JP2500184C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は医療における拡張操作に用いられるカテーテルバルーンに関したもの
で、より詳細には、ポリマー複合体より形成されたカテーテルバルーンに関して
のものである。本発明は特に、二軸配向性ポリマー材と非二軸配向性ポリマー材
とから形成されその強度を高めるためにポリマーのコーティングを施されたカテ
ーテルバルーンに関するものである。 【0002】 【従来技術】 カテーテルバルーンは医療上の拡張操作において、広く使用されている。冠血
管形成術は拡張操作の典型的な例であり、端部にバルーンを有するカテーテルが
狭窄している冠状動脈に挿入される。カテーテルはそのバルーン部が狭窄部に接
するような位置に設定される。次にバルーンはカテーテルを通して液体を注ぎ込
まれて膨張させられる。膨張したバルーンは狭窄部位に対し、外向きの圧力を加
え、その結果動脈を拡張させ狭窄を改善させる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 (上述のような)操作を施行する際にバルーンに要求されることは、狭窄部の
圧力に対抗して破裂することなく膨らむことが可能なような十分な強度をもった
構造を有することである。多くの場合狭窄部の抵抗力はかなりのものであり、従
ってこの圧力に打ち勝つためにはバルーンにはかなりの膨張力が必要とされる。
従って動脈の拡大操作の間に破裂しないようにするためにバルーンは高強度の材
料で作製される必要がある。即ち、バルーンの材料の選定が拡大操作を成功させ
るうえで最も重要な点である。 【0004】 ある種の高分子ポリマー材料が、冠血管形成術用のカテーテルバルーンとして
の条件を満たす特性を持っていることがわかった。この特性には薄さ、柔軟性及
び強度が含まれる。二軸配向性を持つポリマー材料は、その高い強度すなわち高
い張力と均一性の故に特に有用であることがわかった。従ってある種の二軸配向
性ポリマーがカテーテルバルーンを作製する材料として選ばれた。しかしながら
良く知られているように、二軸配向性を有するポリマー材料の作製には成型及び
引き伸ばしに特別な工程を必要とする。 【0005】 カテーテルバルーンは通常カテーテルがバルーン内を軸状に貫通するようにカ
テーテルの上に適合する構成で形成される。バルーンはその端部で先細りとなり
その壁がカテーテルと結合し、またそのボディ部は広がって、その壁はカテーテ
ルより放射状に広がっている。あいにく、ポリマー製バルーンをこのような構成
で形成するとポリマーの二軸配向性をバルーン全体に亘って達成するのは事実上 不可能であることがわかった。特に、ポリマーの二軸配向性はバルーンのボディ
部においては実質的に実現可能だが、端部で先細りとなりカテーテルに結合する
部分(テーパー部)では二軸配向性は失われ一軸配向性あるいは無配向性となる
ことがわかった。この結果、バルーン自身は通常の「二軸配向性バルーン」であ
りながらバルーンのテーパー部においてはバルーンのボディ部で達成されている
構造強度が失われ、(血管拡張)操作が不成功に終わる可能性も高い。 【0006】 このような問題を踏まえ、バルーンのテーパー端部も含めてバルーン壁全体に
亘って均一な高い構造強度をそなえた二軸配向性ポリマーバルーンが要求される
。更に、二軸配向性ポリマーバルーン、特にそのテーパー端部での構造強度を高
める製造法が要求される。 【0007】 【課題を解決するための手段】 本発明は冠状動脈形成術のような医療上の拡張操作用のカテーテルバルーンに
関するものである。バルーンは構造強度が高められたポリマー複合体より形成さ
れている。本発明はさらに二軸配向性ポリマーカテーテルバルーンの構造強度を
高める方法に関するものである。カテーテルバルーンは伸張可能な中央ボディ部
とその両端に位置する先細りのテーパー端部からなっていて、それをカテーテル
が軸状に貫通するようになっている。ボディ部とテーパー端部はポリマー材の連
続した構造層から形成されている。バルーンのボディ部の材料は二軸配向性の特
性をそなえているが、バルーンのテーパー端部ではその特性は有していない。本
発明の好ましい態様としては、ボディ部のポリマー材とテーパー端部のポリマー
材は実質的に同じ分子組成でその配向性が異なっていることが好ましい。 【0008】 二軸配向性を持たないポリマー材料は弱く一般に構造強度も二軸配向性を有す
るポリマー材料に比べ低いので、本発明ではイミド含有ポリマーあるいはポリウ
レタン層をテーパー端部の構造層の外側に加え端部をコートしその強度を高める
。ポリマーコーティングはまた連続してバルーンのボディ部まで施すことにより
さらにボディ部の強度を高めてもよい。ポリマーコーティングはバルーンの表面 の片側あるいは両側、すなわちバルーンの外壁、内壁あるいは内外壁いずれに施
すことも可能である。 【0009】 本発明の方法は、ポリマーコーティングをテーパー端部の構造層に施し、端部
を外側よりコーティングしポリマーバルーンのうち実質的に二軸配向性を欠いて
いる部分の強度を高めることから構成されている。ポリマーコーティングはまた
バルーンの伸張可能なボディ部に施すことも可能である。バルーンに対するポリ
マーコーティングは液状の状態で行ない十分な熱処理によって高い強度の複合体
を形成するのが望ましい。ポリマーコーティングはまずポリマーを溶媒中に溶か
しその全溶液を構造層に塗付することによって行なわれる。溶媒は引き続く熱処
理の間にバルーンの表面より蒸発していく。 【0010】 本発明の新規な点は、本発明それ自身と共に、その構造及びその操作にあり、
添付の図面とその説明で良く理解されると思われる、ここで図中と説明文中の参
照記号はそれぞれ同じものを指している。 【0011】 始めに図1について説明すると、本発明のカテーテルバルーンは全体として1
0と番号付けられ、伸張可能なボディ部12と、ボディ部12の両端のテーパー
端部14a,14bが示されている。図1ではボディ部12が拡張した状態で描
かれている。バルーン10は、端部14a,14bに設けられたホール18a,
18bを軸状に貫通するカテーテル16に添って配置されている。液体に対し十
分緊密なシールが端部14a,14bとカテーテル16が接するホール18a,
18bに施されている。シールは単にカテーテル16とバルーン10の材料を接
着するかあるいはスリップ−フィットリングクランプ法(示されていない)によ
って行なわれる。バルーン10とカテーテル16は、冠状動脈形成術のような当
業者によく知られている医療上の拡張操作に適用されている。 【0012】 バルーン10の複合的な構成の詳細は図2に参照番号と共に示してある。図示
のため、バルーン10の上部の断面図のみが示されているがバルーン10は対称 形であり下部も本質的に上部と同一である。バルーン10は壁20を持つボディ
部12と、さらに壁22a,22bを持つテーパー端部14a,14bから構成
されている。壁20,22a,22bはバルーン10の連続な表面を形成し、ポ
リマー複合物より形成される。ボディ部12の内層24と端部14a,14bの
内層26a,26bは壁20,22a,22bに対する構造上の支持体となって
いる。内層24,26a,26bは壁20,22a,22bにわたって連続して
いることが望ましい。 【0013】 好ましい態様として示されているように、ボディ部12の外側の外層28とテ
ーパー端部14a,14bの外側の外層30a,30bは、それぞれ構造内層2
4,26a,26bの外側表面32,34a,34b上にコーティングを与える
ことになる。更にボディ部12の内側の外層36とテーパー端部14a,14b
の内側の外層38a,38bは、それぞれ構造内層24,26a,26bの内側
表面40,42a,42b上にコーティングを与えることになる。外側の外層2
8,30a,30bと内側の外層36,38a,38bは壁20,22a,22
bにわたって連続していることが望ましい。ここでは示されていないが本発明の
他の態様として内側の外層36,38a,38bあるいは外側の外層28,30
a,30bは両側の外層が同時に除外されるのでないかぎりそのどちらかはバル
ーン10より除外しても構わない。またボディ部12の外層28,36は壁20
より除外してボディ部12の構造層24はむきだしにして端部14a,14bの
壁22a,22bのみ外層を施すことも可能である。 【0014】 前述したいずれの場合においても、内層24,26a,26bは壁20,22
a,22bへの一次構造を与えるのに対し外層28,30a,30b,36,3
8a,38bはそれに対するコーティングとなる。従って、内層の厚みは外層の
厚みより厚いことが望ましい。外層の厚みはオーダーとして5×10-5から5×
10-4インチで1×10-4から3×10-4インチ内にあることが望ましく、一方
内層の厚みとしては1×10-4から8×10-4インチで2×10-4から4×10
-4インチ内にあることが望ましい。 【0015】 ボディ部12の構造層24はポリエチレン テレフタレート(PET)、ポリ
エチレン シレート グリコレート(PETG)あるいはそれらの混合物の分子
組成である二軸配向性ポリマーから作られている。構造層26a,26bは構造
層24と同じ分子組成であるのが望ましいが二軸配向性を有する必要はない。実
際、層24,26a,26bは同じ原料を用いて生産されるのが好ましいが、ポ
リマーに二軸配向性を与える処理の過程で層26a,26bの部分のポリマーの
ほとんどは二軸配向性を得られないままとなってしまう。従って層26a,26
bは実質的には二軸配向性を有しないとされる。しかしながらここで“実質的に
は二軸配向性を有しない”と言っているが、層26a,26bのポリマーは層2
4のポリマーに比べるとかなり劣るものの、ある程度は二軸配向性を持ってもよ
い。層26a,26bのポリマーの大部分は一軸配向性あるいは無配向性である
。 【0016】 外層の全てはイミド含有ポリマー(ポリイミドが最も適している)で均一に作
成されていることが望ましい。また、外層はポリウレタンで作成される場合もあ
る。外層の第一の役目はバルーン壁20,22a,22bの強度を高めることで
ある。とくに要求されるのは壁22a,22bを強化することであり、というの
は壁20は実質的に二軸配向性を有しているのに対し、これらの壁は二軸配向性
がなく本来的に強度が低いからである。ここで言われている“強度”とはバルー
ン壁20,22a,22bの張力と均一性である。従って、強度を高めるとは壁
20,22a,22bを強化し、またピンホール状の穴のような不均一性を修復
することを指している。 【0017】 本発明の方法はバルーン10の必要とされる内層をイミド含有ポリマーあるい
はポリウレタンでコーティングしポリマー複合体の強度を高めることによって行
なわれる。少なくとも、実質的に二軸配向性を有しない内層、すなわち内層26
a,26bは、本法によってイミド含有イミドポリマーでコーティングを施すの
が望ましい。必要とされる内層にポリマーコーティングを施すのは、ポリマー溶 液を内層上にスプレーで塗付するか、バルーン10を溶液に浸して行なわれる。
ポリマー溶液とはイミド含有ポリマーあるいはポリウレタンを溶媒に溶かしたも
のであってもよい。望ましい溶媒としては、溶剤ジメチル ピロリジン、メチレ
ン クロリド、酢酸エステル、アルコール、が単独であるいは混合溶媒として挙
げられる。 【0018】 バルーン10にポリマーコーティングを行なってポリマー複合体を形成するに
はバルーン10を、すでに当業者には既知の温度及び時間で処理する。この処理
の結果バルーン壁上にコーティングを施すと共に使用された溶剤を揮発させるこ
とができる。 【0019】 ここで詳細に例示あるいは開示されたポリマー複合体から形成される特殊なカ
テーテルバルーンによって、上述した目的及び利点は十分に得られるが、これは
本発明の好ましい態様を単に例として示しただけであって、本明細書に示された
特許請求の範囲記載以外の詳細な構成あるいは意図に本発明を制限しようとする
ものではない。
で、より詳細には、ポリマー複合体より形成されたカテーテルバルーンに関して
のものである。本発明は特に、二軸配向性ポリマー材と非二軸配向性ポリマー材
とから形成されその強度を高めるためにポリマーのコーティングを施されたカテ
ーテルバルーンに関するものである。 【0002】 【従来技術】 カテーテルバルーンは医療上の拡張操作において、広く使用されている。冠血
管形成術は拡張操作の典型的な例であり、端部にバルーンを有するカテーテルが
狭窄している冠状動脈に挿入される。カテーテルはそのバルーン部が狭窄部に接
するような位置に設定される。次にバルーンはカテーテルを通して液体を注ぎ込
まれて膨張させられる。膨張したバルーンは狭窄部位に対し、外向きの圧力を加
え、その結果動脈を拡張させ狭窄を改善させる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 (上述のような)操作を施行する際にバルーンに要求されることは、狭窄部の
圧力に対抗して破裂することなく膨らむことが可能なような十分な強度をもった
構造を有することである。多くの場合狭窄部の抵抗力はかなりのものであり、従
ってこの圧力に打ち勝つためにはバルーンにはかなりの膨張力が必要とされる。
従って動脈の拡大操作の間に破裂しないようにするためにバルーンは高強度の材
料で作製される必要がある。即ち、バルーンの材料の選定が拡大操作を成功させ
るうえで最も重要な点である。 【0004】 ある種の高分子ポリマー材料が、冠血管形成術用のカテーテルバルーンとして
の条件を満たす特性を持っていることがわかった。この特性には薄さ、柔軟性及
び強度が含まれる。二軸配向性を持つポリマー材料は、その高い強度すなわち高
い張力と均一性の故に特に有用であることがわかった。従ってある種の二軸配向
性ポリマーがカテーテルバルーンを作製する材料として選ばれた。しかしながら
良く知られているように、二軸配向性を有するポリマー材料の作製には成型及び
引き伸ばしに特別な工程を必要とする。 【0005】 カテーテルバルーンは通常カテーテルがバルーン内を軸状に貫通するようにカ
テーテルの上に適合する構成で形成される。バルーンはその端部で先細りとなり
その壁がカテーテルと結合し、またそのボディ部は広がって、その壁はカテーテ
ルより放射状に広がっている。あいにく、ポリマー製バルーンをこのような構成
で形成するとポリマーの二軸配向性をバルーン全体に亘って達成するのは事実上 不可能であることがわかった。特に、ポリマーの二軸配向性はバルーンのボディ
部においては実質的に実現可能だが、端部で先細りとなりカテーテルに結合する
部分(テーパー部)では二軸配向性は失われ一軸配向性あるいは無配向性となる
ことがわかった。この結果、バルーン自身は通常の「二軸配向性バルーン」であ
りながらバルーンのテーパー部においてはバルーンのボディ部で達成されている
構造強度が失われ、(血管拡張)操作が不成功に終わる可能性も高い。 【0006】 このような問題を踏まえ、バルーンのテーパー端部も含めてバルーン壁全体に
亘って均一な高い構造強度をそなえた二軸配向性ポリマーバルーンが要求される
。更に、二軸配向性ポリマーバルーン、特にそのテーパー端部での構造強度を高
める製造法が要求される。 【0007】 【課題を解決するための手段】 本発明は冠状動脈形成術のような医療上の拡張操作用のカテーテルバルーンに
関するものである。バルーンは構造強度が高められたポリマー複合体より形成さ
れている。本発明はさらに二軸配向性ポリマーカテーテルバルーンの構造強度を
高める方法に関するものである。カテーテルバルーンは伸張可能な中央ボディ部
とその両端に位置する先細りのテーパー端部からなっていて、それをカテーテル
が軸状に貫通するようになっている。ボディ部とテーパー端部はポリマー材の連
続した構造層から形成されている。バルーンのボディ部の材料は二軸配向性の特
性をそなえているが、バルーンのテーパー端部ではその特性は有していない。本
発明の好ましい態様としては、ボディ部のポリマー材とテーパー端部のポリマー
材は実質的に同じ分子組成でその配向性が異なっていることが好ましい。 【0008】 二軸配向性を持たないポリマー材料は弱く一般に構造強度も二軸配向性を有す
るポリマー材料に比べ低いので、本発明ではイミド含有ポリマーあるいはポリウ
レタン層をテーパー端部の構造層の外側に加え端部をコートしその強度を高める
。ポリマーコーティングはまた連続してバルーンのボディ部まで施すことにより
さらにボディ部の強度を高めてもよい。ポリマーコーティングはバルーンの表面 の片側あるいは両側、すなわちバルーンの外壁、内壁あるいは内外壁いずれに施
すことも可能である。 【0009】 本発明の方法は、ポリマーコーティングをテーパー端部の構造層に施し、端部
を外側よりコーティングしポリマーバルーンのうち実質的に二軸配向性を欠いて
いる部分の強度を高めることから構成されている。ポリマーコーティングはまた
バルーンの伸張可能なボディ部に施すことも可能である。バルーンに対するポリ
マーコーティングは液状の状態で行ない十分な熱処理によって高い強度の複合体
を形成するのが望ましい。ポリマーコーティングはまずポリマーを溶媒中に溶か
しその全溶液を構造層に塗付することによって行なわれる。溶媒は引き続く熱処
理の間にバルーンの表面より蒸発していく。 【0010】 本発明の新規な点は、本発明それ自身と共に、その構造及びその操作にあり、
添付の図面とその説明で良く理解されると思われる、ここで図中と説明文中の参
照記号はそれぞれ同じものを指している。 【0011】 始めに図1について説明すると、本発明のカテーテルバルーンは全体として1
0と番号付けられ、伸張可能なボディ部12と、ボディ部12の両端のテーパー
端部14a,14bが示されている。図1ではボディ部12が拡張した状態で描
かれている。バルーン10は、端部14a,14bに設けられたホール18a,
18bを軸状に貫通するカテーテル16に添って配置されている。液体に対し十
分緊密なシールが端部14a,14bとカテーテル16が接するホール18a,
18bに施されている。シールは単にカテーテル16とバルーン10の材料を接
着するかあるいはスリップ−フィットリングクランプ法(示されていない)によ
って行なわれる。バルーン10とカテーテル16は、冠状動脈形成術のような当
業者によく知られている医療上の拡張操作に適用されている。 【0012】 バルーン10の複合的な構成の詳細は図2に参照番号と共に示してある。図示
のため、バルーン10の上部の断面図のみが示されているがバルーン10は対称 形であり下部も本質的に上部と同一である。バルーン10は壁20を持つボディ
部12と、さらに壁22a,22bを持つテーパー端部14a,14bから構成
されている。壁20,22a,22bはバルーン10の連続な表面を形成し、ポ
リマー複合物より形成される。ボディ部12の内層24と端部14a,14bの
内層26a,26bは壁20,22a,22bに対する構造上の支持体となって
いる。内層24,26a,26bは壁20,22a,22bにわたって連続して
いることが望ましい。 【0013】 好ましい態様として示されているように、ボディ部12の外側の外層28とテ
ーパー端部14a,14bの外側の外層30a,30bは、それぞれ構造内層2
4,26a,26bの外側表面32,34a,34b上にコーティングを与える
ことになる。更にボディ部12の内側の外層36とテーパー端部14a,14b
の内側の外層38a,38bは、それぞれ構造内層24,26a,26bの内側
表面40,42a,42b上にコーティングを与えることになる。外側の外層2
8,30a,30bと内側の外層36,38a,38bは壁20,22a,22
bにわたって連続していることが望ましい。ここでは示されていないが本発明の
他の態様として内側の外層36,38a,38bあるいは外側の外層28,30
a,30bは両側の外層が同時に除外されるのでないかぎりそのどちらかはバル
ーン10より除外しても構わない。またボディ部12の外層28,36は壁20
より除外してボディ部12の構造層24はむきだしにして端部14a,14bの
壁22a,22bのみ外層を施すことも可能である。 【0014】 前述したいずれの場合においても、内層24,26a,26bは壁20,22
a,22bへの一次構造を与えるのに対し外層28,30a,30b,36,3
8a,38bはそれに対するコーティングとなる。従って、内層の厚みは外層の
厚みより厚いことが望ましい。外層の厚みはオーダーとして5×10-5から5×
10-4インチで1×10-4から3×10-4インチ内にあることが望ましく、一方
内層の厚みとしては1×10-4から8×10-4インチで2×10-4から4×10
-4インチ内にあることが望ましい。 【0015】 ボディ部12の構造層24はポリエチレン テレフタレート(PET)、ポリ
エチレン シレート グリコレート(PETG)あるいはそれらの混合物の分子
組成である二軸配向性ポリマーから作られている。構造層26a,26bは構造
層24と同じ分子組成であるのが望ましいが二軸配向性を有する必要はない。実
際、層24,26a,26bは同じ原料を用いて生産されるのが好ましいが、ポ
リマーに二軸配向性を与える処理の過程で層26a,26bの部分のポリマーの
ほとんどは二軸配向性を得られないままとなってしまう。従って層26a,26
bは実質的には二軸配向性を有しないとされる。しかしながらここで“実質的に
は二軸配向性を有しない”と言っているが、層26a,26bのポリマーは層2
4のポリマーに比べるとかなり劣るものの、ある程度は二軸配向性を持ってもよ
い。層26a,26bのポリマーの大部分は一軸配向性あるいは無配向性である
。 【0016】 外層の全てはイミド含有ポリマー(ポリイミドが最も適している)で均一に作
成されていることが望ましい。また、外層はポリウレタンで作成される場合もあ
る。外層の第一の役目はバルーン壁20,22a,22bの強度を高めることで
ある。とくに要求されるのは壁22a,22bを強化することであり、というの
は壁20は実質的に二軸配向性を有しているのに対し、これらの壁は二軸配向性
がなく本来的に強度が低いからである。ここで言われている“強度”とはバルー
ン壁20,22a,22bの張力と均一性である。従って、強度を高めるとは壁
20,22a,22bを強化し、またピンホール状の穴のような不均一性を修復
することを指している。 【0017】 本発明の方法はバルーン10の必要とされる内層をイミド含有ポリマーあるい
はポリウレタンでコーティングしポリマー複合体の強度を高めることによって行
なわれる。少なくとも、実質的に二軸配向性を有しない内層、すなわち内層26
a,26bは、本法によってイミド含有イミドポリマーでコーティングを施すの
が望ましい。必要とされる内層にポリマーコーティングを施すのは、ポリマー溶 液を内層上にスプレーで塗付するか、バルーン10を溶液に浸して行なわれる。
ポリマー溶液とはイミド含有ポリマーあるいはポリウレタンを溶媒に溶かしたも
のであってもよい。望ましい溶媒としては、溶剤ジメチル ピロリジン、メチレ
ン クロリド、酢酸エステル、アルコール、が単独であるいは混合溶媒として挙
げられる。 【0018】 バルーン10にポリマーコーティングを行なってポリマー複合体を形成するに
はバルーン10を、すでに当業者には既知の温度及び時間で処理する。この処理
の結果バルーン壁上にコーティングを施すと共に使用された溶剤を揮発させるこ
とができる。 【0019】 ここで詳細に例示あるいは開示されたポリマー複合体から形成される特殊なカ
テーテルバルーンによって、上述した目的及び利点は十分に得られるが、これは
本発明の好ましい態様を単に例として示しただけであって、本明細書に示された
特許請求の範囲記載以外の詳細な構成あるいは意図に本発明を制限しようとする
ものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明のカテーテルバルーンの遠近図。
【図2】
本発明のカテーテルバルーンの側面の断面の拡大模式図。
【符号の説明】
10 バルーン
12 ボディ部
14a,14b テーパー端部
16 カテーテル
18a,18b ホール
20 壁
22a,22b 壁
24 内層
26a,26b 内層
28 外層
30a,30b 外層
32 外側表面
34a,34b 外側表面
36 内側の外層
38a,38b 内側の外層
40 内側表面
42a,42b 内側表面
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 実質的に二軸配向性を有する第1ポリマーからなる構造層を有
する伸張可能なボディ部と、そのボディ部の両端のテーパー部とからなる、ポリ
マー複合体のカテーテルバルーンであって、該テーパー部は第2のポリマーから
なる内層と、該内層のみを被覆しかつ上記構造層の全体を被覆するものではない
外層とを有し、該外層は該内層の強度を高めるようなポリマーからなることを特
徴とする、上記カテーテルバルーン。 【請求項2】 第1および第2のポリマーが実質的に同一の分子組成で、この
組成はポリエチレン テレフタレート、ポリエチレン シレート グリコレート
およびそれらの混合物からなる群より選ばれる請求項1記載のカテーテルバルー
ン。 【請求項3】 実質的に二軸配向性を有しない少なくとも一部分を有するポリ
マー複合体カテーテルバルーンの強度を高める方法であって、イミド含有ポリマ
ー、ポリウレタン、およびその混合物からなる群から選択されたポリマーを、該
バルーンのうち実質的に二軸配向性を有しない上記少なくとも一部分の少なくと
も一部に適用して、該一部にコーティングを形成することを特徴とする、上記方
法。
Family
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