JP2505999B2 - 超高温熱間鍛造方法 - Google Patents
超高温熱間鍛造方法Info
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- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21J—FORGING; HAMMERING; PRESSING METAL; RIVETING; FORGE FURNACES
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- B21J1/06—Heating or cooling methods or arrangements specially adapted for performing forging or pressing operations
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Description
廻りに使用される強度部品や、コネクティングロッドな
どの複雑な形状をした部品の鍛造技術、特に超高温域に
おける熱間鍛造方法に係るものである。
方法として、熱間鍛造、温間鍛造、冷間鍛造が用いられ
ており、比較的小物で単純な形状のものは冷間鍛造され
るが、複雑な形状の大物は熱間鍛造されている。温間鍛
造は、ステンレスなど変形抵抗の高い材料の高精度加工
法として一部で用いられている。
において飛躍的な軽量化が指向されるに至って、素材を
高強度化しようとすると、合金成分の添加によって加工
時の変形抵抗が大幅に増加し、工具が耐えられなくな
る。しかも、軽量化することによって生じる剛性の低下
を断面係数によって確保しようとすると、部品の形状は
複雑なものとならざるを得ず、これを形成するための鍛
造工具の耐久性は一段と低下することになる。
250℃で行われている熱間鍛造の加熱温度を高めて変
形抵抗を下げることが考えられるが、そうした場合、鋼
材加熱中や加工中に激しい酸化が起こって、歩留低下、
精度低下、表面性状不良などを引き起こすほか、材料温
度が型によって急激に低下するため思ったほどの成形性
が得られず、ほとんど実施されていない。
究(東京大学生産技術研究所発行)第42巻第2号(1
990年2月)第11頁に、鋳鉄を半溶融状態の温度に
加熱後鍛造した例が報告されている。これは、通常の熱
間鍛造では素材が割れて成形できなかったものを、半溶
融状態にすることによって成形可能としたものである
が、鋳鉄の場合は1000℃程度で半溶融状態が実現で
きるため、通常の鋼の熱間鍛造に比してとくに高温とい
うわけではなく、加熱条件や雰囲気制御による酸化膜の
抑制や、加工条件の改良による成形性の向上などの手段
については特段の処置は採られていない。鋼材の場合、
鋳鉄に比べてはるかに溶解温度が高いので、前述のよう
な問題があって溶解温度近くでは鍛造されていない。も
ちろん、鋳鉄では自動車などで必要とされる高強度部品
を作ることはできない。
軽量機械部品を鍛造するとき、従来技術で重要な問題と
なる工具の耐久性、超高温鍛造を行う場合に発生する酸
化による歩留り低下、精度低下および表面性状不良など
の問題点を解決するものである。
満の炭素量を含有する鋼材を、無酸化雰囲気中で平均昇
温速度3℃/秒以上20℃/秒以下で加熱して、平衡状
態図における固相線温度の45℃下または1250℃の
いずれか高い方を下限とし、平衡状態図における液相線
温度の20℃下を上限とする温度域に設定し、型内で平
均500mm/秒以上の加工速度で成形するか、または
加熱終了後予め200℃以上に加熱された型内で平均2
00mm/秒以上の加工速度で成形した後、放冷または
急冷することを特微とする超高温熱間鍛造方法である。
同方法において、加熱終了後、酸化膜を除去すると共
に、材料の表層から1mm以上10mm以内を冷却速度
10℃/秒以上で1200℃以下となるまで冷却し、直
後に鍛造を施すこと、さらに、主たる成形を行った後、
鍛造機の下死点において少なくとも材料表面温度が10
00℃以下となるまで鍛造時の最高荷重の10%以上の
荷重を保持すること、または、主たる成形を行った後、
その時の温度から少なくとも表層は800℃以下となる
まで5℃/秒以上の冷却速度で急速冷却することも可能
である。
下げて鍛造・加工するため、従来は避けてきた1250
℃以上の超高温域に急速加熱することによって酸化を防
止しつつ著しい変形抵抗の低減を実現し、もって工具の
耐久性を飛躍的に高めるものである。
もので、同図(a)は従来の熱間鍛造法、同図(b)、
(c)は本発明の態様を示す。
持状態を示し、通常この温度は1200℃前後である。
その後Cで鍛造され、Dにおいて放冷されるのが一般的
である。
加熱を示し、Fで短時間保持された後、Gで鍛造され、
急速冷却Hまたは放冷Iされる。Eの加熱はアルゴン、
窒素などの無酸化雰囲気中で、高周波加熱などの急速加
熱法を用いて平均昇温速度3℃/秒以上で行う。これ
は、超高温に加熱することによって発生する酸化を極力
抑制し、鋼材の歩留向上と精度向上を図るためである。
昇温速度を3℃/秒以上とするのは、この速度未満では
酸化抑制の効果が十分でないからである。一方、20℃
/秒以下の昇温速度とするのは、これを超えると鋼材の
内部温度が不均一となって局部的に溶け落ちる危険が伴
うからである。Fの短時間保持は、Eの昇温加熱のみで
鋼材の均一加熱が可能であれば省略可能である。また、
最高加熱温度を、固相線温度の45℃下または1250
℃のいずれか高い方を下限とし、液相線温度の20℃下
を上限とする温度域に設定するのは、この範囲より低い
温度の加熱では鍛造時の変形抵抗が高く、材料流動が十
分に行われないからであり、それを超える温度では、僅
かな温度の不均一により局部的に溶け落ちる可能性があ
るからである。さらに、鍛造時に鋼材を型内で平均50
0mm/秒以上の加工速度で成形するのは、それより低
い加工速度では鋼材が型で冷却されて変形抵抗が急増
し、材料の流動性が低下するからである。一方、型温度
を200℃以上に予加熱しておく方法を用いれば型によ
る冷却が抑制されるので、200mm/秒以上の加工速
度で十分である。
れ実線および破線で示しており、表層は高周波加熱J、
保持K後、表面は噴出ガスなどにより酸化膜を除去され
ると同時に、Lに示すように表層が1200℃以下に急
速冷却された後、Nで鍛造され、Pで急速冷却される。
一方、鋼材内部は急冷されないので、Mの冷却カーブを
たどった後、Oで鍛造され、Qで冷却される。表層を冷
却するのは、その部分の組織を微細にするためであり、
冷却速度を10℃/秒以上とするのは、酸化を抑制する
ためである。また、冷却範囲を表層から1mm以上10
mm以内とするのは、それより浅い範囲の冷却では組織
微細化の効果が加工した部品の性能として現れないこと
と、それを超えると表層の温度低下による変形抵抗の上
昇が全体の材料流動性を低下させることとによる。な
お、表層冷却には高圧の空気、窒素などの気体のみなら
ず、水分等の液体、固体を用いても良い。
った後、必要に応じて鍛造機の下死点において少なくと
も材料表面温度が1000℃以下となるまで、鍛造時の
最高荷重の10%以上の荷重を保持する工程を入れるこ
ともできる。これは、超高温下の鍛造が短時間に終了し
た場合、熱ひずみが大きいため、製品の精度が低下する
傾向にあるのを防ぐためである。表面温度を1000℃
以下とするのは、この条件下では熱ひずみが十分小さく
なるからである。また、保持荷重を10%以上とするの
は、これ未満では熱ひずみの抑制が不十分であるからで
ある。なお、この方法に代えて、主たる成形を行った
後、少なくとも表面は800℃までは5℃/秒以上の冷
却速度で急速冷却することも可能である。この際、80
0℃まで急速冷却するのは、それより高い温度で急速冷
却を止めると酸化が大きくなるからであり、5℃/秒以
上で急速冷却するのは、それより遅いとやはり酸化が大
きくなるからである。
のは、1%以上を含む鋼材を用いて高強度にした部品は
靱性が低いため、自動車などの重要な部分に適用できな
いからである。
本発明方法および比較法の実験を行った。それぞれの固
相線温度と液相線温度も表1に示した。
定後、無潤滑状態で種々の加工速度で素材軸方向に圧縮
した。本発明法では、窒素ガス雰囲気中で高周波電源を
用いて5℃/秒で加熱し、比較法においては大気中で2
℃/秒で加熱した。全て最大荷重10tonfとなるま
で圧縮し、この圧縮後に得られた素材軸の直角方向の断
面積の拡大率を測定して、表2に示した。
て製造したサンプルの面積拡大率はいずれの場合も2.
0を越えているが、同じ荷重をかけた比較法の結果は全
て2.0未満となっており、両者の成形性に歴然たる差
が見られる。成形性は加工速度300mm/秒では低い
が、500mm/秒以上になると大幅に高まり、100
0mm/秒ではさらに高くなることが分かる。
比較したところ、表3の結果を得た。本発明法2では、
酸化膜は僅か17μmしか生じていないのに対し、比較
法6で、加熱速度Sを1℃/秒と遅くしたところ、酸化
膜厚が120μmに達した。さらに、加熱速度は本発明
法2と同じ5℃/秒としたが、雰囲気は空気としたとこ
ろ、酸化膜厚は200μmに及んだ。
の方法と表層部の靱性を比較した結果が表4である。既
述の本発明法3は表層急冷していないので、JIS4号
衝撃試験片による20℃における衝撃値は1.2kgf
−m/cm 2 であったが、冷却速度15℃/秒で急冷し
て表層下6mmまでを1200℃以下とした後鍛造した
本発明法9では、10.1kgf−m/cm 2 もの高い
衝撃値を示した。そして、比較法3は本発明法3、9と
同じ鋼種Lを用いて加熱速度を2℃/秒、加熱雰囲気を
空気とし、加工速度を300mm/秒としたものであ
り、衝撃値は0.3kgf−m/cm 2 と非常に小さく
なった。これらの結果から、表層を急冷した後、鍛造す
ることは顕著な効果があることが分かる。
℃以下の領域の深さ
まることにより、工具の耐久性が向上し、従来なし得な
かった複雑形状の部品加工や高強度材料の加工が、高精
度で実施できるとともに、材質も優れたものが実現でき
る。このことは部品の軽量化を実現し、自動車の燃費改
善など多大の効果をもたらす。
(a)は従来法、同図(b)、(c)は本発明法の例を
示す。
Claims (5)
- 【請求項1】 1%未満の炭素量を含有する鋼材を、無
酸化雰囲気中で平均昇温速度3℃/秒以上20℃/秒以
下で加熱して、平衡状態図におけ固相線温度の45℃下
または1250℃のいずれか高い方を下限とし、平衡状
態図における液相線温度の20℃下を上限とする温度域
に設定し、型内で平均500mm/秒以上の加工速度で
成形した後、放冷または急冷することを特徴とする超高
温熱間鍛造方法。 - 【請求項2】 1%未満の炭素量を含有する鋼材を、無
酸化雰囲気中で平均昇温速度3℃/秒以上20℃/秒以
下で加熱して、平衡状態図における固相線温度の45℃
下または1250℃のいずれか高い方を下限とし、平衡
状態図における液相線温度の20℃下を上限とする温度
域に設定し、加熱終了後予め200℃以上に加熱された
型内で平均200mm/秒以上の加工速度で成形した
後、放冷または急冷することを特徴とする超高温熱間鍛
造方法。 - 【請求項3】 加熱終了後、酸化膜を除去すると共に、
材料の表層から1mm以上10mm以内を冷却速度10
℃/秒以上で1200℃以下となるまで冷却し、直後に
鍛造を施すことを特徴とする請求項1または2記載の超
高温熱間鍛造方法。 - 【請求項4】 主たる成形を行った後、鍛造機の下死点
において少なくとも材料表面温度が1000℃以下とな
るまで鍛造時の最高荷重の10%以上の荷重を保持する
ことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の超高温熱
間鍛造方法。 - 【請求項5】 主たる成形を行った後、その時の温度か
ら少なくとも表層は800℃以下となるまで5℃/秒以
上の冷却速度で急速冷却することを特徴とする請求項
1,2又は3に記載の超高温熱間鍛造方法。
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