JP2508735B2 - 光カ−ド傾き検出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この発明は、情報を光学的に記録できるカード状の記
録媒体（以下、「光カード」という）に対し、情報を記
録かつ再生するか、またはその何れか一方を行うための
光カード処理装置に関連し、殊にこの発明は、情報の記
録または再生に際して、光カードの傾きを検出するのに
適用される光カード傾き検出装置に関する。

＜従来の技術＞ 従来の光カード処理装置は、第９図に示す如く、上面
にカード保持部を有するホルダ８をガイド機構81に往復
動可能に取り付け、このホルダ８にベルト82を介して正
逆回転する駆動モータ83を連繋すると共に、ホルダ８の
上方に光カード７に対し情報を光学的に記録または再生
する光学ヘッド９を配備して成る。この装置において、
駆動モータ83を正逆駆動すると、光カード７を含むホル
ダ８が往復動して、光学ヘッド９が光カード７を走査
し、これにより情報の記録または再生の処理が行われ
る。この光カード７の表面には、第10図における部分拡
大図に示す如く、多数の情報記録トラック72を有する情
報記録部71が設けてあり、これら情報記録トラック72へ
前記光学ヘッド９により光ビームを照射することによ
り、情報の記録や再生を行うものである。なお図中、73
は光学ヘッド９を情報記録トラック72に追随させるため
のトラックガイドであり、74は情報記録トラック72に形
成された情報単位を構成するピットである。

＜発明が解決しようとする問題点＞ 上記光カード処理装置において、ホルダ８に光カード
７が挿入されるとき、光カード７が傾いた状態で保持さ
れて、ホルダ８の移行方向と光カード７の情報記録トラ
ック72の方向とが不一致となる場合が生じ、このためト
ラッキング動作にミスが発生する。

そこで光カード７の保持姿勢を補正する必要があり、
その補正量、すなわち光カード７の傾き角度を検出する
ことが必要となる。ところがこの傾き角度を検出するの
に特別な光学系などを装置内に組み込む必要があり、装
置の構造の複雑化と大型化を招くなどの問題があった。

この発明は、上記問題に着目してなされたもので、特
別な光学系などを付加することなく光カードの傾きを検
出できる光カード傾き検出装置を提供することを目的と
する。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記目的を達成するため、この発明では、光学ヘッド
を光カードに対し相対移動させて、情報記録トラックに
対する情報の記録または再生を行うと共に、前記光学ヘ
ッドをトラッキング信号により前記相対移動方向と直交
する方向へ変位させて、前記情報記録トラックに追随さ
せる光カード処理装置において、前記トラッキング信号
の変化量をモニタすることにより、前記相対移動方向に
対する光カードの傾き角度を検出することにした。

＜作用＞ 光カードに対する情報の記録または再生に先立ち、光
学ヘッドを光カードに対し相対移動させて、光学ヘッド
よりトラッキング信号を出力させる。そしてこのトラッ
キング信号を取り出し、その変化量をモニタすることに
より、光学ヘッドの相対移動方向に対する光カードの傾
き角度を検出する。この光カードの傾き角度が検出され
れば、その検出値に基づき光カードの保持姿勢が補正で
き、光学ヘッドの相対移動方向と光カードの情報記録ト
ラックの方向とを一致させることできる。

＜実施例＞ 第４図〜第６図は、この発明の光カード傾き検出装置
が適用実施された光カード処理装置の一例を示す。

この光カード処理装置は、カード挿入口11を有するケ
ース１内に２本のガイド軸13,13を平行配備してガイド
機構12を構成し、このガイド機構12にホルダ２を往復動
可能に支持すると共に、ホルダ移行路の下方に対応して
カード挿入側に光学ヘッド６を、奥側にカード送り機構
５を、それぞれ配設している。

ホルダ２は、第４図に示す如く、両側辺に軸受21を設
けてガイド軸13に軸承される。このホルダ２の下面に
は、第５図に示す如く、カード保持部22が形成されてお
り、このカード保持部22は、ケース１のカード挿入口11
の位置に合わせてある。

カード挿入口11の内側には、挿入された光カード７を
検知するための検知器31と、この検知器31の動作にて作
動して光カード７をホルダ２のカード保持部22に対し自
動的に搬出入させるカードロード／イジェクト機構３と
が設けてある。

カードロード／イジェクト機構３は、ホルダ２の下方
に位置し、回転軸32上に左右一対のローディングカム3
3,33を配備すると共に、回転軸32をプーリ，ベルトから
なる減速機構36を介してローディングモータ37に連繋し
て構成される。前記ローディングカム33は、ゴム材から
なる略半円形のカムにあって、平坦カム面34が回転軸32
の上側に水平に位置したとき、ホルダ２の下面に非接触
で近接するように取り付けられている。かくてローディ
ングモータ37の作動によりローディングカム33が回転す
るとき、球形カム面35が対向する光カード７をカード保
持部22の定位置まで搬入し、再び平坦カム面34がホルダ
２に対向してモータ37が停止する。

このホルダ２には、光カード７の情報記録トラック72
の方向をホルダ２の移行方向に一致させるカード傾き補
正機構４が設けてある。

図示例のカード傾き補正機構４は、第２図に示す如
く、カード保持部22の奥側に位置決めストッパ40を設
け、一側に２個所、他側の中間位置に１個所、それぞれ
ローラ状のカードガイド41,42,43を配備して成る。この
うち一側の２個のカードガイド41,42はバー材45の両端
部に軸承されており、このバー材45の基端部をホルダ２
に枢止し、先端部を弾圧バネ44に連繋して、先端側のカ
ードガイド41が基端側のカードガイド42より常にカード
側へ押し出されるようにしてある。

他側のカードガイド43は、基端をホルダ２に止着した
板バネ46の先端に配備されており、各カードガイド41,4
2,43が互いに光カード７を両側から挟み込むようにな
し、光カード７を両側から３点で案内するようにしてあ
る。

前記バー材45の先端側には作動突片47が設けてあり、
一方光ヘッド６にはこの作動突片47の内側に係脱する作
動片63が付設してある。かくて、光カード７がカード保
持部22に係合して、カードガイド41,42,43により３点支
持された状態において、光カード７の傾きθ、すなわち
光カード７の情報記録トラック72の方向とカード送り方
向の角度差をこの発明にかかる光カード傾き検出装置
（後記する）により検出した上で、検出量に応じて光学
ヘッド６を動作させて作動片63により突片47を動かし、
これにより光カード７の傾きを補正するようになす。

ホルダ２の後辺には、ホルダ２の移行方向と直角をな
すガイド軸23を設けてスライド部材24を軸承し、このス
ライド部材24をカード送り機構５に連繋している。

カード送り機構５は、ケース１内の固定フレーム50に
２本の支軸51を軸承配備し、両支軸51にそれぞれプーリ
52,53を軸止して無端ベルト54を捲回張設し、この無端
ベルト54の適所に連結ピン55を縦設して、このピン55を
前記スライド部材24に枢止連結している。一方の支軸51
の下部にはプーリ56が軸固定され、このプーリ56にベル
ト等の伝動手段57を介して一方向回転の駆動モータ58を
連繋すると共に、他方の支軸51にはエンコーダ59を取り
付けている。

光学ヘッド６は、ホルダ２の移行方向と直交方向に配
備されたリードネジ60およびガイド軸61に軸承され、リ
ードネジ60は正逆回転可能なヘッド送りモータ62に連繋
されている。従ってヘッド送りモータ62が作動すると、
光学ヘッド６はガイド軸61およびリードネジ60によって
光カード７を送り方向と直交方向に移行し、これにより
光カードの記録情報トラックをアクセス動作する。

第１図は、この発明の一実施例にかかる光カード傾き
検出装置100の構成を示している。

同図中、破線部分は前記光学ヘッド６の構成部分を示
しており、サーボ回転101,光学系102および，アクチュ
エータ103を具備している。光学系102は光カード７に対
し記録または再生用の光ビームを照射するためのもので
あって、この光学系102はアクチュエータ103の駆動によ
り上下方向と光カード７の幅方向とに移動可能に構成し
てある。また光学系102は光カード７からの反射光を結
像させる一対の光検出器（図示せず）を備えており、こ
の光検出器の出力差を取り出すことによりフォーカシン
グエラー信号やトラッキングエラー信号ａを得ている。
トラッキングエラー信号ａは前記サーボ回路101に入力
され、サーボ回路101はこの入力信号に基づいて前記ア
クチュエータ103を駆動させるためのトラッキング信号
ｂを生成するものである。

第２図は、光カード７が１往復動作する間のトラッキ
ング信号の時間に対する変化を示している。同図中、実
線Ａは光カード７の傾き角度θが大きい場合のトラッキ
ング信号ｂの変化状態を、また鎖線Ｂは光カード７の傾
き角度θが小さい場合のトラッキング信号ｂの変化状態
を、それぞれ示している。

この発明の光カード傾き検出装置100は、前記トラッ
キング信号ｂの変化量をモニタすることにより、光カー
ド７の移行方向に対する情報記録トラック72の傾き角度
θを検出しており、この実施例の場合、微分回路104を
用いてトラッキング信号ｂの変化量をモニタして、角度
検出信号ｃを出力している。

第３図は、光カード傾き検出装置100の他の実施例を
示しており、一対のカード検出センサ105,106と、一対
のサンプルホールド回路107,108と、減算回路109とを具
備している。一対のカード検出センサ105,106は光カー
ド７の移行路に沿って配置され、移行中の光カード７を
異なる位置２箇所で検出する。一対のサンプルホールド
回路107,108にはトラッキング信号ｂが入力され、この
トラッキング信号ｂが各カード検出センサ105,106から
のカード検出信号d,eによりサンプルホールドされる。
各サンプルホールド回路107,108でサンプルホールドさ
れたトラッキング信号ｂは減算回路109に与えられ、減
算回路109はこれら入力信号の差を算出して角度検出信
号ｃを生成する。

つぎに上記光カード処理装置の動作を説明する。

カード挿入待機状態では、ホルダ２はカード挿入口11
の近くに位置しており、カードロード／イジェクト機構
３のローディングカム33は平坦カム面34がホルダ２に対
向している。この状態において、カード挿入口11より光
カード７が挿し込まれ、これを検出器31が検出すると、
ローディングモータ37が作動し、球形カム面35が回転す
ることにより、挿し込まれた光カード７はカード保持部
22に自動的に取り込まれる。

カード保持部22に搬入された光カード７は、カードガ
イド41,42,43および位置決めストッパ40により支持され
るが、弾圧バネ44の作用により光カード７の奥側がカー
ドガイド41により押圧される傾向にあるため、光カード
７には強制的に一定方向の傾き角度θが与えられる（第
７図）。この状態において、カード送り機構５を作動さ
せ、光カード７をホルダ２と一体に一往復移行させると
き（送り動作の詳細は後述する）、光学ヘッド６からは
トラッキング信号ｂが出力される。このトラッキング信
号ｂは光カード傾き検出装置100に取り込まれてその変
化量がモニタされ、これにより光カード７の移行方向Ｄ
に対する情報記録トラック72の傾き角度θが検出され
る。

この傾き角度θが検出されると、つぎにその検出値に
応じて光学ヘッド６が作動して、作動片47が作動突片47
を内側より押し、これにより第７図に示す矢印Ｓの方向
へ光カード７を動かしてその姿勢を補正し、光カード７
の移行方向Ｄと情報記録トラック72の方向とを一致させ
る（第８図）。

この動作に引き続いてカード送り機構５が作動する。
駆動モータ58の作動により無端ベルト54が移行すると
き、ベルト54に設けた連結ピン55がスライド部材24を介
してホルダ２をガイド軸13に沿い牽引して往動移行させ
る。

連結ピン55がプーリ52の外周に到達すると、連結ピン
55はスライド部材24をホルダ２に対し幅方向にスライド
させ、プーリ52を半周して復動側へ移行する。ついで連
結ピン55は前記往動時と同様、スライド部材24を介して
ホルダ２をガイド軸13に沿い復動移行させるもので、ホ
ルダ２は駆動モータ58の一方向連続回転により往復動作
が実現される。ホルダ２の復動時、光カード７の情報記
録トラック72が対応する光学ヘッド６に相対移行し、情
報の記録，再生処理が行われる。ホルダ２が最初の位置
に復帰すると、これに連動してヘッド送りモータ62が作
動し、ガイド軸61およびリードネジ60によってトラック
アクセス動作し、再び同様なカード送り動作が繰返し行
われる。

＜発明の効果＞ この発明は上記の如く、トラッキング信号の変化量を
モニタすることにより、光学ヘッドの相対移動方向に対
する光カードの傾き角度を検出するようにしたから、特
別な光学系などを装置内に組み込むことなく、光カード
の傾き検出が可能である。このため装置の構造の複雑化
や大型化を招く虞れが全くなく、安価な光カード傾き補
正機構を実現できる。そしてその結果、光学ヘッドにお
ける光学系のアクチュエータとして可動範囲の狭い小型
のものを使用でき、トラッキング性能が向上し、光カー
ド処理装置の低コスト化や高性能化をはかることができ
るなど、幾多の顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例にかかる光カード傾き検出
装置の構成を示す説明図、第２図は光カードが傾いた状
態でのトラッキング信号の変化を示す説明図、第３図は
この発明の他の実施例を示す説明図、第４図はこの発明
が適用実施された光カード処理装置のカード送り機構を
示す平面図、第５図は第４図中Ｖ−Ｖ線に沿う断面図、
第６図は第４図中VI−VI線に沿う断面図、第７図および
第８図はカード傾き補正機構の説明図、第９図は従来の
光カード処理装置の斜視図、第10図は光カードの正面図
である。 ６……光学ヘッド ７……光カード 100……光カード傾き検出装置 104……微分回路 105,106……カード検出センサ 107,108……サンプルホールド回路 109……減算回路

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光学ヘッドを光カードに対し相対移動させ
   て、情報記録トラックに対する情報の記録または再生を
   行うと共に、前記光学ヘッドをトラッキング信号により
   前記相対移動方向と直交する方向へ変位させて、前記情
   報記録トラックに追随させる光カード処理装置におい
   て、 前記トラッキング信号の変化量をモニタすることによ
   り、前記相対移動方向に対する光カードの傾き角度を検
   出することを特徴とする光カード傾き検出装置。
2. 【請求項２】光カードは、ホルダに保持して、カード送
   り機構により往復動作させている特許請求の範囲第１項
   記載の光カード傾き検出装置。
3. 【請求項３】トラッキング信号の変化量は、微分回路を
   用いてモニタする特許請求の範囲第１項記載の光カード
   傾き検出装置。
4. 【請求項４】トラッキング信号の変化量は、光カードの
   移行路に沿って２箇所に配置された一対のカード検出セ
   ンサと、各カード検出センサのカード検出信号で前記ト
   ラッキング信号をサンプルホールドする一対のサンプル
   ホールド回路と、各サンプルホールド回路でサンプルホ
   ールドされたトラッキング信号を入力してその差を算出
   する減算回路とから構成されている特許請求の範囲第１
   項記載の光カード傾き検出装置。