JP2501309B2 - 化学的に安定化された多層フイルム - Google Patents
化学的に安定化された多層フイルムInfo
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Description
【0001】本発明は医薬品溶液を包装するのに適した
オートクレーブ処理可能な可撓性フィルムに関する。
オートクレーブ処理可能な可撓性フィルムに関する。
【0002】最近非径口投与のために使い捨て可能な可
撓性の袋の形で医薬品溶液のような液体を供給すること
が普通の医学的手段になっている。このような袋は潰す
ことが可能であり、透明であって適当な機械的強度をも
っていることを特徴としている。これらの袋はまた内容
物を例えばオートクレーブ中で加熱して滅菌するのに必
要な比較的高温に耐えることができる。典型的には医薬
品及び同様物は約253°Fにおいて15〜30分間オート
クレーブ処理される。
撓性の袋の形で医薬品溶液のような液体を供給すること
が普通の医学的手段になっている。このような袋は潰す
ことが可能であり、透明であって適当な機械的強度をも
っていることを特徴としている。これらの袋はまた内容
物を例えばオートクレーブ中で加熱して滅菌するのに必
要な比較的高温に耐えることができる。典型的には医薬
品及び同様物は約253°Fにおいて15〜30分間オート
クレーブ処理される。
【0003】現在このような可撓性の袋は典型的には高
度に可塑化されたポリ塩化ビニルからつくられている。
ポリ塩化ビニルは上記の要求を満たすけれど、医薬品溶
液用の袋として使用するのには望ましくないいくつかの
性質をもっている。何故ならばポリ塩化ビニルから医薬
品溶液または袋の他の内容物へと可塑剤が移動する可能
性があり、そのため潜在的に毒性をもった物質で溶液が
汚染されることがあるからである。またポリ塩化ビニル
が医薬品溶液に対し化学的に中性かどうかに関しても疑
問がある。さらにポリ塩化ビニルは比較的低温において
は脆化することが見出されている。
度に可塑化されたポリ塩化ビニルからつくられている。
ポリ塩化ビニルは上記の要求を満たすけれど、医薬品溶
液用の袋として使用するのには望ましくないいくつかの
性質をもっている。何故ならばポリ塩化ビニルから医薬
品溶液または袋の他の内容物へと可塑剤が移動する可能
性があり、そのため潜在的に毒性をもった物質で溶液が
汚染されることがあるからである。またポリ塩化ビニル
が医薬品溶液に対し化学的に中性かどうかに関しても疑
問がある。さらにポリ塩化ビニルは比較的低温において
は脆化することが見出されている。
【0004】他の非ポリ塩化ビニル性の袋でも、特に医
薬品用の袋の外側の表面で、脆化及び応力クラッキング
を起すことが知られている。従って袋用の材料の応力ク
ラッキング及び脆化が実質的に減少または除去された医
薬品溶液用の袋が得られることが望まれている。
薬品用の袋の外側の表面で、脆化及び応力クラッキング
を起すことが知られている。従って袋用の材料の応力ク
ラッキング及び脆化が実質的に減少または除去された医
薬品溶液用の袋が得られることが望まれている。
【0005】このような袋の一つはエチレン/プロピレ
ン共重合体または変性エチレン/プロピレン共重合体の
密封層、非常に密度の低いポリエチレンの芯の層及び可
撓性のポリエステル共重合体の外側の層から成る可撓性
のフィルムからつくられている。芯の層は適当な接着性
樹脂、例えば変性エチレン/酢酸ビニル共重合体または
変性エチレン/メタクリレート共重合体で夫々密封層及
び外側の層に接着している。
ン共重合体または変性エチレン/プロピレン共重合体の
密封層、非常に密度の低いポリエチレンの芯の層及び可
撓性のポリエステル共重合体の外側の層から成る可撓性
のフィルムからつくられている。芯の層は適当な接着性
樹脂、例えば変性エチレン/酢酸ビニル共重合体または
変性エチレン/メタクリレート共重合体で夫々密封層及
び外側の層に接着している。
【0006】他の構造としては約50%の超低密度ポリエ
チレン及び約50%の変性エチレン/プロピレン共重合体
から成る配合層が密封層と芯の層の間に存在する構造が
ある。
チレン及び約50%の変性エチレン/プロピレン共重合体
から成る配合層が密封層と芯の層の間に存在する構造が
ある。
【0007】医薬品溶液を包装する場合、包装材料から
医薬品溶液への抽出可能な物質の量を厳密に抑制しなけ
ればならない。同様に医薬品溶液はpHに敏感であり、
従って溶液のpHも厳密な範囲内に保たなければならな
い。
医薬品溶液への抽出可能な物質の量を厳密に抑制しなけ
ればならない。同様に医薬品溶液はpHに敏感であり、
従って溶液のpHも厳密な範囲内に保たなければならな
い。
【0008】本発明に関連した特許としてミュラー(Mue
ller)らの米国特許第4,188,443号があり、少な
くとも3層から成り、内部層の少なくとも1枚はエチレ
ンの共重合体または均質重合体から成り、外側層の少な
くとも1枚はポリエステルまたはポリエステル共重合体
から成っている多層フィルムが記載されている。
ller)らの米国特許第4,188,443号があり、少な
くとも3層から成り、内部層の少なくとも1枚はエチレ
ンの共重合体または均質重合体から成り、外側層の少な
くとも1枚はポリエステルまたはポリエステル共重合体
から成っている多層フィルムが記載されている。
【0009】フー(Hwo)の米国特許第4,528,220
号も本発明に関連があり、配合材料の外側及び内側の層
から成り、外側層の配合物は一つの成分としてエチレン
/プロピレン共重合体を含み、内側層の配合物も一つの
成分としてエチレン/プロピレン共重合体を含んでいる
医薬品溶液用のプラスチックスの袋が記載されている。
号も本発明に関連があり、配合材料の外側及び内側の層
から成り、外側層の配合物は一つの成分としてエチレン
/プロピレン共重合体を含み、内側層の配合物も一つの
成分としてエチレン/プロピレン共重合体を含んでいる
医薬品溶液用のプラスチックスの袋が記載されている。
【0010】またコンデンスト・ケミカル・ディクショ
ナリ(Condensed Chemical Dictionary) 第10版第569頁
には、多くの有機材料の酸化及び熱劣化を防ぐ一連の複
雑な高分子量安定剤としてアーガノックス(Irganox)が
記載されている。
ナリ(Condensed Chemical Dictionary) 第10版第569頁
には、多くの有機材料の酸化及び熱劣化を防ぐ一連の複
雑な高分子量安定剤としてアーガノックス(Irganox)が
記載されている。
【0011】本発明の目的はフィルムからの抽出可能物
質が厳密に抑制された医薬品溶液を包装するのに適した
可撓性フィルムを提供することである。
質が厳密に抑制された医薬品溶液を包装するのに適した
可撓性フィルムを提供することである。
【0012】また本発明の目的は可撓性のフィルムから
つくられた袋の中の医薬品溶液のpHがフィルムによっ
て比較的影響を受けない医薬品溶液を包装するのに適し
たフィルムを提供することである。
つくられた袋の中の医薬品溶液のpHがフィルムによっ
て比較的影響を受けない医薬品溶液を包装するのに適し
たフィルムを提供することである。
【0013】本明細書において「可撓性の」及び同様な
言葉、並びに「エラストマー」及び同様な言葉は、これ
らの特定の重合体材料を用いて袋の可撓性及び/又は押
し潰し性が改善される特定の重合体材料並びに得られた
袋の特性を定義するのに用いられる。可撓性材料はモジ
ュラス(ASTM D―882―81)が好ましくは50,000psiさらに
好ましくは40,000psiより小さいことで特徴付けられ
る。
言葉、並びに「エラストマー」及び同様な言葉は、これ
らの特定の重合体材料を用いて袋の可撓性及び/又は押
し潰し性が改善される特定の重合体材料並びに得られた
袋の特性を定義するのに用いられる。可撓性材料はモジ
ュラス(ASTM D―882―81)が好ましくは50,000psiさらに
好ましくは40,000psiより小さいことで特徴付けられ
る。
【0014】「フィルム」及び同様な言葉は当業界に公
知の適当な方法で接合し得る重合体材料の一枚またはそ
れ以上の層を有する包装に適した熱可塑性材料を意味す
る。
知の適当な方法で接合し得る重合体材料の一枚またはそ
れ以上の層を有する包装に適した熱可塑性材料を意味す
る。
【0015】「重合体」、「重合体の(polymeric)」及
び同様な言葉は特記しない限り一般に均質重合体、共重
合体または三元重合体、並びにそれらの配合物及び変性
物を意味する。
び同様な言葉は特記しない限り一般に均質重合体、共重
合体または三元重合体、並びにそれらの配合物及び変性
物を意味する。
【0016】本明細書において「超低密度ポリエチレ
ン」という言葉はASTM D―1505 方法で測定した密度が
0.910g/cc、好ましくは0.900〜0.906g/ccで最低0.860
g/ccのものを含むポリエチレンの共重合体を定義する
のに使用される。
ン」という言葉はASTM D―1505 方法で測定した密度が
0.910g/cc、好ましくは0.900〜0.906g/ccで最低0.860
g/ccのものを含むポリエチレンの共重合体を定義する
のに使用される。
【0017】「エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)」
という言葉は共重合体中のエチレンから誘導される単位
が多量に存在し、共重合体中の酢酸ビニルから誘導され
る単位が少量に存在するエチレンと酢酸ビニルとの共重
合体を意味する。
という言葉は共重合体中のエチレンから誘導される単位
が多量に存在し、共重合体中の酢酸ビニルから誘導され
る単位が少量に存在するエチレンと酢酸ビニルとの共重
合体を意味する。
【0018】「エチレン/プロピレン共重合体」という
言葉はポリプロピレン単量体と、少量の、通常は6%よ
り少ないエチレンとの共重合体を意味する。
言葉はポリプロピレン単量体と、少量の、通常は6%よ
り少ないエチレンとの共重合体を意味する。
【0019】「ポリエステル共重合体」という言葉は2
個以上のジオール及び1個の二塩基酸とから合成された
ポリエステルを意味する。本明細書に使用するポリエス
テル共重合体はポリエーテルとポリエチレンテレフタレ
ートとの共重合体として特徴付けられる。さらに好まし
くは本明細書に使用するポリエステル共重合体は反応原
料として1,4―シクロヘキサンジメタノール、1,4―シク
ロヘキサンジカルボン酸及びポリテトラメチレングリコ
ールエーテル、またはこれらの同等物から誘導される重
合対材料として特徴付けられる。
個以上のジオール及び1個の二塩基酸とから合成された
ポリエステルを意味する。本明細書に使用するポリエス
テル共重合体はポリエーテルとポリエチレンテレフタレ
ートとの共重合体として特徴付けられる。さらに好まし
くは本明細書に使用するポリエステル共重合体は反応原
料として1,4―シクロヘキサンジメタノール、1,4―シク
ロヘキサンジカルボン酸及びポリテトラメチレングリコ
ールエーテル、またはこれらの同等物から誘導される重
合対材料として特徴付けられる。
【0020】「変性」及び同様な言葉は置換基のいくつ
かまたは全部が他の材料で置換され、可撓性またはエラ
ストマー性が改善されたような性質の変化が認められる
重合体材料を意味する。
かまたは全部が他の材料で置換され、可撓性またはエラ
ストマー性が改善されたような性質の変化が認められる
重合体材料を意味する。
【0021】本発明に従えば、密封層、フィルムに可撓
性を賦与する重合体材料から成る芯の層、可撓性をもっ
たポリエステルまたはポリエステル共重合体の外側の
層、及びエチレン/エステル共重合体または変性エチレ
ン/エステル共重合体の中間の接着層から成る多層フィ
ルムにおいて、アルカリ金属の炭酸塩が芯の層に含まれ
ていることを特徴とする改良されたフィルムが提供され
る。
性を賦与する重合体材料から成る芯の層、可撓性をもっ
たポリエステルまたはポリエステル共重合体の外側の
層、及びエチレン/エステル共重合体または変性エチレ
ン/エステル共重合体の中間の接着層から成る多層フィ
ルムにおいて、アルカリ金属の炭酸塩が芯の層に含まれ
ていることを特徴とする改良されたフィルムが提供され
る。
【0022】また本発明に従えば、密封層、フィルムに
可撓性を賦与する重合体材料から成る芯の層、可撓性を
もったポリエステルまたはポリエステル共重合体の外側
の層、及びエチレン/エステル共重合体または変性エチ
レン/エステル共重合体の中間の接着層から成る本発明
の多層フィルムにおいて、好ましくき外側の層に高分子
量の安定剤及び/又は少なくとも一つの中間の接着層に
アルカリ金属の炭酸塩が含まれていることを特徴とする
改良されたフィルムが提供される。
可撓性を賦与する重合体材料から成る芯の層、可撓性を
もったポリエステルまたはポリエステル共重合体の外側
の層、及びエチレン/エステル共重合体または変性エチ
レン/エステル共重合体の中間の接着層から成る本発明
の多層フィルムにおいて、好ましくき外側の層に高分子
量の安定剤及び/又は少なくとも一つの中間の接着層に
アルカリ金属の炭酸塩が含まれていることを特徴とする
改良されたフィルムが提供される。
【0023】医薬品溶液を包装するのに有用な熱可塑性
のフィルムは可撓性であるばかりでなく、フィルムを袋
にしてその中に医薬品溶液を導入した後に典型的に用い
られるオートクレーブ処理工程中においてオートクレー
ブ処理温度に耐えることができなければならない。この
ようなフィルムの一例は密封層、フィルムに可撓性を与
える重合体の芯の層及び可撓性のポリエステルまたはポ
リエステル共重合体の外側の層をもつ多層フィルムであ
る。中間の接着層は芯の層と夫々密封層及び外側の層と
の間の層間接合を与え、オートクレーブ処理中及びその
後においてフィルムを保持している。
のフィルムは可撓性であるばかりでなく、フィルムを袋
にしてその中に医薬品溶液を導入した後に典型的に用い
られるオートクレーブ処理工程中においてオートクレー
ブ処理温度に耐えることができなければならない。この
ようなフィルムの一例は密封層、フィルムに可撓性を与
える重合体の芯の層及び可撓性のポリエステルまたはポ
リエステル共重合体の外側の層をもつ多層フィルムであ
る。中間の接着層は芯の層と夫々密封層及び外側の層と
の間の層間接合を与え、オートクレーブ処理中及びその
後においてフィルムを保持している。
【0024】密封層はエチレン/プロピレン共重合体ま
たは変性エチレン/プロピレン共重合体であることがで
きる。代表的な樹脂にはM355E、即ちイーストマン(East
man)社製のポリアロマーのエチレン/プロピレン・ブロ
ック共重合体、及びZ4650、即ちコスデン・オイル・ア
ンド・ケミカル・コンパニィ(Cosden Oil and Chemical
Company) 社製の変性エチレン/プロピレン共重合体が
含まれる。
たは変性エチレン/プロピレン共重合体であることがで
きる。代表的な樹脂にはM355E、即ちイーストマン(East
man)社製のポリアロマーのエチレン/プロピレン・ブロ
ック共重合体、及びZ4650、即ちコスデン・オイル・ア
ンド・ケミカル・コンパニィ(Cosden Oil and Chemical
Company) 社製の変性エチレン/プロピレン共重合体が
含まれる。
【0025】芯の層は超低密度ポリエチレン、例えばダ
ウ・ケミカル・プロダクツ(Dow Chemical Products)社
製のDXFD 1362 であることができる。
ウ・ケミカル・プロダクツ(Dow Chemical Products)社
製のDXFD 1362 であることができる。
【0026】外側の層は例えばイーストマン・ケミカル
・プロダクツ(Eastman Chemical Products)社製のPCCE
9967 のような可撓性ポリエステルまたはポリエステル
共重合体である。
・プロダクツ(Eastman Chemical Products)社製のPCCE
9967 のような可撓性ポリエステルまたはポリエステル
共重合体である。
【0027】中間的な接着層は特定の構造及び用途に依
存して互いに同一または相異ることができる。デュポン
(DuPont)社製の変性エチレン/酢酸ビニル共重合体であ
るCXA―E181及びノーケム(Norchem)社製の変性エチレン
/メタクリレート共重合体であるプレクサー(Plexar)33
82がこのような接着性材料の例である。密封層を芯の層
に接合する他の中間接着層は約50%のZ4650 と芯の層を
構成するのと同じ超低密度ポリエチレン約50%との配合
物であることができる。
存して互いに同一または相異ることができる。デュポン
(DuPont)社製の変性エチレン/酢酸ビニル共重合体であ
るCXA―E181及びノーケム(Norchem)社製の変性エチレン
/メタクリレート共重合体であるプレクサー(Plexar)33
82がこのような接着性材料の例である。密封層を芯の層
に接合する他の中間接着層は約50%のZ4650 と芯の層を
構成するのと同じ超低密度ポリエチレン約50%との配合
物であることができる。
【0028】外側のポリエステル共重合体層から医薬品
溶液へと移動し得る抽出可能物質の量を制限することは
最も重要である。フィルムを押出す前に高分子量の安定
剤、例えばチバ・ゲイギー(Ciba―Geigy)社製のアーガ
ノックス1010をポリエステルまたはポリエステル共重合
体に配合すると、医薬品溶液の中に入る抽出可能物質の
量を制限できる。安定剤の好適な範囲はポリエステル共
重合体の約0.3〜1重量%、好ましくは約0.7重量%
である。
溶液へと移動し得る抽出可能物質の量を制限することは
最も重要である。フィルムを押出す前に高分子量の安定
剤、例えばチバ・ゲイギー(Ciba―Geigy)社製のアーガ
ノックス1010をポリエステルまたはポリエステル共重合
体に配合すると、医薬品溶液の中に入る抽出可能物質の
量を制限できる。安定剤の好適な範囲はポリエステル共
重合体の約0.3〜1重量%、好ましくは約0.7重量%
である。
【0029】最近アーガノックス1010は樹脂の約0.2
重量%の量で市販のポリエステル共重合体に加えられて
いるが、この量は解重合したポリエステル共重合体材料
が医薬品溶液の中に抽出されるのを抑制するほど十分で
はないことが見出だされている。高分子量の安定剤の量
がポリエステル共重合体の約1重量%以上になること
は、添加剤自身が抽出可能物質であるために、好ましい
ことではない。
重量%の量で市販のポリエステル共重合体に加えられて
いるが、この量は解重合したポリエステル共重合体材料
が医薬品溶液の中に抽出されるのを抑制するほど十分で
はないことが見出だされている。高分子量の安定剤の量
がポリエステル共重合体の約1重量%以上になること
は、添加剤自身が抽出可能物質であるために、好ましい
ことではない。
【0030】また多くの医薬品溶液はpHに敏感であり、
このような溶液は酸性度または塩基性度があまり変化し
てはいけない。理論によれば、或種の中間の接着性重合
体材料では酢酸が生じ、しかる後これが包装された溶液
中に移動してゆく。
このような溶液は酸性度または塩基性度があまり変化し
てはいけない。理論によれば、或種の中間の接着性重合
体材料では酢酸が生じ、しかる後これが包装された溶液
中に移動してゆく。
【0031】本発明に従えば、アルカリ金属、好ましく
はナトリウムの炭酸塩を好ましくは約0.005〜0.015%の
量で超低密度ポリエチレンまたは可撓性フィルムの芯の
層を構成する他の重合体材料に配合する。さらに好まし
くはナトリウムの炭酸塩を約0.01%の量で超低密度ポリ
エチレンに配合する。
はナトリウムの炭酸塩を好ましくは約0.005〜0.015%の
量で超低密度ポリエチレンまたは可撓性フィルムの芯の
層を構成する他の重合体材料に配合する。さらに好まし
くはナトリウムの炭酸塩を約0.01%の量で超低密度ポリ
エチレンに配合する。
【0032】本発明においては、好ましくは、更に、ア
ルカリ金属、好ましくはナトリウムの炭酸塩を好ましく
は約0.05〜0.15%の量で、押出しを行う前に中間の接着
性樹脂の少なくとも一つに配合する。さらに好ましくは
アルカリ金属、好ましくはナトリウムの炭酸塩を約0.1
%の量で変性EVAまたは変性エチレン/メタクリレート
共重合体の中に配合する。
ルカリ金属、好ましくはナトリウムの炭酸塩を好ましく
は約0.05〜0.15%の量で、押出しを行う前に中間の接着
性樹脂の少なくとも一つに配合する。さらに好ましくは
アルカリ金属、好ましくはナトリウムの炭酸塩を約0.1
%の量で変性EVAまたは変性エチレン/メタクリレート
共重合体の中に配合する。
【0033】理論によれば、炭酸ナトリウムは酢酸また
は中間の接着性樹脂及び恐らくは芯の層の樹脂の他の酸
成分を中和するものとされている。
は中間の接着性樹脂及び恐らくは芯の層の樹脂の他の酸
成分を中和するものとされている。
【0034】次に本発明の実際の具体化例を示す下記の
実施例により本発明を例示する。
実施例により本発明を例示する。
【0035】実施例1(参考例) 約0.6%のアーガノックスをPCCE 9967 に配合する。
約0.1%の炭酸ナトリウムを変性エチレン/酢酸ビニ
ル共重合体、即ちCXA E181に配合する。M355E エチレン
/プロピレン・ブロック共重合体の密封層、DXFD 1362
の芯の層、及びPCCE 9967 の外側の層を有し、CXA 181
の中間の接着層をもった5層のフィルムの同時押出しを
行った。
約0.1%の炭酸ナトリウムを変性エチレン/酢酸ビニ
ル共重合体、即ちCXA E181に配合する。M355E エチレン
/プロピレン・ブロック共重合体の密封層、DXFD 1362
の芯の層、及びPCCE 9967 の外側の層を有し、CXA 181
の中間の接着層をもった5層のフィルムの同時押出しを
行った。
【0036】実施例2(参考例) 約0.6%のアーガノックスをPCCE 9967 に配合する。
約0.1%の炭酸ナトリウムをCXA 181 樹脂に配合し
た。
約0.1%の炭酸ナトリウムをCXA 181 樹脂に配合し
た。
【0037】50重量%のDXFD 1362 及び50重量%のZ4
650 の配合物をつくり、これに0.1%の炭酸ナトリウ
ムを加えた。Z4650 の密封層、DXFD 1362 の芯の層及び
ポリエステル共重合体の外側層から成り、芯の層と密封
層との間にある50%超低密度ポリエチレン及び50%エチ
レン/プロピレン共重合体の配合物から成る接着層、及
び芯の層とポリエステル共重合体層との間にあるCXA 18
1 から成る中間の接着層を有する多層フィルムの同時押
出しを行った。
650 の配合物をつくり、これに0.1%の炭酸ナトリウ
ムを加えた。Z4650 の密封層、DXFD 1362 の芯の層及び
ポリエステル共重合体の外側層から成り、芯の層と密封
層との間にある50%超低密度ポリエチレン及び50%エチ
レン/プロピレン共重合体の配合物から成る接着層、及
び芯の層とポリエステル共重合体層との間にあるCXA 18
1 から成る中間の接着層を有する多層フィルムの同時押
出しを行った。
【0038】実施例3〜6 実施例3〜6においては、芯の層、即ち超低密度ポリエ
チレンを含む層の炭酸ナトリウムの量を変化させて実質
的に実施例1と同様な多層フィルムの同時押出しを行っ
た。このフィルムはCXA 190 、即ち変性エチレン/酢酸
ビニル共重合体を実施例1のCXA E181の代りに使用した
点が実施例1と異っている。CXA 190 は樹脂自身の中に
Na2CO3を1000 ppm含んでいる。また実施例3〜6におい
ては、M355E エチレン/プロピレン・ブロック共重合体
の密封層の所で多層フィルムに同時押出しされてそれに
接着した余分の摩耗層を含んでいる。最後にポリエステ
ル共重合体層はアーガノックス1010を実施例1の0.6
%ではなくて0.5%の量で含んでいる。
チレンを含む層の炭酸ナトリウムの量を変化させて実質
的に実施例1と同様な多層フィルムの同時押出しを行っ
た。このフィルムはCXA 190 、即ち変性エチレン/酢酸
ビニル共重合体を実施例1のCXA E181の代りに使用した
点が実施例1と異っている。CXA 190 は樹脂自身の中に
Na2CO3を1000 ppm含んでいる。また実施例3〜6におい
ては、M355E エチレン/プロピレン・ブロック共重合体
の密封層の所で多層フィルムに同時押出しされてそれに
接着した余分の摩耗層を含んでいる。最後にポリエステ
ル共重合体層はアーガノックス1010を実施例1の0.6
%ではなくて0.5%の量で含んでいる。
【0039】実施例3〜6のフィルムは全体の厚さが
9.5ミルである。これは厚さ4.45ミルの芯の層、夫々
0.4ミルの中間の層、0.75ミルの密封層、1.5ミルの外側
層及び2.0ミルの摩耗層を含んでいる。
9.5ミルである。これは厚さ4.45ミルの芯の層、夫々
0.4ミルの中間の層、0.75ミルの密封層、1.5ミルの外側
層及び2.0ミルの摩耗層を含んでいる。
【0040】下記第1表からわかるように、芯の層の炭
酸ナトリウムの含量を増加し、残りの多層構造を一定に
保つと、中に含まれた溶液のpHの変化を減少する上で非
常に著しい改善が得られる。上記多層フィルムから3.9
×5.3インチの寸法の袋をつくり、これに150mlの水を満
たし、厚さ8ミルのポリプロピレンの外套被覆で外側を
覆い、温度250°Fにおいて20分間オートクレーブ処
理を行った。
酸ナトリウムの含量を増加し、残りの多層構造を一定に
保つと、中に含まれた溶液のpHの変化を減少する上で非
常に著しい改善が得られる。上記多層フィルムから3.9
×5.3インチの寸法の袋をつくり、これに150mlの水を満
たし、厚さ8ミルのポリプロピレンの外套被覆で外側を
覆い、温度250°Fにおいて20分間オートクレーブ処
理を行った。
【0041】水の初期pHは5.96であった。
【0042】 pHの決定はUSP 21(1124頁)によりpHメーターを用い
て行った。
て行った。
【0043】実施例7〜10(参考例) 厚さ1.0ミルの密封層、厚さ夫々0.5ミルの中間の
層、厚さ4.75ミルの芯の層、厚さ1.75ミルのポリ
エステル共重合体の外側層をもった実施例1と実質的同
様な多層フィルムの同時押出しを行った。この多層材料
はまた実施例3〜6に使用したような厚さ2.0ミルの
超低密度ポリエチレンの摩耗層を含んでいる。この構造
物に2メガラッドの照射線で照射し、寸法10×15cm
の袋をつくった。この袋に初期pH8.0の水50mlを満
たした。水を満たしたままナイロン/ポリエチレン外套
被膜で外側を覆い、28psi以上の圧力をかけ温度25
0°Fで20分間オートクレーブ処理した。下記第2表
に掲げた実施例7は試験した3個の試料についての平均
のpHの低下を示す。外側のポリエステル共重合体層に
はアーガノックス1010を加えず、実施例7の他のどの層
にも炭酸ナトリウムを添加しなかった。
層、厚さ4.75ミルの芯の層、厚さ1.75ミルのポリ
エステル共重合体の外側層をもった実施例1と実質的同
様な多層フィルムの同時押出しを行った。この多層材料
はまた実施例3〜6に使用したような厚さ2.0ミルの
超低密度ポリエチレンの摩耗層を含んでいる。この構造
物に2メガラッドの照射線で照射し、寸法10×15cm
の袋をつくった。この袋に初期pH8.0の水50mlを満
たした。水を満たしたままナイロン/ポリエチレン外套
被膜で外側を覆い、28psi以上の圧力をかけ温度25
0°Fで20分間オートクレーブ処理した。下記第2表
に掲げた実施例7は試験した3個の試料についての平均
のpHの低下を示す。外側のポリエステル共重合体層に
はアーガノックス1010を加えず、実施例7の他のどの層
にも炭酸ナトリウムを添加しなかった。
【0044】実施例8は実施例7と同様であるが、外側
層に0.5%のアーガノックスを加え、中間の接着層及
び摩耗層に0.1%の炭酸ナトリウムを加えた。
層に0.5%のアーガノックスを加え、中間の接着層及
び摩耗層に0.1%の炭酸ナトリウムを加えた。
【0045】下記第2表の実施例9及び10は夫々実施
例7及び8と同様であるが、中に満たした水の初期pH
は6.5であった。実施例9及び10の構造物の照射量
は2メガラッドではなく5メガラッドであった。
例7及び8と同様であるが、中に満たした水の初期pH
は6.5であった。実施例9及び10の構造物の照射量
は2メガラッドではなく5メガラッドであった。
【0046】各実施例に対しすべてのpHのデータは3
個の試料の平均である。
個の試料の平均である。
【0047】 本発明のフィルムは交叉結合させることが好ましい。交
叉結合は好ましくは照射により、即ち加速器からの高エ
ネルギー電子のような粒子状または非粒子状の照射線を
フィルムに衝突させてフィルム材料を交叉結合させる方
法で行うことが好適である。
叉結合は好ましくは照射により、即ち加速器からの高エ
ネルギー電子のような粒子状または非粒子状の照射線を
フィルムに衝突させてフィルム材料を交叉結合させる方
法で行うことが好適である。
【0048】交叉結合はまた例えば過酸化物を用いて化
学的に行うこともできる。
学的に行うこともできる。
【0049】上記の本発明の好適な具体化例を示した詳
細な説明及び特定の実施例は単に例示のためのものであ
る。上記説明及び実施例から当業界の専門家には本発明
の精神及び範囲内において種々の変形を行い得ることは
明らかである。例えば2種の異なった中間の接着層を使
用する場合、または同一の中間の接着層を別々の押出機
から押出す場合、アルカリ金属の炭酸塩は一つの接着性
樹脂の中に配合するだけでよい。また本発明はにアルカ
リ金属の炭酸塩を片方または両方の中間の接着層、芯の
層またはこれらのいずれかに組み合わせて混入する方法
も含まれる。
細な説明及び特定の実施例は単に例示のためのものであ
る。上記説明及び実施例から当業界の専門家には本発明
の精神及び範囲内において種々の変形を行い得ることは
明らかである。例えば2種の異なった中間の接着層を使
用する場合、または同一の中間の接着層を別々の押出機
から押出す場合、アルカリ金属の炭酸塩は一つの接着性
樹脂の中に配合するだけでよい。また本発明はにアルカ
リ金属の炭酸塩を片方または両方の中間の接着層、芯の
層またはこれらのいずれかに組み合わせて混入する方法
も含まれる。
Claims (4)
- 【請求項1】 密封層、フィルムに可撓性を賦与する重
合体材料から成る芯の層、可撓性をもったポリエステル
またはポリエステル共重合体の外側の層、及びエチレン
/エステル共重合体または変性エチレン/エステル共重
合体の中間の接着層から成る多層フィルムにおいて、芯
の層にアルカリ金属の炭酸塩が含まれていることを特徴
とする改良されたフィルム。 - 【請求項2】 アルカリ金属の炭酸塩は中間層の約0.00
5〜0.015重量%である特許請求の範囲第1項記載の改良
されたフィルム。 - 【請求項3】 アルカリ金属の炭酸塩は中間層の約0.01
重量%である特許請求の範囲第2項記載の改良されたフ
ィルム。 - 【請求項4】 アルカリ金属がナトリウムである特許請
求の範囲第2記載の改良されたフィルム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US06/900,576 US4726997A (en) | 1986-08-26 | 1986-08-26 | Chemically stabilized film |
US900576 | 1986-08-26 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP10167295A Expired - Lifetime JP2501309B2 (ja) | 1986-08-26 | 1995-04-04 | 化学的に安定化された多層フイルム |
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---|---|---|---|
JP19455687A Expired - Lifetime JP2505476B2 (ja) | 1986-08-26 | 1987-08-05 | 化学的に安定化されたフイルム |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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US5055328A (en) * | 1989-06-16 | 1991-10-08 | Viskase Corporation | Differentially cross-linked multilayer film |
US5139831A (en) * | 1990-03-02 | 1992-08-18 | W. R. Grace & Co.-Conn. | Impact modified medical film with ph control |
US5445893A (en) * | 1992-01-30 | 1995-08-29 | W.R. Grace & Co.-Conn | pH control polymer |
US5840422A (en) * | 1992-01-21 | 1998-11-24 | W. R. Grace & Co.-Conn. | pH control polymer |
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