JP2510111Y2 - 定着装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ゼログラフイー方式を用いる複写機やプリ
ンター等の定着装置に関する。

〔従来の技術〕

複写機やレーザプリンター等の画像形成装置におい
て、ゼログラフイー方式を用いるものにおいては、感光
体に対して、帯電、露光、現像等の工程を経てトナー画
像を形成し、そのトナー画像を用紙等の画像担持体に転
写するようにしている。

そして、前述したような画像形成装置においては、未
定着トナー画像を担持する用紙を定着装置に導入し、該
定着装置において熱と圧力とを同時に加えるか、あるい
は、加熱と加圧とを単独で加えることによって、トナー
画像を用紙に定着し、コピーを作成している。

前述したような画像形成装置に用いられる定着装置に
おいては、一般に加熱ローラ方式の装置や、オープン式
の装置、または、圧力定着装置等が用いられている。

例えば、オープン式定着装置は、用紙搬送路の上下部
分にヒータ装置を対向させて配置し、該上下のヒータ装
置の間の通路に、未定着トナー画像を担持する用紙を通
過させて、幅射熱により定着を行うようにする装置であ
る。

また、圧力定着装置は、用紙搬送路を挾むようにし
て、２つのローラを対向させて配置し、それらのローラ
に対して圧力付与部材を設けて、両ローラの間に大きな
圧力を付加するようにし、用紙に担持されたトナーを圧
力で溶触させて、定着させるような構成の装置である。

前記した定着装置とは別に、加熱ローラ方式の装置の
場合には、用紙搬送路を挾むようにして一対のローラを
設けているが、そのトナー画像側のローラを、内部に熱
源を有する加熱ローラとして構成し、これに対向する加
圧ローラに対して圧力付与機構を設け、両ローラの間に
ニップされた用紙に対して、加熱と加圧とを行ってトナ
ーを溶触し、そのトナーを用紙に押圧するよって、定着
作用を行わせ得るようにしている。

前述したような加熱ローラ方式の定着装置は、小型化
出来ること、構成が簡単であることや、メンテナンスが
容易であること等によって、複写機等の装置においては
最も多く使用されている装置である。

また、前記加熱ローラ方式の定着装置は、加熱ローラ
に対してのみでなく、加圧ローラにも熱源を設けたもの
を用いる場合があり、それ等のローラの加熱源として
は、ハロゲンランプ等のような発熱量の大きなランプ等
が用いられる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記したような従来の加熱ローラ方式
の定着装置においては、加圧ローラにオイルロールを接
触させて加圧ロール表面にオイルを供給し、加圧ロール
の表面にコーティングした被覆を保護するようにした定
着装置おいては、加圧ロール表面に紙粉等が付着すると
定着不良となるばかりか、その紙粉等がオイルロールに
付着してオイル供給が不十分かつ不均一となって加圧ロ
ール表面の被覆が早期に損傷等して耐久性が劣ってしま
う。

そこで加圧ロールの表面にクリーニング用のブレード
の先端面を接触させ、そのブレードにより加圧ロールの
表面に付着した紙粉等を除去する場合、通常ブレードは
定着装置の本体側に設けてあるので、ブレード先端面を
加圧ロールの表面軸方向に亘って均一な状態で接触させ
ることは大変困難であるばかりか、加圧ロールのニップ
幅調整や押し付け位置のずれ等による加圧ロールの位置
変化によってブレード先端面の接触位置、角度等が変化
して加圧ロールの表面に付着した紙粉等を確実に除去で
きなくなることがある。

つまり、加熱ロールと加圧ロールを圧接した定着装置
においては、加熱ロールと加圧ロールを常時圧接してい
ると加圧ロール表面が凹んだりするから、定着動作時に
のみ圧接してそれ以外の時には離隔させていると共に、
加熱ロールと加圧ロールの圧接状態、つまりニップ幅が
定着動作に影響するからニップ幅を調整している。

このために、加圧ロールを加熱ロールに圧接する時の
押し付け位置がずれたり、ニップ幅を調整したりすると
加圧ロールの位置が変化し、ブレード先端面の接触位
置、角度が変化してしまう。

そこで、本考案は前述の課題を解決できるようにした
定着装置を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段及び作用〕

加熱ロール26aと、この加熱ロール26aと接離可能な加
圧ロール26bと、この加圧ロール26b表面に接触するクリ
ーニング用のブレード54を備えた定着装置において、 前記クリーニング用のブレード54を備えたブレードサ
ポートを、その一端部65,68を中心にして回動自在に支
持すると共に、そのブレードサポートの他端部を加圧ロ
ール26bの支持軸41にスプリングにより当接させてブレ
ード54の先端が加圧ロール26bの表面に対して一定量押
し付けられるようにブレードサポートと加圧ロール26b
の表面との間隔を一定にしてブレードサポートを保持す
る定着装置。

これにより、ブレードサポートの他端部がスプリング
により加圧ロール26bの支持軸41に当接しているから、
ブレードサポートと加圧ロール26bの位置関係が常に一
定となり、加圧ロール26bを加圧ロール26aより接離した
り、ニップ幅を変えたりして加圧ロール26bの位置が変
位しても、あるいはスプリングのバネ力が変化してもブ
レード54と加圧ロール26bとの位置関係は常に一定とな
るので、ブレード54の先端面を加圧ロール26bの表面に
常に同一状態で接触させることができる。

〔実施例〕

まず、本考案に係る定着装置を用いた電子写真複写機
の一例を説明する。

第10図に示すように、複写機本体１の上部には表示部
２と操作部３を有するコントロール部４、自動原稿送り
装置５が設けてあると共に、複写機本体１内に感材６、
露光用の光学系７、複数の給紙トレイ８等が設けられ、
複写機本体１と隣接して大容量の給紙トレイ９、ソータ
10等が配設してある。

前記感材６は第11図のように、感光体ベルト11とな
り、その感光体ベルト11は複数個のゴムロール12に掛け
渡され駆動ロール13で駆動が行なわれると共に、該感光
体ベルト11の周囲には、帯電コロトロン14、露光部15、
２つの現像装置16,16、転写・剥離コロトロン17による
画像転写と剥離の部分、クリーニング装置18等が、それ
ぞれ従来より用いられているゼログラフィー装置の場合
と同様にして配置される。

さらに、複写機本体１の上部分に設けられるプラテン
19の下面には、一般の複写機の場合と同様な機構の露光
用の光学系７が配置されており、該光学系７はランプ20
によって、原稿21の画像を照射し、その反射光を複数個
のミラー22,22とレンズ23とを組合せて反射するととも
に結像を行い、感光体ベルト11の周囲に設けた露光部15
で、該感光体ベルト11に照射させるようにする。

上記した構成を有する電子写真複写機において、感光
体ベルト11に対して、露光部15の手前の部分で、帯電コ
ロトロン14により一様な帯電を行い、その後で、露光部
15を通過する間に、画像光の照射が行なわれて静電潜像
が形成され、現像装置16,16から選択的にトナーが供給
されて、該静電潜像をトナー像として可視像化する。

次いで、転写・剥離コロトロン17による画像転写部
で、ガイド板24を介して前記給紙トレイ8,9のいずれか
より案内されてくる用紙に対して、そのトナー像が転写
され、その転写後に感光体ベルト11に残留するトナー
を、クリーニング装置18により清掃して、次の画像形成
に対処させ得るようにしている。

前述のトナー像が転写された用紙は用紙搬送路25で定
着装置26に送られて定着された後に排出ローラ27でソー
タ10やトレイに排出される。

以上の電子写真複写機においては、２つの現像装置1
6,16を設けているので、黒と赤、または、その他の任意
の色のトナーを、それらの現像装置に収容しておくこと
によって、多色コピーを容易に作成することが出来るも
のとなる。

また、複写機本体１内の用紙搬送経路には中間トレイ
28、および用紙反転機構29等が配置されているので、そ
れ等の各機構を有機的に使用することによって、自動両
面複写機として、または、多重複写機能を有する装置と
して使用することが出来、複写機の使用可能範囲を拡大
することが出来る。

なお、現像装置16は、ハウジング16の内にミキシング
部材16bと現像ロール16cが設けられ、そのハウジング16
a内にトナーボックス16dよりトナーが供給されるように
なり、定着装置26は加熱ロール26aと加圧ロール26bを圧
接してある。

次に本考案に係る定着装置を第１図〜第８図に基づい
て説明する。

ハウジング30は第１図、第２図のように、一側縦板31
と他側縦板32とに亘って上カバー体33、下カバー体34を
横架固着してスリット状の入口35と出口36を有する略箱
状となり、加熱ロール26aは第３図のようにロール体37
の両端に支持軸38を連結した形状で、その支持軸38が縦
板に軸受39で支承され、加圧ロール26bは第３図のよう
にロール体40の両端に支持軸41を連結した形状で、その
支持軸41が縦板の大径穴42より外方に突出し、かつ支持
板43に設けた軸受44で支承されていると共に、この支持
板43は第２図のようにピン45によって揺動レバー46とと
もに縦板に上下揺動自在に支承され、その揺動レバー46
には支持板43を上下揺動するニップ幅調整用カム47が設
けてあると共に、カムフオロワ48が設けられ、カム軸49
に設けたカム50で揺動レバー46を上下揺動することでニ
ップ幅調整用カム47を介して支持板43を上下揺動して加
圧ロール26bを加熱ロール26aに圧接したり、離隔したり
できると共に、ニップ幅調整用カム47によって支持板43
を上下揺動することで加圧ロール26bの押し付け力を増
減してニップ幅を調整できるようにしてある。

なお、カム軸49は一側板31と他側板32とに亘って横架
支承されて、その一端側が図示しない駆動源に連結して
いる。

前記加熱ロール26aの表面には第１図のように、クリ
ーニングロール51と用紙剥離爪52が接触していると共
に、加圧ロール26bの表面にはオイルロール53とクリー
ニング用のブレード54が接触している。

該ブレード54は、第１図、第５図〜第８図のように断
面略コ字状の長尺材より成るブラケット55の上下横向片
55a,55bにそれぞれボルト・ナット56で取付けられてい
ると共に、このブレード54は薄板状であって長手方向に
たわみ易いので、第８図のように凹部57と凸部58を有す
る２枚のシート54a,54aを、その凹部57と凸部58が重な
り合うように重ね合せて長手方向にたわまないようにし
てある。

前記ブラケット55は基板59にボルト60で固着され、そ
の基板59の長手方向両側に支持プレート61が一体的に設
けられ、この支持プレート61にはローラ62が設けてある
と共に、支承部、例えば略円形の切欠部63が形成してあ
る。すなわち、ブレード54はブレードサポートに取付け
てあると共に、そのブレードサポートにローラと支承部
が設けてある。

尚、前記ブレード54は１枚のフラット形状のシートと
して設けることもできる。

第１図のように側板に形成した長溝64に嵌合した支軸
65に切欠部63が嵌合されて基板59が上下回動自在に支承
されていると共に、スプリング66で上方に回動付勢して
ローラ62を加圧ローラ26bの支持軸41に当接し、それに
よってブレード54の先端面をロール体40の表面に接触し
ている。

このようであるから、ブラケット55、基板59、支持プ
レート61より成るブレードサポートの加圧ロール26bに
対する位置はローラ62によって常に一定に保持されるの
で、ブレード54と加圧ロール26bの表面の接触状態を常
に一定に保持できる。

また、第９図のように、円形穴の支承部63を有するプ
レート67を支持プレート61にピン68で連結し、その支承
部63を加圧ロール26bの支持軸41における小径部41aの回
りに回転自在に支承すると共に、ローラ62を支持軸41に
当接するように基板59を回動付勢しても良い。

〔考案の効果〕

ブレードサポートの他端部がスプリングにより加圧ロ
ール26bの支持軸41に当接しているから、ブレードサポ
ートと加圧ロール26bの位置関係が常に一定となり、加
圧ロール26bを加熱ロール26aより接離したり、ニップ幅
を変えたりして加圧ロール26bの位置が変位しても、あ
るいはスプリングのばね力が変化してもブレード54と加
圧ロール26bとの位置関係は常に一定となるので、ブレ
ード54の先端面を加圧ロール26bの表面に常に同一状態
で接触させることができるから、加圧ロール26bの表面
に付着した紙粉、トナー等を確実に除去できる。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案の実施例を示し、第１図は定着装置の縦断
面図、第２図は正面図、第３図は第１図のIII-III線断
面図、第４図は加圧ロールの上下動機構の分解斜視図、
第５図はブレード取付部の正面図、第６図は側面図、第
７図は第５図のVII-VII線断面図、第８図はブレードの
拡大斜視図、第９図は変形部の説明図、第10図は電子写
真複写機の概略図、第11図は感材部分の拡大図である。 26aは加熱ロール、26bは加圧ロール、41は支持軸、54は
ブレード、62はロール、67はプレート。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−131946（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−289373（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−37382（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】加熱ロール26aと、この加熱ロール26aと接
   離可能な加圧ロール26bと、この加圧ロール26b表面に接
   触するクリーニング用のブレード54を備えた定着装置に
   おいて、 前記クリーニング用のブレード54を備えたブレードサポ
   ートを、その一端部65,68を中心にして回動自在に支持
   すると共に、そのブレードサポートの他端部を加圧ロー
   ル26bの支持軸41にスプリングにより当接させてブレー
   ド54の先端が加圧ロール26bの表面に対して一定量押し
   付けられるようにブレードサポートと加圧ロール26bの
   表面との間隔を一定にしてブレードサポートを保持する
   ことを特徴とする定着装置。