JP2507371B2 - ライフルストツク - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はパネル部材を嵌め込んだライフルストックに
関する。

［従来の技術及びその問題点］ ライフルストックすなわちライフル銃の銃床は一般に
木あるいは合成樹脂で形成されている。このストックに
は装飾及び滑り止めの凹凸がエンボス加工あるいはその
他の手段により浮き彫りされている。また、ライフルス
トックは、ABS（アクリロニトリル ブタジエン スチ
レン）ポリマー、フェノールあるいはナイロン等の合成
樹脂材で形成されているものもある。合成樹脂製のスト
ックには木目に似せた模様を施したものもある。

合成樹脂製のストックは木製のものに比較して重いと
いう点で問題がある。このため、軽量化する試みがなさ
れてきたが、強度が不足する場合が多い。また、合成樹
脂製のストックは暖かみ及び木の感触に欠ける。

本発明は上述に鑑みてなされたもので、ライフルスト
ックの強度を低下させることなく軽量化を図ることを目
的とする。

［問題点を解決するための手段、作用及び効果］ 本発明によるライフルストックは、銃身を支える鞍状
部を配置した前部と、トリガーを有する中央部と、オペ
レータの肩に合う大きさの肩当部とを具備し、ウェブ壁
を備えた成形樹脂製のフレームが、中央部と、他の２つ
の部分すなわち前部及び肩当部との一方に配置されて構
造材を形成し、常にバランスを保持する。この合成樹脂
のフレームは壁部を形成するウェブを含む軽量で鋳込み
成形容易な構造を備え、このウェブは所定の厚さ、間隔
で開口が形成され、組立てが容易である。また、このフ
レームは一体的に結合された２又はそれ以上のフレーム
部材で形成することも可能である。

更に、本発明によると、フレームに木あるいはその他
の材料で形成されたパネル部材を収容する有縁の凹部が
設けられ、この凹部領域にパネル部材が嵌合されてフレ
ームの凹部に固着あるいは押圧され、ライフルストック
の強度を増大し、握り易くかつ形のよいものとなる。

［実施例］ 第１図乃至第18図に示す実施例においては、ライフル
ストック８は、前部（forearm stock section）10と、
中央部（mid-stock section）11と肩当部（butt stock
section）12とから形成されている。このストック８は
射出成形あるいは他の成形方法により一体的に形成され
ている。また、このストック８は複数のフレーム部材を
適宜の結合手段により組立てて形成することもできる。
ライフルストック８は水平方向及び垂直方向の多数のウ
ェブ壁14を有する連続的なフレームを形成するウェブ構
造13を備える。ウェブ壁14は射出成形、積層成形等通常
の方法により容易に形成できる厚さと間隔に形成されて
いる。好ましい材料としては、ナイロン、ナイロンを主
要部とした材料、ABS、ガラス繊維あるいは他の好適な
合成樹脂であり、以下には単に合成樹脂と称する。

このライフルストックは射出成形により形成するのが
好ましく、この場合に、モールドのキャビティは通常の
射出成形技術において迅速かつ経済的に形成できる大き
さ、形状及び構造とすることが好ましい。ウェブ壁14は
所定の厚さと離隔した凹部開口とを有し、本発明により
容易に射出成形でき、更に、必要な強度、剛性及び外観
は嵌めこみパネル部材とこのパネル部材を所定位置に保
持する固着手段とにより得ることができる。

肩当部のウェブ壁14は垂直壁14sと円筒状壁14cとを含
む。ウェブ壁14は更に前部左側の垂直壁部14lと右側の
垂直壁14rと基部壁14bとを備える（第４図乃至第７
図）。前部の壁部14l,14rは、対に形成されて後述する
成形パネルを収容するための開口凹部すなわちパネル収
容凹部15r,16r,15l,16lを有し、このパネル収容凹部に
は形成パネルとしての木製の嵌め込みパネル17r,17lを
収容する有縁部7r,7lが設けられている。このパネル収
容凹部15r,16r,15l,16lは垂直壁17r,17lの開口18r,18l
の一部で形成されている。有縁部7r,7lは角度をもって
交差する平坦な接合部であるシート面7a,7bを有する。
垂直壁14l,14rは更にフレーム開口18r,18l及び19r,19l
を含み、成形を容易とすると共に重量を減少し、充分な
構造的強度を保持させる。

固着部材組立体20はパネル部材17r,17lを凹部16r,16l
内に強固に固着する（第９図及び第10図）。この固着部
材組立体20は頭部付きボルト21とねじ付きナット22とを
含み、これらのボルトとナットとはパネル部材に設けら
れた固着部材を収容する窪み23,24内に収容され、同一
面に形成される。あるいは、必要ならばパネル部材17r,
17lを突出させることもできる（平坦な同一面ではな
く）。ボルト21はスペーサ部材26（第１図及び第８図）
内に形成された開口26aを挿通される。固着手段組立体2
0はパネル部材17r,17lを、シート面7a,7bを含む有縁部7
r,7lに対して押圧する。

嵌め込みパネル部材17r,17lはフレームウェブ構造13
を構造的に強くし、更に、色及び織りを通してストック
８を装飾する機能を有する。パネル部材17r,17lは木で
形成されるのが好ましいが、必要な強度を有しかつ望ま
しい感触及び外観を呈する他の同様な部材あるいは剛性
樹脂材料を用いることもできる。基部壁14bはライフル
の機械装置あるいは機構を装着する開口27,28を含み、
ライフルの機械部（図示せず）をストック（第８図）に
装着あるいは固着する。基部壁14bは更に一体的に形成
されたトリガーガード31を含む。第11図には更に、右側
の垂直壁14rに設けられたライフルの遊底（図示せず）
を収容する切欠部42が示されている。

第12図乃至第16図を参照すると、トリガーガード31の
後方に、ストック中央ウェブ壁32r,32l、上壁32a,底壁3
2bを含むストック中央部11が示されている。更に、第12
図及び第14図を参照すると、肩当部12は下部基部ピース
38と上部の中空円筒状の湾曲ピース14sとを有して成形
された中央の垂直ウェブ14sで形成されている。湾曲ピ
ース14sは円筒状の中空部14c第３図及び第14図）を有す
る。

第15図乃至第18図では、中央パネル部材36r,36lはパ
ネル部材を収容する有縁部44内に配置されている。有縁
部44は平坦なシート面46r,46l,47r,47lを含み、これら
のシート面は交差し、周囲の輪郭線を限定する。固着手
段組立体49はボルト51とナット52を含み（第13図及び第
15図）、パネル部材36r,36lを平坦なシート面46r,46lに
押圧し、フレームの強度を増大する。更に、架橋あるい
は連絡板ピース39r,39lが示されている。この中央部11
は開口40が設けられている（第18図）。

第19図乃至第24図を参照すると、本発明の他の実施例
が示してあり、この実施例では、前部及び中央部の嵌め
込みパネルの形状及び固着手段が相違している。前部の
パネル部材50r,50lは２の固着手段組立体55,56で固着さ
れ、ストック前部10′の前端部はバレルサポートピース
57′を装架している。第22図においては、肩当部の右側
壁61r,左側壁61、上部壁61a及び基部壁61bは、肩当部
12′内に中空チャンバ63を形成し、このチャンバ63は上
部から底部まで延在する。肩当部のクッションピース65
は肩当部12′の端部を覆う（第21図）。左右のパネル部
材58r,58lは左右のパネル収容凹部の有縁部67r,67l内に
装着される。各有縁部67r,67lはシート面68r,68l及び70
r,70lを含み、これらのシート面は周囲の輪郭線71r,71
に沿って交差する。第20図、第23図及び第24図におい
ては、前部のパネル部材50r、50lは前部のパネル収容部
の有縁部74r,74l内に示されている。固着手段組立体55
は頭部付きボルト76とねじ付きナット77とを含み、パネ
ル凹部78,80内に配設されて平坦な外観を呈する。銃身
はバレルサポートピース57′内に載置される（第24
図）。

第25図乃至第29図は更に他の実施例を示し、この実施
例におけるストックは構造部材として前部中央ウェブ壁
83と、上部鞍状壁84と、基部壁86とを備えている。スト
ックの前部10″の先端部には先端開口89が形成されてお
り、ライフルの構成部品（図示せず）を収容する。スト
ックの前部先端の鞍状壁部84が銃身91を支持する（第29
図）。更に、有縁部93r,93l内に前部パネル部材92r,93l
が配置され、これらのパネル部材は固着手段組立体94に
よりフレームのウェブ構造13″に押圧されている。

第30図及び第31図は更に実施例の斜視図を示し、この
実施例では前部パネルシート面100r,100l（図示せず）
は前部嵌め込みパネル部材101r,101の平面と平行に形
成されている。このパネル部材101r,101はフレームピ
ース103r,103lに当接し、更に、有縁部105r,105lに当接
して固着部材組立体104で押圧される。ストック中央部
のパネル部材102r,102lは互いに同様に形成され、ほぼ
直角の縁部106r,106lを備えている。パネル部材102r,10
2lは有縁部110r,110lに当接する。更に、キャップ113が
示されている。

次に、第32図乃至第35図は更に他の実施例を示し、こ
の実施例のストックは肩当部においてチークパネルすな
わち頬に当たるＵ字状の嵌め込みパネル部材108を有
し、このパネル部材は固着手段107を用いて肩当部のウ
ェブ部に固着されている（第33図）。ストック部109は
肩当部の前部中空部111と後部中空部112との間に凹部11
0を備えている。更に、この実施例ではストック中間部
の嵌め込みパネル部材114と肩当部の端部116とが示され
ている。

第36図乃至第39図には、頬に当たる部分のチークパネ
ル部材の変形例が示されており、この場合には肩当部の
前部118と後部120との間の凹部117は木製の嵌め込みチ
ークパネル121を装架している。木は合成樹脂よりも暖
かな感触を与え、したがって、望ましいチークパネルと
して作用する。この肩当部の前部中空部118と後部中空
部120は上部及び下部内側のチャンバ118a,118b,120a,12
0bを形成する。更に、固着手段122、中間部パネル部材1
23、肩当部端部板124及びこの固着ねじ126,127が示され
ている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例によるライフルストックの右
側立面図、第２図は平面図、第３図は第１図の３−３線
に沿う断面図、第４図は第１図の４−４線に沿う断面
図、第５図は第１図の５−５線に沿う断面図、第６図は
第１図の６−６線に沿う断面図、第７図は第１図の７−
７線に沿う断面図、第８図は第２図の８−８線に沿う断
面図、第９図はストック前部の一部を拡大した右側立面
図、第10図は第９図の10-10線に沿う断面図、第11図は
第８図の11-11線に沿う断面図、第12図はストック後部
の肩当部を拡大して示す右側立面図、第13図はストック
の中間部の一部を拡大して示す右側立面図、第14図は第
12図の14-14線に沿うストック後端の立面図、第15図は
第13図の15-15線に沿う断面図、第16図は第12図の16-16
線に沿う断面図、第17図は第12図の17-17線に沿う断面
図、第18図は第12図の18-18線に沿う説明図、第19図は
本発明によるライフルストックの他の実施例の肩当部の
右側立面図、第20図は本発明によるライフルストックの
他の実施例の肩当部の右側立面図、第21図は第19図の21
-21線に沿う説明図、第22図は第19図の22-22線に沿う断
面図、第23図は第20図の23-23線に沿う断面図、第24図
は第20図の24-24線に沿う断面図を示す。第25図乃至第2
9図は更に第３の実施例のライフルストックを示し、第2
5図は一部の右側立面図、第26図は第29図の26-26線に沿
う断面図、第27図は第25図の27-27線に沿う分解断面
図、第28図は第25図の28-28線に沿う断面図、第29図は
第25図の29-29線に沿う断面図を示す。第30図は第４の
実施例のライフルストックの中間部の分解斜視図、第31
図は第30図のライフルストックの前部の分解斜視図、第
32図は第５の実施例における肩当部に成形されたチーク
パネル収容凹部を示すライフルストックの一部の右側断
面図、第33図は第32図の33-33線に沿う断面図、第34図
は第32図の34-34線に沿う断面図、第35図は第32図の35-
35線に沿う端部立面図、第36図は第６の実施例における
肩当部に成形したチークパネル凹部を示すストックの一
部の右側立面図、第37図は第36図の中心線を通る垂直面
に沿う肩当部の長手方向断面図、第38図は第36図の38-3
8線に沿う断面図、第39図は第36図の39-39線に沿う断面
図である。 7,44,67,74,93,105,110……有縁部、８……ライフルス
トック、10……前部、11……中間部、12……肩当部、13
……ウェブ構造、14,32……ウェブ壁、15,16……パネル
収容凹部、17,36,50,92,101,102……パネル部材、18,19
……フレーム開口、20,49,55,56,94,122……固着手段組
立体、31……トリガーガード、38……基部ピース、65…
…クッションピース、108,121……チークパネル。

Claims (9)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】銃身を支える鞍状部を配置した前部と、ト
   リガーを有する中央部と、オペレータの肩に合う大きさ
   の肩当部とを具備するライフルストックであって、 前記中央部と前記前部及び肩当部との一方に配置されて
   構造材を形成する、ウェブ壁を備えた成形樹脂製の構造
   フレームと、 このフレームのウェブ壁に形成されてこのライフルスト
   ックの重量を軽減する開口凹部と、 この開口凹部内に嵌込まれる成形パネルと、 この開口凹部内に嵌込んだ成形パネルを前記ウェブ壁に
   固着して前記フレームの強度を増大させる固着手段と、
   を具備するライフルストック。
2. 【請求項２】前記フレームは、前部と中央部と肩当部と
   の各部を通して延在する一体構造に形成される特許請求
   の範囲第１項記載のライフルストック。
3. 【請求項３】前記開口凹部は、内周部に沿って成形され
   た接合部を有し、前記成形パネルは、前記固着手段によ
   りウェブ壁に固着されたときにこの接合部の平面部に係
   合してフレームの強度を増大させる特許請求の範囲第１
   項記載のライフルストック。
4. 【請求項４】前記フレームは、互いに離隔しかつ鋳込み
   成形可能なウェブ部を備え、軽量かつ強固に形成される
   特許請求の範囲第１項記載のライフルストック。
5. 【請求項５】前記フレームは、中央ウェブ部と、上部ウ
   ェブと、基部ウェブ部とを有する特許請求の範囲第１項
   記載のライフルストック。
6. 【請求項６】前記フレームは、射出成形により形成され
   る特許請求の範囲第１項に記載のライフルストック。
7. 【請求項７】前記開口凹部は、フレームの開口部として
   形成される特許請求の範囲第１項記載のライフルストッ
   ク。
8. 【請求項８】前記開口凹部に嵌込まれる成形パネルは、
   木製である特許請求の範囲第１項に記載のライフルスト
   ック。
9. 【請求項９】前記開口凹部に嵌込まれる成形パネルは、
   合成樹脂製である特許請求の範囲第１項に記載のライフ
   ルストック。