JP2501520B2 - 脱脂洗浄方法および装置 - Google Patents

脱脂洗浄方法および装置

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JP2501520B2 JP30256292A JP30256292A JP2501520B2 JP 2501520 B2 JP2501520 B2 JP 2501520B2 JP 30256292 A JP30256292 A JP 30256292A JP 30256292 A JP30256292 A JP 30256292A JP 2501520 B2 JP2501520 B2 JP 2501520B2
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    • C23GCLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
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    • C23G1/36Regeneration of waste pickling liquors
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    • C23GCLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
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  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【001】
【産業上の利用分野】本発明は、油の付着した被処理物
の脱脂洗浄方法および装置の改良に関し、特に、熱処理
における脱脂洗浄等においても、有機溶媒による環境汚
染に対処して好適に利用できる方法及び装置を提供す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、油が付着した金属材料等の脱脂洗
浄法としては、カセイソーダその他の強アルカリ剤溶液
等を用いて洗浄するアルカリ洗浄法、界面活性剤の溶液
を用いる洗浄法、塩素系やフッ素系の有機溶媒を用いる
溶剤洗浄法等が行われていた。しかし、強アルカリ剤溶
液や界面活性剤の溶液を用いる洗浄法は洗浄能力が低い
上に廃液処理に費用がかかる等の問題があってあまり使
用されていない。一方、有機溶剤を用いる洗浄法は洗浄
性能が高く、例えば熱処理ラインでの脱脂洗浄には80
%近くが1,1,1−トリクロルエタンによる蒸気洗浄
が使われているなど、従来盛んに利用されてきた。しか
し近年、オゾン層の破壊などの環境破壊をもたらすこと
が明らかになり、その使用を規制せざるを得ない状況に
ある。
【0003】そこで本出願人は、このような従来の洗浄
方法における問題点を解決するために、新規な脱脂洗浄
方法および装置を先に出願している(特開平3−140
485号)。これによれば、付着している油分等の汚れ
を減圧水蒸気蒸留の原理を利用して沸点を下げることに
より、比較的低い温度領域で気化させて除去するという
全く新しいプロセスに基づいて脱脂洗浄できる。したが
って、例えば焼入れ油のような高沸点油でも、焼戻し温
度以下に加熱して真空下で水蒸気を吹き込んで脱脂処理
することにより、90%以上の高い除去率で無公害脱脂
が可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱処理
に使用される焼入れ油には、品質向上の目的で各種の添
加剤が混合されている。例えば、蒸気膜段階向上剤とし
て石油系高分子重合油や石油系ポリマー等が添加された
り、対流段階向上剤として金属スルホネート類が添加さ
れたり、また光輝性向上剤として脂肪酸系物質や植物系
重合油が添加されたり、酸化防止剤としてフェノール
系,燐系,硫黄系物質等の多種添加剤が加えられたりし
ている。これらの添加剤中には高沸点成分も含まれてお
り、上記の減圧水蒸気蒸留の原理による脱脂洗浄のプロ
セスのみでは数%の残留物が残る油があって100%除
去することは難しく、その点でなお改善の余地があっ
た。
【0005】本発明は、このような改善点に着目してな
されたものであり、水系の洗浄液を用いた無公害の予備
洗浄工程を減圧水蒸気蒸留工程の前工程として付加する
ことにより、高沸点成分をも完全に除去することがで
き、かつ環境汚染のない小型で低コストの脱脂洗浄方法
およひ装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の脱脂洗浄方法は、前洗浄室内で、油の付着した被
処理物を、スチーム洗浄工程と浸漬タンクに収容されて
いる水系洗浄液への浸漬工程と水系洗浄液シャワー工程
とを含む予備洗浄工程とで前洗浄することにより、あら
かたの付着油分を除去すると共に、前記スチーム洗浄工
程で使用した洗浄液を前記浸漬タンク外に流し、前記前
洗浄した前記被処理物を、真空容器内に移してそこで
熱し、これに水系の洗浄液を噴射して洗浄し、更に減圧
して残りの付着油分を水蒸気蒸留して気化蒸発せしめる
ことにより当該被処理物から油分を除去する。 そして、
上記方法において、前洗浄におけるスチーム洗浄工程と
同シャワー工程とは、同水系洗浄液への浸漬工程が行わ
れる浸漬タンクの直上で行われ、且つ 前記浸漬タンク内
の前記水系の洗浄液は、前記前洗浄のシャワー工程の前
記水系の洗浄液として供給される。この予備洗浄工程の
最後に、再びスチーム洗浄工程を実施して残液と残油分
とをリンスすると共に真空容器内での工程の予熱を行な
うこともできる。
【0007】また、この方法を実施するための装置は、
スチーム噴射手段と、水系洗浄液シャワー手段と、これ
らの手段の直下に配置されて水系洗浄液を収容した浸漬
タンクと、前記スチーム噴射手段によって噴射されたス
チームの凝縮液を前記浸漬タンクの外に流すための油受
け装置と、被処理物を載置して前記スチーム噴射手段及
び前記水系洗浄液シャワー手段の位置と前記浸漬タンク
内の間を昇降できるエレベータ装置とを備えた前洗浄室
と、これに工程連続するように配置されていて加熱手段
と水系洗浄液を噴射する手段とを備えた真空洗浄室と、
この真空洗浄室に生じた水蒸気蒸留による蒸発成分を排
気する排気手段とを備えている。この装置では、前洗浄
室の浸漬タンク内の水系洗浄液を前洗浄室のシャワー手
段の水系洗浄液として送給するためのポンプ配管が構成
されており、前記浸漬タンクは、前記シャワー手段で使
用された水系洗浄液を受けて回収する位置に配置されて
いる。そしてまた、前記エレベータ装置は、昇降作動及
び浸漬タンク内での揺動を兼ねる駆動シリンダを備えて
いる。
【0008】
【作用】被処理物は、先ず予備洗浄室において付着油が
除去される。最初はスチーム洗浄により荒く脱油する。
これにより高沸点成分を含む付着油の60〜80%以上
を除去できる。しかもこの工程で除去された油は、油受
け装置で受けられて浸漬タンクには入らないようにして
排出され、単純な油水分離処理で簡単に分離され、容易
に回収可能である。したがって、この工程で落とされた
付着油分は次の浸漬工程の洗浄液の中に持ち込まれず、
洗浄液の寿命が大幅に延長される。続いてその被処理物
は、駆動シリンダで昇降し降下した位置で揺動するよう
にしたエレベータ装置により降下して水系の洗浄液を満
たしたタンク内に浸漬され、前記駆動シリンダにより機
械的に揺動させて被処理物になお付着し ている油分を引
き離す。その後、被処理物をタンクより前記エレベータ
装置で引き上げ、同じく水系の洗浄液のシャワーをかけ
て被処理物になお付着している残留油分を洗い流す。水
系の洗浄液として、水を単独で用いてもよいが、必要に
応じて(沸点の高いホット系焼入れ油のような場合)陰
イオン性界面活性剤,非イオン性界面活性剤,陽イオン
性界面活性剤,両性界面活性剤のいずれかを単独または
併用で添加して用いてもよい。あるいは弱アルカリ洗剤
を少量添加しても良い。これにより付着油分の金属面か
らの分離が促進され、洗浄能力を高めることができる。
このように、本発明にあっては、付着油分の種類や洗浄
目的に合わせた臨機応変な洗浄が可能である。予備洗浄
の最後に再びスチーム洗浄を行なうことが望ましいが、
これは、リンスと予熱を兼ねることになる。通常のアル
カリ洗浄におけるリンス工程では大量のきれいな水もし
くは純水を使用し、リンス槽も2〜3槽を必要とする
が、このスチームリンスを行うことにより、特別のリン
ス槽は不要になった。前洗浄におけるスチーム洗浄工程
と同シャワー工程とは、同水系洗浄液への浸漬工程が行
われる浸漬タンクの直上で行われ、且つ前記浸漬タンク
内の前記水系の洗浄液は、前記前洗浄のシャワー工程の
前記水系の洗浄液として供給されるように、浸漬タンク
は、シャワー手段で使用された水系洗浄液を受けて回収
する位置に配置され前洗浄室の浸漬タンク内の水系洗浄
液を前洗浄室のシャワー手段の水系洗浄液として送給す
るためのポンプ配管が構成されており、そして、被処理
物を載置して前記スチーム噴射手段及び前記水系洗浄液
シャワー手段の位置と前記浸漬タンク内の間を昇降でき
るエレベータ装置を設けたので、装置の小型化と洗浄液
の有効利用に貢献する。特に、前記エレベータ装置が、
昇降作動及び浸漬タンク内での揺動を兼ねる駆動シリン
ダを備えていることは、装置の小型化に貢献する。
【0009】予備洗浄した被処理物は真空容器である真
空洗浄室に移し、加熱するとともに減圧下に水蒸気を吹
き付ける。これにより残部の付着油分は減圧水蒸気蒸溜
処理されて蒸発し、被処理物から完全に除去される。タ
ール分も噴射される高温のスチームで洗浄される。その
真空洗浄工程の最初に真空容器内を真空引きして減圧す
ることにより、前記予備洗浄で被処理物に付着した水分
をいち早く蒸発させて錆の発生を未然に防止することが
可能である。このようにして予備洗浄で残留した付着油
を減圧下で水蒸気蒸溜することにより、有機溶剤を使用
することなく効果的に被処理物から油分を完全に除去す
ることができる。
【0010】上記真空洗浄工程で使用する水系の洗浄液
として、水を単独で用いて良い。また、水に付着油と共
沸混合物を形成する物質、例えばメタノールとかベンゼ
ン等の溶剤を添加したものを使用しても良い。これらの
溶剤を混合することにより、付着油分の沸点降下現象が
生じて蒸発が促進され、洗浄性(脱油率)が増す。ま
た、予備洗浄工程におけると同様に、水に界面活性剤を
添加して用いてもよい。また、水に油と共沸混合物をつ
くる溶剤を添加したものに、更に上記界面活性剤を数%
添加してもよい。これにより一層洗浄性を増すことがで
きる。このような洗浄液の組成は、被処理物の付着油分
の性状や付着量、要求される清浄度などを勘案して選定
される。
【0011】上記の洗浄液は、ボイラー中で加熱して水
蒸気の状態で真空容器内に噴霧してもよく、あるいは加
熱した真空容器内に水溶液の状態で噴出し水蒸気として
もよい。いずれにしても、洗浄液を噴霧し、減圧するこ
とで付着油分を水蒸気と共に除去する。その際の減圧の
程度は、被処理物の付着油量,油種あるいは排気系の容
量等で異なるが、およそ数Torr〜500Torrの
範囲である。数Torr以上の高真空にすると、必要な
排気系の能力や容器の耐真空性能を得るための排気系の
コストが脱脂の効果に対して割高となり実用的でない。
一方、500Torr以下の低真空では脱脂効率が大幅
に低下する。
【0012】被処理物の加熱温度は、付着油の性状や被
処理物の性状,処理工程上の制約等を考慮して定められ
る。例えば熱処理工程における前洗浄や中間洗浄を行う
場合については、100℃〜250℃の範囲が好まし
い。100℃を下回ると付着油(焼入れ油)の気化が不
十分となる。一方、上限は焼戻し温度内で処理するため
250℃以下とする。
【0013】本発明の真空容器内での脱脂洗浄処理のサ
イクルは、種々に設定することが可能である。例えば、
被処理物を収納した容器内を所定温度まで昇温し、次い
で一旦減圧して付着油中の比較的低沸点成分を予め気化
せしめて除去し、その後水蒸気を吹き込み、再び減圧し
て残りの沸点の高い油分を減圧水蒸気蒸留で蒸発除去し
てから復圧するサイクルとしても良く、または容器内を
所定温度まで昇温した後、ただちに水蒸気を吹き込み、
その後減圧して付着油分の全てを一挙に減圧水蒸気蒸留
で蒸発除去してから復圧するサイクルとすることも可能
であり、付着油の性状等により適宜に設定して良い。
【0014】被処理物が錆易い金属であれば、以上の真
空脱脂工程の最初に、先に述べたように、真空容器内を
真空減圧して予備洗浄で被処理物に付着した水分をいち
早く蒸発させる工程を付加するのが好ましい。本発明の
真空容器の排気手段としては、水封式真空ポンプ又はド
ライ真空ポンプを用いることができる。水と油の混合気
を吸引しても排気能力は影響されないから、所定の真空
度を維持して長期間の連続運転が可能となる。
【0015】また、排気系に冷却トラップを設けて、気
化排出された油分を冷却液化し回収すれば、分離油の流
出を効果的に防止することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図とともに説明す
る。図1は、本発明の脱脂洗浄装置を模式的に表したも
のであり、これによれば概ね前洗浄室1と、これに隣接
した真空容器からなる真空洗浄室2と、この真空洗浄室
2の内部に発生した蒸発成分を排気する排気手段3とで
構成されている。
【0017】前洗浄室1内には、スチーム噴射手段とし
ての多数のスチームノズル10と、水系の洗浄液を入れ
る浸漬タンク11と、シャワー手段としてのシャワーノ
ズル12と昇降兼揺動手段としてのエレベータ装置13
とが配設されている。前記スチームノズル10は、スチ
ーム配管10aを経て図示しないボイラーから供給され
るスチームを、バスケット14内に収納した被処理物に
噴射する。図中V2は開閉電磁弁である。また、シャワ
ーノズル12は、浸漬タンク11内の洗浄液Wをその浸
漬タンク11の洗浄液の液面Wより深い位置からシャワ
ーポンプPで汲み出してバスケット14内に収納した
被処理物に噴射する。エレベータ装置13は、バスケッ
ト14を搭載するエレベータフレーム13Aと、これを
昇降並びに上下揺動駆動させるため前洗浄室1の上部に
取り付けた駆動シリンダ13Bとを備えている。浸漬タ
ンク11には、浸漬されたエレベータフレーム13A
囲むように多数の噴流ノズル16Aが配設され、図示し
ないポンプを介して浸漬タンク11の洗浄液を循環させ
つつ噴流を形成する。また、浸漬タンク11の洗浄液の
液面Wの位置には、浮上油除去ノズル16Bが配設して
あり、液面に浮上した付着油を洗浄液から分離して排出
する構成になっている。前洗浄室1の天井には排気管1
7が接続され、熱交換器18を経て図示しない排気装置
により前洗浄室1内の水蒸気等を排出するようになって
いる。19Aは扉開閉シリンダであり、前洗浄室1の扉
19Bを開閉する。なお、図2に示すように、エレベー
タフレーム13Aの下面には油受け装置20Aが設けて
あり、これにスチーム凝縮水と共に落下してくる付着油
を受け、シリンダ開閉式蓋20Bを有するピット20C
から前洗浄室1の外部の油受け装置20Dに取り出すよ
うに構成されている。
【0018】前記真空洗浄室2は真空気密構造のタンク
であり、内部に加熱手段としてバーナー等の発熱体21
を有し、外周は断熱材22で保温されている。室の一端
側には開閉シリンダ23Aで開閉駆動される扉23Bが
設けてある。室内には洗浄液噴射手段としての噴出管2
4が開閉電磁弁V2を介して接続され、スチーム配管1
0bを経て図外のボイラーから供給されるスチームを噴
出するようになっている。なお、図示されないが、噴出
管24には、別に、水系の洗浄液を供給する配管を分岐
して接続し、バルブを操作してスチームと液とを適宜に
選択して供給するようにしても良い。室内には又、蒸気
を攪拌して被処理物に均一に供給するためのファン25
と室内温度測定用の熱電対26とが配設されている。
【0019】前記排気手段3は、ドライ真空ポンプ31
と、その前段に配置された熱交換器32と、ポンプ後段
に配置された熱交換器33およびオイルミストフィルタ
34とを備えている。また、必要に応じて熱交換器33
の後段に深冷トラップを配設してもよく或いは熱交換器
33に代わりに深冷トラップを設置しても良い。各熱交
換器32,33等のドレン配管35は併設されたオイル
スキマ40の油水分離タンク41に接続されている。そ
の油水分離タンク41には、前洗浄室1内の浸漬タンク
11の底部からのドレン配管36も接続されている。な
お、オイルスキマ40で油水分離された油分は廃油42
として回収されるが、水分はアルカリ洗剤等が添加され
ている場合にはそのままでは廃棄できない。そのような
場合は、廃水処理装置50を別途に接続して、油水分離
タンク41内の分離水をポンプPで汲み出し、フィル
タ51で固形分を分離除去し、ポンプPを経て中和装
置52に送り込み、アルカリ分を中和し無公害の廃水5
3としてから排出する。
【0020】上記の脱脂洗浄装置による被処理物に付着
した熱処理用油の脱脂洗浄工程を、図3に示すタイムチ
ャートに従って説明する。予め、前洗浄室1の浸漬タン
ク11には水系の洗浄液Wを満たし、排気手段3の熱交
換器32には常温の冷却水を流すと共に、深冷トラップ
33には図外のチラーから冷水を流しておく。
【0021】前洗浄室1の扉19Bを開いて被処理物を
収納したバスケット14を上昇させてあるエレベータフ
レーム13Aに挿入して扉19Bを閉じる。先ず、スチ
ームノズル10からバスケット14内の被処理物に向け
てスチームを所定時間吹き付け、その熱と圧力の作用で
被処理物の付着油を払拭する。このスチーム処理で付着
油分の60〜80%がスチームの凝縮水と一緒に被処理
物より除去され落下する。落下した油及びスチーム凝縮
水は、図2に示すように被処理物を収納したバスケット
14の下部に設けられた油受け装置20Aで受け、前洗
浄室1に隣接した油受け装置20Dを経て外部の油水分
離タンク41に直接送り込む。したがって、その時点で
落下した油はバスケット14の直下の浸漬タンク11に
は入りこまず、浸漬タンク11内の洗浄液寿命を極めて
長期間に延長することが可能になると同時に、浸漬タン
ク11の容量も1/2〜1/3で十分となり、装置の小
型化に大きく寄与することとなった。
【0022】次に、エレベータフレーム13Aを下降さ
せて、バスケット14を浸漬タンク11の水系の洗浄液
W内に浸漬する。浸漬させたまま、駆動シリンダ13B
により限定したストローク範囲でバスケット14を上下
揺動させると同時に、噴流ノズル16Aから洗浄液Wを
噴出させる。洗浄液内での揺動と噴流との共同作用によ
り被処理物面に付着している油分がひき剥される。その
水系の洗浄液Wに界面活性剤または弱アルカリ洗剤を添
加してあれば、付着油分の除去が促進される。所定時間
揺動した後、エレベータフレーム13Aを液面上まで上
昇させる。その上昇中も噴流ノズル16Aからの噴流を
続けて、一旦分離した油が被処理物面に再付着すること
を防止する。
【0023】被処理物を浸漬タンク11の液面上に引き
揚げたら、シャワーポンプPを駆動させてシャワーノ
ズル12から洗浄液のシャワーを被処理物に所定時間噴
射する。これにより、被処理物面に残留している付着油
を洗い流す。最後に、再びスチームノズル10からスチ
ームを噴射して、被処理物に付着している洗浄液,残存
油分等をリンスすると共に次の真空脱脂工程に備えて被
処理物を予熱する。
【0024】こうして、予備洗浄された被処理物は、バ
スケット14に入れたまま、真空洗浄室2に搬入され、
扉23Bを閉じて密閉される。被処理物が鉄等の錆易い
材質の場合には、初めに排気手段3の真空ポンプ31を
始動させて真空洗浄室内を真空減圧する。これにより、
スチームで予熱された高温の被処理物に付着している水
分を急速に蒸発せしめて除去することができる。乾燥が
終了したら真空ポンプ31を停止して真空洗浄室2を復
圧させる。被処理物が水分で錆びるおそれがなければ、
この減圧乾燥工程は省いて良い。
【0025】真空加熱洗浄の本工程は、先ず発熱体21
で加熱する。このとき弁Vは閉じ、Vは開
いておく。ファン25を作動させて室内の温度分布を均
一化する。所定時間加熱して室温を被処理物の焼戻し温
度以下に昇温させる。これにより、残存付着油成分中の
比較的低沸点の成分が気化し、熱交換器32で冷却され
て再液化されたものは弁Vを経てオイルスキマ40の
油水分離タンク41に送られる。未液化ガスは弁V
ら系外に排出される。
【0026】次いで、弁V,Vを閉じ、ドライ真空
ポンプ31を運転して真空洗浄室2の室内を数Torr
に減圧した後、弁Vを開いて噴出管24から水蒸気を
主とする洗浄用蒸気を送り込む。その後、弁Vは閉
じ、室内を再び排気して数Torrに減圧させる。この
とき、被処理物に付着していた油分は沸点の高い成分も
含めて殆ど100%が気化蒸発し洗浄が行われる。気化
した油分と水分は熱交換器32,および深冷トラップ3
3で冷却液化されてオイルスキマ40に送られる。
【0027】所定時間の減圧の後、水封式真空ポンプ3
1を停止させると共に弁Vを開いて、室内を大気圧に
復圧し、扉23Bを開いて洗浄された被処理物をバスケ
ット14と共に搬出する。以上の真空加熱洗浄の本工程
において、室内温度は所定の処理温度に制御されてい
る。図4に試験結果の一例を示す。
【0028】被処理物としてはボルト形状の部品を対象
にして、付着油の脱脂洗浄試験を行ったものである。付
着油として、切削油と、JIS 1種2号相当の熱処理
油(A)および(B)と、JIS 2種1号相当の熱処
理油(C)とを使用し、それぞれについて図3の処理工
程にしたがって処理した。予備洗浄における浸漬および
シャワーの水系の洗浄液Wとして、切削油と熱処理油
(A)および(B)については界面活性剤,アルカリ洗
剤を使用せず水(温水)のみとし、熱処理油(C)につ
いてはアルカリ洗剤3%添加したものを使用した。残存
油量(縦軸)はにより、被処理物の油分を重量法で測定
して求めた。図4から明らかなように、予備洗浄処理で
洗浄前付着油は数%〜10%を残すのみとなり、更に真
空洗浄を行うと殆どの油分が除去され、従来の溶剤の蒸
気洗浄のものと全く差が認められなかった。
【0029】かくして、本実施例によれば、予備洗浄工
程で付着油分の大部分を除去できるから、続く真空減圧
脱脂工程における気化蒸発成分量がその分減少し、その
ため排気手段3の排気容量が大幅に縮小できて装置のコ
スト及び設置スペースを低減することができた。なお、
上記実施例は熱処理油の場合を例にとって説明したが、
本発明はこれに限らずその他の脱脂にも好適に利用可能
である。
【0030】また、被処理物は金属に限られず、非金属
にも適用できる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
スチーム洗浄工程と水系の洗浄液への浸漬工程とシャワ
ー工程とを含む予備洗浄工程で被処理物を前処理して付
着油分を除去し、その後、密閉系内に水蒸気を主とする
洗浄液を吹き込んで、減圧下に水蒸気蒸留により残部の
付着油分を蒸発処理するものとした。そのため、予備洗
浄工程で付着油の大部分を比較的簡単な手段で除去でき
て、高沸点油を含み真空水蒸気蒸留処理のみでは大掛か
りな排気処理系を必要とした場合にも、比較的簡単な装
置で済み、溶媒を使用しない無公害の脱脂洗浄装置の小
型軽量化およびコストダウンと処理時間の短縮化が達成
できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱脂洗浄装置の一実施例の系統図であ
る。
【図2】図1の矢視IIで示す分離油取り出し部分の構
造図である。
【図3】本発明の脱脂洗浄工程の一例のタイムチャート
である。
【図4】本発明の脱脂洗浄性能を示すグラフである。
【符号の説明】
1 前洗浄室 2 真空洗浄室 3 排気手段 10 スチーム噴射段(スチームノズル) 11 浸漬タンク 12 シャワー手段(シャワーノズル) 21 加熱手段(発熱体) 24 洗浄液噴射手段 W 水系の洗浄液

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前洗浄室内で、油の付着した被処理物
    を、スチーム洗浄工程と浸漬タンクに収容されている水
    系洗浄液への浸漬工程と水系洗浄液シャワー工程とを含
    む予備洗浄工程とで前洗浄することにより、あらかたの
    付着油分を除去すると共に、前記スチーム洗浄工程で使
    用したスチームの凝縮液を前記浸漬タンク外に流し、前
    記前洗浄した前記被処理物を、真空容器内に移してそこ
    で加熱し、水系の洗浄液で洗浄し、更に減圧して残りの
    付着油分を水蒸気蒸留して気化蒸発せしめることにより
    当該被処理物から油分を除去することを特徴とする脱脂
    洗浄方法。
  2. 【請求項2】 前記予備洗浄工程の最後に、再びスチー
    ム洗浄工程を実施して残液と残油分とをリンスすると共
    に真空容器内での工程の予熱を行なう、請求項1に記載
    の脱脂洗浄方法。
  3. 【請求項3】 前洗浄におけるスチーム洗浄工程と同シ
    ャワー工程とは、同水系洗浄液への浸漬工程が行われる
    浸漬タンクの直上で行われ、且つ前記浸漬タンク内の前
    記水系の洗浄液は、前記前洗浄のシャワー工程の前記水
    系の洗浄液として供給される、請求項1に記載の脱脂洗
    浄方法。
  4. 【請求項4】 前記予備洗浄工程の最後に、再びスチー
    ム洗浄工程を実施して残液と残油分とをリンスすると共
    に真空容器内での工程の予熱を行なう、請求項3に記載
    の脱脂洗浄方法。
  5. 【請求項5】 スチーム噴射手段と、水系洗浄液シャワ
    ー手段と、これらの手段の直下に配置されて水系洗浄液
    を収容した浸漬タンクと、前記スチーム噴射手段によっ
    て噴射されたスチームの凝縮液を前記浸漬タンクの外に
    流すための油受け装置と、被処理物を載置して前記スチ
    ーム噴射手段及び前記水系洗浄液シャワー手段の位置と
    前記浸漬タンク内の間を昇降できるエレベータ装置とを
    備えた前洗浄室と、これに工程連続するように配置され
    ていて加熱手段と水系洗浄液を噴射する手段とを備えた
    真空洗浄室と、この真空洗浄室に生じた水蒸気蒸留によ
    る蒸発成分を排気する排気手段とを備えたことを特徴と
    する脱脂洗浄装置。
  6. 【請求項6】 前洗浄室の浸漬タンク内の水系洗浄液を
    前洗浄室のシャワー手段の水系洗浄液として送給するた
    めのポンプ配管が構成されており、前記浸漬タンクは、
    前記シャワー手段で使用された水系洗浄液を受けて回収
    する位置に配置されている、請求項5に記載の脱脂洗浄
    装置。
  7. 【請求項7】エレベータ装置は、昇降作動及び浸漬タン
    ク内での揺動を兼ねる駆動シリンダを備えている請求項
    5に記載の脱脂洗浄装置。
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