JP2507572B2 - 研磨材の製造法 - Google Patents

研磨材の製造法

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JP2507572B2 JP32087788A JP32087788A JP2507572B2 JP 2507572 B2 JP2507572 B2 JP 2507572B2 JP 32087788 A JP32087788 A JP 32087788A JP 32087788 A JP32087788 A JP 32087788A JP 2507572 B2 JP2507572 B2 JP 2507572B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、研磨材の製造法に係り、特に天然の浮石砂
や軽石を原鉱にして、スパイラル選鉱によって、高硬度
の結晶鉱物を重鉱物として除去した研磨材、中でもブラ
ウン管用研磨材を、高い生産効率をもって製造する方法
に関するものである。
(背景技術) 天然に産する浮石砂や軽石は、全国各地に分布して、
それぞれの土地で色々な名前で呼ばれているが、特に南
九州地方ではシラスと呼ばれ、大量に存在している。ま
た、この浮石砂や軽石は、産地により、その粒度分布が
大きく異なり、例えば1000μm以上の粗粒を殆ど含まな
いものから、1000μm以上の粗粒を50%以上も含むもの
まで産出されている。例えば、上記の南九州に広く分布
するシラスにあっても、一次シラスと呼ばれる降下軽石
層と二次シラスと呼ばれる二次堆積軽石層の違い等によ
り、粗粒のものと細粒のものがあり、鹿児島県の鹿屋産
の一次シラスには10mm以上の粗粒が40%以上も含まれて
いることが知られている。
ところで、このような浮石砂や軽石は、古くから篩分
けにより整粒されて磨砂として賞用されているが、それ
らは天然のガラス質である火山ガラス以外に、結晶鉱物
として長石、石英、輝石、雲母、ジルコン、磁鉄鉱等を
含んでいる。而して、それら結晶鉱物のうち、雲母を除
く他のものは硬度が高く、そのために磨砂でガラスを研
磨した場合、その研磨面に深いスクラッチを残し、これ
が致命的な欠点となって、ブラウン管用研磨材としては
使用に適しないものであった。
そこで、本願出願人は、そのような問題を解決するも
のとして、特公昭50−6395号公報において、軽石等から
製造される高級研磨材並びにその製造方法を明らかにし
た。この先に提案した高級研磨材は、軽石等を原料とし
て、これをテーブル選鉱機により選鉱して、高硬度の不
純物を分離・除去することにより、不純物鉱物の含有率
を0.3重量%以下且つその最大粒径を100μm以下とした
ものであり、今日において、主としてテレビジョンのブ
ラウン管の研磨材として大量に使用されるに至ってい
る。
しかしながら、かかる製造方法において用いられるテ
ーブル選鉱機は、広い設置スペースを要する割りに、処
理能力が低く、また大量の水を必要とすること等から、
生産効率が低く、その精製に要するコストが高くなると
いう欠点があった。
(解決課題) ここでにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして
為されたものであって、テーブル選鉱とは異なる選鉱手
法により、高硬度の結晶鉱物を除去して、従来の研磨材
よりも平滑性に優れた研磨面を与え得る研磨材を生産性
よく製造しようとするものである。
(解決手段) そして、本発明は、かかる課題解決のために、(a)
天然産浮石砂若しくは軽石を原鉱として、10mm以上の粗
粒を含まない原料を準備する工程と、(b)該原料を分
級して、粘土分を除去し、5μm以下の粒子の含有量が
3重量%以下となるようにする工程と、(c)該粘土分
の除去された原料を、粉砕・分級操作若しくは篩分け・
粉砕・分級操作によって、最大粒子が800μm以下であ
り且つ45μm以下の粒子の含有量が20重量%以下となる
ように粒度調整する工程と、(d)該粒度調整された原
料をスパイラル選鉱機にかけて選鉱して、該原料中に混
在する重鉱物を分離除去せしめることにより、また該ス
パイラル選鉱の後、必要に応じて更に篩分け若しくは篩
分け・粉砕により粒度調整し、そして粉砕したものにつ
いては再度スパイラル選鉱操作にかけることにより、比
重が2.52以上の重鉱物の含有量を0.30重量%以下とした
天然ガラス質の製品を得る工程とを、含むことを特徴と
する研磨材の製造法を、その要旨とするものである。
要するに、かくの如き本発明は、浮石砂や軽石を原鉱
として、それより、従来のテーブル選鉱とは異なる選鉱
手法にて、重鉱物である高硬度の結晶鉱物を除去して、
特にブラウン管用として有用な精密研磨材を製造する方
法について、各種の選鉱方法にて実験研究を重ねた結
果、スパイラル選鉱によっても、その選鉱原料の調整に
より、製造可能であることを見い出し、完成されたもの
である。
そして、天然ガラスの比重は、気泡の多少によって差
があり、2.1前後であるが、結晶鉱物の比重は2.52以上
であり、このため結晶鉱物の混入量は2.52以上の重鉱物
の含有量を測定することによって測り得るが、ブラウン
管等の研磨面を精密に仕上げるためには、重鉱物の含有
量を0.30重量%以下にする必要があることを見い出した
のである。而して、重鉱物の含有量が0.30重量%以下
で、研磨面にスクラッチを発生させないブラウン管用精
密研磨材を、スパイラル選鉱機を使用して製造するため
に、スパイラル選鉱にかける原鉱の調整方法、スパイラ
ル選鉱の方法等についての種々の工夫を組み合わせるこ
とによって、目的とする研磨材を有利に製造することが
可能となったのである。
(具体的構成) ところで、かかる本発明に従って、天然に産する浮石
砂や軽石を原鉱にして、研磨材を製造する場合には、先
ず、粗粒を除去する必要がある。この粗粒を除去しない
で、スパイラル選鉱により研磨材を製造した場合には、
比重が2.52以上の重鉱物の量を0.30重量%以下にするの
は困難である。本発明者らは、如何なる粒径以上の粗粒
を除去する必要があるかについて知るため、各種の原鉱
の粗粒部のみを用いて、本発明に従う手法により選鉱し
て、重鉱物の含有量を調べた結果、原鉱の産地や風化の
程度により異なるが、少なくとも10mm以上の粗粒を除去
しなければならないことが分かった。
10mm以上の粗粒を粉砕してスパイラル選鉱しても、重鉱
物の除去が不充分となるのは、粗粒の原鉱には火山ガラ
スと重鉱物の結合の強固な部分があり、粉砕によっても
単体分離が不充分な粒子があるためと考えられる。な
お、この10mm以上の粗粒を除去するための篩分け操作に
は、各種の機械が使用され得るが、回転篩が簡便で適当
である。このように、浮石砂若しくは軽石原鉱より10mm
以上の粗粒を除去して研磨材製造原料が調製されるが、
またそのような粗粒を含まない原鉱にあっては、それが
そのまま研磨材原料として用いられるものであること
は、言うまでもないところである。
また、原鉱の浮石砂や軽石には、微粒部が含まれてい
る。特に、南九州に産する二次シラスと呼ばれている原
鉱中には、5μm以下の微粒子が多く含まれているが、
この微粒子をX線回折で調べてみると、ハロイサイトや
モンモリロナイト等の粘土鉱物が含まれていることが分
かった。このために、上記で調製された10mm以上の粗粒
を含まない研磨材材料は、そのスパイラル選鉱に先立
ち、それらの粘土鉱物を含む微粉を除去する必要があ
る。この微粉を除去しないままでスパイラル選鉱にかけ
た場合には、選鉱が不充分となる。この理由は、粘土の
混入によりスラリーの粘性が高くなることや、粒子の分
散が不充分になること等によるものと推定される。ま
た、粘土分の除去は分級による微粉カットで可能である
が、5μm以下の粒子の含有量が3重量%以下になるよ
うに分級する必要がある。なお、5μm以下の粘土鉱物
を含む微粒子の含有量が3重量%を越えたまま、本発明
の手法に従って研磨材を製造しても、比重が2.52以上の
重鉱物の含有量を0.30重量%以下にするのは困難であ
る。また、かかる分級の方法としては、粗粒除去後の原
料に水を加えて、充分撹拌した後、公知のドラム分級機
やサイクロン等を使用する方法がある。
次いで、この粘土分の除去された原料は、粉砕・分級
操作若しくは篩分け・粉砕・分級操作によって、最大粒
子が800μm以下であり、且つ45μm以下の粒子の含有
量が20重量%以下となるように粒度調整される。より具
体的には、粘土除去後の原料を振動ミル等の粉砕機を用
いて過粉砕にならないように粉砕し、250〜800μmの篩
を通し、篩上は粉砕機に戻すようにする。この振動ミル
を使用する場合、ミルの内張りはゴムライニングとし、
粉砕媒体はスチールボールとするのが適当であり、また
粉砕時間は5分以内とするのが望ましい。また、原料が
細粒で250〜800μm以下の粒子が多い場合には、最初に
篩をかけ、篩上のみ粉砕するのがよい。そして、この粒
度調整される原料に45μm以下の微粒が20重量%を越え
る割合において含有されている場合には、分級により45
μm以下の粒子の混入量を20重量%以下にする必要があ
る。45μm以下の粒子の混入量が20重量%を越える場合
には、スパイラル選鉱の精度が低下し、比重が2.52以上
の重鉱物の含有量を0.30重量%以下にするのは困難であ
る。なお、かかる分級操作には、各種の手法が採用され
得るものであるが、一般にサイクロン等が簡便で有効で
ある。
ところで、本発明における研磨材の粒度としては、使
用の目的に合わせて、最大粒径が400μm程度の製品か
ら150μm程度のものまでの各種が必要とされるが、250
μm以下程度の製品を製造する場合には、45μm以下の
粒子の発生量を減少させるために、製品の目標粒度より
粗粒で調整して、スパイラル選鉱するのが望ましい。ま
た、このスパイラル選鉱にかける原料中に800μmを越
えるような大きな粒子が含まれる場合も、精製純度が低
下するようになる。これは、800μmより大きな粒子に
は、火山ガラスと重鉱物との単体分離が不充分な粒子が
多いことと、原料の粒度分布幅が大きく、スパイラル選
鉱での分離が不充分になるためと考えられる。従って、
スパイラル選鉱にかける原料の粒度としては、最大粒径
が800μm以下で且つ45μm以下の粒子の混入量が20重
量%以下であることが必要である。
そして、この粒度調整された原料は、通常のスパイラ
ル選鉱機を用いてスパイラル選鉱され、かかる原料中に
混在する重鉱物、換言すれば高硬度の結晶鉱物が分離除
去せしめられ、以て比重が2.52以上の重鉱物の含有量を
0.30重量%以下とした天然ガラス質の研磨材製品が採用
されるのである。より具体的には、本発明におけるスパ
イラル選鉱の条件としては、スパイラル選鉱機として、
高さ:2896mm、直径:650mmのものを使用した場合、スパ
イラル選鉱機に供給される原料のスラリー濃度は4〜10
%が望ましく、また給鉱量は500〜2000g/分が適当であ
る。また、本発明にあっては、該スパイラル選鉱機は、
第1図(a)に示されるように、スパイラル選鉱機を構
成する樋の内面内側にゴム板が張り付けられることによ
り、かかる樋の断面形状が丸くされて、上部から流れ落
とされるシャワー水が、スラリーの流れを乱すのを防ぐ
ようにする必要がある。なお、第1図(b)は、前記樋
の一部を概略的に示す平面図であり、ゴム板が設けられ
ていることによって、シャワーの水によりスラリーの流
れが乱されることなく、重鉱物を有利に分離せしめ得る
のである。また、かかるシャワーの水量は、2〜5l/分
が適当である。そして、これらの選鉱条件を満たさない
場合には、選鉱により、重鉱物の含有量を0.30重量%以
下にするのは困難である。
また、製品の目標粒度より粗粒で調整してスパイラル
選鉱した場合には、選鉱後、篩分け・粉砕により粒度調
整する必要があるが、粉砕により新たに重鉱物が単体分
離するようになるところから、そのような場合には、再
度スパイラル選鉱により選鉱する必要がある。選鉱によ
り新たに単体分離される重鉱物の量は、原鉱の種類によ
り異なるが、再選鉱によって0.30重量%以下にまで精製
することが可能である。
なお、研磨材製品中の重鉱物の含有量の測定には、次
のような重液分離の方法が採用される。即ち、テトラブ
ロムエタンにエチルアルコールを加え、比重が2.52にな
るように調整した重液:200mlを分液ロートに入れ、試
料:100gを加えて栓をし、そして逆さにして30回上下に
振った後、ロートを台に乗せ、5〜16時間静置した後、
Vロートに濾紙5Cを乗せ、その上に分液ロートから重鉱
物を抜き、乾燥後、薬包紙に移して精秤する。本発明に
あっては、この測定法による重鉱物の含有量を0.30重量
%以下とするものである。一方、結晶鉱物の含有量測定
について、この重液分離の方法に代えて、X線回折法で
行なったところ、重鉱物の含有量が0.30重量%を越えて
も全く結晶鉱物のピークは認め得ないものであった。
ところで、かかる重鉱物の含有量が0.30重量%を越え
るようになると、以下の如き手法で研磨試験をした場合
に、研磨面にスクラッチが発生するようになるのであ
る。
すなわち、研磨試験は、回転式レンズ研磨機を使っ
て、2mm間隔で、2mm幅、深さ2mmの溝が掘ってあるゴム
板の上に、4インチブラウン管のフェイス部を設置し、
そして分銅で3.4kgの荷重をかけて、該ゴム板を回転数2
10rpmで回転させ、ブラウン管のフェイス部分を毎分120
回の速さで回転往復させながら、10%濃度で研磨材を懸
濁したスラリーを供給し、10分間研磨を行ない、加工面
の仕上がりを観察することにより、行なわれた。
(実施例) 以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更
に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、その
ような実施例の記載によって、何等限定的に解釈される
ものでないことは、言うまでもないところである。
また、本発明には、上記した具体的記述、更には以下
の実施例の他にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにお
いて、各種の態様において実施され得るものであり、本
発明がそのような実施態様のものをも含むものであるこ
とが、理解されるべきである。
実施例1 原鉱として宮崎県えびの市加久藤産のシラスを使用
し、その粒度分布は下表の通りであった。
また、かかる試料を篩分け、45μm〜250μmの部分
を採取して、その重液残渣量(重鉱物量)を求めたとこ
ろ、0.735重量%であった。
そして、このような原鉱10kgに対して水100lを加え、
均一に混合撹拌した後、1mmの篩で粗粒部を除去した。
なお、除去された粗粒は240gであった。次いで、この粗
粒を除去した原鉱より、水簸法で微粒部を除去した。こ
の除去された微粒量は840gであった。また、この微粒除
去後の原料中の5μm以下の粒子の含有率は1.2重量%
であった。更に、この除去した微粒をX線回折法で調べ
た結果、ハロイサイト、モンモリロナイト等の粘土鉱物
が含まれていることが分かった。
次いで、かかる微粒除去後の原料を400μmで篩分け
て、その篩下を採取し、スパイラル選鉱用試料を採取し
た。400μm篩上の原料は430gであったが、これをゴム
ライニング製の振動ミルとスチールボールで2分間粉砕
し、その粉砕物を400μmで篩分け、その篩下を採取
し、前記スパイラル選鉱用試料に加えた。この篩上部粉
砕−篩分けの操作を更に3回繰り返した。かくして得ら
れた試料をサイクロンにより分級して、その微粉部を除
去した。得られた試料は7250gであり、その粒度分布は
下表の通りで、45μm以下の粒子は9.0重量%であっ
た。
更にその後、このような粒度調整された試料に対し
て、グラスファイバー製のスパイラル選鉱機(2896mm×
640mmφ:オーストラリア,Mineral Deposits社製のMark
VI,7Turn Spiral Concentrator)を用いて、第1図
(a)に示されるように、樋内側部にゴム板を張り付
け、その断面形状に丸みをもたせた状態で、選鉱を行な
った。スパイラル条件は、給鉱濃度:7.4重量%、給鉱
量:1500g/分、シャワー水:3.0l/分であった。そして、
このスパイラル選鉱により得られた精鉱は3820gであ
り、尾鉱は3250gであった。
また、かくして得られた精鉱を250μmで篩分け、そ
の篩下を採取し、その篩上は、ゴムライニング製の振動
ミルとスチールボールで5分間粉砕して、250μmで篩
分け、更にその篩下を、前記と同じ条件でスパイラル選
鉱を行ない、そしてその精鉱を前記篩下に加え、脱水・
乾燥して、製品3480gを得た。得られた製品の重鉱物の
含有量は0.26重量%であった。
かくして得られた研磨材製品を用いて、ブラウン管研
磨試験を行なった結果、スクラッチのない極めて平滑性
に優れた研磨面を有するブラウン管を得た。
実施例2 原鉱として、岐阜県中津川市苗木産の浮石砂を使用し
た。その粒度分布は下表の通りであった。
この試料を篩分け、45μm〜250μmの部分を採取し
て、重液残渣量を測定した結果、1.62重量%であった。
先ず、この原鉱10kgに対して水100lを加え、均一に混
合撹拌した後、5mmの篩でその粗粒部を除去した。除去
した粗粒は440gであった。また、水簸法で、その微粒部
を除去した。除去した微粒の量は320gであった。この微
粒除去後の原鉱中の5μm以下の粒子の含有率は0.7重
量%であった。除去した微粒をX線回折法で調べた結
果、粘土鉱物としてハロイサイトが含まれているとが分
かった。
そして、かかる微粒除去後の試料をゴムライニング製
の振動ミルとスチールボールで2分間粉砕し、400μm
で篩分け、その篩下をスパイラル選鉱用試料とした。篩
上はゴムライニング製の振動ミルとスチールボールで2
分間粉砕し、400μmの篩下を採取して、前記スパイラ
ル選鉱用試料に加えた。更に、この篩上部粉砕−篩分け
の操作を2回繰り返した。こうして得られた試料をサイ
クロンにより分級し、その微粉部を除去した。得られた
試料は8310gであり、その粒度分布は下表の通りで、45
μm以下の粒子は10.5重量%であった。
次いで、かかる試料を、グラスファイバー製のスパイ
ラル選鉱機(2896mm×640mmφ:オーストラリア,Minera
l Deposits社製のMark VI,7Turn Spiral Concentrato
r)を用い、実施例1と同様にして、その樋の内側部分
にゴム板を張り付け、断面形状に丸みをもたせた状態に
して、選鉱を行なった。スパイラル条件は、給鉱濃度:
6.2重量%、給鉱量:1200g/分、シャワー水:3.0l/分であ
った。そして、このスパイラル選鉱により得られた精鉱
は3680gであり、尾鉱は4520gであった。
そして、この得られた精鉱を250μmで篩分け、その
篩下を採取し、またその篩上は、ゴムライニング製の振
動ミルとスチールボールで5分間粉砕して、250μmで
篩分け、その篩下を、前記と同様な条件下でスパイラル
選鉱を行ない、得られた精鉱を前記篩下に加えて、脱水
・乾燥し、製品3380gを得た。この得られた製品の重鉱
物の含有量は0.28重量%であった。
かかる製品を用いて、ブラウン管研磨試験を行なった
ところ、スクラッチのない、極めて平滑性に優れたブラ
ウン管を得ることが出来た。
実施例3 実施例1で使用した原鉱を用い、実施例1と同じ処理
方法で試料を調整し、また同じスパイラル選鉱機を使用
して、その条件を、給鉱濃度:8.2重量%、給鉱量:2500g
/分、シャワー水:3.0l/分に変えて選鉱した。この選鉱
により得られた精鉱は5100gであり、尾鉱は2000gであっ
た。
次いで、かくして得られた精鉱をウィルフレーテーブ
ル選鉱機(750mm×1500mm)にて選鉱した。テーブル条
件は、リッフル最大高さ:3mm、幅:7mm、間隔:35mm、衝
程:10mm、テーブル角度:6.0度、振動数:290rpm、スラリ
ー濃度:6.5重量%、給鉱スピード:175g/分、撒水量:8l/
分であった。これにより得られた精鉱は3600gであり、
尾鉱は1400gであった。
さらに、上記で得られた精鉱を250μmで篩分け、そ
の篩下を採取して、精製粒度調整品を得た。また、その
篩上をゴムライニング製の振動ミルとスチールボールで
2分間粉砕して、かかる粉砕物を250μmで篩分け、そ
の篩下を採取した。この粉砕−篩分けの操作を更に3回
繰り返して得られた試料を混合し、前記と同様な条件で
テーブル選鉱して、得られた精鉱を前記精製粒度調整品
に加え、脱水・乾燥して、製品3200gを得た。この得ら
れた製品の重鉱物の含有量は0.20重量%であった。
このようにスパイラル選鉱によって原料を粗選した
後、更にテーブル選鉱機を用いてテーブル選鉱(精選)
することにより、得られる製品中の重鉱物の含有量を低
下せしめ得、更には製品の生産性をも高めることが可能
となるのである。
また、かかる製品を用いて、ブラウン管研磨試験を行
なったところ、スクラッチのない、極めて平滑性に優れ
たブラウン管を得ることが出来た。
実施例4 実施例1と同じ原鉱を用いて、実施例1と同じ方法に
より、均一に混合撹拌し、粗粒部除去を行なった後、40
0μmで篩分け、その篩上の試料をゴムライニング製の
振動ミルとスチールボールで2分間粉砕し、更に、この
粉砕物を400μmで篩分けて、その篩下を採取した。こ
の粉砕−篩分けの操作を更に3回繰り返した。得られた
試料の重鉱物の含有量は0.65重量%であった。この試料
を実施例1と同じ選鉱条件でスパイラル選鉱した結果、
精鉱の重鉱物の含有量は0.21重量%となった。
比較例1 実施例2で使用した原鉱を用いて、その5mm以上の粗
粒を除去する工程を除く以外は、全く同じ手法によって
研磨材を製造した。得られた製品の重鉱物の含有量は0.
38重量%であり、この製品によってブラウン管研磨試験
を行なった結果、スクラッチが認められた。
比較例2 実施例1で使用した原鉱を用いて、実施例1と同様に
して、水中に均一に分散・混合せしめ、1mmの篩で粗粒
部を除去し、粘土分は除去しないで粒度を測定した結
果、−5μmの粒子の含有率は4.5重量%であった。そ
して、この試料を用いて、実施例1と同様な方法にて篩
分け・粉砕を行なって選鉱用試料を調整し、以下は実施
例1と同様な方法にて研磨材を製造した。得られた製品
の重鉱物の含有量は0.35重量%であり、この製品によっ
てブラウン管研磨試験を行なった結果、スクラッチが認
められた。
比較例3 実施例1で使用した原鉱を用い、実施例1と全く同じ
方法で、水との均一混合撹拌・粗粒部除去、微粒部除去
を行なった後、400μmの篩に代えて250μmの篩を使用
することと、振動ミルの振動時間を10分間にすること以
外は、全く同じ方法でスパイラル選鉱用試料を調整し
た。得られたスパイラル選鉱用試料は6950gであり、そ
の粒度分布は下表の通りで、45μm以下の粒子は25.3重
量%であった。
次いで、この得られたスパイラル選鉱試料を用いて、
実施例1と同じ方法でスパイラル選鉱し、得られた精鉱
を脱水・乾燥して研磨材を得た。この得られた製品の重
鉱物の含有量は0.37重量%であり、またこの製品によっ
てブラウン管研磨試験を行なった結果、スクラッチが認
められた。
比較例4 実施例1で使用した原鉱を用い、実施例1と同様な方
法にてスパイラル選鉱用試料を調整した。そして、樋の
内側にゴム板を張り付けていないスパイラル選鉱機を使
用して、シャワーによる水の供給を加えない以外は、実
施例1と同じ条件(給鉱濃度:7.4重量%、給鉱量:1500g
/分)にて、スパイラル選鉱を行なった。これにより得
られた精鉱は4130gであり、また尾鉱は2990gであった。
次いで、得られた精鉱を250μmで篩分け、その篩下
を採取して精製粒度調整品を得た。また、その篩上は、
ゴムライニン製の振動ミルとスチールボールで2分間粉
砕し、この粉砕物を250μmで篩分けして、その篩下を
採取した。この粉砕−篩分けの操作を更に3回繰り返
し、採取した篩下を混合して、前記と同じ条件にてスパ
イラル選鉱し、得られた精鉱を前記精製粒度調整品に加
え、脱水・乾燥して、製品3720gを得た。得られた製品
の重鉱物の含有量は0.35重量%であり、またこの製品に
よりブラウン管研磨試験を行なったところ、スクラッチ
が認められた。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、浮
石砂や軽石を原鉱にして、スパイラル選鉱により、高硬
度の結晶鉱物たる重鉱物を効果的に除去して、天然のガ
ラス質の研磨材が生産性よく有利に得られ、そしてその
ような研磨材を用いることにより、極めて平滑性に優れ
た研磨面を得ることが出来ることとなったのである。
また、本発明にあっては、スパイラル選鉱機を使用す
ることにより、従来のテーブル選鉱による方法に比較し
て、その設置スペースは1/10以下となって、使用水量及
び動力費も1/2以下となり、以て生産効率を向上すると
共に、精製に要するコストを低減し得たものであって、
そこに、本発明の大きな工業的意義が存するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)は、それぞれ、本発明に好適に用
いられるスパイラル選鉱機の樋を概略的に示す横断面図
及び部分平面図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然産浮石砂若しくは軽石を原鉱として、
    10mm以上の粗粒を含まない原料を準備する工程と、 該原料を分級して、粘土分を除去し、5μm以下の粒子
    の含有量が3重量%以下となるようにする工程と、 該粘土分の除去された原料を、粉砕・分級操作若しくは
    篩分け・粉砕・分級操作によって、最大粒子が800μm
    以下であり且つ45μm以下の粒子の含有量が20重量%以
    下となるように粒度調整する工程と、 該粒度調整された原料をスパイラル選鉱機にかけて選鉱
    して、該原料中に混在する重鉱物を分離除去せしめるこ
    とにより、また該スパイラル選鉱の後、必要に応じて更
    に篩分け若しくは篩分け・粉砕により粒度調整し、そし
    て粉砕したものについては再度スパイラル選鉱操作にか
    けることにより、比重が2.52以上の重鉱物の含有量を0.
    30重量%以下とした天然ガラス質の製品を得る工程と
    を、 含むことを特徴とする研磨材の製造法。
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