JP2505018B2 - 内燃機関のアイドル回転数制御装置 - Google Patents

内燃機関のアイドル回転数制御装置

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JP2505018B2 JP63036360A JP3636088A JP2505018B2 JP 2505018 B2 JP2505018 B2 JP 2505018B2 JP 63036360 A JP63036360 A JP 63036360A JP 3636088 A JP3636088 A JP 3636088A JP 2505018 B2 JP2505018 B2 JP 2505018B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、内燃機関のアイドル回転数制御装置に関
し、特にその制御の安定性及び応答性の改善に関するも
のである。
〔従来の技術〕
近年、自動車には種々の要望からさまざまな補機装置
が装着されるようになり、それらの装置の中にはエンジ
ン回転によって駆動されるものがあり、その動作により
エンジン回転速度、特にアイドリング時のそれを変動さ
せる大きな負荷であるものも多くある。
例えば、エアーコンディショナあるいはパワーステア
リング、さらには多量に電流を消費する装置(デフォガ
ー等)はその作動により発電機(オルタネータ)の負荷
トルクの増大を招き、エンジンストップを発生させると
いう欠点を有していた。
以下、このような大負荷補機装置を装着した自動車の
エンジン回転数制御系の従来例について図面により詳し
く説明する。
第4図は従来のエンジン回転数制御系のブロック図を
示している。図において、1は所望の目標回転数に応じ
た電圧の設定信号を出力する設定回路であり、この設定
信号と、回転数検出回路5から出力される実際のエンジ
ン回転数に応じた電圧で与えられる検出信号とが減算器
11に加えられるようになっている。減算器11は設定信号
と検出信号との差をとり、比例積分制御器2に出力する
ようになっている。この比例積分制御器2は偏差信号を
増幅する回路と、この偏差信号を積分する回路とを並列
接続してなるものである。またこの比例積分制御器2の
出力電圧に応じて、アクチュエータ3がエンジン4の点
火時期または吸入空気流量を調整するようになってい
る。
なお、この第4図において、アクチュエータ3の入力
端からエンジン4を経て、回転数検出回路5の出力端ま
での伝達関数をまとめて1つの伝達関数345として、回
転数制御系を表示すると、第5図のようになる。
次に第4図により従来のエンジン回転数制御系の動作
について説明する。
先ず設定回路1がある目標回転数(一般に、エンジン
の動作点によって変化するが、アイドル状態でエアコン
が入った場合だと800〜900rpmである)に応じた目標電
圧信号を出力しているとする。次に、この目標電圧信号
は、回転数検出回路5から出力される実際のエンジン回
転数に応じた電圧信号との差が減算器11でとられ偏差信
号となる。次に、この偏差信号を比例積分制御器2で比
例増幅及び積分増幅し、この電圧信号を操作量としてア
クチュエータ3に送る。
アクチュエータ3はこの電圧信号に応じて、エンジン
4の点火時期または吸入空気流量を制御する。エンジン
4はアクチュエータ3で設定される点火時期または吸入
空気流量に見合う実際回転数を発生し、回転数検出回路
5はこの実際回転数に応じた電圧信号を発生する。そし
て、この実際回転数に応じた電圧信号は減算器11側に帰
還される。
このようなフィードバック制御系が、定常状態では偏
差信号が0になるところで落ち着くのは言うまでもな
い。この時目標回転数に応じた電圧信号と実際回転数に
応じた電圧信号とが等しくなり、エンジン回転数は目標
回転数に等しくなる。つまり、定常状態ではエンジン回
転数が常に目標回転数に等しくなるように制御される。
次に、過渡状態での動作を説明する。
過渡状態の代表的な場合として、アイドル時に負荷
(例えば、エアコン)が急に印加された場合を例にとり
説明する。
いま、第4図で表される制御系が、ある定常状態にあ
ったところに、急に負荷がエンジンに加わり、エンジン
回転数が急激に低下したとする。このとき、回転数検出
回路5の出力電圧信号のレベルが低下するので、偏差信
号は正の電圧信号となり、比例積分制御器2での信号処
理,アクチュエータ3の駆動により、制御系はエンジン
4の回転数を上昇させるように動作し、エンジン回転数
はもとの目標回転数に回復していく。
この過程の中で、エンジン回転数をできるだけ速くも
との目標回転数に戻すためには、偏差信号を受ける比例
積分制御器2における比例ゲインや積分ゲインを大きく
し、同一偏差信号に対して大きな操作量の電圧信号をア
クチュエータ3に与えるのが望ましいことは明らかであ
る。すなわち、制御系の感度を上げることによって、低
下したエンジン回転数を速くもとの目標回転数に戻すこ
とができる。
このように、一般にフィードバック制御系において比
例積分制御器の比例ゲインや積分ゲインを大きくして制
御系の感度を上げることは、 第1に、外乱の影響を速やかに除去する上で、 第2に、制御対象の特性変化や、バラツキに無関係に
所定の制御成績を得る上で、極めて重要なこととなって
いる。しかし、実際のエンジン回転数制御系において
は、制御系の感度を上げることは通常非常に難しいこと
となっている。
この理由は、一般にエンジンにおいて、例えばアクチ
ュエータ3が吸入空気流量を操作する場合を例にとる
と、吸入空気流量の応答からエンジン回転数の応答まで
の間の伝達特性には、 第1に、位相が180度遅れる二次遅れ要素があるため
に、 第2に、行程遅れによる無駄時間要素などがあるため
に、制御系の感度を上げる(高ゲインにする)と制御系
自体が不安定になり、ハンチング現象が発生するからで
ある。
この点に関して、第5図を例にとり数式を用いて詳し
く説明する。
第5図において、比例積分制御器2の伝達関数及び伝
達関数345をそれぞれGc(S),G345(S)e-SLとし、
設定回路1の電圧信号をr、伝達関数345の出力(電圧
信号)をyとすると、信号rから出力yまでの閉ループ
伝達関数y/rは次式で与えられる。
従って、制御系の安定性を支配する特性方程式は次式で
与えられる。
1+Gc(S)G345(S)e-SL=0 …(2) よく知られているように、式(2)を用いた安定性解
析はナイキスト線図を書くことによって実行できる。
以下に、実際にナイキスト線図を書いて、制御系の安
定性を解析してみよう。
まず、Gc(S)は比例積分だから、比例ゲインをK、
積分時間(積分ゲインの逆数)をTiとすれば、 で与えられる。一方、アクチュエータからエンジンまで
の伝達関数G345(S)は、 なる二次遅れで精度良く近似できる。ここで、Tは時定
数でエンジン回転数、フライホイール慣性モーメント、
サージタンクの容積等に依存するがエンジン平衡回転数
No=750rpmで0.3秒程度である。また無駄時間Lは4行
程分とすると、エンジン平衡回転数No=750rpmで4×60
/(2×No)=0.16秒となる。S=jωを式(3),
(4)に代入してωKTi=ωT×(KTi/T),ωTi=ωT
×(Ti/T),ωL=ωT×(L/T)のように変形し、K,T
iをパラメータにとりナイキスト線図を書くと、例えば
第6図が得られる。この図の実線は、K=0,Ti/T=1の
時のものである。図から明らかなように、周波数f=0.
37Hzで位相が180度、絶対値は0.96であり、制御系は安
定限界にあり、実際上は安定に動作しないことがわか
る。同様に、K,Tiをパラメータにとった各ナイキスト線
図から制御系が不安定になる周波数を求めると、0.37Hz
〜0.7Hzの範囲にある。一方、実験によるとアイドル回
転数制御系が不安定になり、ハンチングする時の実際の
周波数はほとんど0.3〜0.7Hzの間にあり、上記の解析は
実験と極めてよく一致していることがわかる。この解析
から制御系が安定になるK,Tiの範囲を求めるとK=1〜
2,Ti/Tは1以上となり、この結果も実験と一致してい
る。
これらのことから、次のことがわかる。
(1)アイドル回転数制御系の比例ゲインKはせいぜい
2以下で、積分時間Tiは0.3秒より大きく(従って、積
分ゲインは小さく)しないと、制御系が不安定になる。
(2)このように制御系が不安定になるため、制御系の
感度を上げる(高ゲインにする)ことができず、外乱に
対する応答(追従性)が悪くなり、大きな負荷が急に印
加されるとエンジンストップを生じる。
また現状のアイドル回転数制御系の外乱に対する応答
(追従性)が悪く、大きな負荷が急に印加されるとエン
ジンストップを生じ得るもう1つの原因に、機関に対す
る負荷外乱は制御対象である機関の伝達特性を変化させ
てしまうのにもかかわらず、アイドル回転数制御系が負
荷外乱に対して合理的で有効な対策を施していないこと
がある。
このことを第7図を例にとり、詳細に説明する。
第7図において、Gc(S)は制御器,Ge(S)は制御対
象の伝達関数を示し、D1,D2は外乱を表す。又、Rは目
標値,Yは制御したい制御量,Uは操作量を表している。式
(1)が導かれた時と同様に、以下の諸式が成立する。
式(6),(7)において、もし制御器(Gc(S))
のゲインが非常に大きければY/D1,Y/D2はいずれも零に
なり、制御量Yは外乱D1,D2の影響を受けないことがわ
かる。前述の感度を上げることの重要性はまさにここに
あるわけだが、もうひとつ重要なことは上述の定式化に
おいて、外乱D1,D2によって制御対象の伝達関数Ge
(S)は変化しないことを暗黙に仮定していることであ
る。
すなわち、通常のフィードバック制御系の設計におい
ては、外乱D1,D2によっては制御対象の伝達関数Ge
(S)は変化しないと仮定して安定性を損なわない範囲
でできるだけ高ゲインに成るように設計し、外乱D1,D2
の影響を除去するようにしている。例えば、先ず外乱D
1,D2=0として目標値Rから制御量Yへの閉ループ伝達
特性(式(6))にもとづいて制御器のゲインをできる
だけ高ゲインになるように設計する。この時、式
(6),(7)は制御器のゲインが高ければ、Y/D1,Y/D
2はともに零となり、制御量Yは外乱D1,D2の影響を受け
ないことを示している。ところがこのような設計が可能
となるのは、 (1)制御器のゲインが高くできることと、 (2)外乱D1,D2によっては制御対象の伝達関数Ge
(S)は変化しないこと、 が保障されている場合のみである。
しかるに、アイドル回転数制御系では先に述べた理由
からもともと制御器のゲインを大きくすることができな
い上、後述するように外乱によって制御対象の伝達関数
が変化する。従って、現在のアイドル回転数制御系では
外乱の影響を大きく受け、トルク外乱によって機関回転
数が著しく低下し、場合によってはエンジンストールを
発生することさえ起こり得るのである。
こういった現状をすこしでも改善するため種々の工夫
が考えられている。例えば、空調機などのスイッチ信号
をコンピュータに取り込み、実際に空調機の負荷が機関
に印加される前に、空調機が稼働するということをコン
ピュータが検知し、これがアクチュエータ3を駆動させ
るようにする方法がしばしば採用されている。しかしな
がら、この方法では、スイッチ信号のタイミングと実際
に空調機の負荷が機関に印加される時期とに大幅なずれ
があるときには、一旦回転数が吹き上がった後、下がる
ことがあり、運転者に不愉快な印象を与えることが多か
った。
改善のもうひとつの例として、特公昭61−43535号公
報によれば第8図に示すフィードバック制御系が提案さ
れている。すなわち、この第8図において、6はエンジ
ン回転数の減少度に応じた電圧なる検出信号を出力する
検出回路であり、ここではこの検出回路6から出力され
る検出信号と回転数検出回路5から出力される検出信号
とが加算器12で加算されてその加算結果が減算器11に出
力されるようになっている。
次に、この第8図に示す制御系の動作について説明す
る。前述と同様にこの制御系がある定常状態にあるとき
急に負荷外乱が加わり、エンジン回転数が急速に減少し
たとする。この場合、設定回路1から回転数検出回路5
までは第4図と全く同様に動作するが、第8図では、上
記検出回路6によって回転数の減速度に比例した電圧が
余分にフィードバックされ、第4図の動作に比べて偏差
信号は大きくなり、第4図に比べてより速くもとの目標
回転数に復帰する。
このような一種のフィードフォワードによって確かに
エンジン回転数は第4図の場合に比べて速くもとの目標
回転数に復帰するが、こういったフィードフォワード補
償が初期の目的を達成するのは、一般に極めて限られた
場合(例えば、制御対象の特性変化が非常に小さい場
合)が多く、従って、一般的に効果が常に得られるとは
必ずしも言いがたいという欠点を有していた。例えば、
目標回転数が600rpmの時は問題なく動作するが1000rpm
になるとかえって害になるということもしばしばある。
具体的にはフィードフォワード補償のパラメータをある
目標回転数(600rpm)に対して設定した場合、この目標
回転数が大きく変化した状態(1000rpm)では、回転数
変動に対してフィードフォワード補償されるどころかむ
しろ変動を助長してしまう等の弊害がある。
また、特公昭61−53544号公報によれば、第4図のア
クチュエータ3によって点火時期を制御することが提案
されている。一般にエンジン回転数を制御する際、吸入
空気流量か点火時期のどちらかを制御することが考えら
れるが、点火時期の方が応答が速いため、点火時期を制
御することによって外乱による回転数の低下の影響をあ
る程度速く取り除くことができる。しかし、点火時期に
よって制御できる回転数の幅は限られており、この幅を
越えるような負荷が加わった場合にはあまり効果はな
い。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上説明した第4図,第8図の各従来のエンジン回転
数制御装置は、エンジンに加わった負荷外乱の影響をあ
る程度速く取り除き、元の目標回転数に復帰する効果を
もつが、本質的に比例積分制御器2の比例ゲインや、積
分ゲインを大きくして制御系の感度を向上していなかっ
たために、その効果は限られたものであった。
この発明は上記のような問題点を解決するためになさ
れたもので、制御系の感度を向上できるとともに、合理
的に空気流量を制御でき、これにより負荷外乱の影響を
速やかに取り除いてアイドル回転数を元の目標回転数に
速やかに復帰できる内燃機関のアイドル回転数制御装置
を得ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係るアイドル回転数制御装置は、トルク外
乱を直接検出し、その大きさを電気信号に変換するトル
ク外乱検出手段を設けるとともに、外乱負荷の大きさと
その時間微分とに比例した信号をアクチュエータに印加
して空気流量又は点火時期を制御する制御手段を設けた
ものである。
〔作用〕
この発明においては、負荷外乱を直接検出し、外乱負
荷の大きさとその時間微分に比例した信号を用いてアク
チュエータを制御して空気流量又は点火時期を制御する
ようにしたから、負荷外乱による回転数制御系の伝達関
数の変動分を補償でき、これにより外乱によって生じる
機関の回転数変動をフィードバック制御により速やかに
整定させることができる。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図について説明する。
第1図はこの発明の一実施例によるエンジン回転数制
御装置の構成を示すブロック図である。図において、第
4図と同一符号は同一のものを示し、13は加算器、14は
減算器、110はフィードフォワードの伝達関数、111は局
所フィードバック制御系である。また第1図で一点鎖線
で示した部分は、第4図の従来例のエンジン4の機能、
つまり吸入空気流量の変化Δaを、吸気管圧力の変化
ΔPbを経て回転数の変化ΔNに変換する機能をブロック
図化して示している。
この発明の本質は、図中、トルク外乱ΔTdから吸入空
気流量Δa/ao(以下Δa*とも記する)側に、(1
+Sτ)/Kpを介したフィードフォワード110を設ける
ことによりエンジンのアイドル回転数制御系の伝達特性
を外乱によって変化させないようにし、外乱による機関
の回転数変動を速やかに整定させるようにしたことにあ
る。そこで、このところを中心に式を用いて詳細に説明
する。
第1図の正規化空気流量の誤差信号ΔE/Eoから吸気圧
力ΔPb/Pbo(以下ΔPb*とも記する)への伝達特性G
N(S)は次の一次遅れで与えられる。なお、ここでは
簡単のため、第1図のτη=0として考える。
ここで、τは時定数で次式により与えられ、 ηVOは平衡時の体積効率,Noは平衡時のエンジン回転数,
Vmはスロットル弁から吸気弁までの吸気マニホールド容
積,Vhはエンジンの排気容積で、普通No=750rpm,ηVO
0.6,Vm=Vh程度とするとτa=0.27sec程度の値を持つ。
またGN(S)の前の回転数フィードバックはアイドル
状態で回転数が下がるあるいは上がると、吸気圧力が上
昇するあるいは下降するという動作を行なう機械的な機
構にかかるものである。Gc(S)は燃料制御の空気計量
方式に依存する伝達特性で、吸気圧力に比例して燃料を
噴射する場合、つまりスピード デンシティー方式,
(D−ジェトロ(西独ボッシュ社商品名))(Speed−D
ensity,D−Jetro)の場合には、行程遅れを考えなけれ
ば1で、エアーフローメータで吸入空気流量を計測して
単位回転数当りの空気量に比例して燃料を噴射する場
合、つまりL−ジェトロ(L−Jetro)(西独ボッシュ
社商品名)の場合には、1+Sτで与えられる。ここ
では、話を簡単にするため、Gc(S)=1とする。Gλ
(S)は噴射パルス幅ΔPw/Pwoと空気比Δλ/λoとを
関連づける、いわゆる吸気管内の燃料搬送特性を表して
いる。ここでは、これについても話を簡単にするため、
1に等しいものとする。
またエンジントルクΔTbとΔN/No(以下ΔN*とも記す
る),ΔPb/Pbo,Δλ/λoとを関連づける伝達特性がG
b(S)で次式により与えられる。
ここでKn,Kp,Kλは定数で、平衡動作点(No,Pbo,λo)
において実験的に決定される。これらの定数の物理的意
味やそれらの測定法については例えばソサエティー オ
ブ オートモティブ エンジニアリング 論文860411
(SAE Paper860411)に示されているので、ここでは簡
単な説明を示しておく。すなわち、定数Knは回転数ΔN/
Noによってもたらされる正味トルクの変化を、定数Kpは
吸気圧ΔPb/Pboによってもたらされる正味トルクの変化
を、最後に定数Kλは空気比Δλ/λoによってもたら
される正味トルクの変化をそれぞれ表している。簡単の
ため、空気比の変動は無いものとし、またKn=0とする
と、正味トルクの変化ΔTbは吸気圧変動ΔPb*(ΔPb/P
bo)によってのみもたらされ、その大きさは次式で与え
られる。
ΔTb=KpΔPb* …(10) エンジントルクΔTbと負荷外乱ΔTbとの差は、よく知
られたオイラーの運動方程式で表されるように、再び回
転数ΔN/Noに変換される。
ここで、Jはフライホイールの慣性モーメントである。
最後に、吸入空気流量Δa/aoとΔE/Eo,回転数ΔN
/Noの関係は、吸気マニホールド内の質量保存則,状態
方程式,及び体積効率の定義式より、 となる。
上記式(8)〜式(12)を連立して吸入空気流量ΔGa
と回転数ΔN及び負荷外乱ΔTdとの関係を求めると次式
が得られる。ただし、行程遅れによる無駄時間を除いて
いる。
式(13)から次のことがわかる。すなわち、もし負荷
外乱ΔTdが印加されても回転数変動ΔN*(ΔN/No)を零
にするためには、 で表される空気流量ΔGa*を、アクチュエータを通じて
機関に流してやればよいことがわかる。すなわち負荷外
乱ΔTdを検出し、その大きさに1/Kp(比例定数)を乗じ
た量(式(14)の右辺第1項)と、負荷外乱ΔTdの微分
にτa/Kp(比例定数)を乗じた量(式(14)の右辺第2
項)との和に応じて空気流量を流してやればよい。第1
図のフィードフォワード110がこのことを示している。
このような操作をアイドル回転数制御系に施すことによ
って、式(13)から見掛け上、負荷外乱ΔTdの影響を無
くすことができ、機関の空気流量から回転数までの伝達
特性は負荷外乱ΔTd無関係にすることが可能となること
を発明者は見出したのである。
このことをもうすこし詳しく説明すると次のようにな
る。すなわち、空気流量を形式上2つの部分に分け、つ
まり ΔGa*=ΔDap*+ΔDas* …(15) とし、ΔDas*を式(14)で与えられるようにしてやれ
ば、式(13)は次のように表され、実効的に外乱ΔTdが
消去される。
即ち、無駄時間を除いた機関の伝達特性は なる二次遅れで与えられ、負荷外乱ΔTdとは無関係にな
る。式(15)のような空気流量の分離の物理的イメージ
は次のようになる。すなわち、式(15)の右辺第1項を
スロットルをバイパスする第1の通路を流れる空気流量
Δap*とし、右辺第2項をスロットルをバイパスする
第2の通路を流れる空気流量Δas*とすればよく(現
実にはこのような区別をする必要はなく、第1の通路を
流れる空気流量に第2項で表される空気流量を上乗せし
て流せばよい)、このとき式(17)は第1の通路を流れ
る空気流量Δap*と機関回転数ΔN*との間に成立する
伝達特性であることを示している。
第2図は、上述の効果を確かめた実験結果を示してい
る。図中破線は空気流量を、実線は機関回転数を、一点
鎖線はオルタネータの負荷電流(負荷外乱)を表してい
る。図中、ONの時点で負荷外乱が印加され、OFFの時点
で負荷外乱が消去されている。この負荷はRUSH電流が流
れているものの、ほぼステップ外乱と見なせる。この場
合に供給すべき空気流量は式(14)の逆変換により、次
式で与えられる。すなわち、 となり、この場合の空気流量は単位ステップ関数u
(t)とデルタ関数δ(t)との和で与えられることが
わかる。さて、第2図の空気流量を表す破線は式(18)
で与えられる変化に非常に近い変化を示していることが
よくわかる。一方、このときの回転数(実線)は外乱の
ためにやや変動しているものの(設定回転数750rpm、負
荷ON時715rpm、負荷OFF時790rpm)、第3図の従来の場
合(負荷ON時660rpm、負荷OFF時810rpm)に比べて、負
荷ON時の回転数の低下及び負荷OFF時の回転数の増大が
著しく減少していることがわかる。
負荷外乱ΔTd並びにその微分のそれぞれにかかる係数
1/Kpとτ/Kpとは機関の動作点と、式(9)に示され
るマニホールド容積Vm,エンジン排気容積Vh,体積効率
ηVO等とに依存するので、当然のことながら、これらの
係数を機関の動作点に応じて変えなければならないこと
は言うまでもない。又、このことによって動作点の変動
があっても、本発明の効果を良く発揮することができ
る。
また機関の動作点を表すパラメータとしては、一般に
トルク−回転数が容易に思いつくが、この他に、吸気管
圧力−回転数,図示平均有効圧−回転数,次式で定義さ
れるサイクルあたりの実効発熱量Q−回転数,等の組み
合わせが考えられる。
ここで、κは比熱比,P(θ)はクランク角θ毎のシリ
ンダ内圧力,V(θ)はクランク角θ毎のシリンダ内容積
である。
負荷の検出方法としては、電気負荷の場合はオルタネ
ータの負荷電流をホール素子やフラックスゲート素子な
ど磁界検出素子で検出する方法が考えられる。又、機械
的負荷(例えば、パワーステアリング,パワーウインド
ウ,4WS等)の場合には油圧を圧力センサで検出すること
が考えられる。
このように本実施例では負荷外乱を直接検出し、その
大きさに(1+Sτ)/Kpを乗じた量,つまり負荷外
乱の検出量ΔTdに1/Kp(比例定数)を乗じた量(式(1
4)の右辺第1項)と、負荷外乱ΔTdの微分τ/Kp(比
例定数)を乗じた量(式(14)の右辺第2項)との和に
応じて、空気流量にフィードバックをかけるようにした
ので、機関の空気流量の応答から回転数の応答までの伝
達特性を負荷外乱ΔTdと無関係にすることができ、この
結果負荷外乱の影響を速やかに取り除いて元の目標回転
数に速やかに復帰できる。
なお、上記実施例では主に電子制御燃料噴射装置につ
いて説明したが、これはキャブレターや電子制御キャブ
レターでもよく、この場合にも上記実施例と同様著しい
効果を発揮する。
また上記実施例ではステップ状の負荷トルク外乱の場
合について説明したが、これ以外の負荷トルク外乱を受
けた場合にも、上記式(14)で与えられる空気流量Δ
a*をアクチュエータを通じて機関に供給すれば同様の効
果を発揮する。
さらに上記実施例では、操作量として主に空気流量を
とった場合について説明したが、これは点火時期であっ
てもよく、この場合も全く同様の効果を奏する。
〔発明の効果〕 以上のようにこの発明に係るアイドル回転数制御装置
によれば、トルク外乱を直接検出し、その大きさを電気
信号に変換するトルク外乱検出手段を設けるとともに、
外乱負荷の大きさとその時間微分とに比例した信号を用
いてアクチュエータを制御して空気流量又は点火時期
を、機関のアイドル回転数が目標回転数に復帰するよう
制御する制御手段を設けたので、制御系の感度を向上で
きるとともに、合理的に空気流量を制御でき、これによ
り負荷外乱の影響を速やかに取り除いてエンジン回転数
を元の目標回転数に速やかに復帰できる効果がある。ま
た、回転数フィードバック動作と、外乱の影響を除去す
る動作とがそれぞれ分離して行われるために、それぞれ
の動作を最適化することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例によるアイドル回転数制御
装置の構成を示すブロック図、第2図はこの実施例装置
の効果を説明するための実験結果を示す図、第3図は従
来のアイドル回転数制御装置による制御結果を示す図、
第4図は従来のエンジン回転数制御装置の構成を示すブ
ロック図、第5図は従来のエンジン回転数制御装置の動
作を示す簡略化ブロック図、第6図はこのエンジン回転
数制御装置のナイキスト線図、第7図は第4図に示す制
御系の負荷外乱による伝達関数の変動について説明する
ための図、第8図は従来のエンジン回転数制御装置の改
良例の構成を示すブロック図である。 1……設定回路、2……比例,積分制御器、3……アク
チュエータ、4……エンジン(機関)、5……回転数検
出回路、6……検出回路、11,13,14……減算器、110…
…局所フィードフォワードの伝達関数、345……アクチ
ュエータから回転数検出回路までの伝達関数。 なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の吸入空気流量または点火時期を
    制御するアクチュエータ、及び内燃機関のアイドル回転
    数を検出する回転数検出手段を有し、内燃機関のアイド
    ル回転数をフィードバック制御する制御装置において、 上記内燃機関に印加されるトルク外乱を検出し、その大
    きさを電気信号に変換する外乱検出手段と、 該電気信号とその時間微分との和に比例した信号を上記
    アクチュエータに印加して上記吸入空気流量または点火
    時期を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする内
    燃機関のアイドル回転数制御装置。
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