JP2500189Y2 - 前後輪操舵車の後輪操舵装置 - Google Patents

前後輪操舵車の後輪操舵装置

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JP2500189Y2
JP2500189Y2 JP9615689U JP9615689U JP2500189Y2 JP 2500189 Y2 JP2500189 Y2 JP 2500189Y2 JP 9615689 U JP9615689 U JP 9615689U JP 9615689 U JP9615689 U JP 9615689U JP 2500189 Y2 JP2500189 Y2 JP 2500189Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本考案は前輪の操舵に連動して後輪を操舵するととも
に、後輪の前輪に対する舵角比を変更可能な前後輪操舵
車の後輪操舵装置に関する。
【従来技術】
従来、この種の装置は、例えば特開昭61−163064号公
報に示されるように、前輪操舵装置に回転シャフトを介
して接続されて前輪の操舵に連動して回転する入力軸
と、前記入力軸に連動して回転する回転部材と、前記回
転部材の回転運動を往復運動に変換する変換機構と、前
記変換機構に接続されて同機構における回転運動から往
復運動への運動量の変換率を変化させる変化率変更機構
とをハウジング内に収容するとともに、前記変換機構の
出力側に接続されかつ後輪を操舵可能に接続してなり前
記往復運動に応じて後輪を操舵する後輪ステアリングリ
ンク機構を備え、前輪の操舵に連動して後輪を操舵しか
つ前記変換率の変更制御によって後輪の前輪に対する舵
角比を変更できるようにしている。
【考案が解決しようとする課題】
ところで、かかる従来の後輪操舵装置の車体への組み
付け完了後においては、前輪が中立状態にあれば後は必
ず中立状態になるように、すなわち入力軸及び回転部材
が中立位置にある状態では変換機構の出力側に接続され
た後輪ステアリングリンク機構は必ず中立状態になるよ
うになっていなければならない。しかるに、該後輪操舵
装置においては、変換率変更機構により変換機構におけ
る変換率が零に設定されていると、入力軸及び回転部材
が中立位置になくても後輪ステアリングリンク機構が中
立状態に設定される。そこで、該後輪操舵装置の車体へ
の組み付けに際しては、後輪及び後輪ステアリングリン
ク機構が中立状態にあることと同時に入力軸及び回転部
材が中立位置にあることを確認した上で、入力軸を回転
シャフトを介して中立状態にある前輪操舵装置に接続す
る必要があるので、該組み付けの作業効率が悪かった。 そのため、本考案と同一出願人は先の出願(実願昭63
−51096号(実開平1−154072号)考案の名称「ラック
バーの支持機構」)の明細書及び図面中にて、ハウジン
グと一体形成されて同ハウジングの一部を構成してなり
回転部材の回転接線方向に延設された筒状収納部と、筒
状収納部に軸方向に変位可能に収容され回転部材に形成
したピニオンと噛合するラック歯を前部外周上に設けか
つ所定長さを隔てて一対のストッパ部を後部外周上に設
けてなる中立付勢用ロッドと、中立付勢用ロッドの後部
外周上に一対のストッパ部間にて摺動可能に相対向して
組み付けられかつ筒状収納部の各内壁により外側方向へ
の変位がそれぞれ規制された一対のリテーナと、中立付
勢用ロッドの後部外周上に組み付けられかつ圧縮された
状態で両端にて前記一対のリテーナにより支持されるス
プリングとからなって回転部材を中立位置に付勢する中
立付勢機構を備えた後輪操舵装置を提案した。 これによれば、中立付勢機構が使用している状態の後
輪操舵装置に後輪ステアリングリンク機構を介して後輪
を接続した後に、後輪操舵装置をフリー状態にすれば、
入力軸、回転部材、後輪ステアリングリンク機構及び後
輪は中立付勢機構により中立状態に付勢され、かかる状
態で、入力軸を回転シャフトを介して中立状態にある前
輪操舵装置に接続すればよくなるので、該後輪操舵装置
の車体への組み付け作業効率の問題が解決される。 また、同出願人は他の先の出願(実願昭63−103133号
(実開平2−24774号)考案の名称「前後輪操舵車の後
輪操舵装置」)にて、前記筒状収納部をも含めた中立付
勢機構をサブアッシ化することにより、前記提案装置に
おける中立付勢機構の組み付け作業をも良好にして、総
合的な作業効率をより向上させた後輪操舵装置を提案し
た。 しかし、前記両提案装置においては、車両走行中に操
舵ハンドルを中立に戻すと、中立付勢用ロッドはスプリ
ングの弾撥力によって中立状態に復帰するわけである
が、かかる復帰時には、一方のリテーナが筒状収納部の
内壁と衝突すると同時に、中立付勢用ロッドの後部外周
上に設けた一方のストッパ部が他方のリテーナに衝突す
る。そして、この衝突による発生音が車室内への異音と
なるという問題がある。 本考案は上記従来装置及び提案装置における各問題に
鑑みなされたもので、その目的は、回転部材を中立位置
に付勢する中立付勢機構を後輪操舵装置内に設けて該後
輪操舵装置の車体への組み付け作業効率を向上させるこ
とを前提として、該後輪操舵装置により発生させる異音
を低減した前後輪操舵車の後輪操舵装置を提供すること
にある。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して本考案の目的を達成するめたに、
本考案の構成上の特徴は、上記従来装置のように、ハウ
ジングに収容された入力軸、回転部材、変換機構及び変
換率変更機構と、後輪ステアリング機構とを備えた前後
輪操舵車の後輪操舵装置において、前記ハウジングの一
部を構成してなり前記回転部材の回転接線方向に延設さ
れた筒状収納部と、前記筒状収納部に軸方向に変位可能
に収容され前記回転部材に形成したピニオンと噛合する
ラック歯を前部外周上に設けかつ所定長さを隔てて一対
のストッパ部を後部外周上に設けてなる中立付勢用ロッ
ドと、前記中立付勢用ロッドの後部外周上に前記一対の
ストッパ部間にて摺動可能に相対向して組み付けられか
つ前記筒状収納部の各内壁により外側方向への変位がそ
れぞれ規制された一対のリテーナと、前記中立付勢用ロ
ッドの後部外周上に組み付けられかつ圧縮された状態で
両端にて前記一対のリテーナにより支持されるスプリン
グと、前記一対のリテーナの各外側端面と前記筒状収納
部の各内壁又は前記中立付勢用ロッドに設けた各ストッ
パ部との間にそれぞれ介装さればね特性の等しい一対の
弾性部材とを設けたことにある。
【考案の作用】
上記のように構成した前後輪操舵車の後輪操舵装置に
おいては、筒状収納部、中立付勢用ロッド、一対のリテ
ーナ及びスプリングからなる中立付勢機構は、上記「考
案が解決しようする課題」の項に記載したように、入力
軸、回転部材、後輪ステアリングリンク機構及び後輪を
中立状態に付勢するように作用する。 また、本願考案においては、一対のリテーナの各外側
端面と筒状収納部の各内壁又は前記中立付勢用ロッドの
各ストッパ部との間に一対の弾性部材をそれぞれ設けて
あるので、中立付勢用ロッドが中立位置に復帰する際、
一方のリテーナの外側端面と筒状収納部の一方の内壁又
は中立付勢用ロッドの一方のストッパ部との衝突が一方
の弾性部材により緩和される。また、該衝突の緩和に伴
い、中立付勢用ロッドの中立復帰直前の変位速度が遅く
なり、他方のリテーナの外側端面と中立付勢用ロッドの
他方のストッパ部又は筒状収納部の他方の内壁との衝突
も緩和される。
【考案の効果】
上記作用説明のように、本考案によれば、入力軸、回
転部材、後輪ステアリングリンク機構及び後輪が中立状
態に付勢され、かつリテーナの各外側端面と筒状収納部
の各内壁又は中立付勢用ロッドの各ストッパ部との衝突
が緩和されるので、当該後輪操舵装置の車体への組み付
け作業効率が向上するとともに、同後輪操舵装置により
発生させる異音が低減される。
【実施例】
以下、本考案の一実施例を図面を用いて説明すると、
第1図〜第4図は本考案に係る前後輪操舵車の後輪操舵
装置を示している。 この後輪操舵装置は基本的には特開昭61−163064号公
報に示されたもの(従来技術の項で引用)と同様に構成
され、左右前輪FW1,FW2を操舵する前輪操舵装置FSに回
転シャフトRSを介して接続した入力軸11と、左右後輪RW
1,RW2を後輪ステアリングリンク機構としての左右タイ
ロッド12a,12b及び左右ナックルアーム(図示しない)
を介して操舵可能に連結した作動ロッド13と、同ロッド
13を回転駆動するモータ14とを備え、左右前輪FW1,FW2
の操舵に伴い入力軸11の回転を作動ロッド13の軸方向の
変位に変換することによって左右後輪RW1,RW2を左右前
輪FW1,FW2に連動して操舵するとともに、モータ14の回
転に伴う作動ロッド13の回転によって左右前輪FW1,FW2
に対する左右後輪RW1,RW2の操舵角の比(以下、単に舵
角比という)を逆相から同相に渡って変更制御するよう
にしている。 入力軸11は、第3図に示すように、ベヤリング15を介
してハウジング16に回転可能に支持されており、その後
端にはピニオン17が同軸に一体的に設けられている。こ
のピニオン17は回転部材18の上部に形成したセクタギヤ
21に噛合している。この回転部材18には作動ロッド13を
貫通させた環状の第1支持体22が一体形成されており、
同回転部材18及び第1支持体22はベヤリング23,24を介
してハウジング16に回転可能に支持されている。 回転部材18の下部には、第1図及び第3図に示すよう
に、ピニオン25が形成されており、同ピニオン25には、
中立付勢用ロッド26の前部外周上に形成したラック歯26
aが噛合している。中立付勢用ロッド26は、ハウジング1
6と一体形成されピニオン25の接線方向へ延設された円
筒部16a内に収容されるとともに、ガイド部材27により
軸方向に変位可能に支持されている。ガイド部材27はス
プリング28により適度な力で上方向に付勢されている。 中立付勢用ロッド26は回転部材18を中立位置に付勢す
るサブアッシ化された中立付勢機構CMの一構成部品であ
り、同機構CMは、第1図及び第5図に示すように、該ロ
ッド26の他に、ホルダ31,32,クッションリテーナ33,3
4、スプリングリテーナ35,36及びスプリング37を主要構
成部品としている。 ホルダ31は円筒状に形成され、その大径部外周状に形
成した雄ねじ31aにてハウジング16の円筒部16aの内周上
に形成した雌ねじ16a1に螺着されるとともに、ナット38
により該円筒部16aに堅固に固定されるようになってい
る。ホルダ32はカップ状に形成され、その大径部外周上
に形成した雄ねじ32aにてホルダ31の大径部内周上に形
成した雌ねじ31bに螺着されるとともに、ナット41によ
り該ホルダ31の大径部に堅固に固定されるようになって
いる。 クッションリテーナ33,34は、第6A図及び第6B図に示
すように、ドーナツ状に形成した金具33a,34aの各内側
面に沿ってゴム33b,34bを加硫接着してなり、クッショ
ンリテーナ33はホルダ31の大径部と小径部との境を構成
する段部に固定され、かつクッションリテーナ34はホル
ダ31の内端面に固定されている。また、これらのクッシ
ョンリテーナ33,34においては、それらの半径がそれぞ
れ異なるので、一方のリテーナ33のゴム33bを断面台形
状にしかつ他方のリテーナ34のゴム34bを断面長方形状
にすることにより、全体のばね特性(ばね定数)が等し
くなるようにしてある。 スプリングリテーナ35は一体的に形成した内筒35a及
び外筒35bを有し、内筒35aにて中立付勢用ロッド26の後
部外周上を摺動するとともに外筒35bにてホルダ32の大
径部内周上を摺動するように中立付勢用ロッド26の後部
外周上に組み付けられており、中立付勢用ロッド26の後
端に螺着したナット42により同後端部に固定されてスト
ッパ部を構成するプレート43によって同ロッド26に対す
る図示位置から外側方向への変位が規制されるととも
に、クッションリテーナ33によりホルダ32(ハウジング
16)に対する図示位置から外側方向への変位が規制され
るようになっている。スプリングリテーナ36は中立付勢
用ロッド26の後部外周上に摺動可能に組み付けられてお
り、中立付勢用ロッド26に形成したストッパ部としての
段部26bにより同ロッド26に対する図示位置から外側方
向への変位が規制されるとともに、クッションリテーナ
34によりホルダ31(ハウジング16)に対する図示位置か
ら外側方向への変位が規制されるようになっている。ス
プリング37は、圧縮された状態で、両端にて前記両リテ
ーナ35,36により支持されている。 一方、第2図及び第3図に示すように、第1支持体22
の内周上には、ベヤリング44,45を介して環状の第2支
持体46が組み付けられ、同支持体46は第1支持体22の前
記回転に伴い同支持体22と一体回転するとともに、第1
支持体22の周方向に回転可能になっている。第2支持体
46には、同支持体46とによりボールジョイントを形成す
るスライダ47が組み付けられている。スライダ47は、そ
の外周面を球状に形成されていて、中心に孔47aを有し
ており、同孔47aには作動ロッド13の軸線に直交する方
向に向けて延びた舵角比設定用部材としてのピン48の先
端部が軸方向(ピン48の延出方向)へ摺動自在かつ回動
可能に嵌合している。その結果、ピン48の先端部は第1
支持体22に周方向(作動ロッド13の軸線回り)に回動可
能に支持されるとともに、第1支持体22の前記回転に応
じた該支持位置の変位により作動ロッド13の軸線方向に
押圧されることになる。なお、第2図及び第3図はピン
48が中立位置にある状態を示している。 作動ロッド13は、第2図に示すように、その左方にて
ブッシュ51を介してハウジング16に軸方向に摺動自在か
つ軸回りに回転可能に支持されるとともに、その右方の
外スプライン部13aにて、同スプライン部13aに滑合され
た内スプライン部52aを有するホイール52及び同ホイー
ル52とハウジング16との間に介装されたベヤリング53,5
4を介して、ハウジング16に軸方向に摺動自在にかつ軸
回りに回転可能に支持されている。 ホイール52にはウォーム55が噛合しており、ウォーム
55は、第4図に示すように、同ウォーム55を一体的に形
成したウォームシャフト55aの両端部にてベヤリング56,
57を介してハウジング16に軸方向に変位不能かつ軸回り
に回動可能に支持されている。ウォームシャフト55aの
上端には2面幅に形成したモータ14の回転軸14aが嵌合
しており、同シャフト55aはモータ14によって回転駆動
される。モータ14はハウジング16に固定され、電気制御
装置(図示しない)により駆動制御されるようになって
いる。 また、第2図に示すように、ホイール52の外周側部に
は補助ギヤ58が圧入固定され、同ギヤ58は、第1図に示
すように、舵角比センサアセンブリSA内に設けたギヤ61
に噛合している。舵角比センサアセンブリSAは、ギヤ61
の回転角を検出することにより、作動ロッド13の回転角
に応じて設定されている当該後輪操舵装置の舵角比を検
出するもので、該検出された舵角比を表す信号は前記電
気制御装置へ導かれるようになっている。 しかして、上記のように構成した後輪操舵装置の組み
付けに際しては、ハウジング16内に入力軸11、回転部材
18、第1及び第2支持体22,46、作動ロッド13、ホイー
ル52、ウォーム55等を収納した状態で、中立付勢機構CM
をハウジング16に組み付けるようにする。かかる中立付
勢機構CMの組み付けにおいては、中立付勢用ロッド26の
外周上にスプリングリテーナ35,36、スプリング37及び
プレート43をナット42を用いて装着した後に、該リテー
ナ35,36、スプリング37等をクッションリテーナ34,33を
固定したホルダ31,32内に収容し、同ホルダ31,32を螺着
して中立付勢用ロッド26の中立位置調整をしておく。こ
のようにして中立付勢機構CMを別途組立てた状態で、中
立付勢用ロッド26のラック歯26aをピニオン25に噛み合
わせながら同バー26の前部をハウジング16の円筒部16a
内に挿入して、ホルダ31の雄ねじ部31aを円筒部16aに螺
着する。かかる場合、ラック歯26aとピニオン25との噛
み合わせ開始から、ホルダ31の前記円筒部16aへの挿入
量を予め決めておけば、回転部材18の中立調整は前記ホ
ルダ31と円筒部16aとの螺着とともに完了する。 かかる状態で、作動ロッド13の軸回りの回転位置(舵
角比)とは無関係に、入力軸11及び回転部材18の回転位
置が中立位置に保たれるとともに、作動ロッド13の軸方
向への変位も中立位置に保たれるので、該状態にある作
動ロッド13の両端に左右タイロッド12a,12b及び左右ナ
ックルアームを介して左右後輪RW1,RW2を、同後輪RW1,R
W2が中立状態になるように組み付ければ、入力軸11から
左右後輪RW1,RW2までの後輪操舵力伝達系が中立状態に
設定されることになる。そして、該中立状態にある入力
軸11を中立状態に設定されている前輪操舵装置FS1に回
転シャフトRSを介して連結するようにすれば、左右前輪
FW1,FW2を中立状態に設定した状態では左右後輪RW1,RW2
が必ず中立状態になるように、当該後輪操舵装置が車体
へ組み付けられる。 また、該組み付け後、左右前輪FW1,FW2を中立状態か
ら左右いずれかの方向に操舵した状態で、モータ14の回
転軸14aすなわちウォームシャフト55aを回転させること
により作動ロッド13を軸線回りに回転させて、左右後輪
RW1,RW2が中立状態すなわち作動ロッド13が軸方向に対
して中立位置に来る作動ロッド13の回転位置を見つけれ
ば、舵角比の調整作業が完了する。 このように上記実施例によれば、当該後輪操舵装置に
中立付勢機構CMを設けるとともに、該中立付勢機構CMを
サブアッシ化したので、各種中立調整を踏まえた当該車
両の組立作業が楽になる。 次に、上記のように組み立てた後輪操舵装置の動作を
説明する。操舵ハンドルの回動に伴って前輪操舵装置FS
から回転シャフトRSを介して入力軸11に回転が伝達され
ると、回転部材18が前記入力軸11の回転に応じて回転す
る。このとき、中立付勢用ロッド26は前記回転部材18の
回転に応じて軸方向へ変位する。この変位が第1図及び
第5図にて右方向であれば、スプリングリテーナ36は図
示位置に固定された状態で、スプリングリテーナ35がプ
レート43により押圧されてホルダ32の内周上を右方向へ
変位して、スプリング37が圧縮される。また、中立付勢
用ロッド26の前記変位が第1図及び第5図にて左方向で
あれば、スプリングリテーナ35は図示位置に固定され状
態で、スプリングリテーナ36が段部26bにより押圧され
てホルダ31の内周上を左方向へ変位して、スプリング37
が圧縮される。かかる場合、クッションリテーナ33,34
のゴム33b,34bは若干変形して中立付勢用ロッド26の変
位に対する反力として作用するが、上述のように、各ゴ
ム33b,34bのばね特性を等しくしてあるので、操舵ハン
ドルの操舵操作に対しては左右同一に反力が作用し、運
転者に違和感を与えることはない。 一方、第1支持体22も回転部材18の前記回転とともに
回転し、第2支持体46も第1支持体22と一体的に回転す
る。かかる場合、ピン48が第3図の位置にあれば、第2
支持体46はピン48の軸回りに回転するのみであるので、
同ピン48は第2図にて左右方向に押圧されることはな
く、作動ロッド13は基準位置に保たれる。その結果、左
右前輪FW1,FW2が操舵されても、左右後輪RW1,RW2は中立
状態に保たれる。 かかる状態で、電気制御装置により決定される目標舵
角比と舵角比センサアセンブリSAによって検出される舵
角比(作動ロッド13及びホイール52の回転位置)とに基
づき、モータ14が駆動制御されて、同モータ14がその回
転軸14aを回転させると、該回転力はウォーム55及びホ
イール52を介して作動ロッド13に伝達されて同ロッド13
が軸回りに回転する。この作動ロッド13の回転に伴い、
ピン48も第2支持体46及びスライダ47と共に同ロッド13
の軸回りに回転する。この回転により、ピン48が、第2
図及び第3図に仮想線で示すように、基準位置より上側
又は下側回転位置に設定されると、同ピン48は前記左右
前輪FW1,FW2の操舵に伴う第1及び第2支持体22,46の回
転に応じてスライダ47を介して第2図にて左右方向に押
圧されて、作動ロッド13が同方向に変位する。その結
果、左右後輪RW1,RW2は作動ロッド13の前記変位に応じ
て左方向又は右方向に操舵される。 かかる場合、ピン48が第2図にて上側位置にあれば、
作動ロッド13は第1及び第2支持体22,46の時計方向
(又は反時計方向)の回転に対して右方向(又は左方
向)に変位する。また、ピン48が第3図にて下側位置に
あれば、作動ロッド13は、前記とは逆に、第1及び第2
支持体22,46の時計方向(又は反時計方向)の回転に対
して左方向(又は右方向)に変位する。そして、かかる
作動ロッド13の変位位置は左右前輪FW1,FW2の操舵に伴
う第1及び第2支持体22,46の回転量に比例し、かつ同
ロッド13の中心軸からピン48の先端部の第2支持体46に
よる支持位置までの垂直距離に比例するので、左右後輪
RW1,RW2が左右前輪FW1,FW2の操舵に連動して操舵される
とともに、その舵角比が作動ロッド13及びピン48の回
転、すなわちモータ14の回転に応じて逆相から同相に渡
って変更制御される。 また、前述のように左右に回動されている操舵ハンド
ルが中立状態に戻されると、該回動も回転シャフトRS、
入力軸11、回転部材18及び第1支持体22を介して第2支
持体46に伝達され、第2支持体46がブッシュ47及びピン
48を介して作動ロッド13を軸方向へ変位させて中立状態
へ復帰させるので、左右後輪RW1,RW2も中立状態へ復帰
する。 一方、このとき、回転部材18の中立位置への回転に伴
い、中立付勢用ロッド26も中立位置へ復帰する。かかる
場合、中立付勢用ロッド26が第1図及び第5図にて右方
向へ変位された状態から中立状態へ復帰するときには、
スプリングリテーナ35が左方向へ変位して、該変位が中
立位置にてクッションリテーナ33により規制される。こ
の規制時には、クッションリテーナ33のゴム33bがスプ
リングリテーナ35とホルダ32との衝突を緩和するので、
前記衝突による異音の発生が防止される。また、前記ク
ッションリテーナ43の作用により、中立付勢用ロッド26
の中立復帰直前の移動速度が緩和されるので、段部26b
とスプリングリテーナ36との衝突も緩和され、該衝突に
よる異音の発生も防止される。一方、中立付勢用ロッド
26が第1図及び第5図にて左方向へ変位された状態から
中立状態へ復帰するときには、クッションリテーナ34の
作用により、前述と同様にして、スプリングリテーナ36
とホルダ31との衝突が緩和されるとともに、プレート43
とスプリングリテーナ35との衝突も緩和され、これらの
衝突による異音の発生が防止される。 次に、上記実施例の変形例について説明する。上記実
施例においては、クッションリテーナ33,34を金具33a,3
4aの内側面にのみゴム33b,34bを加硫接着して構成にし
たが、第7A図及び第7B図に示すように、同リテーナ33,3
4を金具33a,34aの外側面にもゴム33c,34cを加硫接着し
て構成するようにしてもよい。これにより、この変形例
によれば、緩衝部材としてのゴム33b,34bとゴム33c,34c
が直列に接続されることになり、上記実施例の場合に比
べてゴム33b,33c,34b,34cの各ばね特性を下げることが
でき、同ゴム33b,33c,34b,34cの耐久性を向上させるこ
とができる。なお、この場合も、ゴム33b,33cのトータ
ルばね特性とゴム34b,34cのトータルばね特性とを等し
くしておいて、左右への操舵に対する反力を等しくす
る。 また、上記実施例のクッションリテーナ33,34の代わ
りに、第8図に示すように、ゴム等により構成した断面
方形の環状弾性部材71,72を各スプリングリテーナ35,36
の外側端部外周上に圧入して、同弾性部材71,72がスプ
リングリテナ35,36とホルダ32,31との間に介在されるよ
うにしてもよい。かかる場合、前述の場合と同様、環状
弾性部材71,72のばね特性を等しくして左右への操舵に
対する反力を等しくするとともに、環状弾性部材71,72
のばね定数を、スプリング37のセット荷重以下で、組み
付け時における同弾性部材71,72の最大撓み範囲(スプ
リングリテーナ35,36とホルダ32,31との隙間間隔)に達
するように小さく設定し、中立状態ではスプリングリテ
ーナ35,36はホルダ32,31との当接により位置決めされる
ようにする。これにより、スプリングリテーナ35,36が
ホルダ32,31にそれぞれ衝突する際には、環状弾性部材7
1,72がホルダ32,31にそれぞれ先に衝突し、該衝突が緩
和された後に、スプリングリテーナ35,36がホルダ32,31
に当接して固定されるようになるので、スプリングリテ
ーナ35,36とホルダ32,31との衝突による異音の発生を防
止できるとともに、環状弾性部材71,72のへたりの問題
が解消されて、かかる装置の耐久性が向上する。 また、第9図に示すように、ゴム等からなるオーリン
グ73,74を各スプリングリテーナ35,36の外側端部内周上
に圧入して、同オーリング73,74がスプリングリテーナ3
5,36とプレート43及び段部26bとの間に介在されるよう
にしてもよい。なお、この場合には、オーリング74の保
護のために、環状のプレート75を段部26bとオーリング7
4との間に介装する。また、かかる場合も、前述場合と
同様、オーリング73,74のばね特性を等しくして左右へ
の操舵に対する反力を等しくするとともに、スプリング
37のセット荷重以上の荷重がオーリング73,74に作用し
た場合には、スプリングリテーナ35,36が各プレート43,
75との当接により位置決めされるようにする。これによ
り、中立付勢用ロッド26が中立状態に復帰して、プレー
ト43,75がスプリングリテーナ35,36にそれぞれ衝突する
際には、オーリング73,74がプレート43,75にそれぞれ先
に衝突し、該衝突が緩和された後に、スプリングリテー
ナ35,36がプレート43,75に当接して位置決めされるよう
になるので、かかる衝突の異音の発生が防止される。一
方、前記オーリング73,74の作用により、中立付勢用ロ
ッド26の中立位置への復帰直前には、同ロッド26の変位
速度が遅くなっているので、スプリングリテーナ35,36
とホルダ32,31との衝突も緩和され、該衝突による異音
の発生も防止される。これにより、前記場合と同様に、
オーリング73,74のへたりの問題もなく、上述の衝突に
よる異音の発生を防止できて、かかる装置の耐久性が向
上する。 さらに、上記実施例においては、中立付勢機構CMをサ
ブアッシ化した実施例に本考案を適用した例について説
明したが、上述した実願昭63−51096号実用新案登録出
願に係る装置のように、前記中立付勢機構CMをサブアッ
シ化しなくてハウジング16に一体形成した円筒部16aに
直接組み付ける場合にも、本考案に係る装置は適用でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例に係る後輪操舵装置の一部破
断正面図、第2図は同装置の横断平面図、第3図は第1
図のIII−III線に沿って見た断面図、第4図は第1図の
IV−IV線に沿って見た断面図、第5図は第1図の中立付
勢機構の拡大断面図、第6A図及び第6B図は第5図のクッ
ションリテーナの拡大断面図、第7A図及び第7B図は第6A
図及び第6B図のクッションリテーナの変形例を示す断面
図、第8図及び第9図は第5図の中立付勢機構の変形例
を示す断面図である。 符号の説明 FS……前輪操舵装置、FW1,FW2……前輪、RW1,RW2……後
輪、RS……回転シャフト、CM……中立付勢機構、11……
入力軸、12a,12b……タイロッド、13……作動ロッド、1
6……ハウジング、16a……円筒部、18……回転部材、22
……第1支持体、25……ピニオン、26……中立付勢用ロ
ッド、26b……段部、31,32……ホルダ、33,34……クッ
ションリテーナ、35,36……スプリングリテーナ、37…
…スプリング、43,75……プレート、46……第2支持
体、48……ピン、71,72……環状弾性部材、73,74……オ
ーリング。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】前輪操舵装置に回転シャフトを介して接続
    されて前輪の操舵に連動して回転する入力軸と、前記入
    力軸に連動して回転する回転部材と、前記回転部材の回
    転運動を往復運動に変換する変換機構と、前記変換機構
    に接続されて同機構における回転運動から往復運動への
    運動量の変換率を変化させる変換率変更機構とをハウジ
    ング内に収容するとともに、前記変換機構の出力側に接
    続されかつ後輪を操舵可能に接続してなり前記往復運動
    に応じて後輪を操舵する後輪ステアリングリンク機構を
    備え、前輪の操舵に連動して後輪を操舵しかつ前記変換
    率の変更制御によって後輪の前輪に対する舵角比を変更
    可能な前後輪操舵車の後輪操舵装置において、 前記ハウジングの一部を構成してなり前記回転部材の回
    転接線方向に延設された筒状収納部と、 前記筒状収納部に軸方向に変位可能に収容され前記回転
    部材に形成したピニオンと噛合するラック歯を前部外周
    上に設けかつ所定長さを隔てて一対のストッパ部を後部
    外周上に設けてなる中立付勢用ロッドと、 前記中立付勢用ロッドの後部外周上に前記一対のストッ
    パ部間にて摺動可能に相対向して組み付けられかつ前記
    筒状収納部の各内壁により外側方向への変位がそれぞれ
    規制された一対のリテーナと、 前記中立付勢用ロッドの後部外周上に組み付けられかつ
    圧縮された状態で両端にて前記一対のリテーナにより支
    持されるスプリングと、 前記一対のリテーナの各外側端面と前記筒状収納部の各
    内壁又は前記中立付勢用ロッドの各ストッパ部との間に
    それぞれ介装さればね特性の等しい一対の弾性部材と を設けたことを特徴とする前後輪操舵車の後輪操舵装
    置。
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