JP2024525693A - 神経変性障害の診断のためにアミロイドおよびアミロイド様タンパク質を検出するためのフルオロフォアとしてのn-ヘテロシクリル置換2-シアノ-3-(ナフタレン-2-イル)アクリルアミド誘導体 - Google Patents

神経変性障害の診断のためにアミロイドおよびアミロイド様タンパク質を検出するためのフルオロフォアとしてのn-ヘテロシクリル置換2-シアノ-3-(ナフタレン-2-イル)アクリルアミド誘導体 Download PDF

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ステラ ティー. サッラーフ,
ジェラルド エフ. スイス,
ロバート ザンボーニ,
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アミディス, インコーポレイテッド
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Abstract

Figure 2024525693000001
本明細書では、アミロイドまたはアミロイド様タンパク質の検出に有用な、式Iの新規な分子ローターフルオロフォアの設計および合成が提供される。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2021年7月15日出願の米国仮出願第63/222,380号の利益を米国特許法第119条第(e)項の下で主張するものであり、その全体はこれにより参照により組み込まれる。
背景
脳内へのアミロイド斑の蓄積は、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病、ダウン症候群およびクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)を含む多くの神経変性障害の特徴である。これらの疾患を臨床的に診断し、その進行をモニタリングするための手法には、小分子造影剤を用いてアミロイド沈着を標的にすることが含まれる。したがって、アミロイドの蛍光ベースの小分子画像化は、アミロイド沈着を検出するための、低コストで入手可能な非放射線技術である。本明細書では、神経組織における蛍光化合物の輝度、分光学的特性、およびアミロイドとの結合特異性を維持し、生理的に関連性のある溶液中で優れた化学的/加水分解的安定性を示す蛍光化合物が開示される。そのような化合物の安定性の増強は、生存している系におけるアミロイド沈着の標識化に有用である。
概要
本開示は、式I
Figure 2024525693000002
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグを提供する[式中、
EDGは、
Figure 2024525693000003
であり、
各Rは、独立に、ハロゲン、-OR、-NR、C1~10アルキル、C1~10ヘテロアルキル、C3~10シクロアルキル、C1~10ヘテロシクリル、C6~10アリール、またはC1~10ヘテロアリールであり、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており、
、RおよびRは、独立に、水素、C1~10アルキル、C1~10ヘテロアルキル、C3~10シクロアルキル、C1~10ヘテロシクリル、C6~10アリール、またはC1~10ヘテロアリールであり、水素を除くそのそれぞれは、1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており、
は、水素またはC1~10アルキルであり、
各Rは、独立に、ハロゲン、-OR、-NR、C1~10アルキル、C1~10ハロアルキル、C1~10ヘテロアルキル、C3~10シクロアルキル、C1~10ヘテロシクリル、C6~10アリール、またはC1~10ヘテロアリールであり、
、RおよびRは、独立に、水素またはC1~10アルキルであり、
84は、水素、ハロ、C1~10アルキル、またはC1~10ハロアルキルであり、
EWGは、電子求引基であり、
WSGは、水溶性基であり、
Zは、C=OまたはSOであり、Yは、CH、NH、またはSであり、
qは、0、1、2、3、4、5、または6であり、
ただし、YがNHまたはSであり、R84が水素またはメチルである場合には、EDGは、ナフタレンの6位に結合している
Figure 2024525693000004
ではない]。
本開示はまた、本明細書に記載される式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグを含む医薬組成物を提供する。また、患者が神経疾患または障害を有しているかどうかを決定するための方法であって、本明細書に記載される式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグ、あるいはその医薬組成物を患者に投与するステップを含む方法が提供される。
詳細な説明
定義
以下の説明は、本発明の技術の例示的な実施形態を記載する。しかし、そのような説明は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、その代わり、例示的な実施形態の説明として提供されることが認識されるべきである。
以下の用語、句および記号は、本明細書で使用される場合、一般に、それらが使用される文脈により別段示されている場合を除いて、下記の意味を有することが意図される。
ダッシュ(例えば、「-」または「-」)は、結合を示しており、置換基のための結合点であり得る。例えば、-C(O)NHは、炭素原子を介して結合している。化学基は、それらの通常の意味を失うことなく、1つまたは複数のダッシュを用いてまたは用いずに図示され得る。構造において、ある線を横断して引かれている波線は、置換基または基の結合点を示す。
接頭辞「Cu~v」は、それに続く基がu~v個の炭素原子を有することを示す。例えば、「C1~6アルキル」は、このアルキル基が1~6個の炭素原子を有することを示す。
本明細書における「約」が付された値またはパラメーターへの言及は、その値またはパラメーター自体を対象とする実施形態を含む(かつ記載する)。ある特定の実施形態では、「約」という用語は、指示量±10%を含む。他の実施形態では、「約」という用語は、指示量±5%を含む。ある特定の他の実施形態では、「約」という用語は、指示量±1%を含む。また、「約X」という用語は、「X」の記載を含む。また、単数形「1つの(a)」および「その(the)」は、状況によって別段明示されない限り、複数の言及対象を含む。したがって、例えば、「その化合物」への言及は、複数のそのような化合物を含み、「そのアッセイ」への言及は、1つまたは複数のアッセイおよび当業者に公知のその等価物への言及を含む。
「アルキル」は、単独でまたは別の置換基の一部として、完全に飽和、単不飽和または多価不飽和であり得る、直鎖(すなわち非分岐)もしくは分岐鎖、またはその組合せを表し、指定数の炭素原子を有する(例えば、C~C10は、1~10個の炭素を意味する)、二価および多価ラジカルを含み得る。飽和炭化水素ラジカルの例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、(シクロヘキシル)メチル等の基、例えばn-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルの同族体および異性体が挙げられるが、それらに限定されない。
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有し、2~20個の炭素原子(すなわち、C2~20アルケニル)、2~8個の炭素原子(すなわち、C2~8アルケニル)、2~6個の炭素原子(すなわち、C2~6アルケニル)、または2~4個の炭素原子(すなわち、C2~4アルケニル)を有する脂肪族基を指す。アルケニル基の例として、エテニル、プロペニル、およびブタジエニル(1,2-ブタジエニルおよび1,3-ブタジエニルを含む)が挙げられる。
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含有し、2~20個の炭素原子(すなわち、C2~20アルキニル)、2~8個の炭素原子(すなわち、C2~8アルキニル)、2~6個の炭素原子(すなわち、C2~6アルキニル)、または2~4個の炭素原子(すなわち、C2~4アルキニル)を有する脂肪族基を指す。「アルキニル」という用語は、1つの三重結合および1つの二重結合を有する基も含む。
「アリール」は、単一の環(例えば単環式)、または縮合系を含む複数の環(例えば二環式または三環式)を有する、芳香族炭素環式基を指す。本明細書で使用される場合、アリールは、6~20個の環炭素原子(すなわち、C6~20アリール)、6~12個の炭素環原子(すなわち、C6~12アリール)、または6~10個の炭素環原子(すなわち、C6~10アリール)を有する。アリール基の例として、フェニル、ナフチル、フルオレニル、およびアントリルが挙げられる。しかし、アリールは、以下に定義されるヘテロアリールを包含することもそれと重複することも決してない。1つまたは複数のアリール基がヘテロアリール環と縮合する場合、生じる環系は、ヘテロアリールである。
「シアノ」は、-CNを指す。
「シクロアルキル」は、単一の環、または縮合、架橋、およびスピロ環系を含む複数の環を有する、飽和または部分的に不飽和の環式アルキル、アルケニル、またはアルキニル基を指す。シクロアルキルはまた、縮合した環のうちの1つが芳香環であるが、その環系が完全に芳香族であるわけではない、一緒に縮合している複数の炭素環式環を含む環系を指す。本明細書で使用される場合、シクロアルキルは、3~20個の環炭素原子(すなわち、C3~20シクロアルキル)、3~12個の環炭素原子(すなわち、C3~12シクロアルキル)、3~10個の環炭素原子(すなわち、C3~10シクロアルキル)、3~8個の環炭素原子(すなわち、C3~8シクロアルキル)、または3~6個の環炭素原子(すなわち、C3~6シクロアルキル)を有する。シクロアルキル基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘキセニルが挙げられる。
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、単独でまたは別の置換基の一部として、別段記述されない限り、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味する。
「ハロアルキル」は、1つまたは複数の水素原子がハロゲンによって置き換えられている、先に定義される通りの非分岐または分岐アルキル基を指す。例えば、1個よりも多いハロゲンでアルキル残基が置換されている場合、そのハロアルキルは、結合しているハロゲン部分の数に対応する接頭辞を使用することによって言及され得る。ジハロアルキルおよびトリハロアルキルは、それぞれ2個の(「ジ」)または3個の(「トリ」)ハロ基で置換されているアルキルを指し、それらは同じハロゲンであってもそうでなくてもよい。ハロアルキルの例として、ジフルオロメチル(-CHF)、トリフルオロメチル(-CF)、フルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、4-クロロブチル、および3-ブロモプロピルが挙げられるが、それらに限定されない。
「ヘテロアルキル」は、単独でまたは別の用語との組合せにおいて、別段記述されない限り、少なくとも1つの炭素原子、ならびにN、O、S、PおよびSiからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子からなる直鎖または分岐鎖を意味し、ここでNおよびS原子は、必要に応じて酸化されてもよく、Nは、必要に応じて四級化されてもよい。ヘテロ原子(複数可)、すなわちN、O、S、P、およびSiは、ヘテロアルキル基の任意の非末端位置に、またはヘテロアルキル基が結合している位置に含まれ得る。2個またはそれよりも多いヘテロ原子が、鎖中で連続していてもよい。ヘテロアルキルの例として、-CH-CH-O-CH、-CH-CH-O-CH-CH-O-CH、-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-O-CH、-CH-CH-NH-CH、-CH-CH-N(CH)-CH、-CH-S-CH-CH、-CH-CH-S(O)-CH、-CH-CH-S(O)-CH、-CH=CH-O-CH、-Si(CH、-CH-CH=N-OCH、-CH=CH-N(CH)-CH、O-CH、および-O-CH-CHが挙げられるが、それらに限定されない。
「ヘテロアリール」は、N、O、およびSから独立に選択される1つまたは複数の環ヘテロ原子を含む、単一の環、複数の環、または複数の縮合した環を有する、芳香族の互変異性体または共鳴構造を有する基を含む芳香族基を指し、ここで窒素および硫黄原子は、必要に応じて酸化され、窒素原子(複数可)は、必要に応じて四級化される。本明細書で使用される場合、ヘテロアリールは、3~20個の環原子(すなわち、3~20員のヘテロアリール)、3~12個の環原子(すなわち、3~12員のヘテロアリール)、または5~10個の環原子(すなわち、5~10員のヘテロアリール)、ならびにN、OおよびSから独立に選択される1~5個のヘテロ原子を含む。ヘテロアリールは、上記で定義される通りのアリールを包含することもそれと重複することもない。ヘテロアリール基は、炭素またはヘテロ原子を介して分子の残部に結合することができる。アリールおよびヘテロアリール基の非限定的な例として、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、4-ビフェニル、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、3-ピラゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、トリアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、ピラジニル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、2-フェニル-4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピリミジル、4-ピリミジル、5-ベンゾチアゾリル、プリニル、2-ベンゾイミダゾリル、5-インドリル、1-イソキノリル、5-イソキノリル、2-キノキサリニル、5-キノキサリニル、3-キノリル、6-キノリル、ピリジン-2(1H)-オン、ピリダジン-3(2H)-オン、ピリミジン-4(3H)-オン、キノリン-2(1H)-オン、ピリミジニル、プリニル、ピリジル、ピリダジニル、ベンゾチアゾリル、およびピラゾリルが挙げられる。上述のアリールおよびヘテロアリール環系のそれぞれのための置換基は、下記の許容される置換基の群から選択される。
「ヘテロシクリル」という用語は、「ヘテロアルキル」の環式バージョンを意味する。加えて、ヘテロシクリルについて、ヘテロ原子は、ヘテロシクリルが分子の残部に結合している位置を占有することができる。シクロアルキルの例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニル、シクロヘプチル等が挙げられるが、それらに限定されない。ヘテロシクリルの例として、テトラヒドロピラン、1-(1,2,5,6-テトラヒドロピリジル)、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-モルホリニル、3-モルホリニル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロチエン-2-イル、テトラヒドロチエン-3-イル、1-ピペラジニル、2-ピペラジニル等が挙げられるが、それらに限定されない。ヘテロシクリルの例として、グルコース、マンノース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、ガラクトース、およびタロースが挙げられるが、それらに限定されない。ヘテロシクリルの例として、
Figure 2024525693000005
等が挙げられるが、それらに限定されない。
「ヒドロキシル」および「ヒドロキシ」は、交換可能に使用され、-OHを指す。「オキソ」は、例えば、(=O)または(O)として書かれる二重結合したOを指す。化合物の互変異性形態が存在する場合、ヒドロキシルおよびオキソ基は、交換可能である。
「チオール」は、-SHを指す。
上述の用語(例えば、「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」および「ヘテロアリール」)のそれぞれは、指示されたラジカルの置換形態と非置換形態との両方を含み得る。
本明細書で使用される場合、「ヘテロ原子」または「環ヘテロ原子」という用語は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、リン(P)、およびケイ素(Si)を含むことを意味する。
「必要に応じた」または「必要に応じて」という用語は、その後に記載される事象または状況が生じても生じなくてもよく、その記載が、前記事象または状況が生じる場合および生じない場合を含むことを意味する。また、「必要に応じて置換される」という用語は、指定の原子または基上の任意の1つまたは複数の水素原子が、水素以外の部分によって置き換えられていても置き換えられていなくてもよいことを指す。
化合物のいくつかは、互変異性体として存在する。互変異性体は、互いに平衡状態である。例えば、アミド含有化合物は、イミド酸互変異性体と平衡状態で存在することができ、カルボニル含有化合物は、エノール互変異性体と平衡状態で存在することができる。どの互変異性体が示されているかに関わらず、および互変異性体の間の平衡の性質に関わらず、化合物はすべての互変異性体を含むことが当業者によって理解される。したがって、アミド含有化合物は、それらのイミド酸互変異性体を含むと理解される。同様に、イミド酸含有化合物は、それらのアミド互変異性体を含むと理解される。
また、本明細書で与えられる任意の式または構造は、化合物の非標識形態および同位体標識形態を表すことが意図される。同位体標識化合物は、1つまたは複数の原子が、選択された原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられることを除いて、本明細書で与えられる式によって図示された構造を有する。本開示の化合物に組み込むことができる同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン酸、フッ素および塩素の同位体、例えば、H(重水素、D)、H(トリチウム)、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Cl、および125Iが挙げられるが、それらに限定されない。本開示の様々な同位体標識化合物、例えばHおよび14C等の放射性同位元素が組み込まれている同位体標識化合物。そのような同位体的標識化合物は、薬物もしくは基質組織分布アッセイを含む、代謝研究、反応動態研究、検出もしくは画像処理技術、例えば陽電子放出断層撮影(PET)もしくは単一光子放射型コンピューター断層撮影法(SPECT)において、または患者における放射線処置において有用であり得る。
本開示はまた、例えば、炭素原子に結合している1~n個の水素(nは分子中の水素の数である)が重水素によって置き換えられている、式Iの化合物の重水素化アナログを含む。そのような化合物は、哺乳動物、特にヒトに投与された場合、代謝に対して増大した耐性を示すことができ、式Iの任意の化合物の半減期を延長するのに有用であり得る。例えば、Foster, "Deuterium Isotope Effects in Studies of Drug Metabolism," Trends Pharmacol. Sci. 5(12):524-527 (1984)を参照されたい。そのような化合物は、当技術分野で周知の手段によって、例えば1つまたは複数の水素が重水素で置き換えられた出発材料を用いることによって合成される。
本開示の重水素標識または置換化合物は、分布、代謝および排出(ADME)に関する改善されたDMPK(薬物代謝および薬物動態)特性を有することができる。重水素等のより重い同位体での置換は、より高い代謝安定性から生じるある特定の利点、例えばin vivo半減期の延長、必要投与量の低減および/または治療指数の改善を付与することができる。18F標識化合物は、PETまたはSPECT研究に有用であり得る。本開示の同位体標識化合物およびそのプロドラッグは、一般に、下記のスキームまたは実施例および調製に開示される手順を行うことによって、非同位体標識試薬の代わりに容易に入手可能な同位体標識試薬を使用することによって調製することができる。この文脈では、重水素は、本明細書に記載される化合物における置換基とみなされることが理解される。
そのようなより重い同位体、具体的には重水素の濃度は、同位体濃縮係数によって定義され得る。本開示の化合物において、特定の同位体として具体的に指定されていない任意の原子は、その原子のいずれかの安定な同位体を表すことを意味する。別段記述されない限り、ある位置が「H」または「水素」として具体的に指定される場合、その位置は、その自然存在度の同位体組成で水素を有すると理解される。したがって、本開示の化合物において、重水素(D)として具体的に指定される任意の原子は、重水素を表すことを意味する。
一部の実施形態では、化合物は、アミノおよび/もしくはカルボキシル基、またはそれらに類似の基が存在することで、酸塩および/または塩基塩を形成することができる。
また、本明細書に記載される化合物の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、互変異性形態、多形、およびプロドラッグが提供される。「薬学的に許容される」または「生理的に許容される」は、獣医学的使用またはヒトへの薬学的使用に好適な医薬組成物を調製するのに有用な化合物、塩、組成物、剤形および他の材料を指す。
所与の化合物の「薬学的に許容される塩」という用語は、所与の化合物の生物学的効果および特性を保持しており、生物学的にもその他の点でも望ましくないことがない塩を指す。「薬学的に許容される塩」または「生理的に許容される塩」には、例えば、無機酸との塩および有機酸との塩が含まれる。加えて、本明細書に記載される化合物が酸付加塩として得られる場合、遊離塩基は、酸塩の溶液を塩基性にすることによって得ることができる。それとは逆に、生成物が遊離塩基である場合、付加塩、特に薬学的に許容される付加塩は、塩基化合物から酸付加塩を調製するための従来の手順に従って、遊離塩基を好適な有機溶媒に溶解させ、その溶液を酸で処理することによって生成することができる。当業者には、薬学的に許容される非毒性の付加塩を調製するために使用することができる様々な合成法が認識される。薬学的に許容される酸付加塩は、無機および有機酸から調製することができる。無機酸から誘導された塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等が含まれる。有機酸から誘導された塩には、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸等が含まれる。同様に、薬学的に許容される塩基付加塩は、無機および有機塩基から調製することができる。無機塩基から誘導された塩には、単なる例として、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウムおよびマグネシウム塩が含まれる。有機塩基から誘導された塩には、第一級、第二級および第三級アミン、例えばアルキルアミン(すなわち、NH(アルキル))、ジアルキルアミン(すなわち、HN(アルキル))、トリアルキルアミン(すなわち、N(アルキル))、アルケニルアミン(すなわち、NH(アルケニル))、ジアルケニルアミン(すなわち、HN(アルケニル))、トリアルケニルアミン(すなわち、N(アルケニル))、モノ-、ジ-もしくはトリ-シクロアルキルアミン(すなわち、NH(シクロアルキル)、HN(シクロアルキル)、N(シクロアルキル))、モノ-、ジ-もしくはトリ-アリールアミン(すなわち、NH(アリール)、HN(アリール)、N(アリール))、またはアルキルアミン、アルケニルアミン、シクロアルキルアミンおよび/もしくはアリールアミン混合物の塩が含まれるが、それらに限定されない。好適なアミンの具体例には、単なる例として、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリ(イソ-プロピル)アミン、トリ(n-プロピル)アミン、エタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、N-エチルピペリジン等が含まれる。
「置換される」という用語は、指定の原子の通常の原子価を超えないという条件で、指定の原子または基上のいずれか1つまたは複数の水素原子が、水素以外の1つまたは複数の置換基で置き換えられることを意味する。別段記述されない限り、1つまたは複数の置換基は、本明細書で提供される任意の置換基、またはそれらの組合せであり得る。さらなる置換基が無限に付加された置換基を定義することによって到達するポリマーまたは類似の不確定構造(例えば、置換アルキルを有する置換アリールであって、その置換アルキル自体が置換アリール基で置換されており、その置換アリール基が置換ヘテロアルキル基でさらに置換されている、などの、置換アリール)は、本明細書では包含されることを意図されない。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される賦形剤」は、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張化剤、ならびに吸収遅延剤等を含む。薬学的に活性な物質のためのそのような媒体および薬剤の使用は、当技術分野で周知である。任意の従来の媒体または薬剤が活性成分と不適合である場合を除いて、医薬組成物におけるその使用が企図される。補助的な活性成分を組成物に組み込むこともできる。
「溶媒和物」は、溶媒と化合物との相互作用によって形成される。本明細書に記載される化合物の塩の溶媒和物も提供される。本明細書に記載される化合物の水和物も提供される。
「プロドラッグ」は、生物系に投与された場合、自然発生的な化学反応(複数可)、酵素触媒型化学反応(複数可)、光分解、および/または代謝化学反応(複数可)の結果として親化合物を生じる任意の化合物を指す。したがって、プロドラッグは、生物学的に活性な親化合物の、共有結合により修飾されたアナログまたは潜在形態である。
「水溶性基」は、式Iの化合物の水への溶解度を変える任意の基を指す。例として、糖、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのコポリマー、またはそれらのアルコキシ誘導体が挙げられるが、それらに限定されない。他の例として、式
Figure 2024525693000006
[式中、nは、1~50の整数であり、R86は、H、C1~10アルキル、C1~10ヘテロアルキル、C3~10シクロアルキル、C1~10ヘテロシクリル、C6~10アリール、またはC1~10ヘテロアリールであり、水素を除くそのそれぞれは、1つまたは複数のC1~10アルキル、C1~10ハロアルキル、C1~10ヘテロアルキル、C3~10シクロアルキル、C1~10ヘテロシクリル、C6~10アリール、またはC1~10ヘテロアリールで必要に応じて置換される]の化合物が挙げられる。一部の実施形態では、R86は、プロドラッグ部分である。プロドラッグの例として、リン酸プロドラッグが挙げられるが、それに限定されない。
化合物
本開示は、神経疾患および障害の検出および処置に有用な化合物を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、式I
Figure 2024525693000007
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグを提供する[式中、
EDGは、
Figure 2024525693000008
であり、
各Rは、独立に、ハロゲン、-OR、-NR、C1~10アルキル、C1~10ヘテロアルキル、C3~10シクロアルキル、C1~10ヘテロシクリル、C6~10アリール、またはC1~10ヘテロアリールであり、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており、
、RおよびRは、独立に、水素、C1~10アルキル、C1~10ヘテロアルキル、C3~10シクロアルキル、C1~10ヘテロシクリル、C6~10アリール、またはC1~10ヘテロアリールであり、水素を除くそのそれぞれは、1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており、
各Rは、水素またはC1~10アルキルであり、
各Rは、独立に、ハロゲン、-OR、-NR、C1~10アルキル、C1~10ハロアルキル、C1~10ヘテロアルキル、C3~10シクロアルキル、C1~10ヘテロシクリル、C6~10アリール、またはC1~10ヘテロアリールであり、
、RおよびRは、独立に、水素またはC1~10アルキルであり、
84は、水素、ハロ、C1~10アルキル、またはC1~10ハロアルキルであり、
EWGは、電子求引基であり、
WSGは、水溶性基であり、
Zは、C=OまたはSOであり、Yは、CH、NH、またはSであり、
qは、0、1、2、3、4、5、または6であり、
ただし、YがNHまたはSであり、R84が水素またはメチルである場合には、EDGは、ナフタレンの6位に結合している
Figure 2024525693000009
ではない]。
一部の実施形態では、化合物は、
Figure 2024525693000010
ではない。
一部の実施形態では、本開示は、qが0である、本明細書に記載される式Iの化合物を提供する。一部の実施形態では、qは、1、2、3、4、5、または6である。
一部の実施形態では、本開示は、R84が水素である、本明細書に記載される式Iの化合物を提供する。一部の実施形態では、R84は、ハロ、C~C10アルキル、またはC1~10ハロアルキルからなる群から選択される。一部の実施形態では、R84は、Cl、Br、I、F、メチル、エチル、プロピル、またはCFである。
一部の実施形態では、本開示は、EWGが、F、Cl、Br、-CH=O、NO、-CF、-CCl、-SO、および-CNからなる群から選択される、本明細書に記載される式Iの化合物を提供する。一部の実施形態では、EWGは、-CNである。
一部の実施形態では、本開示は、ZがC=Oである、本明細書に記載される式Iの化合物を提供する。一部の実施形態では、YはNHである。一部の実施形態では、YはCHである。
一部の実施形態では、本開示は、Rが水素である、本明細書に記載される式Iの化合物を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、RがC1~10アルキルである、本明細書に記載される式Iの化合物を提供する。一部の実施形態では、RはC1~4アルキルである。
一部の実施形態では、本開示は、WSGが、
Figure 2024525693000011
[式中、mは、1~10の値を有する整数である]からなる群から選択される、本明細書に記載される式Iの化合物を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、WSGが、
Figure 2024525693000012
からなる群から選択され、式中、mは、1~10の値を有する整数であり、各R1’が、独立に、
Figure 2024525693000013
[式中、各Xは、独立に、OまたはSであり、
各R11は、独立に、水素、C1~10アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10シクロアルキル、C6~10アリール、5~10員のヘテロアリールおよび4~10員のヘテロシクリルから選択され、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、1~4個のR21で必要に応じて置換されるか、または各XR11は、独立に、-XP(X)(R12であってもよく、
各R12は、独立に、ヒドロキシ、チオール、-XP(X)(R13、C1~10アルキル、-O-C1~10アルキル、および-S-C1~10アルキルから選択され、
各R13は、独立に、ヒドロキシ、チオール、C1~10アルキル、-O-C1~10アルキル、および-S-C1~10アルキルから選択され、
各R21は、独立に、ハロ、ヒドロキシ、チオール、-NO、-N、シアノ、C1~10アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10シクロアルキル、C1~8ハロアルキル、C6~10アリール、5~10員のヘテロアリール、4~10員のヘテロシクリル、-O-C1~10アルキル、-O-C2~6アルケニル、-O-C2~6アルキニル、-O-C3~10シクロアルキル、-O-C1~8ハロアルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-O-ヘテロシクリル、-NH、-NH(R31)、-N(R31、-C(O)(R31)、-C(O)O(R31)、-C(O)OH、-C(O)NH、-C(O)NH(R31)、-C(O)N(R31、-NHC(O)(R31)、-NHC(O)O(R31)、-NHC(O)NH(R31)、-S(R31)、-NHS(O)(R31)、-N(C1~10アルキル)S(O)(R31)、-S(O)N(R31、-S(O)NH(R31)、および-S(O)(R31)から選択され、
各R31は、独立に、C1~10アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10シクロアルキル、C1~8ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルから選択され、
各yは、独立に、1または2である]
からなる群から選択される、本明細書に記載される式Iの化合物を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、式IA’
Figure 2024525693000014
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグを提供する。
一部の実施形態では、本開示は、式IB’
Figure 2024525693000015
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグを提供する。
一部の実施形態では、本開示は、式IA
Figure 2024525693000016
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグを提供する。
一部の実施形態では、本開示は、式IB
Figure 2024525693000017
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグを提供する。
一部の実施形態では、本開示は、式IC
Figure 2024525693000018
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグを提供する。
一部の実施形態では、本開示は、式ID
Figure 2024525693000019
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグを提供する。
一部の実施形態では、本開示は、式IE、IF、IG、IH、II、IJまたはIK
Figure 2024525693000020
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグを提供する。
一部の実施形態では、本開示は、式IE’
Figure 2024525693000021
の化合物を提供する。
式IE’の一部の実施形態では、R84は水素ではない。IE’の一部の実施形態では、EDGは、
Figure 2024525693000022
から選択される。一部の実施形態では、Rは水素以外である。
一部の実施形態では、本開示は、式IG’
Figure 2024525693000023
の化合物を提供する。
式IG’の一部の実施形態では、R84は水素ではない。IG’の一部の実施形態では、EDGは、
Figure 2024525693000024
から選択される。一部の実施形態では、Rは水素以外である。
一部の実施形態では、本開示は、式IH’
Figure 2024525693000025
の化合物を提供する。
式IH’の一部の実施形態では、R84は水素である。一部の実施形態では、R84は、C1~4アルキルまたはC1~4ハロアルキルである。
一部の実施形態では、本開示は、
Figure 2024525693000026
Figure 2024525693000027
Figure 2024525693000028
Figure 2024525693000029
Figure 2024525693000030
Figure 2024525693000031
Figure 2024525693000032
Figure 2024525693000033
Figure 2024525693000034
Figure 2024525693000035
Figure 2024525693000036
Figure 2024525693000037
Figure 2024525693000038
Figure 2024525693000039
からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグを提供する。
一部の実施形態では、本開示は、式IIA
Figure 2024525693000040
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグを提供する。
一部の実施形態では、本開示は、式IIB
Figure 2024525693000041
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグを提供する。
一部の実施形態では、本開示は、式IIC
Figure 2024525693000042
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグを提供する。
一部の実施形態では、本開示は、式IID
Figure 2024525693000043
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグを提供する。
一部の実施形態では、本開示は、式IIE、IIF、IIG、IIH、III、IIJ、またはIIK
Figure 2024525693000044
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグを提供する。
一部の実施形態では、本開示は、式IIE’
Figure 2024525693000045
の化合物を提供する。
式IIE’の一部の実施形態では、R84は水素ではない。IIE’の一部の実施形態では、EDGは、
Figure 2024525693000046
から選択される。一部の実施形態では、Rは水素以外である。
一部の実施形態では、本開示は、式IIG’
Figure 2024525693000047
の化合物を提供する。
式IIG’の一部の実施形態では、R84は水素ではない。IIG’の一部の実施形態では、EDGは、
Figure 2024525693000048
から選択される。一部の実施形態では、Rは水素以外である。
一部の実施形態では、本開示は、式IIH’
Figure 2024525693000049
の化合物を提供する。
式IIH’の一部の実施形態では、R84は水素である。一部の実施形態では、R84は、C1~4アルキルまたはC1~4ハロアルキルである。
一部の実施形態では、本開示は、
Figure 2024525693000050
Figure 2024525693000051
Figure 2024525693000052
Figure 2024525693000053
Figure 2024525693000054
Figure 2024525693000055
Figure 2024525693000056
Figure 2024525693000057
Figure 2024525693000058
Figure 2024525693000059
Figure 2024525693000060
Figure 2024525693000061
Figure 2024525693000062
Figure 2024525693000063
Figure 2024525693000064
Figure 2024525693000065
からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグを提供する。
式IIAのケトン化合物は、450nmおよび/または488nmの励起波長で蛍光を増大させ、有害効果を引き起こし得る代謝産物が少なくて済むことが意図される。
一般合成
本開示の化合物は、本明細書で開示される方法、ならびに本明細書の本開示および当技術分野で周知の方法を考慮すると明らかになるその慣用的な修正を使用して調製することができる。本明細書の教示に加えて、従来の周知の合成法を使用してもよい。式(I)の典型的な化合物、例えば式(I)によって記載される構造を有する化合物もしくは本明細書で開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩の合成は、実施例に記載されている通り、当技術分野で公知の通りに遂行することができる。
本開示に従う化合物の典型的な実施形態は、下記の反応スキームおよび/または実施例を使用して合成することができる。本明細書の説明を考慮すると、それらのスキームを、類似の構造を有する他の材料で材料を置換することによって変更して、それに応じて様々な生成物をもたらし得ることが明らかである。合成の説明が以下に続いて、所望の生成物をもたらすためにステップをどのように変更し得るかについての例を提供する。本明細書の反応スキームにおいて使用される基の標識(例えば、R)は、単に例示目的のものであり、別段特定されない限り、式(I)の化合物、またはその態様もしくは断片を記載するために他所で使用される標識と名称または機能が必ずしも一致する必要はない。
プロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力等)が与えられている場合、別段記述されない限り、他のプロセス条件を使用してもよいことを理解されよう。最適な反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒と共に変わり得るが、そのような条件は、慣用的な最適化手順によって当業者により決定され得る。加えて、当業者には明らかになる通り、ある特定の官能基が望ましくない反応を受けないようにするために、従来の保護基が必要になることがある。様々な官能基のための好適な保護基、ならびに特定の官能基を保護および脱保護するための好適な条件は、当技術分野で周知である。例えば、T. W. Greene and G. M. Wuts (1999) Protecting Groups in Organic Synthesis, 3rd Edition, Wiley, New York、およびそれに引用されている参考文献に、数々の保護基が記載されている。
以下の反応のための材料および試薬は、一般に公知の化合物であり、または公知の手順もしくはその明白な修正によって調製することができる。例えば、出発材料の多くは、商業的供給者、例えばAldrich Chemical Co.(Milwaukee、Wisconsin、USA)から入手可能である。他の材料は、標準的な参考書、例えばFieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis, Volumes 1-15 (John Wiley, and Sons, 1991)、Rodd's Chemistry of Carbon Compounds, Volumes 1-5および補遺(Elsevier Science Publishers, 1989) organic Reactions, Volumes 1-40 (John Wiley, and Sons, 1991)、March's Advanced Organic Chemistry, (John Wiley, and Sons, 5th Edition, 2001)、ならびにLarock's Comprehensive Organic Transformations (VCH Publishers Inc., 1989)に記載されている手順またはその明白な修正によって調製することができる。
スキーム1は、本明細書で提供される化合物(例えば、式Iの化合物)の合成のための例示的な合成経路を示す。
スキームI
Figure 2024525693000066
ハロ置換ナフタレンである化合物Aを、好適な反応条件、例えば、トルエン等の溶媒中パラジウム触媒および塩基、例えばCsCO下で化合物Bとカップリングして、EDG置換ナフタレンである化合物Cを得る。好適な反応条件下、例えば、THF等の溶媒中、金属水素化物試薬を使用して化合物Cのエステルを還元することにより、化合物Dが得られる。好適な反応条件、例えばMnO下で化合物Dを酸化することにより、化合物E(R84はHである)が得られる。好適な反応条件下、THF等の好適な溶媒中、ピペリジン等の塩基の存在下で化合物Eを化合物Fとカップリングすることにより、式Iの化合物(R84はHである)が得られる。好適な反応条件下、THF等の溶媒中、好適なアルキルマグネシウムハライドとの化合物E(R84はHである)のグリニャール反応により、化合物K(R84はアルキルである)が得られる。好適な反応条件下、THF等の好適な溶媒中、ピペリジン等の塩基の存在下で化合物Kを化合物Fとカップリングすることにより、式Iの化合物(R84はアルキルである)が得られる。
代替として、EDG基は、以下のスキームIIに示される通り、アルデヒド形成後にナフタレンに付加することができる。
スキームII
Figure 2024525693000067
ハロ置換ナフタレンである化合物Aを、好適な反応条件、例えばTHF等の溶媒中、金属水素化物作用物質下で還元して、化合物Gを得る。好適な反応条件、例えば二塩化メチレン等の溶媒中、PCC下で化合物Gを酸化することにより、化合物H(R84はHである)が得られる。好適な反応条件、例えばトルエン等の溶媒中、パラジウム触媒および塩基、例えばCsCO下で化合物Hを化合物Bとカップリングすることにより、化合物M(R84はHである)が得られる。好適な反応条件下、THF等の溶媒中、好適なトリフルオロメチル化合物、例えば(CF)SiMeとの化合物H(R84はHである)の求核反応により、化合物N(R84はCFである)が得られる。好適な反応条件下、THF等の好適な溶媒中、ピペリジン等の塩基の存在下で、化合物Nを化合物Fとカップリングすることにより、式Iの化合物(R84はCFである)が得られる。代替として、好適な反応条件下、THF等の溶媒中、好適なアルキルマグネシウムハライドとの化合物H(R84はHである)のグリニャール反応により、化合物J(R84はアルキルである)が得られる。好適な反応条件下で化合物Jを化合物Bとカップリングすることにより、化合物Kが得られる。好適な反応条件下、例えばトルエン等の溶媒中、パラジウム触媒および塩基、例えばCsCO下で化合物Kを化合物Fとカップリングすることにより、式Iの化合物(R84はアルキルである)が得られる。
式Iの化合物のプロドラッグは、WO2020/093008に開示されている方法によって調製することができる。例えば、以下のスキームIIIを参照されたい。
スキームIII
Figure 2024525693000068
スキームIIIにおいて、式Iの例示的な化合物である化合物Oを、好適な反応条件下で化合物Pと反応させて、化合物Q(R85は、プロドラッグ部分、例えば本明細書に記載されるリン酸プロドラッグである)を得る。ある場合には、化合物Oを、塩基を使用して脱プロトン化し、次に化合物Pと接触させる。
検出可能な標的タンパク質
本明細書に記載される化合物は、神経疾患または障害を検出または処置するのに有用であり得る。これに関して、本明細書に記載される化合物は、プロドラッグであり得る。
神経変性疾患および傷害関連障害を含む多くの神経疾患は、本明細書に記載される化合物および方法によって検出され得る。神経疾患または障害は、検出可能なタンパク質として本明細書に記載される、ある特定のペプチド、タンパク質、またはタンパク質の蓄積塊によって特徴付けることができる。検出可能なタンパク質またはその蓄積塊は、例えば、アミロイドベータタンパク質またはリン酸化タウタンパク質を含み得る。アミロイドベータタンパク質またはリン酸化タウタンパク質は、本明細書に記載される化合物と接触させることによって検出され得る。一般に、本明細書に記載される化合物および方法は、患者の組織または試料におけるアミロイドベータタンパク質もしくはリン酸化タウタンパク質、またはその蓄積塊の検出に有用である。アミロイドベータタンパク質またはリン酸化タウタンパク質のそのような存在は、アミロイドベータタンパク質またはリン酸化タウタンパク質に結合し、次にその結合を検出することができる化合物を用いて検出することができる。
アミロイドベータタンパク質(Aβ)は、約40個のアミノ酸残基、例えば、約36~43個、約39~43個、または約40~42個のアミノ酸残基を一般に含有するポリペプチドである。アイソフォームは、Aβ(1-40)およびAβ(1-42)を含む。一部の実施形態では、Aβは、Aβ(1-42)である。Aβは、第21ヒト染色体上の遺伝子によってコードされる、より大きい前駆体タンパク質であるベータアミロイド前駆体タンパク質(APP)の酵素的切断によって生成されると考えられる。APPアイソフォームには、NP_000475.1、NP_001129488.1、NP_001129601.1、NP_001129602.1、NP_001129603.1、NP_001191230.1、NP_001191231.1、NP_001191232.1、NP_958816.1、およびNP_958817.1が含まれる。Aβは、APPに対するβおよびγセクレターゼ酵素の作用によって生じると考えられる。Aβは、アルツハイマー病を有する個体の脳内への沈着、例えば斑に見出された。Aβは、神経疾患の病変形成に関与すると考えられる。Aβはまた、神経細胞に対して毒性であると考えられる。
本開示の化合物によって検出されるタンパク質には、アミロイドベータペプチド(Aβ)、プリオンペプチド(PrP)、アルファ-シヌクレイン、IAPP(アミリン)、ハンチンチン、カルシトニン(ACal)、心房性ナトリウム利尿因子(AANF)、アポリポタンパク質A1(ApoA1)、血清アミロイドA(SAA)、メジン(AMed)、プロラクチン(APro)、トランスサイレチン(ATTR)、リゾチーム(ALys)、ベータ2ミクログロブリン(Aβ2M)、ゲルゾリン(AGel)、ケラトエピテリン(Aker)、シスタチン(ACys)、免疫グロブリン軽鎖AL(AL)、S-IBMまたはスーパーオキシドジスムターゼが含まれる。一部の実施形態では、検出されるアミロイドペプチドは、Aβペプチド、プリオンペプチド、アルファ-シヌクレイン、またはスーパーオキシドジスムターゼである。
「微小管関連タンパク質タウ」、「MAPT」、「タウタンパク質」または「タウ」は、集合および分解中の微小管を安定にするタンパク質ファミリーであり、微小管関連タンパク質(MAP)として分類される。タウアイソフォーム配列には、NP_001116538.2、NP_001116539.1、NP_001190180.1、NP_001190181.1、NP_005901.2、NP_058518.1、NP_058519.3、およびNP_058525.1が含まれる。タウタンパク質は、微小管の安定化および集合において重要であり、ひいてはカーゴのニューロン内輸送に影響を与える。タウはまた、脳の発達中の神経突起伸長および安定化のために微小管から突出する酸性N末端を介してアクチンと相互作用することによって、シグナル伝達経路に関与することができる。本明細書で提供されるタウタンパク質は、任意のアイソフォーム、またはアイソフォームの任意の組合せを含み得る。MAPT転写物は、ニューロンの成熟段階およびニューロンのタイプに応じて、神経系に差別的に発現する。MAPT遺伝子突然変異は、いくつかの神経障害、例えば、アルツハイマー病、ピック病、前頭側頭認知症、大脳皮質基底核変性症および進行性核上性麻痺と関連付けられている。タウタンパク質は、翻訳後修飾を含んでいても含んでいなくてもよい。タウタンパク質ファミリーは、すべてのメンバーによって共有されているN末端セグメント、そのN末端セグメントに挿入された約50個のアミノ酸の配列(脳内で発生的に調節される)、31~32個のアミノ酸の3つまたは4つのタンデムリピートからなる特徴的なタンデムリピート領域、およびC末端尾部によって特徴付けられる。
ヒトタウ遺伝子は、第17染色体長腕上の17q21位に位置している。その遺伝子は、プロモーターの一部としてエクソン21を含む16のエクソンを含有すると考えられる。タウ一次転写物は、13のエクソンを含有しており、エクソン4A、6および8は、ヒトでは転写されない。エクソン21および14は、転写されるが翻訳されない。エクソン1、4、5、7、9、11、12、13は構成的であり、エクソン2、3、および10は選択的にスプライスされ、6つの異なるmRNAを生じ、それらが6つの異なるタウアイソフォームに翻訳される。これらのアイソフォームは、アミノ末端部分のエクソン2および3によってコードされた1つまたは2つの29個のアミノ酸リピートが存在しないことまたは存在すること(0N、1N、または2N)と、カルボキシ末端部分の3つの微小管結合リピート(R1、R3およびR4)または4つの(R1~R4)リピート領域のいずれかとの組合せによって異なる。第4の微小管結合ドメインは、エクソン10によってコードされる。ヒト脳組織には、(2+3+10+)アイソフォーム(441個のアミノ酸を有する)、(2+3+10-)アイソフォーム(410個のアミノ酸を有する)、(2+3-10+)アイソフォーム(412個のアミノ酸を有する)、(2+3-10-)アイソフォーム(381個のアミノ酸を有する)、(2-3-10+)アイソフォーム(383個のアミノ酸を有する)、および(2-3-10-)アイソフォーム(352個のアミノ酸を有する)の6種類のタウタンパク質アイソフォームが存在することが公知である。タウは、変異体タウであってもよい。突然変異は、FTDP-17突然変異であってもよい。突然変異の例として、G272V、N279K、N296、P201L、P301S、G303V、S305N、L315R、S320F、P332L、V337M、E342V、S352L、K369I、G389R、R5H、R5L、K257T、I260V、L266V、G272V、delK280、N296H、N296N、delN296、P301L、P301S、K317M、G335V、Q336R、R406WおよびR427Mが挙げられる。
「リン酸化タウタンパク質」または「リン酸化タウ」は、少なくとも1つのアミノ酸残基がリン酸基によって修飾されているタウタンパク質である。タウは、リン酸化と適合性のある85個ものアミノ酸残基を含むと考えられる。一般に、リン酸基は、翻訳後修飾であり、アミノ酸残基の側鎖において結合することができる。リン酸化アミノ酸残基は、例えば、セリン(S)、スレオニン(T)もしくはチロシン(Y)残基、またはそれらの組合せであり得る。リン酸化タウタンパク質は、タンパク質1モル当たり1モル、2モル、3モル、4モル、5モル、6モル、7モル、8モル、9モル、10モル、11モル、12モル、13モル、14モル、15モル、16モル、17モル、18モル、19モル、20モル、少なくとも20モル、少なくとも25モル、少なくとも30モル、少なくとも40モル、または少なくとも50モルのリン酸を含み得る。リン酸化タウタンパク質は、タンパク質1モル当たり少なくとも3モルのリン酸を含み得る。リン酸化タウタンパク質は、Thr39、Ser46Pro、Thr50Pro、Thr69Pro、Thr153Pro、Thr175Pro、Thr181Pro、Ser198、Ser199、Ser202Pro、Thr205Pro、Ser208、Ser210、Thr212Pro、Ser214、Thr217Pro、Thr231Pro、Ser235Pro、Ser237、Ser241、Ser262、Ser285、Ser305、Ser324、Ser352、Ser356、Ser396Pro、Ser400、Thr403、Ser404Pro、Ser409、Ser412、Ser413、Ser416、およびSer422Proから選択される1つまたは複数のリン酸化アミノ酸残基を含み得る。リン酸化タウタンパク質は、リン酸化Ser422を含み得る。本明細書で提供されるリン酸化タウタンパク質は、凝集していても凝集していなくてもよい。本明細書で提供されるリン酸化タウタンパク質は、可溶性であり得る。タウタンパク質またはリン酸化タウタンパク質は、3リピートタウ、4リピートタウ、またはそれらの組合せであり得る。一部の実施形態では、タウタンパク質またはリン酸化タウタンパク質は、4リピートタウがより優位である、3リピートタウおよび4リピートタウの混合物を含み得る。一部の実施形態では、タウタンパク質またはリン酸化タウタンパク質は、3リピートタウがより優位である、3リピートタウおよび4リピートタウの混合物を含み得る。リン酸化タウタンパク質は、例えば神経原線維変化(NFT)として線維状であり得る。NFTは、ニューロンの細胞体樹状突起区画に見出すことができる。
「接触させること」は、その通常の単純な意味に従って使用され、少なくとも2つの別個の種(例えば、生体分子を含む化学化合物、または細胞)を、それらが相互作用するのに十分に近接するようにするプロセスを指す。「接触させること」という用語は、2つの分子種を反応させるまたは物理的に触れるようにすることを含むことができ、ここで2つの種は、例えば、本明細書に記載される化合物、生体分子、タンパク質または酵素であり得る。一部の実施形態では、接触させることは、本明細書に記載される化合物を、タンパク質(例えば、Aβタンパク質またはリン酸化タウタンパク質)または酵素と相互作用させることを含む。
したがって、本開示の一部の実施形態に従って、患者が神経疾患または障害を有しているかどうかを決定するための方法が提供される。その方法は、患者の組織または試料を本明細書に記載される化合物と接触させることによって、患者の組織または試料におけるアミロイドベータタンパク質もしくはリン酸化タウタンパク質、またはその蓄積塊の存在を検出することを必然的に伴う。接触させることは、in vivoまたはex vivoで行われ得る。接触させることは、化合物を患者に投与すること、例えば、局所投与または静脈内投与することによって行われ得る。
別の実施形態では、神経疾患または障害の診断のために患者を準備するための方法であって、本明細書に記載される化合物を患者に投与し、アミロイドベータタンパク質もしくはリン酸化タウタンパク質、またはその蓄積塊に結合させるステップを含む方法が提供される。化合物は静脈内投与され得る。化合物が患者に投与されると、アミロイドベータタンパク質もしくはリン酸化タウタンパク質、またはその蓄積塊へのその結合および/または親化合物の結合は、本明細書に記載される方法を含む任意の方法を用いて検出され得る。一部の実施形態では、結合は、患者が神経疾患または障害を有する可能性を示す。
神経疾患および障害ならびにその処置
一部の実施形態では、本開示は、患者における神経疾患または障害の存在または非存在を決定する方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、有効量の本明細書に記載される化合物またはその医薬組成物を患者に投与するステップを含む。化合物は、式Iの化合物であり得る。一部の実施形態では、患者が神経疾患または障害を有しているかどうかを決定するための方法であって、本明細書に記載される化合物または本明細書に記載される医薬組成物を患者に投与するステップを含む方法が提供される。方法の一部の実施形態では、化合物は、静脈内投与される。方法の一部の実施形態では、化合物は、患者の目に投与される。一部の実施形態では、神経疾患または障害は、タンパク質凝集またはタンパク質のミスフォールディングによって特徴付けられる疾患または障害である。
また本明細書では、患者が神経疾患または障害を有しているかどうかを決定するための方法であって、患者の組織または試料におけるアミロイドベータタンパク質もしくはリン酸化タウタンパク質、またはその蓄積塊の存在を検出するステップを含み、検出するステップが、組織または試料を本明細書に記載される化合物と接触させることを含む方法が提供される。化合物は、式Iの化合物であり得る。接触させることは、in vivoで行われ得る。組織は目の組織であり得る。試料は尿試料であり得る。
一部の実施形態では、神経疾患または障害は、加齢性疾患または障害、遺伝性疾患または障害、傷害関連疾患または障害、および精神疾患または障害から選択される。一部の実施形態では、加齢性疾患または障害は、パーキンソン病、血管性認知症、および筋萎縮性側索硬化症から選択され、遺伝性疾患または障害は、ダウン症候群であり、傷害関連疾患または障害は、外傷性脳傷害および慢性外傷性脳症から選択され、精神疾患または障害は、統合失調症およびうつ病から選択される。神経疾患または障害は、タウオパチーであり得る。一部の実施形態では、神経疾患または障害は、アルツハイマー病または外傷性脳傷害(TBI)である。
神経疾患または障害は、タウオパチーであり得る。タウオパチーは、ヒト脳内の神経原線維またはグリア線維(gliofibrillary)のもつれにおけるタウタンパク質の病理学的凝集と関連する、あるクラスの神経疾患である。もつれは、タウの過剰リン酸化によって形成され、タウタンパク質を微小管から解離させ、不溶性形態の凝集物を形成させ得る。過剰リン酸化されたタウタンパク質の凝集は、二重らせん状フィラメントと呼ばれることもある。もつれ形成の正確な機序は、完全には理解されておらず、もつれが疾患における一次原因因子であるか、またはより周辺的な役割を果たしているかについては、依然として議論の的になっている。タウオパチーは、多くの神経障害、例えば外傷後変性、感染、代謝性疾患、および運動ニューロン変性に見出されている。タウタンパク質の空間分布、時間的出現、および構造的変化は、様々な神経疾患の間で異なって現れる。AD患者は、過剰リン酸化され一つになってねじれた非周期的なタウフィラメントを有しており、一方、進行性核上性(supernuclear)麻痺および前頭側頭認知症(FTD)を有している患者は、真っすぐなタウフィラメントのみを有する傾向がある。タウオパチーは、多くの場合、おそらくはシヌクレインとタウタンパク質との相互作用に起因してシヌクレイン病と重複している。非アルツハイマー型タウオパチーは、前頭側頭認知症または前頭側頭葉変性症とのそれらの関連に起因して、時として「複合型ピック病(Pick's complex)」として一緒にまとめられる。タウ過剰リン酸化のマーカーは、タウpS422である。慢性外傷性脳症(CTE)は、反復性の軽度外傷性脳傷害(mTBI)と関連しており、例えば神経原線維変化(NFT)としてのタウの過剰リン酸化および凝集を含めて、タウオパチーと多くの類似性がある。
神経疾患または障害は、神経変性疾患または障害であり得る。一部の実施形態では、神経疾患または障害は、アルツハイマー病(AD)である。ADは、二次性タウオパチーとして分類することができる。アルツハイマー病は、疾患の初期段階における記憶喪失の症状によって特徴付けられる。神経原線維変化は、ADの初期記述語であった。タウが過剰リン酸化されると、このタンパク質が軸索の微小管から解離する。次に、タウはミスフォールディングされ、凝集し始めることがあり、それによって神経原線維変化(NFT)が形成され得る。タウが解離すると、微小管も不安定化し、神経原線維変化と、不安定化した微小管の組合せにより、軸索輸送および神経伝達等のプロセスが破壊される。ADへのNFTの関与の度合いは、Braakステージによって定義される。BraakステージIおよびIIは、NFTの関与が主に脳の移行嗅内野に限局される場合に使用され、ステージIIIおよびIVは、辺縁域、例えば海馬に関与する場合に使用され、ステージVおよびVIは、広範な新皮質への関与が示される場合に使用される。ADはまた、老人斑が存在するため、アミロイドーシスとして分類される。加えて、ある特定のApoε4キャリアは、ADを発症するリスクがより高い。APOε4は、Aεを排除するのに他のアイソフォームよりも効率が低いと考えられ、したがって、より多いアミロイド負荷量、タウリン酸化、シナプス毒性、およびシナプス密度の低下と相関し得る。外傷性脳傷害(TBI)の経験があるということは、ADを発症する別のリスク因子であり、研究では、TBIを経験している人は、ADのリスクが著しく上昇することが示されている。
ADが進行するにつれて、症状には、錯乱、長期間の記憶喪失、不全失語症、語彙喪失、侵襲、易刺激性および/または気分変動が含まれてくる。この疾患のさらに進行したステージでは、身体機能が失われる。アルツハイマー病(AD)を有する患者では、多くの特徴的なニューロパチー、例えば酸化ストレスの増大、ミトコンドリア機能障害、シナプス機能不全、カルシウムホメオスタシスの破壊、老人斑および神経原線維変化の沈着、ならびに脳の委縮が実証されている。AD関連障害には、AD型老人性認知症(SDAT)、前頭側頭認知症(FTD)、血管性認知症、軽度認知障害(MCI)および加齢に伴う記憶障害(AAMI)が含まれる。一部の実施形態では、患者がアルツハイマー病を有しているかどうかを決定することは、患者の組織または試料におけるリン酸化タウタンパク質の存在を検出することを含み、検出することは、リン酸化タウタンパク質を本明細書に記載される化合物と接触させることを含む。
一部の実施形態では、神経疾患または障害疾患は、前頭側頭葉変性症(FTLD)(例えば、FTLD-タウ、FTLD-TDP、またはFTLD-FUS)である。一部の実施形態では、神経疾患または障害は、前頭側頭葉型認知症である。一部の実施形態では、神経疾患または障害は、記憶喪失を含む。一部の実施形態では、神経疾患または障害は、加齢性記憶喪失である。一部の実施形態では、神経疾患または障害は、FTLD-TDPタイプAである。一部の実施形態では、神経疾患または障害は、FTLD-TDPタイプBである。一部の実施形態では、神経疾患または障害は、FTLD-TDPタイプCである。一部の実施形態では、神経疾患または障害は、FTLD-TDPタイプDである。
一部の実施形態では、神経疾患または障害は、パーキンソン病である。一部の実施形態では、神経疾患または障害は、パーキンソン認知症である。一部の実施形態では、神経疾患または障害は、アミロイド斑の蓄積塊に関する(例えばそれによって特徴付けられる)。一部の実施形態では、神経疾患または障害を有している患者は、神経疾患または障害の開始前、その間、またはその後、外傷性脳傷害に罹患していた。一部の実施形態では、神経疾患または障害は、ニューロン機能障害を含む。ニューロン機能障害には、ニューロンの萎縮またはニューロンの有効な機能の他の低下が含まれ得る。例えば、アルツハイマー病は、特に皮質ニューロン、例えば海馬ニューロンおよび海馬に近接しているニューロンにおいてニューロン機能障害を示すことが公知である。
一部の実施形態では、神経疾患または障害は、外傷性軸索傷害(TAI)、外傷性脳障害(TBD)、認知症(例えば、全般性認知症)、第17染色体に連鎖するパーキンソニズムを伴う前頭側頭認知症(FTDP-17)、原発性加齢性タウオパチー(PART)、神経原線維変化が優位な老人性認知症、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症、リティコ・ボディグ病(グアム島のパーキンソン認知症複合)、神経節膠腫、神経節細胞腫、髄膜血管腫症、脳炎後パーキンソニズム、亜急性硬化性全脳炎、鉛脳症、結節性硬化症、パントテン酸キナーゼ関連神経変性、リポフスチン沈着症、ピック病、大脳皮質基底核変性症、嗜銀顆粒性疾患(AGD)、または大脳皮質基底核変性症である。
神経疾患または障害は、傷害関連状態、例えば外傷性脳傷害(TBI)または慢性外傷性脳症(CTE)であり得る。TBIは、外力、例えば、衝突、打撃、衝撃、急速な加速もしくは減速、または飛翔体の貫通によって引き起こされた脳への損傷から生じる慢性疾患である。TBIをもたらす傷害は、意識状態の低下または変化をもたらし、その結果、認知、感覚運動、および心理社会的機能に一時的または永久的な機能障害を生じ得る。CTEは、TBI症状をもたらさなかった頭部への打撃を含む反復性脳外傷に罹患していたヒトに見出される進行性変性疾患である。CTEの身体的態様には、脳の縮小、前頭葉および側頭葉の萎縮、脳室の拡大、海馬、視床、脳幹および小脳の委縮が含まれる。CTEを有する個体は、認知症、記憶喪失、侵襲、錯乱、うつ病および自殺念慮の症状を有することがあり、それらは傷害の数年後に生じ得る。
神経疾患または障害は、目の神経疾患または障害、例えば、緑内障、高眼圧症、黄斑変性症、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性症(AMD)または網膜色素変性症であり得る。
神経疾患または障害のさらなる例として、アレキサンダー病、アルパース病、うつ病、周産期仮死、パーキンソン認知症(「PD認知症」)、筋萎縮性側索硬化症、毛細血管拡張性運動失調症、バッテン病(シュピールマイアー・フォークト・シェーグレン・バッテン(Spielmeyer-Vogt-Sjogren-Batten)病としても公知)、海綿状脳症(例えば、ウシ海綿状脳症(狂牛病)、クールー病、クロイツフェルト・ヤコブ病、致死性家族性不眠症、カナバン病、コケイン症候群、大脳皮質基底核変性症、脆弱X症候群、前頭側頭認知症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群、ハンチントン病、HIV関連認知症、ケネディ病、クラッベ病、レビー小体認知症、マシャド・ジョセフ病(脊髄小脳失調症3型)、多発性硬化症、多系統萎縮症、ナルコレプシー、神経ボレリア症、ペリツェウス・メルツバッハ病、原発性側索硬化症、プリオン病、レフサム病、サンドホフ病、シルダー病、悪性貧血に続発する脊髄の亜急性連合性脊髄変性症、統合失調症、脊髄小脳失調症(様々な特徴を有する複合型)、脊髄性筋萎縮症、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー病、脊髄ろう、薬物誘発性パーキンソニズム、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、多系統萎縮症、特発性パーキンソン病、常染色体優性パーキンソン病家族性タイプ1(PARK1)、パーキンソン病3、常染色体優性レビー小体(PARK3)、パーキンソン病4、常染色体優性レビー小体(PARK4)、パーキンソン病5(PARK5)、パーキンソン病6、常染色体劣性早期発症型(PARK6)、パーキンソン病2、常染色体劣性若年性(PARK2)、パーキンソン病7、常染色体劣性早期発症型(PARK7)、パーキンソン病8(PARK8)、パーキンソン病9(PARK9)、パーキンソン病10(PARK10)、パーキンソン病11(PARK11)、パーキンソン病12(PARK12)、パーキンソン病13(PARK13)、およびミトコンドリアパーキンソン病が挙げられる。
患者の神経疾患または障害が決定されると、ある特定の手順を提供して、神経疾患もしくは障害を処置するもしくはその症状を回復させるか、またはその進行を緩徐もしくは停止させることができる。神経疾患または障害が診断されると、本明細書に記載される方法によって疾患または障害の進行をモニタリングすることもできる。診断が成されると、処置に当たる医師は、本明細書に記載されるものを含む、実務者に公知のさらなる処置を示唆することもできる。
「処置」または「処置すること」は、臨床結果を含む有益なまたは所望の結果を得るための手法である。有益なまたは所望の臨床結果は、以下の1つまたは複数を含み得る。a)疾患または状態を阻害すること(例えば、疾患もしくは状態から生じる1つもしくは複数の症状を低減すること、および/または疾患もしくは状態の程度を減少させること)、b)疾患または状態と関連する1つまたは複数の臨床症状を回復させる、緩徐する、またはその発症を停止させること(例えば、疾患もしくは状態を安定化すること、疾患もしくは状態の悪化もしくは進行を予防もしくは遅延させること、および/または疾患もしくは状態の拡大(例えば、転移)を予防もしくは遅延させること)、ならびに/あるいはc)疾患を軽減すること、すなわち臨床症状の退行を引き起こすこと(例えば、病状を回復させること、疾患もしくは状態の部分的もしくは完全な寛解をもたらすこと、別の薬物療法の効果を増強すること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を高めること、および/または生存期間を延長すること。
「予防」または「予防すること」は、疾患または状態の臨床症状が発症しないようにする、疾患または状態の任意の処置を意味する。化合物は、一部の実施形態では、疾患または状態のリスクまたは家族歴がある患者(ヒトを含む)に投与され得る。
「患者」は、診断、処置、観察または実験を受けたか、またはその対象となる動物、例えば哺乳動物(ヒトを含む)を指す。本明細書に記載される方法は、ヒトおよび/または獣医学的適用において有用であり得る。一部の実施形態では、患者は哺乳動物である。一実施形態では、患者はヒトである。
本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、立体異性体の混合物、プロドラッグもしくは重水素化アナログの「有効量」という用語は、患者もしくは患者の試料に投与された場合、アミロイドベータタンパク質もしくはリン酸化タウタンパク質、またはその蓄積塊を検出する、あるいは治療利益、例えば症状の回復または疾患進行の緩徐をもたらすのに十分な量を意味する。例えば、有効量は、神経疾患または障害の疾患または状態の症状を低減するのに十分な量であり得る。有効量は、患者、ならびに処置される疾患または状態、患者の体重および年齢、疾患または状態の重症度、ならびに投与方式に応じて変わり得、それらは、当業者によって容易に決定され得る。
本明細書に記載される方法は、細胞集団にin vivoまたはex vivoで適用され得る。「in vivo」は、動物またはヒトの体内のような生存個体の体内を意味する。この文脈では、本明細書に記載される方法は、個体に使用され得る。「ex vivo」は、生存個体の対外を意味する。ex vivo細胞集団の例として、個体から得られた体液または組織試料を含む、in vitro細胞培養物および生体試料が挙げられる。そのような試料は、当技術分野で周知の方法によって得ることができる。例示的な生物学的体液試料として、血液、脳脊髄液、尿、および唾液が挙げられる。この文脈では、本明細書に記載される化合物および組成物は、治療目的および実験目的を含む様々な目的のために使用することができる。例えば、本明細書に記載される化合物および組成物をex vivoで使用して、所与の適応症、細胞型、個体、および他のパラメーターに最適な本開示の化合物の投与量を決定することができる。そのような使用から集められた情報は、実験目的のために、または診療所においてin vivo使用のためのプロトコールを設定するために使用することができる。本明細書に記載される化合物および組成物が適し得る他のex vivo使用は、以下に記載されており、または当業者に明らかである。選択された化合物は、ヒトまたは非ヒト患者の安全性または耐性投与量を調査するために、さらに特徴付けることができる。そのような特性は、当業者に一般に公知の方法を使用して調査され得る。
標的タンパク質の検出
本明細書では、患者の神経疾患または障害を診断するための方法であって、本明細書に記載される化合物を患者の組織に投与するステップを含む方法が提供される。化合物は、式Iの化合物であり得る。方法は、検出可能な標的タンパク質、例えば、アミロイドベータタンパク質もしくはリン酸化タウタンパク質、またはその蓄積塊への化合物の結合および/または親化合物の結合を検出するステップを含み得る。投与は静脈内投与であり得る。方法は、検出可能な標的タンパク質への化合物の結合を検出するステップを含み得る。一部の実施形態では、方法は、光によって活性化し、検出可能なシグナルを放出させるステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法は、そのシグナルを対照値と比較するステップを含み、ここで対照値と比較したシグナルの増大は、検出可能な標的タンパク質の存在を示し、対照値は、検出可能な標的タンパク質が存在しない状態のシグナルである。方法の一部の実施形態では、検出可能なシグナルは、蛍光または赤外シグナルである。一部の実施形態では、光はレーザーである。
一部の実施形態では、本開示は、検出可能な標的タンパク質、例えば、アミロイドベータタンパク質もしくはリン酸化タウタンパク質、またはその蓄積塊を検出する方法を提供する。方法は、本明細書に記載される化合物を、検出可能な標的タンパク質、例えば、アミロイドベータタンパク質もしくはリン酸化タウタンパク質、またはその蓄積塊を含む潜在的可能性がある組織または試料と接触させるステップを含み、ここで化合物は、検出可能な標的タンパク質と結合する。一部の実施形態では、本明細書では、検出可能な標的タンパク質との本明細書に記載される化合物またはその親化合物の結合の存在または非存在を検出する方法であって、本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩を患者に投与するステップを含む方法が提供される。一部の実施形態では、本明細書では、検出可能な標的タンパク質の存在によって特徴付けられる疾患または状態を有する患者の、処置に対する応答をモニタリングするための方法であって、処置後に、有効量の本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩を、検出可能な標的タンパク質に結合させ、結合に応答して生じたシグナルを検出するステップを含み、ここで処置前と比較したシグナルの減少が、患者が処置に対して応答することを示す、方法が提供される。一部の実施形態では、検出可能な標的タンパク質は、アミロイドまたはアミロイド様タンパク質、例えば、Aβペプチド、プリオンペプチド、アルファ-シヌクレイン、またはスーパーオキシドジスムターゼである。一部の実施形態では、アミロイドまたはアミロイド様タンパク質は、ベータアミロイド(1-42)(Aβ(1-42))である。一部の実施形態では、検出可能な標的タンパク質は、リン酸化タウタンパク質である。一部の実施形態では、リン酸化タウタンパク質は、3リピートタウまたは4リピートタウである。
一部の実施形態では、検出は、化合物と検出可能な標的タンパク質の接触または化合物の投与の約1秒、約5秒、約1分、約10分、約30分または約60分以内に実施される。一部の実施形態では、検出は、化合物の接触または化合物の投与の約1~5分以内に実施される。
検出可能な標的タンパク質、例えばアミロイドベータタンパク質もしくはリン酸化タウタンパク質、またはその蓄積塊と本明細書に記載される化合物の結合のin situ検出は、好ましくはハンドヘルドまたは携帯型の画像化デバイスを用いて促進することができる。画像化デバイスは、レンズおよび画像センサー、ならびに必要に応じてレーザー光源を含むことができる。光源が、組織、例えば網膜にレーザー光を放出するときに、検出可能な標的タンパク質がそこに蓄積しており、本明細書に記載される化合物に結合している場合、標的タンパク質は、蛍光シグナルを収集し感知するレンズおよび画像センサーによって容易に検出し、定量化することができる。画像化デバイスは、光を検出することができる任意のデバイス、例えばカメラであり得る。画像化デバイスは、共焦点レンズを含み得る。画像化デバイスは、網膜画像化デバイスであり得る。画像化デバイスは、眼底カメラを含み得る。検出は、共焦点レーザー走査顕微鏡を含み得る。検出は、非散瞳性であり得る。網膜画像処理技術の概要については、例えば、M. D. Abramoff et al, Retinal Imaging and Image Analysis (2010), IEEE Rev Biomed Eng. 3:169-208を参照されたい。
アミロイドベータタンパク質またはリン酸化タウタンパク質は、患者の目に蓄積し得る。一部の実施形態では、接触により、光により活性化されると、検出可能なシグナルの放出が引き起こされる。シグナルは、蛍光または赤外シグナルであり得る。
本明細書では、患者の神経疾患または障害を処置するための方法であって、本明細書に記載される化合物を患者に投与するステップを含む方法が提供される。化合物は、式Iの化合物であり得る。
投与および医薬組成物
また、患者に投与するための本明細書に記載される化合物の医薬組成物が提供される。化合物は、式Iの化合物であり得る。化合物は、単一用量または複数用量のいずれかで投与され得る。化合物は、例えば、直腸、口腔内頬側、鼻腔内および経皮経路を含む様々な方法によって投与され得る。ある特定の実施形態では、化合物は、動脈内注射、静脈内、腹腔内、非経口、筋肉内、皮下、経口、局所によって、または吸入剤として投与され得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、静脈内投与される。静脈内投与は、ボーラス投与または連続的注射であってもよい。さらなる注射方法には、動脈内、心臓内、髄腔内、骨内、関節内、滑液嚢内、皮内、皮下、筋肉内および真皮内、頭蓋内、病巣内、ならびに腫瘍内が含まれる。
一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、目に投与される。一部の実施形態では、化合物は、目に局所投与される。一部の実施形態では、投与は、例えば注射による非経口である。一部の実施形態では、投与は経口である。
化合物は、広範な投与量範囲にわたって有効であり得る。一部の実施形態では、用量は、1日当たり0.01~1000mg、0.5~100mg、1~50mg、または5~40mgである。例示的な投与量として、10mg、20mg、30mg、50mg、75mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、および1000mgが挙げられる。一部の実施形態では、化合物の有効量は、約50~500mgに対応する。有効量は、個々の患者の間で変わり得る。正確な投与量は、投与経路、化合物が投与される形態、処置される患者、処置される患者の体重または表面積、ならびに担当医の優先および経験に応じて決まる。
一部の実施形態では、化合物の有効量は、1用量当たり約0.01~1000mgである。一部の実施形態では、化合物の有効量は、1用量当たり50~500mgである。一部の実施形態では、有効量は、1用量当たり約0.01~100mg、0.01~200mg、0.01~300mg、0.01~400mg、0.01~500mg、0.01~600mg、0.01~700mg、0.01~800mg、0.01~900mg、0.01~1000mg、0.1~100mg、0.1~200mg、0.1~300mg、0.1~400、0.1~500mg、0.1~600mg、0.1~700mg、0.1~800mg、0.1~900mg、0.1~1000mg、1~100mg、1~200mg、1~300mg、1~400mg、1~500mg、1~600mg、1~700mg、1~800mg、1~900mg、100~200mg、100~300mg、100~400mg、100~500mg、100~600mg、100~700mg、100~800mg、100~900mg、100~1000mg、200~300mg、200~400mg、200~500mg、200~600mg、200~700mg、200~800mg、200~900mg、200~1000mg、300~400mg、300~500mg、300~600mg、300~700mg、300~800mg、300~900mg、300~1000mg、400~500mg、400~600mg、400~700mg、400~800mg、400~900mg、400~1000mg、500~600mg、500~700mg、500~800mg、500~900mg、500~1000mg、600~700mg、600~800mg、600~900mg、600~1000mg、700~800mg、700~900mg、700~1000mg、800~900mg、800~1000mgまたは約900~1000mgである。一部の実施形態では、有効量は、1用量当たり約50~100mg、50~400mg、50~500mg、100~200mg、100~300mg、100~400mg、100~500mg、200~300mg、200~400mg、200~500mg、300~400mg、300~500mg、または400~500mgである。
一部の実施形態では、化合物は、単一用量で投与される。一部の実施形態では、化合物は、複数用量で投与される。
一部の実施形態では、化合物は、例えば静脈内投与のための液体担体を含む医薬組成物で投与される。一部の実施形態では、医薬組成物の体積は、約10μL~約1000mLである。例えば、体積は、約10μL、50μL、100μL、300μL、500μL、1mL、10mL、50mL、100mL、200mL、300mL、400mL、500mL、600mL、700mL、800mL、900mL、または1000mLであり得る。
一部の実施形態では、化合物は、液滴として投与される。一部の実施形態では、投与される液滴のサイズは、約10~100μL、約20~50μL、または約50~80μLの範囲である。一部の実施形態では、液滴は、1回の投与当たり数滴、例えば1回当たり1~3滴、1回当たり3~10滴、または1投与当たり7~10滴で投与される。一例では、本開示の製剤は、1回当たり約1滴および1日当たり1~6回投与される。
一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、医薬組成物に製剤化される。一部の実施形態では、医薬組成物は、薬学的に使用することができる調製物への活性化合物の処理を促進する賦形剤および助剤を含む1種または複数種の生理的に許容される担体を使用して、従来の方式で製剤化される。適切な製剤は、選択される投与経路に依存して決まる。本明細書で記載される医薬組成物を製剤化するのに好適なものとして、薬学的に許容される任意の技術、担体、および賦形剤が使用される。Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed (Easton, Pa.: Mack Publishing Company, 1995)、Hoover, John E., Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1975、Liberman, H.A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y., 1980、およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Seventh Ed. (Lippincott Williams & Wilkins 1999)。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が提供される。
本明細書では、本明細書に記載される化合物、および薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体を含む医薬組成物が提供される。化合物は、本明細書に記載される式Iの化合物であり得る。一部の実施形態では、化合物は、併用療法におけるように、1つまたは複数の化合物が他の活性成分と混合されている医薬組成物として投与される。一部の実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される1つまたは複数の化合物を含む。
医薬組成物は、本明細書で使用される場合、本明細書に記載される化合物と他の化学的構成成分、例えば担体、安定剤、希釈剤、分散化剤、懸濁化剤、増粘剤、および/または賦形剤との混合物を指す。医薬組成物は、患者への化合物の投与を促進することができる。一部の実施形態では、本明細書で提供される処置または使用の方法を実施するために、有効量の本明細書に記載される1つまたは複数の化合物は、検出、診断または処理される疾患または状態を有している患者に医薬組成物で投与される。一部の実施形態では、患者はヒトである。有効量は、疾患の重症度、患者の年齢および相対的な健康状態、使用される化合物の効力、ならびに他の因子に応じて変わり得る。本明細書に記載される化合物は、単独で、または混合物の構成成分としての1種もしくは複数種の診断剤もしくは治療剤と組み合わせて使用される。
注射による投与について、本明細書に記載される化合物は、薬学的に許容される液体ビヒクルに分散させることができる。薬学的に許容される液体ビヒクルは、当技術分野で公知の任意の水性または非水性ビヒクルであり得る。水性ビヒクルの例として、生理食塩水溶液、糖、例えばブドウ糖またはマンニトールの溶液、および薬学的に許容される緩衝化溶液が挙げられる。一部の実施形態では、水性ビヒクルは、生理的に適合性のある緩衝剤、例えば、ハンクス溶液、リンゲル溶液、水性酢酸緩衝剤、水性クエン酸緩衝剤、水性炭酸緩衝剤、水性リン酸緩衝剤、水性コハク酸緩衝剤、水性乳酸緩衝剤、または生理食塩水緩衝剤等である。非水性ビヒクルの例として、固定植物油、グリセリン、ポリエチレングリコール、アルコール、およびオレイン酸エチルが挙げられる。ビヒクルには、抗菌防腐剤、抗酸化剤、等張化剤、緩衝剤、安定剤、界面活性剤、および他の構成成分がさらに含まれ得る。医薬組成物は、シクロデキストリン、例えば、スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンまたはヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリンを含み得る。
本明細書に記載される化合物の医薬組成物は、例えば注射による非経口投与のためのものであり得る。注射による投与のための化合物は、例えば、注射用媒体中の水性または油性懸濁液またはエマルションとして調製され得る。注射用媒体は、ヒマシ油(トウゴマ油)、ヒマシ油(エトキシ化(ethyoxylated))、ゴマ油、大豆油、トウモロコシ油、綿実油またはピーナッツ油、およびエリキシル、マンニトール、ブドウ糖、ベンジルアルコール、PEG 400、エチレングリコール、ポリソルベート20、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、10%水性ポロキサマー188、グリセロール、10%水性ポロキサマー407またはポロキサマー124を含み得る。
一部の実施形態では、医薬製剤は、1種または複数種の界面活性剤を含む。界面活性剤は、疎水性または両親媒性(すなわち、親水性と疎水性との両方の構成成分または領域を含む)である材料である。界面活性剤を使用して、粒子の表面特性を修正し、粒子が分散、乳化または懸濁するやり方を変えることができる。一部の実施形態では、界面活性剤は脂質を含む。使用され得る脂質には、以下のクラスの脂質、脂肪酸および誘導体、モノ-、ジ-およびトリグリセリド、リン脂質、スフィンゴ脂質、コレステロールおよびステロイド誘導体、テルペン、プロスタグランジン、ならびにビタミンが含まれる。脂肪酸の例として、ラウリン酸、抹香(physeteric)酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、およびオレイン酸、ならびにそれらのモノ-、ジ-およびトリグリセリドが挙げられる。そのようなモノ-、ジ-、およびトリグリセリドには、例えば、ジガラクトシルジグリセリド、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロール、1,2-ジパルミトイル-sn-3スクシニルグリセロール、および1,3-ジパルミトイル-2-スクシニルグリセロールが含まれる。一部の実施形態では、界面活性剤はリン脂質を含む。使用され得るリン脂質には、ホスファチジン酸、飽和脂質と不飽和脂質との両方を有するホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジル誘導体、カルジオリピン、およびβ-アシル-y-アルキルリン脂質が含まれる。使用され得るステロイドには、コレステロール、コレステロール硫酸、コレステロールヘミスクシネート、6-(5-コレステロール3β-イルオキシ)ヘキシル-6-アミノ-6-デオキシ-1-チオ-α-D-ガラクトピラノシド、6-(5-コレステン-3β-イルオキシ)ヘキシル-6-アミノ-6-デオキシ]-1-チオ-α-Dマンノピラノシド、コレステリル(4’-トリメチルアンモニオ)ブタノエート、およびデオキシコール酸ナトリウム(NaDOC)が含まれる。界面活性剤製品には、Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)80、およびNeobee M-5が含まれる。
他の界面活性剤には、エトキシ化ソルビタンエステル、ソルビタンエステル、脂肪酸塩、糖エステル、プルロニック(登録商標)、テトロニック、エチレンオキシド、ブチレンオキシド、プロピレンオキシド、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、モノおよびジアシルグリセロール、モノおよびジアシルエチレングリコール、モノおよびジアシルソルビトール、モノおよびジアシルグリセロールスクシネート、アルキルアシルホスファチド、脂肪アルコール、脂肪アミンおよびそれらの塩、脂肪エーテル、脂肪エステル、脂肪アミド、脂肪カーボネート、コレステロールエステル、コレステロールアミドおよびコレステロールエーテル、モノステアリン酸アルミニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸カルシウム、スルホコハク酸ジオクチルカルシウム、スルホコハク酸ジオクチルカリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、乳化蝋、ラウリル硫酸マグネシウム、オレイン酸カリウム、ヒマシ油ナトリウム(sodium caster oil)、セトステアリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、塩化ベンザルコニウム(benzalconium chloride)、セトリミド、臭化セトリミド、ならびに塩化セチルピリジニウムが含まれる。
経口投与は、本明細書に記載される化合物の投与のための別の経路であり得る。医薬組成物は、例えば、カプセル剤または腸溶コーティング錠剤の形態であり得る。したがって、本明細書に記載される化合物は、賦形剤によって、および/または担体で希釈され得る。賦形剤が希釈剤として働く場合、賦形剤は、固体、半固体、または液体材料の形態であってよく、活性成分のためのビヒクル、担体または媒体として作用する。したがって、組成物は、錠剤、丸剤、散剤、舐剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液剤、エマルション剤、溶液剤、シロップ剤、エアロゾル剤(固体としてまたは液体媒体中で)、例えば10重量%までの活性化合物を含有する軟膏剤、軟および硬ゼラチンカプセル剤、注射用滅菌溶液剤、ならびに無菌包装された散剤の形態であり得る。
好適な賦形剤、担体、およびビヒクルのいくつかの例として、ラクトース、ブドウ糖、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、セルロース、滅菌水、シロップ、およびメチルセルロースが挙げられる。加えて、製剤は、滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸マグネシウムおよび鉱物油;湿潤剤;乳化剤および懸濁化剤;保存剤、例えばヒドロキシ安息香酸メチルおよびヒドロキシ安息香酸プロピル;甘味剤;ならびに香味剤を含むことができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、眼への投与のために製剤化される。一部の実施形態では、眼のための製剤は、液体(溶液剤、懸濁液剤、再構成のための散剤、ゾル-ゲル系の形態)、半固体(軟膏剤およびゲル剤)、固体(眼への挿入剤)、および眼内剤形(注射剤、灌注溶液剤およびインプラント剤)である。
本明細書では、本明細書に記載される化合物および眼科的に許容される構成成分を含む眼科用製剤が提供される。眼科用製剤は、眼への薬物投与に好適な任意の形態で、例えば溶液剤、懸濁液剤、軟膏剤、ゲル剤、リポソーム分散液剤、コロイド性微粒子懸濁液剤等として、または眼への挿入剤で、例えば必要に応じて生分解性の制御放出性ポリマーマトリックスで投与され得る。
「薬学的に許容される」または「眼科的に許容される」構成成分とは、生物学的にもその他の点でも望ましくないことがない構成成分を意味し、すなわち、構成成分は、望ましくない生物学的効果を引き起こすことも、製剤が含有する製剤組成物のその他の構成成分のいずれかと有害な方式で相互作用することもなく、本開示の眼科用製剤に組み込まれ、患者の目に局所投与され得る。「薬学的に許容される」という用語は、薬理学的に活性な薬剤以外の構成成分を指すために使用される場合、その構成成分が、毒性および製造試験の必要基準を満たしているか、または米国食品医薬品局によって準備された不活性成分ガイドに含まれていることを暗示している。
眼科用製剤は、懸濁液剤またはエマルション剤の形態で目に局所投与するために適応させることができる。眼科用製剤は、眼科的に許容される担体を含み得る。そのような担体には、例えば、水、水の混合物、例えば、リン酸緩衝剤、ホウ酸、塩化ナトリウムおよびホウ酸ナトリウム、ならびに水混和性溶媒、例えば低級アルコール、アリールアルコール、ポリアルキレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンおよびミリスチン酸イソプロピルが含まれる。眼科用製剤は、1種または複数種の賦形剤、例えば、乳化剤、保存剤、湿潤剤、粘度付与剤を含むこともできる。例えば、眼科用製剤は、ポリエチレングリコール200、300、400および600、カーボワックス1,000、1,500、4,000、6,000および10,000、抗菌構成成分、例えば第四級アンモニウム化合物、フェニル水銀塩、チメロサール、メチルおよびプロピルパラベン、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、緩衝剤、例えばホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、グルコン酸緩衝剤、ならびに他の薬剤、例えばモノラウリン酸ソルビタン、トリエタノールアミン、オレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(polyoxyethylene sorbitan monopalmitylate)、ジオクチルナトリウムスルホスクシネート、モノチオグリセロール、チオソルビトールおよびエチレンジアミン四酢酸(ethylenediamine tetracetic acid)を含み得る。眼科用製剤は、等張であり得る。眼科用製剤は、界面活性剤または安定剤を含むこともできる。界面活性剤には、Carbopol(登録商標)が含まれる。安定剤には、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム(sodium metabisulfate)およびチオ硫酸ナトリウムが含まれる。
製剤は、角膜を含む細胞膜、組織、および細胞外マトリックスを介する製剤構成成分の浸透を促進する有効量の浸透促進剤を含み得る。浸透促進剤の「有効量」とは、今記載した通りの、膜、組織、および細胞外マトリックスを通る製剤構成成分のうちの1つまたは複数の浸透を測定可能に増大するのに十分な濃度を表す。好適な透過促進剤には、例えば、メチルスルホニルメタン(MSM、メチルスルホンとも呼ばれる)、MSMとジメチルスルホキシド(DMSO)の組合せ、またはMSMのあまり好ましくない実施形態ではDMSOとの組合せが含まれるが、MSMが特に好ましい。
キットおよび包装
本明細書では、本明細書に記載される化合物、画像化デバイス、および必要に応じて好適な包装材料を含むキットが提供される。画像化デバイスは、網膜画像化デバイスであり得る。一部の実施形態では、キットは、使用説明書をさらに含む。
画像化デバイスは、放出されたシグナルを検出するためのレンズ(複数可)および画像センサーを含み得る。一部の実施形態では、画像化デバイスは、蛍光シグナルを検出する。一部の実施形態では、画像化デバイスは、蛍光シグナルを活性化するために使用することができるレーザー光源をさらに含む。画像化デバイスは、好適な網膜走査装置を含み得る。
頭字語および略語の表
略語 意味
Aβ アミロイドベータ
BINAP (2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル)
DIBAL-H 水素化ジイソブチルアルミニウム
DMF ジメチルホルムアミド
Et エチル
Me メチル
Min 分
PCC クロロクロム酸ピリジニウム
THF テトラヒドロフラン
以下の実施例は、本開示の具体的な実施形態を実証するために含まれる。以下の実施例に開示される技術は、本発明の実施において十分に機能する技術を表し、したがって、本発明の実施のための具体的な形態を構成するとみなされ得ることが、当業者によって理解されるべきである。しかし、当業者は、開示されている具体的な実施形態に多くの変更を加えることができ、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく同様のまたは類似の結果が依然として得られることを、本開示に照らして理解すべきである。
(実施例1)
(E)-2-シアノ-N-(2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エチル)-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ナフタレン-2-イル)アクリルアミド(1)の合成
Figure 2024525693000069
ステップ1において、メチル6-ブロモ-2-ナフトエート(methyl 6-bromo-2-naphthaoate)とピロリジンのカップリングを、酢酸パラジウム/BINAPおよび塩基としてのCSCOおよび溶媒としてのトルエンを使用して行う。約30時間還流させると、メチル6-(ピロリジン-1-イル)-2-ナフトエートが形成される。ステップ2において、水素化アルミニウムリチウムで還元し、続いてステップ3においてMnOで酸化することにより、6-(ピロリジン-1-イル)-2-ナフトアルデヒドが得られる。ステップ4において、THF中、塩基としてのピペリジンを使用して6-(ピロリジン-1-イル)-2-ナフトアルデヒドを2-シアノ-N-(2-(2-(2ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エチル)アセトアミドと約24時間カップリングさせることにより、化合物1が得られる。
この合成法を使用し、ステップ1のピロリジンの代わりに他の複素環、例えば必要に応じて置換されているピペリジン、アゼチジン、アジリジン等を使用することによって、類似の化合物が調製される。また、ステップ1において、ブロモ基が異なる位置にあるナフタレンで出発し、したがって複素環がナフタレン上の異なる位置に付加されると、他のアナログが得られる。また、ステップ4において、異なるシアノ化合物、例えば以下に示されるものを付加させることによって、異なる側鎖を有する類似の化合物が調製される。
Figure 2024525693000070
(実施例2)
2-シアノ-4,4,4-トリフルオロ-N-(2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エチル)-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ナフタレン-2-イル)ブタ-2-エナミド(2)および2-シアノ-N-(2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エチル)-3-(6-(2-メチルピロリジン-1-イル)ナフタレン-2-イル)アクリルアミド(3)の合成
Figure 2024525693000071
ステップ1において、メチル6-ブロモ-2-ナフトエートを、THF中、DIBAL-Hで還元し、続いて塩化メチレン中、PCCで酸化することにより、6-ブロモ-2-ナフトアルデヒドが得られる。ステップ2において、メチル6-ブロモ-2-ナフトアルデヒドとピロリジンのカップリングを、酢酸パラジウム/BINAPおよび塩基としてのCSCOおよび溶媒としてのトルエンを使用して行い、続いて、(トリフルオロメチル)トリメチルシランを用いる求核反応および酸化により、2,2,2-トリフルオロ-1-(6-(ピロリジン-1-イル)ナフタレン-2-イル)エタン-1-オンが得られる。ステップ4において、THF中、塩基としてのピペリジンを使用して、2,2,2-トリフルオロ-1-(6-(ピロリジン-1-イル)ナフタレン-2-イル)エタン-1-オンを2-シアノ-N-(2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エチル)アセトアミドとカップリングさせることにより、化合物2が得られる。
代替として、ステップ3において、メチル6-ブロモ-2-ナフトアルデヒドと2-メチルピロリジンのカップリングを、酢酸パラジウム/BINAPおよび塩基としてのCSCOおよび溶媒としてのトルエンを使用して行って、6-(2-メチルピロリジン-1-イル)-2-ナフトアルデヒドを得る。ステップ5において、THF中、塩基としてのピペリジンを使用して、6-(2-メチルピロリジン-1-イル)-2-ナフトアルデヒドを2-シアノ-N-(2-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エチル)アセトアミドとカップリングさせることにより、化合物3が得られる。
この合成法を使用し、ピロリジンの代わりに他の塩基、例えば必要に応じて置換されているピペリジン、アゼチジン、アジリジン等を使用することによって、類似の化合物が調製される。また、ステップ1において、ブロモ基が異なる位置にあるナフタレンで出発し、したがって複素環がナフタレン上の異なる位置に付加されると、他のアナログが得られる。また、ステップ4において、異なるシアノ化合物、例えば以下に示されるものを付加させることによって、異なる側鎖を有する類似の化合物が調製される。
Figure 2024525693000072
(実施例2A)
(E)-2-シアノ-N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-3-(6-(ピペリジン-1-イル)ナフタレン-2-イル)アクリルアミド(4)の合成
Figure 2024525693000073
ステップ1において、メチル6-ブロモ-2-ナフトエートとピペリジンのカップリングを、酢酸パラジウム/BINAPおよび塩基としてのCSCOおよび溶媒としてのトルエンを使用して完了した。約30時間還流させると、メチル6-(ピペリジン-1-イル)-2-ナフトエートが形成された。ステップ2において、水素化アルミニウムリチウムでメチル6-(ピペリジン-1-イル)-2-ナフトエートを還元し、続いてステップ3において、得られた生成物をMnOで酸化して、6-(ピペリジン-1-イル)-2-ナフトアルデヒドを得た。
ステップ4において、無水THF16.0mL中、6-(ピペリジン-1-イル)-2-ナフトアルデヒド(4.0mmol、1.0当量)957.3mgおよび2-シアノ-N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)アセトアミド(4.8mmol、1.2当量)759.2mgの溶液を入れた丸底フラスコに、ピペリジン(0.8mmol、0.2当量)0.079mLを添加し、得られた混合物を一晩還流させた。反応物を減圧下で濃縮して残留物を得、それをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、化合物4を得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO) δ 8.26 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.14 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 8.03 (dd, J = 8.8, 1.8 Hz, 1H), 7.83 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.46 (dd, J = 9.2, 2.5 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 4.88 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 4.62 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 3.68 - 3.60 (m, 1H), 3.42 - 3.34 (m, 7H), 3.21 - 3.16 (m, 1H), 1.69 - 1.61 (m, 6H).m/z:380(M+H)。
(実施例2B)
(E)-2-シアノ-N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-3-(6-(ピロリジン-1-イル)ナフタレン-2-イル)アクリルアミド(5)の合成
Figure 2024525693000074
ステップ1において、メチル6-ブロモ-2-ナフトエートを、水素化アルミニウムリチウムで還元し、続いてステップ2において、得られた生成物をMnOで酸化して、6-ブロモ-2-ナフトアルデヒドを得た。
ステップ3において、脱気した乾燥トルエン30mLに、6-ブロモ-2-ナフトアルデヒド(3.0mmol、1.0当量)705.2mg、ピロリジン(3.9mmol、1.3当量)0.322mL、Pd(OAc)(0.15mmol、0.05当量)33.7mg、BINAP(0.15mmol、0.05当量)93.4mg、およびCsCO(4.5mmol、1.5当量)1466.2mgを順次添加した。反応物を100℃で20時間撹拌した。室温に冷却してから、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。有機溶媒を真空下で蒸発させ、得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、6-(ピロリジン-1-イル)-2-ナフトアルデヒドを得た。
ステップ4において、無水THF8.0mL中、6-(ピロリジン-1-イル)-2-ナフトアルデヒド(2.0mmol、1.0当量)450.6mgおよび2-シアノ-N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)アセトアミド(2.4mmol、1.2当量)379.6mgの溶液を入れた丸底フラスコに、ピペリジン(0.4mmol、0.2当量)0.04mLを添加し、得られた混合物を50℃で一晩撹拌した。粗製反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物を酢酸エチルに懸濁させ、室温で2時間、激しく撹拌した。次に、混合物を濾過し、濾液を酢酸エチルで2回洗浄して、化合物5を得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO) δ 8.24 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.07 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 8.02 (dd, J = 8.8, 1.8 Hz, 1H), 7.83 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.12 (dd, J = 9.0, 2.4 Hz, 1H), 6.82 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 4.87 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 4.62 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 3.69 - 3.59 (m, 1H), 3.46 - 3.33 (m, 7H), 3.22 - 3.13 (m, 1H), 2.12 - 1.90 (m, 4H).m/z:366(M+H)。
(実施例2C)
(E)-2-シアノ-N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-3-(1-(ピペリジン-1-イル)ナフタレン-2-イル)アクリルアミド(6)の合成
Figure 2024525693000075
ステップ1において、脱気した乾燥トルエン30mLに、1-ブロモ-2-ナフトアルデヒド(10.0mmol)2350.8mg、ピペリジン(13.0mmol、1.3当量)1.3mL、Pd(OAc)(0.5mmol、0.05当量)112.3mg、BINAP(0.5mmol、0.05当量)311.3mg、およびCsCO(15.0mmol、1.5当量)4887.3mgを順次添加した。反応混合物を100℃で20時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。有機溶媒を真空下で蒸発させて残留物を得、それをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(ピペリジン-1-イル)-2-ナフトアルデヒドを得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 10.67 (d, J = 0.7 Hz, 1H), 8.38 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.02 - 7.77 (m, 2H), 7.66 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.61 (ddd, J = 8.1, 6.8, 1.3 Hz, 1H), 7.57 (ddd, J = 8.2, 6.8, 1.4 Hz, 1H), 3.49 - 3.47 (m, 4H), 1.94 - 1.69 (m, 6H).
ステップ2において、丸底フラスコ中、3-アミノプロパン-1,2-ジオール(100mmol、1.0当量)9.393gをメチル2-シアノアセテート(100mmol、1.0当量)9.0mLに添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。次に、ジエチルエーテル50mLを添加し、得られた混合物を30分間、激しく撹拌し続けた。次に、丸底フラスコをドライアイスボックスに30分間入れておき、次に室温でさらに30分間静置すると、沈殿物が観察された。得られた沈殿物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄して、2-シアノ-N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)アセトアミドを得た。
ステップ3において、無水THF8.0mL中、1-(ピペリジン-1-イル)-2-ナフトアルデヒド(2.0mmol、1.0当量)478.6mgおよび2-シアノ-N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)アセトアミド(2.4mmol、1.2当量)379.6mgの溶液に、ピペリジン(0.4mmol、0.2当量)0.04mLを添加し、得られた混合物を一晩還流させた。次に、反応混合物を減圧下で濃縮して残留物を得、それをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物6を得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO) δ 8.67 (s, 1H), 8.25 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.21 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 8.00 - 7.94 (m, 1H), 7.84 (dd, J = 66.6, 8.7 Hz, 2H), 7.64-7.55 (m, 2H), 4.88 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 4.65 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 3.66 (dq, J = 10.7, 5.4 Hz, 1H), 3.45 - 3.18 (m, 8H), 1.77 - 1.63 (m, 6H).m/z:380(M+H)。
(実施例2D)
(E)-3-(1-(アゼチジン-1-イル)ナフタレン-2-イル)-2-シアノ-N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)アクリルアミド(7)の合成
Figure 2024525693000076
化合物7を、化合物6の合成について記載されているものに類似の方法を使用し、ステップ1におけるピペリジンをアゼチジンで置き換えて合成した。
1H NMR (600 MHz, DMSO) δ 8.28 (s, 1H), 8.00 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.93 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.59 - 7.51 (m, 1H) 7.40 (ddd, J = 8.3, 6.9, 1.2 Hz, 1H) 7.20 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.87 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 4.62 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4.40 (t, J = 7.6 Hz, 4H), 3.62 (dq, J = 10.6, 5.3 Hz, 1H) 3.41 - 3.27 (m, 3H), 3.21 - 3.12 (m, 1H), 2.43 - 2.33 (m, 2H).m/z:352(M+H)。
ナフタレンの8位において電子供与基で置換されている化合物は、実施例2A~2Dに記載される合成法を用いて、出発材料である8-ブロモ-2-ナフトアルデヒドを使用することによって調製することができる。
(実施例2E)
(S,E)-6,7-ジヒドロキシ-3-オキソ-2-((6-(ピペリジン-1-イル)ナフタレン-2-イル)メチレン)ヘプタンニトリル(8)の合成
Figure 2024525693000077
ステップ1において、メタノール12.9mL中、(S)-5-(ヒドロキシメチル)ジヒドロフラン-2(3H)-オン(8.612mmol、1.0当量)1000mg、2,2-ジメトキシプロパン(103.345mmol、12.0当量)12.7mL、およびp-トルエンスルホン酸一水和物(0.861mmol、0.1当量)163.8mgの溶液を、室温で24時間撹拌した。反応混合物を水30mLでクエンチし、生じた水相をEtOAc(3×60mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、エバポレートして、粗製メチル3-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)プロパノエートを得、それをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ2において、無水THF10.0mL中、メチル3-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)プロパノエート(5.0mmol、1.0当量)941.1mgおよびアセトニトリル(15.0mmol、3.0当量)0.787mLの溶液に、NaH(鉱物油中60%懸濁液、10.0mmol、2.0当量)400.0mgを窒素下で添加し、得られた混合物を2時間還流させた。次に、反応混合物を0℃に冷却し、pHが中性になるまで2M HCl水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で蒸発させた。粗製材料をフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、5-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-3-オキソペンタンニトリルを得た。
ステップ3において、無水THF50mL中、6-(ピペリジン-1-イル)-2-ナフトアルデヒド(3.529mmol、1.0当量)844.5mgおよび5-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-3-オキソペンタンニトリル(3.529mmol、1.0当量)696.0mgの溶液に、ピペリジン(0.698mmol、0.198当量)69μLを添加し、得られた混合物を70℃で一晩撹拌した。溶媒を除去して、(E)-5-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-3-オキソ-2-((6-(ピペリジン-1-イル)ナフタレン-2-イル)メチレン)ペンタンニトリルを得た。
ステップ4において、(E)-5-(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)-3-オキソ-2-((6-(ピペリジン-1-イル)ナフタレン-2-イル)メチレン)ペンタンニトリル(1.4mmol、1.0当量)586.0mgを、酢酸20mLおよび水5.0mLを用いて50℃で処理して、化合物8を得た。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.29 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.14 (dd, J = 8.8, 1.7 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.32 (dd, J = 9.2, 2.4 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 3.82 (qd, J = 8.3, 4.3 Hz, 1H), 3.77 - 3.69 (m, 1H), 3.57 - 3.53 (m, 1H), 3.48 - 3.43 (m, 4H), 3.15 (td, J = 6.8, 1.2 Hz, 2H), 2.49 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 1.99 - 1.87 (m, 3H), 1.80 - 1.74 (m, 4H), 1.73 - 1.68 (m, 2H).m/z:379(M+H)。
(実施例2F)
(E)-6-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)-3-オキソ-2-((6-(ピペリジン-1-イル)ナフタレン-2-イル)メチレン)ヘキサンニトリル(9)の合成
Figure 2024525693000078
ステップ1において、2-(2-(ベンジルオキシ)エトキシ)エタン-1-オール(100mmol、2.5当量)19.625gを、THF120mL中、NaH(100mmol、2.5当量)4.0gの撹拌した氷冷懸濁液に滴下添加した。得られた混合物を50℃で2時間撹拌し続けた。0℃に冷却してから、THF50mL中、4-ブロモブタン酸(40mmol、1.0当量)6.680gの溶液を滴下添加した。得られた混合物を70℃で24時間撹拌した。次に、反応を水(300mL)でクエンチした。水相をエーテル(2×30mL)で洗浄し、2M HClでpH1の酸性にした。次に、水相をエーテル(3×300mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、残留物を得た。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、4-(2-(2-(ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)ブタン酸を得た。
ステップ2において、無水DMF20mL中、4-(2-(2-(ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)ブタン酸(7.084mmol、1.0当量)2.0gおよびシアノ酢酸メチル(7.084mmol、1.0当量)0.625mLの撹拌した溶液に、アルゴン下、0℃でトリエチルアミン(21.251mmol、3.0当量)3.0mLを添加した。反応混合物を0℃で15分間撹拌した後、ジエチルピロカーボネート(8.501mmol、1.2当量)1.3mLを添加した。次に、得られた混合物を20℃で24時間撹拌した後、ブラインでクエンチし、0℃で希HClを添加してpHを5に調整した。混合物をジクロロメタンで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、メチル6-(2-(2-(ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)-2-シアノ-3-オキソヘキサノエートを得た。
ステップ3において、DMSO12mLおよび水3mL中、メチル6-(2-(2-(ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)-2-シアノ-3-オキソヘキサノエート(4mmol)1.3gの撹拌した溶液を、アルゴン雰囲気下で45分間、130℃に加熱した。混合物に酢酸エチル200mLを添加し、続いてブラインで洗浄し、その後NaSOで乾燥させ、濃縮して、残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル、3:1)によって精製して、6-(2-(2-(ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)-3-オキソヘキサンニトリルを得た。
ステップ4において、無水ジクロロメタン10.0mL中、無水FeCl(6.549mmol、4.0当量)1062.3mgの撹拌した懸濁液に、アルゴン雰囲気下、0℃で、無水ジクロロメタン15mL中、6-(2-(2-(ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)-3-オキソヘキサンニトリル(1.637mmol、1.0当量)500mgの溶液を添加した。反応混合物を5℃で3~5時間撹拌した後、水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、6-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)-3-オキソヘキサンニトリルを得た。
ステップ5において、無水THF25mL中、6-(ピペリジン-1-イル)-2-ナフトアルデヒド(1.637mmol、1.0当量)391.8mgおよび6-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)-3-オキソヘキサンニトリル(1.637mmol、1.0当量)352.4mgの溶液に、ピペリジン(0.324mmol、0.198当量)32μLを添加し、得られた混合物を70℃で一晩撹拌した。溶媒を除去して、(E)-6-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)-3-オキソ-2-((6-(ピペリジン-1-イル)ナフタレン-2-イル)メチレン)ヘキサンニトリルを得た。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.31 - 8.22 (m, 2H), 8.14 (dd, J = 8.8, 1.8 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.32 (dd, J = 9.2, 2.5 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 3.82 - 3.74 (m, 2H), 3.70 (dd, J = 5.8, 3.4 Hz, 2H), 3.66 - 3.56 (m, 6H), 3.50 - 3.35 (m, 4H), 3.05 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 2.38 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 2.12 - 1.98 (m, 2H), 1.83 - 1.66 (m, 6H).m/z:459(M+Na)。
(実施例2G)
(E)-3-(6-(アゼチジン-1-イル)ナフタレン-2-イル)-2-シアノ-N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)アクリルアミド(10)の合成
Figure 2024525693000079
ステップ1において、脱気した乾燥トルエン30mLを入れた丸底フラスコに、アゼチジン塩酸塩(3.9mmol、1.3当量)364.8mgおよびCsCO(12.5mmol、2.5当量)4072.7mgを順次添加し、生じた反応混合物をアルゴン下で1時間、激しく撹拌した。次に、反応混合物に6-ブロモ-2-ナフトアルデヒド(3.0mmol、1.0当量)705.2mg、BINAP(0.15mmol、0.05当量)93.4mg、およびPd(OAc)(0.15mmol、0.05当量)33.7mgを添加した。生じた反応混合物を100℃で一晩撹拌した。室温に冷却してから、混合物を酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。有機溶媒を真空下で蒸発させ、得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、6-(アゼチジン-1-イル)-2-ナフトアルデヒドを得た。
ステップ2において、THF中、塩基としてのピペリジンを使用して、6-(アゼチジン-1-イル)-2-ナフトアルデヒドを2-シアノ-N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)アセトアミドとカップリングさせることにより、化合物10が得られた。
1H NMR (600 MHz, DMSO) δ 8.26 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.12 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 8.03 (dd, J = 8.8, 1.8 Hz, 1H), 7.83 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.89 (dd, J = 8.8, 2.3 Hz, 1H), 6.68 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 4.88 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 4.63 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4.02 (t, J = 7.3 Hz, 4H), 3.64 (dq, J = 15.8, 5.3 Hz, 1H), 3.42 - 3.34 (m, 3H), 3.21 - 3.14 (m, 1H), 2.43 - 2.36 (m, 2H).m/z:352(M+H)。
以下の化合物は、上記の手順に従って、ただし出発材料として8-ブロモ-2-ナフトアルデヒドを使用して調製することができる。
Figure 2024525693000080
Figure 2024525693000081
Figure 2024525693000082
Figure 2024525693000083
Figure 2024525693000084
Figure 2024525693000085
Figure 2024525693000086
Figure 2024525693000087
Figure 2024525693000088
Figure 2024525693000089
Figure 2024525693000090
(実施例3)
検出可能な標的タンパク質、例えば、アミロイドベータタンパク質もしくはリン酸化タウタンパク質、またはその蓄積塊を有しているモデルマウスに、本明細書に記載される式Iの代表的な化合物を静脈内投与する。マウスの網膜を取り出し、スライドに載せる。網膜をPBSで5分間にわたって2回洗浄する。98%ギ酸溶液を添加し、抗原賦活化のために5分間置く。試料を蒸留水で5分間にわたって2回洗浄する。試料を1×PBS中で15分間平衡化し、次に1×PBST中10%ヤギ/ロバ血清(抗体に応じて)中で1時間ブロックする。試料をホイルで覆い、1×PBSで5分間ずつ3回洗浄する。試料を、暗所においてDAPI(300nMまたは100ng/mL)で10分間染色し、次に組織をPBSで3×10分間洗浄する。褪色防止用のDAKO封入剤を添加し、カバーガラスを載せ、画像化するまでホイルを被せておく。
試料の蛍光画像化研究を、TCS SPEカメラならびにLeica 10、20および40倍対物レンズを備えたLeica DMI 4000B顕微鏡(Leica、Germany)で実施する。408、488および568nmのレーザーを使用して、DAPI(青色、核染色)、式Iの代表的な化合物(緑色)および過剰リン酸化されたタウ(赤色)に関する蛍光プローブを可視化する。Zスタック画像を0.5μmの増分で40倍で撮影して、組織の全層を可視化する。網膜内で、検出可能な蛍光シグナルを生じる過剰リン酸化された3リピートタウタンパク質が検出されるが、一方、同齢の野生型マウスでは3リピートタウ抗体での免疫染色は検出されない。結論として、この研究は、本明細書に記載される式Iの化合物が、アミロイドベータタンパク質または過剰リン酸化されたタウタンパク質を検出するための診断薬として使用できることを示している。
(実施例4)
この実施例は、本明細書に記載される式Iの化合物が、TBIマウスモデルの網膜においてAβを検出するかどうかを決定するために実施される。
傷害の24時間後の爆風モデルマウスおよび未傷害マウスに、式Iの代表的な化合物を静脈内投与する。マウス網膜を、走査型レーザー検眼鏡検査(SLO)によって走査する。Aβ斑の存在を示す画像を作成する。
網膜走査の代替としてまたはそれに加えて、網膜組織を取り出し、抗Aβ抗体(6E10)で染色する。爆風傷害を受けたマウスは、網膜組織におけるAβに対して免疫反応性を示し、一方、未傷害マウスは6E10に対して反応性を示さない。式Iの化合物により、網膜での沈着が蛍光標識され、蛍光活性化時に目に見えるが、未傷害マウスからの組織ではいかなる蛍光増強も示されない。
(実施例5)
アミロイドベータとの化合物のin vitro結合研究
本明細書に記載される化合物の蛍光特性および発光スペクトルを、凝集したアミロイドベータ(Aβ1-42)を用いて下記の通り特徴付けた。
本明細書に記載される化合物についての発光スペクトルを、凝集したAβと共におよびそれを伴わずに化合物をインキュベーションした後に、眼の標準的な画像化装置に用いられる固有励起波長(450nmおよび488nm)で収集した。極大発光における増大倍率(化合物+Aβ/化合物)を試験化合物ごとに計算した。表1に示す。
方法論
Aβ1-42ペプチドを、以下の手順を使用してin vitroで凝集させた。Aβ42(HFIP)を冷凍庫から取り出し、室温に昇温させ、次に、1mgのAβ42をddHO 215μLに室温で約10~20分間にわたって溶解させた。得られた溶液にddHO 2mLを添加して、100μM原液を得た。100μLの一定分量をサンプリングし、凍結させた(非凝集試料)。管を、サーモシェーカーに350rpmで3日間入れておいた。気泡が生じないように注意を払った。Aβ凝集を、チオフラビンT(ThT)への結合を測定することによって確認した。次に、凝集したAβ1-42ペプチドを、150μLの一定分量に分け、-80℃で保存した。
蛍光発光スペクトルを、以下の通り測定して、本明細書に記載される試験化合物へのAβの結合を決定した。島津製の蛍光光度計(fluorimeter)をオンにし、約60分間昇温させた。次に、試験化合物を-20℃の冷凍庫から取り出し、室温に昇温させた。次に、凝集したAβの100μM溶液を、-80℃の冷凍庫から取り出し、やはり室温に昇温させた。次に、DMSO中250μMの各試験化合物の溶液を調製した。次に、これらを使用して、1×PBS中5μMの凝集したAβと共におよびそれを伴わずに各試験化合物の4μM溶液を三連で調製した。キュベットを使用して、DMSO/PBS溶液をブランクとして用いて、各試験化合物+Aβ溶液の蛍光発光スペクトルを測定した。各試料を、450nmおよび488nmで励起して試験した。次に、蛍光発光スペクトルを、4μMの試験化合物単独の溶液ごとに収集した。得られたデータを使用して、発光走査ごとに波長に対して強度をプロットした。極大発光における増大倍率(化合物+Aβ/化合物)を試験化合物ごとに計算した。表1に示す。
Figure 2024525693000091
対照は、アゼチジンの代わりにピペリジンを有していることを除いて化合物10と同じである。EDGとしてピペリジンを有する化合物は、生理的pHにおいて、より小さい環、例えばアゼチジンよりもプロトン化される傾向が高いことがあり、したがって、ある特定の波長で測定した場合、増大倍率がより小さくなることが企図される。
(実施例6)
ヒト組織におけるアミロイドベータへの試験化合物の結合
この実施例は、眼の標準的な画像化装置を使用する非侵襲的な検出のために目のAβ凝集に印を付け、したがってアルツハイマー病の診断およびモニタリングを容易にするために、本明細書に記載される化合物が利用できることについて決定するために実施される。
本明細書に記載される化合物は、ヒト組織においてAβ沈着に結合し、in vitroで観察されるものに類似の方式で蛍光発光を増大することが企図される。本明細書に記載される化合物を、アルツハイマー病のヒト組織において網膜および脳のAβと結合し、蛍光を発するそれらの能力について試験する。これらの組織からの薄片を、以下に提供されるプロトコールを使用して、本明細書に記載される化合物およびAβに特異的な抗体と共に同時染色する。免疫蛍光画像を収集し分析して、Aβ染色によって規定されたアミロイド沈着領域に、本明細書に記載される化合物からのシグナルが対応しているかどうかを決定する。
組織染色プロトコール
以下の通りに組織薄片を脱パラフィンし、水和させる。試料を60℃で1時間予熱する。スライドをホルダーに入れ、洗浄剤であるキシレン(パラフィン溶媒)および一連の段階的EtOHで以下の通り処理する。
i.100%キシレン - 5分
ii.100%キシレン - 5分
iii.50%/50%キシレン/100%EtOH - 3分
iv.100%EtOH - 3分
v.95%EtOH - 3分
vi.70%EtOH - 3分
vii.50%EtOH - 3分
viii.水 - 2×3分
抗原を、99%ギ酸中で5分間インキュベートすることによって賦活化し、次に蒸留水で5分間洗浄する。このステップを2回反復する。次に、10mMクエン酸緩衝剤pH6.0を、沸騰するまで予熱する。
スライドを、加熱したクエン酸緩衝剤と共に染色チャンバに20分間入れ、次に水浴で冷却する。次に、スライドを蒸留水で5分間洗浄する。このステップを2回反復する。
スライドを1×PBS中で15分間平衡化し、次にPBST中5%正常ヤギ血清中、室温で1時間ブロックする。スライドを、Aβの一次抗体6E10中、4℃で一晩インキュベートする(PBST中2.5%NGS)。次に、組織をPBST洗浄緩衝剤で3×10分間洗浄する。
スライドを、二次抗体(PBST中1:500)中、室温で1時間インキュベートし、この先、試料が暗所において維持されることを確実にする。
次に、組織をPBSTで3×10分間洗浄する。組織を、以下の通り、本明細書に記載される試験化合物(60μM)で、室温で30分間染色する。本明細書に記載される試験化合物を室温に昇温させ(約30分)、次に各試験化合物5mgをDMSO 3.75mLに溶解させ、得られた溶液を暗所において維持する。次に、各化合物溶液100μLをPBS 5mLで希釈して、本明細書に記載される試験化合物ごとに染料溶液を提供する。
次に、染色された組織をPBSTで3×10分間洗浄する。次に、核をHoechst(PBS中1mg/mLから2:1000希釈)で10分間染色する。次に、組織をPBSTで3×10分間さらに洗浄する。Prolong Glass封入剤を使用して組織を封入し、一晩乾燥させる。最後に、端部をマニキュア液で密封する。
別段定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書に例示的に記載される本開示は、本明細書に具体的に開示されていない1つまたは複数の任意の要素なしに、1つまたは複数の任意の制限なしに好適に実行され得る。したがって、例えば、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」等の用語は、限定されることなく広範に読まれるものとする。加えて、本明細書で用いられる用語および表現は、限定の用語としてではなく、説明の用語として使用されており、そのような用語および表現の使用には、示され記載されている特色またはその一部のいかなる均等物も排除する意図はなく、特許請求される本開示の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、あたかもそれぞれが参照により個々に組み込まれているかのように、それらの全体が参照により明確に組み込まれる。矛盾がある場合には、定義を含む本明細書が優先される。
本開示を上述の実施形態と共に記述してきたが、前述の説明および実施例は、本開示を例示することを意図されており、本開示の範囲を限定しないことが理解されるべきである。本開示の範囲内の他の態様、利点および修正は、本開示が関係する分野の当業者に明らかである。

Claims (30)

  1. 式I
    Figure 2024525693000092
    の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグ[式中、
    EDGは、
    Figure 2024525693000093
    であり、
    各Rは、独立に、ハロゲン、-OR、-NR、C1~10アルキル、C1~10ヘテロアルキル、C3~10シクロアルキル、C1~10ヘテロシクリル、C6~10アリール、またはC1~10ヘテロアリールであり、前記アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており、
    、RおよびRは、独立に、水素、C1~10アルキル、C1~10ヘテロアルキル、C3~10シクロアルキル、C1~10ヘテロシクリル、C6~10アリール、またはC1~10ヘテロアリールであり、水素を除くそのそれぞれは、1つまたは複数のRで必要に応じて置換されており、
    は、水素またはC1~10アルキルであり、
    各Rは、独立に、ハロゲン、-OR、-NR、C1~10アルキル、C1~10ハロアルキル、C1~10ヘテロアルキル、C3~10シクロアルキル、C1~10ヘテロシクリル、C6~10アリール、またはC1~10ヘテロアリールであり、
    、RおよびRは、独立に、水素またはC1~10アルキルであり、
    84は、水素、ハロ、C1~10アルキル、またはC1~10ハロアルキルであり、
    EWGは、電子求引基であり、
    WSGは、水溶性基であり、
    Zは、C=OまたはSOであり、Yは、CH、NH、またはSであり、
    qは、0、1、2、3、4、5、または6であり、
    ただし、YがNHまたはSであり、R84が水素またはメチルである場合には、EDGは、ナフタレンの6位に結合している
    Figure 2024525693000094
    ではない]。
  2. qが0である、請求項1に記載の化合物。
  3. qが、1、2、3、4、5、または6である、請求項1に記載の化合物。
  4. 84が水素である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 84が、ハロ、C~C10アルキル、またはC1~10ハロアルキルからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 84が、Cl、Br、I、F、メチル、エチル、プロピル、またはCFである、請求項5に記載の化合物。
  7. EWGが、F、Cl、Br、-CH=O、NO、-CF、-CCl、-SO、および-CNからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. EWGが-CNである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
  9. ZがC=Oである、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
  10. YがNHである、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
  11. が水素である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
  12. がC1~10アルキルである、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
  13. WSGが、
    Figure 2024525693000095
    [式中、mは、1~10の値を有する整数である]からなる群から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
  14. WSGが、
    Figure 2024525693000096
    からなる群から選択され、式中、mは、1~10の値を有する整数であり、各R1’が、独立に、
    Figure 2024525693000097
    [式中、各Xは、独立に、OまたはSであり、
    各R11は、独立に、水素、C1~10アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10シクロアルキル、C6~10アリール、5~10員のヘテロアリール、および4~10員のヘテロシクリルから選択され、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルは、1~4個のR21で必要に応じて置換されるか、または各XR11は、独立に、-XP(X)(R12であってもよく、
    各R12は、独立に、ヒドロキシ、チオール、-XP(X)(R13、C1~10アルキル、-O-C1~10アルキル、および-S-C1~10アルキルから選択され、
    各R13は、独立に、ヒドロキシ、チオール、C1~10アルキル、-O-C1~10アルキル、および-S-C1~10アルキルから選択され、
    各R21は、独立に、ハロ、ヒドロキシ、チオール、-NO、-N、シアノ、C1~10アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10シクロアルキル、C1~8ハロアルキル、C6~10アリール、5~10員のヘテロアリール、4~10員のヘテロシクリル、-O-C1~10アルキル、-O-C2~6アルケニル、-O-C2~6アルキニル、-O-C3~10シクロアルキル、-O-C1~8ハロアルキル、-O-アリール、-O-ヘテロアリール、-O-ヘテロシクリル、-NH、-NH(R31)、-N(R31、-C(O)(R31)、-C(O)O(R31)、-C(O)OH、-C(O)NH、-C(O)NH(R31)、-C(O)N(R31、-NHC(O)(R31)、-NHC(O)O(R31)、-NHC(O)NH(R31)、-S(R31)、-NHS(O)(R31)、-N(C1~10アルキル)S(O)(R31)、-S(O)N(R31、-S(O)NH(R31)、および-S(O)(R31)から選択され、
    各R31は、独立に、C1~10アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10シクロアルキル、C1~8ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルから選択され、
    各yは、独立に、1または2である]
    からなる群から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
  15. 式IA
    Figure 2024525693000098
    を有する請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグ。
  16. 式IB
    Figure 2024525693000099
    を有する請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグ。
  17. 式IC
    Figure 2024525693000100
    を有する請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグ。
  18. 式ID
    Figure 2024525693000101
    を有する請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグ。
  19. 式IE、IF、IG、IH、II、IJまたはIK
    Figure 2024525693000102
    を有する請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグ。
  20. Figure 2024525693000103
    Figure 2024525693000104
    Figure 2024525693000105
    Figure 2024525693000106
    Figure 2024525693000107
    Figure 2024525693000108
    Figure 2024525693000109
    Figure 2024525693000110
    Figure 2024525693000111
    Figure 2024525693000112
    Figure 2024525693000113
    Figure 2024525693000114
    Figure 2024525693000115
    Figure 2024525693000116
    Figure 2024525693000117
    Figure 2024525693000118
    Figure 2024525693000119
    Figure 2024525693000120
    Figure 2024525693000121
    Figure 2024525693000122
    Figure 2024525693000123
    Figure 2024525693000124
    Figure 2024525693000125
    Figure 2024525693000126
    Figure 2024525693000127
    Figure 2024525693000128
    Figure 2024525693000129
    Figure 2024525693000130
    Figure 2024525693000131
    Figure 2024525693000132
    からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグ。
  21. 請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
  22. 患者が神経疾患または障害を有しているかどうかを決定するための方法であって、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、互変異性体もしくはプロドラッグ、あるいは請求項21に記載の医薬組成物を前記患者に投与するステップを含む、方法。
  23. 前記化合物が、静脈内投与される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記化合物が、前記患者の目に投与される、請求項22に記載の方法。
  25. 前記化合物またはその親化合物の、検出可能な標的タンパク質との結合の存在または非存在を検出するステップをさらに含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記検出するステップが、光によって、調査されることになる前記患者の組織を活性化させ、それによって検出可能なシグナルの放出を生じ、前記検出可能なシグナルを検出することを含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記検出可能なシグナルが、蛍光シグナルである、請求項26に記載の方法。
  28. 前記神経疾患または障害が、アルツハイマー病または外傷性脳傷害(TBI)である、請求項22~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記神経疾患または障害が、加齢性疾患または障害、遺伝性疾患または障害、傷害関連疾患または障害、および精神疾患または障害から選択される、請求項22~27のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記加齢性疾患または障害が、パーキンソン病、血管性認知症、および筋萎縮性側索硬化症から選択され、前記遺伝性疾患または障害が、ダウン症候群であり、前記傷害関連疾患または障害が、外傷性脳傷害および慢性外傷性脳症から選択され、前記精神疾患または障害が、統合失調症およびうつ病から選択される、請求項29に記載の方法。
JP2024501540A 2021-07-15 2022-07-15 神経変性障害の診断のためにアミロイドおよびアミロイド様タンパク質を検出するためのフルオロフォアとしてのn-ヘテロシクリル置換2-シアノ-3-(ナフタレン-2-イル)アクリルアミド誘導体 Pending JP2024525693A (ja)

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