JP2508842B2 - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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JP2508842B2 JP1167585A JP16758589A JP2508842B2 JP 2508842 B2 JP2508842 B2 JP 2508842B2 JP 1167585 A JP1167585 A JP 1167585A JP 16758589 A JP16758589 A JP 16758589A JP 2508842 B2 JP2508842 B2 JP 2508842B2
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孝治 石川
雅彦 杉野
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は空気調和機の冷凍サイクル及び制御装置に
関するものであり、特に圧縮容量調整可能な圧縮機を用
いた空気調和機の返油システムに関するものである。
〔従来の技術〕
従来この種の装置として第3図に示すものがある。
図において、(1)は圧縮機、(2)は四方弁、
(3)は室外熱交換機、(4)は減圧装置、(5)は室
内熱交換器、(6)はアキユムレータ、(6a)は前記ア
キユームレータ(6)の流出管途中にキリ穴をあけて構
成される返油装置、(11)および(12)はそれぞれガス
側延長配管および液側延長配管である。図中、実線矢印
は冷房運転時の冷媒流れ方向を、また破線矢印は暖房運
転時の冷媒流れ方向を示している。
次に、冷房運転時の動作について説明する。圧縮機
(1)でガス冷媒を圧縮し、吐出された高温高圧のガス
冷媒は、四方弁(2)を介して室外熱交換器(3)を流
入し、室外空気に放熱する一方、冷媒は凝縮して高圧の
液冷媒となり、液側延長配管(12)を介して減圧装置
(4)で減圧され、低圧の気液混合冷媒となつて、室内
熱交換器(5)に供給される。室内熱交換器(5)で
は、室内空気から採熱して冷房する一方冷媒は蒸発して
低圧のガス冷媒となり、ガス側延長配管(11)および四
方弁(2)を介してアキユムレータ(6)に流入する。
アキユムレータ(6)では、室内熱交換器(5)で蒸発
し切れなかつた液冷媒とガス冷媒を分離して圧縮機
(1)に吸入させる一方、アキユムレータ(6)の底部
に溜つている冷媒と冷凍機油の混合液を返油装置(6a)
を介して圧縮機(1)に吸入させ、圧縮機(1)内部の
潤滑に必要な油量を適正に保持する。
次に、暖房運転時の動作について説明する。圧縮機
(1)でガス冷媒を圧縮し、吐出された高温高圧のガス
冷媒は、四方弁(2)およびガス側延長配管(11)を介
して室内熱交換器(5)に供給され、室内空気に放熱し
て暖房する一方、冷媒は凝縮して高圧の液冷媒となる。
この液冷媒は、減圧装置(4)に流入し、減圧装置
(4)で減圧され低圧の気液混合冷媒となり室外熱交換
器(3)に供給され、室外空気より採熱して、低圧のガ
ス冷媒となつて、四方弁(2)を介してアキユムレータ
(6)に流入する。アキユムレータ(6)では冷房運転
時と同様に、ガス冷媒と液冷媒を分離する一方、圧縮機
(1)に必要な冷凍機油を返油する。
また、アキユムレータ(6)は冷房運転時と暖房運転
時に必要な冷媒量の差により発生する余剰冷媒量を回収
する機能がある。つまり、第3図に示す如き冷媒回路構
成の場合、暖房運転時には、液側延長配管(12)内の冷
媒状態は低圧の気液混合冷媒であるため、必要な冷媒量
は比較的少ない。これに対して、冷房運転時には、液側
延長配管(12)内の冷媒状態は高圧の液冷媒となるた
め、比重量も大きく、必要な冷媒量が多くなる。従つ
て、暖房運転時には、多量の冷媒液がアキユムレータ
(6)内に停滞する。この停滞する余剰冷媒量は、延長
配管(11)および(12)の配管長が長くなる程多くな
る。
なお、返油装置(6a)を介して圧縮機(1)に流入す
る液冷媒と冷凍機油の混合液流量は簡易的に下に示す圧
力式により求まる。
ΔP1+ΔP2=ΔP3 ΔP1:ガス冷媒がアキユム流出管に流入する際に発生す
る損失および流出管内の管摩擦損失 ΔP2:アキユムレータ内液面高さによる液柱圧 ΔP3:返油装置(キリ穴)前後に発生する差圧 つまり、ガス冷媒の流速が速くなる程ΔP1が大きくな
り、かつアキユムレータ(6)内部の余剰冷媒液量が多
くなる程ΔP2が大きくなるので、返油装置(6a)前後の
差圧が大きくなり、結果的に混合液流量が増加する。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上のように従来の空気調和機では、アキユムレータ
(6)の返油は、冷媒流速と、余剰冷媒液量に影響され
るため、転負荷時の運転ではガス速度が低下し、そのた
め前記圧力式に示す通りΔP1の低下により結果的に圧縮
機への油の戻りが悪くなり、こういう状態が長時間連続
すると圧縮機の故障へ至るという問題があつた。
尚、空気調和機に使用する圧縮機(1)を容量可変形
とした場合には、ガス流速の範囲が広くなり、小容量時
におけるガス流速の低下が著しく、油の戻りも極端に悪
くなる。
また、室内機と室外機間の高低差が大きい時には、重
力の影響により、ガス管内に油が溜りやすくなり、返油
量は更に減少するため、ユニツトの設置上の制約が生
じ、使い勝手も悪くなるという問題もあつた。
この発明は、かかる問題点を解決するためになされた
もので圧縮機の運転容量が変化しても、適度な返油量を
確保して、圧縮機の運転状態を良好に維持する空気調和
機を得ることを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係わる空気調和機は、圧縮機と四方弁の間
の接続配管途中より電磁弁を介してアキユムレータまた
はアキユムレータ流入配管に接続されたバイパス路及
び、前記圧縮機の運転容量を制御する運転容量制御手段
と前記電磁弁を制御する電磁弁制御手段とを設け、圧縮
機が所定以下の運転容量を所定時間以上継続した場合、
前記圧縮機の運転容量を増加させると共に前記電磁弁を
開路するようにしたものである。
また、運転容量制御手段からの出力による容量増加運
転時間を計時する計時手段と、圧縮機の吐出出力を検出
する吐出圧力検出手段、及び吐出温度を検出する吐出温
度検知手段とを設け、容量増加運転時間が所定時間以上
継続したとき、または上記検知手段により吐出圧力、ま
たは吐出温度が所定値以上のとき、圧縮機の運転容量
を、運転容量増加前の状態に戻すようにしたものであ
る。
〔作用〕
この発明では、圧縮機の運転容量が所定値以下の状態
が所定時間以上継続した場合、バイパス路の電磁弁を開
路し、圧縮機の運転容量を増加させるようにし、圧縮機
への適度な返油量を確保する。また、計時手段により容
量増加運転時間を計時し、この容量増加運転時間が所定
時間以上継続したとき、または、圧縮機の吐出圧力が所
定値以上のとき、または圧縮機の吐出温度が所定値以上
の場合は運転容量増加前の状態に戻すようにしたため、
空調機が異常な状態に陥ることもない。
〔実施例〕
第1図はこの発明の一実施例による空気調和機の全体
構成図である。図において、(1),(2),(3),
(4),(5),(6),(6a),及び(11),(12)
は第3図に示す空気調和機と同様のものであり、(7)
は電磁弁、(8)は、圧縮機(1)と四方弁(2)の間
の接続配管からアキユムレータ(6)またはアキユムレ
ータ(6)への流入管に接続されたバイパス路、(9)
は吐出温度検出手段、(10)は吐出圧力検出手段であ
り、いずれも圧縮機(1)と四方弁(2)の間の吐出配
管に取付けられたものである。(13)は前記圧力検出手
段(10)による検出圧力に基づき、圧縮機(1)の運転
容量を制御する運転容量制御手段、(14)は前記バイパ
ス路(8)に設けられた電磁弁(7)の開閉制御を行な
う電磁弁制御手段、(15)は、圧縮機の運転容量が所定
値以下になつている時間及び、返油量確保のために圧縮
機運転容量を増加している時間を計時する計時手段であ
る。
尚、図中実線矢印は冷房運転時の冷媒流れ方向を示
し、破線矢印は暖房運転時の冷媒流れ方向を示す。冷房
運転並びに暖房運転時の冷媒の動作については、第3図
に示す従来の空気調和機と全く同様なので説明を省略
し、圧縮機小容量運転時の動作について説明する。
第2図は運転容量制御手段(13)、電磁弁制御手段
(14)及び計時手段(15)の制御状態を示すフローチヤ
ートである。
ステツプ(16)で運転が開始すると、運転状態に合わ
せて圧縮機は運転容量を制御していく。ここで、負荷が
小さく、圧縮機の運転容量CPが小さくなり、予め設定し
てある制御値CP0以下か否かをステツプ(17)で判定
し、制御値CP0以下であれば、計時手段(15)によりそ
の運転時間のカウントを開始し、ステツプ(18)で示す
如く、精算時間T1が予め設定してある制御値To1異常と
なつた場合は、ステツプ(19)で示す油回収動作、つま
り圧縮機運転容量CPの増加と、電磁弁(7)の開路とい
う動作を行なう。前記油回収割作が開始すると、前記計
時手段(15)により、油回収動作時間の連続経過時間T2
をカウントし、ステツプ(20)に示す如く、前記連続時
間T2が所定の油回収動作最大規制時間To2に達すると、
ステツプ(23)に示す如く前記油回収動作を終了し、圧
縮機運転容量CPを運転容量増加前の状態に戻すと同時
に、電磁弁(7)も閉路する。また、ステツプ(20)に
おいて連続時間T2が規制時間To2以下の場合であつて
も、ステツプ(21),(22)に示す如く所定の制御値Pd
o,Tdo以上となれば、同様に油回収動作終了する。
つまり、本実施例による冷媒回路においては、圧縮機
の運転容量が小さくなり、冷媒のガス流速が低下する事
により、圧縮機への返油量が減少した場合、一時的に圧
縮機の運転容量を増加し、返油量を確保すると共に、高
圧の上昇を抑制するため電磁弁(7)を開路し、吐出ガ
スの一部を低圧側へバイパスさせるように構成してい
る。さらに、油回収動作中、吐出圧力または吐出温度
が、所定の制御値以上となつた場合は即座に油回収動作
を終了し、通常運転に復帰する。
〔発明の効果〕
この発明は以上説明したように構成されているので、
以下に記載されるような効果を奏する。
圧縮機の運転容量が小さくなつて冷媒のガス流速が低
下したり、室内機と室外機の間の高低差が大きくて、圧
縮機への返油量が減少している状態が続いた場合、一時
的に圧縮機の運転容量を増加させ、圧縮機への返油量を
確保するため圧縮機が油不足になる事がなく、圧縮機の
故障がなくなり信頼性が向上する、また、圧力、及び吐
出温度が上昇した場合には、容量増加運転から運転容量
増加前の状態に戻すようにしているためユニツトが異常
運転することもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例による空気調和機の全体
構成図、第2図は、本空気調和機の油回収動作に関する
制御フローチヤート、第3図は従来の空気調和機の全体
構成図である。 図中、(1)は圧縮機、(2)は四方弁、(3)は室外
熱交換器、(4)は減圧装置、(5)は室内熱交換器、
(6)はアキユムレータ、(7)は電磁弁、(9)は吐
出温度検出手段、(10)は吐出圧力検出手段、(13)は
運転容量制御手段、(14)は電磁弁制御手段、(15)は
計時手段である。 なお、各図中同一符号は、同一又は相当部分を示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮容量調整可能な圧縮機、四方弁、室外
    熱交換器、減圧装置、室内熱交換器、アキュムレータを
    配管接続した冷媒回路、上記圧縮機と上記四方弁との接
    続配管の途中より電磁弁を介して上記アキュムレータま
    たはアキュムレータ流入配管に接続されたバイパス路、
    上記圧縮機の運転容量を制御する運転容量制御手段、上
    記電磁弁を制御する電磁弁制御手段、上記圧縮機の運転
    容量が所定値以下の場合に計時する計時手段とを備え、
    前期計時手段による計時時間が所定時間以上の場合に
    は、上記運転容量制御手段により上記圧縮機の運転容量
    を増加させると共に、上記電磁弁を開路するようにした
    ことを特徴とする空気調和機。
  2. 【請求項2】計時手段は、運転容量制御手段からの出力
    に基づく容量増加運転時間を計時し、この容量増加運転
    時間が所定時間以上継続したとき、または吐出出力検出
    手段により検出された圧縮機の吐出圧力が所定圧力以上
    のき、または吐出温度検出手段により検出された吐出ガ
    ス温度が所定温度以上のとき、運転容量制御手段により
    圧縮機の運転容量を運転容量増加前の状態に戻すことを
    特徴とする請求項1記載の空気調和機。
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