JP2509508B2 - ラジアルバルブ機構 - Google Patents

ラジアルバルブ機構

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JP2509508B2
JP2509508B2 JP4354096A JP35409692A JP2509508B2 JP 2509508 B2 JP2509508 B2 JP 2509508B2 JP 4354096 A JP4354096 A JP 4354096A JP 35409692 A JP35409692 A JP 35409692A JP 2509508 B2 JP2509508 B2 JP 2509508B2
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冨士也 丸野
庄次 太田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体ポンプ,流体モー
タ等に用いられるラジアルバルブ機構に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ラジアルバルブ機構は、例えば、図9お
よび図10に示すように、ラジアルプランジャ式ポンプ
もしくはモータのユニットの一部として用いられる。こ
のユニット201は、ハウジング201a,201bの
内部に固定収容されたケーシング211と、このケーシ
ング211の中心に配置されたメインシャフト221と
を有して構成されている。メインシャフト221は回転
軸C1 を中心としてケーシング211に対して相対回転
するが、その長手方向中間部には、回転軸C1 から偏心
した偏心部221aおよび回転軸C1 を軸心とする太径
部221cが形成されている。このためメインシャフト
211が回転すると、偏心部221aの軸心C2 は、回
転軸C1 の周囲を公転する。
【0003】偏心部221a上には、ベアリングおよび
軸心C2 から偏心した偏心カラー231を介して相対回
転自在に連結リング233が取り付けられており、この
連結リング233には、円周方向等間隔に7個のプラン
ジャ235が揺動自在に連結されている。また、偏心部
221aの径方向外方には、回転軸C1 を中心として円
周方向等間隔に7個のシリンダ238が配設されてい
る。各シリンダは、図9において左右に張り出したよう
に形成されたトラニオン部238aにおいて、ハウジン
グ201aおよびケーシング211に揺動自在に保持さ
れている。各シリンダ238内には、上記各プランジャ
235がピストン運動自在に挿入されている。なお、上
記トラニオン部238aの内部には、トラニオン内流路
238aが形成されており、このトラニオン内流路23
8aにつながるようにケーシング211には内周側流路
211bおよび外周側流路211cが形成されている。
【0004】上述したラジアルバルブ機構250は、ス
プール戻し用部材251と、回転軸C1 を中心として放
射状に円周方向等間隔に配設された7個のスプールバル
ブ253とを有して構成されている。各スプールバルブ
253は、ケーシング211におけるトラニオン内流路
238cと内周側流路211bおよび外周側流路211
cとの間に上記径方向に往復移動自在に挿入保持されて
おり、各スプールバルブ253の内端部は、スプール戻
し用部材251の外周面に当接している。また、ラジア
ルバルブ機構250は、太径部221cの径方向遠方
に、全スプールバルブ253を囲むよう環状に形成配置
されたカムリング255を有している。このカムリング
255の内径側に形成されたカム面はその全周内で1つ
のカム山255aを有しており、このカム面には、各ス
プールバルブ255の外端部が当接している。
【0005】カムリング255は、回転軸C1 を中心と
してメインシャフト221と等速度でケーシング211
に対して相対回転する(ただし、カムリング255の駆
動機構は図示していない)。これにより、各スプールバ
ルブ253は順次上記径方向に往復移動して、各スプー
ルバルブ253の中間部に形成された連通溝253aを
通じてトラニオン内流路238cと内周側流路211b
または外周側流路211c間を開閉する。
【0006】このように構成されたユニット201を油
圧ポンプとして用いる場合には、例えば、ハウジング2
01a,201bおよびケーシング211を固定保持し
た状態で、メインシャフト221を回転駆動し、偏心部
221aの軸心C2 を回転軸C1 回りにおいて公転させ
る。これにより連結リング233も同様に回転軸C1の
回りを公転するため、プランジャ235はシリンダ23
8内をピストン運動する。これとともにカムリング25
5がメインシャフト221と等速度で自転するが、各ス
プールバルブ253がそのように回転するカムリング2
55のカム山255aにより径方向内方に押動されたと
きは、トラニオン内流路238cと内周側流路211b
とが開通される一方、トラニオン内流路238cと外周
側流路211cとが遮断される。この際、プランジャ2
35は下死点に向かって移動しており、内周側流路21
1bおよびトラニオン内流路238bを通じてシリンダ
238内に圧油が吸入される。また、各スプールバルブ
253がスプール戻し用部材251により径方向外方に
押し戻されたときは、トラニオン内流路238cと外周
側流路211cとが開通される一方、トラニオン内流路
238cと内周側流路211bとが遮断される。この
際、プランジャ235は上死点に向かって移動してお
り、トラニオン内流路238cおよび外周側流路211
bを通じてシリンダ238内の圧油が排出される。
【0007】なお、上記とは逆に、シリンダ238内へ
の圧油の給排を制御してメインシャフト221を回転駆
動するようにすれば、このユニット201は油圧モータ
として作動する。また、上記ユニット201においてメ
インシャフト221を固定保持して油圧ポンプや油圧モ
ータを構成することも可能である。この場合には、ケー
シング211およびシリンダ238を回転駆動する。即
ち、上述のようにプランジャ235は連結リング233
と一体であるため、連結リング233は、ケーシング2
11およびシリンダ238の回転に応じて、シリンダ2
38と同一の回転速度で偏心部221aの軸心C2 回り
を公転する。このため、この回転に応じて各プランジャ
235はシリンダ238内でピストン運動し、圧油の給
排が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このようにして油圧ポ
ンプや油圧モータを構成できるのであるが、本ラジアル
バルブ機構では、カムリングを駆動する場合には、 W=μFV …(1) ただし、μ:スプールバルブとカムリング間の摩擦係数 F:カムリングがスプールバルブを押動する力 V:カムリングのスプールバルブに対する摺動速度 で表される動力(仕事量)が消費される。このため、前
述のようにカムリングをメインシャフトと等速度で回転
駆動すると、相当大きな動力が消費されるとともに、カ
ムリングのカム面とスプールバルブとの摺動部に摩耗が
生じたり過度の発熱による焼き付きを生じたりするおそ
れがあるという問題がある。
【0009】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであり、カムリングを回転駆動するための動力消
費を低減することができるようにしたラジアルバルブ機
構を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の第1のラジアルバルブ機構は、カムリン
グに、n×N−1個(ただし、n=1,2,3,…)の
カム山を円周方向等間隔に形成し、カム駆動機構によ
り、メインシャフトがケーシングに対して1相対回転す
る間に、カムリングをメインシャフトと逆方向に、1/
(n×N−1)回転させるようにしている。
【0011】なお、上記カム駆動機構を、カムリングに
一体的に形成されてメインシャフトの回転軸を中心とし
て回転する第1内歯歯車と、この第1内歯歯車よりも少
ない歯数を有しており、この第1内歯歯車に噛合しつ
つ、メインシャフトに対して偏心し且つメインシャフト
と同回転する偏心軸を中心として回転する第1外歯歯車
と、この第1外歯歯車に一体的に形成されて上記偏心軸
を中心として回転する第2外歯歯車と、この第2外歯歯
車よりも多い歯数を有しており、この第2外歯歯車に噛
合しつつメインシャフトの回転軸が中心に位置するよう
にケーシングに対して位置決め固定される第2内歯歯車
とから構成さしてもよい。ただし、この場合、第1内歯
歯車の歯数Za,第1外歯歯車の歯数Zb,第2外歯歯
車の歯数Zcおよび第2内歯歯車の歯数Zdが、 (Zb×Zd)/(Za×Zc)=n×N/(n×N−1) …(2) の関係を満たす必要がある。
【0012】また、上記ラジアルバルブ機構が、静止し
たケーシングに対してメインシャフトを回転駆動するも
のである場合には、上記カム駆動機構における第2内歯
歯車を、メインシャフトの回転軸回りで回動させる回動
手段を設けても良い。一方、上記ラジアルバルブ機構
が、静止したメインシャフトに対してケーシングを回転
駆動するものである場合には、上記偏心軸を、メインシ
ャフトの回転軸を中心としてメインシャフトに対して回
動させる回動手段を設けても良い。
【0013】さらに、上記カム駆動機構における第1外
歯歯車および第2外歯歯車を、上記偏心軸を軸心とする
キャリアピンによって回転自在に保持される遊星歯車と
しても良い。この場合において、キャリアピンを、メイ
ンシャフトの回転軸回りにおいて回動させる回動手段を
設けても良い。
【0014】また、本発明の第2のラジアルバルブ機構
は、カムリングに、n×N+1個(ただし、n=1,
2,3,…)のカム山を円周方向等間隔に形成し、カム
駆動機構により、メインシャフトがケーシングに対して
1相対回転する間に、カムリングをメインシャフトと同
方向に、1/(n×N+1)回転させるようにしてい
る。
【0015】なお、上記カム駆動機構を、カムリングに
一体的に形成されて前記メインシャフトの回転軸を中心
として回転する第1内歯歯車と、この第1内歯歯車より
も少ない歯数を有し、この第1内歯歯車に噛合しつつ、
メインシャフトに対して偏心し且つメインシャフトと同
回転する偏心軸を中心として回転する偏心軸を中心とし
て回転する第1外歯歯車と、この第1外歯歯車に一体的
に形成されて上記偏心軸を中心として回転する第2外歯
歯車と、この第2外歯歯車よりも多い歯数を有し、この
第2外歯歯車に噛合しつつメインシャフトの回転軸が中
心に位置するようにケーシングに位置決め固定される第
2内歯歯車とから構成してもよい。ただし、この場合に
は、第1内歯歯車の歯数Za,第1外歯歯車の歯数Z
b,第2外歯歯車の歯数Zcおよび第2内歯歯車の歯数
Zdが、 (Zb×Zd)/(Za×Zc)=n×N/(n×N+1) …(3) の関係を満たす必要がある。
【0016】また、第2のラジアルバルブ機構が、静止
したケーシングに対してメインシャフトを回転駆動する
ものである場合には、上記カム駆動機構における第2内
歯歯車を、メインシャフトの回転軸回りで回動させる回
動手段を設けても良い。一方、上記第2のラジアルバル
ブ機構が、静止した前記メインシャフトに対してケーシ
ングを回転駆動するものである場合には、上記偏心軸
を、メインシャフトの回転軸回りにおいて回動させる回
動手段を設けても良い。
【0017】さらに、上記カム駆動機構における第1外
歯歯車および前記第2外歯歯車を、上記偏心軸を軸心と
するキャリアピンによって回転自在に保持される遊星歯
車としても良く、この場合において、キャリアピンを、
メインシャフトの回転軸回りにおいて回動させる回動手
段を設けても良い。
【0018】
【作用】第1のラジアルバルブ機構では、メインシャフ
トがケーシングに対して1相対回転する間に、カムリン
グを逆方向に1/(n×N−1)回転させることによ
り、N個のスプールバルブのすべてを順次1往復移動さ
せることができる。このため、カムリングを1回転させ
る場合に比べて、カムリングの駆動に必要な動力(仕事
量)は、1/(n×N−1)で済み((1)式参照)、
スプールバルブやカムリングの摩耗や焼き付きの発生を
抑えることができる。
【0019】なお、(2)式に示す関係を満たす4つの
歯車により、メインシャフトの回転を減速してカムリン
グを駆動するカム駆動機構を簡単に構成できる。また、
例えば、このラジアルバルブ機構をプランジャ式ユニッ
トに用いた場合に、回動手段によって、カムリングのメ
インシャフトに対する回動位置をずらすことができるよ
うにすることにより、スプールバルブの往復動タイミン
グを調節することができる。さらに、カム駆動機構にお
ける第1外歯歯車および第2外歯歯車を遊星歯車とすれ
ば、偏心軸のメインシャフトの回転軸からの偏心量が小
さい場合でも、インボリュート干渉,トロコイド干渉等
の内歯と外歯の噛み合い上の不都合が生じにくくなるの
で、設計上の制限を緩和することができる。
【0020】一方、第2のラジアルバルブ機構では、メ
インシャフトがケーシングに対して1相対回転する間
に、カムリングを同方向に1/(n×N+1)回転させ
ることにより、N個のスプールバルブのすべてを順次1
往復移動させることができる。このため、カムリングを
1回転させる場合に比べて、カムリングの駆動に必要な
動力(仕事量)は、1/(n×N+1)で済み((1)
式参照)、第1のラジアルバルブ機構バルブと同様にス
プールやカムリングの摩耗や焼き付き等の発生を抑える
ことができる。なお、(3)式に示す関係を満たす4つ
の歯車により、メインシャフトの回転を減速してカムリ
ングを駆動するカム駆動機構を簡単に構成できるほか、
回動手段を設けたり、遊星歯車を採用したりすることに
より、第1のラジアルバルブ機構バルブと同様の作用を
得ることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について図面
を参照しながら説明する。図1に本考案に係るラジアル
バルブ機構を備えた油圧ポンプ1を示している。なお、
本図は紙面を横長の状態として見るものとし、以下、図
中に矢印Rで示す方向を右と、矢印Uで示す方向を上と
いう。この油圧ポンプ1は、図のように一体結合された
左右2分割構成のハウジング1a,1b内に、ケーシン
グ11が固定収容されてなる。ケーシング11の上下方
向中央部には、メインシャフト21がベアリング2a,
2bによりハウジング1a,1bに対して相対回転自在
に支持されている。なお、メインシャフト21の回転の
中心軸を回転軸C1 と称する。メインシャフト21の左
端部は左ハウジング1aの外部に吐出しており、ここを
外部動力源に接続してこのメインシャフト21を回転駆
動することができる。
【0022】ケーシング11内におけるメインシャフト
21の左端部および中間部右側には、それぞれ回転軸C
1 から偏心した軸心C2,C2′(ただし、C2,C2′は
回転軸C1 を挟んで180度反対側に偏心している。)
を有する偏心部21a,21bが形成されている。これ
ら偏心部21a,21b上にはそれぞれ軸心C2,C2′
から偏心した軸心C3,C3′を有する偏心カラー31,
31がベアリングを介して回動自在に取り付けられてい
る。
【0023】各偏心カラー31上には、ベアリングを介
して連結リング33が、この偏心カラー31に対して相
対回転自在に取り付けられている。このため、各連結リ
ング33はそれぞれ軸心C3,C3′を中心として各偏心
カラー31上を回転できる。また、この各連結リング3
3の外周側には、図2に示すように、7個のプランジャ
35が円周方向等間隔にピン36によって上記円周方向
に揺動自在に連結されている。
【0024】一方、ケーシング11における両偏心カラ
ー31,31の周囲には、7個のシリンダ38が円周方
向等間隔に配設されている。各シリンダ38には、図1
に示すように、それぞれ左右一対のトラニオン部38a
が形成されており、これらトラニオン部38aにおいて
各シリンダ38は左側のハウジング1aおよびケーシン
グ11に円周方向に揺動自在に取り付けられている。各
シリンダ38に形成されたシリンダ孔38b内には、各
プランジャ35がピストン運動自在に挿入されている。
なお、トラニオン部38a内には、シリンダ孔38bに
つながってトラニオン部38aの左右端部にて開口する
トラニオン内油路38cが形成されている。
【0025】また、ケーシング11におけるシリンダ近
傍側における径方向中間部にはトラニオン内油路38c
につながるシリンダ側油路11aが形成されており、ケ
ーシング11におけるシリンダ遠方側の内周側および外
周側にはそれぞれ内周側油路11bおよび外周側油路1
1cが形成されている。内周側油路11bは外部に設置
されたオイルタンク(図示せず)につながっており、外
周側油路11cはハウジング1a,1bに形成された油
圧取り出口1c(図には左側のハウジング1aに形成さ
れたもののみ表れている。)につながっている。
【0026】メインシャフト21における両偏心部21
a,21bの中間には、回転軸C1を軸心として有する
太径部21cが形成されている。この太径部21cの周
囲には、本発明に係るラジアルバルブ機構50が配設さ
れている。このラジアルバルブ機構50は、太径部21
c上に左右に並んで取り付けられ、図3に示すように真
円環の外周面51aを有する2つのスプール戻し用リン
グ51,51と、これらスプール戻し用リング51,5
1の周囲に、それぞれ回転軸C1 を中心として放射状
に、かつ円周方向等間隔に配設された7個(N個)のス
プールバルブ53とを有している。各スプール戻し用リ
ング51は、太径部21cの外径よりも大きな内径を有
しており、その径差の分だけ太径部21c(回転軸C1
)から偏心することができる。また、各スプールバル
ブ53の内端部はスプール戻し用リング51の外周面5
1aに当接している。各スプールバルブ53は、太径部
21cから偏心したスプール戻し用リング51の外周面
51aにより押されて、ケーシング11に対して上記径
方向外方に移動することができる。
【0027】さらに、このように並列配置されたスプー
ルバルブ群の周囲を囲むように、環状に形成されたカム
リング55が配置されている。このカムリング55の内
径側には、円周方向等間隔に6個(N−1個)のカム山
55bを有するカム面55aが形成されており、このカ
ム面55aには、各スプールバルブ53の外端部が当接
している。このため、各スプールバルブ53は、その外
端部がカム山55bにより押されて、スプール戻し用リ
ング51を反対側に偏心させるように移動させながらケ
ーシング11に対して上記径方向内方に移動する。
【0028】ここで、各スプールバルブ53の中間部に
は、連通溝53aが形成されている。これにより、スプ
ールバルブ53が上記径方向内方に移動したときは、こ
の連通溝53aを通じて内周側油路11bとシリンダ側
油路11d(即ち、トラニオン内油路38c)とが連通
し、外周側油路11cとシリンダ側油路11d間が遮断
される。なお、スプールバルブ53がこのように内方に
移動するとき、対応するシリンダ38ではプランジャ3
5が下死点に向かって移動する。このため、シリンダ3
8内には、内周側油路11b,シリンダ側油路11dお
よびトラニオン内油路38cを通じて外部のオイルタン
クから圧油が吸入される。
【0029】一方、スプールバルブ53が上記径方向外
方に移動したときは、この連通溝53aを通じて外周側
油路11cとシリンダ側油路11dとが連通され、内周
側油路11bとシリンダ側油路11d間が遮断される。
なお、スプールバルブ53がこのように外方に移動する
とき、対応するシリンダ38ではプランジャ35が上死
点に向かって移動する。このため、シリンダ38内から
は、トラニオン内油路38c,シリンダ側油路11dお
よび外周側油路11cを通じて圧油が排出され、吐出口
1cからその圧油が外部に吐出される。
【0030】このようにスプール戻し用リング51と共
動させてカムリング55を回転駆動することにより、各
スプールバルブ53を連続的に往復移動させ、各シリン
ダ38に対して圧油の給排を行わせることができるので
あるが、本ラジアルバルブ機構50では、カムリング5
5を以下に説明するカム駆動機構60によって駆動して
いる。このカム駆動機構60は、図4に拡大して示すよ
うに、カムリング55の右端部から右方に延びるスカー
ト部55sの右端にこれと一体的に形成され、メインシ
ャフト21の回転軸C1 を中心として回転自在に右側ハ
ウジング1bおよびケーシング11に支持された第1内
歯歯車61を有している。メインシャフト21の右端部
上には回転軸C1 から偏心した偏心軸C4 を軸心として
有する偏心リング62が取り付けられており、この偏心
リング62上には、第1外歯歯車63が偏心リング62
に対して回転自在に取り付けられている。この第1外歯
歯車63は、第1内歯歯車61に噛合している。また、
この第1外歯歯車63には、偏心軸C4 を中心とする第
2外歯歯車64が一体的に形成されている。さらに、ハ
ウジング11bには、回転軸C1 が中心となるように第
2内歯歯車65が位置決め固定されており、この第2内
歯歯車65は第2外歯歯車64に噛合している。
【0031】ここで、第1外歯歯車63の歯数Zbは、
第1内歯歯車61の歯数Zaよりも少なく、第2内歯歯
車65の歯数Zdは、第2外歯歯車64の歯数Zcより
も多い。また、第2外歯歯車63の歯数Zcは、第1外
歯歯車61の歯数Zbよりも多い。そして、これら各歯
数は、 (Zb×Zd)/(Za×Zc)=N/(N−1)=(7/6) …(4) の関係を満たすよう設定されている。したがって、メイ
ンシャフト21が1回転し、偏心軸C4が回転軸C1の回
りを1回転すると、第1外歯歯車63は、(Zd/Z
c)−1回転だけメインシャフト21と逆方向に回転す
る。第1外歯歯車61は、第2外歯歯車63と一体に形
成されているためこれと同一回転するが、両者の歯数に
差があるため、結局、第1内歯歯車61すなわちカムリ
ング55は、 {(Zd/Zc)−1}×Zb/Za+(Zb/Za)−1 …(5) だけ回転する。これに(4)式を代入すれば、図5に示
すように、カムリング55は、メインシャフト21が1
回転する間に、メインシャフト21と逆方向に1/(N
−1)回転することが分かる。
【0032】そして、カムリング55が1/(N−1)
回転(角度でいえば、2π/(N−1))すると、すべ
てのスプールバルブ53の位置をカムリング55のカム
山55bが通過するため、各スプールバルブ53を順次
1回ずつ往復運動させることができ、前述のように各シ
リンダ38に対する圧油の給排を行わせることができ
る。このようにカムリング55の回転速度(スプールバ
ルブ53に対する摺動速度)をメインシャフト21の回
転速度の1/(N−1)で済ませることにより、カムリ
ング55を駆動するために消費される動力(仕事量)を
少なく抑えることができる。また、スプールバルブ53
とカムリング55のカム面55aとの摺動速度が遅くな
ることにより、両者の摺部部における摩耗や焼き付きを
も防止することができる。
【0033】なお、上記例では、カムリングにN−1個
のカム山を設け、このカムリングをメインシャフト1回
転に対して逆方向に1/(N−1)回転させるようにし
たが、さらにカム山を増やすことも可能である。即ち、
n×N−1(ただし、n=2,3,4,…)個のカム山
を設け、 (Zb×Zd)/(Za×Zc)=n×N/(n×N−1) …(6) の関係を満たすよう各歯車の歯数を設定する。図6に
は、n=3の場合のカムリング55′を示している。こ
れにより、カムリングはメインシャフト1回転に対して
逆方向に1/(n×N−1)回転し、各スプールバルブ
53は順次1回ずつ往復動するが、カムリングの回転角
度は上例の場合(n=1の場合)よりも小さくなる。し
たがって、上例の場合よりもスプールバルブとカムリン
グとの摺動部における摩耗等をさらに効果的に防止する
ことができる。
【0034】また、本例では、カムリングをメインシャ
フトに対して逆方向に回転させるようにしたが、カムリ
ングをメインシャフトに対して同方向に回転させること
も可能である。この場合、カムリングには、n×N+1
(ただし、n=1,2,3,4,…)個のカム山を設
け、各歯車の歯数を、 (Zb×Zd)/(Za×Zc)=n×N/(n×N+1) …(7) の関係を満たすように設定する。これにより、カムリン
グはメインシフト1回転に対してこれと同方向に1/
(n×N+1)回転し、逆方向に回転させる場合と同様
の効果を得ることができる。
【0035】また、図7に示すように、第1外歯歯車1
63および第2外歯歯車164を、軸心C1 から偏心し
たキャリア166を有し、メインシャフト21の周囲を
回動する遊星歯車としても良い。これにより、内歯と外
歯の噛み合いにおいて生じ易い干渉の問題による設計上
の制限を緩和することができる。
【0036】また、この油圧ポンプ1には、図1および
図4に示すように、プランジャ35のピストン運動のス
トロークを調節することにより、吐出口1cからの圧油
の吐出量を制御するためのストローク調節機構40が設
けられている。メインシャフト21内には、その右端部
から太径部21cにかけて、回転軸C1 を軸心として有
するストローク調節シャフト41が、メインシャフト2
1に対して回動自在に挿入配置されている。このストロ
ーク調節シャフト41の左端部(メインシャフト21の
中間部に対応)には外歯歯車41aが形成されており、
太径部21cの左右に切削形成されたギヤ挿入空間内に
上記外歯歯車41aと噛合するよう2つの外歯歯車4
2,42がピン42a,42aにより回転自在に支持さ
れている。これら外歯歯車42,42はそれぞれ各偏心
カラー31に形成された内歯歯車31aにも噛合してい
る。
【0037】一方、ストローク調節シャフト41の右端
部外周には第1サンギヤ43がスプライン結合されてお
り、この第1サンギヤ43は、キャリアピン44上に回
転自在に取り付けられた第1プラネタリギヤ45に噛合
している。さらに、この第1プラネタリギヤ45は、右
ハウジング11bの右端部から一部が外部に突出した調
節駆動シャフト46の左端部に一体形成された第1リン
グギヤ46aに噛合している。なお、偏心リング62の
右端部には、第1サンギヤ43と同歯数の第2サンギヤ
62aが形成されており、この第2サンギヤ62aは、
キャリアピン44上に第1プラネタリギヤ45とは独立
して回転自在に取り付けられた第2プラネタリギヤ47
と噛合している。この第2プラネタリギヤ47は、右ハ
ウジング11bの内壁にボルトにより固定され、第1リ
ングギヤ46aと同歯数を有する第2リングギヤ48に
噛合している。また、調節駆動シャフト46の右端部に
は、レバー46bが取り付けられており、このレバー4
6bには、図示しないレバー揺動装置が連結されてい
る。
【0038】このため、本ストローク調節機構40で
は、調節駆動シャフト46がレバー揺動装置により固定
保持された状態でメインシャフト21が回転されると、
このメインシャフト21と一体回転する第2サンギヤ6
2aにより第2プラネタリギヤ47が回転駆動されるの
であるが、第2リングギヤ48が右ハウジング11bに
固定されているためキャリアピン44が第2サンギヤ6
2aと同方向に回動する。これにより、第1プラネタリ
ギヤ45は、第2プラネタリギヤ47と等速度で回転
し、第1サンギヤ43、即ち、ストローク調節シャフト
41をメインシャフト21と同方向に、かつ等速度で回
転させる。
【0039】そして、メインシャフト21の回転を停止
させた状態で調節駆動シャフト46がレバー揺動装置に
より揺動回転されると、第1リングギヤ46aの回転が
第1プラネタリギヤ45を介して第1サンギヤ43に伝
達される。この際キャリアピン44は回動せず、ストロ
ーク調節シャフト41は第1プラネタリギヤ45の回転
によりメインシャフト21に対して回転駆動される。ス
トローク調節シャフト41の回転は外歯歯車42を介し
て内歯歯車31aに伝達され、偏心カラー31がメイン
シャフト21および連結リング33に対して回動する。
【0040】この偏心カラー31の回動により各プラン
ジャ35のピストン運動のストロークの調節がなされる
のであるが、これについて、左側のプランジャ35を例
にして図8を用いて説明する。ここでは、メインシャフ
ト21の回転軸C1 ,偏心部21aの軸心C2 および偏
心カラー31の外周面31bの軸心(即ち、連結リング
33の軸心)C3 が矢印Pの方向を向いて一直線上に並
んだ状態から偏心カラー31が回動される場合について
考える。なお、回転軸C1 に対する軸心C2 の偏心量を
L1 とし、軸心C2 に対する軸心C3 の偏心量をL2 と
し、このときの回転軸C1 に対する軸心C3 の偏心量を
L3 とする。
【0041】上記のように回転軸C1 および軸心C2 ,
C3 が一直線に並んだ状態のまま、偏心部21a(メイ
ンシャフト21)を回転させると、偏心カラー31の外
周面31bの矢印P方向での上下動は、軸心C3 の偏心
量L3 の倍の値2L3 となる。このため、連結リング3
3も距離2L3 だけ上下動し、これに対応してプランジ
ャ35のストロークが決まる。なお、このように、回転
軸C1 および軸心C2,C3 が一直線に並んだ状態のと
きに、プランジャ35のストロークSは最大になる。
【0042】次に、上記の状態から偏心カラー31を図
において二点鎖線で示すように回動させた場合を考え
る。ただし、この場合は、偏心カラー31の外周面31
bの軸心C3 を矢印P方向に向けたままにしておくため
に、メインシャフト21を反時計回りに45度回転さ
せ、偏心カラー31を偏心部21a上で時計回りに90
度回動させた状態で示している。
【0043】これにより、偏心部21aは、21a′で
示す位置に移動し、その軸心C2 は、C2′で示す位置
に移動する。これと同時に、偏心カラー31の外周面3
1bも 31b′で示す位置に移動し、その軸心C3はC
3′で示す位置に移動する。この結果、メインシャフト
21の回転軸C1 に対する偏心カラー31の外周面31
bの軸心C3′の偏心量はL3′(<L3)になる。この
ため、この状態でメインシャフト21を回転させると、
偏心カラー31′外周面31b′の矢印P方向での上下
動は、軸心C3′の偏心量L3′の倍の値2L3′にな
り、これに対応してプランジャ35のストロークも小さ
くなる。
【0044】なお、以上の説明では、左側の偏心カラー
31の回動による左側のプランジャ35のストロークの
調節について説明したが、右側の偏心カラー31の回動
による右側のプランジャ35のストロークの調節につい
ても同様である。この場合、ストローク調節シャフト4
1の回転により、左右の偏心カラー31,31は互いに
反対方向に回転されるのであるが、右側の偏心カラー3
1は、図8に対して点対象となる動きをするに過ぎな
い。このため、ストローク調節シャフト41の回転によ
り左右のプランジャ35のストローク調節を全く同一に
行うことができる。
【0045】ただし、このようにプランジャ35のスト
ローク調節を行った後、メインシャフト21の回転に応
じて偏心カラー31をメインシャフト21と一体回転さ
せたときに、プランジャ35をピストン運動させるため
には、連結リング33を自転させることなくメインシャ
フト21の回りを公転させる必要がある。そこで、この
ような連結リング33の運動を得るために、本例ではダ
ブル機構70が設けられている。
【0046】このダブル機構70は、左右の連結リング
33,33にそれぞれ設けられており、メインシャフト
21の回転軸C1 と同心で左ハウジング1aまたはケー
シング11にボルトにより固定された第1内歯歯車71
と、メインシャフト21の偏心部21a,21bの軸心
C2 と同心で各偏心部21a,21b上に回転自在に取
り付けられ、第1内歯歯車71と噛合する外歯歯車72
と、各偏心カラー31の外周面31bの軸心C3 と同心
で連結リング33と一体に形成され、外歯歯車72と噛
合する第2内歯歯車73とから構成される。なお、第1
内歯歯車71の歯数Z1と第2内歯歯車73の歯数Z3は
等しく、外歯歯車72の歯数Z2は両内歯歯車71,7
3の歯数よりも少ない。
【0047】このように構成されたダブル機構70の作
動について、左側の連結リング33を例にして図9を用
いて説明する。メインシャフト21が回転すると、偏心
カラー31はストローク調節機構60によってメインシ
ャフト21に連結されているため、偏心部21aの軸
心、即ち、外歯歯車72の軸心C2 、および偏心カラー
31の外周面31bの軸心C3 は、メインシャフト21
の回転軸C1 の回りを公転する。例えば、図示のよう
に、偏心カラー31の外周面31bの軸心C3 が角度β
1 だけ公転すると、軸心C2,C3 は、回転軸C1 の回
りを角度β1 だけ公転する。そして、第1内歯歯車71
が左ハウジング1a等に対して固定されているため、軸
心C2 が角度β1 公転すると、外歯歯車72は角度β2
だけ逆方向に回転する。これら両歯車71,72の歯数
と回転角とは反比例するため、 β2 =−Z1 /Z2 ×β1 …(8) という関係になる。
【0048】外歯歯車72が角度β2 だけ回転される
と、第2内歯歯車73の回転角β3 は、式(1)を用い
て、 β3 =Z2/Z3×β2=−Z1 /Z3 ×β1 …(9) となる。
【0049】第2内歯歯車73の第1内歯歯車71に対
する回転角(絶対回転角:図示せず)β4 は、軸心C2
の公転角β1 と回転角β3 との和であるから、 β4 =β1+β3=(Z3−Z1)/Z3 ×β1 …(10) となる。ここで、Z1=Z3であるので、式(10)から
分かるように、第2内歯歯車73の回転角β4 は零とな
り、この第2内歯歯車73は自転しない。このように、
固定したハウジング1a,1bに対してメインシャフト
21を回転駆動する場合には、上記ダブル機構70は、
メインシャフト21の回転に応じて連結リング33を自
転させることなく公転させる機構として作動する。
【0050】以上のように、ストローク調節機構60お
よびダブル機構70の作動によって圧油の吐出量制御を
行うことができるのであるが、プランジャ35のストロ
ークの変更に伴ってラジアルバルブ機構50におけるス
プールバルブ53の往復動タイミングを調節する必要が
ある。このため、ラジアルバルブ機構50では、図1お
よび図4に示すように、バルブタイミング調節機構(回
動手段)80を備えている。このバルブタイミング調節
機構80は、ストローク調節機構60における第2内歯
歯車65の外周の一部に形成したウォームギヤ81と、
右ハウジング1bに取り付けられ、このウォームギヤ8
1に噛合するウォームピニオン82とから構成されてい
る。前述のストローク調節機構60の説明では、第2内
歯歯車65が右ハウジング1bに対して位置決め固定さ
れていると説明したが、これはウォームギヤ81が回転
が阻止された状態のウォームピニオン82に噛合するこ
とにより固定保持されるとの意味であり、ウォームピニ
オン82が外部から回転駆動されれば、第2内歯歯車6
5はメインシャフト21の回転軸C1 を中心として回動
するのである。
【0051】このように構成されたバルブタイミング調
節機構80では、第2内歯歯車65が回動すると、これ
に噛合する第2外歯歯車64および第1外歯歯車63が
偏心リング62上を回動し、これにより、第1外歯歯車
63に噛合するカムリング55は、メインシャフト21
の回転軸C1 を中心として回動する。こうして、プラン
ジャ35のストロークの変更に応じて最適なスプールバ
ルブ53の往復動タイミングに設定することができる。
【0052】なお、以上の説明では、静止したケーシン
グに対してメインシャフトが回転駆動される油圧ポンプ
について説明したが、本発明に係るラジアルバルブ機構
は、静止したメインシャフトに対してケーシングが回転
駆動されるタイプの油圧ポンプにも使用することができ
る。また、このような油圧ポンプでは、図1等に示すカ
ム駆動機構60における第2内歯歯車65に相当する歯
車を、メインシャフトの回転軸を中心としてケーシング
に対して回動させる回動手段を設けることにより、スプ
ールバルブの往復動タイミングを調節することができ
る。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明のラジアルバルブ
機構では、スプールバルブに対するカムリングの摺動速
度をメインシャフトの回転速度に対して1/(n×N±
1)に抑え、かつカムリングが1/(n×N±1)回転
する間に、N個すべてのスプールバルブを往復移動させ
る。このため、スプールバルブの駆動に消費される動力
(仕事量)を、従来のようにカムリングがメインシャフ
トと等速で駆動される場合よりも小さく抑えることがで
きるとともに、スプールバルブとカムリングの摺動部分
における摩耗や焼き付きを防止することができる。
【0054】また、カム駆動機構を、一定の歯数関係を
満たす第1,第2外歯歯車と第1,第2内歯歯車との組
合せにより構成することによって、簡単な構成でメイン
シャフトの回転を減速してカムリングを上記のように駆
動することができる。
【0055】さらに、カム駆動機構における第1,第2
外歯歯車を遊星歯車にすることにより、内歯と外歯との
噛み合いにおいて生じ易い干渉の問題を解消することが
でき、設計上の制限を緩和することができる。
【0056】また、カム駆動機構における2つの外歯歯
車の軸心たる偏心軸(遊星歯車とした場合ではキャリア
ピン)をメインシャフトに対して回動させる回動手段を
設けることにより、例えば、プランジャタイプの油圧ポ
ンプ・モータにこのラジアルバルブ機構を使用した場合
に、該プランジャのストロークの変更に応じてスプール
バルブの往復動タイミングを調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るラジアルバルブ機構を用いたプラ
ンジャ式油圧ポンプの側面断面図である。
【図2】上記プランジャ式油圧ポンプのシリンダの配置
図である。
【図3】上記ラジアルバルブ機構の正面図である。
【図4】上記ラジアルバルブ機構におけるカム駆動機構
の拡大図である。
【図5】上記ラジアルバルブ機構の正面図である。
【図6】上記ラジアルバルブ機構の正面図である。
【図7】上記カム駆動機構の第2例の拡大図である。
【図8】上記プランジャ式油圧ポンプのストローク調節
機構の作動説明図である。
【図9】上記プランジャ式油圧ポンプのダブル機構の作
動説明図である。
【図10】従来のラジアルバルブ機構を用いたプランジ
ャ式油圧ポンプの側面断面図である。
【図11】従来のラジアルバルブ機構の正面図である。
【符号の説明】
1a,1b ハウジング 11 ケーシング 21 メインシャフト 50 ラジアルバルブ機構 51 スプール戻し用リング 53 スプールバルブ 55 カムリング 60,160 カム駆動機構 61,161 第1内歯歯車 63,163 第1外歯歯車 64,164 第2外歯歯車 65,165 第2内歯歯車 166 キャリアピン 80 バルブタイミング調節機構(回動手段)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングに対して相対回転自在なメイ
    ンシャフトを中心として、このメインシャフトの径方向
    に向かって放射状に、かつ円周方向等間隔に配置され、
    前記径方向に往復移動して前記ケーシングに形成された
    流路の開閉を行うN(複数)個のスプールバルブと、こ
    れらスプールバルブを囲むよう環状に形成配置され、前
    記メインシャフトの回転に伴って回転しながらこの環の
    内径側に形成されたカム山により前記各スプールバルブ
    を前記径方向内方に押動するカムリングと、このカムリ
    ングを前記メインシャフトの回転軸を中心として回転駆
    動するカム駆動機構とからなるラジアルバルブ機構にお
    いて、 前記カムリングには、n×N−1個(ただし、n=1,
    2,3,…)の前記カム山が円周方向等間隔に形成され
    ており、 前記カム駆動機構は、前記メインシャフトが前記ケーシ
    ングに対して1相対回転する間に、前記カムリングを前
    記メインシャフトと逆方向に、1/(n×N−1)回転
    させることを特徴とするラジアルバルブ機構。
  2. 【請求項2】 前記カム駆動機構が、 前記カムリングに一体的に形成され、前記メインシャフ
    トの回転軸を中心として回転する第1内歯歯車と、 この第1内歯歯車よりも少ない歯数を有しており、この
    第1内歯歯車に噛合しつつ、前記メインシャフトの回転
    軸に対して偏心し且つ前記メインシャフトと同回転する
    偏心軸を中心として回転する第1外歯歯車と、 この第1外歯歯車に一体的に形成され、前記偏心軸を中
    心として回転する第2外歯歯車と、 この第2外歯歯車よりも多い歯数を有しており、この第
    2外歯歯車に噛合しつつ前記メインシャフトの回転軸が
    中心に位置するように前記ケーシングに対して位置決め
    固定される第2内歯歯車とからなり、 前記第1内歯歯車の歯数Za,前記第1外歯歯車の歯数
    Zb,前記第2外歯歯車の歯数Zcおよび前記第2内歯
    歯車の歯数Zdが、 (Zb×Zd)/(Za×Zc)=n×N/(n×N−
    1) の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のラジ
    アルバルブ機構。
  3. 【請求項3】 静止した前記ケーシングに対して前記メ
    インシャフトが回転駆動される場合において、 前記第2内歯歯車を、前記メインシャフトの回転軸回り
    において回動させる回動手段を備えたことを特徴とする
    請求項2に記載のラジアルバルブ機構。
  4. 【請求項4】 静止した前記メインシャフトに対して前
    記ケーシングが回転駆動される場合において、 前記偏心軸を、前記メインシャフトの回転軸回りにおい
    て回動させる回動手段を備えたことを特徴とする請求項
    2に記載のラジアルバルブ機構。
  5. 【請求項5】 前記第1外歯歯車および前記第2外歯歯
    車が、前記偏心軸を軸心とするキャリアピンによって回
    転自在に保持される遊星歯車となっていることを特徴と
    する請求項2に記載のラジアルバルブ機構。
  6. 【請求項6】 前記キャリアピンを、前記メインシャフ
    トの回転軸回りにおいて回動させる回動手段を備えてい
    ることを特徴とする請求項5に記載のラジアルバルブ機
    構。
  7. 【請求項7】 ケーシングに対して相対回転自在なメイ
    ンシャフトの回転軸を中心として前記メインシャフトの
    径方向に向かって放射状に、かつ円周方向等間隔に配設
    され、前記径方向に往復移動して前記ケーシングに形成
    された流路を開閉するN(複数)個のスプールバルブ
    と、これらスプールバルブを囲むよう環状に形成配置さ
    れされ、前記メインシャフトの回転に伴って回転しなが
    らこの環の内径側に形成されたカム山により前記各スプ
    ールバルブを前記径方向内側に押動するカムリングと、
    このカムリングを前記メインシャフトの回転軸を中心と
    して回転駆動するカム駆動機構とからなるラジアルバル
    ブ機構において、 前記カムリングには、n×N+1個(ただし、n=1,
    2,3,…)の前記カム山が円周方向等間隔に形成され
    ており、 前記カム駆動機構は、前記メインシャフトが前記ケーシ
    ングに対して1相対回転する間に、前記カムリングを前
    記メインシャフトと同方向に、1/(n×N+1)回転
    させることを特徴とするラジアルバルブ機構。
  8. 【請求項8】 前記カム駆動機構が、 前記カムリングに一体的に形成され、前記メインシャフ
    トの回転軸を中心として回転する第1内歯歯車と、 この第1内歯歯車よりも少ない歯数を有しており、この
    第1内歯歯車に噛合しつつ、前記メインシャフトに対し
    て偏心し且つ前記メインシャフトと同回転する偏心軸を
    中心として回転する第1外歯歯車と、 この第1外歯歯車に一体的に形成され、前記偏心軸を中
    心として回転する第2外歯歯車と、 この第2外歯歯車よりも多い歯数を有しており、この第
    2外歯歯車に噛合しつつ前記メインシャフトの回転軸が
    中心に位置するように前記ケーシングに位置決め固定さ
    れる第2内歯歯車とからなり、 前記第1内歯歯車の歯数Za,前記第1外歯歯車の歯数
    Zb,前記第2外歯歯車の歯数Zcおよび前記第2内歯
    歯車の歯数Zdが、 (Zb×Zd)/(Za×Zc)=n×N/(n×N+
    1) の関係を満たすことを特徴とする請求項7に記載のラジ
    アルバルブ機構。
  9. 【請求項9】 静止した前記ケーシングに対して前記メ
    インシャフトが回転駆動される場合において、 前記第2内歯歯車を、前記メインシャフトの回転軸回り
    において回動させる回動手段を備えたことを特徴とする
    請求項8に記載のラジアルバルブ機構。
  10. 【請求項10】 静止した前記メインシャフトに対して
    前記ケーシングが回転駆動される場合において、 前記偏心軸を、前記メインシャフトの回転軸回りにおい
    て回動させる回動手段を備えたことを特徴とする請求項
    8に記載のラジアルバルブ機構。
  11. 【請求項11】 前記第1外歯歯車および前記第2外歯
    歯車が、前記偏心軸を軸心とするキャリアピンによって
    回転自在に保持される遊星歯車となっていることを特徴
    とする請求項8に記載のラジアルバルブ機構。
  12. 【請求項12】 前記キャリアピンを、前記メインシャ
    フトの回転軸回りにおいて回動させる回動手段を備えて
    いることを特徴とする請求項11に記載のラジアルバル
    ブ機構。
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