JP2500694Y2 - プ―ル底の緩衝材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、水泳等に使用されるプールの底に敷く緩衝
材に関する。

〔従来の技術〕

従来からのプールは、鉄筋コンクリートで出来てお
り、プールの底表面もこの鉄筋コンクリートが露出して
いる。

また、近年では鋼板、ステンレス、アルミニウム、FR
Pによるプールも作られているが、何れもプール内の水
の重みを支えるために極めて堅固に作られている。

このため、プール内への飛び込みに失敗すると頭など
が固いプールの底に当たり、打撲傷、擦過傷その他の事
故等が発生する原因になる。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は上記事実を考慮し、安全性の高いプールを提
供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係るプール底の緩衝材は、プール底面を覆う
弾性材料の受衝部と、前記受衝部の裏面に設けられた格
子状のリブと、前記リブから突設され前記リブを前記プ
ール底と一定の間隔を持って支える支衝部と、前記受衝
部に穿設され表裏面にある水の出入りを可能とする連通
孔と、を有することを特徴としている。

本考案では、格子状のリブによって補強された受衝部
へ人が強く当たっても、その弾性変形によって衝撃力が
吸収される。このリブは、支衝部によって支えられ、プ
ール底との間に一定の間隔を形成している。従って、プ
ールの水を排水するとき、受衝部の下部にある水が、リ
ブに遮られることなく流れる。

また、受衝部に穿設した連通孔によって、表裏面にあ
る水が出入りし、これによって、力の減衰・緩衝機能が
付与される。

〔実施例〕

第１図は、本考案の第１実施例を示す塩化ビニル製の
緩衝材Ａの一部破断平面図、第２図は第１図のII-II線
断面図、第３図は第２図の裏側からみた斜視図である。

受衝部１は平板状であり、この裏面には格子状にリブ
２が枠状に一体的に突出形成されている。そして、リブ
２の交点の位置にはこのリブ２から支衝部３が一体的に
突出形成され、一方このリブ２にて囲まれた受衝部１に
は水の出入が可能な連通孔４が貫通形成されている。

この例において、人体が強く受衝部１に当たった場合
には、この受衝部１の弾性変形によってその力が吸収さ
れるようになっている。

そして、特に受衝部１に設けた連通孔４よりこの変形
に伴って水が出入りし、これによって力の減衰・緩衝機
能が更に付与されることになる。

一方、リブ２は第２図に示される如くこの緩衝材Ａが
単にプール底面５に載置されている場合には、全体がプ
ール底面５に接することなく、支衝部３のみが接する。
例えばプールの水を排出する場合には、水がこのリブ２
に遮られることなく排水孔に向けてリブ２の下を通過す
ることができるようになっている。

このリブ２全体が支衝部３と同じ背丈であるとする
と、受衝部１、リブ２およびプール底５にて閉空間が形
成されてしまい、この中に入った水の排出は極めて難し
くなるので、第３図に示される如くリブ２は支衝部３よ
りも背丈を低くするのが望ましい。

第４図は、本考案の第２実施例を示す前記第２図と同
様位置の断面図である。

受衝部１は中央が凸面とされ、支衝部３及びリブ２が
形成されている部位は凹ラインとなっている例である。

図中の符号は前記第１実施例の場合と同じであるが、
この例においては支衝部３が円柱形とされていて、特に
その先端周囲６が先細の椀状となっている。これにより
プール底５面にこの部分を押圧することによって吸盤の
役目をなし、使用時に緩衝材Ａが移動することを防ぐこ
とができる。

第５図は本考案の第３実施例を示す第４図と同様の断
面図である。

この例ではリブ２が山形になっているもので、その先
端部７が支衝部３として用いられている。

第６図に示すものは、本考案の第４実施例の側面図で
あり、緩衝材同士をその周辺側部に水平に形成した凹部
８及び凸部９の相互の嵌合によって連結するようになっ
ている。

第７図は本考案の第５実施例を示す斜視図であって、
凹部８及び凸部９が周辺側部に縦に形成されている。

更に第８図は本考案の第６実施例を示す主要部の断面
図である。この例では、リブ２に予め小穴10を穿ってお
き、これに硬質の棒材11を貫通して隣り合う緩衝材Ａ、
Ａを連結し、所望の大きさの緩衝材を得るものである。
棒材11に代えて紐等の可撓材を用いてもよい。また本考
案の緩衝材には、さらに一部に柔軟な衝撃吸収材や、浮
上防止用の重錘を埋設してもよい。

〔考案の効果〕

本考案は以上の構成とされるので、プール底部へ衝突
しても緩衝材の受衝部にてこの衝撃力を吸収することが
できるプール内での事故防止に大きく貢献することがで
きる。そして、支衝部によって、受衝部の下部にある水
が、リブに遮られることなく流れ、プール清掃時の排水
を妨げることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の第１実施例を示す緩衝材の一部平面
図、第２図は、第１図のII-II線断面図、第３図は、第
２図を裏側からみた斜視図、第４図は、本考案の第２実
施例を示す前記第２図と同様の断面図、第５図は、本考
案の第３実施例を示す第４図と同様の断面図、第６図
は、本考案の第４実施例を示す側面図、第７図は、本考
案の第５実施例を示す斜視図、第８図は、本考案の第６
実施例を示す主要部の断面図である。 １……受衝部、２……リブ、３……支衝部、４……連通
孔、５……プール底。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プール底面を覆う弾性材料の受衝部と、前
   記受衝部の裏面に設けられた格子状のリブと、前記リブ
   から突設され前記リブを前記プール底と一定の間隔を持
   って支える支衝部と、前記受衝部に穿設され表裏面にあ
   る水の出入りを可能とする連通孔と、を有することを特
   徴とするプール底の緩衝材。