JP2507552Y2 - 流動層式加熱装置 - Google Patents

流動層式加熱装置

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JP2507552Y2
JP2507552Y2 JP5294790U JP5294790U JP2507552Y2 JP 2507552 Y2 JP2507552 Y2 JP 2507552Y2 JP 5294790 U JP5294790 U JP 5294790U JP 5294790 U JP5294790 U JP 5294790U JP 2507552 Y2 JP2507552 Y2 JP 2507552Y2
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新平 三浦
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Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、流動層を利用した加熱装置に関するもの
である。
〈従来の技術〉 従来、流動層を熱媒体とする流動層式加熱装置(以
下、加熱装置とも略称する)としては次のようなものが
提案されている。
この加熱装置は、一定量の耐熱性微粒子(以下、微粒
子とも略称する)が充填された耐熱性を有する槽と、槽
の底部(微粒子中)に設けられた燃焼ガス噴出装置とを
有している。その燃焼ガス噴出装置は、本体部とバーナ
部がほぼ一体的円筒形状をしており、槽の壁に設けられ
た挿入孔から本体部のみが槽内に挿入され、バーナ部は
本体部と同じ高さで本体部に隣接して槽壁を隔てて槽外
部に位置している。このバーナ部に燃料ガスおよびエア
が供給され、その燃料ガスが燃焼させられ、その高温の
燃焼ガスが本体部内に流出し、本体部の下面に設けられ
た多数の燃焼ガス噴出孔から槽内部に噴出する。この燃
焼ガスにより微粒子に熱が伝達されると同時に、微粒子
が流動状態となり流動層が形成される。そして、この流
動層内に入れられたワークが効率的に加熱される。
〈考案が解決しようとする課題〉 しかしながら、従来の加熱装置では、装置が休止中の
とき燃焼ガス噴出孔からその燃焼ガス噴出装置の本体部
内に微粒子が侵入し、さらにこの微粒子が本体部と同じ
高さで本体部に隣接するバーナ部内にまで侵入する。こ
のためバーナ部に再点火する際、それに先立ってバーナ
部から微粒子を取り除く必要がある。
また、円筒状の燃焼ガス噴出装置が槽の下部に設けら
れた挿入孔を通して槽外部から槽内部に挿入されている
ことから、この燃焼ガス噴出装置を取り外すと、その槽
内に充填されている微粒子がその挿入孔から流出するこ
ととなる。したがってメンテナンス等のため燃焼ガス噴
出装置を取り外す際には、予め槽から微粒子を除去して
おく必要があるが、これは面倒な作業である。
本考案は、休止中にバーナ部内に微粒子が侵入するこ
とがなく、また、燃焼ガス噴出装置を取り外す際に槽内
から微粒子を取り除く必要もない流動層式加熱装置を提
供することを課題とする。
〈課題を解決するための手段〉 本考案は、上記の課題を解決するためになされたもの
であり、耐熱性を有する槽と、その槽内に着脱可能に設
けられた燃焼ガス噴出装置と、その槽内に一定量充填さ
れ、主として前記燃焼ガス噴出装置により流動状態にさ
れることにより流動層を形成する耐熱性微粒子とを有す
るものである。
そして、前記燃焼ガス噴出装置は、複数個の燃焼ガス
噴出孔を有し前記槽の底部において前記微粒子中に位置
する本体部と、この本体部に連通するとともに前記槽内
を上方に向かって延びる管部と、その管部に連結され前
記流動層の流動休止状態において前記本体部の燃焼ガス
噴出孔からその本体部を経て前記管部に侵入する前記微
粒子の最上面より高い位置にあって、前記本体部の燃焼
ガス噴出孔から噴出される燃焼ガスを発生させるバーナ
部と、前記槽の上部からその槽内に入れられ、前記バー
ナ部に燃料ガスおよび燃焼用気体を供給する各管路とを
有するものである。
〈作用〉 このような流動層式加熱装置においては、本装置の休
止中に燃焼ガス噴出装置の燃焼ガス噴出孔からその本体
部や管部に侵入する微粒子の最上面より高い位置にバー
ナ部が設けられていることから、微粒子はバーナ部内に
侵入しない。
また、燃焼ガス噴出装置が槽内に着脱可能に取り付け
られており、バーナ部に燃料ガスおよび燃焼用気体(空
気等)を供給する各管路が槽の上部から槽内に入れら
れ、その他の部分(本体部等)はそれらの管路と接続さ
れている。したがって、燃焼ガス噴出装置を槽内から取
り出したり再度槽内に入れるのは、槽の上部を通して行
われる。
〈実施例〉 以下、本考案の一実施例を第1図〜第4図に基づいて
説明する。
第1図に示す流動層式加熱装置1は、金属からなる有
底楕円筒状の槽2を有している。この槽2内には一定量
のアルミナまたはジルコン等の微粒子3が充填されてい
る(図面ではその一部のみを示す)。ここで、非流動状
態(装置の休止状態)における微粒子3の上面をFとす
る。この槽2は中程の高さの部分に支え2aを有してお
り、槽2の外側をセラミックファイバーからなる断熱材
5(その外側は円筒状)が被っていて、さらにその外側
を金属からなる有底円筒状の外殻体6が被っている。こ
の外殻体6には脚部6aが設けられている。
槽2の上端には外周が円形のフランジ4が形成されて
おり、このフランジ4にはドーナツ状の上板7がボルト
締めされて取り付けられている。この上板7の外周はフ
ランジ4の外周と同じ大きさの円形であり、内周は槽2
の開口より少し小さいほぼ円形のものである。
槽2には上板7に設けられた切欠8a,8bを通して燃焼
ガス噴出装置10が取り付けられている。
この燃焼ガス噴出装置10は、上板7の上方から槽2内
を垂直に底部方向に延びる2本の垂直管部11a,11bと、
槽2の底部において両垂直管部と接続される本体部12と
を有している。この燃焼ガス噴出装置10の固定は、垂直
管部11a,11bの上部に設けられたフランジ13a,13bが上板
7にボルト締めされてなされている。
2本の垂直管部11a,11bとも微粒子3の上面Fの高さ
より上の部分には、内側に同心的に管が挿入され、内側
の管が上方から下方へ燃料ガスが流れるガス管路14a,14
bを構成し、外側の管(正確には外側の管と内側の管と
の間)が同方向にエアが流れるエア管路15a,15bを構成
している。
微粒子3の上面Fの高さと同一の高さであるガス管路
14a,14bの下端は、燃料ガスとエアが混じり合う箇所で
あり、各々着火用の電子プラグ(図示せず)が設けら
れ、バーナ部16a,16bが形成されている。垂直管部11a,1
1bのバーナ部16a,16bより下の部分は、エア管路15a,15b
と一体的に連続して燃焼ガス管路17a,17bを形成してい
る。これらは、バーナ部16a,16bで発生した燃焼ガスを
本体部12の方へ流出させるものである。
本体部12は環状および直線状の管からなっており(第
4図参照)、その下面には多数の燃焼ガス噴出孔18が設
けられている。このように噴出孔18が下面に設けられて
いるのは、上面に設けられた場合より微粒子3の侵入が
少ないため、および槽2内での燃焼ガスの流れがより分
散され乱れたものとなり微粒子3が流動化しやすいため
である。
また、2本の垂直管部11a,11bの各上端には、管継手
部19a,19bが取り付けられている。これらは、各々ガス
入口20a,20bと、エア入口21a,21bとを有し、いずれも図
示しないが各々途中に電磁弁を有する外部ガス管路,外
部エア管路に接続されている。
そして、管継手部19a,19bを経て外部から流入する燃
料ガス,エアが、ガス管路14a,14b、エア管路15a,15bを
通り、バーナ部16a,16bへ供給されそこで燃料ガスが燃
焼する。その高温の燃焼ガスが燃焼ガス管路17a,17bを
通り、本体部12の燃焼ガス噴射孔18から槽2内の微粒子
3中に噴出する。これにより、微粒子3が高温になると
ともに、微粒子3が流動状態となり流動層が形成され
る。なお、この燃焼ガス噴出装置10の燃焼ガス噴出量の
制御は、外部ガス管路,外部エア管路に設けられた上述
の各電磁弁がオンオフ制御により開閉されることにより
行われる。
また、加熱装置1には補助エア噴出装置30が設けられ
ている。これは低温加熱等をするために燃焼ガス噴出装
置10の燃焼ガス噴出量が少なく制御されて、その燃焼ガ
スのみでは微粒子3の流動化が十分でない場合に、その
流動化の補助をするものである。この補助エア噴出装置
30は、上板7に設けられた切欠31(第3図参照)を経て
槽2内を下方へ延びるエア管路32と、槽2の底部(槽2
の底と燃焼ガス噴出装置10の本体部12との間)に設けら
れた環状の本体部34とを備え(第4図参照)、本体部34
の下面には多数の補助エア噴出孔33が設けられているか
らなっている。この補助エア噴出装置30の槽2に対する
取付けは、燃焼ガス噴出装置10と同様に、エア管路32の
上部に設けられたフランジ35が上板7にボルト締めされ
て行われる。このエア管路32の上流側には、いずれも図
示はしないが電磁弁を有する外部エア管路に接続されて
おり、その電磁弁のデューティー制御により補助エア噴
出量が制御される。
槽2の底部にはワーク載置台40が置かれている。この
ワーク載置台40は金属からなり、燃焼ガス噴出装置10の
本体部12と槽2の底との間隔より若干長い4本の棒状の
脚部40aと網状の台部40bからなっている。
また、槽2内には、槽2内の温度を測定する熱電対45
a,45bが、上板7に設けられた2つの小孔46a,46b(第3
図参照)を貫通して取り付けられている。
この槽2の上面には蓋50が取り付けられている。
この蓋50は第1図から明らかなように内側にセラミッ
クファイバーからなる断熱材を含み、外側が金属からな
るものであって、上板7の開口より一回り大きく、かつ
第3図に示すように、上板7を貫通する燃焼ガス噴出装
置10の垂直管部11a,11b、補助エア噴出装置30のエア管
路32、および熱電対45a,45bとの干渉を避けた平面形状
のものである。
この蓋50には外部から槽2内を確認するために耐熱ガ
ラスを有する覗孔51が設けられている。また、蓋50には
排気筒部52も設けられている。これは、燃焼ガス噴出装
置10,補助エア噴出装置30から噴出され微粒子3中を通
った後の燃焼ガス等を、槽2内から排気するためのもの
である。第1図に示すようにこの排気筒部52の蓋50より
槽2内の側の部分には、円板53が数本の脚部54を介して
取り付けられている。流動化状態の微粒子3が排気筒部
32から槽2外へ飛散することを防ぐためである。
また、槽2の外殻体6および蓋50のまたがって、第2
図ないし第3図に示す蓋開閉装置55が取り付けられてい
る。これは外殻体6に支持されたシリンダ56を有してお
り、そのピストンロッド57が一対の開閉アーム58の一端
にピン59を介して連結されている。開閉アーム58は、そ
の他端が蓋50に固定されるとともに中間部において軸61
により垂直面内で回動可能に指示されていて、上記シリ
ンダ56が伸縮することにより蓋50が開閉される。
以上の加熱装置1はマイクロコンピュータを内蔵した
電子制御装置(以下、制御装置とも略称する)60を備え
ている。この制御装置60は、前述の外部ガス管路,外部
エア管路および外部補助エア管路の各電磁弁に接続され
るとともに、槽内温度測定のための熱電対45a,45bに接
続されている。そして制御装置60は、ワークWの加熱温
度の設定、熱電対45a,45bによる槽2内の温度検出、槽
内実際温度を設定加熱温度にフィードバックすることに
よる燃焼ガス噴出量の制御、および燃焼ガス量が一定以
下の場合の補助エア噴出量の制御を行うとともに、蓋50
の開閉制御を行う。
次に、以上のような加熱装置1の使用方法を説明す
る。
ワークWの加熱温度を制御装置60で設定し、燃焼ガス
噴出装置10を作動させる。すると、制御装置60の制御の
下で、燃焼ガス噴出孔18から高温の燃焼ガスが槽2内の
微粒子3中に噴出し、微粒子3が加熱されるとともに微
粒子3が流動状態となり流動層が形成される。また、必
要に応じて補助エア噴出部30から補助エアが噴出され
る。そして、蓋50を開き、微粒子3内のワーク載置台40
の上にワークWを入れた籠Cを載置する。すると、この
ワークWには、設定温度状態となった流動層の微粒子3
により効率的に熱が伝達がされ、ワークWは設定温度ま
で加熱される。これにより金属の熱処理(例えば焼戻
し,焼なまし等),金型の予熱等を効率的に行うことが
できる。
なお、この加熱装置1によれば、本装置1内に高温状
態のワークWを入れ、燃焼ガス噴出装置10または補助エ
ア噴出装置30を作動させることにより、ワークWを設定
温度まで冷却することもできる。
この加熱装置1は、燃焼ガス噴出装置10のバーナ部16
a,16bが微粒子3の上面Fと同一の高さ(その上面Fよ
り低くない位置)に設けられていることから、この加熱
装置1の休止中に燃焼ガス噴出孔18から垂直管部11a,11
bに微粒子3が侵入しても、その微粒子3がバーナ部16
a,16bに侵入することがない。したがって、この加熱装
置1は、一旦休止させた後にもバーナ部16a,16bから微
粒子3を取り除く作業を要することなく、スムーズに再
稼動させることができる。
また、燃焼ガス噴出装置10や補助エア噴出装置30が槽
2の上部を通して槽2内に取り付けられていることか
ら、メンテナンス等のためにこれらを槽2から取り外す
際は槽2の上部を通して行う。したがって、その際に微
粒子3が槽2内から流出することがなく、前もって微粒
子3を槽2内から除去しておく必要がない。なお、燃焼
ガス噴出装置10を取り外す際、補助エア噴出装置30を作
動させて微粒子3を流動化させておくと、その取外作業
を容易に行うことができる。
この実施例では、燃焼ガス噴出装置10のバーナ部16a,
16bが、垂直管部11a,11bにおいて、流動休止状態におけ
る微粒子3の上面Fと同一の高さに設けられているが、
バーナ部16a,16bはその高さよりも高い位置に設けられ
てもよい。また、その高さより低い位置であっても、休
止状態における微粒子3が燃焼ガス噴出孔18から本体部
12を経て垂直管部11a,11bに侵入する際の最上面よりも
高い位置であるならばよい。
また、燃焼ガス噴出装置10は2本の垂直管部11a,11b
を有しているが、その数は1本または3本以上であって
もよい。また、本体部12等の燃焼ガス噴出装置10の形状
は他の形状であってもよい。
また、補助エア噴出装置30は必ずしも不可欠ではなく
省略することもできる。
また、燃焼ガス噴出装置に用いる燃焼用気体は、エア
に限らず、酸素等であってもよい。
その他、当業者の知識に基づき種々の変更を加えた態
様で本考案を実施できることはもちろんである。
〈考案の効果〉 本考案に係る加熱装置は、流動休止中、静止状態の微
粒子が燃焼ガス噴出装置のバーナ部に侵入しないことか
ら、バーナ部から微粒子を取り除く等の特別な作業を行
う必要もなくスムーズに再稼動させることができる。
また、燃焼ガス噴出装置を槽から取り外すのは槽の上
部を通して行うことから、予め槽から微粒子を除去する
等の作業を行うことなく、燃焼ガス噴出装置を容易に槽
から取り外すことができる。このためメンテナンスも簡
単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は、本考案の一実施例である流動層
式加熱装置を示し、第1図はその正面断面図(一部正面
図)、第2図は側面図、第3図は平面図である。第4図
は第1図におけるIV…IV断面図(ただし、微粒子3は省
略)である。 1…流動層式加熱装置 2…槽 3…微粒子 7…上板 10…燃焼ガス噴出装置 11a,11b…垂直管部 12…本体部 14a,14b…ガス管路 15a,15b…エア管路 16a,16b…バーナ部 30…補助エア噴出装置 F…微粒子3(休止状態)の上面 W…ワーク

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性を有する槽と、 その槽内に着脱可能に設けられた燃焼ガス噴出装置と、 その槽内に一定量充填され、主として前記燃焼ガス噴出
    装置により流動状態にされることにより流動層を形成す
    る耐熱性微粒子と を有し、 かつ、 前記燃焼ガス噴出装置が、 複数個の燃焼ガス噴出孔を有し、前記槽の底部において
    前記微粒子中に位置する本体部と、 この本体部に連通するとともに前記槽内を上方に向かっ
    て延びる管部と、 その管部に連結され前記流動層の流動休止状態において
    前記本体部の燃焼ガス噴出孔からその本体部を経て前記
    管部に侵入する前記微粒子の最上面より高い位置にあっ
    て、前記本体部の燃焼ガス噴出孔から噴出される燃焼ガ
    スを発生させるバーナ部と、 前記槽の上部からその槽内に入れられ、前記バーナ部に
    燃料ガスおよび燃焼用気体を供給する各管路と を有することを特徴とする流動層式加熱装置。
JP5294790U 1990-05-21 1990-05-21 流動層式加熱装置 Expired - Lifetime JP2507552Y2 (ja)

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