JP2026027770A - 燃焼式アンモニア分解装置および燃焼式アンモニア分解方法 - Google Patents
燃焼式アンモニア分解装置および燃焼式アンモニア分解方法Info
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Abstract
【課題】燃焼器にNH3と酸化剤を供給してH2とN2に分解し、精製してH2を効率よく製造することが可能な燃焼式アンモニア分解装置および燃焼式アンモニア分解方法を提供する。
【解決手段】アンモニアおよび酸化剤が供給される燃焼器11と、燃焼器11が設置される燃焼炉10と、燃焼炉10に接続された触媒槽20と、触媒槽20に接続された吸着槽31とを備え、燃焼炉10においては、燃焼器11にアンモニアおよび酸化剤を用いてアンモニア分解ガスを発生させ、触媒槽20においては、燃焼炉10から触媒槽20に導入されたアンモニア分解ガスに含まれる未反応アンモニアを分解し、触媒槽20が少なくとも2種類以上の触媒21,22により構成され、吸着槽31においては、未反応アンモニアを吸着して回収する。
【選択図】図1
【解決手段】アンモニアおよび酸化剤が供給される燃焼器11と、燃焼器11が設置される燃焼炉10と、燃焼炉10に接続された触媒槽20と、触媒槽20に接続された吸着槽31とを備え、燃焼炉10においては、燃焼器11にアンモニアおよび酸化剤を用いてアンモニア分解ガスを発生させ、触媒槽20においては、燃焼炉10から触媒槽20に導入されたアンモニア分解ガスに含まれる未反応アンモニアを分解し、触媒槽20が少なくとも2種類以上の触媒21,22により構成され、吸着槽31においては、未反応アンモニアを吸着して回収する。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃焼式アンモニア分解装置および燃焼式アンモニア分解方法に関する。
アンモニア(NH3)ガスを水素(H2)および窒素(N2)に分解する反応は、化学平衡状態において高温且つ低圧条件で促進される。常圧では、400℃以上で触媒反応を用いることで容易に前記分解反応を行うことが可能である。NH3分解用の触媒としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)等のNH3分解活性を有する金属が知られている。これらの触媒は、アルミナ(Al2O3)、ゼオライト等の無機質担体に担持されている。工業的には比較的安価であるFe触媒やNi触媒が広く用いられている。
NH3分解を連続的に行う反応装置としては、触媒を反応管に充填した触媒反応管(クラッキングチューブ)を外部より加熱し、NH3分解に伴う吸熱反応の熱補償を行う方法が一般的に採用されている。一方で、原料NH3の一部を燃焼(酸化反応)させることで発生させた熱を直接利用し、残りの原料NH3の分解(無酸化反応)を行う自己熱分解(ATR:Auto Thermal Reformer)もNH3分解技術として利用されている(例えば、特許文献1~4参照)。燃焼方法としては、酸化触媒を用いてNH3と酸化剤の混合ガスを触媒表面上で燃焼させる方法があり、商用利用されるケースは未だ少ないものの精力的に開発が行われている。
カーボンニュートラル社会実現に向けて、H2ガスは新たなエネルギーとして注目されている。ガスを遠隔地に輸送する際には、液化ガスもしくは圧縮ガスとして輸送することが一般的である。圧縮ガスは大量輸送に不向きであり、液化H2ガスは沸点が低いために液化に多大なエネルギーを必要とするといった課題がある。NH3は物性がプロパンに近く、沸点が高いために、H2に比較して輸送が容易である。実際に、NH3は肥料原料として、既にサプライチェーンが構築されている。NH3はH2キャリアとしても注目されており、消費地まで輸送されたNH3を分解してH2を取り出すことで、様々なエネルギーや、原料としての用途が期待できる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、燃焼器にNH3と酸化剤を供給してH2とN2に分解し、精製してH2を効率よく製造することが可能な燃焼式アンモニア分解装置および燃焼式アンモニア分解方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1] アンモニアおよび酸化剤が供給される燃焼器と、前記燃焼器が設置される燃焼炉と、前記燃焼炉に接続された触媒槽と、前記触媒槽に接続された吸着槽とを備え、前記燃焼炉においては、前記燃焼器にアンモニアおよび酸化剤を用いてアンモニア分解ガスを発生させ、前記触媒槽においては、前記燃焼炉から前記触媒槽に導入された前記アンモニア分解ガスに含まれる未反応アンモニアを分解し、前記触媒槽が少なくとも2種類以上の触媒により構成され、前記吸着槽においては、未反応アンモニアを吸着して回収することを特徴とする、燃焼式アンモニア分解装置。
[2] 前記燃焼器に供給される前記酸化剤が、酸素濃度が25vol%から100vol%の酸化剤であることを特徴とする、[1]に記載の燃焼式アンモニア分解装置。
[3] 前記吸着槽で回収されたアンモニアは、前記燃焼炉に設置された前記燃焼器に供給されることを特徴とする、[1]または[2]に記載の燃焼式アンモニア分解装置。
[4] 前記燃焼式アンモニア分解装置は、前記吸着槽の出口にガス精製装置を備え、前記ガス精製装置においては、前記吸着槽から排出される前記アンモニア分解ガスから窒素および水素を分離し、精製することを特徴とする、[1]~[3]のいずれか1項に記載の燃焼式アンモニア分解装置。
[5] アンモニアおよび酸化剤が供給される燃焼器と、前記燃焼器が設置される燃焼炉と、前記燃焼炉に接続された触媒槽と、前記触媒槽に接続された吸着槽とを用い、前記燃焼炉においては、前記燃焼器にアンモニアおよび酸化剤を用いてアンモニア分解ガスを発生させ、前記触媒槽においては、前記燃焼炉から前記触媒槽に導入された前記アンモニア分解ガスに含まれる未反応アンモニアを分解し、前記触媒槽が少なくとも2種類以上の触媒により構成され、前記吸着槽においては、未反応アンモニアを吸着して回収することを特徴とする、燃焼式アンモニア分解方法。
[6] 前記燃焼器に供給される前記酸化剤が、酸素濃度が25vol%から100vol%の酸化剤であることを特徴とする、[5]に記載の燃焼式アンモニア分解方法。
[7] 前記吸着槽で回収されたアンモニアは、前記燃焼炉に設置された前記燃焼器に供給されることを特徴とする、[5]または[6]に記載の燃焼式アンモニア分解方法。
[8] 前記吸着槽の出口にガス精製装置を用い、前記ガス精製装置においては、前記吸着槽から排出される前記アンモニア分解ガスから窒素および水素を分離し、精製することを特徴とする、[5]~[7]のいずれか1項に記載の燃焼式アンモニア分解方法。
[1] アンモニアおよび酸化剤が供給される燃焼器と、前記燃焼器が設置される燃焼炉と、前記燃焼炉に接続された触媒槽と、前記触媒槽に接続された吸着槽とを備え、前記燃焼炉においては、前記燃焼器にアンモニアおよび酸化剤を用いてアンモニア分解ガスを発生させ、前記触媒槽においては、前記燃焼炉から前記触媒槽に導入された前記アンモニア分解ガスに含まれる未反応アンモニアを分解し、前記触媒槽が少なくとも2種類以上の触媒により構成され、前記吸着槽においては、未反応アンモニアを吸着して回収することを特徴とする、燃焼式アンモニア分解装置。
[2] 前記燃焼器に供給される前記酸化剤が、酸素濃度が25vol%から100vol%の酸化剤であることを特徴とする、[1]に記載の燃焼式アンモニア分解装置。
[3] 前記吸着槽で回収されたアンモニアは、前記燃焼炉に設置された前記燃焼器に供給されることを特徴とする、[1]または[2]に記載の燃焼式アンモニア分解装置。
[4] 前記燃焼式アンモニア分解装置は、前記吸着槽の出口にガス精製装置を備え、前記ガス精製装置においては、前記吸着槽から排出される前記アンモニア分解ガスから窒素および水素を分離し、精製することを特徴とする、[1]~[3]のいずれか1項に記載の燃焼式アンモニア分解装置。
[5] アンモニアおよび酸化剤が供給される燃焼器と、前記燃焼器が設置される燃焼炉と、前記燃焼炉に接続された触媒槽と、前記触媒槽に接続された吸着槽とを用い、前記燃焼炉においては、前記燃焼器にアンモニアおよび酸化剤を用いてアンモニア分解ガスを発生させ、前記触媒槽においては、前記燃焼炉から前記触媒槽に導入された前記アンモニア分解ガスに含まれる未反応アンモニアを分解し、前記触媒槽が少なくとも2種類以上の触媒により構成され、前記吸着槽においては、未反応アンモニアを吸着して回収することを特徴とする、燃焼式アンモニア分解方法。
[6] 前記燃焼器に供給される前記酸化剤が、酸素濃度が25vol%から100vol%の酸化剤であることを特徴とする、[5]に記載の燃焼式アンモニア分解方法。
[7] 前記吸着槽で回収されたアンモニアは、前記燃焼炉に設置された前記燃焼器に供給されることを特徴とする、[5]または[6]に記載の燃焼式アンモニア分解方法。
[8] 前記吸着槽の出口にガス精製装置を用い、前記ガス精製装置においては、前記吸着槽から排出される前記アンモニア分解ガスから窒素および水素を分離し、精製することを特徴とする、[5]~[7]のいずれか1項に記載の燃焼式アンモニア分解方法。
本発明によれば、燃焼器にNH3と酸化剤を供給してH2とN2に分解し、精製してH2を効率よく製造することができる。
以下、好適な実施形態に基づいて、本発明を説明する。
図1に示す燃焼式アンモニア分解装置100は、NH3および酸化剤が供給される燃焼器11と、燃焼器11が設置される燃焼炉10と、燃焼炉10に接続された触媒槽20とを備える。触媒槽20には、吸着槽31が接続されている。
燃焼炉10においては、燃焼器11にNH3および酸化剤を用いてNH3分解ガスを発生させる。燃焼器11では、燃料としてNH3と酸化剤とが混合され、NH3の火炎12が形成される。この火炎12により、燃焼器11が設置された燃焼炉10の内部空間13に高温を発生することができる。
式(1)にNH3が燃焼するときの反応式の一例を示す。式(2)に示すように、燃焼器11に供給する酸化剤の量をNH3の燃焼に必要な量に対して少なく供給することで、燃焼炉10内にNH3分解ガスを生成することができる。式(2)の係数β,γ,δ,εは、係数αやその他の処理条件に応じて適宜に決定される。
NH3+0.75O2→1.5H2O+0.5N2 (1)
NH3+αO2→βH2O+γH2+δN2+εNH3 (2)
NH3+αO2→βH2O+γH2+δN2+εNH3 (2)
NH3分解ガスには、NH3が分解して生成されるH2およびN2、燃焼で生成するH2O、未反応で残存するNH3が含まれる。この混合ガスは、燃焼炉10に接続された触媒槽20に供給される。
燃焼器11としては、特に限定されないが、バーナ等が挙げられる。燃焼器11は、NH3を供給する経路と、酸化剤を供給する経路を別々に備えてもよい。NH3と酸化剤との混合は、燃焼器11内で混合ガスが燃焼を開始する前に実施してもよい。燃焼器11は、公知のATR技術のように、燃焼触媒の表面上でNH3を燃焼させてもよい。燃焼触媒を用いずに、ノズルからNH3と酸化剤を噴射しながらNH3を燃焼させてもよい。
燃焼器11におけるNH3の燃焼は、炭化水素系燃料(石油、天然ガス等)、炭素系燃料(石炭、木炭等)のような他の燃料を用いることなく、NH3のみを燃料としてもよい。また、NH3が分解して生成し得るH2の一部が燃焼器11または燃焼炉10で燃焼してもよい。
燃焼炉10は、NH3が燃焼する際の燃焼室を形成する。燃焼炉10の内部空間13には、NH3が燃焼して生成したNH3分解ガスが一時的に収容される。燃焼炉10から触媒槽20に導入されるNH3分解ガスの流量は、適宜に設定することができる。燃焼炉10におけるNH3分解ガスは、NH3が燃焼して生成したN2とH2O、N2が燃焼して生成したN2とH2、未反応のNH3等が含まれる。酸化剤がN2を含む場合は酸化剤に由来するN2もNH3分解ガスに含まれる。
触媒槽20においては、燃焼炉10から触媒槽20に導入されたNH3分解ガスに含まれる未反応NH3を分解する。燃焼炉10の出口と触媒槽20の入口との間には、NH3分解ガスが通るガス経路14が設けられている。ガス経路14を通じて触媒槽20に導入されるNH3分解ガスは、燃焼炉10内で燃焼したときの熱を保持した高温のガスである。このため、触媒槽20においては、NH3分解ガスに保持される熱で触媒を作動させ、未反応NH3をH2およびN2に分解することができる。
図示例の触媒槽20の出口には、吸着槽31が接続されている。吸着槽31では、NH3分解ガスに含まれる未反応NH3を吸着することで、NH3がH2およびN2に分解されたガスを得ることができる。吸着槽31としては、特に限定されないが、ゼオライト等の吸着剤が充填された槽が挙げられる。
触媒槽20に用いられる触媒は、NH3分解ガス中に残存する未反応NH3を分解することを目的としている。NH3の分解反応は吸熱反応となるため、触媒槽20を通過する高温のガスは、触媒反応の熱源として利用できる。しかしながら、ガス温度が高すぎると触媒が損耗する場合がある。ガス温度が低下すると触媒の反応効率も低下する。
そこで、本実施形態の燃焼式アンモニア分解装置100では、触媒槽20が少なくとも2種類以上の触媒により構成される。2種類以上の触媒としては、第1触媒21、第2触媒22が挙げられる。特に図示しないが、さらに第3触媒、第4触媒などを用いることができる。
より具体的には、図示例の触媒槽20に充填される触媒は、高温で作動する第1触媒21と低温で作動する第2触媒22で構成されている。
第1触媒21は高温で作動するため、燃焼炉10から触媒槽20に導入された直後のガス温度でも十分に耐久性がある。その一方でガス温度が低下するとその性能を発揮することができない。第2触媒22は、低温のガスでも作動することができるが、高温の燃焼ガスに晒されると、損耗するといった欠点を有する。
従って、本実施形態の燃焼式アンモニア分解装置100では、これら2種類以上の触媒を組み合わせることで、燃焼器11が生成した高温ガスのエネルギーを効率よく回収し、NH3を分解することができる。
第1触媒21は、触媒槽20の入口側で、適切な層高で充填することが好ましい。触媒槽20における第1触媒21の配置は、第2触媒22よりも触媒槽20の入口に近い側であることが好ましい。すなわち、ガス流通経路に沿った位置関係では、第1触媒21が第2触媒22よりも燃焼炉10に近い位置関係であることが好ましい。第1触媒21としては、例えば、800~1000℃程度で作動する触媒が例示される。
第2触媒22は、触媒槽20の出口側で、適切な層高で充填することが好ましい。触媒槽20における第2触媒22の配置は、第1触媒21よりも触媒槽20の出口に近い側であることが好ましい。すなわち、ガス流通経路に沿った位置関係では、第2触媒22が第1触媒21よりも燃焼炉10から離れた位置関係であることが好ましい。第2触媒22としては、例えば、400~600℃程度で作動する触媒が例示される。
触媒槽20を構成する2種類以上の触媒が、さらに第3触媒などを含む場合も図示例と同様に行うことができる。作動する温度がより高い種類の触媒は相対的に触媒槽20の入口側になり、作動する温度がより低い種類の触媒は相対的に触媒槽20の出口側になる順序で配置することが好ましい。
触媒槽20に使用される触媒としては、特に限定されないが、公知のNH3分解触媒の中から適宜に選択してもよい。触媒の具体例としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)等の遷移金属系触媒;ランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)等の希土類系触媒;ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)等の貴金属系触媒が挙げられる。
触媒槽20に使用される触媒は、担体に担持した状態で触媒槽20に配置することが好ましい。担体としては、特に限定されないが、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、ゼオライト、ムライト、コーディエライト等が挙げられる。担体は、比表面積が大きな多孔質であってもよく、例えばハニカム状、粒子状などであってもよい。
燃焼器11には酸化剤が供給される。燃焼器11に供給される酸化剤としては、NH3を酸化させることが可能な酸化剤が好ましく、NH3が分解して生成したH2を酸化させることが可能な酸化剤を含んでもよい。NH3を酸化剤との混合状態で燃焼させる観点では、NH3と同様に気相に含まれる酸化剤が好ましい。酸化剤の具体例として、酸素(O2)ガスまたはO2を含有するガスが挙げられる。
燃焼器11に供給される酸化剤は、O2濃度が25vol%から100vol%の酸化剤であることが好ましい。O2ガスまたはO2を含有するガスを酸化剤とする場合において、O2以外の成分としては、窒素(N2)、アルゴン(Ar)等が挙げられる。O2を含有する酸化剤は、大気中から得られる空気またはO2富化空気であってもよい。O2富化空気は、空気にO2を加えて得てもよく、空気からN2を除去して得てもよい。
酸化剤のO2濃度を高めることで、燃焼器11で形成する火炎12の温度を高めることができる。また、酸化剤中のN2が少なくなるため、燃焼ガスの量が少なくなる結果、燃焼炉の容積を小さくしたり、触媒槽20の加熱効率を向上したりすることが可能になる。また、酸化剤に含まれるN2が少なくなることで、触媒槽20出口におけるH2濃度が高くなる。これにより、製品としてH2を取り出すときの生産性が向上される。
図2は、燃焼器11におけるO2濃度と火炎12の温度の関係の一例を示すグラフである。また、図3は、燃焼器11における酸化剤のO2濃度とNH3分解ガスに含まれるH2濃度の関係の一例を示すグラフである。グラフの横軸は、燃焼器11に供給されるNH3とO2の比であって、理論的にNH3を全量酸化し得るO2量を1としている。ただし、O2量が1であっても、燃焼炉10でNH3が全量燃焼する前にNH3分解ガスが燃焼炉10から導出される可能性があるため、完全燃焼が起こるとは限らない。
図2および図3において、対比例に用いる酸化剤は空気(Air)である。酸化剤として空気を用いる場合に比べて、酸化剤としてO2(100vol%)を用いる場合は、より高温の火炎が生成し、NH3分解ガス中のO2濃度(モル分率)が高くなる。
上述したように、触媒槽20には、吸着槽31が接続されている。吸着槽31においては、触媒槽20を通過したNH3分解ガス中の未反応NH3およびH2Oを吸着することができる。これにより、触媒槽20から出てきたNH3分解ガス中の未反応NH3およびH2Oが、H2およびN2から分離される。
燃焼式アンモニア分解装置100は、吸着槽31の出口にガス精製装置32を備えてもよい。ガス精製装置32においては、吸着槽31から排出されるNH3分解ガスからN2およびH2を分離し、精製する。図示例のガス精製装置32は、触媒槽20との間に吸着槽31を介して、触媒槽20の出口に接続されている。
ガス精製装置32としては、膜式のガス分離器、もしくは吸着剤を使用した圧力スイング式(PSA,VPSA,VSA)や温度スイング式(TSA)のガス分離・精製器を用いることができる。圧力スイング式の吸着方式は、吸着・脱着の圧力条件に応じて、広義のPSAが狭義のPSAとVPSA,VSAに区別され得る。
触媒槽20とガス精製装置32との間には、上述したように吸着槽31が接続される。図示例では、触媒槽20と吸着槽31の間のガス経路23に未反応NH3を含むガスが流れる。吸着槽31とガス精製装置32の間のガス経路34に未反応NH3が除去されたガスが流れる。ガス精製装置32では、NH3分解ガスから生成されたH2を分離し、製品または製品原料として得ることができる。
吸着槽31で吸着剤に吸着された未反応NH3を回収する方法としては、特に限定されず、適宜の方法を採用することができる。例えば、吸着剤の特性に応じて、真空ポンプ、加熱器などを用いて吸着剤から脱離して回収する方法が挙げられる。また、吸着剤から未反応NH3が脱離することにより、吸着剤の吸着能力が再生される。
吸着槽31においては、NH3分解ガス中の未反応NH3を、気相中の物理吸着により吸着することが好ましい。吸着剤が気相中の未反応NH3を吸着し、また、吸着剤に吸着した未反応NH3を吸着剤から気相中に脱離することにより、未反応NH3の取り扱いが容易になる。
吸着槽31から回収された未反応NH3の再利用を図るには、回収NH3から水分を除去することが好ましい。例えば、NH3とH2Oに対する吸着能力が異なる吸着剤を用いて、回収NH3中の水分を吸着により除去してもよい。例えば、上述した圧力スイング式(PSA,VPSA,VSA)や温度スイング式(TSA)のガス分離・精製器を用いて、H2OとNH3を分離してもよい。吸着槽31から未反応NH3を取り出した後に、吸着槽31外の操作で未反応NH3を精製してもよく、吸着槽31の吸着剤から未反応NH3を脱離させる際に、吸着槽31内の操作で未反応NH3をH2Oから分離してもよい。
また、回収NH3から水分を除去するため、化学的に水分と反応する水分除去剤を用いてもよい。例えば、酸化バリウム(BaO)は、NH3と反応することなく、BaO+H2O→Ba(OH)2のように不可逆的に水分と反応するので、NH3の水分除去剤として好適である。
吸着槽31から回収された未反応NH3は、回収経路33を介して燃焼炉10の燃焼器11に供給することができる。燃焼器11に供給されるNH3としては、燃焼器11に新規に供給されるNH3と、吸着槽31から回収した未反応NH3とを、所望の割合で併用することができる。
ガス経路14,23,34および回収経路33としては、配管等が挙げられる。ガス経路14,23,34の断面積や長さ等は、その前後に接続される各部(燃焼炉10、触媒槽20、吸着槽31、ガス精製装置32)間におけるガス流量等に応じて、適宜設定することができる。
燃焼式アンモニア分解装置100およびこれを用いた燃焼式アンモニア分解方法によれば、燃焼器にNH3と酸化剤を供給してH2とN2に分解し、精製してH2を効率よく製造することができる。
以下、本発明に関する実施例および比較例を示す。
図1の装置構成において、燃焼器11にNH3ガスおよびO2ガスを導入し燃焼を行い、燃焼炉10においてNH3分解ガスを発生させた後に触媒槽20へと導入し、NH3転換率を評価した。
NH3転換率は、触媒槽20に導入されたNH3のうち、触媒槽20でH2およびN2に分解されたNH3の割合と定義した。触媒槽20に導入されたNH3ガスの量は、燃焼炉10において未反応で残存したNH3ガスの量である。
実施例1においては、触媒槽20に2種類の触媒として触媒(A)および触媒(B)を用いた。触媒(A)としてNi触媒を触媒槽20の入口側に配置し、触媒(B)としてRu触媒を触媒槽20の出口側に配置した。触媒(A)のNi触媒は、Ru触媒よりも高温で作動することができる。触媒(B)のRu触媒は、Ni触媒よりも低温で作動することができる。
比較例1においては、触媒(A)および触媒(B)の両方にNi触媒を配置し、1種類のみの触媒を用いた。
NH3ガス流量、O2ガス流量、NH3分解ガス流量、触媒槽入口ガス温度、および空間速度(SV)値については、実施例1と比較例1とで同様の条件とした。ここで、触媒槽入口でのNH3分解ガス温度が1000℃のため、Ru触媒に直接NH3分解ガスを導入するとRuが揮発することでRu触媒が失活する。そのため、Ru触媒のみを用いる比較例ではNH3転換率の評価を実施していない。
表1にNH3転換率の評価結果を示す。実施例1について、NH3転換率は99%以上となり、未反応NH3ガスが有効に分解された。一方で、比較例1について、NH3転換率は74%となり、NH3分解ガスが触媒槽20を通過した後も未反応NH3が残留した。
実施例1の結果は、触媒槽20でNi触媒とRu触媒とを組み合わせることで、触媒槽に1000℃で導入されたNH3分解ガスの顕熱を十分に利用しNH3分解反応が進行したためと考えられる。比較例1の結果は、触媒槽20にNi触媒のみを用いたために、NH3分解ガスから有効に利用できる顕熱の割合が減少し、NH3分解反応が十分に進行しなかったためと考えられる。
さらに図1の装置構成においては、触媒槽20に吸着槽31が接続される。触媒槽20を通過しても残存する未反応NH3は、吸着槽31においてNH3分解ガスから吸着して回収することができる。
10…燃焼炉、11…燃焼器、12…火炎、13…内部空間、14,23,34…ガス経路、20…触媒槽、21…第1触媒、22…第2触媒、31…吸着槽、32…ガス精製装置、33…回収経路、100…燃焼式アンモニア分解装置。
Claims (8)
- アンモニアおよび酸化剤が供給される燃焼器と、前記燃焼器が設置される燃焼炉と、前記燃焼炉に接続された触媒槽と、前記触媒槽に接続された吸着槽とを備え、
前記燃焼炉においては、前記燃焼器にアンモニアおよび酸化剤を用いてアンモニア分解ガスを発生させ、
前記触媒槽においては、前記燃焼炉から前記触媒槽に導入された前記アンモニア分解ガスに含まれる未反応アンモニアを分解し、
前記触媒槽が少なくとも2種類以上の触媒により構成され、
前記吸着槽においては、未反応アンモニアを吸着して回収することを特徴とする、燃焼式アンモニア分解装置。 - 前記燃焼器に供給される前記酸化剤が、酸素濃度が25vol%から100vol%の酸化剤であることを特徴とする、請求項1に記載の燃焼式アンモニア分解装置。
- 前記吸着槽で回収されたアンモニアは、前記燃焼炉に設置された前記燃焼器に供給されることを特徴とする、請求項1または2に記載の燃焼式アンモニア分解装置。
- 前記燃焼式アンモニア分解装置は、前記吸着槽の出口にガス精製装置を備え、
前記ガス精製装置においては、前記吸着槽から排出される前記アンモニア分解ガスから窒素および水素を分離し、精製することを特徴とする、請求項1または2に記載の燃焼式アンモニア分解装置。 - アンモニアおよび酸化剤が供給される燃焼器と、前記燃焼器が設置される燃焼炉と、前記燃焼炉に接続された触媒槽と、前記触媒槽に接続された吸着槽とを用い、
前記燃焼炉においては、前記燃焼器にアンモニアおよび酸化剤を用いてアンモニア分解ガスを発生させ、
前記触媒槽においては、前記燃焼炉から前記触媒槽に導入された前記アンモニア分解ガスに含まれる未反応アンモニアを分解し、
前記触媒槽が少なくとも2種類以上の触媒により構成され、
前記吸着槽においては、未反応アンモニアを吸着して回収することを特徴とする、燃焼式アンモニア分解方法。 - 前記燃焼器に供給される前記酸化剤が、酸素濃度が25vol%から100vol%の酸化剤であることを特徴とする、請求項5に記載の燃焼式アンモニア分解方法。
- 前記吸着槽で回収されたアンモニアは、前記燃焼炉に設置された前記燃焼器に供給されることを特徴とする、請求項5または6に記載の燃焼式アンモニア分解方法。
- 前記吸着槽の出口にガス精製装置を用い、
前記ガス精製装置においては、前記吸着槽から排出される前記アンモニア分解ガスから窒素および水素を分離し、精製することを特徴とする、請求項5または6に記載の燃焼式アンモニア分解方法。
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| JP2026027770A true JP2026027770A (ja) | 2026-02-19 |
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