JP2508563B2 - 大スパン構造物の支持杭構造 - Google Patents
大スパン構造物の支持杭構造Info
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- JP2508563B2 JP2508563B2 JP1996292A JP1996292A JP2508563B2 JP 2508563 B2 JP2508563 B2 JP 2508563B2 JP 1996292 A JP1996292 A JP 1996292A JP 1996292 A JP1996292 A JP 1996292A JP 2508563 B2 JP2508563 B2 JP 2508563B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- span structure
- large span
- continuous wall
- support pile
- column base
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Piles And Underground Anchors (AREA)
- Bulkheads Adapted To Foundation Construction (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、おもに、大スパン構
造物の柱脚部の水平変位を阻止するために構築される大
スパン構造物の支持杭構造に関する。
造物の柱脚部の水平変位を阻止するために構築される大
スパン構造物の支持杭構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、体育館や飛行機格納庫のような
大スパン構造物の基礎には、鉛直力とともに大きな水平
力が作用する。また、敷地が軟弱地盤の場合、この水平
力は大スパン構造物の柱脚部を水平変位を起こすほどに
相当大きくなる。
大スパン構造物の基礎には、鉛直力とともに大きな水平
力が作用する。また、敷地が軟弱地盤の場合、この水平
力は大スパン構造物の柱脚部を水平変位を起こすほどに
相当大きくなる。
【0003】従来、この大きな水平力を処理する方法と
して、鉛直支持杭の頭部をタイロッドで水平に緊結する
方法や斜め杭を併用する方法などが採用されている。
して、鉛直支持杭の頭部をタイロッドで水平に緊結する
方法や斜め杭を併用する方法などが採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、建設地盤が埋
立地や沖積軟弱層の場合には、永年の間には地盤沈下を
免れないため、タイロッドや斜め杭が曲げ変形を起こ
し、上部構造体に無理な力が作用するという課題があっ
た。
立地や沖積軟弱層の場合には、永年の間には地盤沈下を
免れないため、タイロッドや斜め杭が曲げ変形を起こ
し、上部構造体に無理な力が作用するという課題があっ
た。
【0005】したがって、強風時や地震時、あるいは大
雪時などに作用すると予想される大きな水平力に備え
て、支持杭などの下部構造体をプレストレス構造とする
ことによってある程度まで変形を抑えておけるようにす
れば、長期、短期的にも安定することになる。
雪時などに作用すると予想される大きな水平力に備え
て、支持杭などの下部構造体をプレストレス構造とする
ことによってある程度まで変形を抑えておけるようにす
れば、長期、短期的にも安定することになる。
【0006】この発明はこのような前記従来の課題を解
消するために提案されたもので、軟弱地盤に建つ大スパ
ン構造物の水平抵抗力を著しく高めた大スパン構造物の
支持杭構造を提供することを目的とする。
消するために提案されたもので、軟弱地盤に建つ大スパ
ン構造物の水平抵抗力を著しく高めた大スパン構造物の
支持杭構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる大スパ
ン構造物の支持杭構造は、大スパン構造物の柱脚部に地
中連続壁を鉄筋コンクリートによって硬質地盤に達する
深さに構築し、当該地中連続壁のコンクリート中に緊張
材を大スパン構造物の中心方向に斜めに挿通するととも
に当該緊張材の下端部を硬質地盤に定着し、かつ、上端
部を地中連続壁の上端部において大スパン構造物の基礎
部に定着することにより構成される斜めアンカーを設け
ることにより前記目的を達成するものである。
ン構造物の支持杭構造は、大スパン構造物の柱脚部に地
中連続壁を鉄筋コンクリートによって硬質地盤に達する
深さに構築し、当該地中連続壁のコンクリート中に緊張
材を大スパン構造物の中心方向に斜めに挿通するととも
に当該緊張材の下端部を硬質地盤に定着し、かつ、上端
部を地中連続壁の上端部において大スパン構造物の基礎
部に定着することにより構成される斜めアンカーを設け
ることにより前記目的を達成するものである。
【0008】
【実施例】図1は大スパン構造物の柱脚部の構造を示す
ものであり、図において、大スパン構造物1の柱脚部に
柱脚部を支持するための地中連続壁2(以下「連続壁
2」という)が構築されている。
ものであり、図において、大スパン構造物1の柱脚部に
柱脚部を支持するための地中連続壁2(以下「連続壁
2」という)が構築されている。
【0009】連続壁2は大スパン構造物の各柱脚部の内
側に鉄筋コンクリートによって硬質地盤3に達する深さ
に構築され、また、大スパン構造物1の中心方向に沿っ
て矩形断面形に構築されている。
側に鉄筋コンクリートによって硬質地盤3に達する深さ
に構築され、また、大スパン構造物1の中心方向に沿っ
て矩形断面形に構築されている。
【0010】連続壁2のコンクリート中には、鉛ビ管や
鉄管などからなるシース4が大スパン構造物の中心方向
に連続壁2の対角線に沿って斜めに埋設し、このシース
4の中にPC鋼撚り線などからなる緊張材5を挿通する
ことにより斜めアンカーが施工されている。
鉄管などからなるシース4が大スパン構造物の中心方向
に連続壁2の対角線に沿って斜めに埋設し、このシース
4の中にPC鋼撚り線などからなる緊張材5を挿通する
ことにより斜めアンカーが施工されている。
【0011】緊張材5の下端はシース4の下端、すなわ
ち、連続壁2の下端を貫通し、硬質地盤3の奥深くに定
着されている。また、緊張材5の上端は連続壁2に所定
大のプレストレスを導入するために所定大の緊張力が導
入された後、連続壁2の上端部において大スパン構造物
の基礎部6に定着されている。
ち、連続壁2の下端を貫通し、硬質地盤3の奥深くに定
着されている。また、緊張材5の上端は連続壁2に所定
大のプレストレスを導入するために所定大の緊張力が導
入された後、連続壁2の上端部において大スパン構造物
の基礎部6に定着されている。
【0012】このような構成において、大スパン構造物
1の柱脚部に作用する水平力は鉛直力とともに連続壁2
の鉛直支持力によって処理される。
1の柱脚部に作用する水平力は鉛直力とともに連続壁2
の鉛直支持力によって処理される。
【0013】また、連続壁2にはその対角線に沿って大
スパン構造物の中心方向にプレストレスが導入されてい
るため、大スパン構造物1の柱脚部の水平変位は略0に
抑えられる。
スパン構造物の中心方向にプレストレスが導入されてい
るため、大スパン構造物1の柱脚部の水平変位は略0に
抑えられる。
【0014】図2は他の実施例を示すものであり、連続
壁2の内側縁端部にフラジン部7が連続壁2と略直角に
鉄筋コンクリートによって上下方向に連続して構築され
ている。フランジ部7が構築されていることにより、敷
地地盤の水平支持力も連続壁2の水平支持力として期待
できるため、連続壁2の水平支持力は著しく高められ、
また、斜めアンカーによる地盤反力も、フランジ部7の
水平反力が連続壁2の支持力に付加されることにより大
幅に高められる。
壁2の内側縁端部にフラジン部7が連続壁2と略直角に
鉄筋コンクリートによって上下方向に連続して構築され
ている。フランジ部7が構築されていることにより、敷
地地盤の水平支持力も連続壁2の水平支持力として期待
できるため、連続壁2の水平支持力は著しく高められ、
また、斜めアンカーによる地盤反力も、フランジ部7の
水平反力が連続壁2の支持力に付加されることにより大
幅に高められる。
【0015】つづいて、施工方法について説明すると、
柱脚部の地盤中に縦孔を掘削し、この縦孔の中に鉄筋か
ご8とともにシース4およびトレミー管9を立て込み、
つづいて縦孔の中にトレミー管9によってコンクリート
10を充填する。
柱脚部の地盤中に縦孔を掘削し、この縦孔の中に鉄筋か
ご8とともにシース4およびトレミー管9を立て込み、
つづいて縦孔の中にトレミー管9によってコンクリート
10を充填する。
【0016】コンクリート10が充分な強度を発現した
ら、シース4の中に斜めアンカー削孔用ドリルを挿入し
てシース4先端部分のコンクリートおよび定着地盤とな
る硬質地盤を削孔する。
ら、シース4の中に斜めアンカー削孔用ドリルを挿入し
てシース4先端部分のコンクリートおよび定着地盤とな
る硬質地盤を削孔する。
【0017】つづいて、この孔にグラウト材を充填し、
かつ、緊張材5を挿入し、その先端を連続壁2下端の硬
質地盤3中に定着する。
かつ、緊張材5を挿入し、その先端を連続壁2下端の硬
質地盤3中に定着する。
【0018】シース4内のグラウト材が硬化したら、緊
張材5の上端を所定大の引張力を導入した後、連続壁2
の上端部において大スパン構造物1の基礎部6に定着す
る。
張材5の上端を所定大の引張力を導入した後、連続壁2
の上端部において大スパン構造物1の基礎部6に定着す
る。
【0019】なお、斜めアンカーの施工方法としては、
前記施工方法に限られるものではなく、従来、一般に広
く実施されている他の施工方法も適用できる。
前記施工方法に限られるものではなく、従来、一般に広
く実施されている他の施工方法も適用できる。
【0020】また、大スパン構造物の基礎部6は、図1
および図3に示すように柱脚部の左側に設けるのが地盤
反力の均等化のためには好ましいが、図5に示すように
柱脚部の右側にスパン中央部に寄せて設けてもよい。な
お、斜めアンカーは図5に示すように設置することもで
きる。
および図3に示すように柱脚部の左側に設けるのが地盤
反力の均等化のためには好ましいが、図5に示すように
柱脚部の右側にスパン中央部に寄せて設けてもよい。な
お、斜めアンカーは図5に示すように設置することもで
きる。
【0021】連続壁2の壁厚は、複数本のトレミー管9
を並列に立て込めるように1m〜1.5 m程度と厚めに
し、また、減水剤を使用することにより水セメント比を
可能な限り抑えつつ高いスランプを確保してシース4に
対する浮力を抑え、作業性を高めるものとする。
を並列に立て込めるように1m〜1.5 m程度と厚めに
し、また、減水剤を使用することにより水セメント比を
可能な限り抑えつつ高いスランプを確保してシース4に
対する浮力を抑え、作業性を高めるものとする。
【0022】なお、実施例では、連続壁2およびフラン
ジ部7を現場打ちコンクリートによって施工する場合を
説明したが、プレキャストコンクリ−トによる施工も当
然可能である。
ジ部7を現場打ちコンクリートによって施工する場合を
説明したが、プレキャストコンクリ−トによる施工も当
然可能である。
【0023】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているため、以下に記載するような効果を有する。
ているため、以下に記載するような効果を有する。
【0024】大スパン構造物の柱脚部に作用する地震力
などの大きな水平力は、連続壁の鉛直支持力によって処
理されるため、周辺地盤に水平支持力を負担させる必要
がない。このため、地表近くの地盤の軟弱な敷地での建
物や敷地に充分な余裕のない建物の支持杭として最も適
している。
などの大きな水平力は、連続壁の鉛直支持力によって処
理されるため、周辺地盤に水平支持力を負担させる必要
がない。このため、地表近くの地盤の軟弱な敷地での建
物や敷地に充分な余裕のない建物の支持杭として最も適
している。
【0025】また、連続壁は軟弱地盤を貫通し、硬質地
盤に達して構築され、しかも連続壁にはプレストレスが
導入されているため、構造物の永年の経過による地盤沈
下による悪影響を阻止することができるとともに、柱脚
部に過大な水平力が作用したとしても柱脚部の水平変位
を完全に阻止することができる。
盤に達して構築され、しかも連続壁にはプレストレスが
導入されているため、構造物の永年の経過による地盤沈
下による悪影響を阻止することができるとともに、柱脚
部に過大な水平力が作用したとしても柱脚部の水平変位
を完全に阻止することができる。
【図1】大スパン構造物の支持杭の構造を示す縦断面図
である。
である。
【図2】図1におけるa−a線断面図である。
【図3】大スパン構造物の支持杭の構造を示す縦断面図
である。
である。
【図4】図3におけるb−b線断面図である。
【図5】大スパン構造物の支持杭の構造を示す縦断面図
である。
である。
【図6】従来の大スパン構造物の支持杭の構造を示す縦
断面図である。
断面図である。
【図7】従来の大スパン構造物の支持杭の構造を示す縦
断面図である。
断面図である。
1…大スパン構造物、2…地中連続壁(連続壁)、3…
硬質地盤、4…シース、5…緊張材、6…基礎部、7…
フラジン部、8…鉄筋かご、9…トレミー管、10…コン
クリート。
硬質地盤、4…シース、5…緊張材、6…基礎部、7…
フラジン部、8…鉄筋かご、9…トレミー管、10…コン
クリート。
Claims (1)
- 【請求項1】 水平力の大きな大スパン構造物の柱脚部
に当該柱脚部を支持するために構築される大スパン構造
物の支持杭構造において、大スパン構造物の柱脚部に地
中連続壁を鉄筋コンクリートによって硬質地盤に達する
深さに構築し、当該地中連続壁のコンクリート中に緊張
材を大スパン構造物の中心方向に斜めに挿通するととも
に当該緊張材の下端部を硬質地盤に定着し、上端部を地
中連続壁の上端部において大スパン構造物の基礎部に定
着することにより構成される斜めアンカーを設けてなる
ことを特徴とする大スパン構造物の支持杭構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1996292A JP2508563B2 (ja) | 1992-02-05 | 1992-02-05 | 大スパン構造物の支持杭構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1996292A JP2508563B2 (ja) | 1992-02-05 | 1992-02-05 | 大スパン構造物の支持杭構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05214724A JPH05214724A (ja) | 1993-08-24 |
JP2508563B2 true JP2508563B2 (ja) | 1996-06-19 |
Family
ID=12013825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1996292A Expired - Lifetime JP2508563B2 (ja) | 1992-02-05 | 1992-02-05 | 大スパン構造物の支持杭構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2508563B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4536957B2 (ja) * | 2001-06-13 | 2010-09-01 | 株式会社技研製作所 | 擁壁、擁壁の施工方法並びに施工装置 |
-
1992
- 1992-02-05 JP JP1996292A patent/JP2508563B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05214724A (ja) | 1993-08-24 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19960220 |