また他方のサンギヤは共通ピニ
オンとの間に第1のピニオンを介在してデュアルプラネ
タリギヤを構成している。また、本出願人が提案したタ
イプの場合(実施例参照)、リングギヤをそれぞれ別個
に有し、かつ第1のピニオン、サンギヤ及びキャリヤを
共通に用いてユニットとし、一方のリングギヤは共通
(第1の)ピニオン及びサンギヤとでシングルプラネタ
リギヤを構成し、また他方のリングギヤは共通ピニオン
との間に第2のピニオンを介在してデュアルプラネタリ
ギヤを構成している。
(ハ) 発明が解決しようとする問題点 従って、共通ピニオンとなる一方のピニオンは軸方向
に長い構成とすることができるが、他方のピニオンはシ
ングルプラネタリギヤのサンギヤ又はリングギヤに干渉
されて長く構成することができず、このため、共通ピニ
オンとリングギヤ(ラビニョ型の場合)又はサンギヤ
(提案例の場合)との歯面圧に比し、他方のピニオンと
サンギヤ(ラビニョ型)又はリングギヤ(提案例)との
歯面圧が大幅に大きくなり、該部分の面圧がネックとな
って伝達トルク容量が制限される虞れがある。
また、該歯面圧を小さくすべく、プラネタリギヤユニ
ットの幅を全体に長くするか、又は第1及び第2のピニ
オンからなるピニオン対の数を4対にする等数を増加す
ると、変速機全体が大型化してしまい、車輌のF・F
(フロントエンジン・フロントドライブ)化等による変
速機の小型化への要望に対応することができない。
そこで、本発明は、装置を大型化することなく、短か
い方のピニオンの歯面圧を分散することにより、上述問
題点を解消した自動変速機のプラネタリギヤ機構を提供
することを目的とするものである。
(ニ) 問題を解決するための手段 本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、例
えば第1図に示すように、軸方向に延出してシングルプ
ラネタリギヤと共通ピニオンとなる第1及び第2のピニ
オンP,Qのいずれか一方のピニオン、例えばサンギヤS
と噛合する第1のピニオンPの1個に対し、他方のピニ
オン、例えばリングギヤR2と噛合する第2のピニオン
Q1,Q2が2個噛合することを特徴としている。
(ホ) 作用 上述構成に基づき、リングギヤR2(又はサンギヤS)
のトルクは、ピニオンP,Qを介してサンギヤS(又はリ
ングギヤR2)に伝達されるが、この際、サンギヤSと一
方のピニオンPとの1個の接触に対し、リングギヤR2
他方のピニオンQ1,Q2が2箇所にて接触し、これにより
リングギヤR2と他方のピニオンQ1,Q2との歯面圧が分散
される。
(ヘ) 実施例 以下、本発明を適用した実施例について説明する。
5速自動変速機21は、第4図に示すように、トルクコ
ンバータ部22、4速自動変速機構部23及びアンダードラ
イブ機構部25からなる。
トルクコンバータ部22は、トルクコンバータ26及びロ
ックアップクラッチ27を有しており、エンジンクランク
軸28の回転を、トルクコンバータ26による油流を介して
又はロックアップクラッチ27による機械的結合により入
力軸29に連結する。
4速自動変速機構部23はシングルプラネタリギヤ30及
びデュアルプラネタリギヤ31からなるプラネタリギヤユ
ニット24を備え、かつ該プラネタリギヤユニット24は両
プラネタリギヤ30,31のキャリヤCR同士及びサンギヤS
同士が一体に構成されている。更に、入力軸29が、第1
の(フォワード)クラッチC1を介してシングルプラネタ
リギヤ30のリングギヤR1に連結すると共に第2の(ダイ
レクト)クラッチC2を介してサンギヤSに連結してい
る。また、サンギヤSが第1の(2ndコースト)ブレー
キB1にて直接制動されると共に第1のワンウェイクラッ
チF1を介して第2の(2nd)ブレーキB2により一方向の
回転を規制され、またデュアルプラネタリギヤ31のリン
グギヤR2が、第3の(1st&Rev)ブレーキB3により直接
制動されると共に第2のワンウェイクラッチF2より一方
向の回転を規制されている。更に、入力軸29が第3の
(オーバドライブ)クラッチC0を介してデュアルプラネ
タリギヤ31のリングギヤR2に連結しており、また入力軸
29とサンギヤSとの間に、サンギヤSの回転が入力軸29
の回転を超えないように規制する第3のワンウェイクラ
ッチF0を介在している。更に、キャリヤCRが該4速自動
変速機構部23の出力部材となるカウンタドライブギヤ32
に連結している。
一方、アンダードライブ機構部25はシングルプラネタ
リ33からなり、そのリングギヤR3が前記カウンタドライ
ブギヤ32に常時噛合しているカウンタドリブンギヤ35に
連結し、かつキャリヤCR3が出力ピニオン36に連結して
いる。更に、サンギヤS3が第4のワンウェイクラッチF3
にて一方向の回転を規制されると共に第4の(アンダー
ドライブ)ブレーキB4にて制動され、かつ第4の(アン
ダードライブダイレクト)クラッチC3を介してキャリヤ
CR3と連結している。
更に、出力ピニオン36はディファレンシャル装置37を
介して左右フロントアクスル39r,39lに連結している。
そして、プラネタリギヤユニット24は、第1図及び第
2図に詳示するように、シングルプラネタリギヤ30及び
デュアルプラネタリギヤ31の共通部材として用いられる
サンギヤS及び第1のピニオンPを有すると共に、両方
プラネタリギヤ30,31のそれぞれ別個の要素となるリン
グギヤR1及びR2、更にデュアルプラネタリギヤ31専用の
要素となる第2のピニオンQを有している。従って、共
通部材であるサンギヤS及び第1のピニオンPは両プラ
ネタリギヤ30,31に亘って形成されている関係上、軸方
向に長く構成されているが、リングギヤR1,R2及び第2
のピニオンQは短かく構成されている。また、キャリヤ
CRは両側板40,41並びにこれら両側板に股がって支持さ
れる第1のピニオンP用の支持軸42及び第2のピニオン
Q用の支持軸43を有しており、かつ一方の側板40はサン
ギヤSが形成されているスリーブ軸45にニードルを介し
て回転自在に支持されている。そして、キャリヤCRには
第1のピニオンP及び第2のピニオンQからなるピニオ
ン組が等間隔に3組配置されており、また1組のピニオ
ン組は1個の第1のピニオンPと、該ピニオンPに噛合
する2個の第2のピニオンQ1,Q2からなる。更に、キャ
リヤCRを構成する側板40には油路46が形成されており、
該油路46は支持軸42に形成された油路47を介して第1の
ピニオンPを支持するニードルに潤滑油が供給されてい
る。なお、図示していないが、第2のピニオンQを支持
するニードルにも、同様に潤滑油を供給するように構成
してもよい。
また、一部変更した実施例を第3図に基づき説明す
る。
本実施例では、2個の第2のピニオンQ1,Q2が荷重等
配機構49によりそれぞれ歯に作用する圧力が均等になる
ように分配される。即ち、第2のピニオンQ1,Q2を支持
する軸43にはそれぞれ油路50及びピニオン支持面に連通
する小径油路51が形成されており、かつこれら油路50に
は側板40に形成した油路46′を介して潤滑油が供給され
ている。従って、すべての組における両第2のピニオン
Q1,Q2は同一圧力からなる油膜にて弾持され、該支持軸4
3の油膜圧力に基づき、両ピニオンQ1,Q2の歯に作用する
力が均等になるように分配される。
なお、3組の第1のピニオンPにも、該荷重均等機構
を適用してもよいことは勿論である。
ついで、本実施例の作動について説明する。
5速自動変速機21は、マニュアルバルブによる各レン
ジにて、各クラッチC0〜C3、各ブレーキB1〜B4及び各ワ
ンウェイクラッチF0〜F3が、第5図の作動表に示すよう
に作動して、それぞれ各レンジP,R,D,3,2,1における各
変速段1ST〜5THが得られる。
即ち、Dレンジにおける1速状態は第1の(フォワー
ド)クラッチC1が接続すると共に第4のブレーキB4が作
動する。すると、入力軸29の回転は、クラッチC1を介し
てシングルプラネタリギヤ30のリングギヤR1に伝達さ
れ、かつこの状態では、デュアルプラネタリギヤ31のリ
ングギヤR2は第2のワンウェイクラッチF2により回転が
阻止されているので、第1のピニオンP及び第2のピニ
オンQ1,Q2を介してサンギヤSを逆方向に空転させなが
ら共通キャリヤCRが正方向に大幅減速回転され、該回転
がカウンタドライブギヤ32からアンダードライブ(U/
D)機構部25のカウンタドリブンギヤ35に伝達される。
そして、該U/D機構部25は第4のブレーキB4及び第4の
ワンウェイクラッチF3が作動してアンダードライブ状態
にあり、従って自動変速機21全体で、4速自動変速機構
部23の1速及びU/D機構部25のアンダードライブが相俟
って1速が得られる。
また、Dレンジにおける2速状態(2ND)は、第1の
クラッチC1の接続に加えて第2の(セカンド)ブレーキ
B2が作動する。すると、サンギヤSがブレーキB2に基づ
く第1ワンウェイクラッチF1の作動により回転が停止さ
れ、従って入力軸29からのリングR1の回転は、デュアル
プラネタリギヤ31のリングギヤR2を正方向に空転させな
がらキャリヤCRを正方向に減速回転し、該回転がカウン
タドライブギヤ32からU/D機構部25のカウンタドリブン
ギヤ35に伝達される。そして、U/D機構部25はアンダー
ドライブ状態にあり、4速自動変速機構部23の2速とU/
D機構部25のアンダードライブが相俟って、変速機21は
2速が得られる。
また、Dレンジにおける3速状態(3RD)は2速状態
から第4の(アンダードライブ)ブレーキB4が解放する
と共に第4の(アンダードライブダイレクト)クラッチ
C3が供給する。これにより、4速自動変速機構部23は2
速状態のままで、U/D機構部25が直結になる。従って、
自動変速機構23の2速とU/D機構部25の直結とが組合わ
さって変速機21全体で3速が得られる。
また、Dレンジにおける4速状態(4TH)は、第1
(フォワード)クラッチC1及び第4のクラッチC3の接続
並びに第2のブレーキB2の作動に加えて第3クラッチC0
が接続する。すると、入力軸29の回転はクラッチC1を介
してシングルプラネタリギヤ30のリングギヤR1に伝達さ
れると同時にクラッチC0を介してデュアルプラネタリギ
ヤ31のリングギヤR2に伝達され、従って両プラネタリギ
ヤ30,31の各要素は一体となって回転し、キャリヤCRか
らカウンタドライブギヤ32に入力軸29と同速回転が伝達
される。そして、該ドライブギヤ32の回転はU/D機構部2
5の直結状態と組合わさって、変速機21全体で入力軸29
と同速度からなる4速が出力ピニオン36から出力され
る。
更に、Dレンジにおける5速状態(5TH)は、4速状
態から第1のクラッチC1が解離すると共に第1ブレーキ
B1が作動する。すると、入力軸29の回転はクラッチC0
介してデュアルプラネタリギヤ31のリングギヤR2に伝達
され、かつこの状態ではサンギヤSが停止されているの
で、第2のピニオンQ1,Q2及び第1のピニオンPを介し
てシングルプラネタリギヤのリングギヤR1を増速空転し
ながらキャリヤCRは高速回転し、該高速回転がオーバド
ライブ(O/D)としてカウンタドライブギヤ32に伝達さ
れる。そして、該O/D回転は直結状態にあるU/D機構部25
と相俟って、変速機21全体で5速が得られる。
ところで、通常高速走行時には一般に該オーバドライ
ブ状態になるので、該状態での使用時間は長いが、この
際、デュアルプラネタリギヤ31のリングギヤR2からのト
ルクは第2のピニオンQ1,Q2及び第1のピニオンPを介
してサンギヤSに伝達され、かつ該サンギヤSが停止し
ていることに基づく反力によりキャリヤCRが回転する。
そして、第1のピニオンPとサンギヤSとはその軸方向
が長い関係上、歯接触面が大きいが、第2のピニオン
Q1,Q2とリングギヤR2とはその軸方向が短かく、ピニオ
ン1個当りの接触面は小さい。しかし、第2のピニオン
Qは第1のピニオンPの1個に対して2個のピニオン
Q1,Q2からなり、従ってリングギヤR2と第2のピニオン
Qとの間のトルクは2個に分散され、ピニオン1個当た
りの歯面圧は小さくて足りる。
更に、第3図に示すように、第2のピニオンQ1,Q2
荷重等配機構49を設けてあると、2個のピニオンQ1,Q2
の歯面に作用する面圧が均等になり、製作誤差等により
1方のピニオンに大きな荷重が作用することを防止し
て、上述トルク分散による歯面圧の減少を確実にし得
る。
また、マニュアルバルブをニュートラル(N)レンジ
からリバース(R)レンジに操作すると、第2のクラッ
チC2が接続しかつ第3のブレーキB3が作動する。する
と、入力軸29の回転はクラッチC2を介してサンギヤSに
伝達され、かつこの状態ではデュアルプラネタリギヤ31
のリングギヤR2が第3のブレーキB3の作動により固定さ
れているので、シングルプラネタリギヤ30のリングギヤ
R1を逆転させながらキャリヤCRも逆転し、該キャリヤの
逆転がカウンダドライブギヤ32からU/D状態にあるU/D機
構部25に伝達される。この際、サンギヤSからのトルク
は第1のピニオンP及び第2のピニオンQ1,Q2を介して
デュアルプラネタリギヤ31のリングギヤR2に伝達・担持
されるが、先のオーバドライブ時と同様に、第2のピニ
オンQ1,Q2とリングギヤR2とは各組毎に2箇所で接触
し、サンギヤSと第1のピニオンPに比して軸方向が大
幅に短かくなっているにもかかわらず、歯面圧が2箇所
に分散されて大きな圧力が作用することはない。
また、マニュアルバルブをシフトレバーの操作又はス
イッチの操作により3レンジに切換えた状態にあって、
1速(IST)及び2速(2ND)はDレンジと同様である
が、3速(3RD)及び4速(4TH)ではDレンジとギヤ比
が異なる。
即ち、3レンジにおける3速状態は、第1のクラッチ
C1及び第3のクラッチC0が接続しかつ第2のブレーキB2
及び第4のブレーキB4が作動する。すると、4速自動変
速機構部23が直結状態となり、かつU/D機構部25がアン
ダードライブ状態となって、これが組合わされて3レン
ジの3速が得られる。
また、3レンジにおける4速状態は、第3のクラッチ
C0が接続すると共に第1、第2及び第4のブレーキB1,B
2,B4が作動する。すると、4速自動変速機構部23がオー
バドライブ(O/D)状態となりかつU/D機構部25がアンダ
ードライブ状態となって、これらが組合わされて3レン
ジの4速が得られる。
また、マニュアルバルブを2レンジに切換えた2レン
ジにおける1速状態はDレンジにおける1速状態に加え
て第3ブレーキB3が作動する。これにより、ギヤ比はD
レンジの1速と同じであるが、エンジンブレーキ(入出
力逆転)時、DレンジにおいてはワンウェイクラッチF2
により伝動が断たれて空転状態になるのに対し、2レン
ジにおいてはブレーキB3によりリングギヤR2が固定状態
にあり、1速状態に保たれる。
更に、2レンジにおける2速(2ND)状態は、第1及
び第4のクラッチC1,C3が接続しかつ第3のブレーキB3
が作動する。すると、4速自動変速機構部23が1速状態
となり、かつU/D機構部25が直結状態となって、これら
が組合わさって2レンジの2速が得られる。なおこの状
態では、エンジンブレーキ時も2速状態に保たれる。ま
た、2レンジにおいて、カッコで示すように、Dレンジ
と同様な2速(2ND)及び3速(3RD)を得ることも可能
である。
また、1レンジにおいては、1速状態(IST)が2レ
ンジの1速と同様である。また、カッコで示すように、
2レンジと同様な2速(2ND)及びDレンジと同様な3
速(3RD)を得ることも可能である。
ついで、自動変速機構部を一部変更して3速自動変速
機構部とした実施例について説明する。
本3速自動変速機構部23′は、第6図に示すように、
先の4速自動変速機構部23から第3のクラッチC0及び第
3のワンウェイクラッチF0を省いて構成され、かつ先の
実施例と同様なアンダードライブ機構25と組合わされ
て、前進4速からなる自動変速機21′となっている。即
ち、第7図に示す作動表に示すように、前述した第4図
において、クラッチC0、ワンウェイクラッチF0、並びに
Dレンジにおける5速及び3レンジにおける4速(4T
H)が省略された形となっている。
なお、本自動変速機21′においても、シングルプラネ
タリギヤ30及びデュアルプラネタリギヤ31からなるギヤ
ユニット24は、第1図及び第2図又は第3図に示すよう
に、先の実施例と同様に構成されており、2個の第2の
ピニオンQ1,Q2に基づきリングギヤR2との歯面圧が分散
される。
ついで、本発明を第1のピニオンに適用した実施例に
ついて説明する。
本自動変速機構21″は、第8図に示すように、1個の
シングルプラネタリギヤ30′及び1個のデュアルプラネ
タリギヤ31′からなるプラネタリギヤユニット24′を有
し、かつ該プラネタリギヤユニット24′はサンギヤS1,S
2をそれぞれ別個に有し、また第2のピニオンQ、リン
グギヤR及びキャリヤCRが共通に用いられ、一方のサン
ギヤS1が第2のピニオンQとリングギヤRとでシングル
プラネタリギヤ30′を構成し、また他方のサンギヤS2
第2のピニオンQとの間に第1のピニオンPを介在して
デュアルプラネタリギヤPを構成している。そして、入
力軸29は第1のクラッチC1を介してデュアルプラネタリ
ギヤ31′のサンギヤS2に連結すると共に第2のクラッチ
C2又はワンウェイクラッチF0を介してシングルプラネタ
リギヤ30′のサンギヤS1に連結しており、更に第3のク
ラッチC0を介してキャリヤCRに連結しており、また、出
力部材32はリングギヤRに連結している。
更に、第9図に示すように、軸方向に長く構成され、
かつリングギヤRと噛合する第2のピニオンQの1個に
対し、一方のサンギヤS2に噛合する第1のピニオンP1,P
2が2個噛合している。
本実施例は以上のような構成よりなるので、自動変速
機構21″は第10図の作動表に示す通り、各クラッチC1,C
2,C3,C0及び各ブレーキB1,B2,B3、更に各ワンウェイク
ラッチF1,F2,F0の作動に基づき1速〜4速(1st〜4th)
及び後進(Rev)が得られる。なお、図中○はクラッチ
の係合、ブレーキ及びワンウェイクラッチの作動を示
し、また△はコースト時にのみの作動を示す。
即ち、1速時は、第1のクラッチC1が接続して、入力
軸29の回転はデュアルプラネタリギヤ31′のサンギヤS2
に伝達され、更にワンウェイクラッチF2又は第3のブレ
ーキB3によりキャリヤCRの回転が阻止されていることに
より、第1及び第2のピニオンP,Qを介してリングギヤ
Rに伝達される。この際、1速時は比較的大きなトルク
が伝達され、径の小さいサンギヤS2に大きな接線力が作
用するが、第1のピニオンP1,P2は各組毎に2個からな
るため、その伝達トルクが分散され、軸方向に短かい構
造でありながら、サンギヤS2と第1のピニオンP1,P2
の歯面圧が大きくなることはなく、またリングギヤR及
び第2のピニオンQは軸方向に長い構成であるため、歯
面圧が大きくなることはない。
2速時は、第1のクラッチC1、第1のブレーキB1又は
第2のブレーキB2が接続され、従って入力軸29のトルク
はサンギヤS2から第1のピニオンP1,P2を介して第2の
ピニオンQに伝達される。そして、第2のブレーキB2
びワンウェイクラッチF1、又は第1のブレーキB1により
シングルプラネタリギヤ30′のサンギヤS1が停止状態に
あるので、ピニオンQの自転は阻止されて、キャリヤCR
が回転して、更にリングギヤ32が回転する。
また、3速時は、第1のクラッチC1及び第3のクラッ
チC0が接続し、従ってサンギヤS1及びキャリヤCRが同速
で回転し、これによりギヤユニット24′が一体となって
回転する。
更に、4速時は、第3のクラッチC0、第1のブレーキ
B1が作動し、従って、入力軸29の回転がキャリヤCRに伝
達され、かつシングルプラネタリギヤ30′のサンギヤS1
が停止状態にあるので、第2のピニオンが自転しながら
公転し、該回転がオーバドライブとしてリングギヤRに
伝達される。
また、リバース時は、第2のクラッチC2及び第3のブ
レーキB3が接続され、従って入力軸29の回転はシングル
プラネタリギヤ30′のサンギヤS1及び公転が阻止されて
いる第2のピニオンQを介してリングギヤRに伝達され
る。
なお、該実施例は、4速の自動変速機構について説明
したが、従来の3速からなるラビニョタイプの変速機構
にも同様に適用できることは勿論である。
(ト) 発明の効果 以上説明したように、本発明によると、一方のピニオ
ンP(又はQ)に対し、他方のピニオンQ1,Q2(又はP1,
P2)が2個噛合するように構成したので、軸方向長さが
一方のピニオンに比して短かく、大きな歯面圧が作用す
る他方のピニオンへのトルクを分散して、1個当りの該
ピニオンに作用する歯面圧を小さくすることができ、ま
た、大きな歯面圧が作用する箇所へのトルクを分散し
て、ギヤユニット24,24′全体で各歯車に作用する歯面
圧が平均化するので、ギヤユニットの全体幅を小さく、
かつ第1及び第2のピニオンからなるピニオン組の数を
減少することができ、自動変速機をコンパクトに構成で
きるものでありながら、トルク容量を増大することがで
きる。
また、1個からなる一方のピニオンをサンギヤSに噛
合する第1のピニオンPとし、2個からなる他方のピニ
オンをリングギヤR2と噛合する第2のピニオンQ1,Q2
すると、本出願人が提案した自動変速機に適用でき、使
用時の長い高速走行時及び高負荷の後進時に該2個のピ
ニオンによるトルクの分散が有効に機能し、更に外径側
に2個のピニオンQ1,Q2が位置するので、ピニオン組の
配置が容易となる。
また、1個からなる一方のピニオンをリングギヤRに
噛合する第2のピニオンQとし、2個からなる他方のピ
ニオンをサンギヤS2に噛合する第1のピニオンP1,P2
すると、ラビニョタイプ及びその変形タイプに適用可能
で径の小さいサンギヤに作用する歯面圧を分散できかつ
伝達トルクの大きい低速時に有効に機能する。
更に、他方のピニオンQ1,Q2(又はP1,P2)を支持軸43
にそれぞれ所定油膜を介して回転自在に支持すると、各
他方のピニオンの歯面圧を均等に分散でき、上述効果を
一層確実にして信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る実施例を示すギヤユニットの正面
図、第2図はその縦断面図、第3図は一部変更した実施
例によるピニオン部分を示す断面図である。また、第4
図は本発明を適用し得る自動変速機を示す概略図、第5
図はその作動を示す図である。更に、第6図は本発明を
適用し得る他の自動変速機を示す概略図、第7図はその
作動を示す図である。また、第8図は本発明を適用し得
る他のタイプの自動変速機を示す該略図、第9図はその
ギヤユニットを示す正面図、第10図はその作動を示す図
である。そして第11図は従来のデュアルプラネタリギヤ
を示す正面図である。 21,21′,21″……自動変速機、24,24′……ギヤユニッ
ト、30,30′……シングルプラネタリギヤ、31,31′……
デュアルプラネタリギヤ、42,43……支持軸、46,46′,5
0,51……油路、S,S1,S2……サンギヤ、R,R1,R2……リン
グギヤ、CR……キャリヤ、P,P1,P2……第1のピニオ
ン、Q,Q1,Q2……第2のピニオン。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シングルプラネタリギヤとデュアルプラネ
    タリギヤとを組合せてなるプラネタリギヤユニットを備
    えてなる自動変速機において、 前記デュアルプラネタリギヤは、サンギヤ、リングギ
    ヤ、互に噛合しかつそれぞれサンギヤ又はリングギヤに
    噛合する第1及び第2のピニオン、及びこれらピニオン
    を支持するキャリヤを有し、 前記第1及び第2のピニオンのいずれか一方は、他方の
    ピニオンよりも軸方向に長く延出して、前記シングルプ
    ラネタリギヤと共通のピニオンを構成し、 前記一方のピニオンの1個に対し、前記他方のピニオン
    が複数個噛合してなる、 ことを特徴とする自動変速機におけるプラネタリギヤ機
    構。
  2. 【請求項2】前記ギヤユニットが、シングルプラネタリ
    ギヤとデュアルプラネタリギヤの組合せからなり、リン
    グギヤをそれぞれ別個に有し、かつ第1のピニオン、サ
    ンギヤ及びキャリヤを共通に用いて、一方のリングギヤ
    が第1のピニオン及びサンギヤとでシングルプラネタリ
    ギヤを構成し、また他方のリングギヤが第1のピニオン
    との間に第2のピニオンを介在してデュアルプラネタリ
    ギヤを構成するものであって、 前記一方のピニオンがサンギヤと噛合する第1のピニオ
    ンであり、かつ該ピニオンと噛合する2個の前記他方の
    ピニオンがリングギヤと噛合する第2のピニオンである
    特許請求の範囲第1項記載の自動変速機におけるプラネ
    タリギヤ機構。
  3. 【請求項3】前記ギヤユニットが、シングルプラネタリ
    ギヤとデュアルプラネタリギヤの組合せからなり、サン
    ギヤをそれぞれ別個に有し、かつ第2のピニオン、リン
    グギヤ及びキャリヤを共通に用いて、一方のサンギヤが
    第2のピニオン及びびリングギヤとでシングルプラネタ
    リギヤを構成し、また他方のサンギヤが第2のピニオン
    との間に第1のピニオンを介在してデュアルプラネタリ
    ギヤを構成するものであって、 前記一方のピニオンがリングギヤと噛合する第2のピニ
    オンであり、かつ該ピニオンと噛合する2個の前記他方
    のピニオンがサンギヤと噛合する第1のピニオンである
    特許請求の範囲第1項記載の自動変速機におけるプラネ
    タリギヤ機構。
  4. 【請求項4】前記他方のピニオンを、キャリヤに取付け
    られた支持軸にそれぞれ所定油膜を介して回転自在に支
    持して、前記複数の他方のピニオンに作用する荷重が均
    等に配分されるように構成した特許請求の範囲第1項記
    載の自動変速機におけるプラネタリギヤ機構。
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