JP2810185B2 - 光情報記録媒体及び光情報記録方法 - Google Patents

光情報記録媒体及び光情報記録方法

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JP2810185B2
JP2810185B2 JP2010607A JP1060790A JP2810185B2 JP 2810185 B2 JP2810185 B2 JP 2810185B2 JP 2010607 A JP2010607 A JP 2010607A JP 1060790 A JP1060790 A JP 1060790A JP 2810185 B2 JP2810185 B2 JP 2810185B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】 本発明は波長の異なる光を用いてその波長に対応づけ
られた情報を同一場所に多値情報として記録することが
可能な波長多重光情報記録媒体及び多層に積層したそれ
ぞれの記録膜に独立した情報を記録する多層多値記録方
法に関する。
【従来の技術】
本発明に関連する従来技術の一例として、特開昭59-1
52528を挙げることができる。 第1の従来例の光情報記録媒体の断面構造として、例
えば第2図のような構造を示すことができる。この従来
例の構造は、トラッキングのために同心円状あるいは螺
旋状の案内溝を設けた円盤状のガラス等よりなる透明基
板1上に、第1色素膜8a、誘電体膜6、第2色素膜8b、
保護膜7をこの順に積層してある。 第3図に第1色素膜8aと第2色素膜8bの吸収スペクト
ルを示した。即ち第1色素膜8aのスペクトル9aと第2色
素膜8bのスペクトル9bとでは吸収が最大になる波長が異
なる。そのため、第1色素膜8aに主に吸収される波長λ
の光を第2図の波長多重光情報記録媒体に照射する
と、光は第1色素膜8aでほとんど吸収され、第2色素膜
8bにはほとんど到達しない。 この様子を第2図(b)の実線で示した。逆に第2色
素膜8bに主に吸収される波長λの光を第2図(a)の
波長多重光情報記録媒体に照射すると、光は第1色素膜
8aを素通りし、第2色素膜8bで吸収される。この様子を
第2図右の破線で示した。従って波長λあるいは波長
λの強い光を第2図の波長多重光情報記録媒体に照射
することにより、第1色素膜8aあるいは第2色素膜8bを
熱的または光化学的に変性(感光)させることができ、
波長多重記録が行えることになる。 このようにして記録された部分では、第1色素膜8aま
たは第2色素膜8bの吸収率が変化する。従って、その部
分に強度の小さな光(波長λ及び波長λ)を照射し
反射光のあるいは透過光の強度を調べれば情報の有無が
判別できる。即ち記録の再生が行える。 第2の従来例として第4図の如き多層多値記録方式の
構成を示すことができる。この従来例の構成は、トラッ
キングのために同心円状あるいは螺旋上の案内溝を設け
た円盤上のガラス等よりなる透明基板1の上に第1記録
膜10a、誘電体膜6、第2記録膜10b、保護膜7が順に積
層されている。第1記録膜10aと第2記録膜10bは同一材
質のものでも異なってもいずれでも良い。 このような構成の記録媒体にレンズ11を用いてレーザ
光5を集光して照射する。この時レーザ光が集光される
位置(焦点)は光の波長またはレンズの位置を変えるこ
とにより第1記録膜10aまたは第2記録膜10bの上に選択
的に設定されている。波長を変える場合は、波長によっ
てレンズの焦点距離が変わる効果(色収差)を利用して
いる。従ってレーザ光が集光された側の記録膜上ではレ
ーザ光のパワー密度が高くなるため、前述の例と同様に
第1記録膜10aまたは第2記録膜10bを熱的または光化学
的に変性させることができ、多層多値記録が行えること
になる。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記第1の従来例においては、各層の色素の
吸収スペクトルが互いに異なるようにする必要があった
が、色素のスペクトルは一般にかなりの波長の幅を持つ
ため、層の数を増やして多重度を高めることが困難であ
った。 また、上記第1の従来例において、色素膜は弱い光で
も徐々に変性(感光)するため、読出しを繰り返すうち
に記録された情報が消えてしまうという問題があった。 また、上記第2の従来例においては、焦点の位置によ
っていずれの記録膜に記録するかを選択しているため、
各記録膜は集光された光スポットの大きさよりも十分遠
く離れている必要があった。従って、誘電体膜を十分に
厚く積層する必要があり、作製が容易ではなかった。 さらに、上記第2の従来例においては、記録または読
出しを行うために上記円盤の記録媒体を回転させたと
き、記録媒体の回転面のぶれに追随した焦点位置の自動
調節を行うことが困難であった。これは、集光された光
スポットの大きさよりも十分遠く離れて複数層の記録膜
が存在しているためである。 本発明の目的は、同一の点に容易に多数の情報を記録
することの可能な、即ち、容易に多値記録を行うことの
可能な光情報記録媒体及び光情報記録方法を提供するこ
とにある。 また、本発明の目的は、記録された情報を多数回繰り
返して読みだしても記録された情報が失われるおそれが
なくかつ多値記録を行うことの可能な光情報記録媒体及
び光情報記録方法を提供することにある。 また、本発明の目的は、複数の記録膜をへだてている
誘電体膜を厚くすることなく、多値情報を記録すること
の可能な、従って作製が容易な多値光情報記録媒体を提
供することにある。 さらに、本発明の目的は、記録または読出しを行うた
めに上記の円盤状の記録媒体を回転させたとき記録媒体
の回転面のぶれに追随した焦点位置の自動調節を行うこ
とが容易でかつ容易に多値記録を行うことのできる光情
報記録媒体及び光情報記録方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では次の手段を用
いた。 1.基板上に少なくとも記録膜と反射膜を有し、該記録
膜の側から反射膜に向けてレーザ光を照射して記録を行
う光情報記録媒体において、該レーザ光の反射光が入射
したレーザ光と干渉し光の強度分布を生じさせることを
利用しかつ該強度分布が照射するレーザ光の波長によっ
て異なることを利用して波長多重多値記録を行うように
した。 これにより、多値記録を行うのに、各波長に対応した
複数種の記録膜用材料を用意する必要がなくなるため、
容易に多値記録を行うことの可能な光情報記録媒体及び
光情報記録方法を得ることができる。 また、記録膜として色素のように弱い光に感光するよ
うな物質を用いる必要がないため、記録された情報を多
数回繰り返して読みだしても記録された情報が失われる
恐れがない。 また、記録すべき層に選択的に光スポットの焦点をあ
わせる必要がないため、複数の記録膜を隔てている誘電
体膜を極端に厚くすること必要がなくなる。従って作製
が容易になる。 さらに、記録膜の膜厚方向の全てがレンズの焦点深度
内に収まるようにすることができるため、記録または読
出しを行うために上記の円盤上の記録媒体を回転させた
とき記録媒体の回転面のぶれに追随した焦点位置の自動
調節を行うことが容易になる。 2.基板上に少なくとも2層以上の記録膜と反射膜を有
し、該記録膜の側から反射膜に向けてレーザ光を照射し
て記録を行う光情報記録媒体において、該レーザ光の反
射光が入射したレーザ光と干渉し光の強度分布を生じさ
せることを利用しかつ該強度分布が照射するレーザ光の
波長によって異なることを利用して上記多層の記録膜の
いずれに記録するかを選択して多層多値記録を行うこと
ようにした。 これにより、各層の材料を、各波長に対応した複数の
記録膜用材料とする必要がなくなるため、容易に多層多
値記録を行うことの可能な光情報記録媒体及び光情報記
録方法を得ることができる。 また、記録膜として色素のように弱い光に感光するよ
うな物質を用いる必要がないため、記録された情報を多
数回繰り返して読みだしても記録された情報が失われる
恐れがない。 また、記録すべき層に選択的に光スポットの焦点をあ
わせる必要がない。そのため、複数の記録膜を隔ててい
る誘電体膜を極端に厚くすること必要がなくなり、作製
が容易になる。 さらに、記録膜の膜厚方向の全てがレンズの焦点深度
内に収まるようにすることができるため、記録または読
出しを行うために上記の円盤上の記録媒体を回転させた
とき記録媒体の回転面のぶれに追随した焦点位置の自動
調節を行うことが容易になる。 3.上記記録膜と上記反射膜の間に誘電体層を設けた。 これにより、波長を変えて多値記録を行う際、波長を
大きく動かさなくても良くなる。即ち、波長の選択性が
良くなるため、多重度を高めることが可能になる。 4.上記の少なくとも2層の記録膜の間に誘電体層を設
けた。 これにより、各層の記録膜の膜厚を薄く保ったまま、
各層の間隔を広くすることができ、各層に非常に吸収率
の高い材料を使用したとしても、照射されたレーザ光は
十分反射膜まで到達してその反射光との干渉を起させる
ことができる。即ち吸収率の高い材料を用いることが可
能になる。 5.上記のレーザ光をレンズで光情報記録媒体上に集光
して記録を行うとき、上記の記録膜が膜厚方向で全て上
記レンズの焦点深度の範囲に収まるようにした。 レンズの焦点深度内ではレーザ光の波面は略平面とな
っている。従って、反射光と入射光の干渉による強度の
分布も平面状となる。したがって、この平面を各記録膜
にあわせることができるようになり、各層の選択性を増
すことができる。 6.本発明において、記録膜の少なくとも一つは特定の
波長の記録レーザ光の入射光と反射膜からの反射光とが
干渉して光の強度が強まる位置に、他の少なくとも一つ
は上記干渉で光の強度が弱まる位置に、それぞれ反射膜
と所定の間隔をおいて形成される。 これにより、一つの基板上の複数の記録膜に関して、
波長に対応させて特定の記録膜を選択できる。
【作用】
第5図(a)は本発明の光情報記録媒体の積層構造の
1例を示したものである。透明基板1の上に第1記録膜
3a、第1誘電体膜2a、第2記録膜3b、第2誘電体膜2b、
反射膜4が順に積層されている。 このような光情報記録媒体に、透明基板1の側から入
射レーザ光5aを照射する。第1誘電体膜2a及び第2誘電
体膜2bは透明であり、第1記録膜3a及び第2記録膜3bは
薄いため入射レーザ光5aのかなりの部分が反射膜4に到
達し、そこで反射する。反射膜4で反射された反射レー
ザ光5bは入射レーザ光5aと干渉し光の強度分布(定在波
3)をつくる。 この時、光の強度の強い部分(定在波の腹の部分)の
位置は入射レーザ光5aの波長により変化する。従って第
5図(a)のように、波長λの光を照射したときに定
在波の腹となる部分に第1記録膜3aを配置し、波長λ
の光を照射したときに定在波の腹となる部分に第2記録
膜3bを配置することにより、波長を変えることで、いず
れの記録膜に記録するかを選択することができる。即
ち、波長多重記録を達成することができる。このとき、
波長λの光が第1記録膜3aに影響を与えることのない
ように、波長λの光を照射したときに定在波の節とな
る部分に第2記録膜3bを配置するのが望ましい。同様
に、波長λの光を照射したときに定在波の節となる部
分に第1記録膜3aを配置するのが望ましい。 以上のような記録を読みだす際も記録の場合と同様に
定在波の腹となる部分、即ち、光の強度の強い部分にあ
る記録膜の情報を読みだすことができる。 第1図は透明基板1の上に第1誘電体膜2a、第1記録
膜3a、第2誘電体膜2b、第2記録膜3b、第3誘電体膜2
c、反射膜4が順に積層された記録媒体である。透明基
板1と第1記録膜3aの間に形成された第1誘電体膜2a
は、光の干渉の効果を強め、定在波の振幅(干渉度)を
強くする働きがある。すなわち、反射膜4で反射された
反射レーザ光5bを再び透明基板1と第1誘電体膜2aの間
の界面で反射させ、反射膜4の側へ戻すことによって干
渉効果を高めている。 以上の原理から、本発明の光情報記録媒体に用いる記
録膜の材質としては、光によって、あるいは光を吸収し
て発生する熱によって、その、光学的な性質(吸収率、
屈折率等)が変化するようなものであれば良いことがわ
かる。即ち、従来の波長多重記録に用いたような波長に
よって光の吸収率が異なるような材料を用いる必要がな
い。さらに、記録膜が複数の場合、全ての記録膜の材料
を同一のものとすることができる。従って、記録膜材料
として、従来から光ディスクに用いられていた希土類遷
移金属非晶質合金のような光磁気記録材料や相変化記録
材料をそのまま用いることができるため、光情報記録媒
体を作製することが非常に容易になる。 また、光情報記録媒体の積層構造は第5図の構造に限
られるものではない。例えば、記録膜を3層あるいはそ
れ以上の層数にして波長の多重度を高めることも可能で
ある。この場合、照射するレーザ光の波長に対応して光
の強度が最大になる位置にそれぞれの記録膜を配置すれ
ば良い。また、記録膜を厚い単一の層とすることもでき
る。この場合、記録膜内で光の強度分布の形(干渉縞)
をそのまま記録することになる。干渉縞の間隔は光の波
長の2分の1になっているため。波長を記録しているの
と同じことになる。これは、膜面に垂直な方向での干渉
を利用したホログラフィック記録とみなせる。従って、
一種の三次元記録を行っていることになり、飛躍的に記
録密度が増大する。即ち、高い波長多重度を実現するこ
とができる。
【実施例】
以下に本発明の実施例を示しさらに詳細に説明する。 《実施例1》 第6図は本発明の一実施例の光情報記録媒体の構造を
示したものである。トラッキング用の案内溝を設けたガ
ラスなどよりなる透明基板上1上に第1誘電体膜2aとし
てSiOを100nm高周波マグネトロンスパッタ法により積層
する。さらに第1記録膜2a(GeSbTe)を10nm、第2誘電
体膜3b(SiO)を150nm、第2記録膜2b(GeSbTe)を10n
m、第2誘電体膜2c(SiO)を250nm、反射膜4(Al)を5
0nm順に高周波マグネトロンスパッタ法で積層した。 このような構成の記録媒体に透明基板1の側から波長
830nmのレーザ光及び波長530nmのレーザ光を照射する。
各層の光学定数より計算したところ、波長830nmのレー
ザ光に対しては、第1記録膜3aがその12%を吸収し、第
2記録膜3bがその55%の光を吸収することがわかった。
また、波長530nmのレーザ光を照射したときには、第1
記録膜3aがその53%を吸収し、第2記録膜3bがその5%
の光を吸収することがわかった。反射膜4に吸収される
光の量はわずかである。従って、530nmの光により第1
記録膜3aを加熱し非晶質化することによって記録をおこ
なうことができる。この時の第2記録膜3bの温度の上昇
は極わずかである。また、同様に830nmの光により第2
記録膜3bを加熱し非晶質化することによって記録をおこ
なうことができる。 この例の記録膜材料GeSbTeの場合、強度の高い光を照
射したときには非晶質化し記録される。逆に強度の比較
的弱い光を照射したときには結晶化を行うことができる
ため、記録された情報を消去することができる。従っ
て、強度の高い光と強度の小さな光を交互に記録すべき
情報に合わせて変調して照射すると、以前の情報の上に
そのまま重ね書き(オーバライト)を行うことができ
る。 実際に記録媒体を2400rpmで回転させて波長830nmの光
でオーバライト記録を行ったところ、記録された点では
反射率が17%、記録されていない点では、反射率28%で
あり、変調度は40%であった。この記録に要したレーザ
光の強度は、強い光:12mW、弱い光:6mWであった。ま
た、波長530nmの光でオーバライト記録を行ったとこ
ろ、記録された点では反射率が17%、記録されていない
点では反射率40%であり、変調度は57%であった。この
記録に要したレーザ光の強度は、強い光:8mW、弱い光:4
mWであった。 波長830nmの光による記録を波長530nmの光で読みだし
たときには変調度は0.4%以下であった。従ってクロス
トークは−40dB以下である。また、波長530nmの光によ
る記録を波長830nmの光で読みだしたときには変調度は
0.5%以下であり、クロストークは−35dB以下であっ
た。 この時の記録密度は、従来方法による記録と同一の線
記録密度で記録したとして、約2倍に向上している。ま
た、記録膜を10nmと薄くしてあるため、従来と比べて記
録感度が約50%向上している。 波長830nmのレーザとしてはGaAs半導体レーザを、ま
た、波長530nmのレーザとしては半導体レーザ励起のNd:
YAGレーザの第2高調波(SHG)を用いた。 《実施例2》 第7図は本発明の一実施例の光情報記録媒体の構造を
示したものである。トラッキング用の案内溝を設けたガ
ラスなどよりなる透明基板上1上に第1誘電体膜2aとし
てSiNを100nm高調波マグネトロンスパッタ法により積層
する。さらに第1記録膜2a(TbFeCo)を10nm、第2誘電
体膜3b(SiN)を360nm、第2記録膜2b(TbFeCo)を10n
m、第3誘電体膜2c(SiN)を460nm、反射膜4(Ag)を5
0nm順に高周波マグネトロンスパッタ法で積層した。さ
らにその上に保護コートとして紫外線硬化樹脂を5μm
塗布した。 このような構成の記録媒体に透明基板1の側から波長
630nmの半導体レーザ光及び波長830nmの半導体レーザ光
を照射する。各層の光学定数より計算したところ、波長
630nmのレーザ光に対しては、第1記録膜3aがその75%
を吸収し、第2記録膜3bがその5%の光を吸収すること
がわかった。また、波長830nmのレーザ光を照射したと
きには、第1記録膜3aがその15%を吸収し、第2記録膜
3bがその65%の光を吸収することがわかった。反射膜4
に吸収される光の量はわずかである。従って、630nmの
光により第1記録膜3aを加熱しキュリー温度以上とする
ことによって光磁気記録をおこなうことができる。この
時の第2記録膜3bの温度の上昇は極わずかである。ま
た、同様に830nmの光により第2記録膜3bを加熱しキュ
リー温度以上とすることによって光磁気記録をおこなう
ことができる。 以上に述べた記録媒体15を用い、第8図のように浮上
型磁気ヘッド14を用いて磁界変調記録を行った。レンズ
16及び浮上型磁気ヘッド14は上記の2つの波長に対応し
て2組用意した。磁界変調記録は強いレーザ光5を記録
媒体14に連続的に照射して記録膜(磁性膜)をキュリー
温度以上に上昇させて置き、そこの情報に従って変調さ
れた磁界を印加し、その印加した磁界の方向に記録膜の
磁化を揃えて記録する方式である。従って、以前の情報
の上にそのまま重ね書き(オーバライト)を行うことが
できる。 実際に記録媒体を3600rpmで回転させて波長830nm(10
mW)の光でオーバライト記録(周波数5MHz)を行ったと
ころ、C/N比55dBを得た。また、波長630nm(8mW)の光
でオーバライト記録(5MHz)を行ったところ、C/N比56d
Bを得た。波長830nmの光による記録を波長630nmの光で
読みだしたとき及び波長630nmの光による記録を波長830
nmの光で読みだしたときのクロストークは−35dB以下で
ある。 この時の記録密度は、従来方法による記録と同一の線
記録密度で記録したとして、約2倍に向上している。ま
た、記録膜を10nmと薄くしてあるため、従来と比べて記
録感度が約50%向上している。 第9図は本発明の記録媒体15に照射する光の波長と各
層の吸収量の関係を示したものである。 波長630nmの光では第1記録膜の吸収量17aが最大にな
り、第2記録膜の吸収量17bが最小になっている。ま
た、波長830nmの光では逆に第2記録膜の吸収量17bが最
大になり第1記録膜の吸収量17aが最小になっている。 《実施例3》 第10図は本発明の1実施例の光情報記録媒体の構造を
示したものである。トラッキング用の案内溝を設けたガ
ラスなどよりなる透明基板上1上に、誘電体膜12a(Al
N:9nm)、記録膜12b(InTe:1nm)を交互に50組積層し計
0.5μmの多層記録膜12を形成した。その上に反射膜4
(Au)を50nm積層した。 このような、記録媒体に種々の波長の光を照射して結
晶化し記録を行うと、第11図に示したように、記録を行
った波長の光に対する反射率が高くなる。この理由は以
下説明する。光を照射したとき、多層記録膜12の中で光
の波長に対応した干渉縞が形成され、干渉した光の強度
に従って各記録層12bが結晶化される。従って、多層記
録膜12の中に干渉縞が記録される。このようにして記録
を行ったあとに記録を行ったのと同じ光を照射したとき
は、干渉縞の波長と光の波長が一致しているため、相互
作用が最大になり、光の反射率は記録前と比べて変化す
るが、その他の光では干渉縞の波長と光の波長が異なっ
ているため、各部分での位相がずれるため、記録されて
いない時と同じ反射率になる。 この例では、約50nmの波長間隔で記録を行い10多重を
得ている。 この例では記録膜として多層記録膜を用いたが、もっ
と吸収率の低い材料(透明度の高い材料)を用いること
により単層膜とすることも可能である。このような材料
としては、例えばPMMA等の透明物質中に色素等の吸収体
を添加した物などがある。いずれにせよ、反射膜にまで
十分に光が到達するような吸収率でかつその厚さが約0.
5μm程度の物を用いることが重要である。厚さがこれ
よりも薄いと干渉縞の本数が少なくなるため多重度が少
なくなるからである。
【発明の効果】
本発明を用いることにより、各波長に対応した膜を用
意することなしに容易に波長多重記録を行うことが可能
な光情報記録媒体及び光情報記録方法を得ることができ
る。従って、光情報記録の記録密度を飛躍的に向上させ
ることが可能になる。また、記録材料としては従来の光
記録に用いられていたものを用いることができる。従っ
て、PHB記録材料のように低温に媒体を保つ必要がな
い。また、オーバライト記録も従来の光記録同様に利用
行うことができる。そのため、記録密度の増大に伴っ
て、転送速度も向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第5図、第6図、第7図及び第10図は本発明の
光情報記録媒体の積層構造を示す断面図、第2図は従来
の光情報記録媒体の積層構造を示す断面図、第3図は従
来の光情報記録媒体の吸光度を示す図、第4図は従来の
光情報記録媒体の積層構造及び光情報記録方式の構成を
示す図、第8図は磁界変調記録方式の構成を示す図、第
9図は本発明の光情報記録媒体の吸収量を示す図、第11
図は本発明の光情報記録媒体の反射率を示す図である。
符号の説明 1……透明基板、2……誘電体膜、3……記録膜、4…
…反射膜、5……レーザ光、6……誘電体膜、7……保
護膜、8……色素膜、9……色素膜の吸光度、10……記
録膜、11……レンズ、12……多層記録膜、13……保護コ
ート、14……浮上型磁気ヘッド、15……レンズ、16……
記録膜の吸収量。
フロントページの続き (72)発明者 太田 憲雄 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 7/00 G11B 7/24 G11B 11/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録膜と反射膜を用い、該記録膜の側から
    反射膜に向けてレーザ光を照射して記録を行なう光情報
    記録方法において、上記レーザ光の上記反射膜からの反
    射光が入射したレーザ光と干渉して光の強度分布を生じ
    させることを利用し、かつ、該強度分布が照射するレー
    ザ光の波長によって異なることを利用して、波長多重多
    値記録を行なうことを特徴とする光情報記録方法。
  2. 【請求項2】複数の記録膜と反射膜とを有する記録媒体
    を用い、該記録膜の側から反射膜に向かってレーザ光を
    入射させて記録を行なう光情報記録方法において、上記
    レーザ光の上記反射膜からの反射光が入射したレーザ光
    と干渉して光の強度分布を生じさせることを利用し、か
    つ該強度分布がレーザ光の波長によって異なることを利
    用して、上記複数の記録膜のいずれに記録するかを選択
    して記録を行なうことを特徴とする光情報記録方法。
  3. 【請求項3】反射膜と、該反射膜上の第1および第2の
    記録膜を有する情報記録媒体であって、上記第1の記録
    膜は記録に用いられる第1の波長のレーザ光の入射光と
    上記反射膜からの反射光とが干渉して光の強度が比較的
    強まる位置に、上記第2の記録膜は上記干渉で光の強度
    が比較的弱まる位置に、それぞれ反射膜と所定の間隔を
    もって積層され、かつ、上記第1の記録膜は記録に用い
    られる第2の波長のレーザ光の入射光と上記反射膜から
    の反射光とが干渉して光の強度が比較的弱まる位置に、
    上記第2の記録膜は上記干渉で光の強度が比較的強まる
    位置に、それぞれ反射膜と所定の間隔をもって積層され
    たことを特徴とする光情報記録媒体。
JP2010607A 1990-01-22 1990-01-22 光情報記録媒体及び光情報記録方法 Expired - Lifetime JP2810185B2 (ja)

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