JP2024524820A - 全固体電池 - Google Patents

全固体電池

Info

Publication number
JP2024524820A
JP2024524820A JP2023569710A JP2023569710A JP2024524820A JP 2024524820 A JP2024524820 A JP 2024524820A JP 2023569710 A JP2023569710 A JP 2023569710A JP 2023569710 A JP2023569710 A JP 2023569710A JP 2024524820 A JP2024524820 A JP 2024524820A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid
carbon layer
composite carbon
state battery
solid electrolyte
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023569710A
Other languages
English (en)
Inventor
グイロン・ジン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
LG Energy Solution Ltd
Original Assignee
LG Energy Solution Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by LG Energy Solution Ltd filed Critical LG Energy Solution Ltd
Publication of JP2024524820A publication Critical patent/JP2024524820A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

本発明は、正極、負極及び前記正極と負極との間に介在された固体電解質膜を含み、前記負極及び固体電解質膜との間に第1複合炭素層及び第2複合炭素層をさらに含む、全固体電池に関する。

Description

本出願は、2022年5月9日付韓国特許出願第10-2022-0056342号及び2023年4月7日付韓国特許出願第10-2023-0046259号に基づく優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容を本明細書の一部として含む。
本発明は、全固体電池に関し、さらに詳しくは、固体電解質膜と負極との間に複数の複合炭素層を含むことで、寿命特性が向上した全固体電池に関する。
リチウム二次電池は、自動車、コンピュータ、携帯端末機の使用の増加により重要性が高まっている。この中の軽量で高エネルギー密度を得ることができるリチウム二次電池の開発が特に求められている。このようなリチウム二次電池は、正極と負極との間に分離膜を介在した後、液体電解質を注入してリチウムイオン電池を製造するか、正極と負極との間に固体電解質膜を介在して全固体電池を製造することができる。
この中の液体電解質を使用するリチウムイオン電池は、分離膜によって負極と正極が区画される構造であるため、変形や外部衝撃で分離膜が破損すると短絡が発生することがあり、これによって過熱または爆発などの危険につながることがある。
一方、固体電解質を用いた全固体電池は、電池の安全性が増大し、電解液の漏出を防止することができ、電池の信頼性を向上することができる。しかし、このような全固体電池は、充電と放電を繰り返す場合、リチウムメタル負極上でリチウムデンドライトが発生し、セルに短絡が起こるという問題がある。
本発明の目的は、固体電解質膜と負極との間にバインダーの含量が互いに異なる複合炭素層を含むことで、両側間の電気伝導度差を誘導し、それによって発生する電圧の差で、前記複合炭素層との間にリチウムが面方向に析出し、寿命特性が向上した全固体電池を提供することである。
本発明の一実施例は、正極、負極及び前記正極と負極との間に介在された固体電解質膜を含み、前記負極及び固体電解質膜との間に第1複合炭素層及び第2複合炭素層をさらに含む、全固体電池を提供する。
前記第1複合炭素層は、前記固体電解質膜の一面に隣接して備えられ、前記第2複合炭素層は、前記負極の一面に隣接するように備えたものであってもよい。
前記第1複合炭素層及び第2複合炭素層は、それぞれ炭素材及びバインダーを含み、前記第1複合炭素層と第2複合炭素層のバインダーの含量は、互いに異なるものであってもよい。
前記第1複合炭素層の炭素材及びバインダーの重量比は80:20~95:5であり、前記第2複合炭素層の炭素材及びバインダーの重量比は95:5~99:1であってもよい。
前記第1複合炭素層及び第2複合炭素層の厚み比率は20:1~1:1であってもよい。
前記第1複合炭素層の厚みは5~20μmであり、前記第2複合炭素層の厚みは1~5μmであってもよい。
前記固体電解質膜は、LiS-P、LiS-LiI-P、LiS-P-LiCl、LiS-LiI-LiO-P、LiS-LiBr-P、LiS-LiO-P、LiS-LiPO-P、LiS-P-P、LiS-P-SiS、LiS-P-SnS、LiS-P-Al、LiS-GeS、LiS-GeS-ZnS、LiPSCl、Li10GeP12、LiPS、Li11及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか一つを含んでもよい。
前記固体電解質膜は、アルジロダイト(Argyrodite)構造の硫化物系の固体電解質を含んでもよい。
前記正極は、正極活物質及び固体電解質を含んでもよい。
前記炭素材は、グラファイト、グラフェン、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、炭素繊維、活性炭素及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか一つを含んでもよい。
前記バインダーは、ポリ(ビニルアセテート)、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、アルキル化ポリエチレンオキシド、架橋結合されたポリエチレンオキシド、ポリビニルエーテル、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF、Polyvinylidene fluoride)、ポリヘキサフルオロプロピレンとポリビニリデンフルオライドのコーポリマー、ポリ(エチルアクリレート)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルクロライド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピリジン、ポリスチレン、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか一つを含んでもよい。
本発明によると、全固体電池の負極と固体電解質膜との間に、バインダーの含量が互いに異なる複数の複合炭素層を含むことにより、固体電解質膜に隣接して備えられた複合炭素層は高い弾性を帯びるようになり、電池内の保護層として作用し、全固体電池の物理的、機械的安定性を向上させることができ、充放電時に発生する電池の体積変化による固体電解質膜の損傷を防止し、負極との界面安定性を高めることができ、相対的にバインダーの含量が少ない複合炭素層は、面方向へのリチウム拡散を誘導してリチウムデンドライトの析出を防止した結果、全固体電池の寿命特性を向上させる効果がある。
本発明の一実施例による全固体電池の概略的な断面図を示した図である。 本発明の一実施例及び比較例による全固体電池の寿命特性を示したグラフである。
以下、本発明の実施態様を詳細に説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使用された用語や単語は、通常か辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、その自身の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に立脚し、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されなければならない。従って、本明細書の実施例に記載された構成は、本発明の最も望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないため、本出願時点において、これらを代替することができる様々な均等物と変形例があることを理解しなければならない。
本願明細書の全体において、ある部分が、ある構成要素を「含む」という時、これは特に反対する記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
図面において、複数の層及び領域を明確に表現するため、厚みを拡大して示し、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるという時、これは他の部分の「すぐ上に」ある場合だけでなく、その中間に、また他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「すぐ上に」あるという時には、中間に他の部分がないことを意味する。
以下、一実施例による全固体電池に関して説明する。
本発明は、リチウムデンドライトの生成を防止し、物理的安定性及び寿命特性が向上した全固体電池に関する。
通常、固体電解質を用いた全固体電池は、電池の安全性が増大し、電解液の漏出を防止することができるため、電池の信頼性を向上することができる。しかし、このような全固体電池は、充放電を繰り返す場合、リチウムメタル負極上に均一にプレーティング(plating)されない現象が発生する。これにより、リチウムメタル負極上でリチウムデンドライトが発生し、セルに短絡が起こることがあり、充放電時に発生する電池の体積変化による固体電解質膜が損傷する問題がある。
これについて、本発明は、前記の問題を解決するために、全固体電池の負極でバインダーの含量が互いに異なる複数の複合炭素層を適用することで、固体電解質膜に隣接して備えられた複合炭素層が高い弾性を帯びるようになり、電池内の保護層として作用して全固体電池の物理的、機械的安定性を向上させ、充放電時に発生する電池の体積変化による固体電解質膜の損傷を防止し、負極との界面安定性を高め、相対的にバインダーの含量が少ない複合炭素層は、面方向へのリチウム拡散を誘導してリチウムデンドライトの析出を防止し、全固体電池の寿命特性を向上させる効果がある。
図1は、一実施態様による全固体電池の概略的な構成を示した断面図である。
図1を参照すると、一実施態様による全固体電池(100)は、正極(50)、負極(10)及び前記正極と負極との間に介在された固体電解質膜(40)を含み、前記固体電解質膜と前記負極との間に第2複合炭素層(20)及び第1複合炭素層(30)を含む。
前記第2複合炭素層(20)及び第1複合炭素層(30)については、より具体的に後述する。
前記正極は、集電体及び前記集電体の少なくとも一側面に形成された正極活物質層を含んでもよく、前記正極活物質層は、正極活物質、固体電解質及び導電材を含んでもよい。また、本発明の具体的な一実施態様において、前記正極活物質層は、バインダー材料をさらに含んでもよい。前記バインダー材料の投入により、正極活物質層と集電体及び/または固体電解質層との結着力を高めることができ、これと独立してまたはこれと併せて、正極活物質に含まれる構成成分間の結着力の改善にも役立つ。
前記正極活物質は、リチウムイオン二次電池の正極活物質として使用可能なものであると、制限なく使用することができる。例えば、前記正極活物質は、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)などの層状化合物か、1またはそれ以上の遷移金属で置換された化合物;化学式Li1+xMn2-x(ここで、xは0~0.33である)、LiMnO、LiMn、LiMnOなどのリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(LiCuO);LiV、LiV、V、Cuなどのバナジウム酸化物;化学式LiNi1-x(ここで、M=Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、BまたはGaであり、前記元素の中の一つ以上の元素を含み、x=0.01~0.3である)で表現されるリチウムニッケル酸化物、例えば、LiN0.8Co0.10.1;化学式LiMn2-x(ここで、M=Co、Ni、Fe、Cr、ZnまたはTaであり、x=0.01~0.1である)またはLiMnMO(ここで、M=Fe、Co、Ni、CuまたはZnである)で表現されるリチウムマンガン複合酸化物;LiNiMn2-xで表現されるスピネル構造のリチウムマンガン複合酸化物;化学式のLiの一部がアルカリ土類金属イオンで置換されたLiMn;ジスルフィド化合物;Fe(MoOなどを含んでもよい。しかし、これらに限定されない。前記正極活物質は、通常、電極層の100重量%対比70~95重量%、75~95重量%または80~95重量%の範囲で含んでもよい。
前記正極に含まれる固体電解質は、例えば、LiS-P、LiS-LiI-P、LiS-P-LiCl、LiS-LiI-LiO-P、LiS-LiBr-P、LiS-LiO-P、LiS-LiPO-P、LiS-P-P、LiS-P-SiS、LiS-P-SnS、LiS-P-Al、LiS-GeS、LiS-GeS-ZnS、LiPSCl、Li10GeP12、LiPS、Li11及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか一つを含んでもよく、望ましくは、アルジロダイト(Argyrodite)構造の硫化物系の固体電解質であるLiPSClなどを含んでもよい。前記固体電解質は、通常、電極層の100重量%対比1~30重量%、1~20重量%または1~15重量%の範囲で含んでもよい。
前記導電材は、当該電池に化学的変化を引き起こさず、導電性を有するものであると、特に制限されるものではなく、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サマーブラックなどのカーボンブラック;VGCF(Vapor grown carbon fiber)のような炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材から選択される1種または2種以上の混合物を含んでもよい。前記導電材は、通常、電極層の100重量%対比1~10重量%、または1~5重量%の範囲で含んでもよい。
前記バインダーは、活物質と導電材などの結合及び集電体について結合に助力する成分であれば特に制限されず、例えば、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン-ジエンモノマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、様々な共重合体などが挙げられる。前記バインダーは、通常、電極層の100重量%対比1~20重量%、または1~10重量%の範囲で含んでもよい。
前記負極は、負極集電体であるか、前記集電体表面に形成された負極活物質層を含んでもよい。
前記負極集電体は、全固体電池に化学的変化を引き起こさず、導電性を有するものであると、特に制限されず、例えば、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものなどを使用してもよい。また、前記負極集電体は、正極集電体と同様に、表面に微細な凹凸が形成されたフィルム、シート、箔、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体など様々な形態を使用してもよい。
本発明の一実施態様において、前記負極及び/または正極は、物理化学的特性の補完や改善の目的で、様々な添加剤をさらに含んでもよい。前記添加剤は、特に限定されないが、酸化安定添加剤、還元安定添加剤、難燃剤、熱安定剤、無滴剤(antifogging agent)などのような添加剤を1種以上含んでもよい。
負極及び正極は、それぞれ電極スラリー製造時の有機溶媒として、シクロペンタン、シクロヘキサンまたはこれらの混合物である環状脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレンまたはこれらの混合物である芳香族炭化水素類、または前記脂肪族炭化水素類及び芳香族炭化水素類の溶媒を単独または2種以上混合し使用してもよい。前記有機溶媒は、乾燥速度や環境条件によって適切に選択し使用してもよい。
固体電解質膜(40)は、前記負極(10)及び正極(50)との間に提供される。
前記固体電解質膜は、固体電解質とバインダーを含んでもよい。
前記固体電解質膜に含まれる固体電解質としては、例えば、LiS-P、LiS-LiI-P、LiS-P-LiCl、LiS-LiI-LiO-P、LiS-LiBr-P、LiS-LiO-P、LiS-LiPO-P、LiS-P-P、LiS-P-SiS、LiS-P-SnS、LiS-P-Al、LiS-GeS、LiS-GeS-ZnS、LiPSCl、Li10GeP12、LiPS、Li11及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか一つであってもよい。前記固体電解質は、通常、固体電解質膜の100重量%対比80~100重量%、90~100重量%または95~100重量%の範囲で含んでもよい。
前記固体電解質膜に含まれるバインダーとしては、前記固体電解質の結合に助力する成分であると、特に制限されず、例えば、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン-ジエンモノマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、様々な共重合体などが挙げられる。前記バインダーは、通常、固体電解質膜の100重量%対比1~20重量%、または1~10重量%の範囲で含んでもよい。
前記固体電解質膜のイオン伝導度は、例えば、0.5×10-3S/cm超過~1×10-1S/cm以下であってもよい。前記固体電解質膜のイオン伝導度が0.5×10-3S/cm未満であると、全固体電池構造内の正極及び負極との間のリチウムイオン伝導を主な経路として提供することができず、基本的なセル性能の具現が難しい。前記固体電解質膜のイオン伝導度は、高いほど有利であるが、固体電解質の特性、性能具現の限界及び大気安定性などを総合的に考慮する時、1×10-1S/cm以下の範囲に限定することが望ましい。
一実施態様において、前記負極(10)と固体電解質膜(40)との間に、第2複合炭素層(20)及び第1複合炭素層(30)をさらに含む。
一実施態様において、前記第1複合炭素層は、前記固体電解質膜の一面に隣接して備えられ、前記第2複合炭素層は、前記負極の一面に隣接するように備えることができる。
一実施態様において、前記第1複合炭素層及び第2複合炭素層は、炭素材及びバインダーを含んでもよい。
前記炭素材は、前記第1複合炭素層及び第2複合炭素層に導電性を付与することができるものであると、その種類に制限されず、例えば、グラファイト、グラフェン、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、炭素繊維、活性炭素及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか一つを含んでもよい。
前記バインダーは、例えば、ポリ(ビニルアセテート)、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、アルキル化ポリエチレンオキシド、架橋結合されたポリエチレンオキシド、ポリビニルエーテル、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF、Polyvinylidene fluoride)、ポリヘキサフルオロプロピレンとポリビニリデンフルオライドのコーポリマー、ポリ(エチルアクリレート)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルクロライド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピリジン、ポリスチレン、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか一つを含んでもよく、望ましくはポリビニリデンフルオライド(PVDF)であってもよい。
一実施態様において、前記第1複合炭素層及び第2複合炭素層のバインダーの含量は、互いに異なってもよい。また、一実施態様において、前記第1複合炭素層のバインダーの含量に比べ、前記第2複合炭素層のバインダーの含量がより大きいものであってもよい。
具体的には、前記第1複合炭素層の炭素材及びバインダーの重量比は、80:20~95:5であってもよく、例えば、85:15~95:5であってもよく、例えば、90:10であってもよい。
前記第2複合炭素層の炭素材及びバインダーの重量比は、95:5~99:1であってもよく、例えば、96:4~99:1、97:3~99:1、または98:2~99:1であってもよい。もし、第2複合炭素層で炭素及びバインダー全体の含量に対比する炭素の含量が95重量部未満である場合、電気伝導度及びイオン伝導度が減少し、相対的に過電圧が発生するという問題点がある。
本発明による全固体電池は、負極の一面と隣接して備えられた前記第2複合炭素層が、前記第1複合炭素層に比べ、相対的に炭素材をより高い含量で含むことにより、全固体電池の厚み方向ではなく、面方向へのリチウム拡散を誘導してリチウムデンドライトの析出を防止し、全固体電池の寿命特性を向上させることができる。
また、固体電解質膜の一面に隣接して備えられた前記第1複合炭素層が、前記第2複合炭素層に比べ、相対的にバインダーをより高い含量で含むことによって高い弾性を帯びるようになり、全固体電池内の保護層として作用し、全固体電池の物理的、機械的安定性を向上させることができ、充放電時に発生する電池の体積変化による固体電解質膜の損傷を防止し、負極との界面安定性を高めることができる。
一実施例において、前記第1複合炭素層及び第2複合炭素層の厚み比率は20:1~1:1であってもよく、望ましくは10:1~2:1であってもよい。具体的には、前記第1複合炭素層の厚みは5μm~20μmであってもよく、前記第2複合炭素層の厚みは1μm~5μmであってもよい。
もし、第1複合炭素層の厚みが5μm未満である場合、電池駆動過程で析出するLiと電解質を効果的に分離することができないという問題点があり、20μmを超過する場合、第1複合炭素層の厚みが相対的に増加することにより、過電圧が大きく発生する問題点がある。
本発明は、前記全固体電池を単位電池として含む電池モジュール、前記電池モジュールを含む電池パック、及び前記電池パックを電源として含むデバイスを提供する。
この時、前記デバイスの具体例としては、電気的モーターにより動力を受けて動くパワーツール(power tool);電気自動車(Electric Vehicle, EV)、ハイブリッド電気自動車(Hybrid Electric Vehicle, HEV)、プラグ-インハイブリッド電気自動車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle, PHEV)などを含む電気自動車;電気自転車(E-bike)、電気スクーター(E-scooter)を含む電気二輪車;電気ゴルフカート(electric golf cart);電力貯蔵用システムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
以下では、本発明の具体的な実施例を提示する。ただし、下記に記載された実施例は、本発明を具体的に例示するか説明するためのものに過ぎず、これにより本発明が制限されるものではない。また、ここに記載されていない内容は、当該技術分野において熟練した者であると、十分に技術的に類推することができるものであるため、その説明を省略する。
実施例1
1. 複合炭素層形成のためのスラリーの製造
(1) 第1複合炭素層形成のためのスラリーは、次のような方法で製造した。
溶媒であるN-メチルピロリドン(N-Methylpyrrolidone, NMP)に、炭素材であるカーボンブラック(Super P)とバインダーであるポリビニリデンフルオライド(PVDF)を90:10wt%で混合し、スラリーを準備した。
(2) 第2複合炭素層形成のためのスラリーは、炭素材であるカーボンブラック(Super P)とバインダーであるポリビニリデンフルオライド(PVDF)の含量を95:5wt%で混合したことを除き、前記第1複合炭素層形成のためのスラリーの製造と同様に製造した。
2. 正極の製造
スラリーの作製のため、正極活物質は、LiCoO粉末、固体電解質としてアルジロダイト(Argyrodite)構造の結晶質系硫化物の固体電解質であるLiPSCl、導電材は、Timcal社 Super C65及びバインダーとしてスチレン-ブタジエンゴム(Styrene Butadiene Rubber, SBR)をそれぞれ80:15:1:4の重量比で混合して、キシレン(Xylene)に投入し攪拌して、正極スラリーを製造した。これを厚みが20μmであるアルミニウム集電体にドクターブレードを用いて塗布し、その結果物を120℃で4時間真空乾燥させた。以後、前記真空乾燥した結果物を冷間等方圧加圧法(CIP,Cold iso pressure)を用いて圧延工程を進行し、4mAh/cmの電極ローディング、電極層の厚みが128μm、気孔度が15%である正極を収得した。
3. 固体電解質膜の製造
溶媒キシレン(Xylene)に結晶質系硫化物の固体電解質であるLiPSCl粉末とバインダーであるスチレン-ブタジエンゴム(Styrene Butadiene Rubber, SBR)を95:5 wt%で混合し、スラリーを準備した。離型フィルムに、混合したスラリーをドクターブレードを用いて塗布及びコーティングした。コーティングギャップ(gap)は250μm、コーティング速度は20mm/minとした。前記スラリーがコーティングされた離型フィルムをガラス板に移動させて水平を維持し、常温条件で一晩乾燥して、100℃で12時間真空乾燥した。収得した固体電解質膜の厚みは100μmであった。
4. 電池の製造
(1) 前記で製造した正極を4cmの正方形に打ち抜いて準備した。負極集電体として、6.25cm正方形サイズのNiホイル(foil)を準備し、前記Niホイル(foil)上に、前記で製造した第2複合炭素層形成のためのスラリーを塗布し、その結果物を120℃で4時間真空乾燥させ、負極集電体一面に厚み5μmの第2複合炭素層をコーティングした。
(2) 次に、離型フィルムの一面に前記で製造した第1複合炭素層形成のためのスラリーを塗布し、その結果物を120℃で4時間真空乾燥させて6.25cm正方形の大きさに準備した後、前記固体電解質膜の一面に厚み10μmになるように、冷間等方圧加圧法(Cold Isostatic Pressing, CIP)を用いて、第1複合炭素層を付着させた。
(3) 前記正極及び負極との間に固体電解質膜を介在させ、モノセル(half-cell)を製造した。この時、前記負極集電体上にコーティングされた第2複合炭素層と前記固体電解質膜にコーティングされた第1複合炭素層が互いに接するように介在し、CIP工程でセルを合体して、全固体電池を製造した。
比較例1
負極及び固体電解質膜にそれぞれ第1複合炭素層及び第2複合炭素層を形成しなかったことを除き、前記実施例1と同様にして、全固体電池を製造した。
比較例2
前記実施例1において、第2複合炭素層を形成しなかったことを除き、前記実施例1と同様にして、全固体電池を製造した。
比較例3
前記実施例1において、第1複合炭素層を形成しなかったことを除き、前記実施例1と同様にして、全固体電池を製造した。
比較例4
前記実施例1において、第1複合炭素層の厚みを3μmとしたことを除き、前記実施例1と同様にして、全固体電池を製造した。
比較例5
前記実施例1において、カーボンブラック(Super P)とポリビニリデンフルオライド(PVDF)を90:10wt%で混合したものを第2複合炭素層形成のためのスラリーとし、カーボンブラック(Super P)とポリビニリデンフルオライド(PVDF)を95:5wt%で混合したものを第1複合炭素層形成のためのスラリーとしたことを除き、前記実施例1と同様にして、全固体電池を製造した。
実験例1:電池性能の評価
前記実施例1、比較例1~5で製造された全固体電池の充放電回数(サイクル)によるエネルギー密度の評価を実施し、その結果は図2に示した。
図2を参照すると、実施例1による全固体電池の場合、比較例1~5による全固体電池の場合より、充放電回数が約100回程度でも約90%以上の高い容量維持率を示したことによって、最も優れた寿命特性を示すことを確認することができ、特に初期に対比して充放電回数が約10回程度で96%以上の高い容量維持率を示すことが分かる。
これと異なり、第1複合炭素層及び第2複合炭素層のいずれも備えていない比較例1による全固体電池、または第1複合炭素層を備えていない比較例3による全固体電池の場合の容量維持率が、充放電回数が約10回程度から初期容量に対比して急激に低下することを確認することができる。
また、第2複合炭素層を備えていない比較例2による全固体電池、第1複合炭素層の厚みの範囲が相対的に薄く形成された比較例4による全固体電池及び第1複合炭素層と第2複合炭素層内のバインダーの含量が互いに入れ替わった比較例5による全固体電池の場合、いずれも実施例1による全固体電池に比べ、容量維持率が大幅に低下することを確認することができる。
以上において、本発明の望ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利の範囲はこれらに限定されず、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形及び改良形態もまた本発明の権利の範囲に属するものである。
[符号の説明]
10:負極
20:第2複合炭素層
30:第1複合炭素層
40:固体電解質膜
50:正極
100:全固体電池
一実施態様において、前記第1複合炭素層及び第2複合炭素層のバインダーの含量は、互いに異なってもよい。また、一実施態様において、前記第1複合炭素層のバインダーの含量に比べ、前記第2複合炭素層のバインダーの含量がより小さいものであってもよい。

Claims (11)

  1. 正極;
    負極;及び
    前記正極と負極との間に介在された固体電解質膜を含み、
    前記負極及び固体電解質膜との間に第1複合炭素層及び第2複合炭素層をさらに含む、
    全固体電池。
  2. 前記第1複合炭素層は、前記固体電解質膜の一面に隣接して備えられ、
    前記第2複合炭素層は、前記負極の一面に隣接するように備えられたものである、
    請求項1に記載の全固体電池。
  3. 前記第1複合炭素層及び第2複合炭素層は、それぞれ炭素材及びバインダーを含み、
    前記第1複合炭素層と第2複合炭素層のバインダーの含量は、互いに異なるものである、
    請求項1に記載の全固体電池。
  4. 前記第1複合炭素層の炭素材及びバインダーの重量比は80:20~95:5であり、
    前記第2複合炭素層の炭素材及びバインダーの重量比は95:5~99:1である、
    請求項1に記載の全固体電池。
  5. 前記第1複合炭素層及び第2複合炭素層の厚み比率は20:1~1:1である、
    請求項1に記載の全固体電池。
  6. 前記第1複合炭素層の厚みは5~20μmであり、
    前記第2複合炭素層の厚みは1~5μmである、
    請求項1に記載の全固体電池。
  7. 前記固体電解質膜は、LiS-P、LiS-LiI-P、LiS-P-LiCl、LiS-LiI-LiO-P、LiS-LiBr-P、LiS-LiO-P、LiS-LiPO-P、LiS-P-P、LiS-P-SiS、LiS-P-SnS、LiS-P-Al、LiS-GeS、LiS-GeS-ZnS、LiPSCl、Li10GeP12、LiPS、Li11及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか一つを含む、
    請求項1に記載の全固体電池。
  8. 前記固体電解質膜は、アルジロダイト(Argyrodite)構造の硫化物系の固体電解質を含む、
    請求項1に記載の全固体電池。
  9. 前記正極は、正極活物質及び固体電解質を含む、
    請求項1に記載の全固体電池。
  10. 前記炭素材は、グラファイト、グラフェン、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、炭素繊維、活性炭素及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか一つを含む、
    請求項3に記載の全固体電池。
  11. 前記バインダーは、ポリ(ビニルアセテート)、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、アルキル化ポリエチレンオキシド、架橋結合されたポリエチレンオキシド、ポリビニルエーテル、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF、Polyvinylidene fluoride)、ポリヘキサフルオロプロピレンとポリビニリデンフルオライドのコーポリマー、ポリ(エチルアクリレート)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルクロライド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピリジン、ポリスチレン、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるいずれか一つを含む、
    請求項3に記載の全固体電池。
JP2023569710A 2022-05-09 2023-04-12 全固体電池 Pending JP2024524820A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR10-2022-0056342 2022-05-09
KR10-2023-0046259 2023-04-07

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024524820A true JP2024524820A (ja) 2024-07-09

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN112313819B (zh) 制造用于锂二次电池的负极的方法和制造锂二次电池的方法
KR101138637B1 (ko) 리튬 이차전지용 양극 활물질
JP7191419B2 (ja) リチウム二次電池用正極材、これを含む正極及びリチウム二次電池
KR101159100B1 (ko) 리튬 이차전지용 양극 활물질
KR20160149862A (ko) 실리콘 산화물-탄소-고분자 복합체, 및 이를 포함하는 음극 활물질
JP2022009746A (ja) リチウム二次電池用正極活物質およびこれを含むリチウム二次電池
JP2012164624A (ja) リチウムイオン二次電池用負極活物質及びその負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池
CN111095629B (zh) 正极活性材料、其制备方法以及包含其的锂二次电池用正极和锂二次电池
CN110890525B (zh) 用于锂二次电池的正极活性材料及包括其的锂二次电池
CN110710032B (zh) 用于锂二次电池的正极、其制备方法以及包括其的锂二次电池
JP7282925B2 (ja) リチウム二次電池用正極、その製造方法、及びそれを含むリチウム二次電池
US20220209298A1 (en) Electrolyte For Lithium Secondary Battery And Lithium Secondary Battery Including The Same
JP7438599B2 (ja) 負極活物質、前記負極活物質を含む負極、及び前記負極を含む二次電池
JP2023520192A (ja) 二次電池
JP7438596B2 (ja) 負極活物質、前記負極活物質を含む負極、及び前記負極を含む二次電池
KR20190118811A (ko) 전고상 리튬이차전지용 바인더, 이를 포함하는 전극 및 전고상 리튬이차전지
JP2022547501A (ja) 二次電池の製造方法
CN111725555B (zh) 锂离子二次电池
CN114270571A (zh) 电池系统以及使用其的方法和包含其的电池组
CN113784916A (zh) 制备负极活性材料的方法
JP2024524820A (ja) 全固体電池
EP4310981A1 (en) All-solid-state battery
KR20210050348A (ko) 음극 활물질의 제조 방법, 음극 활물질, 이를 포함하는 음극, 및 상기 음극을 포함하는 이차 전지
JP7297378B2 (ja) 二次電池用負極およびこれを含む二次電池
JP7507849B2 (ja) 電池システム、その使用方法、およびそれを含む電池パック