JP2501154Y2 - ボルト締付機 - Google Patents

ボルト締付機

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JP2501154Y2
JP2501154Y2 JP1991106882U JP10688291U JP2501154Y2 JP 2501154 Y2 JP2501154 Y2 JP 2501154Y2 JP 1991106882 U JP1991106882 U JP 1991106882U JP 10688291 U JP10688291 U JP 10688291U JP 2501154 Y2 JP2501154 Y2 JP 2501154Y2
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ejector pin
pin
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ejector
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正司 池田
末治 安富
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  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、先端に剪断用のチップ
を具えたトルクコントロールボルトを締め付けるための
締付機の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図20の如く、締付機はケーシング(80)
の先端にアウターソケット(71)及びインナーソケット(7
2)を同心配備し、ケーシング内に両ソケット(71)(72)に
相反する回転力を出力する複数段の遊星歯車機構(6)を
内蔵し、ケーシング(80)の外側にハンドル(2)及び補助
ハンドル(20)を突設し、両ハンドルの先端間に跨って、
原動機(1)を配備している。
【0003】遊星歯車機構(6)は傘歯車(5)(50)および
ハンドル(2)内に設けた回転伝達機構(図示せず)を介し
て原動機(1)に連繋されている。
【0004】遊星歯車機構(6)の最終段の太陽歯車(61)
及び傘歯車(50)を貫通して、エジェクターピン(81)が軸
方向にスライド可能に突設され、該ピンの先端はインナ
ーソケット(72)に出没可能に嵌まっている。
【0005】図3の如く、エジェクターピン(81)はエジ
ェクターピンシャフト(815)の先端にエジェクターピン
ヘッド(811)を突設しており、ヘッド(811)の中央部より
後端に大径部(812)を有している。又、エジェクターピ
ンシャフト(815)の後端部には後述のラッチ(83)と係脱
する係止溝(816)が開設されている。
【0006】又、図3は標準的なボルトBとナットNに
係合する前の、締付機のソケット(71)(72)とエジェクタ
ー機構(8)の位置関係及びボルト・ナットを仮締めした
状態を示している。インナーソケット(72)はスプリング
(74)に付勢されて前進し、アウターソケット(71)内に最
も臨出している。
【0007】エジェクターピン(81)はエジェクタースプ
リング(82)によって付勢され、大径部(812)をインナー
ソケット(72)に当て、先端をインナーソケット(72)内に
臨出させている。
【0008】標準的なボルトBとナットNの締結完了時
のボルト余長(ナットN端面より突出しているボルトB
の長さL)は図3の様にボルト径の1/3程度である
が、実際の締結現場では、図4に示すように、L=0の
場合から図5に示すようにボルトBのネジ部外径に匹敵
する程度の余長のものまで使用されるのが現実で、締付
機はボルト余長の長短に対応できることが要求される。
【0009】締付機の使用法は、ボルトBとナットNに
対して、軸方向から締付機を押しつける。先ずインナー
ソケット(72)にボルトチップBTが入り込み、エジェク
ターピン(81)のピンヘッド(811)に当たって、そのまま
エジェクタースプリング(82)を圧縮しつつインナーソケ
ット(72)に入り込み、最後にインナーソケットブッシュ
(721)に突き当たる。
【0010】次に、エジェクターピン(81)、インナーソ
ケット(72)及びボルトBが一体になったまま、エジェク
タースプリング(82)とインナーソケットスプリング(74)
を同時に圧縮しながら機内に入り込むと共に、ナットN
がアウターソケット(71)に入り込み、ナット当面(711)
に当たる。この時、インナーソケット(72)とエジェクタ
ーピン(81)が後退する。
【0011】ケーシング(80)の後部にはエジェクターピ
ン(81)を後退位置で停止するラッチ(83)が配備され、ラ
ッチ(83)はスプリング(図示せず)に付勢されて先端の爪
片(831)をエジェクターピン(81)の移行路に臨出させて
待機している。従ってエジェクターピン(81)の後退によ
り、該ピンの基端のラッチ係合溝(816)にラッチ(83)の
爪片(831)が嵌まってエジェクターピン(81)の移動を阻
止する。
【0012】インナーソケット(72)にボルトチップBT
が又、アウターソケット(71)にナットNが十分に係合し
た事を確認した後、原動機(1)を作動させて、歯車(5)
(51)及び遊星歯車機構(6)を介してアウターソケット(7
1)を回転させる。アウターソケット(71)を回動する力
は、その回転方向を違えて同一の回転力として遊星支持
枠(62)からインナーソケットホルダー(73)を経てスプラ
イン嵌合されたインナーソケット(72)に伝達され、ボル
トチップBTにナット回動力の反力を伝える。
【0013】ナットNの締付力が回動と共に上昇して必
要締付力となった時点で、その反力を受けてボルトチッ
プBT基部の周溝BCが捻れ破断される。これにより、
インナーソケット(72)はナット回動力の反力を受けられ
ず、ナットNの回動が停止され、インナーソケット(72)
が無負荷状態で回転する。
【0014】この時点で締め付け完了を感知してスイッ
チ(3)を切り、締付機をボルト軸方向に引き抜いて行
く。締付機を引き抜いて行くと、インナーソケット(72)
内に、破断後のボルトチップBTを喰えたまま、インナ
ーソケット(72)とエジェクターピン(81)がインナーソケ
ットスプリング(74)とエジェクタースプリング(82)にそ
れぞれ弾性押圧されながら、図3の状態に復帰する方向
へ移動を始める。
【0015】しかし、前記の如くエジェクターピン(81)
はラッチ(83)に係合して前進は阻止されているため、エ
ジェクターピン(81)を残して、インナーソケット(72)が
ボルトチップを保持したまま図3に示す前進位置に復帰
する。即ち、インナーソケット(72)はボルトチップBT
を喰えた状態で最前進位置にあり、エジェクターピン(8
1)は途中位置でラッチ(83)にその前進を妨げられ、エジ
ェクタースプリング(82)の弾性復帰力を保持した状態に
ある。
【0016】締付機をボルトBより引き抜き、ボルトチ
ップBTを放出しても可い状態を確認した後、エジェク
トレバー(4)を引くとカム機構(図示せず)の働きでラ
ッチ(83)がラッチ係合溝(816)から離れる方向へ移動す
る。
【0017】ラッチ爪片(831)がラッチ係合溝(816)から
はずれた瞬間、エジェクターピン(81)はエジェクタース
プリング(82)の圧縮弾性エネルギーによって高速で突出
され、インナーソケット(72)内に喰付いて残留するボル
トチップBTの端面に衝突する。
【0018】ボルトチップBTはインナーソケット(72)
内に喰付いた状態にあるが、エジェクターピン(81)の衝
突エネルギーでその喰付が外れると同時に、その運動エ
ネルギーでインナーソケット外に叩き出される。ボルト
チップBTの放出を終えた時、エジェクターピン(81)と
インナーソケット(72)は次なる締付の態勢となる。
【0019】上記のエジェクターピン(81)のラッチ係合
溝(816)がラッチ爪片(831)と係合する位置は、図4に示
すようにボルト余長が最低(L=0)の時に於いても放
出可能なように決定する必要がある。即ち、図4に示す
ラッチ爪片(831)の位置が許容される最前端位置であ
り、これは遊星歯車機構(6)に入力回転力を伝達するた
めの傘歯車(50)によって制約を受けるものである。
【0020】又、一方では図5に示すように締付機とし
て許容最大ボルト余長にも対応する必要から、エジェク
ターピン(81)のラッチ爪片(831)より突出したエジェク
ターピンシャフト(815)の最後端部を機体内に収納する
ことが必要となり、この点を考慮してハウジングカバー
(810)の位置が決定される。即ち、図5に示すアウター
ソケット(71)の最先端端面からハウジングカバー(810)
の後端面までが締付機の全長であり、上記制約の範囲で
取り得る最短機長を得ている。
【0021】
【考案が解決しようとする課題】ボルト締付機は、使い
勝手を良くするために、軽量化、機長の短縮化が追求さ
れ、特に図2に示す如く、狭隘な作業スペースでの締付
け作業では、2点鎖線で示す如く、僅か機長が長いため
使用できないことがある。
【0022】 図3に於て、エジェクタースプリング(8
2)を遊星歯車機構(6)の太陽歯車(61)内に収納すること
は、少しでも締付機の機長を短くするために出願人が以
前案出したものである。(実願平3−17109(実開平
4−106172))が、それ以上の短縮化を画ろうとし
たとき、前記の如く、エジェクターピンシャフト(815)
のラッチ爪片(831)からの後方への突出長さを許容して
いる限り、物理的に打破することは不可能である。本件
考案は、エジェクターピンシャフト(815)のスライド移
動を遊星歯車機構内で吸収し得る様に工夫することによ
り、機長の短縮化を成し得た締付機を明かにするもので
ある。又、本願は、エジェクターピン突出す際に、エジ
ェクターピンを該ピンを飛出し方向に付勢するスプリン
グ(82)に抗して一旦後退させることなく、エジェクター
ピンの拘束を解除できる、即ち、弱い力でエジェクター
ピンの拘束を解除できるものである。
【0023】
【課題を解決する手段】先端に剪断用のチップを具えた
トルクコントロールボルトを締め付けるために、ナット
に係合するアウターソケット(71)とチップに係合するイ
ンナーソケット(72)を具え、両ソケットに相反する回転
力を出力する遊星歯車機構(6)を連繋し、インナーソケ
ット(72)内にエジェクターピン(81)を突き入れて、剪断
後のチップを強制排除するエジェクター機構(8)を具え
たボルト締付機において、エジェクターピン(81)を飛び
出し方向に付勢するスプリング(82)の力に抗して該ピン
(81)を後退位置に係脱可能に係止するラッチ機構(9)が
遊星歯車機構(6)中に配備され、ラッチ機構(9)は、基
端部が筒体に形成され太陽歯車(61)の軸心にスライド可
能に嵌まったエジェクターピン(81)の該筒体の中間部に
半径方向に内外に出没可能且つ太陽歯車(61)に設けた係
止面(612)と係脱可能にボール(92)を配備し、先端にテ
ーパ面(931)を有すラッチピン(93)の先端を前記エジェ
クターピン(81)の筒体にスライド可能に嵌めると共にラ
ッチスプリング(94)で付勢定位させて構成され、ラッチ
ピン(93)には該ピンを後退移行させて、エジェクター筒
体内への前記ボール(92)の臨出を許容してボールと太陽
歯車(61)の係合を解除することによって、エジェクター
ピン(81)のラッチを解除する解除装置(900)が連繋され
ている。
【0024】
【作用及び効果】ボルトに締付機をセットして押しつけ
て行くと、インナーソケット(72)の後退と共にエジェク
ターピン(81)も押し込められて、エジェクターピンシャ
フト(815)も次第に図の右方向へ後退し、図9に示す如
く、シャフト(815)に保持したボール(92)が、ついには
太陽歯車(61)の軸穴と後部に設けられた小径部(611)と
ラッチピン(93)の先端のテーパ面(931)との間に挟まれ
る。
【0025】図10の如く、エジェクターピンシャフト
(815)が更に後退するとボール(92)を介してラッチピン
(93)がラッチスプリング(94)の力に抗して後退方向へ押
しやられ、太陽歯車(61)の係止面(612)にボール(92)が
位置する。
【0026】図11の如く、拘束を解かれたボール(92)
は円周方向(図では下方)への移動が可能となるため、
ラッチスプリング(94)で押圧されているラッチピン(93)
のテーパ面(931)で半径方向へ排斥され、太陽歯車(61)
の係止面(612)に当接すると同時に、ラッチピン(93)の
右方向への後退移動力が無くなるため、ラッチピン(93)
はラッチスプリング(94)の力で図9の元位置に復帰す
る。
【0027】エジェクターピン(81)の後退が更に続いて
も、ボール(92)はエジェクターピンシャフト(815)のボ
ールポケット(91)抱かれたまま、ラッチピン(93)の円筒
面(932)に沿って何等拘束を受けることなく移動し得
る。
【0028】ボルト余長の長さに応じた位置までエジェ
クターピン(81)が移動し、その状態でナットの締結作業
を修了し、締付機をナットから引き離すと、インナーソ
ケット(72)の前進移動と共にエジェクターピン(81)も左
方向へ前進移動する。しかしエジェクターピン(81)が、
図11の位置まで移動してくるとエジェクターピン(81)
の外周に突出していたボール(92)が太陽歯車(61)の端面
の係止面(612)とラッチピン(93)の円筒面(932)とに拘束
されて、それ以上の移動が拘束される。
【0029】締付機の引き離し作業は継続して行われ、
ついにはインナーソケット(72)が図6の元位置まで移動
するが、エジェクターピン(81)は図7の位置で係止さ
れ、エジェクタースプリング(82)を押圧付勢された状態
で保持される。
【0030】図12に於いて、破断後のボルトチップを
排出しても可い状態となったとき、ラッチ解除装置(90
0)によってラッチピン(93)を後退させる。ラッチピン(9
3)のテーパ面(931)がボール(92)の位置に来たとき、ボ
ール(92)はエジェクターピン(81)の中心方向に入り込む
事が可能となり、太陽歯車(61)の係止面(612)からの拘
束が解かれる。このため、エジェクターピン(81)はエジ
ェクタースプリング(82)の弾性エネルギーで前方に突出
され、インナーソケット(72)内に残留する破断後のボル
トチップをインナーソケット(72)外に叩き出す。
【0031】ラッチピン(93)は上述の放出操作を修了す
ると、再び図9の位置までラッチスプリング(94)に依り
復帰され、次なるエジェクターピン(81)の係止動作に備
える。上記動作に於て、ラッチピン(93)の移動量は図1
1、図12の比較で理解出来るようにごく僅かであり、
それ故に、ラッチ機構(9)は単純な構成で小スペースに
収容できる機構を採用できる。
【0032】又、従来例では歯車(50)の後方に確保して
いたエジェクターピン(81)の収納空間が不必要となり、
ハウジングカバー(810)の配備位置をより前部に位置さ
せる事が可能となった。
【0033】換言すると、締付機に必要な機体長がそれ
だけ短くする事が出来、狭隘作業環境でのボルト締結機
の使用範囲が広がり、締付機の重量の軽減、保持時の機
体バランスの向上、ひいては作業者の疲労軽減につなが
るものである。この機体長短縮率は概略、従来例に対し
て10%減、即ち、90%の機体長にする事が可能とな
った。
【0034】 上記動作において、ラッチピン(93)の移
動量は僅かであり、然も、エジェクターピン(81)を飛出
し方向に付勢するエジェクタースプリング(82)の力は、
ボール(92)を介してラッチピン(93)の周面を押圧してい
るだけであり、エジェクターピン(81)の拘束を解くため
の操作力に直接には関係しないため、ラッチピン(93)を
後方に引戻すに要する力は、ラッチピン(93)を前方に付
勢するラッチスプリング(94)の力よりも少し大きい程度
で可い。従って、エジェクターピン付勢スプリングのス
プリング力を大きくする必要のある大形ボルト締付機に
実施可能である。
【0035】
【実施例】図1、図6乃至図19図に基づいて本考案を
説明するが、図20に示す従来例と同様の構成について
は、説明を簡略化する。締付機はケーシング(80)の先端
にアウターソケット(71)及びインナーソケット(72)を同
心に配備し、ケーシング内に両ソケット(71)(72)に相反
する回転力を出力する複数段の遊星歯車機構(6)を内蔵
し、ケーシング(80)の外側にハンドル(2)及び補助ハン
ドル(20)を突設し、両ハンドルの先端間に跨って、原動
機(1)を配備している。遊星歯車機構(6)は傘歯車(5)
(50)およびハンドル(2)内に設けた回転伝達機構(51)を
介して原動機(1)に連繋されている。
【0036】遊星歯車機構(6)の最終段の太陽歯車(61)
及び歯車(50)を貫通して、エジェクターピン(81)が軸方
向にスライド可能に突設され、該ピンの先端はインナー
ソケット(72)に出没可能に嵌まっている。
【0037】図6の如く、エジェクターピン(81)はエジ
ェクターピンシャフト(815)の先端にエジェクターピン
ヘッド(811)を突設しており、ヘッド(811)の中央部より
後端に大径部(812)を有している。
【0038】尚、従来では、エジェクターピン(81)のラ
ッチ爪片(831)からの後部突出長さを収納するための空
間が必然的に存在したため、その空間を利用して歯車機
構(5)を小傘歯車(5)と大傘歯車(50)の組み合わせで構
成できたが、実施例ではエジェクターピン(81)のラッチ
爪片(831)からの後部突出長さを収納するための空間は
必要とせず、平歯車(5a)(50a)による歯車機構を配備し
て機長の短縮化の障害を1つ排除した。
【0039】図6の如く、エジェクターピン(81)のシャ
フト(815)の基端面の中心に深穴(816)が開設されてい
る。エジェクターピンシャフト(815)は、複数段の遊星
歯車機構(6)の最終段の太陽歯車(61)の軸心をスライド
可能に貫通しており、エジェクターピン(81)の前進位置
にて、シャフト(815)の後端面は太陽歯車(61)の後面よ
り僅か臨出している。
【0040】図9の如く、太陽歯車(61)の軸心には、大
径穴部(611a)と該大径穴部の後方の小径穴部(611)から
成る2段の貫通軸孔が開設され、大径穴部(611a)にはエ
ジェクターピン(81)を飛出し方向に付勢するスプリング
(82)が収容され、小径穴部(611)はエジェクターピン(8
1)をスライド可能に保持している。
【0041】エジェクターピン(81)の深穴(816)は、後
記するラッチピン(93)がスライド可能に且つ、エジェク
ターピン(81)が最大後退した際に、ラッチピンの先端が
穴底に当らぬ深さに穿設されている。
【0042】エジェクターピンシャフト(815)には、図
13に示す、周面と深穴(816)を貫通する3つのボール
ポケット(91)が周方向に等間隔に穿孔され、各ポケット
(91)にボール(92)が保持される。ポケット(91)の内、外
両開口縁はボールの脱出を防止すべく狭まっている。
【0043】又、エジェクターピンシャフト(815)の筒
部の肉厚、ポケット(91)の狭まった開口縁の直径及びボ
ール(92)の直径は、ボール(92)がエジェクターピンシャ
フト(815)の外部に突出したときに内部の穴(611)の面と
同一に、内部の穴(816)に臨出したときはエジェクター
ピンシャフト(815)の外径と同一面となるように寸法が
決定されている。
【0044】ボールポケット(91)のエジェクターピンシ
ャフト(815)の後端面からの距離は、図7に示す如く、
ボルト締付状態における、ボルト余長 L=0 の時
に、図10の如く、ボール(91)が太陽歯車(61)の後端面
の小径穴縁に形成したテーパ状の係止面(612)に対応す
る位置に設けられている。
【0045】図8は最長余長のボルトに締付機をセット
した状態を表し、エジェクターピンシャフト(815)の最
後端部が遊星歯車機構(6)の入力平歯車(50a)の貫通穴
内に納まっている状態を表している。
【0046】後退位置のエジェクターピン(81)を保持す
るラッチ機構(9)が遊星歯車機構(6)内に配備され、ラッ
チ機構にはラッチを解除する解除装置(900)が連繋され
る。ラッチ機構(9)は、入力歯車(50a)の軸心を余裕の
ある状態に貫通してラッチピン(93)を進退可能に配備す
る。図17の如く、ラッチピン(93)はケーシングカバー
(810)に取付けられたストッパ板(810a)によって前進位
置が規制され、スプリング(94)によって前方、即ちエジ
ェクターピン(81)側に付勢されている。
【0047】ラッチピン(93)の先端はテーパ面(931)に
形成され、図6に示す如く、エジェクターピン(81)及び
ラッチピン(98)が前進位置のとき、ラッチピン(93)の先
端部がエジェクターピン(81)の深穴(816)に嵌まってい
る。
【0048】図9乃至図12に示す如く、エジェクター
ピンシャフト(815)がスプリング(82)に抗して後退する
と、ボール(92)によりラッチピン(93)もラッチスプリン
グ(94)の力に抗して後退し、太陽歯車(61)の端面に形成
された円錐状の係止面(612)にボール(92)が対応し、ボ
ール(92)は円周方向(図では下方)への移動が可能とな
る。このため、ボール(92)はラッチスプリング(94)で押
圧されているラッチピン(93)のテーパ面(931)で円周方
向へ排斥され、太陽歯車(61)の係止面(612)に当接する
と同時に、ラッチピン(93)を後退方向へ押圧する力が無
くなるため、ラッチピン(93)はラッチスプリング(94)の
力で図9の位置まで移動して停止する。上記動作によっ
てエジェクターピン(81)を後退位置に保持できる。
【0049】エジェクターピン(81)のラッチ解除装置
(900)は、図17に示す如く、ハウジングカバー(810)内
にラッチピン(93)の大径円筒部(933)よりやや後方に電
磁石に成り得るソレノイドコイル(95)を配備してソレノ
イド駆動回路(951)に接続する。
【0050】ソレノイド駆動回路(951)はエジェクトレ
バー(4)の操作により電源の入り切りを行うスイッチ(9
52)により瞬間的に大電流をソレノイドコイル(95)に流
す働きをする。
【0051】これにより、エジェクトレバー(4)を操作
するとソレノイドコイル(95)が一瞬だけ電磁石となり、
その内部に鉄系の磁性体で作られたラッチピン(93)の大
径円筒部(933)を吸引し、ラッチピン(93)を右方向に移
動させる。この移動によりエジェクターピン(81)の係止
が解かれ、放出動作を行う。
【0052】然して、図9に示す如く、ボルトに締付機
をセットして押しつけて行くと、インナーソケット(72)
の後退と共にエジェクターピン(81)も押し込められて、
エジェクターピンシャフト(815)も次第に図の右方向へ
後退し、その側面に保持したボール(92)が、ついには太
陽歯車後部に設けられた小径穴部(611)とラッチピン(9
3)の先端のテーパ面(931)とに挟まれるようになる。
【0053】図10に於いて、エジェクターピンシャフ
ト(815)が更に後退すると、ボール(92)を介してラッチ
ピン(93)がラッチスプリング(94)の力に抗して後退方向
へ押しやられ、ついには太陽歯車(61)端面に設けられた
係止面(612)にボール(92)が位置する。
【0054】図11に於いて、拘束を解かれたボール(9
2)は円周方向(図では下方)への移動が可能となるた
め、ラッチスプリング(94)で押圧されているラッチピン
(93)のテーパ面(931)で半径方向へ排斥され、太陽歯車
(61)の円錐面(612)に当接するようになると同時に、ラ
ッチピン(93)の右方向への移動力が無くなるためラッチ
ピン(93)はラッチスプリング(94)の力で図9の位置まで
移動して停止する。
【0055】エジェクターピン(81)の後退が更に続いて
も、ボール(92)はエジェクターピンシャフト(815)のボ
ールポケット(91)抱かれたまま、ラッチピン(93)の円筒
面(932)に沿って何等拘束を受けることなく移動し得
る。
【0056】ボルト余長の長さに応じた位置までエジェ
クターピン(81)が移動をし、その状態でナットの締結作
業を修了し、締付機をナットから引き離すと、インナー
ソケット(72)の移動と共にエジェクターピン(81)も左方
向へ移動する。しかしエジェクターピン(81)が、図11
の位置まで移動してくるとエジェクターピン(81)の外周
に突出していたボール(92)が太陽歯車(61)の端面の係止
面(612)とラッチピン(93)の円筒面(932)とに拘束され
て、それ以上の移動が拘束される。
【0057】締付機の引き離し作業は継続して行われ、
ついにはインナーソケット(72)が図6の状態の位置まで
移動するが、エジェクターピン(81)は図7の位置で係止
され、エジェクタースプリング(82)を押圧付勢された状
態で保持される。
【0058】図12に於いて、破断後のボルトチップを
排出しても可い状態となったとき、エジェクトレバー
(3)を操作する。ラッチピン(93)がソレノイド(95)の吸
着力によって後退し、そのテーパ面(931)がボール(92)
の位置に来たとき、ボール(92)はエジェクターピン(81)
の中心方向に入り込む事が可能となり、太陽歯車(61)の
円錐面(612)からの拘束が解かれる。
【0059】このため、エジェクターピン(81)はエジェ
クタースプリング(82)の弾性エネルギーで前方に突出さ
れ、インナーソケット(72)内に残留する破断後のボルト
チップをインナーソケット(72)外に叩き出す。
【0060】ラッチピン(93)は上述の放出操作を修了
すると、再び図9の位置までラッチスプリング(94)に依
り復帰され、次なるエジェクターピン(81)の係止動作に
備える。図15、図16はエジェクターピン(81)に配備
するボールボール(92)が1個の場合を示しているが、ボ
ールの数は耐久力、エジェクタースプリング(82)の強さ
等により任意に決定されるべきものである。
【0061】図18、図19はラッチ解除装置(900)の
他の実施例を示している。図18はラッチピン(93)の大
径円筒部(933)の端面に鍔(934)を設け、該鍔に係合出来
る様にスイングレバー(935)をその略中心で揺動可能に
配備し、他端をエジェクトレバー(4)に連携させると、
エジェクトレバー(4)の操作により、ラッチピン(93)を
後退させる事ができる。
【0062】図19はラッチピン(93)の端面の鍔(934)
に切欠の入った円盤(936)を係合させておき、円盤(936)
はその中心で回転可能に配備されている。円盤(936)の
外周にベルト(937)を巻き付けておき、中間に方向転換
の為のプーリー(938)を配備し、エジェクトレバー(4)の
操作により円盤(936)が揺動運動をするように構成す
る。円盤(936)の揺動運動によりその切欠に係合したラ
ッチピン(93)を後退させる事が出来る。
【0063】尚、図11の如く、ラッチピン(93)がエジ
ェクターピンを係止している状態では、ラッチピン(93)
は遊星歯車機構(6)の太陽歯車(61)に係合固着された状
態にあるため、ラッチピン(93)が太陽歯車(61)と一体に
回転する。ラッチピン(93)の回転を阻止するとボール(9
2)がラッチピン(93)の係止部である円筒部(932)で転動
し、該円筒部に摩耗による周溝を形成する。この場合、
前述のように軽い力でのラッチピンの移動が困難となる
ため、実施例では、上記ラッチピン(93)の回転動作を拘
束しない様に考慮されている。
【0064】これらのラッチピン(93)の移動量は図1
1、図12の比較で理解出来るようにごく僅かであり、
本実施例では1.5mmであった。それ故に、ラッチピ
ン(93)駆動機構は単純な構成で省スペース的な機構を採
用できるものである。
【0065】又、図11でも理解できるように係止用ボ
ール(92)はラッチピン(93)の円筒部(932)と太陽歯車(6
1)の係止面(612)とで峡持されているが、円筒部(932)が
右方向へ後退移動する場合には喰付が解放される方向の
ため、エジェクタースプリング(82)によりエジェクター
ピン(81)が左方向に弾性付勢されていても、ラッチピン
(93)の移動力は微小となるため、その駆動機構は非常に
小型に構成しても十分なる耐久力を示すものである。
【0066】本考案では、エジェクターピンを付勢する
スプリング力は、エジェクターピンのラッチ解除のため
のエゼクトレバーの手動操作力に直接には関係しないた
め、エジェクターピン付勢スプリングのスプリング力を
大きくする必要のある大形ボルトを対象とする締付機に
実施することができる。
【0067】前述したラッチ機構(9)の操作力の小さい
事とラッチピン(93)の移動距離が僅かで済むため、ラッ
チ機構(9)及びラッチ解除装置(900)を小型簡素化で
き、歯車(50a)を軸承するベアリング(511)の内部にラ
ッチ解除装置(900)の主要部を組み込む事が出来、従来
例では歯車(50)の後方に確保していたエジェクターピン
(81)の収納空間が不必要となり、ハウジングカバー(81
0)の配備位置をより前部に位置させる事が可能となっ
た。
【0068】換言すると、締付機に必要な機体長がそれ
だけ短くする事が出来、狭隘作業環境でのボルト締結機
の使用範囲が広がり、締付機の重量の軽減、保持時の機
体バランスの向上、ひいては作業者の疲労軽減につなが
るものである。この機体長短縮率は概略、本件考案前の
実施例に対して10%減、即ち、90%の機体長にする
事が可能となった。本考案は上記実施例の構成に限定さ
れることはなく、実用新案登録請求の範囲に記載の範囲
で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の締付機の要部断面図である。
【図2】狭隘部での使用状態を示す説明図である。
【図3】従来例の要部断面図である。
【図4】同上のボルト余長が0の状態のボルト締付状態
の断面図である。
【図5】同上のボルト余長が長い状態のボルト締付状態
の断面図である。
【図6】本考案の締付機のエジェクター機構の断面図で
ある。
【図7】同上のボルト余長が0の状態のボルト締付状態
の断面図である。
【図8】同上のボルト余長が長い状態のボルト締付状態
の断面図である。
【図9】本考案のラッチ機構の断面図である。
【図10】同上のエジェクターピンの後退途上の断面図
である。
【図11】同上のボールが太陽歯車に係合した状態の断
面図である。
【図12】同上のボールと太陽歯車の係合が外れた状態
の断面図である。
【図13】ボール位置でのエジェクターピンの断面図で
ある。
【図14】同上のボールが内側に臨出した状態の断面図
である。
【図15】ボールが1個の場合のエジェクターピンの断
面図である。
【図16】同上のボールが内側に臨出した状態の断面図
である。
【図17】ラッチ解除装置の説明図である。
【図18】他の実施例のラッチ解除装置の説明図であ
る。
【図19】別のラッチ解除装置の説明図である。
【図20】出願人が以前提案した締付機の要部断面図で
ある。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に剪断用のチップを具えたトルクコ
    ントロールボルトを締め付けるために、ナットに係合す
    るアウターソケット(71)とチップに係合するインナーソ
    ケット(72)を具え、両ソケットに相反する回転力を出力
    する遊星歯車機構(6)を連繋し、インナーソケット(72)
    内にエジェクターピン(81)を突き入れて、先端後のチッ
    プを強制排除するエジェクター機構(8)を具えたボルト
    締付機において、エジェクターピン(81)を飛び出し方向
    に付勢するスプリング(82)の力に抗して該ピン(81)を後
    退位置に係脱可能に係止するラッチ機構(9)が遊星歯車
    機構(6)中に配備され、ラッチ機構(9)は、基端部が筒
    体に形成され太陽歯車(61)の軸心にスライド可能に嵌ま
    ったエジェクターピン(81)の該筒体の中間部に半径方向
    に内外に出没可能且つ太陽歯車(61)に設けた係止面(61
    2)と係脱可能にボール(92)を配備し、先端に先細のテー
    パ面(931)を有すラッチピン(93)の先端を前記エジェク
    ターピン(81)の筒体にスライド可能に嵌めると共にラッ
    チスプリング(94)で付勢定位させて構成され、ラッチピ
    ン(93)にはラッチスプリング(94)に抗して該ラッチピン
    (93)を後退移行させて、エジェクター筒体内への前記ボ
    ール(92)の臨出を許容してボールと太陽歯車(61)の係合
    を解除することによって、エジェクターピン(81)のラッ
    チを解除する解除装置(900)を連繋しているボルト締付
    機。
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