JP2505526Y2 - 作業台車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、建築等の工事で、室内
での高所作業に使用する作業台車に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】建築等の工事で、室内での高所作業に使
用するものとしては、脚立やローリングタワーが使われ
ている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、脚立やローリ
ングタワーは、いずれも作業員は所要の高さに登ってか
ら、別の作業員より取付け資材等を受け取るもので、安
全上、自分で資材を持ちながら昇降することはできな
い。

【０００４】また、脚立では開いて掛金で止め、ローリ
ングタワーではストッパーを忘れずに掛けないと不安全
作業になってしまうが、かかる掛金やストッパーの設定
操作は忘れ勝ちである。

【０００５】本考案の目的は前記従来例の不都合を解消
し、作業者が物を持ったまま安全に昇降できるとともに
しっかりした広い作業スペースを確保できて作業現場に
一定期間仮設する作業床として優れ、しかも機動性に富
み、また設置も即座にかつ安定させて行うことができる
作業台車を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は前記目的を達成
するため、水平基枠上にこの水平基枠の一端に低い段を
向ける昇降階段とこの昇降階段の最上段に一体的に続く
踊場的なある程度の広さからなる作業床を最上面に構成
した枠組架台を設け、該枠組架台を設けた側の左右に車
輪を設け、また昇降階段を設けた側の下面に下端に水平
フランジを形成した固定脚を突設し、さらに昇降階段を
設けた側の左右から徐々に上方に向けて傾斜させて握り
が作業員の腰位置となる長尺なハンドルを着脱自在に取
付け、前記昇降階段の脇と前記作業床の周囲に手摺を立
上げたことを要旨とするものである。

【０００７】

【作用】本考案によれば、階段があるので作業者は物を
持ったままで安定して昇降でき、この階段の最上段に続
く作業床は作業スペースが広いので資材の取付け作業な
どを楽に行うことができる。とくに、作業床は階段の踊
場的なある程度の広さからなるものであるが、枠組架台
の最上面３としてしっかりとしている。また、作業床は
ある程度の広さを有するので昇降階段の脇とともにその
周囲に手摺を立上げたことで安全が図れる。

【０００８】また、台車を押し進めるにはハンドルを持
ち上げて固定脚の水平フランジを浮かせた状態で水平基
枠の作業床を設けた側の左右に設けた車輪を回転させて
行うが、ハンドルは上方に向けて握りが傾斜させて作業
員の腰位置となるので作業員は無理が姿勢をとることな
く楽に持ち上げて台車を押す姿勢がとれ、しかもこのハ
ンドルは長尺なので握りが台車からある程度離れるので
テコの原理により重さを感じることなく水平基枠の昇降
階段側を持ち上げることができ、さらに水平基枠の昇降
階段側は作業床側より比重が軽いのでさらに持ち上げや
すい。なお、ハンドルは着脱自在なので台車の設置後に
取り外せば邪魔にならない。

【０００９】さらに、所定の場所にきたならば、固定脚
を設置させるだけで即座に不動の状態にすることがで
き、しかも固定脚下端の水平フランジによりが接地面積
を大きくとれるので、台車の停止・固定を安定させるこ
とができる。

【００１０】

【実施例】以下、図面について本考案の実施例を詳細に
説明する。図１は本考案の作業台車の１実施例を示す側
面図である。

【００１１】本考案の作業台車は、昇降階段１とこの昇
降階段１の最上段に続く踊場的なある程度の広さからな
る作業床２を有するもので、この作業床２は枠組架台３
の最上面に構成される。

【００１２】さらに、これら作業床２を形成した枠組架
台３とこれに取付く昇降階段１は鋼製の一体的なものと
して、水平基枠４上に設けるが、該水平基枠４の下面の
前方すなわち昇降階段１を設けた側の左右には車輪９を
設け、後方すなわち作業床２を設けた側にはこの水平基
枠４が水平状態で設置可能な固定脚５を下方に向けて突
設した。この固定脚５には金属製管体等が利用できる
が、下端の接地面積を大きくするため、水平フランジ６
を一体的に形成する。

【００１３】図中７は前記昇降階段１の脇と作業床２の
周囲に立上げた手摺である。

【００１４】また、前記水平基枠４の後部、すなわち、
昇降階段１を設けた側の左右側部にここから徐々に上方
に向けて傾斜させて握り８ａがハンドル８を持ち上げる
際に押し出し可能な程よい高さとして作業員の腰位置と
なる長尺なハンドル８を取付けた。このハンドル８はパ
イプで構成してその先端を水平基枠４の後部に固定して
ある短パイプに嵌合し、その重複部をピンで着脱自在に
固定するものとした。

【００１５】なお、昇降階段１は固定脚５がある水平基
枠４の後部から前部に向けて段が高くなるものとし、作
業床２は車輪９がある水平基枠４の前部に位置するもの
とする。

【００１６】次に、使用法について説明する。台車を押
し進める際には、ハンドル８を取付け、該ハンドル８を
手で持ち、テコ作用で水平基枠４の後部を少し持ち上げ
た状態でこれを行う。その際は、固定脚５は下端の水平
フランジ６が床面から浮いたものとなり、前方左右の車
輪９のみが接地するので、この車輪９が回転して台車を
進めることができる。

【００１７】また、台車が所定の場所にきたならば、ハ
ンドル８を手から離して水平基枠４の後部を下ろせば、
固定脚５は下端の水平フランジ６が接地し、台車はこの
固定脚５で停止・固定して安定した不動の状態となる。

【００１８】そして、ハンドル８を取外し、昇降階段１
で登り下りし、作業床２で作業を行う。

【００１９】

【考案の効果】以上述べたように本考案の作業台車は、
作業者が物を持ったまま安全に昇降できるとともにしっ
かりした広い作業スペースを確保できて作業現場に一定
期間仮設する作業床として優れ、しかも機動性に富み、
また設置も即座にかつ安定させて行うことができるもの
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の作業台車の１実施例を示す側面図であ
る。

【符号の説明】

１…昇降階段 ２…作業床 ３…枠組架台 ４…水平基枠 ５…固定脚 ６…水平フラン
ジ ７…手摺 ８…ハンドル ８ａ…握り ９…車輪

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平基枠上にこの水平基枠の一端に低い
   段を向ける昇降階段とこの昇降階段の最上段に一体的に
   続く踊場的なある程度の広さからなる作業床を最上面に
   構成した枠組架台を設け、該枠組架台を設けた側の左右
   に車輪を設け、また昇降階段を設けた側の下面に下端に
   水平フランジを形成した固定脚を突設し、さらに昇降階
   段を設けた側の左右から徐々に上方に向けて傾斜させて
   握りが作業員の腰位置となる長尺なハンドルを着脱自在
   に取付け、前記昇降階段の脇と前記作業床の周囲に手摺
   を立上げたことを特徴とする作業台車。