JP2024526295A - Kras g12d阻害剤及びその使用 - Google Patents

Kras g12d阻害剤及びその使用 Download PDF

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JP2024526295A
JP2024526295A JP2024500105A JP2024500105A JP2024526295A JP 2024526295 A JP2024526295 A JP 2024526295A JP 2024500105 A JP2024500105 A JP 2024500105A JP 2024500105 A JP2024500105 A JP 2024500105A JP 2024526295 A JP2024526295 A JP 2024526295A
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ワン、フォン
ワン、チンルー
チャン、チョアンシウ
チョウ、フォン
チャン、マン
カオ、ターシン
Original Assignee
シャンハイ ドーァ ノボ ファーマテック カンパニー,リミティド
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Abstract

Figure 2024526295000001
式(I)で表されるKRAS阻害剤化合物、その異性体又は薬学的に許容される塩を開示し、前記式(I)で表される化合物及びその組成物は、KRAS突然変異に関連する疾患を効果的に治療することができる。

Description

本出願は出願日が2021年7月2日である中国特許出願CN202110752493.4の優先権、出願日が2021年7月30である中国特許出願CN202110873254.4の優先権、出願日が2021年9月10である中国特許出願CN202111062878.4の優先権、出願日が2021年11月19日である中国特許出願CN202111398357.6の優先権、出願日が2022年01月14日である中国特許出願CN202210042057.2の優先権、出願日が2022年06月15日である中国特許出願CN202210675157.9の優先権を主張する。本出願は上記の中国特許出願の全文を引用する。
本発明は、新規なKRAS G12Dの活性を阻害する化合物に関する。特に、本発明は、KRAS G12Dの活性を不可逆的に阻害する化合物に関し、その医薬組成物及び癌治療薬としての使用を含む。
RAS遺伝子ファミリーは、主にKRAS、NRAS及びHRASの3つの遺伝子を含む。RAS遺伝子は癌原遺伝子であり、活性化されると発癌活性を持つ癌遺伝子になる。RASは、p21タンパク質又はRASタンパク質として称され、188~189個のアミノ酸から構成される一群の単量体球状タンパク質(21kD)をコードしている。RASタンパク質は、不活性GDP結合状態と活性GTP結合状態の間を循環できるGDP/GTP結合タンパク質であり、「分子スイッチ」として機能する。RASのGDP/GTPサイクルは、グアニンヌクレオチド交換因子(例えば:SOS又はRASGRP)によって活性化され、GTPase開始タンパク質(GAPs、例えば:p120GAP又はニューロフィブロミン)によって不活性化される。GAPとRASの間の相互作用は、GTPからGDPへの変換を劇的に促進し、オフスイッチはRASを不活性化させ、RASとGAPの相互作用又はGTPをGDPに戻す能力に影響を与える突然変異は、RASを継続的に活性化させ、その結果、細胞へのシグナル伝達が延長される。RASは様々な重要なシグナル伝達経路を通じて細胞の増殖、分化、及び老化を調節できるため、下流のシグナル伝達経路(例えば:PI3K-AKT-mTOR、RAF-MEK-ERK、RALGDS-RAL)の長期活性化は最終的に癌の発生につながる。
RASタンパク質は、更にヌクレオチドに結合するPループとスイッチI(残基30~40)及びスイッチII(残基60~76)ドメインを含む、高度に保存されたN末端結合ドメインを含む。その中で、pループは、アミノ酸の結合と加水分解に必要な、保存されたアミノ酸残基(グリシン12、スレオニン26及びリシン16)を持つ結合ドメインの堅い部分である。スイッチI及びスイッチIIのスレオニン-35及びグリシン-60は、GTPのγ-リン酸/エステルと水素結合を形成して、それぞれスイッチI及びII領域の活性構造を維持する。GTPの加水分解とリン酸/エステルの放出後、両方とも不活性なGDP構造に緩和される可能性がある。更に、RASタンパク質はCAAXボックスと称されるC末端伸長部分を含み、これは翻訳後修飾を受けることができ、タンパク質を細胞膜に標的化する役割を担っている(Jonathan et al. Nature Reviews, 2016, 15: 771-785)。
RAS遺伝子は、点突然変異、過剰発現及び遺伝子の挿入と転座を通じてRASを継続的に活性化した状態に保つことができ、これらの中では点突然変異が最も一般的であり、ヒト悪性腫瘍の約30%はRAS遺伝子に点突然変異を持っている。KRASの点突然変異が最も一般的であり、一般的な突然変異部位はコドン12、13、61であり、この中で、コドン12の突然変異が最も一般的である。これらの活性化突然変異は、内因性GTアーゼ活性を不活性化し、GTアーゼ活性化タンパク質に対する耐性を引き起こすことにより、GTP結合状態のRASタンパク質の含有量を増加させる(Zenker et al. J Med Genet, 2007, 44:131-135)。
KRASの異常発現はすべての悪性腫瘍の20%を占め、その中でG12D突然変異は最も一般的な突然変異の1つであり、膵管内管状腺癌患者におけるG12D突然変異の発生率は約25%、結腸直腸癌患者におけるG12D突然変異の発生率は約13.3%、直腸癌患者におけるG12D突然変異の発生率は約10.1%、非小細胞肺癌患者におけるG12D突然変異の発生率は約4.1%である。小細胞肺癌患者におけるG12D突然変異の発生率は約1.7%である(Cancer Discovery, 2017, 7(8):818-831)。
悪性腫瘍におけるKRAS、特にKRAS G12Dを含む突然変異体の重要な役割を示す研究が増えており、KRASは製薬業界の重要な標的となっているが、現在市場には関連する薬剤は上市されていないため、KRAS G12Dを含むKRAS突然変異体の新しい阻害剤の開発が急務となっている。
本発明によって解決されるべき技術的問題は、癌などのKRAS G12Dに関連する様々な疾患を効果的に治療できる、KRAS G12D阻害活性を有する新規化合物を提供することである。
本発明は、式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩を提供する。
ただし、Vは、-CH-、-O-、-S-又は-NR10a-であり、
Z、Z及びZは、下記のいずれか1つの組み合わせであり:
1)Zは、Cであり、Z及びZは、それぞれ独立してCR又はNであり、或いは
2)Zは、N又はCHであり、Z及びZは、それぞれ独立してNR、C(R又はC(O)であり、
Xは、N又はCHであり、
は、N又はCRであり、
は、N又はCであり、
は、C6-12アリール又は5~12員ヘテロアリールであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のRにより任意位置で置換され、
は、水素、-R、-NR、-OR又は-SRであり、
及びRは、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、C1-6アルキルアミノ、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルコキシ、5~6員ヘテロアリール、-C(O)R’’、-C(O)OR’’又は-C(O)N(R’’)であり、R又はRにおいて、前記C1-6アルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシル、シアノ、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルコキシ及びC1-6アルキルアミノから選択される置換基により任意位置で置換され、
Uは、N又はCであり、UがNである場合、Lは、-(CHW(CH-であり、Rは、存在しなく、或いはUがCである場合、Lは、存在しないか、又は-(CHW(CH-であり、Rは、水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり、Rにおいて、前記C1-6アルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシル、シアノ、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルコキシ及びC1-6アルキルアミノから選択される置換基により任意位置で置換され、
前記R及びRは、それぞれ独立した置換基であるか、或いはR及びRが互いに結合して二重結合、C3-8シクロアルキル又は3~8員ヘテロシクロアルキルを形成し、前記C3-8シクロアルキル又は3~8員ヘテロシクロアルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のR10により任意位置で置換され、
Wは、連結結合、-CH=CH-、
、-NH-、-O-、-S-又は-S(O)1-2-であり、
は、水素、ハロゲン又はシアノであり、
は、水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルキル又はハロC1-6アルコキシであり、
各Rは、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、-N(R’)、-OR’、-SR’、-NHC(O)R’’、-NHC(O)N(R’’)、-C(O)R’’、-C(O)N(R’’)、-OC(O)R’’、-OC(O)N(R’’)又は-B(OR’’)であり、Rにおいて、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル又はC3-8シクロアルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数の重水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、-N(R’)、-OR’、-SR’、-NHC(O)R’’、-C(O)R’’、-C(O)N(R’’)、-OC(O)R’’、-OC(O)N(R’’)及び-B(OR’’)から選択される置換基により任意位置で置換され、
各R10は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、オキソ、C1-6アルキレン、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、-N(R’)、-OR’、-C(O)R’’、-C(O)OR’’又は-C(O)N(R’’)であり、R10において、前記C1-6アルキル、C1-6アルキレン、C2-6アルケニル又はC2-6アルキニルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数の重水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、-N(R’)及び-OR’から選択される置換基により任意位置で置換され、
10aは、水素又はC1-6アルキルであり、前記C1-6アルキルは、非置換であるか、或いは選択的に下記の1つ又は複数のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、-N(R’)及び-OR’から選択される置換基により任意位置で置換され、
は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル、C3-10シクロアルキル-C1-6アルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル-C1-6アルキル、C6-10アリール-C1-6アルキル又は5~10員ヘテロアリール-C1-6アルキルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のRにより任意位置で置換され、
は、水素、シアノ、ヒドロキシ又はC1-6アルキルであり、
及びRは、独立して置換基であるか、或いはR及びRは互いに結合して4~8員ヘテロシクロアルキルを形成し、前記ヘテロシクロアルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のヒドロキシ、シアノ、アミノ、オキソ、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C3-8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、5~10員ヘテロアリール-C1-4アルキル、-C(O)R’’、-(CHOR’’及び-(CHN(R’’)から選択される置換基により任意位置で置換され、
は、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、オキソ、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルキレン、ハロC1-6アルキル、C3-8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、5~10員ヘテロアリール-C1-4アルキル、-(CHOR’、-(CHN(R’)、-(CH-N(CN)R’、-(CH-C(O)R’、-(CH-C(O)N(R’)、-(CH-S(O)N(R’)、-(CH-NR’’C(O)R’、-(CH-NR’’S(O)R’、-(CH-N(NH)N(R’)、-(CH-NR’’C(O)N(R’)、-(CH-NR’’C(O)OR’、-(CH-OC(O)R’、-(CH-OC(O)N(R’)又は-(CH-B(OR’’)であり、Rにおいて、前記C1-6アルキレン、C3-8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、5~10員ヘテロアリール-C1-4アルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルアミノ及びC1-6アルキルから選択される置換基により任意位置で置換され、
各R’は、独立して水素、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、ヒドロキシ-C1-4アルキル、シアノ-C1-4アルキル、C1-4アルコキシ-C1-4アルキル、アミノ-C1-4アルキル、C1-6アルキルアミノ-C1-4アルキル、C3-8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、6~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル又は6~10員ヘテロアリール-C1-4アルキルであり、
各R’’は、独立して水素又はC1-6アルキルであり、
各mは、独立して0、1、2又は3であり、
nは、0、1、2、3又は4であり、
qは、0、1、2又は3であり、
tは、0、1、2又は3である。
下記に記載の式(I)で表される全ての実施形態及び各変量の組み合わせは、いずれも本発明の式(I)で表される構造式の範囲に含まれる。
いくつかの実施形態において、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩の中で、一部の基の定義は下記に記載された通りであり、残りの基の定義は下記のいずれかのプロトコルに記載された通りである(以下、「いくつかの実施形態において」と略す)。
ただし、Vは、-CH-、-O-、-S-又は-NR10a-であり、
Z、Z及びZは、下記のいずれか1つの組み合わせであり:
1)Zは、Cであり、Z及びZは、それぞれ独立してCR又はNであり、或いは
2)Zは、N又はCHであり、Z及びZは、それぞれ独立してNR、C(R又はC(O)であり、
Xは、N又はCHであり、
は、N又はCRであり、
は、N又はCであり、
は、C6-12アリール又は5~12員ヘテロアリールであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のR基により任意位置で置換され、
は、水素、-R、-NR、-OR又は-SRであり、
及びRは、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、C1-6アルキルアミノ、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルコキシ、5~6員ヘテロアリール、-C(O)R’’、-C(O)OR’’又は-C(O)N(R’’)であり、R又はRにおいて、前記C1-6アルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシル、シアノ、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルコキシ及びC1-6アルキルアミノから選択される置換基により任意位置で置換され、
Uは、N又はCであり、UがNである場合、Lは、-(CHW(CH-であり、Rは、存在しなく、或いはUがCである場合、Lは、存在しないか、又は-(CHW(CH-であり、Rは、水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり、Rにおいて、前記C1-6アルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシル、シアノ、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルコキシ及びC1-6アルキルアミノから選択される置換基により任意位置で置換され、
前記R及びRは、それぞれ独立した置換基であるか、或いははR及びRは互いに結合して二重結合、C3-8シクロアルキル又は3~8員ヘテロシクロアルキルを形成し、前記C3-8シクロアルキル又は3~8員ヘテロシクロアルキルは、非置換であるか、或いはは選択的に1つ又は複数のR10により任意位置で置換され、
Wは、連結結合、-CH=CH-、
、-NH-、-O-、-S-又は-S(O)1-2-であり、
は、水素、ハロゲン又はシアノであり、
は、水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルキル又はハロC1-6アルコキシであり、
各Rは、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、-N(R’)、-OR’、-SR’、-NHC(O)R’’、-C(O)R’’、-C(O)N(R’’)、-OC(O)R’’、-OC(O)N(R’’)又は-B(OR’’)であり、Rにおいて、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル又はC3-8シクロアルキルは、非置換であるか、或いはは選択的に1つ又は複数の重水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、-N(R’)、-OR’、-SR’、-NHC(O)R’’、-C(O)R’’、-C(O)N(R’’)、-OC(O)R’’、-OC(O)N(R’’)及び-B(OR’’)から選択される置換基により任意位置で置換される。
各R10は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、オキソ、C1-6アルキレン、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、-N(R’)、-OR’、-C(O)R’’、-C(O)OR’’又は-C(O)N(R’’)であり、R10において、前記C1-6アルキル、C1-6アルキレン、C2-6アルケニル又はC2-6アルキニルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数の重水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、-N(R’)及び-OR’から選択される置換基により任意位置で置換され、
10aは、水素又はC1-6アルキルであり、前記C1-6アルキルは、非置換であるか、或いは選択的に下記の1つ又は複数のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、-N(R’)及び-OR’から選択される置換基により任意位置で置換され、
は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル、C3-10シクロアルキル-C1-6アルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル-C1-6アルキル、C6-10アリール-C1-6アルキル又は5~10員ヘテロアリール-C1-6アルキルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のRにより任意位置で置換され、
は、水素、シアノ、ヒドロキシ又はC1-6アルキルであり、
及びRは、独立して置換基であるか、或いははR及びRは互いに結合して4~8員ヘテロシクロアルキルを形成し、前記ヘテロシクロアルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のヒドロキシ、シアノ、アミノ、オキソ、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C3-8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、5~10員ヘテロアリール-C1-4アルキル、-C(O)R’’、-(CHOR’’及び-(CHN(R’’)から選択される置換基により任意位置で置換され、
は、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、オキソ、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルキレン、ハロC1-6アルキル、C3-8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、5~10員ヘテロアリール-C1-4アルキル、-(CHOR’、-(CHN(R’)、-(CH-N(CN)R’、-(CH-C(O)R’、-(CH-C(O)N(R’)、-(CH-S(O)N(R’)、-(CH-NR’’C(O)R’、-(CH-NR’’S(O)R’、-(CH-N(NH)N(R’)、-(CH-NR’’C(O)N(R’)、-(CH-NR’’C(O)OR’、-(CH-OC(O)R’、-(CH-OC(O)N(R’)又は-(CH-B(OR’’)であり、Rにおいて、前記C1-6アルキレン、C3-8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、5~10員ヘテロアリール-C1-4アルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルアミノ及びC1-6アルキルから選択される置換基により任意位置で置換され、
各R’は、独立して水素、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、ヒドロキシ-C1-4アルキル、シアノ-C1-4アルキル、C1-4アルコキシ-C1-4アルキル、アミノ-C1-4アルキル、C1-6アルキルアミノ-C1-4アルキル、C3-8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、6~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル又は6~10員ヘテロアリール-C1-4アルキルであり、
各R’’は、独立して水素又はC1-6アルキルであり、
各mは、独立して0、1、2又は3であり、
nは、0、1、2、3又は4であり、
qは、0、1、2又は3であり、
tは、0、1、2又は3である。
いくつかの実施形態において、
であり、
ただし、Vは、-CH-、-O-、-S-又は-NR10a-であり、
Z、Z及びZは、下記のいずれか1つの組み合わせであり:
1)Zは、Cであり、Z及びZは、それぞれ独立してCR又はNであり、又は
2)Zは、N又はCHであり、Z及びZは、それぞれ独立してNR、C(R又はC(O)であり、
Xは、N又はCHであり、
は、N又はCRであり、
は、N又はCであり、
は、C6-12アリール又は5~12員ヘテロアリールであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のR基により任意位置で置換され、
は、水素、-R、-NR、-OR又は-SRであり、
及びRは、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、C1-6アルキルアミノ、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルコキシ、5~6員ヘテロアリール、-C(O)R’’、-C(O)OR’’又は-C(O)N(R’’)であり、R又はRにおいて、前記C1-6アルキルは、非置換であるか、或いはは選択的に1つ又は複数のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシル、シアノ、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルコキシ及びC1-6アルキルアミノから選択される置換基により任意位置で置換され、
Uは、N又はCであり、UがNである場合、Lは、-(CHW(CH-であり、Rは、存在しなく、或いはUがCである場合、Lは、存在しないか、或いは-(CHW(CH-であり、Rは、水素、ハロゲン又はC1-6アルキルであり、Rにおいて、前記C1-6アルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシル、シアノ、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルコキシ及びC1-6アルキルアミノから選択される置換基により任意位置で置換され、
前記R及びRは、それぞれ独立した置換基であるか、或いはR及びRは互いに結合して二重結合、C3-8シクロアルキル又は3~8員ヘテロシクロアルキルを形成し、前記C3-8シクロアルキル又は3~8員ヘテロシクロアルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のR10により任意位置で置換され、
Wは、連結結合、-CH=CH-、-NH-、-O-、-S-又は-S(O)1-2-であり、
は、水素、ハロゲン又はシアノであり、
は、水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルキル又はハロC1-6アルコキシであり、
各Rは、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、-N(R’)、-OR’、-SR’、-NHC(O)R’’、-C(O)R’’、-C(O)N(R’’)、-OC(O)R’’、-OC(O)N(R’’)又は-B(OR’’)であり、Rにおいて、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル又はC3-8シクロアルキルは、非置換であるか、或いはは選択的に1つ又は複数の重水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、-N(R’)、-OR’、-SR’、-NHC(O)R’’、-C(O)R’’、-C(O)N(R’’)、-OC(O)R’’、-OC(O)N(R’’)及び-B(OR’’)から選択される置換基により任意位置で置換される。
各R10は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、オキソ、C1-6アルキレン、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、-N(R’)、-OR’、-C(O)R’’、-C(O)OR’’又は-C(O)N(R’’)であり、R10において、前記C1-6アルキル、C1-6アルキレン、C2-6アルケニル又はC2-6アルキニルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数の重水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、-N(R’)及び-OR’から選択される置換基により任意位置で置換され、
10aは、水素又はC1-6アルキルであり、前記C1-6アルキルは、非置換であるか、或いは選択的に下記の1つ又は複数のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、-N(R’)及び-OR’から選択される置換基により任意位置で置換され、
は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル、C3-10シクロアルキル-C1-6アルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル-C1-6アルキル、C6-10アリール-C1-6アルキル又は5~10員ヘテロアリール-C1-6アルキルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のRにより任意位置で置換され、
は、水素、シアノ、ヒドロキシ又はC1-6アルキルであり、
及びRは、独立して置換基であるか、或いはR及びRは互いに結合して4~8員ヘテロシクロアルキルを形成し、前記ヘテロシクロアルキルは、非置換であるか、は類は選択的に1つ又は複数のヒドロキシ、シアノ、アミノ、オキソ、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C3-8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、5~10員ヘテロアリール-C1-4アルキル、-C(O)R’’、-(CHOR’’及び-(CHN(R’’)から選択される置換基により任意位置で置換され、
は、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、オキソ、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルキレン、ハロC1-6アルキル、C3-8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、5~10員ヘテロアリール-C1-4アルキル、-(CHOR’、-(CHN(R’)、-(CH-N(CN)R’、-(CH-C(O)R’、-(CH-C(O)N(R’)、-(CH-S(O)N(R’)、-(CH-NR’’C(O)R’、-(CH-NR’’S(O)R’、-(CH-N(NH)N(R’)、-(CH-NR’’C(O)N(R’)、-(CH-NR’’C(O)OR’、-(CH-OC(O)R’、-(CH-OC(O)N(R’)又は-(CH-B(OR’’)であり、Rにおいて、前記C1-6アルキレン、C3-8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、5~10員ヘテロアリール-C1-4アルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルアミノ及びC1-6アルキルから選択される置換基により任意位置で置換され、
各R’は、独立して水素、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、ヒドロキシ-C1-4アルキル、シアノ-C1-4アルキル、C1-4アルコキシ-C1-4アルキル、アミノ-C1-4アルキル、C1-6アルキルアミノ-C1-4アルキル、C3-8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、6~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル又は6~10員ヘテロアリール-C1-4アルキルであり、
各R’’は、独立して水素又はC1-6アルキルであり、
各mは、独立して0、1、2又は3であり、
nは、0、1、2、3又は4であり、
qは、0、1、2又は3であり、
tは、0、1、2又は3である。
いくつかの実施形態において、
であり、
ただし、Vは、-O-であり、
Zは、Cであり、Z及びZは、それぞれ独立してCR又はNであり、
Xは、Nであり、Xは、Nであり、Xは、Cであり、
は、C6-12アリール又は5~12員ヘテロアリールであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のR基により任意位置で置換され、
は、水素、-R、-NR、-OR又は-SRであり、
及びRは、それぞれ独立して水素であり、
Uは、Nであり、Rは、存在しなく、
Lは、-CHCH-であり、
各Rは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルキル又はハロC1-6アルコキシであり、
各Rは、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、-N(R’)、-OR’、-SR’、-NHC(O)R’’、-C(O)R’’、-C(O)N(R’’)、-OC(O)R’’、-OC(O)N(R’’)又は-B(OR’’)であり、Rにおいて、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル又はC3-8シクロアルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のハロゲン、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、-N(R’)、-OR’、-SR’、-NHC(O)R’’、-C(O)R’’、-C(O)N(R’’)、-OC(O)R’’、-OC(O)N(R’’)及び-B(OR’’)から選択される置換基により任意位置で置換され、
各R10は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1-6アルキル又はオキソであり、
は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル、C3-10シクロアルキル-C1-6アルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル-C1-6アルキル、C6-10アリール-C1-6アルキル又は5~10員ヘテロアリール-C1-6アルキルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のRにより任意位置で置換され、
は、水素、シアノ、ヒドロキシ又はC1-6アルキルであり、
及びRは、独立して置換基であるか、或いはR及びRは互いに結合して4~8員ヘテロシクロアルキルを形成し、前記ヘテロシクロアルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のヒドロキシ、シアノ、アミノ、オキソ、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C3-8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、5~10員ヘテロアリール-C1-4アルキル、-C(O)R’’、-(CHOR’’及び-(CHN(R’’)から選択される置換基により任意位置で置換され、
は、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、オキソ、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルキレン、ハロC1-6アルキル、C3-8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、5~10員ヘテロアリール-C1-4アルキル、-(CHOR’、-(CHN(R’)、-(CH-N(CN)R’、-(CH-C(O)R’、-(CH-C(O)N(R’)、-(CH-S(O)N(R’)、-(CH-NR’’C(O)R’、-(CH-NR’’S(O)R’、-(CH-N(NH)N(R’)、-(CH-NR’’C(O)N(R’)、-(CH-NR’’C(O)OR’、-(CH-OC(O)R’、-(CH-OC(O)N(R’)又は-(CH-B(OR’’)であり、Rにおいて、前記C1-6アルキレン、C3-8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、5~10員ヘテロアリール-C1-4アルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルアミノ及びC1-6アルキルから選択される置換基により任意位置で置換され、
各R’は、独立して水素、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、ヒドロキシ-C1-4アルキル、シアノ-C1-4アルキル、C1-4アルコキシ-C1-4アルキル、アミノ-C1-4アルキル、C1-6アルキルアミノ-C1-4アルキル、C3-8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、6~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル又は6~10員ヘテロアリール-C1-4アルキルであり、
各R’’は、独立して水素又はC1-6アルキルであり、
nは、0、1、2、3又は4であり、
qは、0、1、2又は3であり、
tは、0、1、2又は3である。
いくつかの実施形態において、Uは、Nであり、Rは、存在しない。
いくつかの実施形態において、Uは、CHである。
いくつかの実施形態において、各mは、独立して0、1又は2である。
いくつかの実施形態において、Wは、連結結合、
又は-CH=CH-である。
いくつかの実施形態において、Wは、連結結合又は-CH=CH-である。
いくつかの実施形態において、Lは、-CHCH-、
、-CHCHCH-、-CHOCH-、-CHNHCH-又は-CH=CH-である。
いくつかの実施形態において、Lは、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHOCH-、-CHNHCH-又は-CH=CH-である。
いくつかの実施形態において、Lは、-CHCH-又は
である。
いくつかの実施形態において、Lは、-CHCH-である。
いくつかの実施形態において、Vは、Oである。
いくつかの実施形態において、Zは、Cであり、Zは、Nであり、Zは、CR又はNである。
いくつかの実施形態において、Zは、Cであり、Zは、CRであり、Zは、Nである。
いくつかの実施形態において、Zは、Cであり、Zは、CRであり、Zは、CRである。
いくつかの実施形態において、Xは、Cである。
いくつかの実施形態において、Xは、Nである。
いくつかの実施形態において、Xは、Nである。
いくつかの実施形態において、各Rは、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクロアルキル、-N(R’)、-OR’又は-SR’であり、Rにおいて、前記C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つのハロゲン、ヒドロキシ、シアノ及びアミノから選択される置換基により任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、各Rは、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクロアルキル、-N(R’)、-OR’又は-SR’であり、Rにおいて、前記C1-6アルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つのハロゲン、ヒドロキシ、シアノ及びアミノから選択される置換基により任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、C6-12アリール又は5~12員ヘテロアリールであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つのR基により任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、フェニル、ナフチル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、1H-インドリル、1H-インダゾリル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジル又はイミダゾ[1,2-a]ピリジルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つのR基により任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、フェニル、ナフチル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、1H-インドリル又は1H-インダゾリルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つのR基により任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、前記Rは、下記のいずれか1つの構造である。
いくつかの実施形態において、前記Rは、下記のいずれか1つの構造である。
いくつかの実施形態において、前記Rは、下記のいずれか1つの構造である。
いくつかの実施形態において、前記Rは、下記のいずれか1つの構造である。
いくつかの実施形態において、前記Rは、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、オキソ、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルキレン、ハロC1-6アルキル、C3-8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、5~10員ヘテロアリール-C1-4アルキル、-(CHOR’、又は-(CHN(R’)であり、Rにおいて、前記C1-6アルキレン、C3-8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、5~10員ヘテロアリール-C1-4アルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つのハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルアミノ及びC1-6アルキルから選択される置換基により任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、重水素、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、オキソ、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、フェニル、-(CHOR’又は-(CHN(R’)であり、各R’は、独立して水素、C1-4アルキル又はハロC1-4アルキルである。
いくつかの実施形態において、Rは、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、オキソ、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、フェニル、-(CHOR’又は-(CHN(R’)であり、各R’は、独立して水素、C1-4アルキル又はハロC1-4アルキルである。
いくつかの実施形態において、Rは、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル、C3-10シクロアルキル-C1-6アルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル-C1-6アルキル、C6-10アリール-C1-6アルキル又は5~10員ヘテロアリール-C1-6アルキルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~5つのRにより任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、3~10員ヘテロシクロアルキル-C1-6アルキルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~5つのRにより任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、3~10員ヘテロシクロアルキル-C1-6アルキルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つのRにより任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、3~10員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~5つのRにより任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、3~10員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つのRにより任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、3~10員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキルであり、前記3~10員ヘテロシクロアルキルは、ピロリジニル又はヘキサヒドロ-1H-ピロリジニルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~5つのRにより任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、3~10員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキルであり、前記3~10員ヘテロシクロアルキルは、ピロリジニル又はヘキサヒドロ-1H-ピロリジニルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つのRにより任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、
であり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~5つのRにより任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、
であり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~5つのフッ素、重水素及びメチルにより任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、
であり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つのRにより任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、前記Rは、-R、-NR又は-ORであり、
いくつかの実施形態において、前記Rは、-ORであり、Rの定義は前記に記載された通りである。
いくつかの実施形態において、前記Rは、下記のいずれか1つの構造である。
いくつかの実施形態において、前記Rは、下記のいずれか1つの構造である。
いくつかの実施形態において、前記Rは、-NRであり、R及びRの定義は、上記に記載された通りである。
いくつかの実施形態において、前記Rは、下記のいずれか1つの構造である。
いくつかの実施形態において、前記Rは、Rであり、Rの定義は、上記に記載された通りである。
いくつかの実施形態において、前記Rは、下記のいずれか1つの構造である。
いくつかの実施形態において、前記Rは、Hである。
いくつかの実施形態において、R及びRは、それぞれ独立して水素である。
いくつかの実施形態において、Rは、水素又はヒドロキシルであり、Rは、水素である。
いくつかの実施形態において、Rは、重水素であり、Rは、重水素であり、更にR及びRは、同じ炭素原子で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、水素、シアノ、フッ素又は塩素である。
いくつかの実施形態において、Rは、水素であり、他の基の定義は、前記に記載された通りである。
いくつかの実施形態において、各Rは、それぞれ独立して水素又はハロゲンである。
いくつかの実施形態において、各Rは、それぞれ独立してフッ素又は塩素である。
いくつかの実施形態において、各R10は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1-6アルキル又はオキソであり、R10において、前記C1-6アルキル、C1-6アルキレン、C2-6アルケニル又はC2-6アルキニルは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つの重水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、-N(R’)及び-OR’から選択される置換基により任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、R10は、水素である。
いくつかの実施形態において、R10は、重水素であり、tは、2である。
いくつかの実施形態において、R10aは、水素又はC1-6アルキルであり、前記C1-6アルキルは、非置換であるか、或いは選択的にで下記の1~3つのハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、-N(R’)及び-OR’から選択される置換基により任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、R10aは、水素である。
いくつかの実施形態において、R’は、水素又はC1-4アルキルである。
いくつかの実施形態において、qは、1である。
いくつかの実施形態において、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩は、式(II)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩である。
ただし、V、R、R、R、R10、L、Z、Z、X、q及びtの定義は、前記に記載された通りである。
いくつかの実施形態において、Vは、Oであり、qは、1である。
いくつかの実施形態において、Lは、-CHCH-である。
いくつかの実施形態において、Xは、Nである。
いくつかの実施形態において、tは、0である。
いくつかの実施形態において、Zは、Nであり、Zは、CRである。
いくつかの実施形態において、Z及びZは、それぞれ独立してCRである。
いくつかの実施形態において、Zは、CRであり、Zは、Nである。
いくつかの実施形態において、各Rは、それぞれ独立して水素又はハロゲンである。
いくつかの実施形態において、各Rは、それぞれ独立して塩素又はフッ素である。
いくつかの実施形態において、Rは、
である。
いくつかの実施形態において、式(II)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩である。
ただし、Vは、-O-であり、
及びZは、それぞれ独立してCR又はNであり、
は、Nであり、
は、環A-縮合環B(ring A-fused ring B)であり、環Aは、フェニル、ナフチル、5~6員シクロアルキル又は9~10員ヘテロアリールであり、環Bは、5~6員ヘテロアリール又は5~6員ヘテロシクロアルキルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のR基により任意位置で置換され、
は、水素又は-ORであり、
は、水素であり、
Lは、-CHCH-であり、
は、水素又はハロゲンであり、
各Rは、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクロアルキル、-N(R’)、-OR’又は-SR’であり、Rにおいて、前記C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つのハロゲン、ヒドロキシ、シアノ及びアミノから選択される置換基により任意位置で置換され、
各R10は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1-6アルキル又はオキソであり、
は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル、C3-10シクロアルキル-C1-6アルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル-C1-6アルキル、C6-10アリール-C1-6アルキル又は5~10員ヘテロアリール-C1-6アルキルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のRにより任意位置で置換され、
は、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、オキソ、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルキレン、ハロC1-6アルキル、C3-8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、5~10員ヘテロアリール-C1-4アルキル、-(CHOR’、又は-(CHN(R’)であり、Rにおいて、前記C1-6アルキレン、C3-8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、5~10員ヘテロアリール-C1-4アルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルアミノ及びC1-6アルキルのから選択される置換基により任意位置で置換され、
各R’は、独立して水素、C1-4アルキル又はハロC1-4アルキルであり、
nは、0、1、2、3又は4であり、
qは、0、1、2又は3であり、
tは、0、1、2又は3である。
いくつかの実施形態において、Rにおいて、前記環Aは、フェニル、ナフチル、ベンゾチエニル、1H-インドリル又は1,3-シクロヘキサジエニルであり、環Bは、5~6員ヘテロアリール又は5~6員ヘテロシクロアルキルであり、前記5~6員ヘテロアリールにおいて、ヘテロ原子は、N、O及びSの1つ又は複数から選択され、ヘテロ原子の数は、1つ、2つ又は3つであり、前記5~6員ヘテロシクロアルキルにおいて、ヘテロ原子は、N、O及びSの1つ又は複数から選択され、ヘテロ原子の数は、1つ、2つ又は3つである。
いくつかの実施形態において、Rにおいて、前記環Aは、フェニル、ナフチル、ベンゾチエニル、1H-インドリル又は1,3-シクロヘキサジエニルであり、環Bは、5~6員ヘテロアリールであり、前記5~6員ヘテロアリールにおいて、ヘテロ原子は、N、O及びSの1つ又は複数から選択され、ヘテロ原子の数は、1つ、2つ又は3つである。
いくつかの実施形態において、Rは、環A又は環Bを介して親分子に連結され、好ましくは環Aの炭素原子を介して親分子に連結される。
いくつかの実施形態において、Rの中で、環Aは、
であり、環Bは、

である。
いくつかの実施形態において、Rの中で、環Aは、
であり、環Bは、
である。
いくつかの実施形態において、Rは、1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-c]ピラゾリル、1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピロリル、3H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-d][1,2,3]トリアゾリル、ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピリジル、ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、1H-イミダゾ[1,2-a]インドリル、ナフト[2,3-b]フリル、1H-ベンゾ[f]インドリル、1H-ベンゾ[f]インダゾリル、ナフト[2,1-b]フリル、6,7-ジヒドロベンゾ[b]チエニル又は6,7-ジヒドロベンゾ[b]チエニルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つのR基により任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、下記のいずれか1つの構造である。
いくつかの実施形態において、Rは、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、オキソ、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、フェニル、-(CHOR’又は-(CHN(R’)である。
いくつかの実施形態において、Rは、重水素、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、オキソ、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、フェニル、-(CHOR’又は-(CHN(R’)である。
いくつかの実施形態において、Rは、3~10員ヘテロシクロアルキルC1-6アルキルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~5つのRにより任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、3~10員ヘテロシクロアルキルC1-6アルキルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つのRにより任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、3~10員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキルであり、前記3~10員ヘテロシクロアルキルは、ピロリジニル又はヘキサヒドロ-1H-ピロリジニルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~5つのRにより任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、3~10員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキルであり、前記3~10員ヘテロシクロアルキルは、ピロリジニル又はヘキサヒドロ-1H-ピロリジニルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つのRにより任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、
であり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~5つのRにより任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、
であり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~5つのフッ素、重水素及びメチルにより任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、Rは、
であり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つのRにより任意位置で置換される。
いくつかの実施形態において、前記Rは、下記のいずれか1つの構造である。

いくつかの実施形態において、Rは、フッ素又は塩素であり、R10は、水素である。
いくつかの実施形態において、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩は、式(III)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩である。
ただし、Rは、H又は-ORであり、Rは、3~10員ヘテロシクロアルキル-C1-6アルキルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つのRにより任意位置で置換され、
及びR8’は、それぞれ独立して水素又はハロゲンであり、
は、-N(R’)、-NHC(O)R’’又は-NHC(O)N(R’’)であり、
9a、R9b、R9c及びR9dは、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクロアルキル、-N(R’)、-OR’又は-SR’であり、ここで、R9a、R9b、R9c及びR9dにおいて、前記C1-6アルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つのハロゲン、ヒドロキシ、シアノ及びアミノから選択される置換基により任意位置で置換され、
R’、R’’及びRの定義は、前記に記載された通りである。
いくつかの実施形態において、R9a、R9b、R9c及びR9dは、それぞれ独立してH、F、Cl、Br、シアノ、ヒドロキシ、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、シクロプロピル又はエチニルである。
いくつかの実施形態において、Rは、-NHである。
いくつかの実施形態において、R及びR8’は、それぞれ独立してフッ素又は塩素である。
いくつかの実施形態において、R’は、水素、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、ヒドロキシ-C1-4アルキル、C1-4アルコキシ-C1-4アルキル、アミノ-C1-4アルキル、C1-6アルキルアミノ-C1-4アルキル、C3-8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル又は3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキルであり、R’’は、水素又はC1-6アルキルである。
いくつかの実施形態において、Rは、3~10員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~5つのRにより任意位置で置換され、
は、重水素、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、オキソ、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、フェニル、-(CHOR’又は-(CHN(R’)である。
いくつかの実施形態において、Rは、
である。
いくつかの実施形態において、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩は、式(IIIA)又は(IIIB)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩である。
ただし、R、R、R9a、R9b、R9c、R9d、R及びR8’の定義は、前記に記載された通りである。
いくつかの実施形態において、基

である。
前記式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩は、下記のいずれか1つの構造、又は薬学的に許容される塩である。
前記式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩は、下記のいずれか1つの構造、又は薬学的に許容される塩である。
前記式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩は、下記のいずれか1つの構造、又は薬学的に許容される塩である。
前記式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩は、下記のいずれか1つの構造、又は薬学的に許容される塩である。
アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、16.724分間であり、
アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、17.162分間であり、
アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、16.118分間であり、
アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、16.489分間であり、
アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、15.584分間であり、
アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、15.966分間であり、
アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、17.403分間であり、
アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、18.023分間であり、
アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、16.558分間であり、
アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、17.076分間であり、
アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、17.152分間であり、
アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、17.710分間であり、
アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、16.821分間であり、
アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、17.354分間であり、
アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、16.793分間であり、
アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、17.322分間であり、
アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、16.758分間であり、
アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、17.293分間であり、
アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、15.452分間であり、
アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、15.838分間であり、
アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、17.687分間であり、
アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、18.251分間であり、
アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、16.574分間であり、
アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、17.147分間であり、
ここで、HPLC分析方法は下記の通りである:カラムは:Welch Xtimate C18 4.6mm×150mm、5μm、移動相A:アセトニトリル、移動相B:10mmのリン酸二水素カリウム緩衝液、アンモニア水でpHを8.0に調節する。勾配溶出:移動相B90%で5分間保持し、B90%~70%で、溶出時間は5分間であり、B70%~40%で、溶出時間は4分間であり、B40%~15%で、溶出時間は12分であり、B15%~90%で、溶出時間は2分であり、B90%で2分間保持する。検出波長:214及び/又は262nm;カラム温度:35℃。流速:1mL/min。
本発明は更に、下記のいずれかの化合物、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
本発明に記載の式(I)で表される化合物及びその薬学的に許容される塩は、式(I)で表される化合物及びその薬学的に許容される塩のすべての同位体誘導体を含む。
本発明に記載のいずれかの実施形態に記載の式(I)で表される化合物はその同位体誘導体を含む。前記同位体置換誘導体は:式(I)のいずれかの水素原子(1~5)が1~5個の重水素原子(D又はH)により置換されて得られた同位体置換誘導体;式(I)のいずれかの炭素原子(1~3)が1~3個の14C原子により置換されて得られた同位体置換誘導体又は式(I)のいずれかの酸素原子が1~3個の18O原子により置換されて得られた同位体置換誘導体を含む。本発明において、前記安定な同位体誘導体は、好ましくは式(I)のいずれかの水素原子(1~5)が1~5個の重水素原子により置換されて得られた安定な重水素化同位体誘導体であり、前記式(I)で表される化合物の安定な重水素化同位体誘導体は、より好ましくは:
a).式(I)で表される化合物において、前記基Rが1~5個の重水素原子により置換されて得られた安定な重水素化(又は)R基;例えば:
;他の基の定義は、前記に記載された通りである。
b).式(IC)で表される化合物、
;ここで、Z、Z、X、L、R及びRの定義は、前記に記載された通りである。
或いは、c).式(ID)で表される化合物、
;ここで、q、Z、Z、X、L、R及びRの定義は、前記に記載された通りである。
本発明に記載の式(I)で表される化合物及びその薬学的に許容される塩は、式(I)で表される化合物及びその薬学的に許容される塩のプロドラッグ形態を含む。
本発明に記載の式(I)で表される化合物及びその薬学的に許容される塩は、式(I)で表される化合物及びその薬学的に許容される塩のすべて可能な異性体を含む。前記異性体は、立体異性体、互変異性体又はその混合物の形態を含むがそれらに限定されない。
本発明で使用される立体化学の定義と規則は、S.P.Parker,Ed.,McGraw-Hill Dictionary of ChemicalTerms(1984)McGraw-Hill Book Company,New York;and Eliel,E.and Wilen,S.,“Stereochemistry of Organic Compounds”,John Wiley&Sons,Inc.,New York,1994を参照することができる。本発明に記載の「立体異性体」は、光学異性体、幾何異性体又はアトロプ異性体を指す。これらの立体異性体は、不斉合成法、クロマトグラフィー又はキラル分離法(薄層クロマトグラフィー、回転クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、高圧液体クロマトグラフィーなどを含むがこれらに限定されない)によって分離、精製及び濃縮することができ、また他のキラル化合物との結合形成(化学的結合など)又は塩形成(物理的結合など)によるキラル分割により得ることができる。用語「単一の立体異性体」とは、化合物のすべての立体異性体に対する、本発明の化合物の1つの立体異性体の質量含有率が90%以上であることを指し、好ましくは95%以上を指す。単一の立体異性体及びそれらの混合物はいずれも本発明の範囲内に含まれる。本発明は、上記で定義されたすべての特定の基の立体異性体のすべての組み合わせ及びサブセットを含む。本発明に記載の「立体異性体」は、好ましくは光学異性体及び/又はアトロプ異性体を指す。
用語「光学異性体」は、エナンチオマー、ジアステレオマー、及びそれらの混合物を含む。例えば:ラセミ混合物である。「エナンチオマー」は、1つの化合物の2つの重ね合わせることができないが互いに鏡像の関係にある異性体を指す。「ジアステレオマー」は、2つ又は複数のキラル中性を有し、その分子が互いに鏡像ではない立体異性体を指す。ジアステレオマーは、一般的に融点、沸点、スペクトル特性及び反応性などの異なる物理的特性を有する。
用語「幾何異性体」は、シス-トランス異性体を含む。特定の二重結合化合物又は環状化合物に存在する立体異性の一種である。二重結合又は環の存在により、これらの分子の自由回転が阻害されて2つの異なる立体異性体が生成され、それぞれシス(cis)及びトランス(trans)異性体と称される。
用語「アトロプ異性体」とは、単結合周りの回転が阻害された結果生じる立体異性体を指し、立体ひずみ又は他の要因によるエネルギー差によって単結合の回転が阻害され、互いに分離可能な構造異性体である。例えば:式IIIA又はIIIBで表される構造である。
ただし、R、R9a、R9b、R9c及びR9dの定義は、前記に記載された通りである。R及びR が同時にHではない場合、α結合の回転が阻害され、式IIIA又はIIIBで表されるアトロプ異性体を得る。
用語「互変異性体」は、低いエネルギー障壁を介して相互変換可能な、異なるエネルギーの構造異性体を指す。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピー互変異性体とも称される)は、プロトンの移動を介する相互変換、例えばケト-エノール互変異性化を含む。
本発明は更に、下記いずれかの方法に示される通りである、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩の製造方法を提供する。
方法1:反応式1、2に示される通りである:
方法1において、Lev及びLevは、それぞれハロゲンであり、ここで、Levは、好ましくは塩素又は臭素であり、Levは、好ましくは塩素又はフッ素であり;Pは、アミノ保護基であり、好ましくはBocであり、q、Z、Z、X、L、R及びRの定義は、前記に記載された通りである。ステップ1:溶媒において(例えば:テトラヒドロフラン)、アルカリ条件(例えば:水素化ナトリウム)で、A-1及びA-2を求核置換反応させてA-3を得;ステップ2:溶媒において(例えば:アセトニトリル又はテトラヒドロフラン)、アルカリ条件(例えば:N,N-ジイソプロピルエチルアミン)で、A-3をオキシ塩化リンの作用下で環化させてA-4を得;ステップ3:溶媒において(例えば:テトラヒドロフラン)、アルカリ条件(例えば:水素化ナトリウム)で、A-4及びROHを求核置換反応させてA-5を得;ステップ4:溶媒において(例えば:1,4-ジオキサン又はトルエン)、アルカリ条件(例えば:炭酸セシウム、炭酸ナトリウム又はリン酸カリウム)で、触媒存在下(例えば:テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体、1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリド又はジクロロビス(ジフェニルホスフィノフェニルエーテル)パラジウム(II))で、A-5及びRのホウ酸又はホウ酸ナトリウムアルコールエステルをSuzukiカップリング反応を通じてA-6を得;ステップ5:A-6を1ステップ又は複数ステップの脱保護反応を通じて式IAで表される化合物を得た。
方法2:反応式3、4に示される通りである:
方法2において、Levは、ハロゲンであり、好ましくは塩素又は臭素であり、Pは、アミノ保護基であり、好ましくはBocであり、q、Z、Z、X、L及びRの定義は、前記に記載された通りである。ステップ1:溶媒において(例えば:テトラヒドロフラン)、アルカリ条件(例えば:水素化ナトリウム)で、A-1及びB-2を求核置換反応させてB-3を得;ステップ2:溶媒において(例えば:アセトニトリル又はテトラヒドロフラン)、アルカリ条件(例えば:N,N-ジイソプロピルエチルアミン)で、B-3をオキシ塩化リンの作用下で環化させてB-4を得;ステップ3:溶媒において(例えば:1,4-ジオキサン又はトルエン)、アルカリ条件(例えば:炭酸セシウム、炭酸ナトリウム又はリン酸カリウム)で、触媒存在下(例えば:テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体、1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリド又はジクロロビス(ジフェニルホスフィノフェニルエーテル)パラジウム(II))、B-4及びRのボロン酸又はボロン酸ピナコールエステルをSuzukiカップリング反応を通じてB-5を得;ステップ4:B-5を1ステップ又は複数ステップの脱保護反応を通じて式IBで表される化合物を得る。
方法3:反応式5に示される通りである:
方法3において、Pは、アミノ保護基であり、好ましくはBocであり、Z、Z、X、L、R及びRの定義は、前記に記載された通りである。ステップ1:溶媒において(例えば:テトラヒドロフラン)、重水素化還元剤(例えば:重水素化アルミニウムリチウム(LiAlD))でC-2を還元させてC-1を得る。方法1のステップ1~5の合成方法に従って、C-1を開始原料として式ICで表される化合物を合成する。
方法4:反応式6に示される通りである:
方法4において、P’は、ヒドロキシ保護基であり、好ましくは有機ケイ素基(例えば:tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル)であり、Pは、アミノ保護基であり、好ましくはBocであり、q、Z、Z、X、L、R及びRの定義は、前記に記載された通りである。ステップ1:溶媒において(例えば:テトラヒドロフラン)、重水素化還元剤(例えば:重水素化アルミニウムリチウム(LiAlD))でD-2を還元させてD-1を得る。方法1のステップ1~5の合成方法に従って、C-1を開始原料として式IDで表される化合物を合成する。
上記方法において、A-1~A-6、B-1~B-5、C-1~C-2、D-1~D-2、-R又は-Rにアミノ基、ヒドロキシ基又はカルボキシル基が存在する場合、当該アミノ基、ヒドロキシ基又はカルボキシル基は、副反応を避けるためにいずれも保護基によって保護することができる。上記アミノ保護基、ヒドロキシ保護基又はカルボキシル保護基が存在する場合、その後の脱保護ステップを経て、式IA~IDで表される化合物を得ることができる。tert-ブトキシカルボニル(Boc)などの任意の適切なアミノ保護基は、いずれもアミノ基の保護に使用することができる。Bocを保護基として使用する場合、その後の脱保護反応は標準条件であってもよく、例えば、p-トルエンスルホン酸/メタノール系、ジクロロメタン/トリフルオロ酢酸系、塩化水素の有機溶液系(有機溶液はエチルエーテル溶液、1,4-ジオキサン溶液、メタノール溶液、エタノール溶液、イソプロパノール溶液を含むがそれらに限定されない)又はトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル/2,6-ルチジン/ジクロロメタン系で実行されることができ;ベンジル、メトキシメチル(MOM-)、有機ケイ素基(tert-ブチルジメチルシリル(TBS-)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS-)、トリスメチルシリル(TMS-)、トリイソプロピルシリル(TIPS-)を含むがそれらに限定されない)などの任意の適切なヒドロキシ保護基は、いずれもヒドロキシ基の保護に使用されることができ、その後の脱保護反応は標準条件であってもよく、例えば、ベンジルはパラジウム炭素/水素ガス系で脱保護することができ;メトキシメチルは塩化水素の有機溶液系(有機溶液は、エチルエーテル溶液、1,4-ジオキサン溶液、メタノール溶液、エタノール溶液、イソプロパノール溶液を含むがそれらに限定されない)で脱保護することができ;有機ケイ素基はフッ化テトラブチルアンモニウム/テトラヒドロフラン系で脱保護することができる。任意の適切なカルボキシル保護基、例えば:カルボキシレート基(例えば、カルボン酸メチル、カルボン酸エチル)の形成は、いずれもカルボキシル基の保護に使用されることができ、その後の脱保護反応は標準条件であってもよく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムをテトラヒドロフラン、水及び/又はメタノール溶媒で脱保護することができる。上記脱保護反応は、好ましくは最後のステップで実行される。
前記式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩は、通常な化学方法によって合成することができる。
一般に、塩は、遊離塩基又は酸と等化学当量又は過剰酸(無機酸又は有機酸)又は塩基(無機塩基又は有機塩基)を適切な溶媒又は溶媒組成物の中で反応させることにより製造することができる。
本発明は更に、治療有効量の活性成分及び薬学的に許容される助剤を含む、医薬組成物を提供し、前記活性成分は、式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩の1つ又は複数を含む。
前記医薬組成物において、前記活性成分は更に他の癌治療薬も含むことができる。
前記医薬組成物において、前記薬学的に許容される助剤は、薬学的に許容される担体、希釈剤及び/又は賦形剤を含むことができる。
治療目的に応じて、医薬組成物を様々な種類の投与単位剤形に製造することができ、例えば、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤及び注射剤(溶液及び懸濁剤)などであり、好ましくは液剤、懸濁剤、乳剤、坐剤及び注射剤(溶液及び懸濁剤)などである。
医薬組成物を錠剤の形態に成形させるために、本技術分野で任意の既知で広く使用されている賦形剤を使用することができる。例えば、乳糖、白砂糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、澱粉、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース及びケイ酸などの担体;水、エタノール、プロパノール、普通のシロップ、ブドウ糖溶液、澱粉溶液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、シェラック、メチルセルロース及びリン酸カリウム、ポリビニルピロリドンなどの結合剤;乾燥澱粉、アルギン酸ナトリウム、寒天粉末及び昆布粉末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリエチレン脱水ソルビトールの脂肪酸エステル、ドデシル硫酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、澱粉及び乳糖などの崩壊剤;白糖、トリステアリン酸グリセロール、ココナッツ油及び硬化油などの崩壊阻害剤;第四級アンモニウム塩基及びドデシル硫酸ナトリウムなどの吸着促進剤;グリセリン、澱粉などの湿潤剤;澱粉、乳糖、カオリン、ベントナイト及びコロイド状ケイ酸などの吸着剤;及び純粋タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸粉末及びポリエチレングリコールなどの潤滑剤である。更に、必要に応じて一般的なコーティング材料を使用して糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶錠、フィルムコーティング錠、二層錠及び多層錠を製造することができる。
医薬組成物を丸剤の形態に成形させるために、本技術分野で任意の既知で広く使用されている賦形剤を使用することができる。例えば、乳糖、澱粉、ヤシ油、硬化植物油、カオリン及びタルク粉末などの担体;アラビアゴム粉末、トラガカントゴム粉末、ゼラチン及びエタノールなどの結合剤;寒天及び昆布粉末などの崩壊剤である。
医薬組成物を坐剤の形態に成形させるために、本技術分野で任意の既知で広く使用されている賦形剤を使用することができる。例えば、ポリエチレングリコール、ヤシ油、高級アルコール、高級アルコールエステル、ゼラチン及び半合成グリセリドなどである。
医薬組成物を注射剤の形態に成形させるために、溶液又は懸濁液を滅菌した後(好ましくは適量の塩化ナトリウム、ブドウ糖又はグリセリンなどを加える)、血液等張液の注射剤を製造することができる。注射剤を製造する場合、本技術分野で通常の担体を使用することもできる。例えば、エタノール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール及びポリエチレン脱水ソルビトールの脂肪酸エステルなどである。更に、通常の溶解剤、緩衝剤及び鎮痛剤などを加えてもよい。
本発明において、医薬組成物中の前記組成物の含有量は特に限定されず、広い範囲から選択することができ、通常5~95質量%、好ましくは30~80質量%とすることができる。
本発明において、前記医薬組成物の投与方法は特に限定されない。患者の年齢、性別及びその他の条件及び症状に応じて、種々な剤形を選択して投与することができる。例えば、錠剤、丸剤、溶液、懸濁液、乳剤、顆粒又はカプセルで経口投与することができ;注射剤は単独で、又は注射送達溶液(例えば、ブドウ糖溶液及びアミノ酸溶液)と混合して静脈内注射することができ;坐剤は、直腸に投与することができる。
本発明はまた、KRAS G12D阻害剤の製造における、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩、或いは前記医薬組成物の使用を提供する。
本発明はまた、KRAS G12Dによって媒介される関連疾患を治療するための医薬の製造における、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩、或いは前記医薬組成物の使用を提供する。前記関連疾患は、癌である。また、前記癌は、腫瘍細胞のDNA中にG12D突然変異したKRAS遺伝子を含む癌である。
本発明はまた、癌を治療及び/又は緩和するための医薬の製造における、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩、或いは前記医薬組成物の使用を提供する。
本発明はまた、膵臓癌、子宮内膜癌、肺癌(例えば:小細胞肺癌、非小細胞肺癌)、直腸癌及び/又は結腸直腸癌を治療及び/又は緩和するための医薬の製造における、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩、或いは前記医薬組成物の使用を提供する。
本発明はまた、癌の治療における、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩、或いは前記医薬組成物の使用を提供する。
本発明はまた、膵臓癌、子宮内膜癌、肺癌(例えば:小細胞肺癌、非小細胞肺癌)、直腸癌及び/又は結腸直腸癌の治療及び/又は緩和における、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩、或いは前記医薬組成物の使用を提供する。
本発明は更に、治療有効量の式(I)で表される化合物又は薬学的に許容される塩、或いは医薬組成物を哺乳動物に投与することを含む、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩、或いは前記医薬組成物で癌を治療する方法を提供する。
前記哺乳動物は、好ましくはヒトである。
本発明は更に、1つ又は複数の他のタイプの治療薬及び/又は治療方法と組み合わせてKRAS G12Dによって媒介される関連疾患を治療及び/又は緩和する、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩、或いは前記医薬組成物を提供する。前記KRAS G12Dによって媒介される関連疾患は癌である。また、前記癌は、腫瘍細胞のDNA中にG12D突然変異したKRAS遺伝子を含む癌である。
本発明において、前記癌は、転移性癌及び非転移性癌、家族性遺伝性癌及び散発性癌を含み、更に固形腫瘍及び非固形腫瘍を含むことができる。
前記癌の具体例は、眼癌、骨癌、肺癌(小細胞肺癌、非小細胞肺癌を含む)、胃癌、膵臓癌、乳癌、前立腺癌、脳癌(悪性神経膠腫、髄芽腫)、卵巣癌、膀胱癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、卵管癌、腹膜癌、精巣癌、腎臓癌(腺癌及び腎芽腫を含む)、口腔癌(扁平上皮癌を含む)、舌癌、喉頭癌、上咽頭癌、頭頸部癌、結腸癌、小腸癌、直腸癌、副甲状腺癌、甲状腺癌、食道癌、胆嚢癌、胆管癌、肝臓癌、肉腫、皮膚癌、リンパ性白血病(急性リンパ性白血病、リンパ腫、骨髄腫、慢性リンパ性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、T細胞慢性リンパ性白血病、B細胞慢性リンパ性白血病を含む)、骨髄性白血病(急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病を含む)及びAIDs関連白血病の1つ又は複数を含むことができるが、それらに限定されない。
別途に説明しない限り、本発明の明細書及び請求の範囲で使用される用語は、下記の意味を有する:
用語「Ct-q」とは開始点から終了点までを含む範囲を指し、ここで、tとq及びその範囲内の各点はいずれも整数であり、炭素原子の数を示し、例えば、C1-4は、炭素原子の数が1、2、3又は4であることを表し;C1-6は、炭素原子の数が1、2、3、4、5又は6であることを表し;C3-8は、炭素原子の数が3、4、5、6、7又は8であることを表し;Ct-qは、炭素原子を含む任意の基と合わせて使用して、炭素原子の数を限定することができ、例えば、C1-6アルキル、C1-4アルキレン、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、C1-4アルコキシ、C3-8シクロアルキルC1-4アルキルなどである。
用語「アルキル」とは、1~20個の炭素原子を含む飽和直鎖又は分岐鎖炭化水素基を指し、好ましくは1~10個の炭素原子であり、より好ましくは1~8、1~6、1~4又は1~3個の炭素原子であり、アルキルの代表的な例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、4,4-ジメチルペンチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシル、2,3-ジメチルペンチル、2,4-ジメチルペンチル、2,2-ジメチルペンチル、3,3-ジメチルペンチル、2-エチルペンチル、3-エチルペンチル、2,2,4-トリメチルペンチル、ウンデシル、ドデシル、及びそれらの様々な異性体などを含むがそれらに限定されない。
用語「アルキレン」とは、1~20個の炭素原子を含む飽和直鎖又は分岐鎖の非架橋二価アルキルを指し、好ましくは1~6個の炭素原子であり、より好ましくは1~4又は1~3個の炭素原子であり、例えば、メチレン(=CH)、エチレン(=CHCH)、2-イソプロピリデン(=CH(CH)などである。
用語「シクロアルキル」とは、3~20個の炭素原子を含む飽和又は部分不飽和(1又は2個の二重結合を含む)の単環式又は多環式基を指す。「シクロアルキル」は、好ましくは3~10員単環式シクロアルキルであり、より好ましくは3~8又は3~6員単環式シクロアルキルであり、例えば:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデカニル、シクロドデシル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、1,3-シクロヘキサジエニルである。「多環式シクロアルキル」は、「架橋シクロアルキル」、「縮合シクロアルキル」及び「スピロシクロアルキル」を含み、例えば、テトラヒドロナフチル、2,3-ジヒドロインデニルなどを含む。単環式シクロアルキル又は多環式シクロアルキルは、環内の任意の炭素原子を介して親分子に結合することができる。
用語「ヘテロシクロアルキル」とは、炭素原子及び窒素、酸素、硫黄又はホウ素から選択されるヘテロ原子で構成される飽和又は部分不飽和(1又は2個の二重結合を含む)非芳香族環式基を指し、当該環式基は、単環式又は多環式であってもよく、好ましくは単環式、二環式又は三環式基であり、本発明において、「複素環」又は「ヘテロシクロアルキル」のヘテロ原子の数は、好ましくは1、2、3又は4であり、ヘテロシクロアルキルの窒素、硫黄又はホウ素原子は、任意選択でオキソ(=O)により置換されてもよい。炭素原子は、更にオキソ(=O)又はチオ(=S)により置換されてもよい。窒素原子は、更に任意選択で他の基により置換されて第三級アミン又は第四級アンモニウム塩を形成してもよい。「複素環」又は「ヘテロシクロアルキル」は、好ましくは3~10員単環式であり、より好ましくは3~8、3~6又は4~8員単環式である。代表的な例は、アジリジニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラン-2-イル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリン-S-オキシド-4-イル、ピペリジニル、ピロリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、1,4-ジオキサニル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロイミダゾリル、2,3-ジヒドロフリル、2,5-ジヒドロフリル、ジヒドロピラゾリル、2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジニル、2,5-ジヒドロ-1H-ピロリジニル、1,1-ジオキソテトラヒドロ-2H-チオピラニル、1-イミノ-1-オキソテトラヒドロ-2H-チオピラニル、1,1-ジオキソテトラヒドロチエニル、1-イミノ-1-オキソテトラヒドロチエニル、1,1-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-チオピラニル、1-イミノ-1-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-チオピラニル、1,1-ジオキソ-2,3-ジヒドロチエニル、1-イミノ-1-オキソ-2,3-ジヒドロチエニル、1,3-ジオキソラニル、1,3-ジオキソリル、1,3-オキサチオラニル、1,3-オキサチオリル、1,4-ジオキサ-2-ヘキセニル、3,4-ジヒドロ-2H-ピラニル、3,6-ジヒドロ-2H-ピラニル、1,2,3,4-テトラヒドロピラジニル、1,2,3,4-テトラヒドロピリジル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジルなどを含むがそれらに限定されない。「多環式複素環」又は「多環式ヘテロシクロアルキル」は、「縮合ヘテロシクロアルキル」、「スピロヘテロシクロアルキル」及び「架橋ヘテロシクロアルキル」を含み、「縮合ヘテロシクロアルキル」は、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル又はヘテロアリールに縮合した単環式ヘテロシクロアルキル環を含み、「縮合ヘテロシクロアルキル」は、インドリニル、2,3-ジヒドロベンゾフリル、1,3-ジヒドロベンゾフリル、2,3-ジヒドロベンゾ[b]チエニル、ジヒドロベンゾピラニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソラニル、
などを含むがそれらに限定されない。「スピロヘテロシクロアルキル」とは、2つのヘテロシクロアルキル、或いは1つのシクロアルキル及び1つのヘテロシクロアルキルが1つの炭素原子を共有することにによって形成される二環式基を指す。「架橋ヘテロシクロアルキル」とは、単環式ヘテロシクロアルキルのいずれか2つの連結されていない環原子が1~3つの追加の炭素原子またはヘテロ原子によって形成された直鎖基によって架橋されている単環式ヘテロシクロアルキルを指し(前記直鎖基は、-CH-、-O-、-NH-、-S-、-CHCH-、-CHO-、-CHS-、-CHNH-、-CHCHCH-、-CHOCH-、-CHCHO-、-CHCHNH-、-CHNHCH-から選択されるがそれらに限定されない)、架橋ヘテロシクリロアルキルは、
などを含むがこれらに限定されない。前記単環式ヘテロシクロアルキル及び二環式ヘテロシクロアルキルは、環上の任意の環原子を介して親分子に結合することができる。上記環原子は、具体的には環骨格を構成する炭素原子及び/又は窒素原子を指す。
用語「シクロアルキルアルキル」とは、シクロアルキルがアルキルによって母核構造に連結されていることを指す。従って、「シクロアルキルアルキル」は、上記アルキル及びシクロアルキルの定義を含む。
用語「ヘテロシクロアルキルアルキル」とは、ヘテロシクロアルキルがアルキルによって母核構造に連結されていることを指す。従って、「ヘテロシクロアルキルアルキル」は、上記アルキル及びヘテロシクロアルキルの定義を含む。
用語「アルケニル」とは、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含む直鎖、分岐鎖又は環状の非芳香族炭化水素を指す。その中には、1~3個の炭素-炭素二重結合が存在してもよく、好ましくは1つの炭素-炭素二重結合が存在する。用語「C2-4アルケニル」とは、2~4つの炭素原子を有するアルケニルを指し、用語「C2-6アルケニル」とは、2~6つの炭素原子を有するアルケニルを指し、ビニル、プロペニル、ブテニル、2-メチルブテニル及びシクロヘキセニルを含む。前記アルケニルは置換されてもよい。
用語「アルケニレン」とは、2~6個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖の非架橋二価アルケニルを指し、好ましくは2~4個の炭素原子であり、例えば、ビニレン(-CH=CH-)、プロペニレン(-CH=CHCH-)などである。
用語「アルキニル」とは、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を含む直鎖、分岐鎖又は環状の炭化水素基を指す。その中には、1~3個の炭素-炭素三重結合が存在してもよく、好ましくは1個の炭素-炭素三重結合が存在する。用語「C2-6アルキニル」とは、2~6個の炭素原子を有するアルキニルを指し、エチニル、プロピニル、ブチニル及び3-メチルブチニルを含む。
用語「アルコキシ」とは、酸素架橋を介して結合した所定の炭素原子の数を有する環式又は非環式アルキルを指し、アルキルオキシ、シクロアルキルオキシ及びヘテロシクロアルキルオキシを含む。従って、「アルコキシ」は、上記アルキル、ヘテロシクロアルキル及びシクロアルキルの定義を含む。
用語「アリール」とは、いずれかの安定な6~14員共役π電子系を有する全炭素単環式又は縮合二環式芳香族基を指し、前記縮合二環式芳香族基の少なくとも1つの環は芳香環であり、前記アリールは、好ましくは6~10員であり、例えば:フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、2,3-ジヒドロインデニル又はビフェニルなどである4。
用語「ヘテロアリール環」又は「ヘテロアリール」とは、少なくとも1つの環上の炭素原子が窒素、酸素又は硫黄から選択されるヘテロ原子により置換されて形成される芳香環基を指す。前記ヘテロアリールは、5~6員単環式構造又は7~12員二環式構造であってもよく、好ましくは5~10員ヘテロアリールであり、前記ヘテロアリールは、更に11~13員三環式構造であってもよく、好ましくは11~12員三環式構造である。本発明において、ヘテロ原子の数は、好ましくは1、2又は3であり、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリダジン-3(2H)-オン、フリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、テトラゾリル、1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2(3H)-オン(
)、ベンゾ[d]チアゾール-2(3H)-オン(
)、1H-インダゾリル(
)、イソインダゾリル、1H-インドリル(
)、イソインドリル、ベンゾフラニル(
)、ベンゾチエニル(
)、ベンゾチアゾリル(
)、ベンゾイソチアゾリル(
)、ベンゾオキサゾリル(
)、キノリニル(
)、イソキノリニル(
)、キナゾリニル(
)、ピラゾロ[1,5-a]ピリジル(
)、イミダゾ[1,2-a]ピリジル(
)、1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-c]ピラゾリル(
)、1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピロリル(
)、3H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-d][1,2,3]トリアゾリル、ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピリジル、ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、1H-イミダゾ[1,2-a]インドリル(
)、ナフト[2,3-b]フリル、1H-ベンゾ[f]インドリル、1H-ベンゾ[f]インダゾリル、ナフト[2,1-b]フリルなどを含むがそれらに限定されない。
用語「アリールアルキル」とは、アリールがアルキルによって母核構造に連結されていることを指す。従って、「アリールアルキル」は、上記アルキル及びアリールの定義を含む。
用語「ヘテロアリールアルキル」とは、ヘテロシクロアルキルがアルキルによって母核構造に連結されていることを指す。従って、「ヘテロアリールアルキル」は、上記アルキル及びヘテロアリールの定義を含む。
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨードを表す。
用語「ハロアルキル」とは、ハロゲンにより任意選択で置換されたアルキルを指す。従って、「ハロアルキル」は、上記ハロゲン及びアルキルの定義を含む。
用語「ハロアルコキシ」とは、ハロゲンにより任意選択で置換されたアルコキシを指す。従って、「ハロアルコキシ」は、上記ハロゲン及びアルコキシの定義を含む。
用語「アミノ」は-NHを指す。用語「アルキルアミノ」とは、アミノ上の少なくとも1つの水素原子がアルキルにより置換されていることを指し、「モノアルキルアミノ」及び「ジアルキルアミノ」を含み、例としては、-NHCH、-N(CH、-NHCHCH、-N(CHCH、-N(CHCHCH、-N(CH)(CHCH)、-N(CH)(CHCHCH)を含むがそれらに限定されない。用語「アミノアルキル」とは、アルキル上のいずれか1つの水素原子がアミノにより置換されていることを指し、例としては、-CHNH、-CHCHNHを含むがそれらに限定されない。従って、「アミノアルキル」及び「アルキルアミノ」は、上記アルキル及びアミノの定義を含む。
用語「アルキルアミノアルキル」とは、アルキル上のいずれか1つの水素原子がアルキルアミノにより置換されていることを指し、例としては、-CHN(CH、-CHCHN(CH、-CHCHCHN(CH、-CHNHCHを含むがそれらに限定されない。従って、「アルキルアミノアルキル」は、上記アルキルアミノ及びアルキルの定義を含む。
用語「ヒドロキシ」は-OHを指す。用語「ヒドロキシアルキル」とは、アルキル上のいずれか1つの水素原子がヒドロキシルにより置換されていることを指し、例としては、-CHOH、-CHCHOH、-CHCHC(CHOH、-CH(CHOHを含むがそれらに限定されない。従って、「ヒドロキシアルキル」は、上記ヒドロキシ及びアルキルの定義を含む。
用語「アルコキシアルキル」とは、アルキル上のいずれか1つの水素原子がアルコキシにより置換されていることを指し、例としては、-CHOCH、-CHCHOCHを含むがそれらに限定されない。従って、「アルコキシアルキル」は、上記アルコキシ及びアルキルの定義を含む。
用語「オキソ」は=Oを指し、例えば、カルボニル(-CO-)、ニトロソ(-N=O)、スルフィニル(-SO-)又はスルホニル(-SO-)の=O部分である。
用語「シアノ」は-CNを指す。
用語「カルボキシル」は-C(O)OHを指す。
本発明に記載の「室温」は15~30℃を指す。
本発明において、別途に説明しない限り、用語「選択的に1つ又は複数の基により任意位置で置換される」とは、基の上に特定される1個、2個、3個又は複数の原子のいずれか1個、2個、3個又は複数の水素原子が特定の基により置換されていることを指し、特定の原子の通常の原子価を超えないことを条件として、前記置換は何れも本技術分野の通常な合理的な置換であり、例えば=Oは、第三級炭素上では置換されることができない。本発明において、「選択的に1つ又は複数の基により任意位置で置換される」は、好ましくは「選択的に1~3つの基により任意位置で置換される」である。
本発明において、置換基への結合が連結環の2つの原子への結合と交差することが示される場合、そのような置換基は環上のいずれかの結合可能な環原子に結合してもよい。
本発明において、変数の任意の組み合わせは、そのような組み合わせが安定的な化合物をもたらす場合にのみ許容される。例えば、環を構成するX、X及びXの様々な組み合わせ、又はZ、Z及びZの様々な組み合わせは、安定的な環を形成する場合にのみ許される。
本発明において、環の「
」は、環を形成する結合が単結合であっても二重結合であってもよいことを指し、形成される環が芳香族環であっても非芳香族環であってもよく、前記非芳香族環は飽和又は部分不飽和の非芳香族環である。本発明において、いずれかの変量が化合物の組成又は構造に1回以上現れた場合、その定義はいずれの場合においても独立である。例えば、R及びRが互いに結合してC3-8シクロアルキル又は3~8員ヘテロシクロアルキルを形成し、前記C3-8シクロアルキル又は3~8員ヘテロシクロアルキルが1つ又は複数のR10により置換される場合、各R10置換基は、いずれも独立した置換基であり、同一であっても異なっていてもよい。
本発明において、環A及び環Bの「
」は、環A及び環Bの連結部位を表す。
本発明に記載の「薬学的に許容される塩」は、Berge,et al.,“Pharmaceutically acceptable salts”,J. Pharm. Sci., 66, 1-19(1977)に論じられており、前記塩は基本的に無毒であり、且つ所望の薬物動態特性、適口性、吸収、分布、代謝又は排泄などを提供できることは、医薬化学者にとって自明である。本発明に記載の化合物は、酸性基、塩基性基又は両性基を有してもよく、典型的な薬学的に許容される塩は、本発明の化合物と酸とを反応させることにより製造される塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ピロ硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、カプリン酸塩、カプリル酸塩、ギ酸塩、アクリル酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、エナント酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、安息香酸塩、メチル安息香酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、(D,L)-酒石酸、クエン酸、マレイン酸、(D,L)-リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、コハク酸塩、乳酸塩、トリフラート、ナフタレン-1-スルホン酸塩、マンデル酸塩、ピルビン酸塩、ステアリン酸塩、アスコルビン酸塩、サリチル酸塩を含む。本発明の化合物が酸性基を含む場合、その薬学的に許容される塩としては、さらに、ナトリウム塩又はカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩又はマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アンモニア、アルキルアンモニウム、ヒドロキシアルキルアンモニウム、アミノ酸(リジン、アルギニン)、N-メチルグルカミンなどと形成された塩などの有機塩基塩を含んでもよいが、これらに限定されない。
前記好ましい条件は、当分野の通常の知識を違反しない限り、任意に組み合わせて、本発明の各々の好ましい実施例を得ることができる。
本発明で使用される試薬及び原料は市販品として入手できる。
本発明のすべての化合物の構造は、核磁気共鳴(H NMR)及び/又は質量分析(MS)によって同定することができる。
H NMR化学シフト(δ)はPPM(10-6)で記録される。NMRはBruker AVANCE-400分光器によって実行される。適切な溶媒は、重水素化クロロホルム(CDCl)、重水素化メタノール(CDOD)、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d)であり、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準とする。
液体クロマトグラフ質量分析(LCMS)は、Agilent 1200HPLC/6120質量分析計により、カラム:Xtimate C18、3.0×50mm、3μm、カラム温度:40℃を使用して測定されるか、或いはThermo UltiMate 3000HPLC/MSQ PLUS質量分析計により、カラム:XBridge C18、3.0×50mm、3.5μm、カラム温度:30℃を使用して測定される。Agilent勾配溶出条件1:95~5%溶媒A及び5~95%溶媒B(0~2.0分)であり、次に95%の溶媒B及び5%溶媒A(1.1分間保持)であり、パーセンテージは全溶媒体積に占める体積パーセンテージである。溶媒Aは0.01%のトリフルオロ酢酸(TFA)水溶液であり、溶媒Bは0.01%のトリフルオロ酢酸のアセトニトリル溶液であり、パーセンテージは溶質の溶液に占める体積パーセンテージである。Thermo勾配溶出条件2:95~5%の溶媒A及び5~95%の溶媒B(0~2分)であり、次に95%の溶媒B及び5%の溶媒A(1.8分間保持)であり、パーセンテージは全溶媒体積に占める体積パーセンテージである。溶媒Aは10mMの炭酸水素アンモニウム水溶液であり、溶媒Bはアセトニトリルである。
本発明のすべての化合物は、分取高速液体クロマトグラフィー又はフラッシュカラムクロマトグラフィーによって分離することができる。
分取高速液体クロマトグラフィー(prep-HPLC)は、島津LC-20分取液体クロマトグラフィーを使用し、1)カラムは:Welch Xtimate C18 21.2×250mm、10umである。アルカリ条件:移動相A:10mmol/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液、移動相B:アセトニトリル、勾配溶出条件1:移動相B15%~30%で、溶出時間は5分であり、溶出移動相B30%~80%で、溶出時間は15分である。勾配溶出条件3:移動相B25%~90%で、溶出時間は70分である。勾配溶出条件6:移動相B15%~65%で、溶出時間は20分であり、移動相B65%~90%で、溶出時間は5分間である。勾配溶出条件7:移動相B5%~15%で、溶出時間は5分であり、移動相B15%~40%で、溶出時間は15分である。酸性条件:移動相A:0.1%のトリフルオロ酢酸水溶液、移動相B:アセトニトリル、勾配溶出条件2:移動相B15%~30%で、溶出時間は5分であり、30%~65%で、溶出時間は15分である。勾配溶出条件4:移動相B10%~20%で、溶出時間は5分であり、20%~55%で、溶出時間は15分である。勾配溶出条件8:移動相B10%~20%で、溶出時間は5分であり、25%~45%で、溶出時間は25分である。検出波長:214nm&254nm;流速:15.0mL/分。2)カラム:Welch Xtimate XB-C18、30×250mm、10μm。アルカリ条件:移動相A:0.1%のアンモニア水溶液、移動相B:アセトニトリル、勾配溶出条件5:移動相B15%~35%で、溶出時間は5分であり、移動相B35%~65%で、溶出時間は15分であり、検出波長:214nm&254nm;流速:40mL/分である。
フラッシュカラムクロマトグラフィー(Flash column chromatography)(flash system/CheetahTM)はAgela Technologies MP200を使用し、付属の順相分離カラムはFlash column Silica-CS(25g、40g、80g、120g、又は330g)(Tianjin Bonna-Agela)であり、溶出系は酢酸エチル/石油エーテル、又はジクロロメタン/メタノールであり、逆相分離カラムはC18逆相カラム(12g、20g、又は40g)、(Changzhou Santai Technologies)であり、溶出系はアセトニトリル/0.1%のトリフルオロ酢酸水溶液又はアセトニトリル/10mmol/Lの炭酸水素アンモニウム水溶液である。
薄層シリカゲルプレート(prep-TLC)は、煙台黄海HSGF254又は青島GF254シリカゲルプレートである。
本発明のすべての化合物は、超高速液体クロマトグラフィー又は高速液体クロマトグラフィーによって分析することができる。
超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)はWaters ACQUITY Hclassを使用し、カラム:Waters ACQUITY UPLC BEH Shield RP18 2.1mm×100mm、1.7um、5μm、移動相A:アセトニトリル、移動相B:5mmのリン酸二水素カリウム緩衝液であり、リン酸でpHを2.5に調節した。勾配溶出移動相B10%~90%で、溶出時間は7分であり、B90%で6分間保持し、B90%~10%で、溶出時間は2分である。検出波長:214nm;カラム温度:40℃である。流速:0.4mL/minである。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)はWaters e2695、2498 UV/VIS Detectorを使用し、カラム:Welch Xtimate C18 4.6mm×150mm、5μm、移動相A:アセトニトリル、移動相B:10mmのリン酸二水素カリウム緩衝液であり、アンモニア水でpHを8.0に調節した。勾配溶出:移動相B90%で5分間保持し、B90%~70%で、溶出時間は5分であり、B70%~40%で、溶出時間は4分であり、B40%~15%で、溶出時間は12分であり、B15%~90%で、溶出時間は2分であり、B90%で2間保持した。検出波長:214&262nm;カラム温度:35℃である。流速:1mL/minである。
本発明に関するキラル化合物又は中間体は、キラル高速液体クロマトグラフィー(Chiral HPLC)によって分離及び分析することができる。
本発明の化合物のキラル分析は高速液体クロマトグラフィーAgilent 1200 HPLCを使用し、キラル分析カラム:R,R-WHELK-O1(4.6×250mm、5um)、流速:1.0mL/min;カラム温度:40℃、注入量:5μL;検出波長:214及び/又は254nM;移動相:n-ヘキサン(0.1%のジエチルアミン)/エタノール(0.1%ジエチルアミン)=50:50である。
本発明の実施例に記載のマイクロ波反応は、Biotage(R) Initiator+Microwave System EU(356006)タイプのマイクロ波反応器を使用する。
本発明に特に明記しない限り、全ての実施例における反応は窒素雰囲気下又はアルゴン雰囲気下で実行される。
本発明の水素雰囲気は、1)反応系を約1Lの容量の水素バルーンに接続すること、2)常圧下、反応系に水素を直接かつ連続的に導入すること、3)密閉チューブで水素ガスで置換した後、密閉することによって実現できる。
中間体の合成:
中間体1:2-(ヒドロキシメチル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボン酸tert-ブチルの合成
氷浴条件下で、8-(tert-ブチル)2-メチル3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-2,8-ジカルボキシラート(3.50g、12.3mmol)の無水テトラヒドロフラン(20mL)溶液に水素化ホウ素リチウム(407mg、18.5mmol)のテトラヒドロフラン(40mL)溶液を滴下し、滴下完了後、反応系を80℃で3時間撹拌した。室温に冷却させた後、テトラヒドロフラン(170mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)をゆっくりと加えて反応をクエンチングさせ、減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=1/10)により精製して中間体1(0.8g)を得、白色固体であった。m/z: [M+H] 243.2。
中間体1(trans):2-(ヒドロキシメチル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボン酸tert-ブチル(トランス)の合成
中間体1の合成方法を使用し、8-(tert-ブチル)2-メチル3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-2,8-ジカルボキシラート(トランス)を開始原料として、中間体1(trans)を得た。
中間体2:(1S,2S,5R)-2-(ヒドロキシメチル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボン酸tert-ブチルの合成
氷浴条件下で、8-tert-ブチル2-エチル(1S,2S,5R)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-2,8-ジカルボキシレート(合成方法はWO2019/179515A1化合物6#を参照)(4.50g、15.8mmol)の無水テトラヒドロフラン(80mL)溶液に水素化アルミニウムリチウムのテトラヒドロフラン溶液(2.5M、8.3mL、20.6mmol)をバッチで加え、反応系を0℃で3時間撹拌した。次に、反応系に水(1mL)及び水酸化ナトリウム水溶液(15%、2mL)を順次に加え、得られた混合物を減圧濃縮し、残留物を直接にフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=1/10)により精製して中間体2(2.5g、収率:65%)を得、白色固体であった。m/z: [M+H]243.2。
中間体3:(1R,2R,5S)-2-(ヒドロキシメチル)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボン酸tert-ブチルの合成
中間体2の合成方法で中間体3を合成した。m/z: [M+H] 243.2。
中間体6:2,5,7-トリクロロピリド[2,3-d]ピリミジン-4-オールの合成
ステップ1:4-アミノウラシル(15.3g、0.12mol)及びシアノ酢酸(12.8g、0.15mol)を無水N,N-ジメチルホルムアミド(80mL)に懸濁させ、オキシ塩化リン(6.4g、42mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を60℃で2時間撹拌し、室温に冷却させ、冰水をゆっくりと加えて反応をクエンチングさせ、濾過し、ケーキを氷水で洗浄し、真空乾燥させて中間体6.1(15g)を得、淡黄色固体であった。m/z: [M+H] 195.1。
ステップ2:中間体6.1(15g、77mmol)を臭化水素酸水溶液(40%、100mL)に懸濁させ、反応混合物を90℃で2時間撹拌し、室温に冷却させ、反応溶液を氷水でゆっくりと希釈し、濾過し、ケーキを氷水で洗浄し、真空乾燥させて中間体6.2(10.3g)を得、黄色固体であった。m/z: [M+H] 196.2。
ステップ3:中間体6.2(6.6g、33mmol)をオキシ塩化リン(50mL)に懸濁させ、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(8.6g、66mmol)をゆっくりと滴下した。反応混合物を110℃で一晩撹拌した後減圧濃縮し、反応溶液をアセトニトリル(20mL)で希釈し、次に、ゆっくりと氷水に注ぎ、得られた固体を濾過し、ケーキを氷水で洗浄し、真空乾燥させて中間体6.3(6.14g)を得、褐色固体であった。
ステップ4:氷浴条件下で、中間体6.3(6.14g、23mmol)のテトラヒドロフラン(120mL)懸濁液に炭酸水素ナトリウム水溶液(1.0M、30mL)をゆっくりと滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後酢酸エチル(150mL)で希釈し、有機相を分離し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物を石油エーテル/酢酸エチル混合溶液でスラリー化させ、濾過し、ケーキを真空乾燥させて中間体6(4.94g)を得、褐色固体であった。m/z: [M+H] 250.0。
中間体7:2,5,7-トリクロロ-8-フルオロピリド[4,3-d]ピリミジン-4-オールの合成
ステップ1:2,6-ジクロロピリジン-4-アミン(50g、0.31mol)、1-フルオロ-4-メチル-1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンテトラフルオロボレート(131g、0.37mol)の無水アセトニトリル(500mL)及びN,N-ジメチルホルムアミド(500mL)混合溶液を80℃で1時間撹拌した。反応系を室温に冷却させた後、酢酸エチル(1700mL)で希釈し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して中間体7.1(52g)を得、黄色固体であった。m/z: [M+H] 181.0。
ステップ2:中間体7.1(52g、0.29mol)、過ヨウ素酸(26.2g、0.11mol)及びヨード(73g、0.29mol)の無水メタノール(500mL)溶液を60℃で5時間撹拌し、次に、直接に減圧濃縮し、残留物に酢酸エチル(1000mL)を加え、濾過し、濾液を順次に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(4L)、飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液(4L)及び飽和食塩水(0.4L)で洗浄し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して中間体7.2(45g)を得、黄色固体であった。m/z: [M+H] 306.8。
ステップ3:中間体7.2(10g、32.6mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(2.7g、3.26mmol)及びトリエチルアミン(23mL、163mmol)のメタノール(400mL)溶液を一酸化炭素で置換した後一酸化炭素の雰囲気(30psi)下で、50℃で20時間撹拌した。次に、反応溶液を直接に減圧濃縮して中間体7.3(4g)を得、黄色固体であった。m/z: [M+H] 239.0。
ステップ4:氷浴条件下で、中間体7.3(3.7g、15.5mmol)のテトラヒドロフラン(40mL)溶液にトリクロロアセチルイソシアネート(3.78g、46.4mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を加えた。反応系を室温で2時間撹拌した後直接に減圧濃縮し、残留物をメチルtert-ブチルエーテル(100mL)でスラリー化させ、濾過し、ケーキを真空乾燥させた後、中間体7.4(5g)を得、黄色固体であった。
ステップ5:中間体7.4(5g、11.7mmol)のメタノール(150mL)溶液にアンモニアメタノール溶液(20mL、7M、140mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、濾過し、ケーキを真空乾燥させて中間体7.5(2.9g)を得、淡黄色固体であった。
ステップ6:中間体7.5(2g、8.0mmol)のオキシ塩化リン(25mL)溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(5.7mL、32mmol)を加えた。反応系を80℃で1時間撹拌した後直接に減圧濃縮し、残留物を氷水(50mL)に注ぎ、水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて、飽和食塩水で洗浄し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮して中間体7.6(2.3g)を得、褐色固体であった。
ステップ7:氷浴条件下で、中間体7.6(2.3g、8.0mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に炭酸水素ナトリウム水溶液(24mL、1M)を加えた。反応系を0℃で1時間撹拌し、次に、希塩酸(2M)を加えてpH=5に調節し、水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1/1)により精製して中間体7(1.5g)を得、白色固体であった。m/z: [M+H] 267.8。
中間体8:7-ブロモ-2,6-ジクロロ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-オールの合成
ステップ1:抱水クロラール(15g、90.7mmol)の水(300mL)溶液にそれぞれ無水硫酸ナトリウム(69g、486mmol)及び塩酸ヒドロキシルアミン(15g、215mmol)を加えた。3-ブロモ-2,5-ジフルオロアニリン(15g、72.1mmol)を水(30mL)、エタノール(45mL)及び塩酸(10.5mL)の混合溶液に溶解させ、上記反応系に加え、得られた混合物を60℃で18時間撹拌し、次に、室温に冷却させ、濾過し、ケーキを真空乾燥させて中間体8.1(12.5g)を得、灰色固体であった。
ステップ2:60℃で、中間体8.1(12.5g、44.8mmol)を濃硫酸(100mL)に加え、反応混合物を90℃で1時間撹拌した。室温に冷却させ、反応溶液を氷水にゆっくりと加え、濾過し、ケーキを真空乾燥させて中間体8.2(11.1g)を得、赤黒色固体であった。m/z: [M+H] 262.0。
ステップ3:氷浴条件下で、中間体8.2(11.1g、42.4mmol)の水酸化ナトリウム水溶液(190mL、380mmol)に過酸化水素(21mL、191mmol)を加え、反応系を0℃で2時間撹拌した。亜硫酸ナトリウム固体をゆっくりと加えて反応系をクエンチングさせ、濃塩酸でpH=2~3に調節し、濾過し、ケーキを真空乾燥させて中間体8.3(7.6g)を得、灰色固体であった。m/z: [M+H] 252.0。
ステップ4:中間体8.3(8.7g、34.5mmol)の濃硫酸(85mL)溶液にN-クロロスクシンイミド(9.2g、69.0mmol)を加えた。反応混合物を80℃で16時間撹拌し、室温に冷却させ、反応溶液を氷水にゆっくりと加え、濾過し、ケーキを真空乾燥させて中間体8.4(9g)を得、灰色固体であった。m/z: [M+H] 285.9。
ステップ5:中間体8.4(9g、31.5mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液にN,N’-カルボニルジイミダゾール(10g、63.1mmol)を加え、反応混合物を50℃で2時間撹拌し、室温に冷却させ、濃アンモニア水(200mL)をゆっくりと加え、得られた混合物を室温で16時間撹拌を続け、水を加えて反応をクエンチングさせ、水相を酢酸エチル(450mL)で抽出し、有機相を分離し、減圧濃縮して中間体8.5(10g)を得、灰色固体であった。m/z: [M+H] 285.0。
ステップ6:中間体8.5(4.2g、14.7mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液にトリホスゲン(3.5g、11.8mmol)を加え、反応混合物を70℃で2時間撹拌し、室温に冷却させ、水で反応系をクエンチングさせ、水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を分離し、減圧濃縮して中間体8.6(3.3g)を得、灰色固体であった。m/z: [M+H] 310.8。
ステップ7:中間体8.6(1.7g、5.45mmol)のオキシ塩化リン(17mL)溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(4mL)を加えた。反応混合物を110℃で2時間撹拌し、減圧濃縮し、残留物をジクロロメタンで希釈し、次に、それぞれ飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄した。有機相を分離し、減圧濃縮して中間体8.7(1.9g)を得、黒色固体であった。m/z: [M+H] 346.8。
ステップ8:氷浴条件下で、中間体8.7(1.9g、5.45mmol)のテトラヒドロフラン(40mL)溶液に炭酸水素ナトリウム水溶液(11mL、10.91mmol)を加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。塩酸(1.0M)でpH=6~7に調節し、水相を酢酸エチル(300mL)で抽出し、有機相を分離し、減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=10/1)により精製して中間体8(1.33g)を得、灰色固体であった。m/z: [M+H] 330.8。
中間体9:7-ブロモ-6-クロロ-5,8-ジフルオロキナゾリン-4-オールの合成
中間体8.4(10.0g、34.9mmol)及び酢酸ホルムアミジン(36.3g、349mmol)の無水エタノール(150mL)溶液を80℃で一晩撹拌し、室温に冷却させた後水に注ぎ、濾過し、ケーキを真空乾燥させて中間体9(9.0g)を得、灰色固体であった。m/z: [M+H] 295.0。
中間体10:2-ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリルの合成
2-ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ-4-ブロモピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル(製品番号:PCS0834、Nanjing PharmaBlock Sciences)(300mg、0.69mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(56.0mg、0.07mmol)、酢酸カリウム(203mg、2.07mmol)及びビス(ピナコラート)ジボロン(350mg、1.38mmol)の無水1,4-ジオキサン(10mL)溶液を窒素ガスで置換した後、100℃で5時間撹拌し、室温に冷却させた後減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=10/1)により精製して中間体10(0.15g)を得、黄色固体であった。
中間体11:tert-ブチル(3-シアノ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)カルバメートの合成
ステップ1:氷浴条件下で、窒素ガスの保護下で、2-(2,6-ジブロモフェニル)アセトニトリル(3.8g、13.8mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)溶液に水素化ナトリウム(0.55g、60%)を加え、反応系を0℃で10分間撹拌し、次に、反応系にエトキシカルボニルイソチオシアネート(2.1g、15.2mmol)を加えた。反応系を95℃で4時間撹拌し、減圧濃縮した後、水及び酢酸エチルでスラリー化させた。濾過し、ケーキを真空乾燥させて(4-ブロモ-3-シアノベンゾ[b]チオフェン-2-イル)カルバミン酸エチル(1.7g)を得、オレンジ色固体であった。
ステップ2:(4-ブロモ-3-シアノベンゾ[b]チオフェン-2-イル)カルバミン酸エチル(1.7g、5.2mmol)のジメチルスルホキシド(170mL)溶液に水酸化ナトリウム(1.66g、41.6mmol)を加え、反応系を120℃で16時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却させた後、直接に氷水に注ぎ、濾過し、ケーキを真空乾燥させて2-アミノ-4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル(0.79g)を得、黄色固体であった。m/z: [M+H] 254.9。
ステップ3:2-アミノ-4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル(0.77g、3.06mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)及びテトラヒドロフラン(2mL)混合溶液に二炭酸ジ-tert-ブチル(1g、4.59mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(75mg、0.61mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.79g、6.12mmol)を順次に加え、反応系を窒素ガスの保護下で室温で8時間撹拌し、反応溶液を酢酸エチルで希釈した後水で洗浄し、有機相を分離し、減圧濃縮して(4-ブロモ-3-シアノベンゾ[b]チオフェン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(700mg)を得、淡黄色固体であった。
ステップ4:(4-ブロモ-3-シアノベンゾ[b]チオフェン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(700mg、1.97mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(160mg、0.2mmol)、炭酸セシウム(1.28g、3.94mmol)及びビス(ピナコラート)ジボロン(750mg、2.96mmol)の無水1,4-ジオキサン(15mL)溶液を窒素ガスで置換した後、105℃で6時間撹拌し、室温に冷却させた後減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/石油エーテル=0~1/1)により精製して中間体11(600mg)を得、淡黄色固体であった。m/z: [M+Na]423.0。
中間体12:tert-ブチル(5-クロロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)カルバメートの合成
ステップ1:2-ブロモ-3-クロロ-6-フルオロベンズアルデヒド(1g、4.21mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(120mL)溶液に炭酸カリウム(1.16g、8.42mmol)及び2-メルカプト酢酸メチル(460mg、4.34mmol)を順次に加え、反応系を60℃で一晩撹拌した。反応系を酢酸エチルで希釈した後、水で洗浄し、有機相を分離し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~30%)により精製して4-ブロモ-5-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸メチル(760mg)を得、白色固体であった。m/z: [M+H]+ 307.0。
ステップ2:4-ブロモ-5-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸メチルエステル(750mg、2.44mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)及び水(2mL)の混合溶液に水酸化リチウム一水和物(512mg、12.2mmol)を加え、反応系を室温で一晩撹拌した。希塩酸(1M)でpH=3に調節し、水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて、減圧濃縮して4-ブロモ-5-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(675mg)を得、淡黄色固体であった。
ステップ3:4-ブロモ-5-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(670mg、2.3mmol)、トリエチルアミン(354mg、3.5mmol)、ジフェニルホスホリルアジド(943mg、3.4mmol)のトルエン(8mL)溶液にtert-ブタノール(256mg、3.45mmol)を加え、反応系を100℃で12時間撹拌した後、直接に減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~40%)により精製して(4-ブロモ-5-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-イル)アミノカルボン酸tert-ブチル(1g)を得、白色固体であった。
ステップ4:(4-ブロモ-5-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(480mg、1.32mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(108mg、0.13mmol)、酢酸カリウム(324mg、3.3mmol)及びビス(ピナコラート)ジボロン(402mg、1.58mmol)の無水1,4-ジオキサン(8mL)溶液を窒素ガスで置換した後、100℃で3時間撹拌し、室温に冷却させた後減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/石油エーテル=0~4/1)により精製して中間体12(223mg)を得、黄色固体であった。m/z: [M+Na]+ 432.2。
中間体13:tert-ブチル(5-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)カルバメートの合成
中間体12の合成方法を使用し、2-ブロモ-3,6-ジフルオロベンズアルデヒドで反応させて中間体13を得た。m/z: [M-56+H] 338.2。
中間体14:tert-ブチル(5-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)カルバメートの合成
中間体12の合成方法を使用し、2-ブロモ-6-フルオロ-3-メチルベンズアルデヒドで反応させて中間体14を得た。m/z: [M-56+H]334.2。
中間体15:tert-ブチル(3-シアノ-7-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)カルバメートの合成
中間体11の合成方法を使用し、2-(6-ブロモ-2,3-ジフルオロフェニル)アセトニトリルで反応させて中間体15を得た。m/z: [M+Na] 441.2。
中間体16:(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール-4-イル)ボロン酸の合成
ステップ1:4-ブロモベンゾ[d]チアゾール-2-アミン(5g、21.8mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液に二炭酸ジ-tert-ブチル(7.14g、32.7mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(0.53g、4.36mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(5.64g、43.6mmol)を順次に加えた。反応系を窒素ガスの保護下で、室温で2時間撹拌し、次に、ジクロロメタンで希釈し、有機相を水で洗浄し、有機相を分離し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/石油エーテル=0~80%)により精製して(4-ブロモベンゾ[d]チアゾール-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(6.6g)を得、淡黄色固体であった。
ステップ2:(4-ブロモベンゾ[d]チアゾール-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(1.3g、3.95mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に水素化ナトリウム(0.14g、5.93mmol)を加え、反応系を室温で10分間撹拌した。-70℃で、上記反応系にn-ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液(2.5M、2.37mL)を滴下し、滴下完了後、25分間撹拌し、次に、ホウ酸トリイソプロピル(2.23g、11.9mmol)を加えた。反応溶液を当該温度下で25分間撹拌した後、室温に昇温させ、飽和塩化アンモニウム水溶液で反応をクエンチングさせ、水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、減圧濃縮した。残留物を石油エーテルでスラリー化させ、濾過し、ケーキを真空乾燥させて中間体16(1.5g)を得、白色固体であった。m/z: [M+H] 295.2。
中間体17:(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-7-フルオロベンゾ[d]チアゾール-4-イル)ボロン酸の合成
中間体16の合成方法を使用し、4-ブロモ-7-フルオロベンゾ[d]チアゾール-2-アミンで反応させて中間体17を得た。m/z: [M+H]313.0。
中間体18:tert-ブチル(3-シアノ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6,7-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イル)カルバメートの合成
ステップ1:1,2-シクロヘキサンジオン(5.2g、46.4mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(50mL)溶液にマロノニトリル(3.37g、51.0mmol)、硫黄粉末(2.23g、70.0mmol)及びL-プロリン(0.53g、4.64mmol)を順次に加えた。反応系を60℃で一晩撹拌した。反応溶液を氷水に注ぎ、濾過し、ケーキを酢酸エチルでスラリー化させ、濾過し、ケーキを真空乾燥させて2-アミノ-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル(2g)を得、褐色固体であった。
ステップ2:2-アミノ-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル(1.5g、7.8mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に二炭酸ジ-tert-ブチル(5.11g、23.4mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(1.91g、15.6mmol)を順次に加えた。反応系を60℃で一晩撹拌し、次に、直接に減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)により精製して(3-シアノ-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(350mg)を得、オフホワイト固体であった。m/z: [M+Na] 315.2。
ステップ3:-78℃で、(3-シアノ-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(60mg、0.21mmol)及びN-フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(0.11g、0.32mmol)の無水テトラヒドロフラン(2mL)溶液にリチウムビス(トリメチルシリル)アミドのテトラヒドロフラン溶液(1M、0.32mL)を滴下した。反応系を当該温度下で、3時間撹拌を続け、飽和塩化アンモニウム水溶液で反応をクエンチングさせ、減圧濃縮し、残留物をprep-TLC(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)により精製して2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-シアノ-6,7-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン-4-イルトリフルオロメタンスルホナート(27mg)を得、オフホワイト固体であった。m/z: [M+H] 425.0。
ステップ4:2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-シアノ-6,7-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン-4-イルトリフルオロメタンスルホナート(27mg、0.06mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(2.6mg)、酢酸カリウム(19mg、0.19mmol)及びビス(ピナコラート)ジボロン(24mg、0.10mmol)の無水1,4-ジオキサン(2mL)溶液を窒素ガスで置換した後、85℃で7時間撹拌し、室温に冷却させて珪藻土で濾過し、濾液を減圧濃縮して中間体18(25mg)を得、黄色油状物であった。m/z: [M+Na]425.2。
中間体19:(1-(ジフルオロメチル)-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル及び(1-(ジフルオロメチル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル混合物の合成
ステップ1:3-ブロモベンゼン-1,2-ジアミン(3g、15.6mmol)、N,N‘-ジ-Boc-S-メチルイソチオ尿素(9.23g、31.1mmol)及びD-(+)-カンファースルホン酸(0.37g、1.56mmol)のエタノール(120mL)溶液を室温で12時間撹拌し、反応溶液を直接に減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=0~60%)により精製して(7-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(4.9g)を得、黄色固体であった。m/z: [M+H] 312.0。
ステップ2:(7-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(2.5g、7.94mmol)及びフッ化カリウム(1.25g、21.3mmol)のアセトニトリル(60mL)溶液にブロモフルオロメチルホスホン酸ジエチル(2.49g、9.05mmol)を加え、反応溶液を室温で18時間撹拌し、氷水で反応系をクエンチングさせ、水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=0~50%)により精製して(7-ブロモ-1-(ジフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル及び(4-ブロモ-1-(ジフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)カルバミン酸tert-ブチルの混合物(1.4g)を得、黄色油状物であった。
ステップ3:ステップ2で得られた生成物(1.4g、3.87mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(0.67g、0.77mmol)、酢酸カリウム(1.15g、11.6mmol)及びビス(ピナコラート)ジボロン(1.5g、5.8mmol)の無水1,4-ジオキサン(20mL)溶液を窒素ガスで置換した後、100℃で16時間撹拌し、室温に冷却させた後、減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~100%)により精製して中間体19(360mg)を得、黄色油状物であった。m/z: [M +H] 310.2。
中間体20:3-シアノ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピロール-1-カルボン酸tert-ブチルの合成
ステップ1:氷浴条件下で、4-ブロモベンゾ[b]チオフェン(3.8g、17.8mmol)及び1,1-ジクロロメチルエーテル(2.05g、17.8mmol)のジクロロメタン(150mL)溶液に四塩化チタン(24.6mL、225mmol)をゆっくりと滴下した。滴下完了後、反応溶液を室温で一晩撹拌した。0℃で、飽和塩化アンモニウム水溶液で反応系をクエンチングさせた。水相をジクロロメタンで抽出し、有機相を合わせてを飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮した。残留物を少量のジクロロメタンに分散させ、濾過し、ケーキを真空乾燥させて4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-3-カルバルデヒド(1.8g)を得、オフホワイト固体であった。
ステップ2:氷浴条件下で、ナトリウム(610mg、26.6mmol)を無水エタノール(15mL)に溶解させてナトリウムエトキシド溶液を得た。氷浴条件下で、4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-3-カルバルデヒド(1.6g、6.6mmol)及び2-アジド酢酸エチル(3.4g、26.6mmol)のテトラヒドロフラン(40mL)溶液に上記ナトリウムエトキシド溶液をゆっくりと滴下した。滴下完了後、反応溶液を0℃で2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液で反応系をクエンチングさせ、水相を酢酸エチルで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/ジクロロメタン=4/1)により精製して2-アジド-3-(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-3-イル)アクリル酸エチル(660mg)を得、淡褐色固体であった。H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.42 (s, 1H), 8.27 (d, J = 0.8Hz, 1H), 7.83 (dd, J = 8.0, 1.2Hz, 1H), 7.64 (dd, J = 7.6, 0.8 Hz, 1H), 7.20 (t, J = 8.0Hz, 1H), 4.40 (q, J = 7.2Hz, 2H), 1.42 (t, J = 7.2Hz, 3H)。
ステップ3:2-アジド-3-(4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-3-イル)アクリル酸エチル(829mg、2.35mmol)をキシレン(40mL)に溶解させ、反応系を窒素ガスで置換した後、145℃で0.5時間撹拌した。減圧濃縮して4-ブロモ-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピロール-2-カルボキシレート(730mg)を得、淡褐色固体であった。m/z:[M+H] 324.0。
ステップ4:4-ブロモ-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピロール-2-カルボキシレート(350mg、1.08mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)、メタノール(5mL)及び水(5mL)の混合溶液に水酸化ナトリウム(216mg、5.4mmol)を加えた。反応系を90℃で13時間撹拌した。室温に冷却させ、減圧濃縮して有機溶媒除去した。水相を飽和クエン酸水溶液でpH=4に調節し、大量の固体を析出させた。濾過し、ケーキを水で洗浄した後、真空乾燥させて4-ブロモ-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピロール-2-カルボン酸(310mg)を得、淡紫色固体であった。m/z:[M+H]296.0。
ステップ5:4-ブロモ-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピロール-2-カルボン酸(260mg、0.79mmol)、銅粉末(75mg、1.19mmol)及びキノリン(13mL)をマイクロ波チューブに入れた。反応系を160℃で5分間撹拌した。室温に冷却させ、塩酸(3M)でpH=5に調節し、酢酸エチルを加えて希釈した。濾過し、濾液を酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて、減圧濃縮した。残留物をprep-TLC(石油エーテル/酢酸エチル=4/1)により精製して4-ブロモ-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピロール(70mg)を得、淡褐色固体であった。m/z:[M+H] 252.0。
ステップ6:4-ブロモ-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピロール(70mg、0.28mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液にトリエチルアミン(56mg、0.56mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(3mg、0.03mmol)及び(Boc)O(91mg、0.42mmol)を順次に加えた。反応溶液を室温で1時間撹拌し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)により精製して4-ブロモ-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピロール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(86mg)を得、淡褐色固体であった。
ステップ7:4-ブロモ-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピロール-1-カルボン酸tert-ブチル(76mg、0.22mmol)及びN-ヨードスクシンイミド(74mg、0.33mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)溶液を室温で15時間撹拌した。水を加えて反応をクエンチングさせ、水相を酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて、減圧濃縮した。残留物をprep-TLC(石油エーテル/ジクロロメタン=4/1)により精製して4-ブロモ-3-ヨード-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピロール-1-カルボン酸tert-ブチル(90mg)を得、白色固体であった。m/z:[M-56+H] 422.0。
ステップ8:4-ブロモ-3-ヨード-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピロール-1-カルボン酸tert-ブチル(90mg、0.19mmol)、シアン化銅(I)(51mg、0.57mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(8.7mg、9.5μmol)及び1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(18.4mg、0.033mmol)の1,4-ジオキサン(6mL)反応系を窒素ガスで3回置換し、反応溶液を100℃で1時間撹拌した。室温に冷却させ、反応溶液を酢酸エチルで希釈した。濾過し、濾液を減圧濃縮した。残留物をprep-TLC(石油エーテル/酢酸エチル=4/1)により精製して4-ブロモ-3-シアノ-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピロール-1-カルボン酸tert-ブチル(50mg)を得、白色固体であった。m/z: [M+H] 377.0。H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.14 (d, J = 8.0Hz, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.73 (d, J = 7.6Hz, 1H), 7.37 (t, J = 8.0Hz, 1H), 1.69 (s, 9H)。
ステップ9:ステップ8で得られた生成物(40mg、0.11mmol)、酢酸カリウム(32mg、0.33mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(84mg、0.33mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(13.5mg、0.017mmol)の無水1,4-ジオキサン(8mL)溶液を窒素ガスで3回置換し、反応系を100℃で3時間撹拌した。室温に冷却させ、酢酸エチルで希釈した。濾過し、濾液を減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=4/1)により精製して中間体20(43mg)を得、淡褐色固体であった。m/z: [M+H] 425.2。
中間体25:3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピロール-1-カルボン酸tert-ブチルの合成
ステップ1:2-アミノ-4-ブロモベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル(500mg、1.96mmol)、無水酢酸(3mL)及び醋酸(3mL)を密封チューブに入れた。反応溶液を140℃で2時間撹拌し、室温に冷却させた後、減圧濃縮した。残留物に石油エーテル/酢酸エチル(1/1)混合溶液を加え、0.5時間撹拌し、濾過し、ケーキを真空乾燥させてN-(4-ブロモ-3-シアノベンゾ[b]チオフェン-2-イル)アセトアミド(582mg)を得、白色固体であった。
ステップ2:N-(4-ブロモ-3-シアノベンゾ[b]チオフェン-2-イル)アセトアミド(530mg、1.78mmol)及び炭酸カリウム(492mg、3.56mmol)のアセトン(10mL)溶液に2-ブロモ酢酸エチル(357mg、2.14mmol)を加えた。反応系を65℃で16時間撹拌し、次に、反応系を密封チューブに移し、125℃で16時間撹拌を続けた。室温に冷却させた後、減圧濃縮して3-アミノ-4-ブロモ-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピロール-2-カルボン酸エチル(550mg)を得た。m/z:[M+H] 339.2。
ステップ3&4:3-アミノ-4-ブロモ-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピロール-2-カルボン酸エチル(550mg、1.6mmol)のメタノール(8mL)及び水(2mL)の混合物溶液に水酸化カリウム(411mg、7.3mmol)を加え、反応系を加熱還流して一晩撹拌した。室温に冷却させた後、反応系に(Boc)O(1.76g、8.06mmol)を加え、室温で一晩撹拌続け、反応溶液を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて、減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1~4/1)により精製して4-ブロモ-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピロール-1-カルボン酸tert-ブチル(35mg)を得、黄色油状物であった。m/z: [M+H] 469.0。
ステップ5:ステップ4で得られた生成物(15mg、32μmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(4mg)、酢酸カリウム(9.5mg、96μmol)及びビス(ピナコラート)ジボロン(24mg、96μmol)の無水1,4-ジオキサン(3mL)溶液を窒素ガスで置換した後、100℃で2時間撹拌し、室温に冷却させた後減圧濃縮し、残留物をprep-TLC(酢酸エチル/石油エーテル=4/1)により精製して中間体25(15mg)を得、褐色固体であった。
中間体26:9-シアノ-8-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-イミダゾール[1,2-a]インドール-1-カルボン酸tert-ブチルの合成
ステップ1:2-ブロモ-6-フルオロベンズアルデヒド(200mg、0.99mmol)、1H-イミダゾール(67mg、0.99mmol)及び炭酸カリウム(410mg、2.97mmol)のジメチルスルホキシド(20mL)溶液を80℃で4時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルで希釈し、有機相をそれぞれ水及び飽和食塩水で洗浄し、有機相を分離し、減圧濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)により精製して8-ブロモ-9H-イミダゾ[1,2-a]インドール-9-オン(20mg)を得、黄色固体であった。m/z: [M+H] 249.0。
ステップ2:氷浴条件下で、8-ブロモ-9H-イミダゾ[1,2-a]インドール-9-オン(500mg、2.01mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(7mL)及びエタノール(0.2mL)混合溶液にp-トルエンスルホニルイソシアネート(520mg、2.61mmol)及びカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(1g、5.02mmol)を順次に加え、反応溶液を35℃で4時間撹拌した。水(1mL)を加えて反応系をクエンチングさせ、水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20/1)により精製して8-ブロモ-9H-イミダゾ[1,2-a]インドール-9-カルボニトリル(300mg)を得、褐色固体であった。m/z: [M+H] 260.0。
ステップ3:8-ブロモ-9H-イミダゾ[1,2-a]インドール-9-カルボニトリル(68mg、0.31mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液にトリエチルアミン(53mg、0.52mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(3mg、0.03mmol)及び(Boc)O(68mg、0.31mmol)を順次に加えた。反応溶液を室温で1時間撹拌し、減圧濃縮して8-ブロモ-9-シアノ-1H-イミダゾ[1,2-a]インドール-1-カルボン酸tert-ブチル(50mg)を得、白色固体であった。m/z: [M+H] 360.2。
ステップ4:ステップ3で得られた生成物(50mg、0.14mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(17mg、21μmol)、酢酸カリウム(41mg、0.42mmol)及びビス(ピナコラート)ジボロン(107mg、0.42mmol)の無水1,4-ジオキサン(8mL)溶液を窒素ガスで置換した後、100℃で3時間撹拌し、室温に冷却させた後減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=4/1)により精製して中間体26(50mg)を得、褐色固体であった。
中間体21:1-((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)エタノールの合成
ステップ1:-78℃条件で、ジメチルスルホキシド(7.61g、97.4mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液を塩化オキサリル(7.41g、58.4mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に滴下し、反応溶液を1時間撹拌し、次に、((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メタノール(3.1g、19.5mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液を滴下し、反応溶液を1時間撹拌を続け、トリエチルアミン(19.7g、195mmol)を上記反応溶液に加え、室温にゆっくりと昇温させて一晩撹拌した。反応系をジクロロメタン(100mL)で希釈し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、有機相を減圧濃縮して((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-カルバルデヒド(3g)を得、黄色油状物であった。
ステップ2:-40℃条件で、ヨウ化メチルマグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(12.7mL、3M)を((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-カルバルデヒド(3.0g、19.1mmol)のテトラヒドロフラン(80mL)溶液にゆっくりと加え、反応系をゆっくりと室温に昇温させて一晩撹拌した。反応系にそれぞれテトラヒドロフラン(200mL)及び飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)を加え、次に、直接に減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=0~10%)により精製して中間体21(2.5g)を得、褐色油状物であった。m/z: [M+H] 174.1。
中間体22:((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)()メタノールの合成
ステップ1:((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-カルバルデヒド(5.5g、35.0mmol)のtert-ブタノール(60mL)及び水(30mL)の混合溶液に2-メチルブタ-2-エン(12.3g、175mmol)、リン酸二水素ナトリウム(6.3g、52.5mmol)及び亜塩素酸ナトリウム(4.75g、52.5mmol)を順次に加え、反応溶液を室温で2時間撹拌し、水を加えて反応系をクエンチングさせ、減圧濃縮し、有機溶媒を除去し、水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を分離し、減圧濃縮して(2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-カルボン酸(3.65g)を得、黄色油状物であった。m/z: [M+H] 174.2。
ステップ2:氷浴条件下で、(2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-カルボン酸(3.6g、20.8mmol)のメタノール(30mL)溶液にトリメチルシリルジアゾメタン(4.75g、41.6mmol)をゆっくりと加え、反応溶液を室温で1時間撹拌し、次に、直接に減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=0~1/20)により精製して(2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-カルボン酸メチル(1.15g)を得、黄色油状物であった。m/z: [M+H] 188.2。
ステップ3:氷浴条件下で、(2R,7aS)2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-カルボン酸メチル(1.15g、5.61mmol)のテトラヒドロフラン(40mL)溶液に重水素化アルミニウムリチウム(471mg、11.2mmol)をゆっくりと加え、反応系を0℃で1時間撹拌した。硫酸ナトリウム十水和物(5g)及び酢酸エチル(60mL)をゆっくりと加え、反応系を室温で1時間撹拌を続け、濾過し、濾液を減圧濃縮して中間体22(900mg)を得、黄色油状物であった。m/z: [M+H] 162.2。
中間体23:((2R,7aS)-(5,5-)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メタノールの合成
ステップ1:((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メタノール(5g、31.4mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(40mL)溶液にtert-ブチルジフェニルクロロシラン(11.2g、40.8mmol)及び1H-イミダゾール(3.2g、47.1mmol)をゆっくりと加えた。反応溶液を室温で一晩撹拌し、水(20mL)を加え、反応系をクエンチングさせた。水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて、減圧濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=0~1/4)により精製して(2R,7aS)-7a-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン(14g)を得、無色油状物であった。
ステップ2:(2R,7aS)-7a-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン(16.5g、41.5mmol)の酢酸エチル(30mL)及び水(30mL)の混合溶液に過ヨウ素酸ナトリウム(23.1g、108mmol)及び二酸化ルテニウム水和物(313mg、2.08mmol)を順次に加えた。反応系を室温で2時間撹拌し、珪藻土で濾過し、濾液を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて、減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=0~1/3)により精製して(6R,7aS)-7a-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-6-フルオロテトラヒドロ-1H-ピロリジン-3(2H)-オン(12g)を得、黄色固体であった。m/z: [M+H] 412.2。
ステップ3:氷浴条件下で、(6R,7aS)-7a-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-6-フルオロテトラヒドロ-1H-ピロリジン-3(2H)-オン(3.8g、9.23mmol)のテトラヒドロフラン(40mL)溶液に重水素化アルミニウムリチウム(775mg、18.5mmol)をゆっくりと加え、反応系を80℃で2時間撹拌した。硫酸ナトリウム十水和物をゆっくりと加え、反応系をクエンチングさせ、反応系を室温で0.5時間撹拌を続け、濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=1/10)により精製して中間体23(600mg)を得、黄色油状物であった。m/z: [M+H] 162.2。
中間体24:((2R,7aS)-(5,5-)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)()メタノールの合成
ステップ1:(2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-カルボン酸メチ(700mg、3.74mmol)の酢酸エチル(10mL)及び水(10mL)混合溶液に過ヨウ素酸ナトリウム(2.4g、11.2mmol)及び二酸化ルテニウム水和物(28.3mg、0.19mmol)を順次に加えた。反応系を室温で2時間撹拌し、珪藻土で濾過し、濾液を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて、飽和食塩水で洗浄し、有機相を分離し、減圧濃縮して(2R,7aS)-2-フルオロ-5-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-カルボン酸メチル(600mg)を得、黒色油状物であった。m/z: [M+H] 202.2。
ステップ2:氷浴条件下で、(2R,7aS)-2-フルオロ-5-オキソヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-カルボン酸メチル(600mg、3.0mmol)のテトラヒドロフラン(12mL)溶液に重水素化アルミニウムリチウム(375mg、8.9mmol)をゆっくりと加え、反応系を80℃で0.5時間撹拌した。硫酸ナトリウム十水和物をゆっくりと加えて反応系をクエンチングさせ、反応系を室温で0.5時間撹拌を続け、濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=1/10)により精製して中間体24(450mg)を得、黄色油状物であった。m/z: [M+H] 164.2;H NMR (400 MHz, CDCl): δ 5.27-5.13 (m, 1H), 3.15-3.02 (m, 2H), 2.12-2.02 (m, 2H), 1.92-1.74 (m, 4H)。
化合物の合成:
実施例1:5-エチニル-4-(1-フルオロ-12-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-4-オキサ-3,10a,11,13,14-ペンタアザ-6,9-メタノナフト[1,8-ab]ヘプタン-2-イル)ナフタレン-2-オール(化合物I-1-1又はI-1-2)の合成
ステップ1:氷浴条件下で、中間体1(0.63g、2.61mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に水素化ナトリウム(0.32g、7.83mmol)のテトラヒドロフラン溶液(15mL)を加えた。得られた混合物を0℃で、1時間撹拌し、次に、反応系に中間体7(0.7g、2.61mmol)のテトラヒドロフラン溶液(15mL)を加え、反応溶液を室温で1時間撹拌した後水(1mL)を加え、反応系をクエンチングさせ、水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=5/1)により精製して化合物8-1(1.1g、収率:89%)を得、黄色固体であった。m/z: [M+H] 474.2。
ステップ2:化合物8-1(1.1g、2.32mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(8.5mL、51.0mmol)のアセトニトリル(40mL)溶液にオキシ塩化リン(2.5g、16.2mmol)のアセトニトリル溶液(5mL)を加えた。反応系を100℃で2時間撹拌した後、直接に減圧濃縮し、残留物に酢酸エチル(200mL)を加え、有機相を順次に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1/1)により精製して化合物8-2(0.5g、収率:47%)を得、黄色固体であった。m/z: [M+H] 456.2。
ステップ3:氷浴条件下で、((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メタノール(0.14g、0.85mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液に水素化ナトリウム(0.11g、2.6mmol)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を加えた。得られた混合物を0℃で、1時間撹拌し、次に、化合物8-2(0.3g、0.65mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を上記混合物に加え、反応系を室温で1時間撹拌した。水(1mL)を加えて反応系をクエンチングさせ、水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=10/1)により精製して化合物8-3(0.24g、収率:65%)を得、黄色固体であった。m/z: [M+H] 579.2。
ステップ4:化合物8-3(160mg、0.27mmol)、トリイソプロピル((6-(メトキシメトキシ)-8-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ナフタレン-1-イル)エチニル)シラン(204mg、0.41mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(224mg、0.27mmol)及び炭酸セシウム(268mg、0.54mmol)の1,4-ジオキサン(12mL)及び水(3mL)の混合溶液を100℃でマイクロ波で5時間反応させ、反応系を室温に冷却させた後減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=10/1)により精製して化合物8-4(150mg、収率:60%)を得、黒色固体であった。m/z: [M+H] 911.4。
ステップ5:氷浴条件下で、化合物8-4(130mg、0.14mmol)のジクロロメタン(6mL)溶液に塩化水素-1,4-ジオキサン溶液(3mL)を加え、反応溶液を室温で2時間撹拌し、次に、直接に減圧濃縮し、残留物にアセトニトリル(5mL)及びアンモニア水(0.1mL)を加え、更に減圧濃縮して化合物8-5(100mg)を得、黒色固体であった。m/z: [M+H] 767.4。
ステップ6:化合物8-5(60mg、0.14mmol)及びフッ化セシウム(108mg、0.71mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解させ、反応系を50℃で2時間撹拌し、直接に減圧濃縮し、残留物をprep-HPLC(アルカリ性条件、勾配溶出条件1)により精製して化合物I-1-1(13.1mg、2つシス-トランス異性体混合物)及びI-1-2(6.0mg)を得、いずれも白色固体であった。I-1-1:UPLC RT= 3.832分;m/z: [M+H] 611.2;H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 10.14 (s, 1H), 7.88 (dd, J = 7.6, 2.8Hz, 1H), 7.48-7.40 (m, 2H), 7.31 (d, J = 2.8Hz, 1H), 7.13 -7.03 (m, 1H), 5.34-5.21 (m, 2H), 4.88-4.78 (m, 1H), 4.57-4.49 (m, 1H), 4.40-4.29 (m, 1H), 4.17-3.89 (m, 3H), 3.80-3.54 (m, 4H), 3.18-2.98 (m, 4H), 2.85-2.67 (m, 2H), 2.12-1.97 (m, 3H), 1.85-1.57 (m, 5H);I-1-2:UPLC RT= 4.649分間であり、m/z: [M+H] 611.2; H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ10.02 (s, 1H), 7.88 (d, J = 2.0Hz, 1H), 7.91 (d, J = 2.0Hz, 1H), 7.85 (d, J = 7.6Hz, 1H), 7.79 (d, J = 7.6Hz, 1H),7.23 (d, J = 2.0Hz, 1H), 5.39-5.24 (m, 2H), 4.82-4.78 (m, 1H), 4.61-4.58 (m, 1H), 4.51-4.43 (m, 1H), 4.24-4.03 (m, 4H), 3.64-3.54 (m, 3H), 3.18-2.98 (m, 4H), 2.89-2.83 (m, 2H), 2.10-1.97 (m, 3H), 1.89-1.61 (m, 5H)。
実施例2:化合物I-1-1の合成
ステップ1:化合物8-4をprep-HPLC(アルカリ性条件、勾配溶出条件1)により分離して化合物8-4A(Chiral HPLC RT=10.462、17.460分)を得た。
ステップ2&3:実施例1のステップ5~6の合成方法を使用し、化合物8-4Aで反応させて化合物I-1-1を得、それは2つシス-トランス異性体混合物であった。m/z: [M+H] 611.2;UPLC RT=3.784分間。
実施例3:5-エチニル-4-(12-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-4-オキサ-1,10a,11,13,14-ペンタアザ-6,9-メタノナフト[1,8-ab]ヘプタン-2-イル)ナフタレン-2-オール(化合物I-2)の合成
実施例1の合成方法を使用し、中間体1及び6を開始原料として化合物I-2(prep-HPLC、アルカリ性条件、勾配溶出条件1)を合成し、土っぽい黄色固体であった。UPLC RT= 2.446、2.512、2.567、2.620分;m/z: [M+H] 593.2;H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 7.71-7.66 (m, 2H), 7.32-7.03 (m, 3H), 6.36 (s, 1 H), 5.34-5.21 (m, 2H), 4.80-4.66 (m, 2H), 4.53- 4.30 (m, 2H), 4.11-3.85 (m, 4H), 3.20-2.81 (m, 5H), 2.10-1.94 (m, 4H), 1.84-1.68 (m, 3H), 1.56-1.42 (m, 3H)。
実施例4:4-(3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-5-エチニルナフタレン-2-オール(化合物I-3)の合成
実施例1の合成方法を使用して、中間体1及び8を開始原料として化合物I-3(prep-HPLC、アルカリ性条件、勾配溶出条件1)を合成し、黄色固体であった。m/z: [M+H] 644.2。
実施例5:5-エチニル-4-((5aS,6S,9R)-1-フルオロ-12-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-4-オキサ-3,10a,11,13,14-ペンタアザ-6,9-メタノナフト[1,8-ab]ヘプタン-2-イル)ナフタレン-2-オール・ジトリフルオロ酢酸(化合物I-4)の合成
化合物9-1の合成:実施例1のステップ1~4の合成方法を使用し、中間体2及び7を開始原料として、化合物9-1(prep-HPLC、酸性条件、勾配溶出条件2)を合成し、白色固体であった。Chiral HPLC RT=10.556分。
実施例1のステップ5~6の合成方法を使用し、化合物9-1を反応させて化合物I-4を得、白色固体であった。m/z: [M+H] 611.2;H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 10.12 (s, 1H), 7.88 (dd, J = 8.0, 2.0Hz, 1H), 7.48-7.38 (m, 2H), 7.31 (d, J = 1.2Hz, 1H), 7.12-7.03 (m, 1H), 5.34-5.21 (m, 2H), 4.87-4.77 (m, 1H), 4.56-4.48 (m, 1H), 4.39- 4.28 (m, 1H), 4.08-3.96 (m, 3H), 3.62-3.48 (m, 2H), 3.13-3.01 (m, 4H), 2.85-2.80 (m, 1H), 2.15-1.91 (m, 4H), 1.89-1.51 (m, 8H)。
実施例6:5-エチニル-4-((5aR,6R,9S)-1-フルオロ-12-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a(5H)-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-4-オキサ-3,10a,11,13,14-ペンタアザ-6,9-メタノナフト[1,8-ab]ヘプタン-2-イル)ナフタレン-2-オール・ジトリフルオロ酢酸(化合物I-5)の合成
化合物10-1の合成:実施例1のステップ1~4の合成方法を使用し、中間体3及び7を開始原料として、化合物10-1(prep-HPLC、酸性条件、勾配溶出条件2)を合成し、白色固体であった。Chiral HPLC RT=17.256分。
実施例1のステップ5~6の合成方法を使用し、化合物10-1を反応させて化合物I-5(prep-HPLC、酸性条件、勾配溶出条件2)を得、白色固体であった。m/z: [M+H] 611.2;H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 10.14 (s, 1H), 7.88 (dd, J = 7.6, 2.8Hz, 1H), 7.48-7.40 (m, 2H), 7.31 (d, J = 2.8Hz, 1H), 7.13-7.03 (m, 1H), 5.34-5.21 (m, 2H), 4.88-4.78 (m, 1H), 4.57-4.49 (m, 1H), 4.40-4.29 (m, 1H), 4.17-3.89 (m, 3H), 3.80-3.54 (m, 4H), 3.18-2.98 (m, 4H), 2.85-2.67 (m, 2H), 2.12-1.97 (m, 3H), 1.85-1.57 (m, 5H)。
実施例7:2-アミノ-4-(3-クロロ-1-フルオロ-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル(trans)・トリフルオロ酢酸塩(化合物I-6-1又はI-6-2)の合成
ステップ1:氷浴条件下で、中間体1(trans)(1.0g、4.13mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に水素化ナトリウム(0.5g、12.4mmol)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)を加えた。反応系を0℃で1時間撹拌した後、中間体9(1.46g、4.96mmol)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)を加え、反応溶液を室温で1時間撹拌した後、水(50mL)を加えて反応をクエンチングさせ、塩酸(1M)でpH=6に調節し、水相を酢酸エチル(200mL)で抽出し、有機相を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=10/1)により精製して化合物11-1(1.3g、収率:60%)を得、白色固体であった。m/z: [M+H] 517.0。
ステップ2:化合物11-1(1.30g、2.51mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(8.5mL、55.2mmol)のアセトニトリル(150mL)溶液にオキシ塩化リン(2.69g、17.6mmol)のアセトニトリル溶液(20mL)を加えた。反応系を100℃で2時間撹拌した後、直接に減圧濃縮し、残留物に酢酸エチル(200mL)を加え、有機相を順次に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1/1)により精製して化合物11-2(0.95g、収率:75%)を得、白色固体であった。m/z: [M+H] 499.0。
ステップ3:化合物11-2(200mg、0.4mmol)、3-シアノ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(200mg、0.40mmol)、ジクロロ[ビス(ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル]パラジウム(II)(95.9mg、0.12mmol)及び炭酸セシウム(326mg、1.0mmol)のトルエン(5mL)混合物を窒素ガスで置換した後、105℃で、6時間撹拌し、反応系を直接に減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=10/1)により精製して化合物11-3(150mg、収率:54%)を得、白色固体であった。m/z: [M+H] 693.2。
ステップ4:氷浴条件下で、化合物11-3(150mg、0.14mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液にトリフルオロ酢酸(2mL)を加え、反応溶液を室温で2時間撹拌した後、直接に減圧濃縮し、残留物をprep-HPLC(酸性条件、勾配溶出条件2)により精製して化合物I-6-1(79.2mg)及びI-6-2(56.1mg)を得、いずれも黄色固体であった。I-6-1:UPLC RT= 4.944分;m/z: [M+H] 493.0; H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 8.69 (s, 1H), 7.85 (s, 2H), 7.80 (dd, J = 8.0, 1.6Hz, 1H), 7.27-7.18 (m, 2H), 4.98 (dd, J = 14.4, 2.8Hz, 1H), 4.77 (dd, J = 13.2, 3.2Hz, 1H), 4.56-4.52 (m, 1H), 4.36-4.28 (m, 4H), 3.48 (d, J = 14.0Hz, 1H),2.17-2.12 (m, 1H), 2.00-1.83 (m, 3H)。I-6-2:UPLC RT= 5.150分;m/z: [M+H] 493.0; H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 8.69 (s, 1H), 7.85 (s, 2H), 7.80 (dd, J = 8.0, 1.2Hz, 1H), 7.27-7.14 (m, 2H), 4.98 (dd, J = 14.4, 2.8Hz, 1H), 4.66 (d, J = 5.2Hz, 2H), 4.44-4.41 (m, 1H), 4.30-4.24 (m, 3H), 3.47 (d, J = 14.0Hz, 1H), 2.20-2.17 (m, 1H), 2.00-1.88 (m, 3H)。
実施例8:2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル・ジトリフルオロ酢酸塩(化合物I-7)の合成
化合物12-1の合成:実施例1のステップ1~4の合成方法を使用し、中間体2及び8を開始原料として、対応するボロン酸ピナコールエステル(中間体11)で化合物12-1を合成し、淡黄色固体であった。m/z: [M+H] 850.2。
化合物12-1(70mg、0.08mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液にトリフルオロ酢酸(1mL)を加え、反応溶液を35℃で2時間撹拌した後、直接に減圧濃縮し、残留物をprep-HPLC(酸性条件、勾配溶出条件2)により精製して化合物I-7(13.3mg)を得、白色固体であり、それは2つのアトロプ異性体混合物であった。UPLC RT= 4.389及び4.482分;m/z: [M+H] 650.2; H NMR (400 MHz, DMSO-d/DO): δ 7.78 (d, J = 8.0Hz, 1H), 7.25 (t, J = 8.0Hz, 1H), 7.14 (t, J = 8.0Hz, 1H), 5.56 (d, J = 56.0Hz, 1H), 5.04-4.68 (m, 2H), 4.60- 4.44 (m, 3H), 4.43-4.31 (m, 1H), 4.30- 4.20 (m, 2H), 3.87-3.75 (m, 3H), 3.45 (d, J = 16.0Hz, 1H), 3.32-3.23 (m, 1H), 2.62-2.53 (m, 1H), 2.48-2.44 (m, 1H), 2.31 (dd, J = 12.0, 4.0Hz, 1H), 2.23-1.88 (m, 6H), 1.82-1.70 (m, 1H)。
実施例9:2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル、アトロプ異性体1(化合物I-7-1)及び2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル、アトロプ異性体2(化合物I-7-2)の合成
化合物12-1(880mg、0.94mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液にトリフルオロ酢酸(1mL)を加え、反応溶液を35℃で2時間撹拌した後、直接に減圧濃縮し、残留物を酢酸エチルで希釈した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpHを中性に調節し、水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて、減圧濃縮した。残留物をprep-HPLC(アルカリ性条件、勾配溶出条件5)により精製して化合物I-7-1(281mg)及びI-7-2(229mg)を得、いずれもオフホワイト固体であった。I-7-1:HPLC RT= 16.724分;m/z: [M+H] 650.2;H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 7.85-7.71 (m, 3H), 7.24-7.18 (m, 1H), 7.14- 7.10 (m, 1H), 5.26 (d, J = 54.0Hz, 1H), 4.85-4.75 (m, 1H), 4.68-4.58 (m, 1H), 4.20-4.13 (m, 1H), 4.08-4.02 (m, 2H), 3.98-3.92 (m, 1H), 3.57 (s, 1H), 3.48-3.44 (m, 1H), 3.38-3.36 (m, 1H), 3.09-3.02 (m, 3H), 3.01- 2.97 (m, 1H), 2.83-2.77 (m, 1H), 2.17-2.08 (m, 1H), 2.05-1.95 (m, 2H), 1.85-1.52 (m, 7H)。I-7-2:HPLC RT = 17.162分;m/z: [M+H] 650.2;H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 7.82-7.73 (m, 3H), 7.24-7.18 (m, 1H), 7.14-7.10 (m, 1H), 5.26 (d, J = 54.0Hz, 1H), 4.88-4.80 (m, 1H), 4.56-4.50 (m, 1H), 4.38-4.28 (m, 1H), 4.08- 4.02 (m, 2H), 3.98-3.92 (m, 1H), 3.58 (s, 1H), 3.44 (d, J = 8.0Hz, 1H), 3.42-3.38 (m, 1H), 3.12-3.02 (m, 3H), 2.99 (s, 1H), 2.84-2.78 (m, 1H), 2.14-2.12 (m, 1H), 2.05-1.98 (m, 2H), 1.85-1.62 (m, 6H), 1.58-1.48 (m, 1H)。
実施例10:2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル・トリフルオロ酢酸塩、アトロプ異性体1(化合物I-8-1)及び2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル・トリフルオロ酢酸塩、アトロプ異性体2(化合物I-8-2)の合成
実施例7の合成方法を使用し、中間体2及び9を開始原料として、対応するボロン酸ピナコールエステル(中間体15)で化合物I-8-1及びI-8-2(prep-HPLC、酸性条件、勾配溶出条件4)を合成し、いずれも淡黄色固体であった。I-8-1:UPLC RT= 5.413分;HPLC RT= 16.118分;m/z: [M+H] 511.0; H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 8.70 (s, 1H), 8.12 (s, 2H), 7.29-7.14 (m, 2H), 4.98-4.95 (m, 1H), 4.77-4.73 (m, 1H), 4.65-4.52 (m, 2H), 4.42-4.23 (m, 3H), 3.44-3.42 (m, 2H), 2.20-2.08 (m, 1H), 2.00-1.93 (m, 3H)。I-8-2:UPLC RT= 5.566分;HPLC RT= 16.489分;m/z: [M+H] 511.0; H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 8.71 (s, 1H), 8.14 (s, 2H), 7.29-7.12 (m, 2H), 5.07-5.03 (m, 1H), 4.65-4.63 (m, 2H), 4.42-4.23 (m, 4H), 2.19-2.16 (m, 1H), 2.00-1.88 (m, 4H)。
実施例11:4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2(3H)-オン・トリフルオロ酢酸塩(化合物I-9)の合成
実施例7のステップ1~3の合成方法を使用し、中間体2及び9を開始原料として、対応するボロン酸ピナコールエステルで化合物I-9(prep-HPLC、酸性条件、勾配溶出条件4)を合成し、黄色固体であり、それは2つのアトロプ異性体混合物であった。UPLC RT= 3.519及び3.811分;m/z: [M+H] 453.2; H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 10.85 (s, 1H), 10.64 (d, J = 6.0Hz, 1H), 9.58 (s, 1H), 9.45 (s, 1H), 8.71 (d, J = 4.4Hz, 1H), 7.10-7.03 (m, 2H), 6.93-6.89 (m, 1H), 5.04- 4.85 (m, 1H), 4.75-4.59 (m, 2H), 4.41-4.26 (m, 4H), 3.50- 3.44 (m, 1H), 2.23-2.15 (m, 1H), 2.01-1.80 (m, 3H)。
実施例12:2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル・トリフルオロ酢酸塩、アトロプ異性体1(化合物I-10-1)及び2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル・トリフルオロ酢酸塩、アトロプ異性体2(化合物I-10-2)の合成
実施例7の合成方法を使用し、中間体2及び9を開始原料として、対応するボロン酸ピナコールエステル(中間体11)で化合物I-10-1及びI-10-2(prep-HPLC、酸性条件、勾配溶出条件4)を合成し、いずれも淡黄色固体であった。I-10-1:UPLC RT= 4.952分;HPLC RT= 15.584分;m/z: [M+H] 493.0; H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 8.69 (s, 1H), 7.85 (s, 2H), 7.80 (dd, J = 8.0, 1.6Hz, 1H), 7.27-7.18 (m, 2H), 4.98 (dd, J = 14.4, 2.8Hz, 1H), 4.77 (dd, J = 13.2, 3.2Hz, 1H), 4.56-4.52 (m, 1H), 4.36-4.28 (m, 4H), 3.48 (d, J = 14.0 Hz, 1H),2.17-2.12 (m, 1H), 2.00-1.83 (m, 3H)。I-10-2:UPLC RT= 5.153分;HPLC RT= 15.966分;m/z: [M+H] 493.0; H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 8.69 (s, 1H), 7.85 (s, 2H), 7.80 (dd, J = 8.0, 1.2Hz, 1H), 7.27-7.14 (m, 2H), 4.98 (dd, J = 14.4, 2.8Hz, 1H), 4.66 (d, J = 5.2Hz, 2H), 4.44 -4.41 (m, 1H), 4.30-4.24 (m, 3H), 3.47 (d, J = 14.0Hz, 1H), 2.20-2.17 (m, 1H), 2.00-1.88 (m, 3H)。
実施例13:2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル、アトロプ異性体1(化合物I-11-1)及び2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル、アトロプ異性体2(化合物I-11-2)の合成
化合物I-7の合成方法を使用し、中間体2及び8を開始原料として、対応するボロン酸ピナコールエステル(中間体15)で化合物I-11を合成し、淡黄色固体であり、それは2つのアトロプ異性体混合物であった。UPLC RT= 4.805及び4.877分;m/z: [M+H] 668.2; H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 8.14 (s, 2H), 7.26-7.15 (m, 2H), 5.65-5.52 (m, 2H), 5.02- 4.89 (m, 1H), 4.75-4.51 (m, 4H), 4.43-4.27 (m, 3H), 3.94-3.77 (m, 4H), 2.64-2.58 (m, 2 H), 2.34-2.31 (m, 1H), 2.22-2.07 (m, 3H), 2.04-1.94 (m, 3H), 1.82-1.79 (m, 1H), 1.23 (s, 1H)。
化合物I-11(28mg)をprep-HPLC(アルカリ性条件、勾配溶出条件7)により分離して化合物I-11-1(6.85mg)及びI-11-2(3.38mg)を得た。I-11-1:UPLC RT= 4.783分;HPLC RT= 17.403分;m/z: [M+H] 668.0。I-11-2:UPLC RT= 4.820分;HPLC RT= 18.023分;m/z: [M+H] 668.0。
実施例14:4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン、アトロプ異性体1(化合物I-12-1)及び4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン、アトロプ異性体2(化合物I-12-2)の合成
ステップ1:化合物13-1(実施例1のステップ1~3の合成方法を使用し、中間体2及び8を開始原料として、化合物13-1を合成した)(50mg、0.073mmol)、(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール-4-イル)ボロン酸(25.8mg、0.088mmol)の1,4-ジオキサン(2mL)溶液を窒素ガスで置換した後、上記反応系にリン酸カリウム(47mg、0.22mmol)の水(0.5mL)溶液を滴下し、更に窒素ガスで反応系を置換し、1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(7.28mg、0.011mmol)を加え、反応系を100℃の条件下で2時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却させ、減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=0%~6%)により精製して化合物13-2(55mg)を得、黄色固体であった。m/z: [M+H] 826.2。
ステップ2:化合物13-2(70mg、0.08mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液にトリフルオロ酢酸(1mL)を加え、反応溶液を35℃で3時間撹拌した後、直接に減圧濃縮し、残留物をprep-HPLC(アルカリ性条件、勾配溶出条件6)により精製して化合物I-12-1(10.1mg)及びI-12-2(3.9mg)を得、いずれも白色固体であった。I-12-1:UPLC RT= 4.051分;HPLC RT= 16.558分;、m/z: [M+H] 626.2; H NMR (400 MHz, DMSO- d): δ 7.82-7.76 (m, 1H), 7.65 (s, 2H), 7.18-7.09 (m, 2H), 5.30 (d, J = 56.0Hz, 1H), 4.73 (dd, J = 12.0, 4.0Hz, 1H), 4.59 (dd, J = 12.0, 4.0Hz, 1H), 4.40 (dd, J = 20.0, 8.0Hz, 1H), 4.11 (d, J = 12.0Hz, 1H), 4.02-3.96 (m, 2H), 3.62 (s, 1H), 3.58-3.51 (m, 1H), 3.13-3.09 (m, 3H), 3.03 (s, 1H), 2.89-2.81 (m, 1H), 2.58 (s, 1H), 2.15 (d, J = 4.0Hz, 1H), 2.08-1.95 (m, 3H), 1.90-1.57 (m, 6H)。I-12-2:UPLC RT= 4.164分;HPLC RT= 17.076分;m/z: [M+H] 626.2; H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 7.82-7.76 (m, 1H), 7.65 (s, 2H), 7.18-7.09 (m, 2H), 5.30 (d, J = 56.0Hz, 1H), 4.79 (dd, J = 12.0, 4.0Hz, 1H), 4.58 (dd, J = 12.0, 4.0 Hz, 1H), 4.41 (dd, J = 12.0, 8.0Hz, 1H), 4.16-3.91 (m, 3H), 3.62 (s, 1H), 3.51 (d, J = 8.0Hz, 1H), 3.19-2.96 (m, 3H), 2.87-2.81 (m, 1H), 2.57 (s, 1H), 2.16-2.14 (m, 1H), 2.10-1.96 (m, 3H), 1.91- 1.51 (m, 6H)。
実施例15:2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル(化合物I-13)の合成
ステップ1:化合物13-1(60mg、0.09mmol)、中間体10(44mg、0.09mmol)のトルエン(2mL)溶液にリン酸カリウム(56.4mg、0.26mmol)及びジクロロ[ビス(ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル]パラジウム(II)(20.0mg、0.03mmol)を加え、反応系を窒素ガスで置換した後、105℃の条件下で、31時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却させ、減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=0%~6%)により精製して化合物14-2(55mg)を得、黄色固体であった。m/z: [M+H] 934.4。
ステップ2:化合物14-2(50mg、0.05mmol)のメタノール(2mL)溶液に塩化水素-1,4-ジオキサン(10mL)溶液を加え、反応溶液を室温で2時間撹拌した後、直接に減圧濃縮し、残留物にアセトニトリル(5mL)及びアンモニア水(0.1mL)を加え、更に減圧濃縮した後prep-HPLC(アルカリ性条件、勾配溶出条件1)により精製して化合物I-13(9.9mg)を得、黄色固体であり、それは2つのアトロプ異性体混合物であった。UPLC RT= 2.995及び3.145分;m/z: [M+H] 634.2; H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 8.67 (dd, J = 6.8, 1.2Hz, 1H), 7.47 (dd, J = 6.8, 1.2Hz, 1H), 7.10 (td, J = 6.8, 1.2Hz, 1H), 6.44 (s, 2H), 5.38-5.22 (m, 1H), 4.90-4.82 (m, 1H), 4.69-4.58 (m, 1H), 4.43-4.23 (m, 1H), 4.13-4.06 (m, 2H), 4.01-3.97 (m, 1H), 3.64-3.48 (m, 2H), 3.15-3.02 (m, 5H), 2.20-1.98 (m, 3H), 1.89-1.55 (m, 7H), 1.26 (s, 1H)。
実施例16:2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-5-フルオロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル・ジトリフルオロ酢酸塩(化合物I-14)の合成
ステップ1:氷浴条件下で、化合物15-1(実施例1のステップ1~4の合成方法を使用し、中間体2及び8を開始原料として、対応するボロン酸ピナコールエステル(中間体13)で化合物15-1を合成した)(20mg、0.024mmol)の無水アセトニトリル(4mL)及び無水N,N-ジメチルホルムアミド(0.2mL)の混合溶液にクロロスルホニルイソシアナート(34mg、0.24mmol)を加え、添加完了後、10分間撹拌を続けた後室温に昇温させ、3時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応系をクエンチングさせ、反応系を直接に減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=0~10%)により化合物15-2(15mg)を得、淡黄色固体であった。m/z: [M+H] 868.2。
ステップ2:化合物I-7の合成方法を使用し、化合物15-2を反応させて化合物I-14を得、淡褐色固体であり、それは2つのアトロプ異性体混合物であった。UPLC RT= 4.426及び4.516分;m/z: [M+H] 668.2;H NMR (400 MHz, CDOD): δ 7.73 (dd, J = 4.8, 8.8Hz, 1H), 7.07 (t, J = 9.2Hz, 1H), 4.80-4.60 (m, 3H), 4.46-4.38 (m, 1H), 4.37-4.28 (m, 2H), 4.19-4.00 (m, 1H), 3.98-3.85 (m, 3H), 3.59-3.45 (m, 3H), 2.75- 2.56 (m, 3H), 2.50- 2.30 (m, 4H), 2.22-2.08 (m, 4H)。
実施例17:5-クロロ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-アミン・ジトリフルオロ酢酸塩(化合物I-15)の合成
化合物I-7の合成方法を使用し、中間体2及び8を開始原料として、対応するボロン酸ピナコールエステル(中間体12)で化合物I-15を合成し、淡黄色固体であり、それは2つのアトロプ異性体混合物であった。UPLC RT= 4.811及び4.879分;m/z: [M+H] 659.2。
実施例18:5-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-アミン・ジトリフルオロ酢酸塩(化合物I-16)の合成
化合物I-7の合成方法を使用し、中間体2及び8を開始原料として、対応するボロン酸ピナコールエステルで化合物I-16を合成し、黄色固体であり、それは2つのアトロプ異性体混合物であった。UPLC RT= 4.436及び4.507分;m/z: [M+H] 625.2; H NMR (400 MHz, DMSO-d): 7.68 (dd, J = 6.8, 2.0Hz, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.10-7.04 (m, 2H), 6.76 (s, 1H), 5.65-5.47 (m, 2H), 5.37-5.31 (m, 1H), 4.94-4.88 (m, 2H), 4.75-4.53 (m, 4H), 4.33-4.27 (m, 3H), 3.84-3.75 (m, 3H), 2.33-2.28 (m, 2H), 2.30-2.14 (m, 4H), 2.04-1.94 (m, 4H), 1.29 (s, 1H)。
実施例19:2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(1-((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)エトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル・ジトリフルオロ酢酸塩(化合物I-17)の合成
化合物16-1の合成:実施例1のステップ1~3の合成方法を使用し、中間体2及び8を開始原料として、ステップ3の((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メタノールを中間体21に置き換えて化合物16-1を合成し、黄色固体であった。m/z: [M+H] 670.2。
化合物I-17の合成:化合物I-13の合成方法を使用し、化合物16-1及び対応するボロン酸ピナコールエステルで化合物I-17を合成し、黄色固体であった。m/z: [M+H] 664.2;H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 7.85 (s, 2H), 7.82 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.25 (t, J = 8.0Hz, 1H), 7.14 (t, J = 8.0Hz, 1H), 5.56-5.42 (m, 2H), 5.34-5.28 (m, 2H), 4.92-4.88 (m, 1H), 4.73-4.49 (m, 3H), 4.41-4.28 (m, 3H), 3.90-3.66 (m, 4H), 2.22- 2.11 (m,4H), 2.03-1.92 (m, 4H), 1.44 (d, J = 8.0Hz, 1H), 1.24 (s, 1H)。
化合物I-17(100mg)をprep-HPLC(アルカリ性条件、勾配溶出条件7)により分離して化合物I-17-1(15.1mg)及びI-17-2(19.7mg)を得、いずれも立体異性体混合物であった。I-17-1:UPLC RT= 4.451及び4.559分;m/z: [M+H] 664.0。I-17-2:UPLC RT= 4.548和4.593分;m/z: [M+H] 664.0。
実施例20:2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(1-((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)エトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-5-フルオロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル・ジトリフルオロ酢酸塩(化合物I-18)の合成
化合物I-14の合成方法を使用し、化合物16-1及び中間体13を反応させて化合物I-18を得、ピンク色固体であり、それは立体異性体混合物であった。m/z: [M+H] 682.2;H NMR (400 MHz, CDOD): δ 7.75-7.70 (m, 1H), 7.11-7.04 (m, 1H), 5.50-5.19 (m, 3H), 4.75-4.61 (m, 2H), 4.45-4.28 (m, 3H), 4.04-3.78 (m, 4H), 3.64-3.45 (m, 3H), 2.50-2.29 (m, 4H), 2.26-2.03 (m, 4H), 1.62-1.53 (m, 3H)。
実施例21:4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-7-フルオロベンゾ[d]チアゾール-2-アミン、アトロプ異性体1(化合物I-19-1)及び4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-7-フルオロベンゾ[d]チアゾール-2-アミン、アトロプ異性体2(化合物I-19-2)の合成
化合物I-12-1及びI-12-2の合成方法を使用し、化合物13-1及び中間体17を反応させて化合物I-19-1及びI-19-2(prep-HPLC、アルカリ性条件、勾配溶出条件1)を得、いずれも白色固体であった。I-19-1:UPLC RT= 4.446分;HPLC RT= 17.152分;m/z: [M+H] 644.2。I-19-2:UPLC RT= 4.502分;HPLC RT= 17.710分;m/z: [M+H] 644.2;H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 7.92 (s, 2H), 7.21 (dd, J = 8.0, 4.0Hz, 1H), 7.05 (t, J = 8.0Hz, 1H), 5.27 (d, J = 52.0Hz, 1H), 4.80-4.72 (m, 1H), 4.65-4.51 (m, 1H), 4.46-4.38 (m, 1H), 4.18-4.08 (m, 1H), 4.02-3.88 (m, 2H), 3.58 (s, 1H), 3.51-3.47 (m, 1H), 3.26 (s, 1H), 3.05 (dd, J = 24.0, 12.0Hz, 4H), 2.89-2.75 (m, 1H), 2.18-2.06 (s, 1H), 2.04-1.80 (m, 2H), 1.72-1.42 (m, 6H), 1.30-1.10 (m, 1H)。
実施例22:2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-(5,5-)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)(メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル、アトロプ異性体1(化合物I-20-1)及び2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-(5,5-)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)(メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル、アトロプ異性体2(化合物I-20-2)の合成
化合物19-1の合成:実施例1のステップ1~3の合成方法を使用し、中間体2及び8を開始原料として、ステップ3の((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メタノールを中間体23に置き換えて化合物19-1を合成し、黄色固体であった。
化合物I-20-1及びI-20-2の合成:利用化合物I-13の合成方法を使用し、化合物19-1及び中間体11を反応させて化合物I-20-1及びI-20-2(prep-HPLCアルカリ性条件、勾配溶出条件5)を得、いずれも白色固体であった。I-20-1:UPLC RT= 4.372分;HPLC RT= 16.793分;m/z: [M+H] 652.2;H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 7.80-7.76 (m, 3H), 7.25-7.21 (m, 1H), 7.15-7.13 (m, 1H), 5.34-5.21 (m, 1H), 4.85-4.81 (m, 1H), 4.65-4.61 (m, 1H), 4.21- 4.15 (m, 1H), 4.09-4.04 (m, 2H), 3.97- 3.94 (m, 1H), 3.60-3.55 (m, 1H), 3.51-3.32 (m, 2H), 3.10-3.00 (m, 3H), 2.15-1.99 (m, 2H), 1.84-1.63 (m, 7H)。I-20-2:UPLC RT= 4.415分;HPLC RT= 17.322分;m/z: [M+H] 652.2;H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 7.81-7.76 (m, 3H), 7.25-7.21 (m, 1H), 7.15-7.13 (m, 1H), 5.34-5.20 (m, 1H), 4.87- 4.84 (m, 1H), 4.56-4.52 (m, 1H), 4.56-4.52 (m, 1H), 4.09-4.06 (m, 2H), 3.98-3.95 (d, J = 10.4 Hz; 1H), 3.60-3.56 (m, 1H), 3.48-3.26 (m, 2H), 3.13-3.00 (m, 3H), 2.14-1.99 (m, 2H), 1.85-1.53 (m, 7H)。
実施例23:2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(1-((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-5-メチルベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル・ジトリフルオロ酢酸塩(化合物I-21)の合成
化合物I-14の合成方法を使用し、化合物13-1及び中間体14を反応させて化合物I-21を得、ピンク色固体であり、それは2つのアトロプ異性体混合物であった。UPLC RT= 4.565及び4.631分;m/z: [M+H] 664.2。
実施例24:7-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-1-(ジフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-アミン・ジトリフルオロ酢酸塩(化合物I-22又はI-23)及び4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-1-(ジフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-アミン・ジトリフルオロ酢酸塩(化合物I-22又はI-23)の合成
ステップ1:化合物13-1(360mg、1.16mmol)、中間体19(955mg、1.16mmol)の1,4-ジオキサン(2mL)溶液に炭酸セシウム(1.15g、3.49mmol)及びジクロロ[ビス(ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル)]パラジウム(II)(170mg、0.23mmol)を加え、反応系を窒素ガスで置換した後、110℃の条件下で12時間撹拌した。反応溶液を室温に冷却させ、減圧濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)により精製して化合物17-1(110mg)を得、黄色固体であった。
ステップ2:中間体17-1(110mg、0.14mmol)のジクロロメタン(3mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、反応溶液を室温の条件下で2時間撹拌した後、減圧濃縮し、残留物をprep-HPLC(酸性条件、勾配溶出条件7)により精製して化合物I-22(3.5mg)及びI-23(1.7mg)を得、いずれも白色固体であった。I-22:HPLC RT=15.655分;m/z: [M+H] 659.2。I-23:HPLC RT=16.017分;m/z: [M+H] 659.2。
実施例25:2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)(()メトキシ))-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル、アトロプ異性体1(化合物I-24-1)及び2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)(()メトキシ))-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル、アトロプ異性体2(化合物I-24-2)の合成
化合物18-1の合成:実施例1のステップ1~3の合成方法を使用し、中間体2及び8を開始原料として、ステップ3の((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メタノールを中間体22に置き換えて化合物18-1を合成し、黄色固体であった。
化合物I-24-1及びI-24-2の合成:化合物I-13の合成方法を使用し、化合物18-1及び中間体11を反応させて化合物I-24-1及びI-24-2(prep-HPLC、アルカリ性条件、勾配溶出条件5)を得、いずれも白色固体であった。I-24-1:UPLC RT= 4.341分;HPLC RT= 16.821分;m/z: [M+H] 652.2;H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 7.84-7.71 (m, 3H), 7.22 (t, J = 8.0Hz, 1H), 7.16-7.11 (m, 1H), 5.27 (d, J = 56.0Hz, 1H), 4.82 (dd, J = 12.0, 4.0Hz, 1H), 4.63 (dd, J = 14.0, 4.0Hz, 1H), 4.22- 4.16 (m, 1H), 4.08-4.02 (m, 1H), 3.59 (s, 1H), 3.50-3.46 (m, 1H), 3.28-3.24 (m, 1H), 3.12-2.98 (m, 4H), 2.86-2.78 (m, 1H), 2.19-1.95 (m, 3H), 1.89-1.51 (m, 7H)。I-24-2:UPLC RT= 4.426分;HPLC RT= 17.354分;m/z: [M+H] 652.2;H NMR (400 MHz, DMSO- d): δ 7.88-7.72 (m, 3H), 7.22 (t, J = 8.0Hz, 1H), 7.13 (d, J = 8.0Hz, 1H), 5.27 (d, J = 54.0Hz, 1H), 4.85 (d, J = 12.0Hz, 1H), 4.53 (d, J = 12.0Hz, 1H), 4.38-4.26 (m, 1H), 4.10-4.02 (m, 1H), 3.58 (s, 2H), 3.25-3.18 (m, 1H), 3.15-2.95 (m, 4H), 2.85-2.75 (m, 1H), 2.18-1.98 (m, 3H), 1.90-1.44 (m, 7H)。
実施例26:2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-6,7-ジヒドロベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル・ジトリフルオロ酢酸塩(化合物I-25)の合成
化合物I-7の合成方法を使用し、中間体2及び8を開始原料として、対応するボロン酸ピナコールエステル(中間体18)で化合物I-25を合成し、淡黄色固体であり、それは2つのアトロプ異性体混合物であった。UPLC RT= 4.276及び4.362分;m/z: [M+H] 652.2。
実施例27:4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-c]ピラゾール-3-アミン、アトロプ異性体1(化合物I-26-1)及び4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-c]ピラゾール-3-アミン、アトロプ異性体2(化合物I-26-2)の合成
ステップ1:化合物12-1(100mg、0.12mmol)及び炭酸セシウム(78mg、0.24mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)溶液を50℃で2時間撹拌し、反応系を氷水浴で0℃に冷却させた後、O-(4-ニトロベンゾイル)ヒドロキシルアミン(44mg、0.24mmol)を加えた。反応溶液を室温で継続して2時間撹拌し、反応系を氷水に注ぎ、水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、減圧濃縮して化合物20-1(150mg、粗生成物)を得、褐色油状物であった: [M+H] 865.3。
ステップ2:化合物20-1(150mg)の酢酸(2mL)溶液を100℃で2時間撹拌し、次に、直接に減圧濃縮して化合物20-2(150mg、粗生成物)を得、褐色油状物であった。m/z: [M+H] 765.2。
ステップ3:化合物20-2(150mg、粗生成物)のジクロロメタン(4mL)溶液にトリフルオロ酢酸(2mL)を加え、反応溶液を室温で1時間撹拌した後減圧濃縮し、残留物をprep-HPLC(アルカリ性条件、勾配溶出条件1)により精製して化合物I-26-1(4.4mg)及びI-26-2(4.9mg)を得、いずれも白色固体であった。I-26-1:HPLC RT= 15.452分;m/z: [M+H] 665.1;H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 7.94-7.68 (m, 2H), 7.30-7.07 (m, 2H), 6.14 (d, J = 5.4Hz, 2H), 5.70-5.45 (m, 2H), 4.94-4.80 (m, 1H), 4.76-4.56 (m, 3H), 4.49-4.30 (m, 2H), 4.21-3.94 (m, 4H), 3.91-3.80 (m, 1H), 3.13-3.04 (m, 1H), 3.00-2.70 (m, 3H), 2.38-2.15 (m, 4H), 1.74-1.49 (m, 4H)。I-26-2:HPLC RT= 15.838分;m/z: [M+H] 665.2;H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 7.92-7.74 (m, 2H), 7.24 (t, J = 8.0Hz, 1H), 7.13 (d, J = 7.6Hz, 1H), 6.13 (s, 2H), 5.69-5.49 (m, 2H), 4.92 (d, J = 12.4Hz, 1H), 4.78-4.51 (m, 3H), 4.47-4.29 (m, 2H), 4.20-3.94 (m, 3H), 3.90-3.78 (m, 1H), 3.12-2.85 (m, 5H), 2.33-2.12 (m, 4H), 1.78-1.53 (m, 4H)。
実施例28:2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-(5,5-)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)(()メトキシ))-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル、アトロプ異性体1(化合物I-27-1)及び2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-(5,5-)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)(()メトキシ))-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル、アトロプ異性体2(化合物I-27-2)の合成
化合物21-1の合成:実施例1のステップ1~3の合成方法を使用し、中間体2及び8を開始原料として、ステップ3の((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メタノールを中間体24に置き換えて化合物21-1を合成し、淡黄色固体であった。m/z: [M+H]662.2。
化合物I-27-1及びI-27-2の合成:化合物I-13の合成方法を使用し、化合物21-1及び中間体11を反応させて化合物I-27-1及びI-27-2(prep-HPLC、アルカリ性条件、勾配溶出条件1)を得、いずれも白色固体であった。I-27-1:UPLC RT=4.347分;HPLC RT=16.758分;m/z: [M+H] 654.2;H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 7.84-7.74 (m, 3H), 7.22 (t, J = 8.0Hz, 1H), 7.15-7.13 (m, 1H), 5.37-5.16 (m, 1H), 4.83 (dd, J = 12.0, 4.0Hz, 1H), 4.63 (dd, J = 12.0Hz, 1H), 4.18 (dd, J = 12.0Hz, 1H), 4.05 (dd, J = 4.0Hz, 1H), 3.59-3.34 (m, 2H), 3.13-2.95 (m, 3H), 2.05 (d, J = 4.0Hz, 3H), 1.86-1.52 (m, 7H)。I-27-2:UPLC RT=4.500分;HPLC RT=17.293分;m/z: [M+H] 654.2;H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 7.85-7.74 (m, 3H), 7.22 (d, J = 8.0Hz, 1H), 7.14 (d, J = 8.0Hz, 1H), 5.27 (d, J = 52.0Hz, 1H), 4.86 (dd, J = 12.0Hz, 1H), 4.54 (dd, J = 16.0Hz, 1H), 4.35 (dd, J = 16.0Hz, 1H), 4.09-4.02 (m, 1H), 3.58 (t, J = 4.0Hz, 2H), 3.45 (d, J = 8.0Hz, 3H), 3.11-2.97 (m, 1H), 2.19- 1.94 (m, 3H), 1.87-1.49 (m, 7H)。
実施例29:4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-c]ピロール-3-カルボニトリル、アトロプ異性体1(化合物I-28-1)及び4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-c]ピロール-3-カルボニトリル、アトロプ異性体2(化合物I-28-2)の合成
化合物I-12-1及びI-12-2の合成方法を使用し、化合物13-1及び中間体20を反応させて化合物I-28-1及びI-28-2(prep-HPLC、アルカリ性条件、勾配溶出条件1)を得、いずれも白色固体であった。I-28-1:UPLC RT=4.960分;HPLC RT=17.687分;m/z: [M+H] 674.2。I-28-2:UPLC RT=4.972分;HPLC RT=18.251分;m/z: [M+H] 674.2;H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 8.06 (d, J = 8.0Hz, 1H), 7.46 (d, J = 7.6Hz, 1H), 7.34 (d, J = 7.2Hz, 1H), 6.25 (s, 1H), 5.35 (s, 1H), 5.21 (s, 1H), 4.86 (d, J = 12.0Hz, 1H), 4.68 (d, J = 11.2Hz, 1H), 4.47-4.37 (m, 1H), 4.18-4.06 (m, 2H), 3.96 (d, J = 10.4Hz, 1H), 3.73-3.54 (m, 3H), 3.19-2.97 (m, 3H), 2.88-2.78 (m, 1H), 2.17-1.95 (m, 3H), 1.91- 1.67 (m, 4H), 1.64-1.44 (m, 2H)。
実施例30:2-アミノ-4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(1-(((R)-1-メチルピロリジン-2-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-3-カルボニトリル(化合物I-29)の合成
化合物22-1の合成:実施例1のステップ1~3の合成方法を使用し、中間体2及び8を開始原料として、ステップ3の((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メタノールを(R)-(1-メチルピロリジン-2-イル)メタノールに置き換えて化合物22-1を合成し、黄色油状物であった。
化合物I-29の合成:化合物I-13の合成方法を使用し、化合物22-1及び対応するボロン酸ピナコールエステルで化合物I-29を合成し、黄色固体であり、それは2つのアトロプ異性体混合物であった。m/z: [M+H] 606.2;UPLC RT= 4.206及び4.353分;H NMR (400 MHz, DMSO-d): δ 9.82-9.65 (m, 2H), 7.86-7.80 (m, 3H), 7.26-7.23 (m, 1H), 7.18-7.13 (m, 1H), 4.96-4.88 (m, 1H), 4.76-4.61 (m, 4H), 4.45-4.28 (m, 3H), 3.89-3.79 (m, 1H), 3.67-3.56 (m, 1H), 3.20-3.11 (m, 1H), 2.97 (s, 3H), 2.28-1.78 (m, 8H)。
実施例31:4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-5-エチニル-6-フルオロナフタレン-2-オール(化合物I-30)の合成
実施例のステップ4~6の合成方法を使用し、化合物13-1及び((2-フルオロ-6-(メトキシメトキシ)-8-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ナフタレン-1-イル)エチニル)トリイソプロピルシランを反応させて化合物I-30を得、黄色固体であった。m/z: [M+H] 662.2;UPLC RT= 5.228分間であり、H NMR (400 MHz, CDOD): δ 7.87-7.84 (m, 1H), 7.36-7.18 (m, 3H), 5.51 (s, 1H), 5.21 (s, 1H), 4.80-4.66 (m, 4H), 4.41-4.33 (m, 3H), 3.94-3.89 (m, 3H), 3.58-3.49 (m, 2H), 2.65-2.60 (m, 1H), 2.38-2.36 (m, 3H), 2.22-2.15 (m, 4H), 1.39-1.30 (m, 3H)。
実施例32:4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-(5,5-)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-5-エチニル-6-フルオロナフタレン-2-オール(化合物I-31)の合成
実施例のステップ4~6の合成方法を使用し、化合物19-1及び((2-フルオロ-6-(メトキシメトキシ)-8-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ナフタレン-1-イル)エチニル)トリイソプロピルシランを反応させて化合物I-31を得、黄色固体であった。m/z: [M+H] 664.2;UPLC RT= 5.225分;H NMR (400 MHz, CDOD): δ 7.87-7.84 (m, 1H), 7.36-7.18 (m, 3H), 5.51 (s, 1H), 5.24-5.20 (m, 1H), 4.76-4.66 (m, 4H), 4.41-4.33 (m, 3H), 3.94-3.89 (m, 1H), 3.58-3.50 (m, 1H), 2.61-2.60 (m, 2H), 2.40-2.34 (m, 4H), 2.22-2.15 (m, 4H), 1.39-1.30 (m, 2H)。
実施例33:4-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-1H-ベンゾ[4,5]チエノ[2,3-b]ピロール-3-アミン(化合物I-32)の合成
化合物I-13の合成方法を使用して、化合物13-1及び中間体25を反応させて化合物I-32を得、褐色固体であった。m/z: [M+H] 664.2。
実施例34:8-((5aS,6S,9R)-3-クロロ-1-フルオロ-13-(((2R,7aS)-2-フルオロヘキサヒドロ-1H-ピロリジン-7a-イル)メトキシ)-5a,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-5H-6,9-エピミノアゼピノ[2’,1’:3,4][1,4]オキサゼピノ[5,6,7-de]キナゾリン-2-イル)-1H-イミダゾ[1,2-a]インドール-9-カルボニトリル(化合物I-33)の合成
化合物I-13の合成方法を使用し、化合物13-1及び中間体26を反応させて化合物I-33を得、黄色固体であり、それは2つのアトロプ異性体混合物であった。m/z: [M+H] 657.2;HPLC RT= 16.574及び17.147分。
実施例1~34の中間体構造及び同定データは下記の表1に示される通りである。
生物学的実施例:
実施例1:表面プラズモン共鳴(SPR)結合試験
表面プラズモン共鳴技術を使用して、化合物とKRAS G12Dタンパク質の結合能力を検出し、アミノカップリングキット(GE Healthcare、BR-1006-33)を使用してNeutrAvidin タンパク質(Thermo ScientificTM、31000)をCM5チップ(GE Healthcare、29-1496-03)にカップリングさせた:1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドとN-ヒドロキシスクシンイミドを1:1の比率で混合し、10μL/minの流速で420秒間活性化させた後、酢酸緩衝液(pH=5.5)で希釈した62.5μg/mLのNeutrAvidinタンパク質を注入し、400秒間活性化させ、最後に1Mのエタノールアミンで420秒間ブロックした。NeutrAvidinタンパク質のカップリング量は約10000RUであった。実験緩衝液として緩衝液A(20mMのHEPES、100mMのNaCl、0.02%のTween20、1μMのGDP、5mMのMgCl、0.5mMのTCEP)を使用し、KRas G12Dタンパク質を緩衝液Aで5μg/mLに希釈し、10μL/minの流速でFc2チャンネルに200秒間注入した。捕獲量は3590~3890RUであった。
試験化合物をDMSOで10mMの濃縮ストック溶液に製造し、緩衝液Aで50倍に希釈して最終DMSO濃度が2%の濃縮ストック溶液を得、更に緩衝液B(20mMのHEPES、100mMのNaCl、0.02%のTween20、1μMのGDP、5mMのMgCl、0.5mMのTCEP、2%のDMSO)を使用して、試験最高濃度まで希釈し、次に緩衝液Bを使用して8つの濃度に3倍に希釈した。
Biacore 8K(GE Healthcare)でマルチサイクル動態試験法を設定した:7回のサイクルの開始、4回のサイクルのゼロ濃度、そして化合物を低濃度から高濃度まで順次にロードした。各サイクルは90秒結合し、240秒解離させた。溶媒の校正範囲は1.5%~2.5%であり、合計6点であった。流速は50μL/minであった。
実験緩衝液として緩衝液Bを使用し、25℃でデータを収集した。データ分析にはBiacore Insight Evaluation Softwareを使用し、リファレンスチャネルシグナルを差し引いた後、0nMをブランク濃度として使用して試料の結合曲線を取得し、1:1結合親和性と速度論モードを使用して分析した。
実施例2:KRAS G12D結合試験
TR-FRET方法を使用して、化合物とKRAS G12Dタンパク質の結合能力を検出し、KRAS G12Dタンパク質に対する化合物の阻害活性を評価した。human KRAS G12D His-tagged(Cisbio、63ADK000CB27PEG)タンパク質をPPI Eu検出緩衝液(Cisbio、61DB9RBF)で100倍に希釈し、5μLを384ウェルプレートに加え、2000rで40秒間遠心分離した。ジメチルスルホキシドを使用して10mMの試験化合物の濃縮ストック溶液を製造し、3倍勾配希釈し、更にPPI Eu検出緩衝液で作業溶液(0.5%のDMSO)に希釈し、5μL/ウェルで384ウェルプレートに加え、対照群は0.5%のジメチルスルホキシドを加え、試験化合物の最大濃度は10μMであり、2000rで40秒間遠心分離した。PPI Eu検出緩衝液を使用して80nMのGDP標準作業溶液(Cisbio、63ADK000CB27PEG)を製造し、5μL/ウェルで384ウェルプレートに加え、GDP標準作業溶液の最終濃度は20nMであった。2000rで40秒間遠心分離し、室温で30分間反応させた。PPI Eu検出緩衝液を使用して1×6His Eu cryptate抗体とGTP-Red試薬(Cisbio、63ADK000CB27PEG)を製造し、1:1の体積比で混合した後、384ウェルプレートに5μLを加え、2000rで40秒間遠心分離し、室温で30分間培養した。マイクロプレートリーダーで620nm及び665nMでの蛍光強度を検出し、KRASG12Dタンパク質に対する化合物の阻害活性を4パラメーター方程式に当てはめて得た。結果は表2に示される通りである:
実施例3:pERK細胞レベル試験
本実験では、PHOSPHO-ERK1/2(THR202/TYR 204)(Cisibo、64ERKPEH)キットを使用して、ヒト胃癌細胞AGS又はヒト膵臓癌細胞ASPC-1におけるERK1/2のリン酸化レベルを検出し、ERK1/2のリン酸化レベルでKRAS G12Dに対する化合物の阻害効果を研究した。
初日、AGS細胞(ATCC)懸濁液の濃度を2.1×10細胞/mLに調節し、95μL/ウェルで96ウェルプレートに広げ、即ちウェル当たり細胞数は2×10であり、細胞培養プレートを37℃、5%のCOインキュベーターに置き、一晩培養した。翌日、化合物を100%のジメチルスルホキシドで勾配希釈し、その後更に完全培地(RPMI-1640+10%のFBS+1%のPS)で化合物作業溶液に希釈し、5μL/ウェルで96ウェル細胞培養プレートに加え、37℃、5%のCOインキュベーターで4時間培養した。培養完了後、培地を吸い除去し、50μL/ウェルで1×溶解緩衝液を加え、室温で30分間振とうした。白色の384ウェルシャローウェルプレートに16μLの溶解溶液を加え、更に事前に製造した4μLの抗体混合溶液を加え、プレートシーリングメンブレンでプレートをシーリングし、室温で一晩培養した。3日目に、HTRF設定を使用してTECAN M1000 Proプレートリーダーで検出を実行し、化合物のIC50値を計算した。結果は表3に示される通りである:
実施例4:細胞増殖試験
初日、対数増殖期のAGSヒト胃癌細胞、ASPC-1ヒト膵臓癌細胞又はGP2Dヒト結腸癌細胞(Nanjing Cobioer Biosciences Co.、Ltd.)を採取し、適量のトリプシンを加えて消化させた後、10%のウシ胎児血清、1%のペニシリン―ストレプトマイシンを含むRPMI 1640(Gibco)培地で単一細胞懸濁液を製造し、計数後細胞の密度を調節し、各ウェルの細胞数が3000になるように95μL/ウェルで96ウェルプレートに播種し、次に、細胞培養プレートを37℃、5%のCOのインキュベーターに置き、一晩培養した。翌日、10mMのKRAS G12D阻害剤濃縮ストック溶液をジメチルスルホキシド溶液で3倍に勾配希釈し、次にAGS完全培養培地で作業溶液に希釈し、5μL/ウェルで細胞培養プレートに、化合物の最高濃度が10μM、最低濃度が0.0015μMになるように加え、対照群は0.5%のジメチルスルホキシドであった。短時間遠心分離した後、細胞培養プレートを二酸化炭素インキュベーターに置き、72時間培養した。5日目に細胞培養プレートを取り出し、Cell Titer-Glo(Cell Titer-glo、Promega)などの検出試薬を各ウェルに加え、暗所で10分間培養した後、マイクロプレートリーダー(Tecan、Infinite M1000 Pro)を使用して発光を検出した。Graphpadソフトウェアを使用してデータを分析し、4パラメーター方程式で曲線を当てはめ、阻害剤のIC50値を計算した。結果は表4に示される通りである:
実施例5:GP2Dヒト結腸癌細胞マウス皮下移植腫瘍モデルのin vivo薬効実験
細胞培養:ヒト結腸癌GP2D細胞を、10%のウシ胎児血清を含むDMEM培地中で、37℃の、5%のCOを含む恒温インキュベーター内で単層培養を維持させた。腫瘍細胞は週に2回継代培養した。対数増殖期の細胞を収集し、接種のために計数した。
実験動物:BALB/cヌードマウス、6~8週齢、18~22g、Gempharmatech Co., Ltdから購入した。
下記の表5に示すように、ビヒクル、Ref.A及びI-7-2に対して合計5つの実験群を設定した。
実験方法:GP2D細胞株(5.0×106+M個/匹)を実験用マウスの右背部皮下に接種し、接種量は1匹あたり0.1mLとし、定期的に腫瘍の成長を観察し、腫瘍が約150mmに成長した時点で、腫瘍サイズとマウスの体重に応じてランダムに群分けし、表1に示される投与スケジュールに従って投与し、全実験中、マウスの体重と腫瘍サイズを週に2回測定した。
腫瘍サイズの計算式:腫瘍体積(mm)=0.5×(腫瘍長径×腫瘍短径)。
実験結果は表6をに示された通りである。

Claims (22)

  1. 式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩。

    (ただし、Vは、-O-であり、
    Zは、Cであり、Z及びZは、それぞれ独立してCR又はNであり、
    Xは、Nであり、Xは、Nであり、Xは、Cであり、
    は、C6-12アリール又は5~12員ヘテロアリールであり、前記Rは、非置換であるか、又は選択的に1つ又は複数のR基により任意位置で置換され、
    は、水素、-R、-NR、-OR又は-SRであり、
    及びRは、それぞれ独立して水素であり、
    Uは、Nであり、Rは、存在しなく、
    Lは、-CHCH-であり、
    各Rは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロC1-6アルキル又はハロC1-6アルコキシであり、
    各Rは、それぞれ独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、-N(R’)、-OR’、-SR’、-NHC(O)R’’、-C(O)R’’、-C(O)N(R’’)、-OC(O)R’’、-OC(O)N(R’’)又は-B(OR’’)であり、Rにおいて、前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル又はC3-8シクロアルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のハロゲン、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、-N(R’)、-OR’、-SR’、-NHC(O)R’’、-C(O)R’’、-C(O)N(R’’)、-OC(O)R’’、-OC(O)N(R’’)及び-B(OR’’)から選択される置換基により任意位置で置換され、
    各R10は、それぞれ独立して水素、ハロゲン、C1-6アルキル又はオキソであり、
    は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-10シクロアルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル、C3-10シクロアルキル-C1-6アルキル、3~10員ヘテロシクロアルキル-C1-6アルキル、C6-10アリール-C1-6アルキル又は5~10員ヘテロアリール-C1-6アルキルであり、前記Rは、非置換であるか、又は選択的に1つ又は複数のRにより任意位置で置換され、
    は、水素、シアノ、ヒドロキシ又はC1-6アルキルであり、
    及びRは、独立して置換基であるか、又はR及びRは互いに結合して4~8員ヘテロシクロアルキルを形成し、前記ヘテロシクロアルキルは、非置換であるか、又は選択的に1つ又は複数のヒドロキシ、シアノ、アミノ、オキソ、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C3-8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、5~10員ヘテロアリール-C1-4アルキル、-C(O)R’’、-(CHOR’’及び-(CHN(R’’)から選択される置換基により任意位置で置換され、
    は、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、オキソ、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルキレン、ハロC1-6アルキル、C3-8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、5~10員ヘテロアリール-C1-4アルキル、-(CHOR’、-(CHN(R’)、-(CH-N(CN)R’、-(CH-C(O)R’、-(CH-C(O)N(R’)、-(CH-S(O)N(R’)、-(CH-NR’’C(O)R’、-(CH-NR’’S(O)R’、-(CH-N(NH)N(R’)、-(CH-NR’’C(O)N(R’)、-(CH-NR’’C(O)OR’、-(CH-OC(O)R’、-(CH-OC(O)N(R’)又は-(CH-B(OR’’)であり、Rにおいて、前記C1-6アルキレン、C3-8員シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、5~10員ヘテロアリール-C1-4アルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1つ又は複数のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルアミノ及びC1-6アルキルから選択される置換基により任意位置で置換され、
    各R’は、独立して水素、C1-4アルキル、ハロC1-4アルキル、ヒドロキシ-C1-4アルキル、シアノ-C1-4アルキル、C1-4アルコキシ-C1-4アルキル、アミノ-C1-4アルキル、C1-6アルキルアミノ-C1-4アルキル、C3-8シクロアルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル、C6-10アリール、6~10員ヘテロアリール、C3-8シクロアルキル-C1-4アルキル、3~8員ヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル又は6~10員ヘテロアリール-C1-4アルキルであり、
    各R’’は、独立して水素又はC1-6アルキルであり、
    nは、0、1、2、3又は4であり、
    qは、0、1、2又は3であり、
    tは、0、1、2又は3である。)
  2. Zは、Cであり、Zは、CRであり、Zは、Nであり、或いはZは、Cであり、Zは、CRであり、Zは、CRであり、
    及び/又は、各Rは、独立して水素又はハロゲンであることを特徴とする、請求項1に記載の式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩。
  3. は、水素又は-ORであり、
    及び/又は、Rは、3~10員ヘテロシクロアルキル-C1-6アルキルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~5つのRにより任意位置で置換され、
    及び/又は、Rは、重水素、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、オキソ、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、フェニル、-(CHOR’又は-(CHN(R’)であり、
    及び/又は、各R’は、独立して水素、C1-4アルキル又はハロC1-4アルキルであることを特徴とする、請求項1に記載の式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩。
  4. は、3~10員ヘテロシクロアルキル-C1-6アルキルであり、前記Rは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つのRにより任意位置で置換され、
    及び/又は、Rは、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、オキソ、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、フェニル、-(CHOR’又は-(CHN(R’)であることを特徴とする、請求項3に記載の式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩。
  5. は、-ORであり、Rは、

    であり、前記Rは、非置換であるか、又は選択的に1~5つのRにより任意位置で置換されることを特徴とする、請求項3に記載の式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩。
  6. は、-ORであり、Rは、

    であり、前記Rは、非置換であるか、又は選択的に1~5つのフッ素、重水素及びメチルにより任意位置で置換されることを特徴とする、請求項3に記載の式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩。
  7. は、フェニル、ナフチル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、1H-インドリル、1H-インダゾリル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジル又はイミダゾ[1,2-a]ピリジルであり、前記Rは、非置換であるか、又は選択的に1~3つのR基により任意位置で置換され、
    及び/又は、Rは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクロアルキル、-N(R’)、-OR’又は-SR’であり、Rにおいて、前記C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルは、非置換であるか、或いは選択的に1~3つのハロゲン、ヒドロキシ、シアノ及びアミノから選択される置換基により任意位置で置換されることを特徴とする、請求項1に記載の式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩。
  8. は、下記のいずれか1つの構造であることを特徴とする、請求項1に記載の式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩。


  9. は、下記のいずれか1つの構造であることを特徴とする、請求項1に記載の式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩。

  10. 式(II)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩。

    (ただし、
    Vは、Oであり、qは、1であり、Lは、-CHCH-であり、Xは、Nであり、tは、0であり、Rは、Hであり、
    、R、Z及びZは請求項1~9のいずれか一項に定義される通りである。)
  11. 及びZは、それぞれ独立してCRであり、各Rは、それぞれ独立してフッ素又は塩素であることを特徴とする、請求項10に記載の式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩。
  12. は、CRであり、Zは、Nであり、Rは、フッ素又は塩素であることを特徴とする、請求項10に記載の式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩。
  13. は、

    であることを特徴とする、請求項10に記載の式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩。
  14. 下記のいずれか1つの構造、又は薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩。




  15. 下記のいずれか1つの構造、又は薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩。





  16. 下記のいずれか1つの構造であって、

    アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、16.724分間であり、

    アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、17.162分間であり、

    アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、16.118分間であり、

    アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、16.489分間であり、

    アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、15.584分間であり、

    アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、15.966分間であり、

    アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、17.403分間であり、

    アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、18.023分間であり、

    アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、16.558分間であり、

    アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、17.076分間であり、

    アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、17.152分間であり、

    アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、17.710分間であり、

    アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、16.821分間であり、

    アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、17.354分間であり、

    アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、16.793分間であり、

    アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、17.322分間であり、

    アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、15.452分間であり、

    アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、15.838分間であり、

    アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、17.687分間であり、

    アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、18.251分間であり、

    アトロプ異性体1、HPLC保持時間は、16.574分間であり、

    アトロプ異性体2、HPLC保持時間は、17.147分間である、請求項1に記載の式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩。
    (ここで、HPLC分析方法は下記の通りである:カラムはWelch Xtimate C18 4.6mm×150mm、5μmであり;移動相Aはアセトニトリルであり、移動相Bは10mmのリン酸二水素カリウム緩衝液であり、アンモニア水でpHを8.0に調節し、勾配溶出:移動相B90%で5分間保持し、B90%~70%で、溶出時間は5分であり、B70%~40%で、溶出時間は4分であり、B40%~15%で、溶出時間は12分であり、B15%~90%で、溶出時間は2分であり、B90%で2分間保持し、検出波長は214及び/又は262nmであり、カラム温度は35℃であり、流速は1mL/minである。)
  17. 下記のいずれか1つの方法である、請求項1に記載の式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩の製造方法。
    方法1:

    方法2:

    (ただし、Levはハロゲン(好ましくは塩素又は臭素)であり、Pはアミノ保護基であり、q、Z、Z、X、L、R及びRの定義のは請求項1に記載された通りである。)
  18. 下記のいずれか1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩。


  19. 治療有効量の活性成分及び薬学的に許容される助剤を含む、医薬組成物であって、前記活性成分は請求項1~16のいずれか一項に記載の式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物。
  20. KRAS G12D阻害剤薬物の製造における、請求項1~16のいずれか一項に記載の式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩、又は請求項19に記載の医薬組成物の使用。
  21. 癌を治療及び/又は緩和するための医薬の製造における、請求項1~16のいずれか一項に記載の式(I)で表される化合物、その立体異性体、安定的な重水素化誘導体又は薬学的に許容される塩、又は請求項19に記載の医薬組成物の使用。
  22. 前記癌は、腫瘍細胞のDNA中にG12D突然変異したKRAS遺伝子を含む癌であり、前記癌は、好ましくは膵臓癌、子宮内膜癌、肺癌(好ましくは小細胞肺癌又は非小細胞肺癌)、直腸癌及び結腸直腸癌の1つ又は複数である、請求項21に記載の使用。
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