JP2509144B2 - フッ化水素と1,1,1−トリフルオロ−2−クロロエタンとの混合物からのフッ化水素分離方法 - Google Patents
フッ化水素と1,1,1−トリフルオロ−2−クロロエタンとの混合物からのフッ化水素分離方法Info
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Description
り特に1,1,1,2−テトラフルオロエタン(F134
a)の製造のために使用され得る1,1,1−トリフル
オロ−2−クロロエタン(F133a)とフッ化水素(H
F)との混合物からのフッ化水素(HF)の分離に関す
る。
または対称もしくは非対称テトラクロロエタンのフッ素
化によるF133aの製造から生ずる混合物中に含まれる非
転換HFの分離に適用される。経済的理由から、フッ素
化反応装置で再利用できるようにHFを無水物の形で回
収することが必要である。
びクロロフッ素化炭化水素の分離を実施するための様々
な技術が公知である。例えば、 − US特許2 640 086 は、HF及びクロロジフルオロ
メタンの分離に関わり、HFが豊富な相及びHFが希薄
な相の2相への分離を促進するためにクロロホルムを使
用する。
ジフルオロメタンの連続的分離方法に関わり、2成分の
気体混合物と硫酸とを向流接触させることを含む。
ム、塩化バリウムまたは塩化ストロンチウムの粒子上で
の吸着−脱着による流出ガスからのHFの分離を提案し
ている。
ロロ−1,1−ジフルオロエタンとの混合物からのHF
の分離方法に関わり、分離の改善のために、全体または
大部分が1,1−ジクロロ−1−フルオロエタンから成
る2次液体を添加する。
は、沈降及び蒸留による、HFと2,2−ジクロロ−
1,1,1−トリフルオロエタン及び/または2−クロ
ロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタンとの混合物
からのHFの分離に関わる。
133aとがHFまたはF133aよりも揮発性の高い共沸混合
物[この共沸混合物のHF含有量は約60モル%(20重量
%)である]を形成するので、簡単な分離方法によって
分離することができない。室温ではHFとF133aとがい
かなる濃度であれ、HFとF133aとの混合物は2相に分
離しない。
を0℃以下の温度、好ましくは−40℃〜−10℃の温度に
冷却すると、混合物をうまく分離することができる。H
FとF133aとの沈降をトリクロロエチレン(TCE)の
存在下で実施すると、この分離をさらに改善できること
が知見された。
するために、有機相中のHFの溶解度及びHF相中の有
機物の溶解度が有意に低下する。従って、F133aとHF
との分離がより効果的に実施される。
法は、HF/F133a混合物を、HFの豊富な上部相とH
Fの希薄な下部有機相とを得るために、0℃以下の温度
でTCEの存在下において沈降させる工程を含むことを
特徴とする。
3a1モルにつき0.05〜2.5 モルである。好ましくは、T
CEはF133a1モルにつき0.25モルより大きく、有利に
は 0.8〜1.2 モル含まれる。TCEは、場合によりF13
3aとHFとの出発混合物中に既に存在していてもよく
(例えば、処理すべき混合物がトリクロロエチレン及び
HFからのF133aの製造から生ずる場合)、または沈降
前に(気体または液体の)HF/F133a混合物に添加し
てもよい。次にHF/F133a/TCE混合物を沈降のた
めに選択された温度及び圧力条件下に置く。沈降は、−
40〜−10℃、好ましくは−25〜−15℃の温度で有利に実
施される。圧力は沈降に顕著な影響を与えない。沈降は
概して絶対圧力1〜30バールの圧力で実施しうる、実際
には絶対圧力1〜15バールの圧力で作業することが好ま
しい。
既知の技術に従って実施されうる。所望の分離目的に従
って、蒸留のような他の分離操作と組み合わせると有利
になりうる。従って、再利用のためにほぼ純粋なF133a
とほぼ純粋なHFとほぼ純粋なTCEとを獲得したい場
合、沈降を以下の操作と組み合わせることができる: a)沈降によって得られたHFが希薄な下部有機相を蒸
留して、蒸留塔の塔頂でHF/F133aの共沸混合物の形
でHFを回収し該混合物は沈降タンクに再循環され、蒸
留塔の塔底でTCEとF133aとを回収する。
部相を蒸留して、蒸留塔の塔頂でHF/F133aの共沸混
合物の形でF133aを回収し該混合物は沈降タンクに再循
環され、塔底でほぼ純粋なHFを回収する。
との混合物を蒸留して、塔頂で精製されたF133aを回収
し、塔底でTCEを回収し、該TCEを例えば沈降に再
利用できるようにする。
略図を参照することにより十分に理解されるであろう。
TCEを任意で添加した後、処理すべき混合物をパイプ
1から導入し、交換器2によってあらかじめ冷却する。
次に0℃以下、好ましくは−40〜−10℃の温度に維持さ
れた沈降タンクに導入する。デミキシングによって、沈
降タンクでは、HFが希薄な下部有機相4と、HFが豊
富な上部相5が得られる。沈降タンク3を出た有機相4
を、6を通して蒸留塔7に導入する。蒸留塔7の塔頂か
らは、HFとF133aの共沸混合物である流出物9が流出
する。この流出物9は、2相分離のために交換器2の上
流にある沈降タンク3に戻される。塔7の塔底では、F
133aとTCEとの混合物から成る流れ8が回収される。
イン15を通して純粋なF133aを得ることができ、塔底で
ライン16を通してTCEを得ることができる。得られた
TCEはそのまま使用されるか、または流れ9のように
交換器2の上流に再循環される。
て蒸留塔11に導入すると、塔頂でHFとF133aの
共沸混合物である流出物13が流出する。この流出物1
3は流出物9と同様に、2相分離のために交換器2の蒸
留にある相分離タンク3に戻される。塔11の塔底で
は、12としてほぼ純粋なHFが回収される。
から沈降タンクへの導入は、沈降タンク及び蒸留塔の作
業圧力によって、減圧弁またはポンプを通して実施され
る。6及び10を通して蒸留塔に導入される流れの温度
は、最適な蒸留を得るように交換器によって調整されう
る。
富む上部相5をそのままF133aの製造のために直接フッ
素化反応装置に再循環させるという本発明方法の別の実
施態様を示す。
(HFの%+F133aの%>50重量%、好ましくは>80重
量%)混合物を処理するのに適しており、これら2つの
化合物は任意の相対比で存在しうる。処理すべき混合物
が、例えばジフルオロジクロロエタン(F132b)のよう
な他のフッ素化有機化合物を20重量%まで含んでいても
よい。
から実質的にはずれる場合、塔底に残る過剰化合物(H
FまたはF133a)からHF/F133aの共沸混合物を塔頂
で分離するために前もって蒸留を実施することが有利で
ありうる。凝縮の後、前記共沸組成物は本発明により冷
却沈降される。
3aとHFとの分離を実施することの主要な利点を示す
(実施例1と2)。
の出発組成及び−20℃で沈降して得られるHFと有機物
の組成を示す。
機相中のHFの溶解度及びHF相中の有機物の溶解度が
著るしく低下することが確認できる。
とTCEとを獲得するための方法の完全な実施を示す。
ル%、F133a 42 モル%の組成を有する。TCEをこの
混合物に添加すると、HF40モル%、F133a 28 モル
%、TCE31モル%の組成が得られる。
び圧力・温度条件を示す。
Claims (10)
- 【請求項1】 フッ化水素(HF)と1,1,1−トリ
フルオロ−2−クロロエタン(F133a)との混合物
からフッ化水素(HF)を分離する方法であって、処理
すべきHF/F133a混合物を0℃以下の温度で、ト
リクロロエチレン(TCE)の存在下において相分離さ
せて、HFが豊富な上部相及びHFが希薄な下部有機相
を得る工程を含むことを特徴とする方法。 - 【請求項2】 前記相分離される混合物がTCEをF1
33a1モルにつき0.05〜2.5モル含む、請求項
1に記載の方法。 - 【請求項3】 前記相分離される混合物がTCEをF1
33a1モルにつき0.25モル以上含む、請求項2に
記載の方法。 - 【請求項4】 前記相分離される混合物がTCEをF1
33a1モルにつき0.8〜1.2モル含む、請求項1
に記載の方法。 - 【請求項5】 前記相分離の温度が−40〜−10℃で
ある、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項6】 前記相分離の温度が−25〜−15℃で
ある、請求項5に記載の方法。 - 【請求項7】 前記相分離操作の前に、HF/F133
a混合物を蒸留して共沸組成物に近い組成とする、請求
項1〜6のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項8】 前記相分離の後に、 a)得られたHFの希薄な下部有機相を蒸留して、塔頂
でこの相中に含まれるHFをHF/F133aの共沸混
合物の形で分離し該混合物は相分離タンクに戻され、塔
底でF133aとTCEとの混合物を回収し、 b)HFの豊富な上部相を直接フッ素化反応装置に再循
環させるか、または該上部相を蒸留して、塔頂でこの相
中に含まれるF133aをHF/F133aの共沸混合
物の形で分離し該混合物は相分離タンクに戻され、塔底
でほぼ純粋なHFを回収する、請求項1〜7のいずれか
1項に記載の方法。 - 【請求項9】 前記F133aとTCEとの混合物を蒸
留して、塔頂で純粋なF133aを分離し、塔底で純粋
なTCEを回収する、請求項8に記載の方法。 - 【請求項10】 前記処理すべきHF/F133a混合
物がさらに、20重量%までの他のフッ素化有機化合物
を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
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