JP2501660B2 - ハイブリッド型ステッピングモ―タ - Google Patents

ハイブリッド型ステッピングモ―タ

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JP2501660B2
JP2501660B2 JP2403147A JP40314790A JP2501660B2 JP 2501660 B2 JP2501660 B2 JP 2501660B2 JP 2403147 A JP2403147 A JP 2403147A JP 40314790 A JP40314790 A JP 40314790A JP 2501660 B2 JP2501660 B2 JP 2501660B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハイブリッド型ステッ
ピングモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】2相及び5相のインナーロータ型のハイ
ブリッド型ステッピングモータの、ステータポールの小
歯の数は、基本ステップ角との関係で定められる。従来
ステータポールの小歯の数については、例えば2相で基
本ステップ角が1.8°のモータでは5個、5相で基本
ステップ角が0.45°のモータでは6個というよう
に、各基本ステップ角毎に常識的な数があった。この常
識的な数は、外国よりわが国にステッピングモータの技
術が導入されたときから基本的に変わっていない。出願
人を含めて、わが国のステッピングモータのメーカは、
外国から導入された技術をそのまま実施しているのが現
実である。近年、ステッピングモータの需要は増加する
一方であり、ステッピングモータのトルクの増加が望ま
れている。トルクは、駆動回路やモータ構造を改良する
ことによって増加させることができるが、汎用性を高め
るためには、モータ構造によりトルクを増加させるのが
好ましい。モータの構造の改良により、トルクの増加を
図った典型的なステッピングモータとして、ステータポ
ールの小歯間に永久磁石を嵌め込んだものが良く知られ
ている[米国特許第4,712,028号]。このステ
ッピングモータの構造も、外国から導入された技術であ
り、わが国の製造メーカは、この導入技術をそのまま実
施しているのが現実である。なおこのモータでも、ステ
ータポールに設ける小歯の数は従来常識とされている数
と同じである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、ステッピ
ングモータの基本構成は全て外国から導入されたもので
あり、当業者の目はこの基本構成内での改良に向いてい
る。そのためトルクの増加対策にしても、小歯間に永久
磁石を嵌め込むことが最良の方法であると考えられてい
た。一般的なスッテピングモータと比べて、このモータ
は製造効率が悪く、また価格も高い。にもかかわらず、
トルクの大きなステッピングモータの重要が高くなって
きている現在でも、相変わらず小歯間に永久磁石を嵌め
込んだスッテピングモータが高トルクのステッピンクモ
ータとして利用されている。
【0004】本発明の目的は、簡単な構造でトルクの増
加を図ることができるハイブリッド型ステッピングモー
タを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1ないし6の発明
は、インナーロータ型の2相のハイブリッド型ステッピ
ングを対象とする。請求項1の発明では基本ステップ角
が1.8°の場合に、ステータポールの小歯を6個と
し、請求項2の発明では、この場合にステータポールの
小歯のピッチをロータの小歯のピッチ以下として、ステ
ータポールの小歯のピッチとロータの小歯のピッチとの
差δを0≦δ<0.36°とする。 請求項3の発明では基本ステップ角が1°の場合に、ス
テータポールの小歯を10個とし、請求項4の発明で
は、この場合にステータポールの小歯のピッチとロータ
の小歯のピッチとの差δを0≦δ<0.11°とする。
【0006】請求項5の発明では基本ステップ角が0.
9°の場合に、ステータポールの小歯を11個とし、請
求項6の発明では、この場合にステータポールの小歯の
ピッチとロータの小歯のピッチとの差δを0≦δ<0.
09°とする。
【0007】請求項7ないし12の発明は、インナーロ
ータ型の5相のハイブリッド型ステッピングモータを対
象とする。そして請求項7の発明では、基本ステップ角
が0.45°の場合に、ステータポールの小歯を7個と
し、請求項8の発明では、この場合にステータポールの
小歯のピッチとロータの小歯のピッチとの差δを0≦δ
<0.187°とする。
【0008】また請求項9の発明では、基本ステップ角
が0.36°の場合に、ステータポールの小歯を8個と
し、請求項10の発明では、この場合にステータポール
の小歯のピッチとロータの小歯のピッチとの差δを0≦
δ<0.128°とする。
【0009】更に請求項10の発明では、基本ステップ
角が0.25°の場合に、ステータポールの小歯を13
個とし、請求項11の発明では、この場合にステータポ
ールの小歯のピッチとロータの小歯のピッチとの差δを
0≦δ<0.052°とする。
【0010】
【作用】発明者は、固定観念から従来当業者が基本構成
と考えていたステータポールの小歯の数を変えることに
より、小歯の間に永久磁石を嵌め込んだ従来の高トルク
タイプのスッテピングモータと同等の高いトルクを得る
ことができることを見出だした。小歯の数の増加は、ス
テータポールの周方向の幅寸法を増加させ、ステータポ
ールとロータとの間の空間内の磁気抵抗を小さくする。
その結果トルクの増加に寄与する磁束が増加して、トル
クが大きくなる。これが基本作用である。 請求項1,3及び5の発明は、2相のハイブリッド型ス
テッピングモータにおいて、ステータの直径寸法を従来
よりも著しく大きくすることなく、トルクを増加させる
ことができる最良のステータポールの小歯の数を特定す
る。ちなみに基本ステップ角が1.8°,1°及び0.
9°の従来のステッピングモータのステータポールに設
けられる小歯の数は、それぞれ5個、8個及び9個であ
った。
【0011】また請求項7,9及び11の発明は、5相
のハイブリッド型ステッピングモータにおいて、ステー
タの直径寸法を従来よりも著しく大きくすることなく、
トルクを増加させることができる最良のステータポール
の小歯の数を特定する。ちなみに基本ステップ角が0.
45°,0.36°及び0.25°の従来のステッピン
グモータのステータポールに設けられる小歯の数は、そ
れぞれ6個、7個及び11個であった。
【0012】上記基本作用に従えば、小歯の数をできる
だけ増加させることが好ましいはずである。しかしなが
らステータポールに巻線導体を自動で巻回するか又はコ
イル状にして手作業または機械により挿入しなければな
らないため、巻線導体の自動巻装を許容できる小歯の数
にしなければならない。特に最近では、モータの小形化
が進み巻線導体での発熱を抑制するために、太い巻線導
体が用いられる傾向が強い。そのため太い巻線導体を用
いると、巻線導体の占積率やパネル性等を考慮しなけれ
ば巻線導体の自動巻装を行うことができない。
【0013】このような点を考慮した2相のステッピン
グモータの1ステータポールの小歯の数が、請求項1,
3及び5で特定した、6個、10個及び11個であり、
5相のステッピングモータの1ステータポールの小歯の
数が、請求項7,9及び11で特定した、7個、8個及
び13個である。小歯の数をこれらの数にすると、ステ
ータの直径寸法を大きくすことなく、トルクを増加させ
ることができて、しかも巻線の自動巻装が可能になる。
【0014】ステータポールの小歯の数を増加した場合
で、最大のトルクを得るためには、ステータポールの小
歯のピッチをロータの小歯のピッチに等しくすればよ
い。しかしながら両ピッチを等しくすると、隣接するス
テータポールの磁極部間の間隙の寸法(巻線通路の間
隔)が小さくなって、巻線の自動巻装を行う場合に巻線
機に要求される巻線精度が高くなる。そのためトルクを
著しく低下させない範囲で、出来る限り隣接するステー
タポールの磁極部間の間隙を大きくしたいという要請が
ある。請求項2,4,6,8,10及び12の発明は、
このような要請に応えるための、ステータポールの小歯
のピットとロータの小歯のピッチとの差δの限界を特定
する。これらの請求項に特定された範囲で、各ピッチを
定めればトルクを実質的に低下させることなく、自動巻
線機による巻線の自動巻回が可能になる。
【0015】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に
説明する。
【0016】第1図はインナーロータ型で基本ステップ
角が1.8°の2相のハイブリッド型ステータモータに
本発明を適用した実施例のステータとロータの小歯の関
係を概略的に示す図である。このステップモータはは
1.8度のステップで基本ステップ駆動される。そのた
めロータ1の外周には、7.2度のピッチ(θR)で小
歯11が設けられている。ステータ2はヨーク21の内
周側に等間隔で8個のステータポール22a〜22hを
有している。ステータポール22a〜22hの磁極部2
3a〜23hの内部側に、6.9°のピッチ(θS)で
それぞれ6個の小歯24を有している。各ステータポー
ル22a〜22hの間に形成された巻線巻回用スロット
25a〜25hには、巻線絶縁用のスロットインシュレ
ータ26がそれぞれ嵌合されている。そして各ステータ
ポール22a〜22hには、自動巻線機によって巻線2
7がぞれぞれ巻回されている。なお本実施例において
は、スロットインシュレータ26及び巻線27は一部だ
け図示してある。
【0017】本実施例では、トルクを増加させてしかも
自動巻線機による巻線の自動巻回を可能にするために、
小歯24の数を6個とする他に、各ステータポール22
a〜22hの磁極部23a〜23hの周方向の両端部
に、スロットインシュレータ26の径方向側開口端部2
6aが嵌め込まれる段部22a1,22b1…を形成して
ある。この段部22a1,22b1…の形成により、スロ
ット25a〜25h内に巻線を供給する巻線通路(スロ
ット25a〜25hの周方向の開口部)の間隔Lが狭く
なるのを防いでいる。
【0018】トルクの増大だけを見れば、小嵌24の数
をできるだけ増やせばよいが、巻線通路の間隔Lが小さ
くなりすぎて、巻線の自動巻回が困難になる。ステータ
の直径を大きくすれば、ステータポール間の間隔が拡が
るために巻線通路の間隔が拡がって、小歯の数を更に増
やすことも可能である。しかしながらモータの直径寸法
を大きくすることは、コンパクト化という時代の強い要
請に逆行することになる。
【0019】そこで本実施例では、ステータの直径寸法
を大きすることなく、トルクの増加と巻線の自動巻装を
可能にする最良の小歯24の数として、6個を選択し
た。また巻線通路の間隔Lが大きくなる程、自動巻線機
による巻線の巻回が容易になる。そのため小歯の数を6
個にする場合でも、トルクを実質的に低下させることな
く、巻線機の精度に応じて巻線通路の間隔Lを拡げるこ
とができれば都合がよい。
【0020】検討の結果、小歯24のピッチθSとロー
タの小歯11のピッチθRの差δ(θR−θS)の許容範
囲を下記(1)式の範囲とすればよいことを見出した。 0≦δ<m・θf/2(n-1) …(1) 上記式でmは相数、θfは基本ステップ角度、nは小歯
の数である。
【0021】本実施例のように2相の場合には、上記式
にm=2、θf=1.8、n=6を挿入すると、0≦δ
<0.36°が好ましい範囲である。
【0022】また小歯24の数を6個とした場合のトル
クT6を、小歯24の数を5個とした場合のトルクT5と
の関係は、下記(2)式の通りとなる。
【0023】 T6=K・(6/5)・T5 …(2) なお上記式でKは、δ及びステータの内径寸法で決まる
定数である。上記(2)式から判るように、理論的には
小歯24を6個にすると小歯が5個の場合のトルクより
1.2K倍大きくなる。
【0024】上記実施例は請求項1及び2の発明の実施
例であるが、他のタイプのインナーロータ型のハイブリ
ッド型ステッピングモータにも本発明の思想を適用する
ことができる。
【0025】2相のインナーロータ型のハイブリッド型
ステッピングモータで基本ステップ角が1°の場合に
は、ステータポールの小歯を10個とし、ステータポー
ルの小歯のピッチとロータの小歯のピッチとの差δを0
≦δ<0.11°とすればよい。
【0026】また2相のインナーロータ型のハイブリッ
ド型ステッピングモータで基本ステップ角が0.9°の
場合には、ステータポールの小歯を11個とし、ステー
タポールの小歯のピッチとロータの小歯のピッチとの差
δを0≦δ<0.09°とすればよい。
【0027】5相のハイブリッド型ステッピングモータ
で、基本ステップ角が0.45°の場合には、ステータ
ポールの小歯を7個とし、ステータポールの小歯のピッ
チとロータの小歯のピッチとの差δを0≦δ<0.18
7°とすればよい。
【0028】また5相のハイブリッド型ステッピングモ
ータで、基本ステップ角が0.36°の場合には、ステ
ータポールの小歯を8個とし、ステータポールの小歯の
ピッチとロータの小歯のピッチとの差δを0≦δ<0.
128°とすればよい。
【0029】更に5相のハイブリッド型ステッピングモ
ータで、基本ステップ角が0.25°の場合には、ステ
ータポールの小歯を13個として、ステータポールの小
歯のピッチとロータの小歯のピッチとの差δを0≦δ<
0.052°とすればよい。なお2相及び5相いずれの
ハイブリッドモータにおいても、ステータポールの小歯
の数及びピッチを上記のようにすることにより、エヤギ
ャップ間の磁気抵抗を減少させると、目的とするトルク
を得るために必要な磁束を発生させる磁化力を小さくす
ることができ、その分巻線量を少なくすることができ
る。そのため巻線量を少なくする場合には、ステータの
径を小さくすることができ、モータの小形化を図ること
ができ、その結果ステータの磁路が短くなって入力電力
の減少化に寄与する。
【0030】
【発明の効果】請求項1,3及び5の発明によれば、2
相のハイブリッド型ステッピングモータにおいて、ステ
ータの直径寸法を従来よりも著しく大きくすることな
く、簡単な構成でトルクを増加させることができる。
【0031】請求項2,4及び5の発明によれば、2相
のハイブリッド型ステッピングモータにおいて、トルク
を実質的に低下させることなく、自動巻線機による巻線
の自動巻回が可能になる。
【0032】請求項7,9及び11の発明によれば、5
相のハイブリッド型ステッピングモータにおいて、ステ
ータの直径寸法を従来よりも著しく大きくすることな
く、簡単な構成でトルクを増加させることができる。
【0033】請求項8,10及び12の発明によれば、
5相のハイブリッド型ステッピングモータにおいて、ト
ルクを実質的に低下させることなく、自動巻線機による
巻線の自動巻回が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基本ステップ角度が1.8°のハイブリッド型
ステッピングモータに本発明を適用した実施例のステー
タとロータとの小歯の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ロータ 2 ステータ 21 ヨーク 22a〜22h ステータポール 23a〜23h 磁極部 25a〜25h スロット 26 スロットインシュレータ 27 巻線

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インナーロータ型で基本ステップ角が1.
    8°の2相のハイブリッド型ステッピングモータにおい
    て、ステータポールの小歯を6個としたことを特徴とす
    るハイブリッド型ステッピングモータ。
  2. 【請求項2】前記ステータポールの小歯のピッチはロー
    タの小歯のピッチ以下であり、ステータポールの小歯の
    ピッチとロータの小歯のピッチとの差δが0≦δ<0.
    36°である請求項1に記載のハイブリッド型ステッピ
    ングモータ。
  3. 【請求項3】インナーロータ型で基本ステップ角が1°
    の2相のハイブリッド型ステッピングモータにおいて、
    ステータポールの小歯を10個としたことを特徴とする
    ハイブリッド型ステッピングモータ。
  4. 【請求項4】前記ステータポールの小歯のピッチはロー
    タの小歯のピッチ以下であり、ステータポールの小歯の
    ピッチとロータの小歯のピッチとの差δが0≦δ<0.
    11°である請求項3に記載のハイブリッド型ステッピ
    ングモータ。
  5. 【請求項5】インナーロータ型で基本ステップ角が0.
    9°の2相のハイブリッド型ステッピングモータにおい
    て、ステータポールの小歯を11個としたことを特徴と
    するハイブリッド型ステッピングモータ。
  6. 【請求項6】前記ステータポールの小歯のピッチはロー
    タの小歯のピッチ以下であり、ステータポールの小歯の
    ピッチとロータの小歯のピッチとの差δが0≦δ<0.
    09°である請求項5に記載のハイブリッド型ステッピ
    ングモータ。
  7. 【請求項7】インナーロータ型で基本ステップ角が0.
    45°の5相のハイブリッド型ステッピングモータにお
    いて、ステータポールの小歯をそれぞれ7個としたこと
    を特徴とするハイブリッド型ステッピングモータ。
  8. 【請求項8】前記ステータポールの小歯のピッチはロー
    タの小歯のピッチ以下であり、ステータポールの小歯の
    ピッチとロータの小歯のピッチとの差δが0≦δ≦0.
    187°である請求項8に記載のハイブリッド型ステッ
    ピングモータ。
  9. 【請求項9】インナーロータ型で基本ステップ角が0.
    36°の5相のハイブリッド型ステッピングモータにお
    いて、ステータポールの小歯をそれぞれ8個としたこと
    を特徴とするハイブリッド型ステッピングモータ。
  10. 【請求項10】前記ステータポールの小歯のピッチはロ
    ータの小歯のピッチ以下であり、ステータポールの小歯
    のピッチとロータの小歯のピッチとの差δが0≦δ<
    0.128°である請求項9に記載のハイブリッド型ス
    テッピングモータ。
  11. 【請求項11】インナーロータ型で基本ステップ角が
    0.25°の5相のハイブリッド型ステッピングモータ
    において、ステータポールの小歯をそれぞれ13個とし
    たことを特徴とするハイブリッド型ステッピングモー
    タ。
  12. 【請求項12】前記ステータポールの小歯のピッチはロ
    ータの小歯のピッチ以下であり、ステータポールの小歯
    のピッチとロータの小歯のピッチと差δが0≦δ<0.
    052°である請求項11に記載のハイブリッド型ステ
    ッピングモータ。
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