JP2509202B2 - アデノシンの放出を増加させる薬物を含有する医薬組成物 - Google Patents

アデノシンの放出を増加させる薬物を含有する医薬組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 本出願は出願番号No.646,785の継続出願である。
産業上の利用分野 本発明は、様々な疾患の治療方法であって、アデノシ
ンの細胞外濃度を好都合に増加させる方法に関するもの
である。
発明の背景 本発明は、政府の支持を受け、基金No.AM−13622;RR
−00827;およびHL−17682の下、国立衛生研究所(Natio
nal Institutes of Health)およびカリフォルニア
大学によってなされたものである。この発明には、政府
もいくらかの権利を有している。
アデノシンは、プリンヌクレオシドと称する生化学物
質類に属しており、フォックスおよびケリー(Fox and
Kelly)(アニュアル・レビュース・オブ・バイオケ
ミストリー、47巻、p635、1978)の記載の如く重要な生
化学的細胞調節分子であって、広範囲に及ぶ様々なタイ
プの細胞と相互作用し、数えきれない生物学的作用に関
与している。例えば、アデノシンは、強力な血管拡張
剤、免疫細胞機能阻害剤、マストセル(肥満細胞)の脱
顆粒活性化剤、顆粒球活性化阻害剤であり、さらに、神
経伝達物質阻害剤であると推定されている。アデノシン
の広範囲に及ぶ生物学的作用に鑑みて、該分子およびそ
の同族体を用いた実用的な治療方法を確立することを目
的とする多くの研究が既になされ、また継続されてい
る。
アデノシンまたは同様のプリンヌクレオシドは、細胞
の原形質膜に固定された受容体(レセプター)と結合す
ることによって、細胞の原形質膜レベルで作用すると考
えられていたので、これまでの仕事はもっぱら該分子の
細胞外濃度を高めることに向けられていた。不幸なこと
に、アデノシンまたはその同族体は、細胞外濃度を有効
な治療レベルに維持するために投与すべき濃度では患者
にとって有毒であるために、アデノシン単独投与の治療
上の有用性はほとんど無かった。従って、アデノシンの
局所的な細胞外レベルを高濃度に維持するための別の方
法が求められていた。最もよく用いられる3つの方法は
次の通りである。a)パターソンら(Paterson)(アン
ナルス・オブ・ザ・ニューヨーク・アカデミー・オブ・
サイエンス、255巻、p402、1975)の記載の如く、アデ
ノシンの輸送を特異的に遮断する試薬を用いてアデノシ
ンの取り込み(吸収)を阻止する。b) カーソンおよ
びシーグミラー(Carson and Seegmillar)(ザ・ジ
ャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーショ
ン、57巻、p274、1976)の記載の如く、アデノシンの代
謝を阻害し、それにより、アデノシンを細胞外に輸送
し、細胞外に使用すべく、細胞がアデノシンを利用し得
るようにする。c) アデノシンの細胞原形質膜受容体
と、アデノシンよりも低い解離定数で結合するように組
み立てたアデノシン同族体を用いる。
細胞のアデノシンの取り込みを阻害する多種類の化学
物質が存在している。あるものは特異的に作用し、実質
上アデノシンの取り込みを競合的に阻害するが、他は、
非特異的に阻害する。テオフィリンは競合的な阻害物質
であると思われるが、ジピリダモール、およびコルヒチ
ン、フェネチルアルコールおよびパパベリン等の他の化
学物質は取り込みを非特異的に阻害する。
アデノシンの代謝を変更してアデノシンの細胞外濃度
を増加させる方法は、主として、アデノシンの酸素分解
を阻害する化学物質の使用に基づくものである。この研
究の大多数はアデノシンをイノシンに変換するアデノシ
ンデアミナーゼの阻害物質の同定に向けられていた。ア
デノシンデアミナーゼは、コフォーマイシン、2′−デ
オキシコーフォーマイシンまたはエリスロ9−(2−ヒ
ドロキシ−3−ノニル)アデニン塩酸塩によって阻害さ
れる。
プリン環の構造上の修飾、プリン環に結合している置
換基の変更、炭水化物分の結合位置に対する修飾または
結合位置における変更で表される多くのアデノシン同族
体が生成された。ハロゲン化アデノシン誘導体は最も有
望のように思われ、フォルフら(Wolff)(ジャーナル
・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、252巻、p68
1、1977)の記載の如く、これはアデノシンがもたらす
と同様の生物学的作用を表す。
上記3方法は全てアデノシンそのものの使用よりも好
都合であるが、それらには幾つかの欠点がある。その重
要なものは、これらの方法が、主として、毒性を示す程
の濃度で投与されねばならず、しかも大部分の細胞型
(セルタイプ)に非特異的に影響を及ぼすために、治療
にとって不利益な副作用を有する化学物質の使用によっ
ているということである。「ヒトにおけるプリン代謝」
[ドゥ・バイン、シモンズ、およびムラー(De Bary
n、Simmonds、Muller)編、プレナムプレス、ニューヨ
ーク、1984]に記載されているように、体内の大多数の
細胞はアデノシンの受容体を担っている。従って、アデ
ノシン濃度を高めるような方法の使用は、一般に、アデ
ノシン治療による恩恵を破る疾患のコントロールに変え
て、全身を通して正常な細胞生理を劇的に変化させる結
果となる。
従って、上記の如く、複雑な副作用を伴わずにアデノ
シンまたはアデノシン同族体の細胞外濃度を高める方法
であって、アデノシン濃度の増大によって最も恩恵を受
ける細胞を選択的に標的とすべくアデノシン濃度を増大
させる方法が、治療上極めて有用であることは理解され
るであろう。
発明の要約 本明細書には疾病を和らげるための新規な方法であっ
て、プリンヌクレオシド、特に非毒性のプリンヌクレオ
シド、5−アミノ−1−(β−D−リボフラノシル)イ
ミダゾール−4−カルボキサミド(AICAリボッシド)、
並びに、1−β−D−リボフラノシル−1,2,4−トリア
ゾール−3−カルボキサミド(リバビリン)およびアロ
プリノール・リボッシド(あるいは、体内でリボシドに
変換されうるアロプリノール塩基)を用いてアデノシン
またはアデノシンの細胞外濃度を増大する方法が記載さ
れている。後者の化合物が患者に投与されると、細胞に
取り込まれ、モノおよび時にはトリホスフェートに変換
される。アデノシンまたはイノシンは、発作活動時や血
流減少時のような急速な細胞エネルギーの消費の際に細
胞内生化学反応によって、アデノシントリホスフェート
から生成される。イノシンは、アデノシンよりもはるか
に多く生成される(約100:1)。次いで、これらの化合
物は細胞外に拡散し、細胞の直ぐ外側に高濃度で存在す
ることになる。AICAリボシドの如きプリンヌクレオシド
はアデノシンの産生を促進する。アデノシン放出の増大
は、少なくとも部分的に5ヌクレオチダーゼ活性の減少
によっている。下記のダイアグラム(図表)から明らか
なように、5′ヌクレオチダーゼ活性の減少時には、IM
Pは迅速にはイノシンに清掃されず、より多くのヌクレ
オチドがAMPに変換され、それが蓄積してアデノシンに
変換される。AMP(1mM)のKmはIMP(1mM)のそれの約10
倍である。アデノシン濃度は患者全体としては有意に変
化せず、また、変化は迅速にAMPが消費される領域での
み起きることから、この治療方法は、全身的なアデノシ
ンの放出を引き起こさないといえる。
ダイアグラム1.アデノシンの代謝。このダイアグラム
は、細胞でのアデノシンの生成および分解経路を示す図
である。アデノシンはまた、細胞内に輸送され、あるい
は細胞から放出され得る。2′−デオキシアデノシンの
代謝には、これらの経路のあるものが利用され得る。図
中、1はS−アデノシルメチオニン メチルトランスフ
ェラーゼ、2はS−アデノシルホモシステインン ヒド
ロラーゼ、3はアデノシッド デアミナーゼ、4はプリ
ン ヌクレオシド ホスフォリラーゼ、5および6はキ
サンチン オキシダーゼ、7は輸送機構、8はアデノシ
ン ホスフォリラーゼ、9はアデノシン キナーゼ、10
は5′ヌクレオチダーゼおよび非特異的ホスファター
ゼ、11はアデニレート キナーゼ、12はヌクレオシド
ジホスフォキナーゼ、13はアデニレート シクラーゼを
表す。
このように、プリンヌクレオシド、AICAリボシド、リ
バビリンおよびアロプリノールは、細胞外アデノシン濃
度を調節するための他の方法に付随する毒性や非特異的
な取り込みの問題を伴うことなく、細胞外で、アデノシ
ンを局所的に高濃度にするために医学上有益な手段を与
えることが明らかとなった。
図面の簡単な説明 第1図は、5−アミノ−1−(β−D−リボフラノシ
ル)イミダゾール−4−カルボキサミドの、リンパ球に
よるアデノシン放出に対するイン・ビトロ作用を示して
いるグラフである。
第2図は、イヌの冠状動脈を狭窄した時の局所心筋血
流に対する、5−アミノ−1−(β−D−リボフラノシ
ル)イミダゾール−4−カルボキサミド(AICAリボシ
ド)のイン・ビボ作用を示しているグラフである。局所
心筋血流は、放射標識したミクロスフェア(小球)を狭
窄後の5分目(白抜き)および60分目(斜線)に左心房
に注入して測定した。これは、平均値+標準偏差を用い
てグラフ化している。
第3図は、冠状静脈のアデノシン濃度に対するAICAリ
ボシド処置の作用を示したグラフである。冠状静脈血
を、冠状動脈の狭窄の前後の様々な時間に等量の冷却2N
過塩素酸中に採取した。これらの抽出液から上清を得、
これをアラニンおよびフレオン(freon)を用いて中和
し、高速液体クロマトグラフィーによって測定した。5
匹の生理食塩水処理イヌ(□)および6匹のAICAリボシ
ド処理イヌ(●)に関する平均アデノシン濃度+/−標
準偏差をグラフ化している。
第4図は、対照マストセルおよびリバビリン処理マス
トセルからのβ−ヘキソサミニダーゼ放出を示している
グラフである。3−7日間培地のみで培養するか
(□)、又は10Mリバビリンの培地で培養した マウス骨髄由来のマストセルを、カルシウム・イオノフ
ォア(イオン透過担体)でチャレンジした。休止および
刺激細胞からのβ−ヘキソサミニダーゼ放出を、同じ実
験を7回行った実験値の平均値+/−標準語差として表
している。*は対照細胞と有意差があることを表してい
る(p<0.05)。同様の結果が、抗−DNP IgE感受性マ
ストセルのDNP−BSA抗原刺激によっても得られた。
第5図は、マストセルのβ−ヘキソサミニダーゼ放出
に対するリバビリンの用量−反応作用を示しているグラ
フである。マストセルも培地のみ(対照)、または1、
10若しくは20μMリバビリンの培地で6日間培養し、洗
浄してA23187でチャレンジ(□)し、正味のβ−ヘキソ
サミニダーゼ放出を定量した。全ての濃度に於ける被検
リバビリン処理細胞は、A23187で抗原投与してもβ−ヘ
キソサミニダーゼを有意に少ない量しか放出しなかっ
た。対照群とリバビリン暴露細胞との間には、伝達物質
量および自然放出に差はなかった。3つの実験に於ける
測定値の平均+/−標準誤差をグラフに表している。
第6図は、イノシン濃度に対する、生理食塩水中AICA
リボシド(○)および生理食塩水(□)に於ける効果を
比較したものである。
発明の詳細な説明 アデノシンの輸送に対する、プリンヌクレオシド類の
AICAリボシドまたはリバビリンの作用は、いずれかの分
子の有効濃度が10μM−100μMであるインビトロまた
はインビボのいずれかで説明することができる。インビ
トロに於いてAICAリボシドまたはリバビリンを細胞に運
ぶ場合は、これらを水溶液に溶解し、直接培養培地に加
える。これらの分子を患者に適用するためには、プリン
ヌクレオシドが体内の酵素若しくは胃内の低いpHによっ
て容易に減正されないことから最も頻繁に経口投与でき
るであろうと考えられる。この薬物が清脈投与できず、
または局所的な、直接的筋肉内注射若しくは吸入によっ
ても投与できないと考える優先的理由はない。AICAリボ
シドの場合、1日の投与量は約0.1mg/kg〜約500mg/kgで
あり、好ましくは約15mg/kg〜約200mg/kgである。
活性化エネルギー必要性の標的細胞と接触すると、プ
リンヌクレオシドAICAリボシドまたはリバビリンは、促
進された拡散輸送系を経由して原形質膜によって細胞内
輸送され、そこでこれらはアデノシン・キナーゼにより
リン酸化されてプリンヌクレオチド・一リン酸になる。
後者の化学物質は、改めて(de novo)プリンヌクレオ
シド類を合成する上での中間生成物、三リン酸塩にする
ことができる。
アデノシン量、更にAICAリボシドまたはリバビリン処
理の有効性を調節するため、細胞を浸している水性液を
単離し、マツモト(Matsumoto)らに開示されているク
ロマトグラフィー法[ザ・ジャーナル・オブ・バイオロ
ジカル・ケミストリー(The Journal of Biological Ch
emistry)、254巻、8956頁、1979]によって培地に存在
しているその量を定量することによって、増加される細
胞外輸送の程度をモニターする。組織培養実験に於いて
は、1mMのデオキシコホルマイシン(deoxycoformycin)
を水性液に加え、アデノシンデアミナーゼによるアデノ
シンの破壊を妨げる。更に、マツモトら[ザ・ジャーナ
ル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー254巻、895
6、1979]に開示されているように、細胞内に残るアデ
ノシンを細胞から単離してその量を高圧液体カラムクロ
マトグラフィーによって分析する。
細胞外アデノシンの量は、細胞の増殖環境に存在する
AICAリボシドまたはリバビリンの濃度を増減することに
よって調節することができるので、アデノシン濃度が低
すぎて医薬的に有用でない場合には、投与するAICAリボ
シドまたはリバビリンの量を増加すればアデノシン量を
増加することができる。同時に、アデノシン量が高すぎ
る場合は、そのプリンヌクレオシドの量を少なくすれば
それを減少させることができる。
AICAリボシドまたはリバビリンによる治療は、様々な
疾病にかかった患者を救うのではないかと考えられる。
例えば、アレルギー特に喘息、枯草熱、慢性じん麻疹、
色素じん麻疹および湿疹に罹患した個体は、プリンヌク
レオシド治療を施すことによってその恩恵を破ることを
期待できる。テキストブック・オブ・イムノロジー(Te
xtbook of Immunology)に於いてベナセラ(B.Benacerr
a)およびウナニュー(A.Unanue)が論じているように
[ウィリアムズ・アンド・ウィリアムズ、ボルチモア/
ロンドン、1979]、アレルギー反応を抑制するための重
要事項は、マストセルによる薬学的な活性物質の放出を
妨げることである。マストセルは、ヒスタミンなどの物
質を含有する多くの顆粒を有する巨大な好塩基性染色細
胞であり、このヒスタミンなどは、アレルギーの反応時
にはマストセルによって遊離され、これらはアレルギー
反応を支持する上で必要なものである。マストセルに存
在するこれらの薬学的な活性物質を、「脱顆粒」と名付
ける。従って、脱顆粒反応を妨げる科学物質は、アレル
ギー反応の苛酷さを減少させる有用な作用を示す。上記
のように、AICAリボシドまたはリバビリンの分子はマス
トセルの脱顆粒反応を妨げるので、アレルギーを有する
患者に、これらAICAリボシドまたはリバビリンを用いた
効果的な治療を行うことができる。マストセルの活性化
は、アナフィラキシー(過敏症)の遅速反応物質である
プロスタグランジンおよびロイコトリエン(前形成しな
い伝達物質)などの放出の原因となる。
更に、自己免疫疾患に罹患している患者をプリンヌク
レオシドのいずれかで治療すれば、安堵感を与えられる
かもしれない。自己免疫疾患は、ヒトに於いて自然に発
症し、これは、固体自身の組織に対する免疫反応に関連
している。自己免疫反応が発症するためには、異なる免
疫細胞が相互作用してこの反応を補助することが必要で
ある。従って、細胞−細胞間の相互作用に於ける要件に
干渉する化学物質は、この疾患の原因を妨害すると期待
できる。自己免疫反応が発現するために必要な免疫細胞
型は、T−リンパ球である。アデノシンはT−リンパ球
に対して毒性を示すことが知られているので、AICAリボ
シドまたはリバビリンは、この免疫細胞の数を少なくす
るか、または増加を阻害するので、これを投与すること
は自己免疫患者に対して相当に有効な治療となると期待
できる。更に、アデノシンは酸素遊離ラジカルの顆粒球
産生をも阻害する。
アレルギーおよび自己免疫疾患に加え、AICAリボシド
またはリバビリンは、特定の器官に血液が不十分にしか
流動しないことに基づく疾患またはこのことにより悪化
する疾患を治療する上にも使用することができる。例え
ば、狭心症、一過性脳虚血発作または片頭痛は、プリン
ヌクレオシドのいずれかを投与することによって治療す
ることができる。このことは、アデノシンが血管平滑筋
の収縮を減退させることによる強力な血管拡張作用を示
すと知られていることから予期できる。
血管拡張作用を示すことに加え、AICAリボシドまたは
リバビリンは、2次的なメカニズムにより副血行路を増
加させる。しばしば、顆粒球は、限定された血流領域に
於いて毛細血管に付着する。両方の薬物とも顆粒球を追
い出す原因となり、このことが通常の血流が復活する上
での一助となる。従って、AICAリボシドまたはリバビリ
ンの平滑筋細胞による取り込み、次いでそれに続くアデ
ノシンの放出は、血管拡張および/または顆粒球の除去
の原因となるものである。
限定された血流に関連する他の疾患は、心筋不整脈で
ある。限定された血流は不整脈の発病を引き起こすが、
正確な原因は知られていない。しかし、酸素ラジカルに
よる脂質の過酸化が不整脈源であることは知られてい
る。これは顆粒球によって分泌されるので、AICAリボシ
ドまたはリバビリンにより顆粒球活性化を阻害すれば、
不整脈が制御されると期待できる。更に、顆粒球は動脈
硬化の領域に高度に集中する。これらの活性化を抑制す
ることは、不整脈に於ける他の伝達物質の放出を減少さ
せる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、これらは
本発明を限定するものではない。更に、当業者にとって
自明であるような変動型は、本発明の範囲内に属するも
のと解釈できるであろう。
実施例1 プリンヌクレオチド5−アミノ−1−(β−
D−リボフラノシル)イミダゾール−4−カルボキシア
ミド(AICAリボシド)によるマストセル脱顆粒の調節 マストセルの脱顆粒は、喘息などのアレルギー性疾患
において重要な役割を演ずる。すなわち、脱顆粒を防止
する手段がこの疾患をコントロールする方法を与える。
マストセルの単離 マストセルからのアデノシンの排出の増強を確かめる
ため、始めに、100ml中にヘパリン5mgおよびゼラチン0.
1gを含有する、Ca++およびMg++不含のタイロード(Tyro
de)緩衝液で胸膜と腹膜の腔を洗浄することによって25
0gのラットから細胞を単離した。この細胞を、上記緩衝
液中、100xGで遠心することによって1回洗浄した後、
緩衝液100mlあたりDNアーゼ1mgおよびゼラチン0.1gを含
有するタイロード緩衝液に再懸濁し、ナイロン製の巻布
で濾過し、3−7×107有核細胞/mlの濃度で懸濁した。
次いで、DNアーゼおよびゼラチンを含むタイロード緩衝
液中の22.25%(W/V)メトリズアミド(metrizamido)
からなるクッション2mlに細胞2mlを懸濁させることによ
って、マストセルをメトリズアミド勾配で精製し、室温
で15分間、500xGで遠心した。この細胞ペレットを洗浄
し(2×)、5−10×106有核細胞/mlで再懸濁し、4−
5mlを3−9%(W/V)連続メトリズアミド勾配30ml上に
重ねた。室温で12分間、35xGで遠心すると、マストセル
から赤血球が分離した。この方法によってマストセルを
回収し、常時90%以上のペレット細胞となるようにし
た。
脱顆粒に及ぼすAICAリボシドの作用 酸エキソグリコシダーゼ、B−ヘキソサミニダーゼの
放出に反映されるような、カルシウムイオン透過担体A2
3187が誘導する脱顆粒を、AICAリボシドが阻害すること
を示すことによって、AICAリボシドによる脱顆粒の阻害
を確かめた。ACAリボシドを含むか、または含まない1
μg/mlのA23187を、タイロード緩衝液中、37℃の2−5
×106マストセルに加え、B−ヘキソサミニダーゼを放
出したマストセルの量を測定した。100μモルのAICAリ
ボシドの存在下では、17.6%のB−ヘキソサミニダーゼ
が放出されたにすぎないが、その不存在下では28.8%が
放出された。このように、AICAリボシドはマストセルの
脱顆粒を阻害する。B−ヘキソサミニダーゼの放出率測
定、ならびに酵素の検定は、シュワルツ等[Schwartz e
t al.,Journal of Immunology,Vol.123,1979年10月,144
5頁]の記載のようにして行なった。
実施例2 リンパ芽球のアデノシン放出のAICAリボシド
による増強 アデノシンは、免疫応答のある局面での阻害剤である
ことが知られている。従って、アデノシン濃度を調節す
る手段は、自己免疫病に苦しんでいる人を有効に治療す
ることを可能にする(通常、この病気は過剰な免疫細胞
反応の結果であるので)。
リンパ芽球の単離 ヒト脾臓リンパ芽球セルラインWI−L2を用いて、AICA
リボシドのアデノシン放出に及ぼす作用を確かめた。こ
のセルラインの由来および性質はハーシュフィールド等
[Hershfield et al.,Science,Vol.197,1284頁(197
7)]が記載している。このセルラインを、20%ウシ胎
児血清および2nMグルタミンを追加したRPMI 1640細胞培
養培地中に維持し、5%二酸化炭素(空気中)の雰囲気
下で増殖させた。しかし、ウシ胎児血清はプリン代謝酵
素を含んでいるので、AICAリボシドの作用を確かめるた
めに、10%の熱−不活性化し、透析したウシ胎児血清、
2mMのグルタミン、および10mMの4−(2−ヒドロキシ
エチル)−1β−ペピラジンエタンスルホン酸緩衝液、
pH7.4[カルビオケム(Calbiochem)]を追加したRPMI
1640培地中でWI−L2細胞をインキュベートした。
アデノシン放出に及ぼすAICAリボシドの作用 第1図は、AICAリボシドが、100−500μモルの範囲に
わたって、リンパ芽球からのアデノシン放出を増強する
ことを示している。
約1.4nモルのアデノシン/106WI−2細胞が自発的に排
出され、この数は500μモルAICAリボシドのとき約2.3n
モルに増加した。
冷却した4.4N過塩素酸30μを上清に加えるか、また
は冷却した0.4N過塩素酸300μを細胞ペレットに加
え、4℃で10分間、500xGで遠心することによって、細
胞が上清中に放出したアデノシン量、または細胞中に残
存しているヌクレオシド量を測定した。キーム[Khym,C
linical Chemistry,Vol.21,1245頁(1975)]の記載の
ようにして、得られた上清のそれぞれを、1,1,2−トリ
クロロ−トリフルオロエトン[フレオン(Freon)113]
溶液12.5ml中にトリ−n−オクチルアミン[アラミン
(Alamine)336、ゼネラル・ミルズ(General Mill
s)]2.4gを含有する溶液660μで中和した。4℃で3
分間、1500xGで遠心した後、水相を取り、アデノシンま
たはヌクレオシドについて検定を行なうまで−20℃で凍
結した。アデノシンは、4mモルリン酸カリウム、pH3.4:
アセトニトリル60%(95:5v/v)緩衝液で平衡化したC
−18マイクロボンダパック(microBondapak)逆相カラ
ムでイソクラティックに評価した。アデノシンは8−10
分に溶出し、その同定は、アデノシンデアミナーゼに対
する感受性によって、およびアデノシン標準を含む溶液
で確認した。10mモルリン酸カリウム、pH3.78で平衡化
し、0.25モルリン酸カリウム、0.5モルKCl、pH3.45まで
の直線勾配で溶離する、ワットマン・パーチシル−10
[Whatman Partisil−10(SAX)]カラムの高速液体ク
ロマトグラフィーによっても、この細胞ペレットからの
抽出試料についてヌクレオシドを分析することができ
る。適当な標準の高速液体クロマトグラフィー分析と比
較することによってピークを定量した。
実施例3 神経芽細胞腫細胞におけるアデノシン放出に
及ぼすAICAリボシドのインボトロ作用 実施例2に記載の条件下、および培地で神経芽細胞種
セルラインを増殖させた。培地には、0.005mM−0.5MのA
ICAリボシドおよびマイクロモル量のカルシウムイオン
透過担体A23187を追加した。このような条件下で、細胞
は対照細胞の少なくとも2倍以上のアデノシンを分泌す
る。
実施例4 イヌにおけるアデノシンレベルおよび血流増
加に及ぼすAICAリボシドのインビボ作用 第2図および第3図は、血流中のアデノシンレベルに
及ぼすAICAリボシドの作用を確かめるため、およびアデ
ノシンの増加を血流の増加と関連づけるたけに行なった
第2群の実験結果を示している。雑種のイヌ13匹をフェ
ノバルビタールで麻酔した。前左胃静脈にカニューレを
挿入し、血液試料を2N過塩素酸に取った。流速1ml/分に
冠状動脈狭搾する前の45分間の大腿静脈への注入用に、
食塩水または100mM AICAリボジトの食塩水溶液をランダ
ムに選択した。狭搾の5分前、左前下行冠状動脈の狭搾
の1、10、20、30および50分後、ならびに再潅流の1分
後に、左胃静脈血液を集め、実施例1の記載のようにし
てアデノシンを検定した。ヘイマン等[Heymann et a
l.,Prog.C.V.Dis.,20,55(1977)]の記載のようにし
て、虚血期間の5および60分に左房に注入した、15μm
の放射線標識した球を用いて局所的な心筋層の血液流量
を測定した。虚血期間中、心電図および動脈圧力をモニ
ターした。AICAリボシド処理したイヌ6匹および食塩水
処理したイヌ5匹はこの処置に耐えた。生き残った食塩
水処理動物の内2匹は線維攣縮した。狭搾直前のAICAリ
ボシド処理イヌのAICAリボシド濃度は57.4+/−40.2μ
Mであった。範囲は4.4〜100μMであった。
第2図は、AICAリボシド潅流によってアデノシンレベ
ルが劇的に増加することを示しており、一方、第3図
は、食塩水処理した動物よりAICAリボシド処理した動物
の方が、虚血性心筋層への局所的な心筋血液流量が有意
に大きいことを示している。同程度の流量の差異が、心
内膜および心外膜で観察され、虚血の5および60分の間
で変化は存在しなかった。非−虚血性組織の流速が2つ
の群の間で極めて類似しているように、AICAリボシドは
正常な心筋層への流れを変えなかった。5および60分で
の全身的な動脈圧および心拍数は、2群のイヌの間で有
意の差がないことを示した。動脈血液のガス含量および
全身の静脈顆粒球数は、2つの群の間で有意に異なって
いることはなかった。
おそらくは、アデノシン放出の増大によって、従って
血管拡張および/または顆粒球の毛管閉塞の阻害によっ
て、AICAリボシドが虚血性の心筋層への副行の冠状流を
増強するものと我々は結論づけた。
実施例5 5−アミノ−(1−β−D−リボフラノシ
ル)−イミダゾール−4−カルボキシアミドを用いるア
ンギナの治療 心臓疾患治療用のAICAリボシドの効力を示すため、ア
ンギナのイヌのモデルを開発した。これは、イヌ心筋層
に栄養補給を行なう冠状動脈の近接部分のあたりにリン
グを配置することによって部分的にふさぐことからな
る。このリングは徐々に体液を吸収し、数週間にわたっ
てこの動脈をさらに狭搾する。その結果、このイヌを運
動させたときには、通常の心電図およびアンギナと関連
した壁張力の変化が示される。ヒトのアンギナを軽減す
ることが知られている薬物、たとえばニフェジピンでこ
れらのイヌを処置し、何の助けにもならないことがわか
った。しかし、次いで同じイヌをAICAリボシドで処置す
ると、ドップラー表示(doppler readings)で測定した
とき、冠状動脈を通る血液流量に劇的な、約30%の増加
が存在した。さらに、壁の厚みを測定すると、虚血領域
に少なくとも2倍の心筋層収縮の増加が見られた。
実施例6 不整脈に及ぼすAICAリボシド治療の効果 心筋層虚血の結果の1つは不整脈であり、この不整脈
の頻度は血液流量の度合と関係している。従って、この
AICAリボシド処置の不整脈に及ぼす作用を測定した。虚
血期間中に記録しておいた心電図について、早発性心室
復極(PVD)および心室頻拍(VTAC)の数を調べた。第
1表は、虚血期間中、食塩水処理したイヌが112.2のPVD
および18.2のVTACを有し、これに対してAICA処理した動
物は37.8のPVDおよび4.7のVTACを有していること(p 1/
4 0.01)を示している。不整脈が多いAICAリボシド処理
したイヌの1匹(#3)は、他のAICAリボシド処理した
イヌと比較すると、かなり低い副行血液流速およびアデ
ノシン濃度を有していた(しかし、AICAリボシドの血液
濃度は27.2Mであった)。
虚血を行わないときには、AICAリボシドまたは食塩水
注入の前および注入期間中は、すべてのイヌについて測
定可能な静脈アデノシンは認められなかった(<0.01μ
M)。食塩水処理した動物では、狭搾の10分後にアデノ
シンレベルのピークが現れ(0.22+/−0.08μM)、こ
のピークは60分で検出不能なレベルまで低下した。対照
的に、AICAリボシド処理した動物では、虚血の1分後に
アデノシンレベルのピークが現れ(1.79+/−0.35μ
M)、このピークは60分のところで上昇したままであっ
た(0.18+/−0.15)。再潅流すると、食塩水処理した
動物では検出可能なアデノシンの流出はみられなかった
が、AICA処理した動物では有意の増加が見られた。
実施例7 マストセル脱顆粒に及ぼすリバビリンの影響 Balb/Cマウスの大腿骨から得た骨髄をラジン培地及び
ならし培地の1:1混合物中で培養した。これはC57B1/6J
及びC3Hマウスの脾臓細胞を、ラジンら(Proc.Natl.Aca
d.Sci.VSA28i 2259−2561,1981)によって記載されてい
る様に、コンカナバリAの存在下で共培養することによ
り作成した。1週間の継代及び少なくとも15日の組織培
養の後得られた細胞は90%純度のマストセルであり95%
の生存率であった(トリパンブルー排除により測定)。
培養中、リバビリンに晒した細胞を、実験に使用する前
に3回洗浄した。培地のみで増殖させた並行細胞培養
を、薬理学的に操作したマストセルのための対照として
使用した。特定の時点で細胞をカウントし、リバビリン
で処理した細胞の実際の数を培地のみで増殖させた細胞
の数と比較することにより細胞増殖を評価した。
β−ヘキソサミニダーゼを代表的な顆粒関連前調製マ
ストセルメジエータとして選んだ。なぜならこの物質は
定量が容易でありその放出はヒスタミンのそれと殆ど同
じであるからである。マウスの骨髄由来のマストセルを
200×gで5分間遠心分離し、2価カチオンを含んでい
ないタイロード緩衝液で3回洗浄し、抗DNP(ジニトロ
フェニルホスフェート)IgE(1μg/106細胞)で37℃に
て30分間感作し、完全タイロード緩衝液400μ中、DNP
−BSA抗原(175ng/3×105細胞)又はA23187(10μg/ml/
3×105細胞)で10分間37℃でチャレンジした。反応混合
物を200×gで10分間遠心分離し、上澄み液とペレット
のβ−ヘキソサミニダーゼ濃度を、シュバルツら(J.Im
munol 123,1445(1979))に記載のパラニトロフェニル
−β−D−グルコサミドの加水分解により分析した。自
発的β−ヘキソサミニダーゼ放出を非チャレンジ細胞に
より測定した。正味(ネット)の放出されたβ−ヘキソ
サミニダーゼのパーセントは以下の如く定義される。
上記式中、[β−hex]はβ−ヘキソサミニダーゼを
表わしsuperは上澄み液を表わす。反応混合物中に外因
性のアデノシンが存在しているときは、同時に分泌促進
物質を添加した。
A23187又はDNP−BSA抗原でチャレンジしたマウスの骨
髄由来マストセルは、全細胞β−ヘキソサミニダーゼ、
前調製した顆粒関連メジエータの8−15%を放出した。
マストセル刺激の時点で加えたリバビリン(10μM)は
β−ヘキソサミニダーゼ放出に影響を与えない。しかし
10μMリバビリン中で3〜7日間インキュベートし、洗
浄し、そしてA23187でチャレンジしたマストセルは、培
地のみで培養した並行細胞と比べてβ−ヘキソサミニダ
ーゼ放出の著しい減弱を示した(第4図)。リバビリン
添加はマストセルのメジエータ含量(即ち、全細胞のβ
−ヘキソサミニダーゼ濃度)、および細胞の生存活性に
変化を与えず、β−ヘキソサミニダーゼの自発放出は2
種の細胞群で類似していた。リバビリン添加と前調製メ
ジエータ放出との間の投与量−応答関係を第5図に示
す。リバビリン1μMで6日間行なった実験では有意に
メジエータ放出を阻止したが、最大の阻止率は10μM及
び20μMの間で明らかである。
実施例8 イノシン濃度に及ぼすAICAリボシド処理の影
響 アデノシン濃度の増加は少なくとも一部はイノシン濃
度の低下によるということは、実施例4に記載したよう
にAICAリボシドで犬を処置し静脈血中のイノシン濃度を
分析することにより示された。第6図は60分間の分析期
間においてイノシン濃度が2倍以上減少したことを示し
ている。
実施例9 冠血管梗塞サイズに及ぼすAICAリボシド処置の影響
は、ラットの冠動脈を結わえることにより血流を制限
し、次いで動物に食塩水柱のAICAリボシドあるいは食塩
水のみをブラウス(blousing)することにより測定し
た。さらに、たえずACAリボシド又は食塩水を、当業者
既知のオズモニックミニポンプを使って灌流することに
より動物にたえず接触させた。3週間後ラットを殺し、
梗塞サイズを、固定した心臓の染色接片をプラニナライ
ジングすることにより定量した。その結果、AICリボシ
ドで処置したラットにおいては、食塩で処置した対照群
と比べ約24%の梗塞サイズの減少が見られた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07H 19/056 C07H 19/056 19/16 19/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】血流減少、または細胞あるいは組織の異常
    な活性化、に伴う心筋梗塞、冠動脈疾患、一過性虚血性
    発作、_狭心症、心筋不整脈、塞栓および発作から選ば
    れる病的状態を予防的および/または治療的に処理する
    ための医薬組成物であって、血流減少の場に於いてアデ
    ノシンの細胞外濃度を増加させるプリンヌクレオシド化
    合物またはその同族体を必須成分として含有する組成
    物。
  2. 【請求項2】プリンヌクレオシド化合物またはその同族
    体がAICAリボシドである第1項記載の組成物。
  3. 【請求項3】血流減少、または細胞あるいは組織の異常
    な活性化、に伴う自己免疫疾患を予防的に処置するため
    の医薬組成物であって、血流減少の場に於いてアデノシ
    ンの細胞外濃度を増加させるプリンヌクレオシド化合物
    またはその同族体を必須成分として含有する組成物。
  4. 【請求項4】プリンヌクレオシド化合物またはその同族
    体がAICAリボシドである第3項記載の組成物。
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