JP3922610B2 - 研削砥石および研削方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンバルブの軸部の端部を切断し且つ切断面に対して荒研磨加工を施し、さらに、前記切断面を精密研磨加工するとともに、面取り仕上げ加工を行った後、前記エンジンバルブの軸部の任意の位置に溝加工を行うことが可能な研削砥石およびこれを利用した研削方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エンジンの構成部品としてエンジンバルブが用いられている。このエンジンバルブは、一端部が傘形状に形成された膨出部と、前記膨出部と一体的に形成された軸部とから構成される。
【0003】
このエンジンバルブは、アプセット成形により棒状体の一端部を膨出形成してアプセット成形体を形成し、さらに前記アプセット成形体をプレス成形することにより鍛造成形体を得た後、前記鍛造成形体に対して熱処理工程および研磨工程を施すことにより、製品が完成する。
【0004】
ところで、前記研磨工程では、図10に示されるような凸部1を有する第1複合工具2を用いて、予め設定されたエンジンバルブ3の全長寸法に対応させて軸部4の一端部を切断し、前記切断面5に対して荒研磨加工を行っている。さらに、次工程では、図11に示されるような第2複合工具6を用いて、前記切断面5を所望の面粗度に形成する精密研磨を行うとともに、該切断面5に近接する外周面に断面円弧状の溝部7を形成している。なお、前記第1および第2複合工具2、7の各研削面には、要求される面粗度に対応して粒径が異なる図示しない各種の砥粒が固着されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の従来技術に係るエンジンバルブの製造工程では、エンジンの種類に対応してエンジンバルブの軸部に形成される環状溝の位置が異なるため、エンジンの機種に対応してエンジンバルブの軸部に対して種々異なる位置に環状溝を形成する複数の第2複合工具を用意する必要がある。換言すると、エンジンの機種に対応してエンジンバルブの軸部の端面から軸線と略平行に離間距離が種々異なる所定位置に環状溝が形成されるため、第2複合工具は、切断された軸部の切断面に精密仕上げ加工を行う研削面と溝加工を行う研削面との離間間隔がエンジンの機種に対応するように種々設定されたものを準備する必要がある。この結果、複数の種類からなる第2複合工具を用意しなければならず、保守管理コストが増大し製造コストが高騰するという不都合がある。
【0006】
また、エンジンの機種が異なるエンジンバルブを製造する場合、複数の種類の第2複合工具の中から前記エンジンの機種に対応する第2複合工具をその都度選択し、従前のものと前記選択された第2複合工具とを交換する作業が必要となる。従って、前記工具の交換作業が煩雑であるとともに、交換作業によって作業効率が劣化するという不都合がある。
【0007】
本発明は、前記の不都合を克服するためになされたものであり、工具の交換作業を不要とすることにより作業効率を向上させ、しかも、製造コスト等を削減することが可能な研削砥石および研削方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、外周面に複数の研削面が形成された円筒形の研削砥石であって、
前記研削砥石の軸線に対する略平行面に形成され、エンジンバルブの軸部を前記軸線と略直交する方向に切断加工する第1研削面と、
前記第1研削面から所定間隔離間して形成され、前記エンジンバルブの軸部の外周面に対して溝部を研磨加工する第2研削面と、
前記研削砥石の軸線に対する略直交面に形成され、前記第1研削面によって切断された切断面を研磨加工する第3研削面と、
前記研削砥石の軸線に対する傾斜面に形成され、前記エンジンバルブの軸部の端部の面取り加工を行う第4研削面と、
を備え、前記第2研削面は、前記エンジンバルブの軸部に対して相対的に変位することにより前記エンジンバルブの軸部の軸線方向に沿った任意の位置に位置決めされることを特徴とする。
【0009】
この場合、前記第1乃至第4研削面は、一体成形された砥石母材の外周面に形成され、前記外周面は、前記第1研削面が形成された突起部と、前記第2研削面が形成された断面円弧状の膨出部と、前記第3研削面が形成された突起部の側壁に設けられた段部と、前記第4研削面が形成された傾斜面とを有する。
【0010】
また、前記第1研削面には、100番〜120番の範囲内の粒度からなる大径の砥粒を固着し、前記第2研削面には、200番〜230番の範囲内の粒度からなる中径の砥粒を固着し、前記第3研削面および第4研削面には、270番〜325番の範囲内の粒度からなる小径の砥粒を固着すると好適である。小径の砥粒を電着固定する場合、前記小径の砥粒が電着層にもぐり込むことを防止するために、予め粒度の大きい砥粒を電着し、その砥粒の表面をドレッシングするとよい。
【0011】
さらに、前記第4研削面によってエンジンバルブの軸部の端部の面取り加工が行われる際、前記エンジンバルブの軸部の外周面と該第2研削面との間にクリアランスを設けるとよい。
【0012】
なお、前記第1研削面と前記第3研削面とを相互に略直交する突起部の壁面にそれぞれ連続して形成することにより、加工時間がより一層短縮される。
【0013】
本発明によれば、エンジンバルブの軸部の外周面の任意の位置に溝部を形成することができるため、異なる位置にそれぞれ溝部を形成する複数の工具が不要となり、保守管理が容易になるとともに、製造コストが低減する。
【0014】
さらに、本発明は、外周面に第1〜第4研削面を有する円筒形の研削砥石によってエンジンバルブの軸部を研削する方法であって、
前記研削砥石の軸線に対する略平行面に形成された第1研削面の作用下に、前記エンジンバルブの軸部を前記軸線と略直交する方向に切断する切断加工と、前記研削砥石の軸線に対する略直交面に形成された第3研削面の作用下に、前記第1研削面によって切断された切断面を研磨する研磨加工と、前記研削砥石の軸線に対する傾斜面に形成された第4研削面の作用下に、前記エンジンバルブの軸部の端部を面取りする面取り加工とが一工程内において略同時に行われる。
【0015】
さらに、次工程では、前記エンジンバルブの軸部と第2研削面とを相対的に変位させることにより前記エンジンバルブの軸部の軸線方向に沿った任意の位置に前記第2研削面を位置決めし、該第2研削面の作用下に前記位置決めされた状態において前記エンジンバルブの軸部の外周面に対して溝部を研磨する研磨加工が行われる。
【0016】
本発明によれば、工具の交換作業が不要となるため、作業効率が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る研削方法について、これを実施する研削砥石との関連において好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0018】
図1において、参照数字10は、本実施の形態に係る研削砥石を示す。この研削砥石10は、略円盤状に一体成形された砥石母材11を有し、前記砥石母材11の中心部には図示しない円筒研削盤の回転軸に装着される大径の取付用孔部12が形成され、前記取付用孔部12の近傍には複数の小径の取付用孔部14が略同心円状に形成されている。前記研削砥石10の外周面16の周縁部には、後述するように、研削砥石10の軸線Tに対する略平行面、略直交面、傾斜面並びに曲面から構成された複合面が形成されている。
【0019】
この研削砥石10の外周面には、図2に示されるように、周縁部の平面18から半径外方向に所定長だけ突出する断面略長方形状の突起部20と、前記突起部20から略水平方向に向かって所定間隔離間して断面曲線状に形成された膨出部22と、前記突起部20の裾部24から所定角度下方側に向かって傾斜した後、上方側に向かって所定角度立ち上がって前記膨出部22に連続する凹部26とを有する。なお、前記突起部20の一壁面には、軸線Tに対する略直交面からなる段部28が形成されている。
【0020】
この場合、前記突起部20の上部側の所定部位、すなわち、研削砥石10の軸線Tに対する略平行面からなる上面部30および該上面部30に略直交する壁面32の一部には、例えば、100番〜120番の範囲内の粒度を有する大径の砥粒34aが電着固定されている。
【0021】
また、膨出部22の曲面33およびその近傍の所定部位には、例えば、200番〜230番の範囲内の粒度を有する中径の砥粒34bが電着固定されている。
【0022】
さらに、突起部20の側壁の一部で段部28が形成された部分、すなわち、研削砥石10の軸線Tに対する略直交面35、並びに凹部26の傾斜面36には、例えば、270番〜325番の範囲内の粒度を有する小径の砥粒34cが電着固定されている。
【0023】
従って、図2において、研削砥石10は、大径の砥粒34aが固定された突起部20の上部側の所定部位に形成され、後述するエンジンバブルの軸部の一端部に対して軸線Tと略直交する方向に沿って切断加工を行う第1研削面38と、中径の砥粒34bが固定された膨出部22の曲面33に形成され、前記エンジンバルブの軸部の外周面に対して断面円弧状の溝部(後述する)を形成する第2研削面40と、小径の砥粒34cが固定された段部28に形成され、前記軸部の切断面の精密仕上げ研磨加工を行う第3研削面42と、小径の砥粒34cが固定された傾斜面36に形成され、前記軸部の端部の面取り研磨加工を行う第4研削面44とを有する。
【0024】
なお、図2に示されるように、エンジンバルブの軸部の外周面に対し溝加工を行う前記第2研削面40は、軸部の端部の面取り研磨加工を行う前記第4研削面44を結ぶ水平直線Bよりも下方側に位置するように形成されている。従って、後述するように、第3および第4研削面42、44を介して軸部の切断面の精密仕上げ研磨加工および軸部の端面の面取り研磨加工を行う場合、第2研削面40と軸部の外周面との間には所定のクリアランスがあり、前記第2研削面40は軸部の外周面に接触しないように形成されている。
【0025】
このように、研削砥石10には、一体成形された砥石母材11の複合面に対して粒径が異なる種々の砥粒34a〜34cが電着固定されているため、要求される面粗度に対応して研削機能が異なる複数の第1乃至第4研削面38、40、42、44が形成されている。
【0026】
本実施の形態に係る研削砥石10は、基本的には、以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0027】
取付用孔部12、14を介して前記研削砥石10を図示しない円筒研削盤の回転軸に装着し、図示しない駆動源の駆動作用下に回動自在に軸支する。なお、被研削物であるエンジンバルブは、図示しない保持手段によって回転自在に保持されているとともに、図示しない回転手段によって所定方向に回転可能に設けられている。
【0028】
図示しない回転手段の付勢作用下にエンジンバルブが所定方向に回転している状態において、図示しない駆動源の駆動作用下に軸線Tを回転中心として研削砥石10を所定方向に回転させ、しかも、図示しない変位手段を介して研削砥石10を図3に示す矢印X方向に変位させることにより、研削を開始する。
【0029】
先ず、図3に示されるように、大径の砥粒34aが固定された突起部20の第1研削面38がエンジンバルブの軸部46の外周面に当接し突起部20の形状に沿って荒研磨加工がなされ、さらに、矢印X方向に対する変位量を増大させることにより、予め設定されたエンジンバルブの全長寸法に対応させて該エンジンバルブの軸部46の一端部が切断される(図4参照)。
【0030】
エンジンバルブの軸部46に対する切断加工が終了した後、あるいは終了直前に、図5に示されるように、突起部20の内壁面の段部28に形成された第3研削面42が前記切断加工によって形成された軸部46の切断面48に当接し、該切断面48に対する研磨加工がなされる。前記軸部46の切断面48には、第3研削面42に固定された小径の砥粒34cによって精密仕上げ研磨加工が施される。
【0031】
図5に示されるように、切断面48に対する精密仕上げ研磨加工と略同時に、さらに、軸部46の端部50が凹部26の傾斜面36に形成された第4研削面44に当接し、前記第4研削面44によって軸部46の端部50に対する面取り研磨加工がなされる。前記軸部46の端部50には、第4研削面44に固定された小径の砥粒34cによって、軸部46の端部50を水平軸に対して約20度の傾斜角度によって面取りする研磨加工が施される。なお、この場合、膨出部22に形成された第2研削面40は、軸部46の外周面に接触することがなく、軸部46の外周面と第2研削面40との間にはクリアランスCが設けられている。
【0032】
このようにして、研削砥石10が矢印X方向に対する変位作用下に、エンジンバルブの軸部46を所望の寸法に切断する切断加工、前記切断面48に対する精密仕上げ研磨加工および端部50の面取り加工が一工程内で終了する。
【0033】
次工程では、図6に示されるように、アクチュエータ(図示せず)の駆動作用下に研削砥石10を保持する図示しないテーブルを略水平方向(矢印Y方向)に所定距離だけ変位させ、エンジンバルブの軸部46の外周面に対して溝加工を行う部位を位置決めする。なお、この場合、研削砥石10側を固定した状態において、被加工物であるエンジンバルブ側を変位させて溝加工を行う部位を位置決めしてもよい。
【0034】
エンジンバルブの軸部46の外周面に対し膨出部22の曲面からなる第2研削面40が位置決めされた状態(図6に示す状態)において、研削砥石10を前記水平方向(矢印Y方向)と略直交する矢印X方向に所定距離だけ変位させることにより前記外周面に第2研削面40が当接し、図7に示されるように、膨出部22の曲面33に形成された第2研削面40によって軸部46の外周面に対する溝加工が開始される。
【0035】
前記軸部46の外周面には、第2研削面40に固定された中径の砥粒34bによって溝部52の研磨加工が施されることにより、溝断面円弧状の環状溝からなるいわゆるコッタ溝が形成される。
【0036】
このように、次工程では、エンジンバルブの軸部46の外周面の任意の位置、すなわちエンジンの機種に対応する軸部46の軸線方向に沿った所定位置に第2研削面40を位置決めし、研削砥石10の矢印X方向に対する変位作用下に溝断面円弧状の溝部52が形成される。
【0037】
本実施の形態では、研削砥石10と被研削物であるエンジンバルブとを相対的に変位させて該エンジンバルブの軸部46の外周面の任意の位置に第2研削面40を位置決めし、このように位置決めされた状態において前記第2研削面40によって溝加工を遂行することにより、エンジンバルブの外周面に形成される溝部52の位置を任意に設定することができる。
【0038】
従って、本実施の形態では、一つの研削砥石10によってエンジンの機種に対応して軸部46の任意の位置に溝部52を形成するように設定することができ、従来技術のような複数の複合工具2、6が不要となるため、保守管理が容易となり、製造コストを低減することができる。
【0039】
また、本実施の形態では、エンジンの機種が異なるエンジンバルブを製造する場合であっても、工具の交換作業が不要となるため、作業効率を向上させることができる。
【0040】
なお、図8に示されるように、溝部52を研磨加工する第2研削面40は、エンジンバルブの軸部46の一端部から溝部52の中央部までの距離Dが最大となる位置に設定しておくと好適である。この結果、溝部52を、前記距離Dの範囲内において、任意の位置に形成することができる。
【0041】
次に、他の実施の形態に係る研削砥石60を図9に示す。なお、前記実施の形態と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0042】
この他の実施の形態に係る研削砥石60では、図2に示される研削砥石10と比較して外周面16の平面18から半径外方向に向かって突出する突起部20aの長さLを約2分の1に短縮している。従って、第1研削面38と第3研削面42とが相互に略直交する突起部20aの壁面にそれぞれ連続して形成されることにより、一工程における研削加工時間を短縮することができる。
【0043】
すなわち、図9に示される研削砥石60では、突起部20aの上面部30に形成された第1研削面38による切断加工と前記上面部30に近接する略直交面35に形成された第3研削面42による切断面の精密仕上げ研磨加工とが同時に遂行されるため、研削加工時間を短縮することが可能となる。
【0044】
なお、その他の構成並びに作用効果は、図2に示される研削砥石10と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0046】
すなわち、研削砥石とエンジンバルブの軸部とを相対的に変位させて前記エンジンバルブの軸部の外周面の任意の位置に第2研削面を位置決めし、このように位置決めした状態で溝部が形成される。従って、本発明では、一つの研削砥石によってエンジンバルブの軸部の外周面の任意の位置に溝部を形成するように設定することができ、従来技術のような複数の複合工具が不要となるため、保守管理が容易となり、製造コストを低減することができる。
【0047】
また、本発明では、工具の交換作業が不要となるため、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る研削砥石の一部省略縦断面図である。
【図2】図1に示すA部の拡大図である。
【図3】エンジンバルブの軸部に研削砥石の第1研削面が当接した状態を示す動作説明図である。
【図4】エンジンバルブの軸部の一端部が切断された状態を示す動作説明図である。
【図5】エンジンバルブの軸部の切断面を研削砥石の第3研削面によって研磨加工するとともに、第4研削面によって端部の面取り加工を行う状態を示す動作説明図である。
【図6】研削砥石を矢印Y方向に変位させ、エンジンバルブの軸部の任意の位置に第2研削面を位置決めした状態を示す動作説明図である。
【図7】前記位置決めされた状態において、エンジンバルブの軸部の外周面に溝加工を遂行する状態の動作説明図である。
【図8】エンジンバルブの軸部の外周面に形成される溝部の最大位置を示す説明図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係る研削砥石の外周面の一部省略縦断面図である。
【図10】従来技術におけるエンジンバルブの製造方法を示し、第1複合工具によってエンジンバルブの軸部を切断する状態の説明図である。
【図11】従来技術におけるエンジンバルブの製造方法を示し、第2複合工具によって切断面の研磨加工と溝部の研磨加工を行う状態の説明図である。
【符号の説明】
10、60…研削砥石 11…砥石母材
16…外周面 18…平面
20、20a…突起部 22…膨出部
26…凹部 28…段部
30…上面部 32…壁面
33…曲面 34a〜34c…砥粒
35…略直交面 36…傾斜面
38、40、42、44…研削面 46…軸部
48…切断面 50…端部
52…溝部
Claims (8)
- 外周面に複数の研削面が形成された円筒形の研削砥石であって、
前記研削砥石の軸線に対する略平行面に形成され、エンジンバルブの軸部を前記軸線と略直交する方向に切断加工する第1研削面と、
前記第1研削面から所定間隔離間して形成され、前記エンジンバルブの軸部の外周面に対して溝部を研磨加工する第2研削面と、
前記研削砥石の軸線に対する略直交面に形成され、前記第1研削面によって切断された切断面を研磨加工する第3研削面と、
前記研削砥石の軸線に対する傾斜面に形成され、前記エンジンバルブの軸部の端部の面取り加工を行う第4研削面と、
を備え、前記第2研削面は、前記エンジンバルブの軸部に対して相対的に変位することにより前記エンジンバルブの軸部の軸線方向に沿った任意の位置に位置決めされることを特徴とする研削砥石。 - 外周面に複数の研削面が形成された円筒形の研削砥石であって、
エンジンバルブの軸部を軸線と略直交する方向に切断加工する第1研削面が形成された突起部と、
前記突起部から所定間隔離間し、前記エンジンバルブの軸部の外周面に対して溝部を研磨加工する第2研削面が形成された断面円弧状の膨出部と、
前記第1研削面と略直交する前記突起部の側壁部に設けられ、該第1研削面によって切断された切断面を研磨加工する第3研削面が形成された段部と、
前記突起部と前記膨出部との間に形成され、前記エンジンバルブの軸部の端部の面取り加工を行う第4研削面が形成された傾斜面と、
を備え、前記第2研削面は、前記エンジンバルブの軸部に対して相対的に変位することにより前記エンジンバルブの軸部の軸線方向に沿った任意の位置に位置決めされることを特徴とする研削砥石。 - 請求項1または2記載の研削砥石において、
前記第1研削面には大径の砥粒が固着され、前記第2研削面には中径の砥粒が固着され、前記第3研削面および前記第4研削面には小径の砥粒が固着されていることを特徴とする研削砥石。 - 請求項3記載の研削砥石において、
前記大径の砥粒は、100番〜120番の範囲内の粒度からなり、前記中径の砥粒は、200番〜230番の範囲内の粒度からなり、前記小径の砥粒は、270番〜325番の範囲内の粒度からなることを特徴とする研削砥石。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の研削砥石において、
前記第1研削面と前記第3研削面は、相互に略直交する突起部の壁面にそれぞれ連続して形成され、前記第1研削面による切断加工と前記第3研削面による切断面の研磨加工とが同時に行われることを特徴とする研削砥石。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の研削砥石において、
前記研削砥石を構成する砥石母材は、一体成形によって形成されることを特徴とする研削砥石。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の研削砥石において、
前記第4研削面によって前記エンジンバルブの軸部の端部の面取り加工が行われる際、前記第2研削面は、前記エンジンバルブの軸部の外周面に対し非接触状態にあり、前記エンジンバルブの軸部の外周面と該第2研削面との間にクリアランスが設けられることを特徴とする研削砥石。 - 外周面に第1〜第4研削面を有する円筒形の研削砥石によってエンジンバルブの軸部を研削する方法であって、
前記研削砥石の軸線に対する略平行面に形成された第1研削面の作用下に、前記エンジンバルブの軸部を前記軸線と略直交する方向に切断する切断加工と、前記研削砥石の軸線に対する略直交面に形成された第3研削面の作用下に、前記第1研削面によって切断された切断面を研磨する研磨加工と、前記研削砥石の軸線に対する傾斜面に形成された第4研削面の作用下に、前記エンジンバルブの軸部の端部を面取りする面取り加工とを略同時に行う工程と、
前記エンジンバルブの軸部と第2研削面とを相対的に変位させることにより前記エンジンバルブの軸部の軸線方向に沿った任意の位置に前記第2研削面を位置決めし、該第2研削面の作用下に前記位置決めされた状態において前記エンジンバルブの軸部の外周面に対して溝部を研磨する研磨加工を行う工程と、
を有することを特徴とする研削方法。
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