JP2501498Y2 - 内燃機関のバルブリフタ - Google Patents

内燃機関のバルブリフタ

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JP2501498Y2
JP2501498Y2 JP1988039616U JP3961688U JP2501498Y2 JP 2501498 Y2 JP2501498 Y2 JP 2501498Y2 JP 1988039616 U JP1988039616 U JP 1988039616U JP 3961688 U JP3961688 U JP 3961688U JP 2501498 Y2 JP2501498 Y2 JP 2501498Y2
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直史 増田
哲朗 長木
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は内燃機関のバルブリフタに関する。
〔従来の技術〕
内燃機関のバルブリフタは、カムの作用を一面側から
受けて他面側でバルブを駆動するものである。この場
合、バルブは内燃機関の吸気弁又は排気弁である。
特開昭49-19471号公報は、研削によってワークの鏡面
仕上げを行うことを開示している。
〔考案が解決しようとする課題〕
内燃機関の吸気弁又は排気弁は、弁座との偏当たりを
防止するためにそれぞれの中心軸線の回りで回転可能で
あることが好ましい。バルブリフタは吸気弁又は排気弁
がどのような回転位置にあっても同じようにカムの作用
を伝達しなければならず、そこでバルブリフタのバルブ
を駆動するための当接部は平面仕上げされている。
平面仕上げするための工作機械として、研削盤、フラ
イス盤、又は旋盤を使用することができる。一般的な平
面仕上げにもっとも適しているのはフライス盤である
が、フライス盤ではバルブリフタのバルブ当接部のよう
に局部的な領域の加工を行うことができない。旋盤によ
る平面仕上げは、いわゆる端面作業として実施される
が、加工領域の中心部にへそ状の芯が残る可能性がある
ので一般的ではない。従って、バルブリフタのバルブ当
接部の平面仕上げには研削盤が使用される。
しかしながら、研削盤はワークを回転させながら支持
し、及び砥石を回転させ且つ送りを与えることが必要で
あり、さらに大量のクーラントを供給しなければなら
ず、設備が複雑になるという問題点があった。また、研
削盤による平面仕上げは、上記特開昭49-1947号公報に
記載されているように文字通りの鏡面仕上げを達成でき
るが、完全な鏡面仕上げをされたワークは潤滑油の保持
能力が低いという問題点があった。
本考案はこのような問題点を解決するためにバルブリ
フタのバルブ当接部を旋盤によって加工できるようにす
ることを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本考案による内燃機関のバルブリフタは、カムの作用
を一面側から受け且つ他面側にバルブを駆動するための
当接部を備え、該当接部が円筒状に突出した突起であ
り、その当接表面は施削加工により周方向の条痕が残る
ように形成されるとともにその中心部に凹部が形成さ
れ、該凹部の深さは該当接部の突出高さより小さいこと
も特徴とするものである。
〔実施例〕
以下、本考案を図面に基づいて説明する。
第1図及び第2図を参照すると、内燃機関の吸気弁又
は排気弁10はバルブステム12と一体的に形成されたポペ
ット弁である。バルブリフタ14はクランクシャフトと同
期して回転するカム16と吸気弁又は排気弁10との間に配
置される逆カップ形状の部材である。また、バルブステ
ム12の頂部付近にはスプリングリテーナ18が取りつけら
れ、図示しないバルブスプリングによって吸気弁又は排
気弁10を閉弁方向に付勢するようになっている。
バルブリフタ14の頂部上面側にはシム20が嵌め込まれ
るようになっており、適切なクリアランスを保持してカ
ム16の作用を受けるようになっている。バルブリフタ14
の頂部下面側には、バルブステム12の頂部と当接する当
接部22が形成される。当接部22はバルブリフタ14の内面
から円筒状に突出した突起として形成され、突起の円板
状の表面22aがバルブステム12の頂面と当接可能であ
る。当接部22の直径Dはバルブステム12の頂部の直径と
ほぼ同じであり、例えば直径Dは6.5mmである。当接部2
2のバルブリフタ14の内面からの突出量Tは、例えば0.5
mmである。
凹部24が円筒状当接部22の中心部に形成されている。
この凹部24は、例えば直径dが1乃至2mm、深さtが1
乃至10ミクロンの穴として形成される。
本考案においては、当接部22の円板状の表面22aの中
心部に凹部24を設けるよにしたので、当接部22の円板状
の表面22aを施削加工することができるようになっての
である。この施削加工はNC旋盤を使用して実施でき、例
えば、円板状の表面22aを平面度が15乃至20ミクロンの
加工公差で加工し、凹部24をそれから3ミクロン段差を
付けるようにプログラムして実施する。或いは、凹部24
を第3図に示されるように先に芯もみした後で施削加工
してもよい。また、当接部22の表面22aは必ずしも平面
でなくてもよく、施削化により曲面などの加工も可能と
なる。
第4図は円板状の表面22a及び凹部24を同時に施削加
工したときの平面度を示す図である。(イ)は第1図の
tに相当する寸法、即ち外周側から内周側へ施削加工す
るときに最後に中心部で加える送り量を0.01ミリメート
ル(10ミクロン)にしたときの結果を示す。(ロ)、
(ハ)、(ニ)はそれぞれ同様の送り量を0.005ミリメ
ートル(5ミクロン)、0.003ミリメートル(2ミクロ
ン)、0.001ミリメートル(1ミクロン)にしたときの
結果を示す。少なくともこれらの結果の中では、端面施
削加工に特有の(例えば、第4図(ニ)の破線Zで示さ
れるような)芯残りは発生しなかった。もし、破線Zで
示されるような芯残りが発生すると、バルブステム12が
偏当たりしたりする不都合が生じる。
従って、凹部24は端面施削加工時に中心部に芯残りが
発生しないように深さを十分に大きな寸法に設定されな
ければならない。同時に、凹部24の径が大きくなるとバ
ルブステム12との当接によって摩耗が大きくなるので、
できるだけ小さく設定されなければならない。凹部24の
寸法はこれらを両立するようにしなければならない。
第5図は従来品(研削仕上げしたもの…黒丸)と本考
案(上記(ハ)に相当するもの…白丸)とを試作し、エ
ンジンの各気筒に取りつけて摩耗の試験を行った結果を
示す図である。各サンプルの仕上げ平面度公差は同じに
設定した。サンプル位置は気筒の位置並びに吸気弁又は
排気弁の違いによるものであり、従来品と本考案とは少
しずらして描いてある。第5図では、全体的に本考案品
の方が摩耗が少なく、またサンプル毎の摩耗のバラツキ
も小さいことが分かる。従って、本考案品では、特別に
摩耗が大きいものはなく、全体的に耐久性に優れたもの
となる。
この結果は、施削加工と研削加工との差に依存するも
のと思われる。即ち、研削加工では2次元平面において
方向性のない平面加工を行うことができるので潤滑油の
保持能力が低いのに対して、施削加工では平面度は許容
値を満足するけれどもさらに微視的にはバイトの痕跡が
同心円状に残り、この痕跡及び凹部24に潤滑油が保持さ
れるので、耐摩耗性が向上するのである。なお、潤滑油
はカム16のベース円部においてタペットクリアランスが
できたときに凹部24に入る。
〔考案の効果〕
以上説明したように、本考案によるバルブリフタは、
当接部の中心部に凹部が形成されているために、当接部
を施削加工により形成することが可能となる。それによ
り複雑な設備を必要とする研削加工に比べて製造コスト
を低減することができる。また、施削加工により当接部
には周方向の条痕が残り、潤滑油の保持能力を高めるこ
とができる。
また、バルブリフタはカムにより上下動させられるた
めに、バルブステムに対して微小角度傾いて味噌ずり運
動する。それにより、バルブリフタは微視的に当接部の
外周部近傍の特定面積でだけバルブステムに接触し、こ
の接触部は外周部近傍を周方向に移動する。このような
接触部の移動に際し、バルブリフタの当接部が施削加工
以外で形成されている場合、その条痕が周方向に形成さ
れていないために接触部は上下に振動して摩耗を生じる
が、本考案のバルブリフタ当接部は施削加工により周方
向の条痕が形成されているために、前述の接触部移動が
滑らかに行われ、摩耗を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案によるバルブリフタを取りつけた内燃機
関の動弁機構を示す略図、第2図は本考案によるバルブ
リフタの詳細な断面図、第3図は本考案によるバルブリ
フタの他の実施例を示す図、第4図は施削加工により形
成されたバルブリフタの当接部の平面度を示す図、第5
図は従来品と本考案品との摩耗量を比較した図である。 10……吸気弁又は排気弁、12……バルブステム、14……
バルブリフタ、16……カム、22……当接部、24……凹
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実願 昭59−52893号(実開 昭60− 164610号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】カムの作用を一面側から受け且つ他面側に
    バルブを駆動するための当接部を備え、該当接部が円筒
    状に突出した突起であり、その当接表面は施削加工によ
    り周方向の条痕が残るように形成されるとともにその中
    心部に凹部が形成され、該凹部の深さは該当接部の突出
    高さより小さいことを特徴とする内燃機関のバルブリフ
    タ。
JP1988039616U 1988-03-28 1988-03-28 内燃機関のバルブリフタ Expired - Lifetime JP2501498Y2 (ja)

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JPH01144402U JPH01144402U (ja) 1989-10-04
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