JP2506458B2 - 電解式ガスセンサ - Google Patents

電解式ガスセンサ

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JP2506458B2
JP2506458B2 JP1264542A JP26454289A JP2506458B2 JP 2506458 B2 JP2506458 B2 JP 2506458B2 JP 1264542 A JP1264542 A JP 1264542A JP 26454289 A JP26454289 A JP 26454289A JP 2506458 B2 JP2506458 B2 JP 2506458B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電解液が収容された容器と、その容器内に
対設された作用電極と対極とからなる電解式ガスセンサ
に関する。
〔従来の技術〕
従来、この種の電解式ガスセンサとしては、第6図に
示すように、容器(1)に通気孔(15)を設け、その通
気孔(15)を通気性の膜(17)で塞いだものがあった。
つまり、周囲温度の上昇に伴う容器(1)内の電解液
収容空間(11)に存する気層の圧力の増大によって、検
出精度が低下し、更に、電極(4),(5),(6)に
配した通気性の膜(10)から電解液が漏れて使用できな
くなり、その結果、信頼性が失われるといった事態に到
らないように、容器(1)内の気層の圧力が増大する
と、通気孔(15)から膜(17)を介して気体を逃すこと
で気層の圧力を調節していた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上述した従来の電解式ガスセンサには、その
設置に際し、通気孔と容器内の気層とが接するように容
器の姿勢を保持しなければならず、取付姿勢のため自由
度が極めて小であるという欠点があった。
この欠点を解消すべく、容器の複数の箇所に前記通気
孔を設けることで、設置のための自由度を大にすること
が考えられるが、その場合には、外気と直接接触する通
気孔の総表面積が大きくなるために、それら複数の通気
孔を介しての電解液の蒸発量が大となり、電解液濃度が
変動し、その結果検出精度や信頼等が低下する虞があ
る。
本発明の目的は、上述の欠点を解消する点にある。
〔課題を解決するための手段〕
この目的を達成するため、本発明による電解式ガスセ
ンサの特徴構成は、前記容器に通気孔を設けて、その通
気孔を介して外気と連通する外気連通空間を、前記容器
の内周に沿って設け、かつ、前記外気連通空間と、電解
液が収容された電解液収容空間とを通気性の膜で区画し
てあることにある。
また、前記作用電極及び対極を円筒状の容器の上下両
底面に各別に設け、前記外気連通空間を、通気性の膜で
形成されたパイプで構成し、前記容器の内周に沿って設
けてあることが好ましい。
前記作用電極及び前記対極間に、前記電解液を含浸す
る電解液保持部材を介装してあることが好ましい。
〔作用〕
つまり、第1の特徴構成によれば、外気連通空間を容
器の内周に沿って設けてあるので、外気連通空間と電解
液収容空間に存する気層との界面が生ずるような設置姿
勢の範囲がより広がることになる。その界面は、通気性
の膜、例えば、撥水性を有する多孔質樹脂で形成してお
けば、外気連通空間は容器に設けた通気孔と連通してい
るので、周囲温度の上昇、或いは外気圧に較べて容器内
気層の圧力が上昇した場合には、その通気性の膜を介し
て気体を、電解液収容空間から外気に放出することで、
気層の圧力を低下させ、電解液の漏れを防ぐのである。
さらに、外気連通空間と外気とは容器に設けた通気孔
を介してのみつながっているので、電解液から蒸発した
気体が通気性の膜を介して外気連通空間に放出されるこ
とがあっても、通気性の断面積が十分小さいので、蒸発
して放出する量は極めて少なく、電解液の濃度の変動は
少ない。
第2の特徴構成によれば、外気連通空間を形成する
に、通気性の膜で形成されるパイプを用いることで、容
器に特別の加工をすることなく容易に形成することがで
きる。
第3の特徴構成によれば、電解式ガスセンサを、例え
ば作用電極と対極とが上下に対向する姿勢で取付けた場
合に、電解液が減少して両電極間への電解液の接触が不
可能になる虞がある場合でも、前記両電極間に介装して
ある電解液を含浸させた電解液保持部材により、常に前
記両電極にわたり電解液が接触するのである。
〔発明の効果〕
従って、本発明による電解式ガスセンサによれば、周
囲温度の変化等が生じる場合でも、電解液収容空間内の
気層の圧力と外気の圧力とがほぼ同一となると共に、電
解液の濃度や、量の変化も少なく、常に高い検出精度と
高信頼性を維持でき、取付の際の自由度を極めて高くす
ることができるようになった。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を説明する。
電解式ガスセンサは、第1図乃至第3図にしめすよう
に、電解液(9)を封入した塩化ビニル樹脂製の円筒状
の容器(1)の上下両底面(2),(3)のうちの一方
の底面(2)に作用電極(4)を、他方の底面(3)に
対極(5)及び参照電極(6)を設けて構成してある。
各電極(4),(5),(6)は、前記容器(1)の
底面(2),(3)に形成の開孔部(2a),(3a)に多
孔質ポリ4フッ化エチレン樹脂製の撥水性を有する通気
性の膜(7),(8)上に設けてあり、詳述すると、そ
の膜(7),(8)のうち電解液(9)と接触する面に
金や白金等で構成される貴金属触媒層(10)を形成する
とともに、導線(4a),(5a),(6a)を埋め込み構成
してある。
前記対極(5)及び参照電極(6)は、同一の膜
(8)上に形成してある。
前記容器(1)に封入された電解液(9)の注入量
は、その体積の増加により前記膜(7),(8)から漏
れないように、容器(1)内に充満させずに前記容器
(1)の容積よりも小としてある。
すなわち、前記容器(1)の内部は電解液(9)から
なる液層と空気を含む気層(19)からなる電解液収容空
間(11)を形成してある。
前記作用電極(4)と、前記対極(5)及び前記参照
電極(6)との間には、前記容器(1)の取付姿勢にか
かわらず、夫々の電極(4),(5),(6)が常に電
解液(9)と接触するように、グラスウール等の繊維や
樹脂製のスポンジでなる電解液保持部材(12)を設けて
ある。
さらに、前記容器(1)の内部(13)には、多孔質ポ
リ4フッ化エチレン製の可撓性の中空パイプ(14)を、
円筒状の側壁の内周に沿って、かつ、前記上下両底面
(2),(3)に亘って配置してあり、その一端部(14
a)を一方の底面(3)に密閉接続するとともに、他端
部(14b)を前記底面(3)に設けた通気孔(15)に接
続してある。
従って、前記容器(1)の取付姿勢にかかわらず、前
記パイプ(14)と前記気層(19)とはいずれかの箇所で
接触することにより、前記気層(19)の圧力が増大し、
外気との圧力差が生ずると、前記バイプ(14)の側壁を
介して気体が流出することで、気層(19)と外気との圧
力差をなくし、電解液(9)の流出を防止している。
すなわち、前記パイプ(14)の内部が、前記通気孔
(15)を介して外気と連通する外気連通空間(16)を構
成してあり、前記パイプ(14)の側壁が通気性の膜(1
7)を構成してある。
〔別実施例〕
以下に別実施例を説明する。
〈1〉 先の実施例では、通気性の膜として、撥水性を
有する多孔質ポリ4フッ化エチレン樹脂を用いている
が、通気性の膜としては、これに限定するものではな
く、例えば、ポリ3フッ化塩化エチレン、ポリ4フッ化
エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ6フッ化プロピ
レン、及びこれらの共重合体、ポリプロビレン、ポリエ
チレン等を適宜用いることができる。
〈2〉 先の実施例では、外気連通空間を、一端を外気
と連通させた1本のパイプで構成しているが、外気連通
空間としては、複数本のパイプで構成してもよいし、パ
イプの両端共外気に連通させてもよい。この場合、通気
孔の断面積は、パイプの表面積より充分に小に構成する
ことが好ましい。
〈3〉 先の実施例では、外気連通空間を1本のパイプ
で構成しているが、外気連通空間としては、第4図に示
すように、容器内周面壁(18)に凹部(18a)を形成
し、その凹部(18a)の底部一箇所に外気を連通させる
通気孔(15)を設けるとともに、凹部(18a)を閉塞し
電解液収容空間(11)と区画するための多孔質ポリ4フ
ッ化エチレン樹脂や別実施例〈1〉で述べたような通気
性の膜(17)を設けても良い。
〈4〉 先の実施例では、電解液保持部材(12)を作用
電極(4)対極(5)間に介装して、電解式ガスセンサ
の取付姿勢に関係なく前記両電極(4),(5)間に電
解液が接触するように構成しているが、第5図に示すよ
うに、例えば、天地逆に取付けても、斜姿勢に取付けて
も、前記両電極(4),(5)間に電解液が接触するよ
うに取付姿勢を保つ限りにおいて、前記電解液保持部材
(12)を設けなくてもよい。
〈5〉 尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図
面の構造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明に係る電解式ガスセンサの実施例を示し、
第1図は縦断面図、第2図は横断面図、第3図は断面斜
視図で、第4図及び第5図は別実施例を示す縦断面図、
第6図は従来例を示す断面図である。 (1)……容器、(4)……作用電極、(5)……対
極、(11)……電解液収容空間、(15)……通気孔、
(17)……通気性の膜。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電解液が収容された容器(1)と、その容
    器(1)内に対設された作用電極(4)と対極(5)と
    からなる電解式ガスセンサにおいて、前記容器(1)に
    通気孔(15)を設けて、その通気孔(15)を介して外気
    と連通する外気連通空間(16)を、前記容器(1)の内
    周に沿って設け、かつ、前記外気連通空間(16)と、電
    解液が収容された電解液収容空間(11)とを通気性の膜
    (17)で区画してある電解式ガスセンサ。
  2. 【請求項2】前記作用電極(4)及び対極(5)を円筒
    状の容器(1)の上下両底面(2),(3)に各別に設
    け、前記外気連通空間(16)を、通気性の膜(17)で形
    成されたパイプで構成し、前記容器(1)の内周に沿っ
    て設けてある請求項1記載の電解式ガスセンサ。
  3. 【請求項3】前記作用電極(4)及び前記対極(5)間
    に、前記電解液を含浸する電解液保持部材(12)を介装
    してある請求項1又は2記載の電解式ガスセンサ。
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