JP2507056B2 - 書換え可能な光記録媒体およびその記録・再生・消去方法 - Google Patents

書換え可能な光記録媒体およびその記録・再生・消去方法

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JP2507056B2
JP2507056B2 JP1156527A JP15652789A JP2507056B2 JP 2507056 B2 JP2507056 B2 JP 2507056B2 JP 1156527 A JP1156527 A JP 1156527A JP 15652789 A JP15652789 A JP 15652789A JP 2507056 B2 JP2507056 B2 JP 2507056B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は光で情報の記録,再生,消去を行うデーター
ファイルやデジタルオーディオディスクなどに使われる
書換え可能な光記録媒体およびその記録・再生・消去方
法(以下消録法と称す)に関するものである。
従来の技術 近年、光ディスクは高密度,大容量,高速アクセス等
の利点を有するためにデーターファイル等に応用されつ
つある。
光ディスクには大きく分けて三つのタイプがある。予
め書き込まれた情報を再生するだけの読み出し専用タイ
プ、予め書き込まれた情報に加えて新たな情報を書き込
める追記タイプ、書き込み(記録)も消去も繰り返し行
える書換え可能タイプである。もっともニーズの多いの
は書換え可能タイプのもので、本発明もこのタイプに関
するものである。
書換え可能タイプにも何種類かの方式がある。レーザ
ー光の熱を利用して光記録媒体に相転移(結晶相アモ
ルファス相)を起こし、光の反射率変化を読み取る相変
化タイプ、キュリー温度以上にレーザー光で磁性膜を加
熱し、磁場の印加によりピットの磁化方向を書換え、カ
ー効果による偏光面の変化を読み取る光磁気タイプ、有
機色素の光吸収による吸収波長等のシフトを利用したフ
ォトクロミズムタイプ、レーザー光の熱を用いてドーム
状の隆起を発生させたり消去したりする二層タイプのも
の等がある。例えば、光ディスク記録用材料の現状と動
向、小深田美恵子、オプトロニクス、No.12(1987) 相変化タイプのものは、線速の遅い時に光記録媒体の
熱伝導のためにピットがにじんで大きくなる欠点を持
ち、光磁気タイプは材料コストが高く、光学系も複雑に
なる欠点が、またフォトクロミズムタイプでは信号の劣
化を生じ易い欠点を持つ。本発明はドーム状の隆起を形
成して記録を行う二層タイプに関するものである。
このタイプのものには第1層が金属層もしくは樹脂
層、第2層が形状記憶合金層で構成されたもの(以後、
金属・合金タイプと呼ぶ)と吸収帯の異なる二種類の有
機色素層で構成されたもの(以降、有機色素二層タイプ
と呼ぶ)の二タイプがある。例えば、特開昭56−124136
号公報および特開昭60−69846号公報 以下図面を参照しながら従来の金属・合金タイプおよ
び有機色素二層タイプのものについて説明する。
第10図,第11図は金属・合金タイプにおける末記録状
態の断面図および記録状態の断面図を各々示したもので
ある。第10図において101は透明基板、102は金属層もし
くは樹脂層、103は形状記憶合金層、第11図において111
はピット、112は空間である。
ガラスもしくは樹脂からなる低線膨張係数の透明基板
101の上に、高線膨張係数の金属層もしくは樹脂層102を
形成し、その上に形状記憶合金層103を形成する。
透明基板側からレーザー光を中パワーで照射し、第1
層の高線膨張係数層を熱膨張させ、ピット111を形成す
る。この時空間112も形成される。また、この際第2層
の形状記憶合金層は融点以下であるため塑性変形しピッ
トが固定される。消去時は高パワーのレーザー光を透明
基板と反対側から照射し、第2層をマルテンサイト変態
温度以上にし形状記憶合金の復元力でドーム状の隆起
(ピット)を消去しようとするものである。
次に、第12図に有機色素二層タイプの断面図を示す。
121は基板、122は830nm付近に吸収帯を持つ熱膨張層、1
23は780nm付近に吸収帯を持つ形状保持層である。基板1
21の上に第1層として830nm付近に吸収帯を有する有機
色素と粘弾性を有するバインダーからなる熱膨張層122
をスピンコート法で形成し、さらにその上に第2層とし
て780nmに吸収帯を有する有機色素と、第1層よりガラ
ス転移温度が高い樹脂からなるけ形状保持層123をスピ
ンコート法で形成する。記録時には830nmのレーザー光
を基板と反対側から照射し、830nmに吸収帯を持つ第1
層のみを加熱,熱膨張させ第2層の形状保持層123にド
ーム状の隆起(ピット)を形成し、信号を記録する。消
去時は780nmのレーザー光を基板と反対側から照射し、7
80nmに吸収帯を持つ第2層の温度を上げ軟化させること
で熱膨張層122に保持された残留応力によってドーム状
の隆起(ピット)を平坦化し、消去しようとするもので
ある。
発明が解決しようとする課題 しかしながら上記のような金属・合金タイプの構成で
は、記録時に第1層が透明基板から離れる際の形状が不
安定で、ドーム状の隆起の大きさがばらつく。また消去
時においては透明基板と第1層の間の空間が完全になく
ならず消し残しを生じる。
さらに消去後、第2層の形状記憶合金層の温度が下が
ってきた際、第1層の方がまだ熱く再び熱膨張し記録さ
れる欠点を持つ。
また金属・合金タイプでは、記録,消去の繰り返し時
の熱衝撃によって形状記憶合金層がアモルファス化し、
少数回しか記録できない欠点をもつ。
一方、有機色素二層タイプにおいては、第1層も第2
層も樹脂から構成されているため、耐熱性が低く70℃以
上の雰囲気でC/Nの極端な劣化を生じる。
本発明は上記課題に鑑み、ピットの大きさが安定で消
去時の消し残しが少なく、繰り返し消去回数の多い耐熱
性に優れた書換え可能な光記録媒体およびその消録法を
提供するものである。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明の光記録媒体は、光
吸収波長帯のピークの波長が使用するレーザーの記録時
での波長とほぼ一致しているかそれ以上であり、熱膨張
係数が5×10-5/℃以上と大きく、熱伝導率が4×10-1k
cal/mh℃以下の有機色素とバインダーからなる熱膨張層
(第1層)と融点が第1層の熱膨張層の軟化温度より高
く600℃以下で伸び率が15%以上の低融点金属からなる
形状保持層(第2層)で基本的に構成されたものであ
る。光記録媒体保護のため、この上に第3層として第1
層の熱膨張層より柔らかい柔軟層、さらにその上に光硬
化樹脂からなるオーバーコート層を形成することもあ
る。また、消去時での消し残しをより抑えるために透明
基板と熱膨張層の間に透明で熱伝導率の高いSiO2,SiN,A
l2O3およびダイヤモンドライクカーボン(DLC)のよう
な材料からなる熱拡散層を設けることも可能である。ま
た、バインダーとしてはゴム状の粘弾性を有するものが
望ましい。
消録法としては記録時は透明基板側から中パワーのレ
ーザー光を第1層の有機色素とバインダーからなる熱膨
張層の透明基板近傍に照射し、第1層の熱膨張によるド
ーム状の隆起を第2層上に形成し、消去時は第2層の低
融点金属層付近の温度を透明基板側もしくは反対側から
の高パワーレーザー光の照射や透明基板と反対側からの
閃光もしくは連続光の照射や電磁波加熱等によって融点
近傍まで上げることで第2層を軟化させ第1層の収縮応
力(残留応力)によってドーム状の隆起を平坦化する。
一括消去以外の具体的消去手段として透明基板からの
レーザー照射に対しては、レーザー波長が再生用,記録
用,消去用の順に長い3個の半導体レーザーを用いる方
法や波長可変レーザーの入力電力変化による波長シフト
に起因した焦点ズレを利用したものや再生用レーザーと
して記録消去用レーザーより波長の短いものを別途用
い、前記記録消去用レーザーとして入力電力が大きいほ
ど長波長側に波長シフトする波長可変レーザーを用いる
方法がある。一方、再生,消去時のみ透明基板と反対側
からレーザー光を照射する方法もあり、何れの場合にお
いても消去時でのレーザー光のフォーカス位置は形状保
持層(低融点金属層)付近とする。
入力電力によって波長シフトする波長可変レーザーを
用いて記録,消去を行う場合はトラッキングサーボのか
けかたとして消去時にはフォーカスサーボを作動させな
い方法や記録,再生,消去時の平均としてかかる焦点位
置をオフセットで透明基板側に少しずらす方法がある。
作用 本発明は上記した構成において、透明基板上に光吸収
波長帯のピークの波長が使用するレーザーの記録時での
波長とほぼ一致しているかそれ以上である有機色素とバ
インダーからなる厚さ1〜数μmの熱膨張層(第1層)
を形成し、この上に低融点金属からなる形状保持層(第
2層)を形成した平坦な面を有する状態を末記録状態と
する。
記録は中パワーのレーザー光を透明基板側から第1層
の熱膨張層の透明基板との境界付近に焦点がくるように
照射し、第1層を150から第2層の低融点金属層の融点
以下(最高で600℃)に加熱する。この際、第1層は有
機色素によるレーザー光の吸収のため効率よくレーザー
光の光エネルギーを熱に変換できる。また、バインダー
の熱膨張係数が5×10-5/℃以上と大きいため、温度上
昇に伴う熱膨張量としては第1層の膜圧1〜数μmに対
して0.1μm〜0.数μmとなり、低融点金属からなる第
2層を押上げる。この時、第2層の低融点金属層はあま
り加熱されておらず、伸び率が15%以上と大きいため膜
が破れることなく塑性変形を起こしドーム状の隆起(ピ
ット)が形成される。塑性変形のため形成されたピット
は第1層の温度が下がった時点でもそのまま残り、信号
が記録される。この際、ピットの下の有機色素とバイン
ダーからなる熱膨張層はバインダーが粘弾性を有してい
るため透明基板と第2層の間によく接着し空間を作ら
ず、そのため第1層中には記録終了状態で残留応力(収
縮応力)がピットに働いた状態となっている。
再生時においては低パワーのレーザー光を照射して、
ピット形状を変化させることなくピットの有無による光
の反射率差を読み取る。
この際、再生時のレーザー光の波長は第1層であまり
吸収されないものでなければならない。そのため、再生
用レーザーとして記録時に用いる第1層の光吸収波長帯
レーザーよりも低波長域に発振波長を有するものを別途
設けるか、あるいは再生レーザーパワーは1mW程度と記
録,消去時に比べ小さいため波長可変レーザーを用いる
方法があり、この場合、レーザー波長は少し記録時より
短波長側にシフトし、第1層での透過性が良くなり、大
きな信号レベルが得られる。
消去は第2層の形状保持層付近を中心に加熱すること
で低融点金属層を融点付近まで熱し、第2層を軟化させ
る。この際、第2層との境界付近のみが加熱され、有機
色素とバインダーからなる第1層は熱伝導率が低く、あ
まり加熱されないため大きな熱膨張は生じない。そのた
め第2層が軟化することによって、ピット下において第
1層に働いている残留応力によってピットは平坦化され
記録は消去される。この時、透明基板と第1層の有機色
素とバインダーからなる熱膨張層の間に透明で熱伝導率
の高い薄膜層(熱拡散層)を設けることによって第1層
の透明基板付近の消去時での熱が拡散され易くなり、消
し残しが抑えられる。熱伝導率が1.0kcal/mh℃以上と大
きい材料において、その効果が明らかとなる。
消去方法としては、透明基板側からのみのレーザー照
射で記録,再生,消去を行う方法のものと再生,消去の
み透明基板と反対側からレーザーを照射する方法もの、
さらに透明基板と反対側から閃光もしくは連続光を照射
して第2層を全面加熱したり,電磁波加熱による低融点
金属層のみの直接加熱等の一括消去方法がある。
第1の方法としては透明基板側からのみのレーザー光
照射の構成に対して光学系としては再生用,再生用,記
録用,消去用の順にレーザーの波長が長くなることを特
徴とするタイプのものと入力電力が大きいほど長波長側
に波長シフトする1個の波長可変レーザーを用いること
を特徴とするタイプのものと再生用レーザーとして記録
消去用レーザーより波長の短い半導体レーザーを用い、
記録消去用レーザーとして別途前述と同様の波長シフト
する波長可変レーザーを用い合計2個の半導体レーザー
を使用することを特徴とするタイプのものの3タイプが
可能である。この様なタイプにおいては、第1層は記録
時にはレーザー光をよく吸収し、再生時にはあまり吸収
しない方がよいため記録時のレーザー波長と同じか少し
吸収ピークが長波長側にあるものが要求される。
第2の消去方法として再生,消去時に透明基板と反対
側からレーザー光を照射するタイプでは消去用レーザー
として波長が自由に選べ、再生時に第1層でのレーザー
光の吸収がないため高C/Nとなる利点がある。
ここで、有機色素はレーザー光を熱に代える働きをす
るもので、吸収波長帯の変化を生じる必要はない。バイ
ンダーとしては、透明性に優れ線膨張係数が大きく、低
熱伝導率で透明基板との接着強度の高い粘弾性材料が要
求される。
線膨張係数が大きいと少しの熱でドーム状の隆起(ピ
ット)を形成でき、また熱伝導率が低いと形成されるピ
ットの大きさが小さく(高密度記録が可能)かつ、ドー
ム状の隆起が高くなる。このため小さいレーザーパワー
でC/Nの高い信号が得られる。
第2層は低融点金属で形成される。これは融点が600
℃以上では第1層の有機色素とバインダーからなる層が
レーザー光の照射による熱によって劣化するためであ
る。しかし、融点が第1層の軟化温度より低いと記録で
きなくなるため約150℃以上が要求される。第2層の上
に基板保護のため柔軟層およびオーバーコート層を設け
ることもある。
半導体レーザーの場合、10mW程度のパワーから20mW程
度の高パワーに切り替えた際、波長が5nm〜10nm程度長
波長側にシフトする現象がみられる。このシフトによっ
て焦点位置が数μm程度後退することが計算からも求め
られる。
レンズの焦点距離f,屈折率をnとすると、 f=k/(n−1)kは定数 ……(1) Δf=f1−f0 ……(2) =k〔1/(n1−1)−1/(n0−1)〕 例えば、半導体レーザーが780nmから790nmに波長がシ
フトした場合、λ=780nmで屈折率n0=1.51075、λ
=790nmで、屈折率n1=1.51051のレンズ系で、焦点距離
9nmのコリメートレンズの場合kは(1)式より4.59675
となり、これを波長790nmで計算すると焦点距離fC1は fC1=9.00423mm 焦点距離3.9mmの対物レンズの場合も同様にして fL1=3.90183mm 従って、(2)式よりΔfC=4.23μm,ΔfL=1.83μm
となる。一方、光学系縦倍率αはα=(fL1/fC1
0.18778よって、コリメートレンズ側のシフトが対物レ
ンズ側のシフトとして現れる量は ΔS=ΔfC×α=0.79μm 総移動量としては ΔS+ΔfL=1.83+0.79μm=2.62μm となる。
一般的にはこのような入力によって波長が変動する半
導体レーザーは不良とされることが多いが、本発明のひ
とつの手段として、この現象を利用してレーザー光の加
熱位置を制御してオーバーライトを行うものである。
なお、焦点位置のズレを利用する場合はトラッキング
サーボをかける必要があるため、一つの方法として消去
時にはトラッキングを外し、記録再生時のみトラッキン
グをかけるようにする。1800rpmで回転している光ディ
スクにおいては300μm程度惰性でトラッキングがかか
るためピットポジション記録やコンパクトディスクで用
いられているピット幅記録(PWM)では消去状態が連続
して長く続くことがないので上記方法でトラッキングサ
ーボは十分かけられる。
これ以外の方法としてはトラッキングサーボはそのま
ま作動させ、オフセットによって焦点位置を予め透明基
板側にずらす方法で消去とトラッキングの両立を図るこ
とも可能である。なお半導体レーザーの入力変化に対す
る波長シフトの応答時間は数nsecで信号の記録時間に比
べて十分早い。
以上のような構成・動作によって、ドーム状の隆起の
形成,消去によって記録,再生,消去が可能となり、又
製膜工程の大半をスピンコートで行えるためおよび材料
として希土類のような高価なものを使用しないためディ
スク作製コストが安くつく。さらに、光学系も波長可変
レーザーを使用する場合はレーザーが1個で済み、かつ
光の反射率変化を読み取るだけのための信号検出が簡単
なものとなる。
また、有機色素二層タイプに比べ第2層が金属層であ
るため軟化温度を高くでき耐熱性に優れた光ディスクが
得られる。第1層が粘弾性体で第2層との接着性が高い
ため記録時に第2層および透明基板との間に空間が形成
されることはなく消し残しも少ない。
実施例 以下本発明の第一の実施例の書換え可能な光記録媒体
およびその消録法について図面を参照しながら説明す
る。
第1図は本発明の実施例における光記録媒体の断面図
を示すものである。第1図において11は透明基板、12は
熱膨張層、13は低融点金属層、14は柔軟層、15はオーバ
ーコート層である。第2図は記録時の断面図を示すもの
である。第2図において21は熱膨張した熱膨張層、22は
ピット、23は柔軟層、24はレーザー光である。
透明基板11として、光硬化性樹脂でスタンパからトラ
ッキング用の案内溝を転写したガラス/2P基板を用い
た。この上に有機色素として780nm付近に吸収ピークを
持つシアニン系のCY−9(日本化薬株式会社製)、バイ
ンダーとして2液硬化型シリコンゴムKE108/RTV(信越
化学工業株式会社製)を用い、まず有機色素およびシリ
コンゴムの主材をメチルエチルケトン(MEK)に良く溶
かし、この上にシリコンゴムの硬化剤を添加する。有機
色素のシリコンゴムに対する混合量としては1wt%程度
であった。次にこのシリコンゴムと有機色素のMEK溶液
を透明基板上に塗布し、スピンコート(回転数2000rp
m)で有機色素とバインダーからなる熱膨張層12(第1
層)を形成した。MEKは揮発性が強いためスピンコート
後においては第1層中にほとんど存在しない。第1層の
膜厚は2.1μm程度で第3図にこの膜の波長に対する吸
光率の分布を示すが、780nmにピークを持ちかなり鋭い
分布となっていることがわかる。これは有機色素の濃度
が低いためと考えられる。
次に第1層上にスズ(融点232℃、伸び率96%)を抵
抗加熱法で蒸着し、第2層の低融点金属層13(第2層)
を形成した。膜厚は約0.3μmであった。
第1層に用いる有機色素としては、ジイモニウム系色
素,エチレン1,2−ジチオール系金属(Ni)錯体,フタ
ロシアニン等のシアニン系色素,スクワリリウム系色
素,メチン系色素,ナフトキノン系色素,キノンイミン
系色素,キノンジイミン系色素,アンスラキノン系色素
等の近赤外領域に吸収帯を持つ色素が有効であった。
バインダーとしては、ブチルゴム,エチレンコポリマ
ー,ブタジエンスチレンゴム,フッ素系ゴム等のエラス
トマーおよびセルロースアセテート,ポリスルフォンア
ミド,セルロースナイトレート,各種アクリレート系樹
脂等の非晶系ポリマーが利用できる。
低融点金属としてはインジウム,鉛,亜鉛等の純金属
およびアルミニウム合金ろう(JIS−BA4145),低融点
銀合金半田(例えばJIS−LM15)等の合金が利用できる
が、特にBi,Pb,Sn,Sbからなるセロマトリックス合金の
ように融解区域の広いものは消去パワーの許容範囲が広
くなった。
作製法としては抵抗加熱法、スパッター法,EB法等の
真空系薄膜形成法が有効で、合金の場合は多元同時蒸着
あるいは同時スパッターを必要とした。
この際、低融点金属の融点としては第1層の軟化温度
より高く、第1層の有機色素とバインダー層が熱分解し
ない温度(150℃〜600℃)が望ましく、伸び率としては
1μm系で0.1μm程度の隆起ができても破れないため
には15%以上が要求される。
本実施例の有機色素とバインダーの層の線膨張係数は
3.2×10-4/℃で熱伝導率は1.4×10-1kcal/mh℃であっ
た。
次に、ブチルゴムをスピンコート(回転数1500rpm)
で第2層の上に膜厚3μmでコートし柔軟層14(第3
層)を形成し、さらにその上に光硬化性樹脂をスピンコ
ートし紫外線照射によってオーバーコート層15を施し、
光ディスクを完成した。
このような構成の光記録媒体を線速1.4m/secの一定線
速で回転させ、波長可変レーザー24(10mW入力の時、波
長780nm)を10mのパワーでフォーカスを透明基板と第1
層の間の案内溝付近において透明基板側から照射し記録
を行った。レーザーの照射によって、第1層の有機色素
とバインダーからなる熱膨張層はレーザー光を吸収し、
焦点深度(約1μm程度)よりやや大きい部分が熱くな
り、熱膨張し0.12μm程度のドーム状の隆起を作る。こ
の際、第2層の低融点金属層は第1層の熱伝導が悪いた
めあまり加熱されず、第1層の熱膨張によって低温状態
で強制的にドーム状の隆起を生成する。ドーム状の隆起
は塑性変形であるため温度が下がっても形状は固定され
ピット22が形成される。この時、第1層のピット部にお
いては残留応力が蓄えられた状態となっている。また柔
軟層23には圧縮応力が発生する。
再生はレーザーパワー1.0mWで透明基板側から光を投
入して反射光の強度変化を読みだした。この時のレーザ
ーの波長は770nmとなっておりピットの深さが約0.12μ
mであるためレーザー光に対して干渉や散乱を起こし反
射率が大きく低下(屈折率1.4)した。また第1層も第
3図からわかるように波長770nmでは吸収がかなり低下
しているためC/Nとしてはピット長0.9μmで51dBとかな
り大きな値が得られた。
消去はレーザーパワー20mWで、透明基板側からフォー
カスサーボを外した状態で照射した。この時のレーザー
の波長は約790nmとなっており、このためレーザーの集
光位置(焦点)は約2.6μmほど後方にシフトする。こ
れによって低融点金属層付近の温度は融点近くまで上が
り、低融点金属層は軟化し、第1層の残留応力および柔
軟層の圧縮応力によって第2層のピットは平坦な元の形
状に戻る。繰り返し消録回数は、5×103回程度とな
り、金属・合金タイプのものに比べて繰り返し性に優れ
ていることが分かった。
また、この光ディスクを80℃80%RHの加速試験にかけ
たところ、1000時間でもC/Nの劣化は認められなかっ
た。従来の有機色素二層タイプでは、70℃雰囲気でC/N
が大きく劣化するのに比べ耐熱性,耐久性に優れている
ことがわかった。
本発明においては第1層の線膨張係数および熱伝導率
はC/N、記録密度および消録回数に寄与する。
第4図に熱膨張層の線膨張係数とC/Nの関係、第5図
に熱膨張層の熱伝導率と記録ピット径の関係を示す。第
4図より線膨張係数としては5×10-5/℃以上、また第
5図より熱伝導率は4×10-1kcal/mh℃以下が望ましい
ことがわかる。
次に、本発明の第二の実施例について以下に図面を参
照しながら説明する。第6図は第二の実施例における光
記録媒体の断面図を示すものである。61は透明基板、62
は熱拡散層、63は熱膨張層、64は低融点金属層である。
射出圧縮成形でトラッキング用の案内溝を形成したポ
リカーボネート基板を透明基板61として用いた。この透
明基板上に炭素を原料(ターゲット)としてアルゴンガ
スに10%程度の水素を導入した混合ガスでスパッタリン
グを行いダイヤモンドライクカーボン膜(膜厚0.3μ
m)を形成し、熱拡散層62とした。この膜の熱伝導率は
約10kcal/mh℃であった。製膜方法としてはプラズマ分
解法やイオンビーム法も可能である。例えば藤森直治、
土居陽セラミックNo.6,21,P523−P528(1986)ダイヤモ
ンドライクカーボンはメタンガス等から化学気相法(CV
D)で作製するダイヤモンド薄膜に比べて結晶相が少な
く硬度や熱伝導率の点ではやや劣るが、薄膜作製が低温
で行え、膜質も均一である利点を有する。
熱拡散層の材料としてはSiO2,SiN,Al2O3,ZnSやフォル
ステライト等の熱伝導率が1.0kcal/mh℃以上のものが有
効であった。
次に、この上に第一の実施例を用いた有機色素とバイ
ンダーからなる熱膨張層63をスピンコートで作製し(膜
厚2μm)、さらにその上にPb87%,Sb13%からなる低
融点金属層64(融点249℃)を2元同時蒸着によって0.4
μmの膜厚で形成した。
このような構成の光記録媒体を線速1.4m/secの一定線
速で回転させ、波長可変レーザー光を10mWのパワー(波
長780nm)で記録を行った。フォーカスサーボは記録,
再生,消去にわたって動作させた。光ディスクに記録す
る信号はEFM等の変調がかけられているため各々の動作
時間は最長でも数百nsecと短く、フォーカスサーボの動
作時間は2桁以上遅いため入力信号の変化に伴う追随は
できない。このため記録,再生、消去にともなう波長変
動に対して平均的な位置にフォーカスがかかる。通常の
場合、再生時と消去時な中間的な位置すなわち有機色素
とバインダーからなる熱膨張層の中央部にフォーカスが
合う。そこでこの位置を有機色素とバインダーからなる
熱膨張層と熱拡散層に近いところに合わせる様にオフセ
ットしてフォーカスサーボをかけた。レーザーの照射に
よって、第一の実施例と同様に有機色素とバインダーか
らなる熱膨張層はレーザー光を吸収して熱くなり、熱膨
張し0.14μm程度のドーム状の隆起を作った。この時、
低融点金属層は温度が上がっていないため塑性変形を生
じ、レーザー光照射終了後温度が冷えてもピットは残
り、熱膨張層には残留応力が残る。
再生はレーザーパワー1.0mWで透明基板側から光を投
入して反射光の強度変化を読みだした。この時のレーザ
ーの波長は770nmであった。ピットの高さが0.14μmで
あるためレーザー光に対して干渉や散乱を起こし反射率
が大きく低下し、C/Nとしては線速1.2m/sec、ピット長
0.9μmで52dB得られた。
消去はレーザーパワー20mWで、透明基板側からフォー
カスサーボをかけた状態で照射した。この時のレーザー
の波長は約790nmとなっており、このため有機色素とバ
インダーからなる熱膨張層での光の吸収は少し減少し、
レーザーの集光位置(焦点)も約2.2μmほど後方にシ
フトするため、低融点金属層付近の温度が融点近くまで
上がり、低融点金属層は軟化し、有機色素とバインダー
からなる熱膨張層の残留応力によって低融点金属層のピ
ットは平坦な元の形状に戻る。この際、熱拡散層がある
ため熱膨張層の温度がすぐに下がり、消去率が高くな
り、繰り返し消録回数も2×104回程度となり、金属・
合金タイプや有機色素二層タイプのものに比べて繰り返
し性に優れていることが分かった。
また、第7図に熱拡散層の熱伝導率と消去率の関係を
示すが、本実施例の系においては熱伝導率が1.0kcal/mh
℃(SiO2)以上で消去率の向上がはっきり現れることが
わかった。
次に、本発明の第三の実施例について以下に図面を参
照しながら説明する。第8図は第三の実施例における光
学系の概略図である。81は書換え可能な光記録媒体、82
は対物レンズ、83はダイクロイックミラー、84a,84bは1
/4波長板、85a,85bはビームスプリッター、86a,86bはコ
リメートレンズ、87a,87bは円筒レンズ、88a,88bはディ
テクター、89aは波長可変レーザー、89bは半導体レーザ
ーである。
ガラス/2P基板上に熱膨張層(第1層)として850nmに
吸収ピークを持つ金属錯体系有機色素(三井東圧染料社
製PA1005)をシリコンゴムKE108/RTVに溶かしたものを
スピンコートして形成し(膜厚1.8μm)、その上に低
融点金属層(第2層)としてスズ(Sn)を抵抗加熱法で
蒸着し、膜厚0.3μmの層を形成した。この様に830nmに
吸収のピークを有する書換え可能な光記録媒体81を作製
した。次に記録,再生,消去の動作について以下に説明
する。
記録は波長可変レーザー89aに10mWを入力し830nmのレ
ーザー光を発振させる。レーザー光はコリメートレンズ
86a、ビームスプリッター86a、1/4波長板84a、ダイクロ
イックミラー83、対物レンズ82を通り書換え可能な光記
録媒体81に到達する。対物レンズで絞られたレーザー光
は有機色素とバインダーからなる第1層の透明基板近傍
を加熱し、ドーム状の隆起を第2層上に形成する。一
方、透明基板と第1層の界面で反射されたレーザー光は
対物レンズ,ダイクロイックミラー,1/4波長板を通りビ
ームスプリッターで直角方向に光路を曲げられ、円筒レ
ンズ87aで集光されディテクター88aに導かれ、トラッキ
ングおよびフォーカスサーボ信号が検出される。ここで
ダイクロイックミラーの働きとしては、ある決まった波
長の光のみ反射する波長選択反射板で本実施例において
は780nmの光のみ反射するものを使用した。
消去においては波長可変レーザー89aに投入する入力
が20mWと大きくなり、発振する波長が837nmと少し長く
なるが、光路としては記録時と同じである。光記録媒体
上での焦点位置は消去時でのフォーカスサーボを切った
ため記録時の位置より1.5μm程度第2層の低融点金属
層側にシフトした。
再生は波長780nmの半導体レーザー89bから出たレーザ
ー光がコリメートレンズ86b,ビームスプリッター85b,1/
4波長板84bを通過した後、ダイクロイックミラー83で反
射され、対物レンズ82に導かれ、書換え可能な光記録媒
体の第1層熱膨張層上に集光される。第1層の光吸収量
は780nmの波長では約15%程度と低いため、第2層のピ
ットの有無によって反射率が大きく変化し、ピットの存
在する記録部においては反射光量が低下する。この様に
第2層で反射された光と案内溝で反射された光は対物レ
ンズを通過した後、ダイクロイックミラーで直角に反射
され1/4波長板,ビームスプリッター,円筒レンズ87bを
経由してディテクター88bに集光され情報信号、トラッ
キングおよびフォーカスサーボ信号が検出される。再生
用の半導体レーザーとしてはもっと短波長のものの方が
第1層での吸収が少ないため望ましい。
このように2個の半導体レーザーを使用することによ
ってC/Nは54dB(ピット長0.9μm)、繰り返し記録消去
回路5×103回以上を達成できた。
次に本発明の第四の実施例について説明する。光記録
媒体としては第二の実施例と同一構成のものを用いた。
光学系としては第三の実施例とほぼ同様の半導体レー
ザー,コリメートレンズ,ビームスプリッター,1/4波長
板,対物レンズ,円筒レンズ,ディテクターで構成され
る光学系を記録用,再生用,消去用に各々一つずつ合計
3つの光学系を有するものである。3つの光学系は全て
透明基板側に配置し、半導体レーザーとしては記録用に
830nm(入力8mW)、再生用に780nm(入力1mW)、消去用
に1200nm(入力9mW)に各々発振波長を有するものを用
いた。この様に3つの半導体レーザーを使用することで
光学系は少し複雑になるが、記録時のみレーザー光を吸
収する様な構成が容易に取れ、高いC/Nが得られる。C/N
は記録ピット長0.9μm、線速1.4m/secで56dB、繰り返
し消録回数は約104以上が得られた。
次に本発明の第五の実施例について以下に図面を参照
しながら説明する。第9図は第五の実施例における光学
系の概略図を示したものである。第9図において91は書
換え可能な光記録媒体、92a,92bは対物レンズ、93a,93b
は1/4波長板、94a,94bはビームスプリッター、95a,95b
はコリメートレンズ、96a,96bは円筒レンズ、97a,97bは
ディテクター、98a,98bは半導体レーザーである。
ガラス/2P基板上に熱膨張層(第1層)として800〜10
00nm付近に吸収ピークを持つジイモニウム系有機色素の
IRG−022(日本化薬株式会社製)をシリコンゴムKE108/
RTVに溶かしたものをスピンコート(回転数2000rpm、膜
厚1.8μm)して形成し、その上に低融点金属層(第2
層)としてインジウム(融点156.6℃)を抵抗加熱法で
蒸着し、膜厚0.3μmの層を形成し、書換え可能な光記
録媒体91を作製した。次に記録,再生,消去の動作につ
いて以下に説明する。
記録は透明基板側から再生,消去は反対側からレーザ
ー光を照射して行った。
記録は半導体レーザー98aに4mWを入力し830nmのレー
ザー光を発振させる。レーザー光はコリメートレンズ95
a、ビームスプリッター94a、1/4波長93a、対物レンズ92
aを通り透明基板側から書換え可能な光記録媒体91に到
達する。対物レンズで絞られたレーザー光は有機色素と
バインダーからなる第1層を加熱し、ドーム状の隆起を
第2層上に形成する。一方、透明基板と第1層の界面で
反射されたレーザー光は対物レンズ、1/4波長板を通り
ビームスプリッターで直角方向に光路を曲げられ、円筒
レンズ96aで集光されディテクター97aに導かれ、トラッ
キングおよびフォーカスサーボ信号が検出される。
再生、消去においては透明基板と反対側からレーザー
光を直接第2層のピット上に照射した。半導体レーザー
98bに再生時は1.0mW、消去時には6mWを入力し830nmのレ
ーザー光を発振させ、コリメートレンズ95b,ビームスプ
リッター94b,1/4波長板93b,対物レンズ92bを通って第2
層に形成されているピット上に集光され、消去時は第2
層を融点付近まで加熱する。第2層が軟化することによ
って第1層の残留力でピットは平坦化され、消去が行わ
れる。また第2層で反射された光は対物レンズ、1/4波
長板を経てビームスプリッターで直角に曲げられ、円筒
レンズ96bでディテクター97bに集光され、情報信号およ
びフォーカスサーボ信号,トラッキング信号が検出され
る。
線速1.4m/secで記録ピット0.9μmのときC/Nは55dBで
あった。インジウムの融点が低いためレーザーのパワー
が小さくてすみ、再生も透明基板と反対側から行ってい
るため、第1層での有機色素によるレーザー光の吸収が
ないためC/Nが高くなったものと考えられる。
以上五つの実施例において消去時にカメラ用フラッシ
ュを透明基板と反対側から照射する方法やライト(100W
程度)を1分間程度連続照射する方法および電磁波加熱
として電磁調理器(松下電気製KZ−20DT)で1200W1分間
程度ディスクを加熱する方法等の一括消去法も試みたが
いずれもピットは完全に消去できることがわかった。
また、第2層(低融点金属層)より上に来る柔軟層,
オーバーコート層はなくてもディスクの性能にあまり大
きな影響は与えないが、使用時のディスクの保護には有
効であった。
発明の効果 以上のように第1層として高線膨張係数、低熱伝導率
で使用レーザーの記録時での波長と同じかそれ以上に吸
収ピークを有する有機色素とバインダーからなる熱膨張
層を用い、第2層として低融点金属層を用いることで、
第1層の熱膨張によるドーム状の隆起を第2層(塑性変
形)で固定してピットを記録を行い、第2層近傍の加熱
によりピットを消去することで、高C/Nの書換え可能な
光記録媒体が得られる。
さらに、熱膨張層中に空間が発生しないため消去が完
全に行え、消し残しが少なく繰り返し消録回数も多くな
る。
また、第2層が金属層であるため軟化温度も樹脂に比
べ、高くでき耐熱性,耐久性に優れた光記録媒体を提供
するものである。
又、製膜工程の大半をスピンコートで行えるためおよ
び材料として希土類のような高価なものを使用せず、ま
た低融点金属層が形状保持層の働きと反射膜としての働
きを兼ねているためディスク作製コストが安くつく。
光学系はシフト量の大きな波長可変レーザーを使用す
る場合はレーザーが1個で済み、かつ光の反射率変化を
読み取るだけのため信号検出が簡単なものとなる。吸収
スペクトルの鋭い有機色素と波長可変レーザーを使用す
ることによってオーバーライトも可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第一の実施例における光記録媒体の断
面図、第2図は記録時の断面図、第3図は熱膨張層の波
長に対する吸光率の分布図、第4図は熱膨張層の線膨張
係数とC/Nの関係図、第5図は熱膨張層の熱伝導率の記
録ピット径の関係図、第6図は第二の実施例における光
記録媒体の断面図、第7図は熱拡散層の熱伝導率と消去
率の関係図、第8図は第三の実施例における光学系の概
略図、第9図は第五の実施例における光学系の概略図、
第10図は金属・合金タイプにおける未記録状態の断面
図、第11図は金属・合金タイプにおける記録状態の断面
図、第12図は有機色素二層タイプの断面図である。 11……透明基板、12……熱膨張層、13……低融点金属
層、14……柔軟層、15……オーバーコート層、21……熱
膨張した熱膨張層、22……ピット、23……柔軟層、24…
…レーザー光、61……透明基板、62……熱拡散層、63…
…熱膨張層、64……低融点金属層、81……書換え可能な
光記録媒体、82……対物レンズ、83……ダイクロイック
ミラー、84a,84b……1/4波長板、85a,85b……ビームス
プリッター、86a,86b……コリメートレンズ、87a,87b…
…円筒レンズ、88a,88b……ディテクター、89a……波長
可変レーザー、89b……半導体レーザー、91……書換え
可能な光記録媒体、92a,92b……対物レンズ、93a,93b…
…1/4波長板、94a,94b……ビームスプリッター、95a,95
b……コリメートレンズ、96a,96b……円筒レンズ、97a,
97b……ディテクター、98a,98b……半導体レーザー。

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上に有機色素とバインダーからな
    る熱膨張層、前記熱膨張層の上に低融点金属からなる形
    状保持層を備え、前記熱膨張層の光吸収波長帯のピーク
    の波長が、少なくとも記録時に用いるレーザーの波長と
    ほぼ一致しているかそれ以上であり、前記熱膨張層の熱
    膨張係数が5×10-5/℃以上で、熱伝導率が4×10-1kca
    l/mh℃以下であり、前記形状保持層を構成する低融点金
    属の融点が、前記熱膨張層の軟化温度より高く、600℃
    以下であり、前記形状保持層の伸び率が15%以上である
    低融点金属からなる形状保持層を設けたことを特徴とす
    る書換え可能な光記録媒体。
  2. 【請求項2】有機色素及びバインダーからなる熱膨張層
    と透明基板との間に、透明で熱伝導率が1.0kcal/mh℃以
    上である熱拡散層を有することを特徴とする請求項
    (1)記載の書換え可能な光記録媒体。
  3. 【請求項3】熱拡散層がSiO2,SiN,Al2O3およびダイヤモ
    ンドライクカーボンのいずれかからなることを特徴とす
    る請求項(2)記載の書換え可能な光記録媒体。
  4. 【請求項4】二層からなる光記録媒体に中パワーのレー
    ザー光を透明基板側から照射して、有機色素とバインダ
    ーからなる熱膨張層を加熱し、前記加熱によって熱膨張
    層を生じドーム状の隆起を低融点金属からなる形状保持
    層に作り、前記形状保持層が塑性変形しピットが形成さ
    れ信号が記録され、再生時は低パワーのレーザー光をあ
    てて、ピット形状の変化を生じさせずにピットと周囲と
    の反射率差を信号として読み出し、消去時は前記形状保
    持層に形成された前記ドーム状のピットの低融点金属層
    付近に中パワー以上のレーザー光を照射して、低融点金
    属の軟化温度以上に温度を上げ、熱膨張層に働く残留応
    力を応用してドーム状の隆起を平坦化しピットを消去す
    ることを特徴とする記録・再生・消去方法。
  5. 【請求項5】透明基板側からレーザーを照射し、且つ再
    生時より記録時、記録時よりも消去時の方がレーザー光
    の波長が長くなり、消去時でのレーザー光のフォーカス
    位置を形状保持層付近にしたことを特徴とする請求項
    (4)記載の記録・再生・消去方法。
  6. 【請求項6】レーザーが再生用,記録用,消去用の3個
    の半導体レーザーからなり、再生用,記録用,消去用の
    順にレーザーの波長が長くなることを特徴とする請求項
    (4)または(5)いずれかに記載の記録・再生・消去
    方法。
  7. 【請求項7】レーザーへの入力電力が大きいほど前記レ
    ーザーの波長が長波長側に波長シフトする波長可変レー
    ザーを用いることを特徴とする請求項(4)または
    (5)いずれかに記載の記録・再生・消去方法。
  8. 【請求項8】再生用レーザーとして記録消去用レーザー
    より波長の短いものを用い、記録消去用レーザーとして
    入力電力が大きいほど長波長側に波長シフトする波長可
    変レーザーを用いることを特徴とする請求項(4)また
    は(5)いずれかに記載の記録・再生・消去方法。
  9. 【請求項9】再生用半導体レーザーの波長が約780nm
    で、記録時の波長可変レーザーの波長が約830nmである
    ことを特徴とする請求項(8)記載の記録・再生・消去
    方法。
  10. 【請求項10】記録時には透明基板側からレーザー光を
    熱膨張層に、また再生,消去時には透明基板と反対側か
    らレーザー光を形状保持層に照射することを特徴とする
    請求項(4)記載の記録・再生・消去方法。
  11. 【請求項11】熱膨張層に透明基板側から中パワーのレ
    ーザー光を照射し、ドーム状の隆起を形成して信号を記
    録し、消去時においては透明基板と反対側から閃光また
    は連続光を基板全面に照射することにより記録信号を一
    括消去することを特徴とする記録・再生・消去方法。
  12. 【請求項12】熱膨張層に透明基板側から中パワーのレ
    ーザー光を照射し、ドーム状の隆起を形成して信号を記
    録し、消去時においては基板を電磁波加熱することで記
    録信号を一括消去することを特徴とする請求項(4)記
    載の記録・再生・消去方法。
  13. 【請求項13】消去時はフォーカスサーボを作動させ
    ず、記録再生時のみフォーカスサーボを作動させること
    を特徴とする請求項(4)または(5)いずれかに記載
    の記録・再生・消去方法。
  14. 【請求項14】フォーカスサーボをかける際、あらかじ
    め少し透明基板側にフォーカスがくるようにオフセット
    したことを特徴とする請求項(4)または(5)いずれ
    かに記載の記録・再生・消去方法。
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