JP2024522005A - 緑内障治療用の医療貫通及びドレナージ - Google Patents

緑内障治療用の医療貫通及びドレナージ Download PDF

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Abstract

緑内障を治療するための方法及びシステムであって、前記方法は眼内シャントを眼組織内に配置するステップを含み、それによって、シャントは、前房から脈絡膜上腔及び/又は結膜下腔(又は結膜外)などの眼内の目標流出領域に流体を伝達する。

Description

[関連出願の相互参照]
本願は、出願番号がPCT/CN2021/093650、出願日が2021年5月13日、名称が「緑内障治療用の医療貫通及びドレナージ」である国際特許出願の優先権を主張しており、当該出願の全内容は、全ての目的で引用により全体として本明細書に組み込まれている。
本発明は、いくつかの態様において、医療デバイス及び装置の分野に関し、特に、医療貫通及びドレナージのためのデバイス、キット、アセンブリ、又はシステムに関する。
緑内障は数百万人に影響を及ぼす眼の疾患である。緑内障は、眼のドレナージシステムが眼の前房から房水を十分に取り除けないか、眼内の毛様体が過剰な房水を生成することによって引き起こされる眼内圧の上昇と関連している。房水の蓄積とそれに伴う眼内圧は、視神経や網膜に不可逆的な損傷を与える可能性があり、失明の原因となる可能性がある。通常、緑内障は手術で治療できる。しかし、依然として方法を改善する必要がある。本発明は、これら及び他の必要性に対処する。
既存のデバイス及び方法の欠陥又は欠点の少なくとも1つに対処するには、いくつかの態様において、本発明は、目標流出領域である脈絡膜上腔又は結膜下腔、又は目標流出領域と流入領域(例えば、前房)との間で、注射、アクセス、拡張及び/又はデバイスインプラント(例えば、シャントインプラント)を可能にする、医療穿刺用の医療穿刺デバイス及び医療キット、アセンブリ又はシステムを提供する。本発明は、穿刺深さ及び針配置の正確な制御、安定した注射、及び所定の体積の注射を達成するために特に有用であり、また、前方房からの液体のドレナージを容易にする、シャントを配置するための改良された方法を提供する。
いくつかの実施形態において、シャントを眼内に配置するための方法であって、針を眼内に挿入して、眼内の目標流出領域で終端する送達通路を眼内に形成するステップ(a)と、流動性組成物の前記針による送達により、前記目標流出領域内に拡張空間を形成するステップ(b)と、シャントの流入端を眼の前房に位置決めし、前記シャントの流出端を前記拡張空間に位置決めするステップであって、前記シャントは、前記針に放出可能に結合される、ステップ(c)と、前記シャントから前記針を放出するステップ(d)と、を含み、これにより、前記シャントを眼中に配置し、前記前房と前記目標流出領域との間の流体連通を提供する、方法が提供される。
いくつかの実施形態において、前記針は強膜に突き刺される。本明細書のいずれの実施形態においても、本方法は、任意選択で、前記針が前記強膜に突き刺される前に、結膜において領域を切開するステップを含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記針は前記結膜及び前記強膜に突き刺され、前記方法は、前記結膜において領域を切開するステップを含まなくてもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記目標流出領域は、前記強膜と脈絡膜/毛様体との間にあり、前記拡張空間は脈絡膜上腔であってもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記位置決めステップは、前記針の遠位端を前記脈絡膜上腔で前房隅角に向けて位置決めすることを含んでもよい。
本明細書のいずれの実施形態においても、前記シャントは、前記針内にあり、任意選択で、前記シャントは前記針の針本体通路内にあり、又は、前記シャントは、前記針の周囲に前記スリーブを形成してもよい。
本明細書のいずれの実施形態においても、前記位置決めステップは、前記針の遠位端まで前記針内/周囲の前記シャントを前進させることを含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記前進させることは、ガイドワイヤを使用して、前記針内/周囲の前記シャントを押すことを含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記位置決めステップは、前記針及び/又は前記シャントの遠位端を前記前房隅角に突き刺すことを含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記放出ステップは、前記針及び/又は前記ガイドワイヤを前記眼から取り除き、前記シャントの流入端を前記前房に残し、前記シャントの流出端を前記脈絡膜上腔に残すことを含んでもよい。
本明細書のいずれの実施形態においても、前記挿入ステップの前又は後に、前記シャントを前記針に結合してもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記流動性組成物の送達の前又は後に、前記シャントを前記針に結合してもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記シャントは前記針の遠位端に放出可能に結合されていてもよい。
本明細書のいずれの実施形態においても、前記位置決めステップは、前記シャントを前記前房隅角に向けて位置決めすることを含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記位置決めステップは、前記針を前進させて前記シャントの遠位端を前記前房隅角に突き刺すことを含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記放出ステップは、前記針を取り除き、前記シャントの流入端を前記前房に残し、前記シャントの流出端を前記脈絡膜上腔に残すことを含んでもよい。
本明細書のいずれの実施形態においても、前記位置決めステップは、前記針の遠位端を前記脈絡膜上腔で、前記前房隅角から離れて位置決めすることを含んでもよい。本明細書の実施形態のいずれにおいても、前記シャントは前記針内にあり、任意選択で、前記シャントは前記針の針本体通路内にあり、又は、前記シャントは、前記針の周囲にスリーブを形成してもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記位置決めステップは、前記針の遠位端まで前記針内/周囲の前記シャントを前進させることを含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記前進させることは、ガイドワイヤを使用して、前記針内/周囲の前記シャントを押すことを含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記位置決めステップは、前記シャントの流出端を前記脈絡膜上腔で前記前房隅角から離れて位置決めすることを含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記位置決めステップは、前記針を眼から取り除き、前記シャントの流出端を前記脈絡膜上腔に残すことを含んでもよい。
本明細書のいずれの実施形態においても、前記方法は、前房隅角を突き刺してインプラント通路を形成するステップをさらに含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記シャントの流入端はインプラント通路を通って前記前房に位置決めされてもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記インプラント通路は、同じ針又は異なる突き刺し要素を使用して形成されてもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、同じ針又は異なる突き刺し要素は前記結膜、前記強膜、前記脈絡膜上腔及び前記前房隅角を突き刺してもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記針は、第1入口点で前記眼に挿入され、同じ針又は異なる突き刺し要素は、前記第1入口点とは異なる第2入口点で前記眼に挿入されて、前記インプラント通路を形成してもよい。
本明細書のいずれの実施形態においても、前記シャントは、前記強膜の外側の前記第1入口点と前記第2入口点との間の部分を含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記シャントは、前記強膜及び前記結膜の外側の前記第1入口点と前記第2入口点との間の部分を含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記強膜外の部分は結膜下であってもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記方法は、前記結膜において開口部を切開することと、前記結膜を前記強膜から剥離して結膜フラップを形成することと、前記シャントの流入端を前房の前記インプラント通路を通して位置決めした後に、結膜フラップの開口部を縫合して強膜外の前記シャント部分を覆うこととを含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記強膜外の前記シャント部分は、シャント本体流出ポートを含み、任意選択で、前記シャント本体流出ポートは結膜下であってもよい。
本明細書のいずれの実施形態においても、前記方法は、前記結膜フラップと前記強膜との間に代謝拮抗物質を適用して術後傷跡を調節するステップをさらに含んでもよい。
本明細書のいずれの実施形態においても、前記針は眼外又は眼内から眼に挿入されてもよい。
本明細書のいずれの実施形態においても、前記目標流出領域は前記結膜と前記強膜との間にあり、前記拡張空間は結膜下腔であり、任意選択で、前記結膜下腔は結膜下小胞であってもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記シャントは、前記針内にあり、任意選択で、前記シャントは、前記針の針本体通路中にあり、前記シャントは、針の周囲にスリーブを形成し、又は前記シャントは、前記針の遠位端に放出可能に結合されてもよい。
いくつかの態様では、本発明は、針を眼内に挿入して、眼の強膜と脈絡膜/毛様体との間で終端する送達通路を眼内に形成するステップ(a)と、流動性組成物の前記針による送達により、脈絡膜上腔を形成するステップ(b)と、前記針の遠位端及び/又はこれに放出可能に結合されたシャントを前記眼の前房隅角に突き刺すステップ(c)と、前記シャントの流入端が前記前房にあり、前記シャントの流出端が前記脈絡膜上腔にあるように、前記シャントを前記前房隅角を通して位置決めするステップ(d)と、眼から前記針を取り除くステップ(e)と、を含み、これにより、前記シャントを眼中に配置し、前記前房と前記脈絡膜上腔との間の流体連通を提供する、シャントを眼内に配置するための方法を開示する。
いくつかの態様では、本発明は、針を眼内に挿入して、眼の強膜と脈絡膜/毛様体との間で終端する送達通路を眼中に形成するステップ(a)と、流動性組成物の前記針による送達により、脈絡膜上腔を形成するステップ(b)と、前記針を使用して、シャントの流出端を前記脈絡膜上腔で前房隅角から離れて位置決めするステップ(c)と、眼の前房隅角を突き刺してインプラント通路を形成するステップ(d)と、インプラント通路を通して前記シャントの流入端を前記前房に位置決めするステップ(e)と、を含み、これにより、前記シャントを眼中に配置し、前記前房と前記脈絡膜上腔との間の流体連通を提供する、シャントを眼内に配置するための方法を提供する。
本明細書のいずれの実施形態においても、前記シャントの一部は強膜の外側にあってもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記強膜外のシャント部分は結膜下であってもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記シャントの一部は強膜及び結膜の外側にあってもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記シャントは、前記強膜及び前記結膜下の外側に位置するシャント本体流出ポート及び/又は結膜の外側に位置するシャント本体流出ポートを含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記シャントは、前記前房と前記脈絡膜上腔との間、及び前記前房と前記結膜下腔との間の流体連通を提供してもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記シャントは、前記前房と前記脈絡膜上腔との間、及び前記前房と前記結膜外腔との間の流体連通を提供してもよい。
いくつかの態様では、本発明は、シャントを眼内に配置するための眼内方法であって、針及び/又はそれに放出可能に結合されたシャントを、角膜を通して前房を横切って脈絡膜上腔又は結膜下腔に挿入するステップ(a)と、流動性組成物を前記針及び/又は前記シャントを通して前記脈絡膜上腔又は前記結膜下腔に送達するステップ(b)と、前記シャントの流入端を前記前房に位置決めし、前記シャントの流出端を前記脈絡膜上腔又は前記結膜下腔に位置決めするステップ(c)と、眼から前記針を取り除くステップ(d)と、を含み、これにより、前記シャントを眼中に配置し、前記前房と前記脈絡膜上腔又は前記結膜下腔との間の流体連通を提供する、方法を提供する。
本明細書のいずれの実施形態においても、前記シャントは医薬品又は生物学的製剤を含んでもよい。
本明細書のいずれの実施形態においても、前記方法は、デバイスを使用するステップを含み、前記デバイスは、近位端及び遠位端を含むシリンジバレルと、前記シリンジバレル内のフローティングシールと、前記フローティングシールの近位にある針基部であって、前記フローティングシールと前記針基部とが互いに弾性的に係合する針基部と、針と、を含む。本明細書のいずれの実施形態においても、前記針は、(i)前記針基部に係合する針近位端と、(ii)針遠位端と、(iii)針遠位開口部と、(iv)前記針近位端と前記針遠位端との間の針本体開口部であって、前記針本体開口部は前記針遠位開口部の近位にある針本体開口部と、(v)前記針遠位開口部と前記針本体開口部とを接続する針本体通路と、を含む。本明細書のいずれの実施形態においても、前記針基部は、前記針を、前記フローティングシールに向かって、及び/又は前記フローティングシールを通して遠位方向に前進させるように構成されている。本明細書のいずれの実施形態においても、前記フローティングシールは、前記シリンジバレル内の近位内腔と遠位内腔とを分離し、前記遠位内腔は、前記流動性組成物を含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記針基部は、前記針遠位開口部が前記強膜にあり、前記針本体開口部が流動性組成物を含む遠位内腔にあるように、前記針を遠位方向に前進させるように構成されていてもよい。
本明細書のいずれの実施形態においても、前記強膜は、前記針遠位開口部を通した前記遠位内腔内の流動性組成物の排出を防止可能であり、任意選択で、前記強膜の前記針遠位開口部での背圧が、前記遠位内腔内の圧力以上であってもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記針基部は、前記針本体開口部が前記遠位内腔にあり、前記針遠位開口部が前記強膜と隣接組織との間にあるように、前記針を遠位方向に前進させるように構成されていてもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記針遠位開口部は前記強膜と前記脈絡膜/毛様体との間にあり、前記流動性組成物は前記針を通って前記脈絡膜上腔に送達される。本明細書のいずれの実施形態においても、前記針遠位開口部は前記強膜と前記結膜との間にあり、流動性組成物は前記針を通って結膜下腔に送達されてもよい。
本明細書のいずれの実施形態においても、前記流動性組成物は、液体、溶液、懸濁液、ゲル、オイル、軟膏、エマルジョン、クリーム、フォーム、ローション、及び/又はペーストを含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記シャントは、前記針を通って、又は前記針に沿って遠位方向に前進し、前記針が前記目標流出領域に到達すると前記針の遠位端で露出するように構成されていてもよい。
いくつかの態様では、本発明は、いずれの前記実施形態の方法に使用される前記針、前記シャント、及び前記流動性組成物を含むシステムを提供する。
いくつかの態様では、本発明は、シャントを眼内に配置するためのシステムであって、近位端及び遠位端を含むシリンジバレルと、前記シリンジバレル内のフローティングシールと、前記フローティングシールの近位にある針基部であって、前記フローティングシールと前記針基部とが互いに弾性的に係合する針基部と、眼内に挿入するための針と、を含み、前記針は、(i)前記針基部に係合する針近位端と、(ii)針遠位端と、(iii)針遠位開口部と、(iv)前記針近位端と前記針遠位端との間の針本体開口部であって、前記針本体開口部は前記針遠位開口部の近位にある針本体開口部と、(v)前記針遠位開口部と前記針本体開口部とを接続する針本体通路と、を含み、前記針基部は、前記針を、前記フローティングシールに向かって、及び/又は前記フローティングシールを通して遠位方向に前進させるように構成されており、前記シャントは、前記針に放出可能に結合されるように構成されている、システムを提供する。いくつかの実施形態において、前記シャントは前記針内の眼内シャントであってもよい。
本明細書のいずれの実施形態においても、前記シャントは、固体構造、多孔質構造、多層複合構造、メンブレンステント構造、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記シャントは、前記シャントの側壁における1つ以上の環状リングを含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記シャントは、前記シャントの前記側壁におけるマーカーリング及び保持リングを含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記シャントは、前記シャントの一方の端から他方の端まで延びる複数のチャネルを含んでもよい。
添付の図面は、本発明の特徴及び利点を有する特定の実施形態のみを示す。これらの実施形態は、いかなる方法であっても、添付の請求の範囲の範囲を限定することを意図していない。
例えば、脈絡膜上腔(SCS)14への穿刺及び注射の間に、例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。 例えば、脈絡膜上腔(SCS)14への穿刺及び注射の間に、例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。 例えば、脈絡膜上腔(SCS)14への穿刺及び注射の間に、例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。 例えば、脈絡膜上腔(SCS)14への穿刺及び注射の間に、例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。 例えば、脈絡膜上腔(SCS)14への穿刺及び注射の間に、例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。 例えば、脈絡膜上腔(SCS)14への穿刺及び注射の間に、例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。図1Fは、接触部材(例えば、図1A~1Eに示す1b)を備えない例示的な医療穿刺デバイスを操作するステップを示し、遠位シール(例えば、図1A~1Eに示す8)は組織に直接接触してもよい。 例えば、脈絡膜上腔(SCS)14への穿刺及び注射の間に、例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。 例えば、脈絡膜上腔(SCS)14への穿刺及び注射の間に、例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。 例えば、脈絡膜上腔(SCS)14への穿刺及び注射の間に、例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。 例えば、脈絡膜上腔(SCS)14への穿刺及び注射の間に、例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。 例えば、脈絡膜上腔(SCS)14への穿刺及び注射の間に、例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。 例えば、脈絡膜上腔(SCS)14への穿刺及び注射の間に、例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。図2Fは、接触部材(例えば、図2A~2Eに示す1b)を備えない例示的な医療穿刺デバイスを操作するステップを示し、遠位シール(例えば、2A~2Eに示す8)は組織に直接接触してもよい。 フローティングシール3、1つ以上の針本体開口部(6b又は6b1、6b2及び/又は6b3)、及び針遠位開口部6aを含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図である。 フローティングシール3、1つ以上の針本体開口部(6b又は6b1、6b2及び/又は6b3)、及び針遠位開口部6aを含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図である。 フローティングシール3、1つ以上の針本体開口部(6b又は6b1、6b2及び/又は6b3)、及び針遠位開口部6aを含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図である。 フローティングシール3、1つ以上の針本体開口部(6b又は6b1、6b2及び/又は6b3)、及び針遠位開口部6aを含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図である。 フローティングシール3、1つ以上の針本体開口部(6b又は6b1、6b2及び/又は6b3)、及び針遠位開口部6aを含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図である。 フローティングシール3、1つ以上の針本体開口部(6b又は6b1、6b2及び/又は6b3)、及び針遠位開口部6aを含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図である。 フローティングシール3及び針本体開口部6bを含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図である。 フローティングシール3及び針本体開口部6bを含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図である。 フローティングシール3及び針本体開口部6bを含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図である。 フローティングシール3a及び3bと、1つ以上の針本体開口部(6b又は6b1及び/又は6b2)とを含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図である。 フローティングシール3a及び3bと、1つ以上の針本体開口部(6b又は6b1及び/又は6b2)とを含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図である。 フローティングシール3a及び3bと、1つ以上の針本体開口部(6b又は6b1及び/又は6b2)とを含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図である。 フローティングシール3a及び3bと、1つ以上の針本体開口部(6b又は6b1及び/又は6b2)とを含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図である。 フローティングシール3a及び3bと、1つ以上の針本体開口部(6b又は6b1及び/又は6b2)とを含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図である。 フローティングシール3a及び3bと、1つ以上の針本体開口部(6b又は6b1及び/又は6b2)とを含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図である。 貫通傾斜案内溝3a及び逆止弁9を含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図を示す。 貫通傾斜案内溝3a及び逆止弁9を含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図を示す。 非貫通傾斜案内溝3aを含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図を示す。 傾斜案内針穴6c及び逆止弁9を含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図を示す。 傾斜案内針穴6c及び針穴プラグ10を含む例示的な医療穿刺デバイスの部分構造図を示す。 中心案内溝2cを含む例示的な医療装置アセンブリを使用して、カテーテル11をSCS14にインプラントする概略図を示す。図11Aは、組織に接触する接触部材1bを示している。 中心案内溝2cを含む例示的な医療装置アセンブリを使用して、カテーテル11をSCS14にインプラントする概略図を示す。図11Bは、接触部材を介さずに組織に接触する遠位シール8を示す。 シャントを眼内に配置するための例示的な眼外方法を示す。 シャントを眼内に配置するための例示的な眼外方法を示す。 シャントを眼内に配置するための例示的な眼外方法を示す。 シャントを眼内に配置するための例示的な眼内方法を示す。 シャントを眼内に配置するための例示的な眼内方法を示す。 例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。 例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。 例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。 以下に提供される参照符号及び例示的な関連構造は、説明のためにのみ使用され、例えば、図1A~1E~図11A~11Bに示すように、限定的なものとして理解すべきではない。1-シリンジバレル;1a-軸方向ストッパー;1b-円形接触要素;2-押え要素;2c-中央案内溝;3-フローティングシール;3a-傾斜案内溝;4-弾性シース;5-バネ;6-中空穿刺針;6a-針遠位開口部;6b-針本体開口部;6c-傾斜案内針穴;7-流動性組成物内腔;8-遠位シール;9-逆止弁;10-針穴プラグ;11-カテーテル;12-補助案内針;13-強膜;14-脈絡膜上腔(SCS). 例示的な医療穿刺デバイスの様々な要素及び特徴の概略図を示す。例えば、該デバイスは、近位制御ノブ17に係合する中空ハウジング22を含んでもよい。押え・押し軸2は、制御ノブを摺動可能に貫通し、ハウジング内のガイドチューブ16に係合する。前記押え・押し軸2は、圧縮バネ5に遠位に向かう力を与えるように構成され、該圧縮バネ5は、ピストンロッド15に遠位に向かう力を与えるように構成された力要素として機能する。斜め針6は、押え・押し軸に固定された針基部又はシートに組付けられて固定される。前記針6の遠位端は、ピストンロッド15の内腔内に位置してもよく、押え・押し軸を遠位方向に移動させるための力が加えられると、遠位方向に移動する。前記針の遠位端は、前記ピストンロッドの遠位端でのシール3を通って、シリンジ1のシリンジバレルと遠位シール8とによって形成される内腔内に進入するように前進させてもよい。グランド23は、シール係合を容易にするために、シリンジ1及び遠位シール8の両方に係合してもよい。遠位シール8は、組織とインターフェースしてもよく、針6は、遠位シール8を通って、組織を貫通するように前進されてもよい。針6は、針遠位開口部及び針本体開口部を含んでもよく、それぞれは、図1A~1E~図11A~11Bに示す6a及び6bと同様である。 例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。 例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。 例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。 例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。 例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。 例示的な医療穿刺デバイスを操作する様々な段階の概略図を示す。 以下に提供される参照符号及び例示的な関連構造は、説明のためにのみ使用され、例えば、図17~図17A~17Fに示すように、限定的なものとして理解すべきではない。1-内腔を形成するシリンジバレルを有するシリンジ;2-押え要素(例えば、押え軸);3-フローティングシール(例えば、プランジャーシール);5-バネなどの弾性要素;6-中空穿刺針(針遠位開口部及び針本体開口部は示されていない);8-遠位シール;15-ピストンロッド(例えば、プッシュロッド);16-ガイドチューブ;17-制御ノブ;18-リミッタ;19-ルーラー;20-アダプタ;21-ハンドル;22-ハウジング;23-グランド. 例示的なシャント構造の概略図を示す。 例示的なシャント構造の概略図を示す。 例示的なシャント構造の概略図を示す。 均一なシャント、多孔質材料を含むシャント、複数の層を含むシャント、及び膜で覆われた支持体を含むシャントを含む例示的なシャント構造の追加の概略図を示す。 均一なシャント、多孔質材料を含むシャント、複数の層を含むシャント、及び膜で覆われた支持体を含むシャントを含む例示的なシャント構造の追加の概略図を示す。 均一なシャント、多孔質材料を含むシャント、複数の層を含むシャント、及び膜で覆われた支持体を含むシャントを含む例示的なシャント構造の追加の概略図を示す。 均一なシャント、多孔質材料を含むシャント、複数の層を含むシャント、及び膜で覆われた支持体を含むシャントを含む例示的なシャント構造の追加の概略図を示す。 流動性組成物を予め充填して前記デバイス内に設置することができる例示的な容器の特徴の概略図を示す。 流動性組成物を予め充填して前記デバイス内に設置することができる例示的な容器の特徴の概略図を示す。
以下は、本発明のいくつかの実施形態の詳細な説明である。本明細書に記載された具体的な実施形態は、本発明の実施形態を説明し解釈することを意図しており、限定的なものとみなされるべきではないことを理解できる。
なお、本発明の実施形態及び実施形態の特徴は、矛盾しない場合には、任意の適切な方法で組み合わせることができる。
いくつかの実施形態において、「前」、「後」、「前方に」、「後方に」、「遠端」及び「近端」などの位置の記述は、医療穿刺デバイス又は医療装置アセンブリの施術者の視点に基づくものである。すなわち、施術者が医療穿刺デバイス又は医療装置アセンブリを使用するとき、施術者から相対的に離れる方向を前方向とし、施術者に相対的に近づく方向を後方向とする。
本明細書で使用される場合、「近位」と「遠位」は、それぞれ、医療デバイスを患者の体内に挿入する施術者(例えば、外科医、内科医、看護師、技師など)に近づく方向と離れる方向を意味し、デバイスの先端(遠位端)は、最初に患者の体内に挿入される。したがって、例えば、患者の体内に最初に挿入される本明細書に記載の針(例えば、マイクロニードル)の端部は遠位端であり、針の反対側の端部(例えば、施術者によって操縦される医療デバイスの端部)は針近位端である。
本明細書で使用される場合、単数形「1つ(a)」、「一(an)」及び「前記(the)」は、文脈に別段の明示的な規定がない限り、複数の参照対象を含む。例えば、「1つ(a)」、「一(an)」は、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を表す。同様に、「部材」という用語は、単一の部材又は部材の組み合わせを意味し、「材料」は、1つ以上の材料又はそれらの組み合わせを意味する。
本明細書で使用される「約」又は「およそ」という用語は、この技術分野の当業者に容易に知られるそれぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における値又はパラメータの「約」への言及には、その値又はパラメータ自体を対象とする実施形態が含まれる(及び、説明する)。例えば、「約」は、関連分野の実践に従って、1標準偏差以内又は1を超える標準偏差を意味する場合がある。あるいは、「約」は、所定の値の最大20%、最大10%、最大5%、又は最大1%の範囲を意味することもできる。
本開示を通じて、様々な態様が範囲形式で提示される。範囲形式での説明は単に便宜及び簡潔にするためのものであり、本開示の範囲を柔軟に制限するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、すべての可能なサブ範囲及びその範囲内の個々の数値を具体的に開示したものとみなされるべきである。例えば、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の各中間値と、その記載された範囲内の他の記載された値又は介在する値が本開示内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立してより小さい範囲に含まれてもよく、記載された範囲内で特に除外される制限を条件として、本開示内に包含される。記載された範囲が限界の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる限界の一方又は両方を除く範囲も本開示に含まれる。これは範囲の広さに関係なく適用される。
請求項における「第1」、「第2」、「第3」などの連番用語を使用して請求項要素を変更することは、他の請求項要素に対する1つの請求項要素の優先度、優先順位若しくは順序、又は方法行動を実行する時の順序を意味するものではなく、特定の名称を有する1つの請求項要素と、請求項要素を区別するために同じ名称を有する他の要素とを区別するためのラベルとしてのみ使用される(ただし、連番用語を使用する)。同様に、a)、b)など、又はi)、ii)などの使用は、請求の範囲における優先度、優先順位、又はステップの順序を意味するものではない。同様に、本明細書におけるこれらの用語の使用は、所望の優先度、優先順位、又は順序を意味するものではない。
本明細書で使用される場合、「穿刺部材(puncture member)」及び「穿刺部材(puncturing member)」という用語は、組織層を突き刺して目的の組織層に物質を送達するように構成された、針又はマイクロニードルのような物品を指すために交換可能に使用される。
本明細書で使用される場合、用語「医薬品容器」及び「医薬品収容室」は、ある量の物質(例えば、医薬品又は薬物)を収容するように構成された物品(例えば、シリンジ)を指すために交換可能に使用される。
本出願で参照される特許文献、科学論文及びデータベースを含むすべての出版物は、あたかも個々の出版物が個別に参照により組み込まれるのと同じ程度に、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる。本明細書に記載の定義が、参照により本明細書に組み込まれる特許、出願、公開出願及びその他の刊行物に記載の定義に反する、又は矛盾する場合、本明細書に記載の定義が、参照により本明細書に組み込まれる定義より優先する。
ここで使用されているセクションの見出しは、整理のみを目的としており、説明されている主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
I.概要
緑内障には、主に、「開放隅角型」と「閉塞隅角型」の緑内障の2つのタイプがある。開放隅角緑内障とは、眼内圧が上昇しても眼の前房隅角(ドレナージ角)が開放されたままの緑内障症例である。開放隅角緑内障の一般的な原因の1つは、通常、房水を前房から排水する流体流路である小柱網の閉塞である。閉塞隅角緑内障とは、前房隅角が部分的又は完全に閉じていることにより、眼内圧が上昇する緑内障の症例である。閉塞隅角緑内障では、虹彩の腫れ又は動きによって前房隅角が閉じ、液体が小柱網にアクセスするのが妨げられ、その結果、眼からの房水の流出が妨げられる。
緑内障は、前房や眼の房水ドレナージに関与する種々の構造(例えば、シュレム管、強膜又は結膜下腔)との間に流体流路を生じさせるために、シャントを眼内に配置することを含む外科手術によって治療することができる。この流体流路は、房水が前房から流出することを可能にする。シャントをインプラントする外科手術は、眼内シャントを保持する送達デバイスを眼内に挿入し、シャントを眼内に展開することを含んでもよい。
いくつかの実施形態において、シャントを保持する送達デバイスは角膜を通って眼に入り(眼内方法)、前房を通って前進する。前記送達デバイスは、デバイスの遠位部分が眼のドレナージ構造に近づくまで強膜を通って前進する。次に、シャントが送達デバイスから展開され、前房や眼の房水ドレナージに関与する種々の構造(例えば、シュレム管、強膜、又は結膜下腔)との間に回路カが生成される。いくつかの実施形態において、シャントを保持する送達デバイスは、眼外方法を使用して眼に入り、この方法は眼の結膜を介して挿入される。
一態様では、本発明は、針を眼内に挿入して、眼内の目標流出領域で終端する送達通路を眼内に形成するステップ(a)と、流動性組成物の前記針による送達により、前記目標流出領域内に拡張空間を形成するステップ(b)と、シャントの流入端を眼の前房に位置決めし、前記シャントの流出端を前記拡張空間に位置決めするステップであって、前記シャントは、前記針に放出可能に結合される、ステップ(c)と、前記シャントから前記針を放出するステップ(d)と、を含み、これにより、前記シャントを眼中に配置し、前記前房と前記目標流出領域との間の流体連通を提供する、シャントを眼内に配置するための方法を提供する。針は、眼外又は眼内から眼に挿入されてもよい。
一態様では、本発明は、シャントを眼内に配置するための眼外方法であって、針を眼内に挿入して、眼の強膜と脈絡膜/毛様体との間で終端する送達通路を眼内に形成するステップ(a)と、流動性組成物の前記針による送達により、脈絡膜上腔を形成するステップ(b)と、前記針の遠位端及び/又はこれに放出可能に結合されたシャントを前記眼の前房隅角に突き刺すステップ(c)と、前記シャントの流入端が前記前房にあり、前記シャントの流出端が前記脈絡膜上腔にあるように、前記シャントを前記前房隅角を通して位置決めするステップ(d)と、眼から前記針を取り除くステップ(e)と、を含み、これにより、前記シャントを眼中に配置し、前記前房と前記脈絡膜上腔との間の流体連通を提供する、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、シャントを眼内に配置するための眼外方法であって、針を眼内に挿入して、眼の強膜と脈絡膜/毛様体との間で終端する送達通路を眼中に形成するステップ(a)と、流動性組成物の前記針による送達により、脈絡膜上腔を形成するステップ(b)と、前記針を使用して、シャントの流出端を前記脈絡膜上腔で前房隅角から離れて位置決めするステップ(c)と、眼の前房隅角を突き刺してインプラント通路を形成するステップ(d)と、(e)インプラント通路を通して前記シャントの流入端を前記前房に位置決めするステップと、を含み、これにより、前記シャントを眼中に配置し、前記前房と前記脈絡膜上腔との間の流体連通を提供する、方法を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、シャントを眼内に配置するための眼内方法であって、針及び/又はそれに放出可能に結合されたシャントを、角膜を通して前房を横切って脈絡膜上腔に挿入するステップ(a)と、流動性組成物を前記針及び/又は前記シャントを通して前記脈絡膜上腔に送達するステップ(b)と、前記シャントの流入端を前記前房に位置決めし、前記シャントの流出端を前記脈絡膜上腔に位置決めするステップ(c)と、眼から前記針を取り除くステップ(d)と、を含み、これにより、前記シャントを眼中に配置し、前記前房と前記脈絡膜上腔との間の流体連通を提供する、方法を提供する。別の態様では、本発明は、シャントを眼内に配置するための眼内方法であって、針及び/又はそれに放出可能に結合されたシャントを、角膜を通して前房を横切って結膜下腔に挿入するステップ(a)と、流動性組成物を前記針及び/又は前記シャントを通して前記結膜下腔に送達するステップ(b)と、前記シャントの流入端を前記前房に位置決めし、前記シャントの流出端を前記結膜下腔に位置決めするステップ(c)と、眼から前記針を取り除くステップ(d)と、を含み、これにより、前記シャントを眼中に配置し、前記前房と前記結膜下腔との間の流体連通を提供する、方法を提供する。
いくつかの態様では、本発明に開示された方法及びデバイスは、低侵襲緑内障の外科手術治療に使用することができる。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明に記載される。
本発明のいくつかの実施形態について、添付の図面のいくつかの図を参照して説明する。
II.システム及びデバイス
いくつかの実施形態において、本明細書では、穿刺部材(例えば、針又はマイクロニードル)を眼内に挿入することを補助し、及び/又は医薬品を標的眼組織に注射することを補助するシステム及びデバイスが記載される。いくつかの実施形態において、本明細書では、例えば眼の後部領域に(例えば、脈絡膜上腔を介して)治療薬を送達するために、穿刺部材(例えば、マイクロニードル)が眼に挿入される深さを制御するためのシステム及びデバイスが記載される。いくつかの実施形態において、本明細書では、インプラントを組織、(例えば、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管)に導入するためのシステム及びデバイスが記載される。
いくつかの実施形態において、本明細書では、近位端及び遠位端を含むシリンジバレルと、前記シリンジバレル内のフローティングシールと、フローティングシールの近位にあるに針基部(例えば、前記針基部は施術者により近く、前記フローティングシールは受験者により近い)であって、前記フローティングシールと前記針基部が互いに弾性的に係合するように構成されている針基部と、を含むシステムが提供される。いくつかの実施形態において前記システムは、針近位端及び針遠位端を含む針をさらに含み、前記針近位端は前記針基部に係合する。本明細書のいずれの実施形態においても、前記針近位端は、前記針基部に固定されてもよいし、前記針基部に放出可能に組付けられてもよい(例えば、挿入)。本明細書のいずれの実施形態においても、前記針は、(i)針遠位開口部と、(ii)前記針近位端と前記針遠位端との間の針本体開口部と、(iii)前記針遠位開口部と前記針本体開口部とを接続する針本体通路と、を含む。本明細書のいずれの実施形態においても、前記針本体開口部は、前記針遠位開口部の近位にあってもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記針基部は、(例えば、前記針遠位端が前記フローティングシールの近位にあるとき)、前記フローティングシールを通って(例えば、針遠位端が前記フローティングシール内に進入しているか突き刺されているとき)、及び/又はシリンジバレルの遠位端を通って、前記フローティングシールに向かって前記針を遠位方向に前進させるように構成されてもよい。
本明細書のいずれの実施形態においても、近位内腔及び遠位内腔は、前記シリンジバレル内で前記フローティングシールの異なる側に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、前記遠位内腔は流動性組成物(例えば、医薬品、薬物及び/又は塩水のような薬学的に許容される担体又は賦形剤)を含み、前記近位内腔はガス以外の流動性組成物を含まない。前記近位内腔は、無菌空気のような気体で予め充填されていてもよく、及び/又は前記針が前記シリンジバレル内に前進するとき及び/又は前記シリンジバレルを通ったときに、大気のような外部環境と連通してもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の実施形態に含まれる前記針は、付随的損傷を最小限に抑えながら、強膜及び/又は脈絡膜上腔などの組織への容易な貫通を可能にする斜角を備える。いくつかの実施形態において、本明細書で開示された針は、狭い内腔(例えば、30ゲージ、32ゲージ、34ゲージ、36ゲージなどのゲージサイズ以上)を画定して、針の挿入による針の軌跡の直径を最小限に抑えつつ、脈絡膜上腔への医薬品投与を可能にする。いくつかの実施形態において、本明細書に記載された針の内腔及び斜角のアスペクト比は、眼内注射に一般的に使用される標準的な27ゲージ及び30ゲージと同じであるか、又は異なる。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたデバイスは、医薬品(例えば、ゲルなど)を収容する医薬品容器を含むか、又はこれに結合されるように構成される。前記医薬品容器は、少なくとも部分的にシリンジバレルで形成されていてもよい。
いくつかの実施形態において、針は、例えばUS 9,180,047、US 9,539,139、US 9,572,800、US 9,636,253、US 9,636,332、US 9,770,361、US 9,937,075、US 10,555,833、及びUS 10,517,756で説明されたように、医薬品容器の遠位端に結合されている(例えば、シリンジの遠位端に針が配置されている)。他の実施形態において、本発明は、シリンジバレル内の作動部材に接続された針を利用する。いくつかの実施形態において、本明細書で開示された針は、シリンジバレル内に少なくとも部分的に配置される。いくつかの実施形態において、使用前に、針は、シリンジバレルの遠位端に露出していないし、シリンジバレルの遠位端に直接係合していない。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたデバイスは、前記針基部及び前記フローティングシールに係合するように構成されたエネルギー貯蔵部材(例えば、1つ以上のバネ)を含む。いくつかの実施形態において、前記エネルギー貯蔵部材の遠位端部は、前記シリンジバレル内に配置され、前記フローティングシールと直接又は間接的に係合するように構成される。いくつかの実施形態において、前記エネルギー貯蔵部材は、前記フローティングシールの近位端部に力を発生するように構成される。いくつかの実施形態において、前記針の遠位先端が明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管内に配置されている場合、この力は、フローティングシールを前記シリンジバレル内で移動させて、前記針を介して医薬品容器(例えば、流動性組成物内腔)から物質の少なくとも一部を送達するのに十分である。さらに、前記針の遠位先端が明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管の近く(例えば、上又は下)に配置されている場合、この力は、前記フローティングシールをシリンジバレル内で移動させるのに十分ではない。いくつかの実施形態において、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管は第1密度を有し、隣接する組織は第1密度よりも高い第2密度を有する。いくつかの実施形態において、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管が第1背圧を発生させ、隣接する組織が第1背圧よりも高い第2背圧を発生させる。
いくつかの実施形態において、前記針は前記フローティングシールに結合される。他の実施形態において、本発明は、近位端がシリンジバレル内の作動部材に結合された針を利用し、前記作動部材は別個に配置され、前記フローティングシールの近位にある。いくつかの実施形態において、本明細書で開示された針の近位端は前記フローティングシールに結合されない。いくつかの実施形態において、使用前に、前記針は、前記フローティングシールの遠位にあってもよいし、前記フローティングシールを通ってもよいが、前記針の近位端は、前記フローティングシールの遠位に保持され、前記フローティングシールに固定して組付けられていない。
いくつかの実施形態において、医薬品容器(例えば、液体を含む)は、近位シールと遠位シールとの間に配置され、各シールは、例えば、US 2020/0069883に記載されているように、シリンジバレル内で移動可能であり、当該文献は、参照によって、あらゆる目的のために本明細書に組み込まれている。これらのデバイスでは、近位シールの近位側の力が、液体を介して針に組付けられた遠位シールに伝達される。液体が一般的に非圧縮性であるので、施術者が過度の力を使用するか、又は近位シールに急激に力を加えると(例えば、近位シールに結合されたプラグを介して)、力が針に伝達される。液体は、力の衝撃を緩衝するためにほとんど圧縮性を提供しないため、針を深すぎるか突然挿入しすぎて、標的組織(例えば、脈絡膜上腔)及び/又は周囲組織に損傷を与えることがある。近位シール及び遠位シールの位置は注射中に観察され得るが、針のオーバーシュートを引き起こす可能性がある力が加えられると、前記力の衝撃を緩衝する能力が不足しているため、針の動きを止めるには遅すぎる可能性がある。
一方、本発明の他の実施形態において、フローティングシールとシリンジバレルの遠位端(前記遠位端はシリンジバレルに対して移動しない)との間に、医薬品容器(例えば、流動性組成物内腔)が配置される。いくつかの実施形態において、シリンジバレルの遠位端は遠位シールを含み、流動性組成物内腔はフローティングシールと遠位シールとの間に配置される。いくつかの実施形態において、針基部がフローティングシールに弾性的に接続されている(それによって、流動性組成物に接続されている)ので、弾性的接続は、施術者が正しい力を加え、その力の衝撃を緩衝するのに有利である。さらに、施術者は前記シリンジバレルに対して針底部を動かないように保持し、前記フローティングシールの動きを観察して、針が置かれた深さを評価することができる。流動性組成物と明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管との間の流体連通が確立され、流動性組成物内の圧力が明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管内の圧力よりも大きくなると、前記フローティングシールは、前記針及び前記針基部を移動させることなく、流動性組成物が組織内に入るのに伴って移動することができる。これにより、正確な針置きと安定した注射を実現することができ、針のオーバーシュートの機会を効果的に低減又は排除することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたデバイスは、互いに係合するコンポーネントを含む統合デバイスとして提供され、及び/又はパッケージ化される。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたデバイスは、使用前に施術者が1つ以上のコンポーネントを組み立てる必要がない。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたデバイスは、液体、溶液、懸濁液、ゲル、オイル、軟膏、エマルジョン、クリーム、フォーム、ローション、及び/又はペーストの形態の医薬品などの流動性組成物を含む、予め充填された医薬品容器(例えば、流動性組成物内腔)を含む。
流動性組成物には、液体(例えば、溶液、懸濁液など)又は半固体組成物(例えば、ゲル)が含まれ、これらは操作が容易であり、凝固する際に標的組織部位又はその近くで注入、成形及び/又は成型することができる。「流動性」とは、粘弾性やペースト状の材料のような高粘度の製剤、低粘度や水のようなコンシステンシーを有する製剤を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で開示された方法は、粘弾性材料(例えば粘弾性流体)を眼内、例えば眼の強膜と脈絡膜/毛様体との間に注射して、粘弾性材料を含む脈絡膜上腔を形成することを含む。いくつかの実施形態において、粘弾性流体は、粘性成分と弾性成分とで形成される非ニュートン流体、例えば溶媒と高分子材料との混合物である。本発明に利用可能な粘弾性材料の例としては、ヒアルロン酸ナトリウム、Provisc(ヒアルロン酸ナトリウムの特定部分である1%粘性透明材料)、Viscoat(ヒアルロン酸ナトリウムとコンドロイチン硫酸とを含む分散粘弾性材料)、Amvisc(ヒアルロン酸ナトリウムの精製部分)、Amvisc Plus(鶏のとさか由来の1.6%ヒアルロン酸ナトリウム製品)、コンドロイチン硫酸ナトリウム/ヒアルロン酸ナトリウム、DisCoVisc(コンドロイチン硫酸ナトリウム4%、ヒアルロン酸ナトリウム1.65%)が挙げられる。
様々な実施形態において、前記製剤の流動性は、組織部位の不規則性、隙間、亀裂、及び/又は空隙に適合することを可能にする。例えば、様々な実施形態において、前記製剤は、1つ以上の空隙を充填し、組織の空隙(例えば、明らかな組織の空隙)を拡張し、及び/又は潜在的な組織の空隙から組織の空隙を生成し、必要に応じて生成された空隙を拡張するために使用することができる。いくつかの実施形態において、前記流動性組成物は、水性媒体(例えば、体液、水など)と接触すると硬化して、薬物放出を制御するドラッグデポを形成してもよい。
いくつかの実施形態において、前記流動性組成物に治療薬(例えば、薬物)が添加される。特定の薬物及び薬物クラスの非限定的な例としては、β-アドレナリン受容体拮抗薬(例えば、カルテオロール、セタモロール、ベタキソロール、レボブノロール、メチプラノロール、チモロール)、縮瞳薬(例えば、ピロカルピン、カルバコール、フィゾスチグミン)、交感神経興奮薬(例えば、アドレナリン、ジピベフリン)、炭酸脱水酵素阻害剤(例えば、アセタゾールアミド、ドルゾラミド)、アンヒドラーゼ阻害剤(例えば、アセタゾラミド、ドルゾラミド)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、トポテカン、イリノテカン、カンプトテシン、ラメラリンD、エトポシド、テニポシド、ドキソルビシン、ミトキサントロン、アムサクリン)、プロスタグランジン、抗菌剤や抗真菌剤を含む抗菌化合物(例えば、クロラムフェニコール、クロルテトラサイクリン、シプロフロキサシン、フラマイセチン、フシジン酸、ゲンタマイシン、ネオマイシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、ポリミキシン、プロパミジン、テトラサイクリン、トブラマイシン、キノリン)、抗ウイルス化合物(例えば、アシクロビル、シドフォビル、イドクスウリジン、インターフェロン)、アルドースレダクターゼ阻害剤、抗炎症剤及び/又は抗アレルギー化合物(例えば、トリアムシノロン、ベタメタゾン、クロベタゾン、デキサメタゾン、フルオロメトロン、ハイドロコーチゾン、ブレドニゾロンなどのステロイド系化合物およびアンタゾリン、ブロムフェナク、ジクロフェナク、インドメタシン、ロドキサミド、サプロフェン、クロモグリク酸ナトリウムなどの非ステロイド系化合物)、人工涙液・ドライアイ治療、局所麻酔薬(例えば、アメトカイン、リグノカイン、オキシブプロカイン、プロキシメタカイン)、シクロスポリン、ジクロフェナク、ウロガストロン、上皮成長因子、散瞳薬、調節麻痺薬、マイトマイシンC、コラゲナーゼ阻害剤などの成長因子、およびペガグタニブナトリウム、ラニビズマブ、アフリベルセプト、ベバシズマブなどの加齢黄斑変性症の治療薬が挙げられる。
一実施形態において、前記治療薬は、インテグリンアンタゴニスト、セレクチンアンタゴニスト、接着分子アンタゴニスト(例えば、細胞間接着分子(ICAM)-1、ICAM-2、ICAM-3、血小板内皮接着分子(PCAM)、血管細胞接着分子(VCAM))、白血球接着誘導サイトカイン又は成長因子アンタゴニスト(例えば、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)、インターロイキン-1 β(IL-1 β)、単球走化タンパク質-1(MCP-1)又は血管内皮増殖因子(VEGF))である。いくつかの実施形態において、血管内皮成長因子(VEGF)阻害剤は、本明細書に記載されたマイクロニードルの1つと一緒に使用される。いくつかの実施形態において、2種の薬物は、本明細書に記載された方法によって送達される。この化合物は、1つの製剤で、又は2つの別個の製剤で連続的に投与されてもよい。例えば、VEGF阻害剤及びVEGFの両方が提供される。いくつかの実施形態において、VEGF阻害剤は、ヒト化モノクローナル抗体などの抗体である。さらなる実施形態において、VEGF抗体はベバマブである。別の実施形態において、VEGF阻害剤は、ラニビズマブ、アフリベルセプト、又はペガプタニブである。他の実施形態において、本明細書に記載されたデバイス及び方法は、以下のVEGFアンタゴニストの1つ又は複数を送達するために使用され得る。AL8326、2C3抗体、AT001抗体、HyBEV、ベバシズマブ(アバスチン)、ANG3070、APX003抗体、APX004抗体、ポナチニブ(AP24534)、BDM-E、VGX100抗体(VGX100 CIRCADIAN)、VGX200(c-fos 誘導性増殖因子モノクローナル抗体)、VGX300、COSMIX、DLX903/1008抗体、ENMD2076、スーテント(リンゴ酸スニチニブ)、INDUS815C、R84抗体、KD019、NM3、抗VEGF剤又は抗体と組み合わせた同種間葉前駆細胞、MGCD265、MG516、VEGF-受容体キナーゼ阻害剤、MP0260、NT503、抗DLL4/VEGF二重特異性抗体、PAN90806、パロミッド529、BD0801抗体、XV615、ルシタニブ(AL3810、E3810)、AMG706(モテサニブ二リン酸塩)、AAV2-sFLT01、可溶性Flt1受容体、セジラニブ(レセンチン)、AV-951(チボザニブ、KRN-951)、スチバーガ(レゴラフェニブ)、ボラセルチブ(BI6727)、CEP11981、KH903、レンバチニブ(E7080)、テラメプロコール(EM1421)、ラニビズマブ(ルセンティス)、ヴォトリエント(パゾパニブ塩酸塩)、PF00337210、PRS050、SP01(クルクミン)、オロチン酸カルボキシアミドトリアゾール、ヒドロキシクロロキン、リニファニブ(ABT869、RG3635)、イルビアン(フルオシノロンアセトニド)、ALG1001、AGN150998、DARPin MP0112、AMG386、ポナチニブ(AP24534)、AVA101、バルガテフ(ニンテダニブ)、BMS690514、KH902、ゴルバチニブ(E7050)、アフィニトール(エベロリムス)、乳酸ドビチニブ(TKI258、CHIR258)、ORA101、ORA102、アキシチニブ(インリタ、AG013736)、プリチデプシン(アプリジン)、メシル酸レンバチニブ、PTC299、アフリベルセプト(ザルトラップ、アイリーア)、ペガプタニブナトリウム(マクゲン、LI900015)、ビスダイン(ベルテポルフィン)、ブシラミン(Rimatil、Lamin、Brimani、Lamit、Boomiq)、R3抗体、AT001/r84抗体、トロポニン(BLS0597)、EG3306、バタラニブ(PTK787)、Bmab100、GSK2136773、抗VEGFRアルテラーゼ、アビラ(Avila)、CEP7055、CLT009、ESBA903、HuMax-VEGF抗体、GW654652、HMPL010、GEM220、HYB676、JNJ17029259、TAK593、XtendVEGF抗体、Nova21012、Nova21013、CP564959、スマート抗VEGF抗体、AG028262、AG13958、CVX241、SU14813、PRS055、PG501、PG545、PT1101、TG100948、ICS283、XL647、エンザスタウリン塩酸塩(LY317615)、BC194、キノリン、COT601M06.1、COT604M06.2、MabionVEGF、SIR-抗VEGF又はVEGF-R抗体に結合したスフィア、アパチニブ(YN968D1)、及びAL3818。さらに、本明細書で開示されたマイクロニードルデバイス及び方法を使用したVEGF阻害剤又はVEGFアンタゴニストの送達は、本明細書に記載された1つ以上の薬剤と組み合わせて、又は当分野で知られている他の薬剤と組み合わせてもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたシステム又はデバイスの1つ以上のコンポーネントは、互いに組み立てるように構成される。例えば、前記システム又はデバイスは、1つ以上のシリンジバレルを含んでもよい。
いくつかの実施形態において、前記システム又はデバイスは、第1シリンジバレルを含む第1シリンジユニット、第1シリンジバレル内の針基部、前記針基部に係合する針近位端及び針遠位端を含む針など、2つ以上のユニットを含んでもよい。いくつかの実施形態において、前記システム又はデバイスは、第2シリンジバレルを含む、前記第1シリンジユニットの遠位端に係合するように構成された第2シリンジユニットを含んでもよく、前記第2シリンジユニットは、第2シリンジバレルと、前記第2シリンジバレル内に位置するフローティングシールと、を含み、前記フローティングシールは、第1シリンジユニット及び第2シリンジユニットが係合するときに、前記針基部に弾性的に係合するように構成されている。いくつかの実施形態において、前記システム又はデバイスは、第2シリンジユニットの遠位端に係合するように構成された第3シリンジユニットを含み、前記第3シリンジユニットは、流動性組成物を封入した第3シリンジバレルを含み、前記針基部は、前記針を前進させて前記針近位端及び/又は針遠位端を流動性組成物中に配置するように構成されてもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記システム又はデバイスは、1つ以上のシリンジユニットを含んでもよく、任意選択で、第4シリンジユニットは、前記第3シリンジユニットの遠位端に係合するように構成されている。
いくつかの実施形態において、前記システム又はデバイスは第1シリンジユニットを含み、前記第1シリンジユニットは、第1シリンジバレルと、前記第1シリンジバレル内の、互いに弾性的に係合する針基部及びフローティングシールであって、前記針基部は前記フローティングシールの近位にある、針基部及びフローティングシールと、前記針基部に係合する針近位端及び針遠位端を含む針と、を含み、前記針は、(i)針遠位開口部と、(ii)前記針近位端と前記針遠位端との間の針本体開口部であって、前記針遠位開口部の近位にある針本体開口部と、(iii)前記針遠位開口部と前記針本体開口部とを接続する針本体通路と、を含む。いくつかの実施形態において、前記システム又はデバイスは第2シリンジユニットをさらに含んでもよく、前記第2シリンジユニットは、前記第1シリンジユニットの遠位端に係合するように構成され、流動性組成物を封入した第2シリンジバレルを含み、前記針基部は、前記針を前進させて前記針近位端及び/又は前記針遠位端を流動性組成物中に配置するように構成されてもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記デバイスは、1つ以上のシリンジユニットを含んでもよく、任意選択で、第3シリンジユニットは、前記第2シリンジユニットの遠位端部に係合するように構成されている。
いくつかの実施形態において、前記システム又はデバイスは第1シリンジユニットを含んでもよく、前記第1シリンジユニットは、第1シリンジバレルと、前記第1シリンジバレル内の針基部と、前記針基部に係合する針近位端及び針遠位端を含む針と、を含み、前記針は、(i)針遠位開口部と、(ii)前記針近位端と前記針遠位端との間の針本体開口部であって、前記針遠位開口部の近位にある針本体開口部と、(iii)前記針遠位開口部と前記針本体開口部とを接続する針本体通路と、を含む。いくつかの実施形態において、前記システム又はデバイスは第2シリンジユニットをさらに含んでもよく、前記第2シリンジユニットは、前記第1シリンジユニットの遠位端に係合するように構成され、第2シリンジバレルと、前記第1シリンジユニット及び前記第2シリンジユニットが係合するときに、針基部に弾性的に係合するように構成された第2シリンジバレル内のフローティングシールと、流動性組成物と、を含み、前記針基部は、前記針を前進させて、前記針近位端及び/又は前記針遠位端を流前記動性組成物中に配置するように構成されてもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、前記デバイスは、1つ以上のシリンジユニットを含んでもよく、任意選択で、第3シリンジユニットは、前記第2シリンジユニットの遠位端に係合するように構成されている。
いくつかの実施形態において、本発明は、遠位閉鎖端及び近位開放端を含むシリンジバレルと、作動部材(例えば、押え要素)及びフローティングシールを含む作動ユニット(例えば、弾性移動ユニット)であって、前記フローティングシールは前記シリンジバレル内に位置決めされ、作動部材(例えば、押え要素)に弾性的に係合可能である、作動ユニットと、前記作動部材(例えば、押え要素)に組付けられた中空穿刺針であって、針遠位開口部及び針本体開口部を含み、前記針本体開口部は前記フローティングシールの近位にある(前記針遠位開口部は前記フローティングシールの近位にあってもよく、例えば、前記針の全長は前記フローティングシールの近位にあり、又は、あるいは、前記針遠位開口部が前記フローティングシールの遠位にあるように、前記針は前記フローティングシールを通ってもよい)中空穿刺針と、前記シリンジバレルの遠位閉鎖端、シリンジバレルの内腔壁(例えば、シリンジバレルの一部)及び前記フローティングシールで形成される流動性組成物内腔(例えば、流体又はゲル用)と、を含む、医療穿刺デバイスを提供する。
いくつかの実施形態において、前記医療穿刺デバイスは、前記作動部材(例えば、押え要素)を押えることによって、前記中空穿刺針を前方に移動させるように構成されている。いくつかの実施形態において、前記中空穿刺針は、前記フローティングシール及び前記シリンジバレルの遠位閉鎖端を順次突き刺し、それによって、前記流動性組成物内腔、前記針本体開口部及び前記針遠位開口部を接続する。いくつかの実施形態において、前記中空穿刺針は前記フローティングシール内に予め挿入されている。例えば、前記針遠位開口部は前記フローティングシール内にあり、前記フローティングシールによって閉塞されてもよく、前記針は前記流動性組成物内腔を通って前進し、前記シリンジバレルの遠位閉鎖端を突き刺してもよい。いくつかの実施形態において、前記中空穿刺針は前記フローティングシールを通って予め挿入されている。例えば、前記針遠位開口部は、流動性組成物内腔内にあってもよい一方、前記針本体開口部は、前記フローティングシールの近位又はフローティングシール内にあってもよく(例えば、前記針本体開口部は、図3Eに示す、前記フローティングシールによって閉塞されてもよい)、その後、前記針は前進させて前記シリンジバレルの遠位閉鎖端を突き刺してもよい。いくつかの実施形態において、中空穿刺針は、フローティングシールを通ってシリンジバレルの遠位閉鎖端内に、又はシリンジバレルの遠位閉鎖端を通って予め挿入されている。例えば、前記針遠位開口部は、前記シリンジバレルの遠位閉鎖端の遠位シール内にあってもよく(例えば、前記針遠位開口部は前記遠位シールによって閉塞されてもよい)、又は前記遠位シール及び/又は前記シリンジバレルの遠位閉鎖端の遠位にあってもよい一方、前記針本体開口部は前記フローティングシールの近位(例えば、図3D、6b1参照)、前記フローティングシール内(例えば、前記針本体開口部は、図3D、6b2に示すように、前記フローティングシールによって閉塞されてもよい)、又は前記流動性組成物内腔内(例えば、図3D、6b3参照)であってもよく、その後、前記針は前進させて前記シリンジバレルの遠位閉鎖端を通して、組織を穿刺するために前記針遠位開口部を露出させてもよい。
任意選択で、前記医療穿刺デバイスは、前記流動性組成物内腔、前記針本体開口部、及び前記針遠位開口部が流体連通する状態を含む。例えば、流体連通状態では、前記針本体開口部は前記フローティングシールの近位にあってもよい一方、前記針遠位開口部は前記フローティングシールの遠位で、前記流動性組成物内腔内にあってもよい。流体連通状態では、前記針及び/又は前記フローティングシールは移動可能である。例えば、前記フローティングシールは、前記フローティングシールと前記作動部材(例えば、押え要素)との間の弾性の作用下で移動して、前記針本体開口部をシール又は遮断し、それによって、流動性組成物(例えば、ゲル)が前記針本体開口部及び/又は前記針遠位開口部から排出されるのを防止又は停止することができる。
任意選択で、流体連通状態では、前記フローティングシールは、前方に移動して前記シリンジバレル遠位閉鎖端に接触したときに、前記針本体開口部をシールし、それによって、流動性組成物(例えば、ゲル)が前記針本体開口部及び/又は前記針遠位開口部から排出されるのを防止又は停止することができる。
任意選択で、軸方向ストッパーのようなストッパーは、前記シリンジ内腔内で前記フローティングシールの遠位に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、ストッパーはフローティングシールの前方への移動を制限してもよい。いくつかの実施形態において、前記医療穿刺デバイスは、流動性組成物内腔が針本体開口部及び針遠位開口部に接続された流体連通状態を含む。前記医療穿刺デバイスが流体連通状態にあるとき、前記針本体開口部は前記ストッパーの遠位端にあってもよく(例えば、図2D)、前記フローティングシールは、前記作動部材(例えば、押え要素)との弾性的な係合により前方に移動してもよい。
任意選択で、前記医療穿刺デバイスは、フローティングシールに組付けられて、シリンジバレルの外側に延びる手動制御要素を含む。
任意選択で、前記医療穿刺デバイスは、中空穿刺針がシリンジバレル遠位閉鎖端を突き刺した後の予備穿刺状態、表面組織穿刺状態、及び穿刺後の流体連通状態を含む。予備穿刺状態、表面組織穿刺状態、及び流体連通状態では、シリンジバレル遠位閉鎖端の外側に延びる中空穿刺針の長さの範囲は、それぞれ、予備穿刺長さ範囲、表面組織穿刺長さ範囲、及び流体連通長さ範囲に対応してもよく、ここで、シリンジバレル遠位閉鎖端の外側に延びる中空穿刺針の長さが予備穿刺長さ範囲内にあるとき、前記針本体開口部は流動性組成物内腔の上方に維持され(例えば、前記針本体開口部はフローティングシールの近位でフローティングシール内にあり得る)、及び/又は、シリンジバレル遠位閉鎖端の外側に延びる中空穿刺針の長さが表面組織穿刺長さ範囲内にあるとき、前記針本体開口部の少なくとも一部は前記流動性組成物内腔に接続され、及び/又は、シリンジバレル遠位閉鎖端部の外側に延びる中空穿刺針の長さが流体連通長さ範囲内にあるとき、前記針本体開口部は前記流動性組成物内腔内に位置する。
任意選択で、前記シリンジバレル遠位閉鎖端には、軸方向に延びる円形接触要素が形成され、予備穿刺長さ範囲の上限と下限との差が前記円形接触要素の軸方向長さに等しい。
任意選択で、前記弾性移動ユニットは、前記中空穿刺針の外側を覆う弾性シースを含む。前記弾性シースは、前記針本体開口部が前記フローティングシールの近位にあるときに、前記針本体開口部をシールすることができる。いくつかの実施形態において、流動性組成物がゲルである場合、針本体開口部がフローティングシールの近位にあるときに、前記針本体開口部をシールする必要がない場合がある。
任意選択で、前記医療穿刺デバイスは、前記中空穿刺針のキャビティ(例えば、針遠位開口部及び/又は針本体開口部に接続された針本体通路)にカテーテルを通すためのカテーテル案内構造を含む。
任意選択で、前記カテーテル案内構造は、フローティングシール上に形成され、中空穿刺針に向かってある角度で延びる傾斜案内溝を含む。
任意選択で、前記傾斜案内溝は前記フローティングシールを前後方向に貫通するように設けられる。いくつかの実施形態において、前記カテーテル案内構造は、傾斜案内溝に埋め込まれて開閉可能な逆止弁、及び/又は前記傾斜案内溝に挿入された案内溝プラグをさらに含む。
任意選択で、前記傾斜案内溝は前記フローティングシールの上面に設けられ、非貫通溝である。
任意選択で、前記針本体開口部は後方に傾斜して開口する傾斜開口部として構成される。
任意選択で、前記カテーテル案内構造は、前記中空穿刺針の本体壁に形成され、後方に傾斜して開口する傾斜案内針穴を含む。いくつかの実施形態において、前記医療穿刺デバイスは、前記流動性組成物内腔が前記針本体開口部及び前記針遠位開口部に接続された流体連通状態を含む。流体連通状態では、前記傾斜案内針穴は前記フローティングシールの近位にある。
任意選択で、前記カテーテル案内構造は、前記傾斜案内針穴に埋め込まれて開閉可能な逆止弁、又は前記傾斜案内針穴に挿入された案内溝プラグをさらに含む。
任意選択で、前記カテーテル案内構造は、前記作動部材(例えば、押え要素)の近位面の中心に形成された穿刺可能な中央案内溝を含む。いくつかの実施形態において、針近位開口部は中空穿刺針に形成され、前記針近位開口部は中心案内溝と軸方向に位置合わせされるように設けられる。
任意選択で、前記医療穿刺デバイスは、独立して製造され形成された穿刺制御モジュール及び流体貯蔵モジュールを含み、前記穿刺制御モジュールは、第1シリンジユニットと、前記第1シリンジユニットの内部に形成された弾性移動ユニット及び中空穿刺針と、を含み、前記流体貯蔵モジュールは、第2シリンジユニットと、前記第2シリンジユニットのバレル内に形成された前記流動性組成物内腔と、前記第2シリンジユニットの近位に取り外し可能に包装されたモジュール包装コンポーネントとを含み、前記第1シリンジユニットと前記第2シリンジユニットとの間に取り外し可能な接続構造が形成される。
第2態様では、本発明は、医療装置アセンブリを提供する。いくつかの実施形態において、前記医療装置アセンブリは、カテーテルと、カテーテル案内構造を含む医療穿刺デバイスと、を含む。
任意選択で、前記医療装置アセンブリは、前記カテーテル案内構造と適合して使用される中空補助案内針をさらに含む。いくつかの実施形態において、前記補助案内針が前記カテーテル案内構造に接続されているとき、前記カテーテルは、前記補助案内針の針本体通路及びカテーテル案内構造を順次通り、前記中空穿刺針の針本体通路に通され得る。
いくつかの実施形態において、本発明の医療穿刺デバイスを使用する場合、ユーザは、最初に作動部材(例えば、押え要素)に圧力を加えて、中空穿刺針をフローティングシール及びシリンジバレル遠位閉鎖端を順次通すことができる。中空穿刺針の針遠位開口部が明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ系及び血管に到達したとき、前記針本体開口部は、流動性組成物内腔内に位置決めされ、前記フローティングシールは、前記作動部材(例えば、押え要素)に弾性的に係合している。いくつかの実施形態において、流動性組成物内腔内の流体圧力は、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内の圧力よりも高くてもよい。
このとき、流動性組成物内腔内の流体は、前記針本体開口部及び前記針遠位開口部を通って、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管に流入してもよい。流動性組成物内腔内の流体は、前記フローティングシールと前記作動部材(例えば、押え要素)との間の弾性的な係合によって、注射プロセス中に、前記作動部材(例えば、押え要素)の位置を維持するだけで、前記針本体開口部に流入し(次いで、前記針本体通路を通って、前記針遠位開口部から流出)、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管への注射、貫通及び/又は拡張を達成することができる。また、本明細書に記載の通り、本発明に記載された医療装置アセンブリは、医療穿刺デバイスを介して、例えば、カテーテル案内構造及び本明細書に記載の針のキャビティを介して、カテーテル及び他の医療デバイスのインプラントを達成することができる。
いくつかの実施形態において、前記中空穿刺針が明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管に突き刺される前に、前記針遠位開口部の外部圧力は、流動性組成物内腔内の流体圧力よりも高く、したがって、流体は前記針遠位開口部から流出することができない。したがって、フローティングシールが作動部材(例えば、押え要素)との弾性的な係合により前方に移動するか否かを観察することにより、中空穿刺針が明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管に突き刺されたか否かを判定することができ、これにより、正確な穿刺を確実にするために現在の穿刺深さを施術者にリマインドすることができる。流動性組成物内腔内の流体圧力の変化によって注射が制御されるので、注射プロセス中に施術者が推力や力を手動で加える必要がなく、それによって、流速の変動を防止することができ、安定した注射を実現することができる。
III.医療貫通のための方法
いくつかの実施形態において、本明細書では、例えば眼又は他の器官や組織に医療穿刺を行うための方法が記載される。
図1~図11Bに示すように、いくつかの実施形態において、本発明は、シリンジバレル1と、作動ユニット(例えば、針を押すための弾性移動ユニット)と、中空穿刺針6と、流動性組成物内腔7とを含む医療穿刺又は貫通デバイスを提供する。
いくつかの実施形態において、シリンジバレル1は、遠位閉鎖端と近位開放端とを含む。いくつかの実施形態において、シリンジバレル1は、軸方向に2つの開口端を有するように設計されてもよく、遠位端のシールは、シリンジバレル1の遠位開口部に遠位シール8を取り付けることによって達成され得る。いくつかの実施形態において、遠位シール8は、中空穿刺針6によって穿刺可能な材料、例えばゴムなどで製造されてもよい。
いくつかの実施形態において、作動ユニット(例えば、弾性移動ユニット)は、作動部材(例えば、押え要素)2と、フローティングシール3とを含み、フローティングシール3は、シリンジバレルの内壁にシールして係合し、軸方向に移動するように構成されていて、例えば、シリンジバレルの遠位端又は近位端に向かって移動する。いくつかの実施形態において、作動部材(例えば、押え要素)2又はその一部は、施術者が作動部材(例えば、押え要素)又はその一部を手動で押圧することができるように、シリンジバレルの近位開口部の外側に位置する。いくつかの実施形態において、フローティングシール3は、作動部材2に弾性的に係合し、作動部材2に圧力が加えられると、フローティングシール3は、作動部材(例えば、押え要素)に対して前方又は後方に移動可能である。いくつかの実施形態において、フローティングシール3は、シリンジバレルの遠位端に向かって移動するように構成されている。いくつかの実施形態において、フローティングシール3は、シリンジバレルの近位端に向かって移動するように構成されている。いくつかの実施形態において、作動部材(例えば、押え要素)のシリンジバレルに対する位置は静止したままであり、フローティングシール3は、作動部材(例えば、押え要素)との弾性的な係合により、弾性的に(例えば、遠位方向に)前方に移動するように構成されている。
いくつかの実施形態において、中空穿刺針6は、作動部材2に固定して接続されている。作動部材2に圧力が加えられていないとき、中空穿刺針6はフローティングシール3の近位に保持され、両者は接触しない。いくつかの実施形態において、中空穿刺針6自体は、針遠位開口部6a及び針本体開口部6bを含む。いくつかの実施形態において、針遠位開口部6a及び針本体開口部6bは、中空穿刺針6の針キャビティ又は針本体通路を介して接続されている。
いくつかの実施形態において、流動性組成物内腔7は、例えば、液体やゲルなどの医薬品及び他の流動性組成物を貯蔵するために使用される。いくつかの実施形態において、流動性組成物内腔は、シリンジバレルの遠位閉鎖端、シリンジバレルの内腔壁、及びフローティングシール3によって取り囲まれる、すなわち、流動性組成物内腔は、シリンジバレルの内腔の遠位部分を占める。いくつかの実施形態において、フローティングシール3は軸方向に移動可能であるので、流動性組成物内腔7は可変の体積を有するように構成され、フローティングシール3の軸方向の移動によって流動性組成物内腔7内の流体圧力が変化し得る。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示された医療穿刺デバイス2を使用することは、作動部材2に圧力を加えて、中空穿刺針6を遠位方向に前進させ、フローティングシール3(例えば、フローティングシールを穿刺するか、又はフローティングシールを貫通する従来の孔又はスリットを強制的に開口することにより)及びシリンジバレルの遠位閉鎖端(例えば、遠位閉鎖端を穿刺するか、又は遠位閉鎖端を貫通する従来の孔又はスリットを強制的に開口することにより)を順次通すことを含む。前記従来の孔又はスリットは、例えばフローティングシールの近位面からフローティングシールの遠位面までフローティングシールを通って、フローティングシールに貫通孔を設けてもよい。従来の孔又はスリットは、フローティングシール全体を通るのではなくてもよく、針遠位端を前進させてフローティングシールを通すことは、任意の適切な組み合わせで、従来の孔又はスリットを通して前進させることと、フローティングシールの一部を穿刺することとを含んでもよい。例えば、針遠位端は、まず、近位面から前進させて、従来の孔又はスリットを通り、次いで、フローティングシールの遠位面から露出する前にフローティングシールを穿刺することができ、その逆もまた同様である。いくつかの実施形態において、中空穿刺針6は、明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管内に突き刺され、それによって針遠位開口部6aは明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管内に配置される。いくつかの実施形態において、針本体開口部6bは、流動性組成物内腔7内に位置し、フローティングシール3は、作動部材2に弾性的に係合する。いくつかの実施形態において、流動性組成物内腔7内の流体圧力は、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内の圧力よりも高い。
このとき、流動性組成物内腔7内の流動性組成物は、針本体開口部6b及び針遠位開口部6aを通って、明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管に入ることができる。いくつかの実施形態において、ユーザは、注射プロセス中に、例えば、圧力をさらに増加させることなく、作動部材2での圧力を簡単に維持することができる。フローティングシール3と作動部材2との間の弾性的な係合によって、流動性組成物内腔7内の流動性組成物(例えば、溶液、懸濁液、又はゲル)は、針本体開口部6bに入り、針本体通路を通って、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管への注射、貫通及び/又は拡張を達成することができる。
いくつかの実施形態において、中空穿刺針6が明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管に突き刺される前に、針遠位開口部6aでの外部圧力は、例えば、針遠位開口部が明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管よりも緻密で、硬く、及び/又は変形しにくい組織に位置するため、流動性組成物内腔7内の流体圧力よりも高い。したがって、流動性組成物内腔内の流動性組成物は、針遠位開口部6aに存在し、周囲の組織に入ることができない。眼のSCSの穿刺プロセスを例にとると、中空穿刺針6は強膜13に突き刺されたが、SCS14に突き刺されていない場合、針本体開口部6bが流動性組成物腔7と流体連通しているか否かにかかわらず、針遠位開口部6aから流動性組成物が流出することはない。これは、強膜13が比較的緻密であり、針遠位開口部6aが強膜13内にあるとき、針遠位開口部6aに比較的高い外部圧力が加えられるためである。外部圧力は、流動性組成物内腔7内の流体圧力よりも高く、強膜のような緻密な組織は、実質的に流動性組成物の流出を阻止するプラグとして機能する。
いくつかの実施形態において、作動部材2が圧力下で静止しているときに、フローティングシール3が弾性的な係合により前方に移動するか否かを観察することにより、施術者は、中空穿刺針6が明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管に突き刺されたか否かを判断して、現在の針の深さ及び/又は針遠位開口部の位置を施術者に知らせ、針の正確な配置を保証することができる。いくつかの実施形態において、注射は流動性組成物内腔7内の流体圧力を変化させることによって制御され得るので、注射プロセスは、針先を前進させて明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内に正確に配置するために、比較的硬い媒体(例えば、固体又は液体)を介して伝達される力を手動で加える必要がない。むしろ、作動部材2とフローティングシール3との間の弾性的な係合により、作動部材2に加わる突発的な力を緩衝することができ、フローティングシールのより制御可能で安定した動きを可能にする。いくつかの実施形態において、本発明で開示されたデバイスを使用することにより、流速の変動を防止又は低減することができ、安定した注射を実現することができる。
いくつかの実施形態において、中空穿刺針6がシリンジバレルの遠位閉鎖端に突き刺されたとき、医療穿刺デバイスは、少なくとも3つの状態、すなわち、予備穿刺状態、表面組織穿刺状態、及び流体連通状態にあり得る。
いくつかの実施形態において、予備穿刺状態では、シリンジバレル遠位閉鎖端から延びる中空穿刺針6の長さの範囲は予備穿刺長さ範囲である。この範囲では、中空穿刺針6は、器官又は組織への穿刺を開始していない。
いくつかの実施形態において、本発明のシステム又はデバイスは、流動性組成物が予め充填された流動性組成物内腔を含む。いくつかの実施形態において、システム又はデバイスを使用する前に、針はフローティングシールを通っている。いくつかの実施形態において、システム又はデバイスを使用する前に、針は、フローティングシール及びシリンジバレル遠位端、例えばシリンジバレル遠位端をシールする遠位シールを通っている。
いくつかの実施形態において、流動性組成物は、比較的高い粘度、例えば、ゲル又はペースト状材料などの水のような稠度よりも高い粘度のものである。本発明の図面に示される弾性スリーブ又はシース4は、開口部が流動性組成物内腔内に位置するときに特に流動性組成物の粘度が針本体開口部及び/又は針遠位開口部からの排出を防止するのに十分である場合には、任意選択である。例えば、図3Aに示すように、針本体開口部6bがフローティングシールの近位にあり、針遠位開口部6aが流動性組成物内腔内にあるように、針はフローティングシールを通ってもよい。流動性組成物の針本体開口部からの排出は、組成物の粘性により防止することができ、弾性シースは任意選択である。あるいは、図3Bに示すように、針本体開口部6bは流動性組成物内腔内にあり、針遠位開口部6aは流動性組成物内腔外にあってもよい。針遠位開口部からの流動性組成物の排出は、針遠位開口部が明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管などの標的組織に到達するまで、組成物の粘度によって防止され得る。
いくつかの実施形態において、例えば、システム又はデバイスの使用前又は使用中に、針遠位開口部6aは、流動性組成物内腔外にあり、一方、針本体開口部6bは、フローティングシールの近位(例えば、図3C、6b1参照)又はフローティングシール内にあってもよい(例えば、図3C、6b2参照)。針遠位開口部からの流動性組成物の排出は、針遠位開口部が明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管などの標的組織に到達するまで、組成物の粘度によって防止され得る。
いくつかの実施形態において、例えば、システム又はデバイスの使用前又は使用中に、針遠位開口部6aは、シリンジバレル遠位閉鎖端の遠位シール内にあってもよく(例えば、針遠位開口部は、遠位シールによって閉塞されてもよい)、針本体開口部6bは、フローティングシールの近位(例えば、図3D、6b1参照)、フローティングシール内(例えば、図3D、6b2参照)、又は流動性組成物内腔内(例えば、図3D、6b3参照)にあってもよい。流動性組成物が針遠位開口部及び針本体開口部から排出されることを防止することができる。
いくつかの実施形態において、例えば、システム又はデバイスの使用前又は使用中に、針遠位開口部6aは流動性組成物内腔内にあってもよく、針本体開口部6bはフローティングシール内(例えば、図3E、6b1参照)又は流動性組成物内腔内(例えば、図3E、6b2参照)にあってもよい。流動性組成物が針本体開口部から排出されることを防止することができる。
いくつかの実施形態において、例えば、システム又はデバイスの使用前又は使用中に、針遠位開口部6aはフローティングシール内にあってもよく、針本体開口部6bはフローティングシールの近位にあってもよい(例えば、図3F、6b参照)。流動性組成物が針本体開口部から排出されることを防止することができる。
いくつかの実施形態において、表面組織穿刺状態では、シリンジバレル遠位閉鎖端から延びる中空穿刺針6の長さ範囲は、表面組織穿刺長さ範囲である。この範囲では、中空穿刺針6の遠位端は、表面組織には進入しているが(例えば、強膜13には突き刺されている)、明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管には進入していない(例えば、SCS14には突き刺されていない)。いくつかの実施形態において、表面組織が比較的緻密であるため、針遠位開口部6aでの外部圧力は、流動性組成物内腔7内の流体圧力よりも高く、従って、流動性組成物は、針本体開口部6bが流動性組成物内腔7に接続されているか否かにかかわらず、針本体開口部6bに入ったり、針遠位開口部6aから出たりしない。
いくつかの実施形態において、流体連通状態では、シリンジバレル遠位閉鎖端から延びる中空穿刺針6の長さ範囲は、流体連通長さ範囲である。この範囲では、中空穿刺針6の遠位端は、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管に突き刺されている。いくつかの実施形態において、デバイスは、流体連通状態において、流動性組成物内腔7内の流体圧力が、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内の圧力よりも高くなるように設計されてもよい。いくつかの実施形態において、流体連通状態では、針本体開口部6bは、流動性組成物内腔7内に位置決めされており、内部(例えば、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内)と外部(例えば、流動性組成物内腔7)の圧力の差により、内腔7内の流動性組成物は、針本体開口部6b、針本体通路を通って、次いで針遠位開口部6aを通って、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内に流入してもよい。
いくつかの実施形態において、フローティングシール3は、作動部材2との弾性的な係合により(例えば、流動性組成物内腔内の圧力が、明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内の針遠位開口部での背圧よりも高いため)、フローティングシールが針本体開口部6b(例えば、図4A~4B)をシールするまで、遠位方向に移動する。いくつかの実施形態において、針本体開口部の軸方向寸法はフローティングシールの厚さ以下である。いくつかの実施形態において、針本体開口部はフローティングシールによって完全にシール又は閉塞されてもよく、この場合、流動性組成物は、針遠位開口部6aから組織の空隙内に入ることはもはや存在しない。いくつかの実施形態において、フローティングシールが針本体開口部を閉塞しているとき、流動性組成物の全体積の一部のみが針遠位開口部6aから流出している(例えば、図4A参照)。いくつかの実施形態において、フローティングシールが針本体開口部を閉塞しているとき、内腔内の流動性組成物の全体積が針遠位開口部6aから流出している(例えば、図4B参照)。
いくつかの実施形態において、針本体開口部は、遠位シール内又は受験者の組織内にあってもよく、流動性組成物は、既存の針遠位開口部6aを止める(例えば、図4C参照)。いくつかの実施形態において、針遠位開口部6aと針本体開口部6bとの間の距離は一定に保持されてもよい。いくつかの実施形態において、針遠位開口部6aと針本体開口部6bとの間の距離は変化可能であってもよい。例えば、針遠位開口部6aと針本体開口部6bとの間に適切な距離を有する針は、アクセスされる組織の既知又は推定深さに基づいて選択されてもよい。いくつかの実施形態において、ストッパー1aは、シリンジ内腔内に配置され、所定の体積の注射のような正確な注射を可能にするために、フローティングシール3の前方への移動を制限するために使用され得る。
いくつかの実施形態において、フローティングシール3がストッパー1aに接触すると、フローティングシールのさらなる遠位に向かう移動が制限され、例えば図6~11Bに示すように、フローティングシール3を次の動作のために安定化させる。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたシステム又はデバイスは、2つ以上のフローティングシールを含む。例えば、図5Aに示すように、第1内腔は、フローティングシール3bとシリンジバレルの遠位シールとの間に形成され、第2内腔は、フローティングシール3aとフローティングシール3bとの間に形成される。いくつかの実施形態において、第1内腔及び第2内腔は、同じ流動性材料を含む。いくつかの実施形態において、第1内腔及び第2内腔は、異なる流動性組成物を含む。いくつかの実施形態において、第1内腔及び第2内腔は、同じ又は異なる流動性担体又は賦形剤中の同一の医薬品(例えば、医薬品有効成分)を含む。いくつかの実施形態において、第1内腔及び第2内腔は、同じ又は異なる流動性担体又は賦形剤中の異なる医薬品(例えば、医薬品有効成分)を含む。いくつかの実施形態において、第1内腔は、医薬品を含み、第2内腔は、塩水のような薬学的に許容される担体又は賦形剤を含み、その逆もまた同様である。
いくつかの実施形態において、第1内腔及び第2内腔内の流動性組成物は、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管内に順次送達されてもよい。いくつかの実施形態において、第1内腔及び第2内腔内の流動性組成物は、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管内に混合されてもよい。いくつかの実施形態において、第1内腔内の流動性組成物は、組織の空隙、キャビティ又は血管へのアクセス及び/又は拡張のために、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管内に入ってもよい。その後、第2内腔内の医薬品を含む流動性組成物は、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内に入ってもよい。例えば、図5Aに示すように、針遠位開口部6aが明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管内にあり、針本体開口部6bが第1内腔内(フローティングシール3bとシリンジバレルの遠位シールとの間)にあるとき、第1内腔内の流動性組成物は組織に送達される。図5Bにおいて、フローティングシール3bが遠位に移動し、針本体開口部6bが第2内腔(フローティングシール3aとフローティングシール3bとの間)に接触するとき、針遠位開口部6aは、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内で静止したままであってもよい。このようにして、第2内腔内の流動性組成物は、図5Cに示すように、一定の体積が送達され、及び/又はフローティングシール3a(又はフローティングシール3aとフローティングシール3bとが一緒に)が針本体開口部6bを閉塞するまで、組織への送達を開始する。いくつかの実施形態において、第1内腔内の流動性組成物が設定された(例えば、所定の)体積及び/又は第2内腔内の流動性組成物が設定された(例えば、所定の)体積は、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管に送達されてもよい。いくつかの実施形態において、第1流動性組成物(フローティングシール3bとシリンジバレルの遠位端シールとの間)及び第2流動性組成物(フローティングシール3bとフローティングシール3aとの間)が、針遠位開口部を通って、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管に順次連続的に送達され得るように、針本体開口部6bの針軸方向に沿った寸法はフローティングシール3bの厚さよりも大きい。いくつかの実施形態において、針本体開口部6bの針軸方向に沿った寸法は、フローティングシール3aとフローティングシール3bの厚さの合計以下である。いくつかの実施形態において、針本体開口部6bの針軸方向に沿った寸法は、フローティングシール3bの厚さよりも大きく、フローティングシール3aとフローティングシール3bの合計の厚さよりも小さい。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたシステム又はデバイスは、第3流動性組成物が第1流動性組成物の前、第2流動性組成物の後、又は第1及び第2流動性組成物の間で送達されるように、第3流動性シール3aの近位、第3流動性シール3bの遠位、及び/又はフローティングシール3aとフローティングシール3bとの間に、1つ以上の追加のフローティングシール(例えば、第3フローティングシール3c)を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたシステム又はデバイスは、2つ以上の針本体開口部を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたシステム又はデバイスは、2つ以上の針本体開口部及び2つ以上のフローティングシールを含む。例えば、図5Dに示すように、針遠位開口部6aが明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内にあり、針本体開口部6b1が第1内腔内(フローティングシール3bとシリンジバレルの遠位シールとの間)にあり、針本体開口部6b2がフローティングシール3bによって閉塞されているとき、第1内腔内の流動性組成物は組織に送達される。図5Eにおいて、フローティングシール3bが遠位方向に移動して針本体開口部6b1を閉塞しているときに、針遠位開口部6aは、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内で静止したままで、針本体開口部6b2が第2内腔(フローティングシール3aとフローティングシール3bとの間)に接触することを可能にする。このようにして、図5Fに示すように、第2内腔内の流動性組成物は、所定の体積が送達される、及び/又はフローティングシール3a(又はフローティングシール3aとフローティングシール3bとが一緒に)針本体開口部6b2(及び/又は針本体開口部6b1)を閉塞するまで、組織への送達を開始する。いくつかの実施形態において、第1内腔内の流動性組成物が設定された(例えば、所定の)体積及び/又は第2内腔内の流動性組成物が設定された(例えば、所定の)体積は、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管に送達されてもよい。いくつかの実施形態において、針本体開口部6b1と針本体開口部6b2との間の針軸方向に沿った距離は、第1流動性組成物(フローティングシール3bとシリンジバレルの遠位シールとの間)及び第2流動性組成物(フローティングシール3bとフローティングシール3aとの間)が、針遠位開口部を通って、明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管に順次連続的に送達され得るように、フローティングシール3bの厚さよりも大きい。いくつかの実施形態において、針本体開口部6b1と針本体開口部6b2との間の針軸方向に沿った距離は、フローティングシール3aとフローティングシール3bの厚さの合計以下である。いくつかの実施形態において、針本体開口部6b1と針本体開口部6b2との間の針軸方向に沿った距離は、フローティングシール3bの厚さよりも大きく、フローティングシール3aとフローティングシール3bとの合計の厚さよりも小さい。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたシステム又はデバイスは、第3流動性組成物が第1流動性組成物の前、第2流動性組成物の後、又は第1と第2流動性組成物の間で送達されるように、針本体開口部6b2の近位、針本体開口部6b1の遠位、及び/又は針本体開口部6b1と6b2の間に、1つ以上の追加の針本体開口部(例えば、第3針本体開口部6b3)を含む。
本明細書で開示された医療穿刺デバイスを使用して注射プロセスの終了を制御する複数の実施形態が以下に記載される。
いくつかの実施形態において、医療穿刺デバイスが流体連通状態にあるとき、フローティングシール3は、作動部材2に弾性的に係合して針本体開口部6bをシールするまで前進する。針本体開口部6bがシールされると、注射プロセスは終了する。いくつかの実施形態において、流動性組成物内腔7内の針本体開口部6bの軸方向位置は、医療穿刺デバイスの最大注射体積を制限する。いくつかの実施形態において、フローティングシール3によって針本体開口部6bが閉塞されているか又はシールされているとき、フローティングシール3はシリンジバレル遠位閉鎖端の壁に接触していない。いくつかの実施形態において、流動性組成物内腔7は完全に空ではなく、フローティングシール3とシリンジバレル遠位閉鎖端の壁との間に流動性組成物がまだ存在する。
いくつかの実施形態において、フローティングシール3は、流動性組成物内腔7を空にする必要がある場合に、フローティングシールがシリンジバレル遠位閉鎖端に接触したときに針本体開口部6bをシールするように設計されてもよい。いくつかの実施形態において、針本体開口部6bは、流動性組成物内腔7の遠位端に位置する。いくつかの実施形態において、フローティングシール3がシリンジバレル遠位閉鎖端の壁に接触し、針本体開口部6bがフローティングシール3及び/又はシリンジバレル遠位閉鎖端の壁によって閉塞されるか、又はシールされる。いくつかの実施形態において、流動性組成物内腔7は空になっており、フローティングシール3とシリンジバレル遠位閉鎖端部の壁との間に流動性組成物が存在しないか、又はほとんど存在しない。
いくつかの実施形態において、流動性組成物内腔7内の流動性組成物が、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内に徐々に進入するとき、流動性組成物内腔7内の流体圧力が、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内の圧力とバランスを取る状態が存在し得る。このとき、フローティングシール3は力のバランスにより移動しなくなる。注射を継続し、及び/又は流動性組成物内腔7を空にするために、フローティングシール3に追加の力を加えて、それをシリンジバレル遠位閉鎖端に向けて前方に移動させる必要がある。
例えば、図2A~2Eに示すように、シリンジバレル1の本体壁に、軸方向に延びる1つ以上の摺動溝(図示せず)が設けられていてもよい。摺動溝に適合するスライダは、作動部材2上に配置されてもよく(例えば、スライダは、作動部材2がシリンジバレル1の外側に延びる部分を含んでもよい)、それによって、作動部材2の近位端によって移動が制限されないので、作動部材2の移動距離又はストロークの上限を増加させ得る。フローティングシール3が力のバランス(例えば、流動性組成物内腔7と明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管との間の圧力)のためにこれ以上動くことができない場合、作動部材2のスライダにより大きな圧力を加えて、作動部材2を遠位端に向けて前進させることができ、これにより、フローティングシール3と作動部材2との間の弾性を高めて、力のバランスを崩し、フローティングシール3をシリンジバレルの遠位端に向けて前進させることができる。これにより、流動性組成物内腔7からより多くの流動性組成物を排出することができ、いくつかの実施形態において、流動性組成物内腔7を空にすることができる。
いくつかの実施形態において、他の駆動構造を使用して、フローティングシール3を、シリンジバレル遠位閉鎖端の壁に接触するまでさらに移動させてもよい。以下、例示的な駆動構造について説明する。
いくつかの実施形態において、医療穿刺デバイスは、施術者が片手又は両手を使用してフローティングシールの移動を手動で制御するように構成された要素を含む。いくつかの実施形態において、手動制御要素は、1本以上の指、例えば、シリンジバレルを把持する同じ手の1本の指を使用して移動することができる。いくつかの実施形態において、手動制御要素はフローティングシール3に固定され、部分的にシリンジバレルの外側に延びる。いくつかの実施形態において、明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管内に注射された流動性組成物の体積が目標体積に達しておらず、フローティングシール3が力のバランスによりもはや動かない場合、施術者は、シリンジバレルの外側に延びる手動制御要素の部分を動かすことによって、排出された流動性組成物の体積が目標体積に達するまで、フローティングシール3をさらに前進させるように駆動してもよい。いくつかの実施形態において、手動制御要素の使用は、流動性組成物内腔7を空にすることを容易にする。これらの実施形態は、流動性組成物内腔7を空にする必要がある場合に限定されない。
いくつかの実施形態において、医療穿刺デバイスは、体積を規定する流動性組成物の送達(例えば、注射によって)を正確に達成し、及び/又は送達される体積を制御することができる。いくつかの実施形態において、前記規定された体積は、送達前に予め設定された体積である。いくつかの実施形態において、規定された体積は、送達中に施術者が選択可能な複数の体積のうちの1つであり、送達される体積は、予め設定された体積とは異なるものであってもよい。いくつかの実施形態において、図1A~1E、図2A~2E、及び図11A~11Bに示すように、軸方向ストッパー1aは、シリンジ内腔内でフローティングシール3の遠位に配置され、フローティングシール3の前方への移動を制限する。いくつかの実施形態において、医療穿刺デバイスが流体連通状態にあるとき、針本体開口部6bは、軸方向ストッパー1aの遠位にあってもよく、フローティングシール3は、作動部材2に弾性的に係合して前方に移動してもよい。
いくつかの実施形態において、フローティングシール3は、軸方向ストッパー1aによって制限される位置に移動される。いくつかの実施形態において、フローティングシール3が軸方向ストッパー1aによって制限された位置に移動している間、流動性組成物内腔7内の圧力は、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内の圧力よりも小さくない。いくつかの実施形態において、フローティングシール3は、フローティングシール3と作動部材2との間の弾性復元力によって、軸方向ストッパー1aによって制限される位置まで前方に移動させてもよく、フローティングシール3を軸方向ストッパー1aによって制限される位置まで移動させるための追加の駆動構造又は力に頼る必要がない。
いくつかの実施形態において、フローティングシール3が、フローティングシールと作動部材2との間の弾性復元力によって軸方向ストッパー1aによって制限される位置に移動する前に、流動性組成物内腔7内の圧力が、明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管内の圧力と等しくなっている(すなわち、力のバランスのために、フローティングシール3が軸方向ストッパー1aに到達する前に移動しなくなる)。このとき、フローティングシール3と作動部材2との間の弾性復元力だけでは、フローティングシール3が軸方向ストッパー1aによって制限される位置まで前方に押し出されることはない。したがって、いくつかの実施形態において、1つ以上の追加の駆動構造又は機構を使用して、フローティングシール3をさらに前進させてもよい。例えば、追加の駆動構造又は機構は、本明細書で記載された手動制御要素を含んでもよい(例えば、図2A~2E参照)。いくつかの実施形態において、軸方向ストッパー1aは、設定された体積の流体注射を達成するための機構を提供する。
以下、本明細書で開示された医療穿刺デバイスの穿刺及び注射タイミングの複数の実施形態を説明する。
いくつかの実施形態において、医療穿刺デバイスが予備穿刺状態にあるとき、すなわち、シリンジバレル遠位閉鎖端から延びる中空穿刺針6の長さが予備穿刺長さ範囲内にあるとき(又は、中空穿刺針6がシリンジバレル遠位閉鎖端に突き刺されているが、器官又はその組織に穿刺され始めていないとき)、針本体開口部6bは、流動性組成物内腔7の上方(例えば、近位端)に保持される。このような構成により、針遠位開口部6aからの早期漏洩を防止することができ、医療穿刺デバイスの信頼性を向上させることができる。
いくつかの実施形態において、中空穿刺針6が組織を穿刺する前に、及び/又は針遠位開口部6aが明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管に到達する前の早期漏出を防止するために、対応する構造(1つ以上)をデバイス上に設けてもよい。例えば、軸方向に延びる円形接触要素1b(これは任意選択である)をシリンジバレル遠位閉鎖端に形成してもよい。いくつかの実施形態において、円形接触要素1bの軸方向長さは、中空穿刺針6の予備穿刺長さ範囲の上限と下限との間の差(すなわち、中空穿刺針6がシリンジバレル遠位閉鎖端に突き刺されるときと、器官又は組織に穿刺され始めるときとの間の針の予備穿刺長さの差)と同じに設定される。この設定では、中空穿刺針6の遠位端が円形接触要素1bの軸方向長さの範囲内にある限り、針遠位開口部6aで早期漏洩は発生しない。穿刺の際、円形接触要素1bは、医療穿刺デバイスを安定させるために、最初に器官又は組織の表面に接触し得る。その後、作動部材2に圧力を加えて穿刺操作を開始してもよい。
いくつかの実施形態において、医療穿刺デバイスが表面組織穿刺状態にあるとき、すなわち、シリンジバレル遠位閉鎖端から延びる中空穿刺針6の長さが表面組織穿刺長さ範囲内にあるとき(又は、中空穿刺針6の遠位端が表面組織に突き刺されているが、明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管に入っていないとき)、針本体開口部6bは、流動性組成物内腔7に少なくとも部分的に接続されている。いくつかの実施形態において、中空穿刺針6の遠位端が明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管に突き刺される前に、流動性組成物内腔7、針遠位開口部6a、及び針本体開口部6bの間に流体連通が確立される。いくつかの実施形態において、内腔7内の流動性組成物は、中空穿刺針6の針本体通路に(針本体開口部6bを通って)早期に入り、針本体通路内に存在する可能性のある空気の少なくとも一部を除去し、それによって明らかな、又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内に侵入する空気の量を減少させることができる。
いくつかの実施形態において、中空穿刺針6の遠位端が表面組織に突き刺され始めると、針本体開口部6bは流動性組成物内腔7への接続を開始する。いくつかの実施形態において、中空穿刺針6の遠位端が明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管に突き刺されるとき、中空穿刺針6の針本体通路はる流動性組成物で満たされており、それによって、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管への空気の侵入の可能性を排除又は低減す。
いくつかの実施形態において、医療穿刺デバイスが流体連通状態にあるとき、すなわち、シリンジバレル遠位閉鎖端から延びる中空穿刺針6の長さが流体連通長さ範囲内にあるとき(又は、中空穿刺針6の遠位端が明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管に突き刺されているとき)、針本体開口部6bは流動性組成物内腔7内に位置決めされており、針本体開口部6bで最大流量が達成され、それによって、注射速度が速まる。
本明細書で記載された実施形態は、単独で、又は任意の適切な組み合わせで実施され得る。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたデバイスは、針本体開口部6bを介した流体の逆流及び/又は逆流出を防止することができる。
いくつかの実施形態において、針本体開口部6bが依然としてフローティングシール3の近位端にある一方、針遠位開口部6bが流動性組成物内腔7に接続されている場合、針本体開口部6aからの流体の逆流及び/又は逆流出の危険性がある。いくつかの実施形態において、針本体開口部6bが依然としてフローティングシール3の近位端にある一方、針遠位開口部6aが明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内にある場合、流体の針本体開口部6bからの逆流及び/又は逆流出の危険性がある。いくつかの実施形態において、中空穿刺針6の外側を覆う弾性シース4は、作動ユニット(例えば弾性移動ユニット)内、例えば針基部とフローティングシール3との間に設けてもよい。いくつかの実施形態において、針本体開口部6bがフローティングシール3の近位にあるとき(例えば、針本体開口部6bが流動性組成物内腔7に接続されていないとき)、弾性シース4は針本体開口部6bのシールを維持し、流動性組成物の逆流及び/又は逆流出を効果的に回避し、フローティングシール3の近位領域の汚染を防止し、流体損失を低減し、製品の信頼性を向上させることができる。
いくつかの実施形態において、弾性シース4は、針本体開口部6bをシールするためには使用されず、単にフローティングシール3と作動部材2との間の弾性的な係合部として機能する。いくつかの実施形態において、作動部材2を前方に移動させることによって、フローティングシール3と作動部材2との間の弾性シース4が圧縮され、それによってフローティングシール3と作動部材2との間に弾性回復力が形成され、これにより、フローティングシール3を前方に駆動することができる。いくつかの実施形態において、フローティングシール3と作動部材2との間の弾性係合部は、フローティングシール3と作動部材2の軸方向両端にそれぞれ組付けられたバネ5を備えるか、又はバネ5とすることができる。バネの一方又は両方の端での取り付けは、直接又は間接的に行うことができる。バネの一方又は両方の端の取り付けは、放出可能又は放出不可能にすることができる。バネ、フローティングシール、及び作動部材(例えば、押え要素)は、別々に製造され、その後、任意の適切な順序で組み立てられ得る。あるいは、バネ、フローティングシール及び作動部材(例えば、押え要素)のうちの任意の2つ以上を、一体に、例えば、ワンピースにしてもよい。バネ5及び弾性シース4は、個別に実施してもよく、組み合わせて実施してもよい。
いくつかの実施形態において、フローティングシール3と作動部材2との間の弾性的な係合は、1つ以上の弾性的な係合パーツを設けることに加えて、他の方法によって達成されてもよい。例えば、フローティングシール3及び作動部材2は、ワンピース一体型作動ユニット(例えば、弾性移動ユニット)として配置されてもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示された医療穿刺デバイスを使用して、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ系、及び血管にインプラントするためのデバイス及び方法が提供される。理解を容易にするために、カテーテルはインプラント医療デバイスの例として使用される。いくつかの実施形態において、本明細書で開示された方法は、カテーテル案内構造を使用して、カテーテル11を中空穿刺針6の針本体通路内に案内することを含む。いくつかの実施形態において、本明細書で開示された医療穿刺デバイス内にカテーテル案内構造が提供される。
いくつかの実施形態において、図6~8に示すように、カテーテル案内構造は、フローティングシール3内に設けられるか、又はそれに係合し、中空穿刺針6に向かって角度を持って延びる傾斜案内溝3aを備えている。いくつかの実施形態において、流動性組成物は、流動性組成物内腔7、針本体開口部6b、及び針遠位開口部6aが接続されている場合、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管に入って拡張させることができる。いくつかの実施形態において、カテーテル11は、傾斜案内溝3a、針本体開口部6b、中空穿刺針の針本体通路6、及び針遠位開口部6aを通って、拡張させた明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内にインプラントされてもよい。
なお、傾斜案内溝3aは、フローティングシール3を近位/遠位方向に貫通する溝としてもよいし、フローティングシール3の近端面に形成された非貫通溝としてもよい。
いくつかの実施形態において、傾斜案内溝3aは貫通溝である。いくつかの実施形態において、カテーテル案内構造は、傾斜案内溝3a内に配置されるか又はこれに係合する弁9をさらに含み、この弁は、開閉可能に構成された逆止弁であってもよい。いくつかの実施形態において、弁は、弁を開閉するように構成された複数のリーフレットを含む。いくつかの実施形態において、外力が存在しない場合、逆止弁9は閉じられ、流動性組成物内腔7内の流動性組成物が弁を通って漏れるのを防止する。いくつかの実施形態において、開弁力が存在する場合、カテーテル11が開弁を通って針本体開口部6bを貫通するように、弁の複数のリーフレットを強制的に開弁させることができる。いくつかの実施形態において、カテーテル案内構造は、傾斜案内溝3aに取り外し可能に挿入されるように構成された案内溝プラグをさらに含み、カテーテル11をインプラントされる必要があるときに、案内溝プラグを引き抜いてもよい。
いくつかの実施形態において、傾斜案内溝3aは非貫通溝である。いくつかの実施形態において、傾斜案内溝は、植え込まれるカテーテル11によって直接穿刺される。いくつかの実施形態において、傾斜案内溝は、カテーテル以外の突き刺しコンポーネントによって穿刺され、カテーテル11は、穿刺開口部を通って針本体開口部6bに入ることができる。
いくつかの実施形態において、傾斜案内溝3aの案内方向を一致させるために、針本体開口部6bは、針本体開口部6bが傾斜案内溝3aと位置合わせするように後方に傾斜して開いた傾斜開口部として設けられてもよく、それによって、傾斜案内溝を通って針本体開口部内に入るようにカテーテル11を正確に案内する。
いくつかの実施形態において、例えば、図9及び図10に示すように、カテーテル案内構造は、中空穿刺針6の本体壁に形成又は配置され、後方に向かって傾斜して開口する傾斜案内針穴6cを含む。いくつかの実施形態において、例えば、医療穿刺デバイスが流体連通状態にあるとき、傾斜案内針穴6cは、フローティングシール3の近位に維持される。いくつかの実施形態において、カテーテル11は、傾斜案内針穴6cを通って中空穿刺針6の針本体通路に貫通してもよい。いくつかの実施形態において、カテーテル11は、針遠位開口部6aを通って、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管(又は、流動性組成物で拡張させた明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管)にインプラントされてもよい。
いくつかの実施形態において、カテーテル案内構造は、傾斜案内針穴6cに配置された、又はこれに係合する弁9をさらに含んでいてもよく、この弁は、開閉可能に構成された逆止弁であってもよい。いくつかの実施形態において、弁は、弁を開閉するように構成された複数のリーフレットを含む。いくつかの実施形態において、外力が存在しない場合、逆止弁9は閉じられ、流動性組成物内腔7内の流動性組成物が弁を通って漏れるのを防止する。いくつかの実施形態において、開弁力が存在する場合、カテーテル11が、開弁及び傾斜案内針穴6cを通って針本体通路に貫通するように(この通路は、針本体開口部6bと針遠位開口部6aとを接続する針本体通路に接続されても、針本体通路から分離されてもよい)、弁の複数のリーフレットは強制的に開かれてもよい。いくつかの実施形態において、カテーテル案内構造は、傾斜案内針穴6cに取り外し可能に挿入されるように構成された針穴プラグ10をさらに含み、針穴プラグ10は、カテーテル11のインプラント操作を開始するために引き抜かれてもよい。いくつかの実施形態において、案内針穴6cは、針遠位開口部6aに接続される。針遠位開口部6aと針本体開口部6bとを接続する針本体通路は、針遠位開口部6aと案内針穴6cとを接続する針本体通路と同一であってもよいし、離れていてもよい。いくつかの実施形態において、案内針穴6cは、針本体開口部6bに接続された針遠位開口部6a以外の針遠位開口部に接続される。針本体開口部6bを針遠位端に接続する針本体通路は、案内針穴6cを針遠位端に接続する針本体通路と完全に分離してもよい。針本体開口部6bを針遠位端に接続する針本体通路は、案内針穴6cを針遠位端に接続する針本体通路と少なくとも部分的に重なり合うか、又は流体連通してもよい。
いくつかの実施形態において、例えば、図11A~11Bに示すように、カテーテル案内構造は、作動部材2の近位面に形成又は配置された中央案内溝2cを含む。いくつかの実施形態において、中心案内溝2cは、孔を含むか、又は、作動部材2の近位面の中心に孔を形成してもよい。いくつかの実施形態において、中央案内溝2cを穿刺して孔を設けてもよい。いくつかの実施形態において、針近位開口部は、中空穿刺針6上に配置され、軸線に沿って中心案内溝2cと位置合わせされる。いくつかの実施形態において、カテーテル11をインプラントする必要があるとき、中央案内溝2cを穿刺することができ、カテーテル11は、中央案内溝2cの穿刺開口部及び中空穿刺針6の針近位開口部を通って針本体通路(この通路は、針本体開口部6bと針遠位開口部6aとを接続する針本体通路に接続されても、針本体通路から分離してもよい)に貫通することができる。いくつかの実施形態において、カテーテル11は、針遠位開口部6a又は異なる針遠位開口部などの針遠位開口部を通って、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管(又は、流動性組成物で拡張させた明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管)にインプラントされてもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書では、本明細書で開示されている医療穿刺デバイスを形成するように組み立てられるように構成されたコンポーネントを含むキットが開示されている。
いくつかの実施形態において、医療穿刺デバイスを組み立てるためのキットは、穿刺制御モジュールと、流動性組成物貯蔵モジュール(例えば、流体貯蔵モジュール)とを含む。いくつかの実施形態において、穿刺制御モジュール及び流動性組成物貯蔵モジュールは、独立して製造及び/又は提供される。いくつかの実施形態において、穿刺制御モジュールは、第1シリンジユニットと、作動ユニット(例えば、弾性移動ユニット)と、第1シリンジユニットのシリンジバレル内に配置された中空穿刺針6とを含む。本明細書で開示された実施形態に基づいて、穿刺制御モジュールは、弾性シース4及びバネ5のような他のパーツ又はコンポーネントをさらに含んでもよいことが分かる。いくつかの実施形態において、流体貯蔵モジュールは、第2シリンジユニットと、第2シリンジユニットのシリンジバレル内に形成された流動性組成物内腔7と、第2シリンジユニットの近位端に取り外し可能に配置されたモジュール包装コンポーネントとを含む。いくつかの実施形態において、第1シリンジユニットと第2シリンジユニットとの間に取り外し可能な接続構造が形成される。いくつかの実施形態において、第1シリンジユニット及び第2シリンジユニットは、互いに接続された後にシリンジバレル1を形成する。本明細書で開示された実施形態に基づいて、流体貯蔵モジュールが遠位シール8などの他のパーツをさらに含んでもよいことが分かる。
いくつかの実施形態において、穿刺制御モジュール及び流体貯蔵モジュールは、別々に製造、組み立て、及び/又は包装することができ、その後、相互に、及び任意選択で他のモジュール、コンポーネント、及び/又はパーツとともに組み立てて、本明細書で開示された医療穿刺デバイスにすることができる。いくつかの実施形態において、モジュール包装コンポーネントは、流動性組成物内腔7の近位端をシールするために使用される。いくつかの実施形態において、穿刺制御モジュール及び流体貯蔵モジュールを組み立てるときに、モジュール包装コンポーネントを取り除いてもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書では、医療装置アセンブリ及びそれを含むシステムが提供される。図7及び図11A~11Bに示すように、いくつかの実施形態において、医療装置アセンブリは、カテーテル11と、本明細書で開示されたカテーテル案内構造を含む医療穿刺デバイスとを含む。いくつかの実施形態において、カテーテル11は、医療穿刺デバイスを介して、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内にインプラントされてもよい。本明細書に記載された医療装置アセンブリは、医療穿刺デバイスによって提供されるすべての技術的効果を有し得る。
いくつかの実施形態において、医療装置アセンブリは、カテーテル案内構造と適合して一緒に使用される中空補助案内針12を含む。いくつかの実施形態において、補助案内針12の針本体通路は、カテーテル11を収容し、カテーテルの貫通を可能にするのに十分な大きさの直径を有する。いくつかの実施形態において、カテーテル11をインプラントする操作中に、カテーテル11が、補助案内針12の針本体通路、カテーテル案内構造、中空穿刺針6の針本体通路を順次通過し、次いで、針遠位開口部6aを通って、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管に入るように、補助案内針12はカテーテル案内構造に接続される。いくつかの実施形態において、カテーテルをインプラントする前に、本明細書で開示された医療穿刺デバイスを使用して、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管を流動性組成物で拡張させる。いくつかの実施形態において、本明細書で開示された医療穿刺デバイスを使用して、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管を流動性組成物で拡張させるとき、カテーテルはインプラントされる。いくつかの実施形態において、本明細書で開示された医療穿刺デバイスを使用して、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管を流動性組成物で拡張させる前に、カテーテルはインプラントされる。
いくつかの実施形態において、図7に示すように、カテーテル案内構造は、貫通傾斜案内溝3aと、傾斜案内溝3aに埋め込まれて開閉可能な逆止弁9とを含む。いくつかの実施形態において、針本体開口部6bは、後方に傾斜して開口する傾斜開口部として設けられる。いくつかの実施形態において、カテーテル11がインプラントされるとき、補助案内針12は逆止弁9を開くために使用され、補助案内針が傾斜案内溝3a内に位置決めされることを可能にする。いくつかの実施形態において、補助案内針12の遠位端は針本体開口部6b内に前進され、カテーテル11は、補助案内針12の針本体通路、中空穿刺針6の針本体通路、針遠位開口部6aを順次通過し、次いで、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内にインプラントされてもよい。
いくつかの実施形態において、図11A~11Bに示すように、カテーテル案内構造は、中央案内溝2cを含む。いくつかの実施形態において、針近位開口部は中空穿刺針6に形成され、その軸線に沿って中心案内溝2cと位置合わせされる。いくつかの実施形態において、カテーテル11をインプラントするとき、補助案内針12が中空穿刺針6の近位開口部と軸方向に位置合わせされるように、中央案内溝2cは補助案内針12によって穿刺され得る。いくつかの実施形態において、カテーテル11は、補助案内針12の針本体通路と中空穿刺針6の近位開口部とを順次通って、中空穿刺針6の針本体通路内に前進され、次いで、針遠位開口部6aなどの針遠位開口部を通って、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内にインプラントされる。
いくつかの実施形態において、本明細書では、近位端及び遠位端を含むシリンジバレルと、前記シリンジバレル内のフローティングシールと、フローティングシールの近位にある針基部と、フローティングシールと針基部の間のピストンロッドであって、針基部とピストンロッドが互いに弾性的に係合するピストンロッドと、針基部に係合する針近位端及び針遠位端を含むピストンロッド内の針と、を含み、前記針は、(i)針遠位開口部と、(ii)前記針近位端と前記針遠位端との間の針本体開口部であって、前記針遠位開口部の近位にある針本体開口部と、(iii)前記針遠位開口部と前記針本体開口部とを接続する針本体通路と、を含み、前記針基部は、前記ピストンロッドを通って、前記フローティングシールに向かって、及び/又は、前記フローティングシールを通るように、前記針を遠位方向に前進させるように構成されている。
いくつかの実施形態において、フローティングシールはピストンロッドの遠位端に固定して組付けられてもよく、シリンジバレルの内面と摺動・シール係合を形成してもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、針基部は作動部材(例えば、押え要素)に固定して係合し、バネは作動部材とピストンロッドに係合し、それによって、針基部とピストンロッドとの間に弾性的な係合を提供することができる。
いくつかの実施形態において、針遠位開口部が組織内、又は明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内に位置している場合、針本体開口部よりも高い圧力が針遠位開口部に与えられると、フローティングシールを遠位方向に移動させることなく、ピストンロッドを遠位方向に向けて前進させてフローティングシールを通過させることができる。いくつかの実施形態において、組織の抵抗又は組織の圧力は、流動性組成物を針遠位開口部から組織内に注射することを許容せず、フローティングシール(及びフローティングシールを有する実施形態におけるピストンロッド)は、針が押え軸からの力によって遠位方向に前進することができても、バネからの力によって遠位方向に移動しない。例えば、組織の圧力が注射を許容しない場合、針の針遠位開口部は組織内にあり、一方、針本体開口部はフローティングシールの遠位にあり、流動性組成物と接触してもよい。針がさらに前進するとき、フローティングシールは、針遠位開口部が明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管に達するまで、その軸方向の位置を維持することができる。
いくつかの実施形態において、針遠位開口部が組織内、又は明らか又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内にあるときに、フローティングシールは、針本体開口部よりも低い圧力を針遠位開口部に提供するように、遠位方向に移動してもよい。いくつかの実施形態において、組織の抵抗又は組織の圧力は、流動性組成物を針遠位開口部を通して組織内に注射することを可能にし、フローティングシール(及びフローティングシールを有する実施形態におけるピストンロッド)は、バネからの力によって遠位方向に移動し、針は遠位方向に前進する必要がない。例えば、組織の圧力が注射を可能にする場合、針の針遠位開口部は、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管内にあり、一方、針本体開口部は、フローティングシールの遠位にあり、流動性組成物と接触する。フローティングシールは遠位方向に移動可能であり、針が遠位方向にさらに前進することなく、流動性組成物が針遠位開口部から排出され得る。
いくつかの実施形態において、本明細書では、本明細書に記載されたデバイスを使用して医療貫通を行うための方法が提供される。いくつかの実施形態において、図17Aに示すように、予め組み立てられたデバイスが提供される。いくつかの実施形態において、予め組み立てられたデバイスのハウジングを回転させることで、シリンジをデバイスの本体から分離することができる。いくつかの実施形態において、シリンジの近位部は、ハウジングの遠位部とねじ係合をされてもよい。例えば、シリンジの近位部は、図17Bに示すように、ハウジングの遠位部の外面のねじ山に係合するように構成された、その内面にねじ溝を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、シリンジが分離された後、ピストンロッドの近位端が露出される。ハンドルは、例えば、図17Cに示すように、ピストンロッドの近位端とのねじ係合によって、ピストンロッドに組付けられてもよい。いくつかの実施形態において、アダプタ針が封入されたアダプタをシリンジに組付けてもよい。いくつかの実施形態において、アダプタは遠位開口部及び近位開口部を含む。いくつかの実施形態において、シリンジの遠位端(例えば、遠位シールが組付けられている)がアダプタの近位開口部に挿入されて、アダプタ針はシリンジに組付けられている遠位シールに接触する。いくつかの実施形態において、アダプタ針の近位端はシリンジに組付けられている遠位シールを通って、アダプタ針の近位開口部がシリンジの内腔内にあるようにする。いくつかの実施形態において、流動性組成物(例えば、薬物組成物)を収容する容器又はその一部が、アダプタ針を容器に接触させるようにアダプタの遠位開口部に挿入される。いくつかの実施形態において、アダプタ針の遠位端は、アダプタ針の遠位開口部が容器内にあり、流動性組成物とシリンジの内腔との間の流体連通が確立され得るように、容器内に挿入される。いくつかの実施形態において、ハンドルを引いてピストンロッドを近位方向に移動させ、アダプタ針を介して流動性組成物をシリンジの内腔に吸引し、ハンドルを押してピストンロッドを遠位方向に移動させることにより、不要なガスを排出することができる。図17Dに示すように、ハンドルを引くこと及び/又は押すことにより、ピストンロッドの遠位端及びシリンジ内のシールを、シリンジ内の流動性組成物の適切な体積、例えば0.1ml又は0.05mlを設定する位置に配置することができる。その後、ハンドルをピストンロッドから、アダプタをシリンジからそれぞれ取り外すことができる。流動性組成物を内部に有するシリンジは、例えばシリンジ針(例えば、図17Bに示す6)をピストンロッド(例えば、図17Dに示す15)内に挿入することにより、デバイス本体に接続することができ、その結果、図17Eに示すように、ピストンロッドをハウジング内のカテーテル内に挿入し、シリンジの近位端をハウジングの遠位部にねじ止めする。いくつかの実施形態において、制御ノブを回して押え軸を遠位方向に前進させてもよく、それにより、押え軸に組付けられたシリンジ針は、シリンジ内のシールに向かって及び/又はそれを通って遠位方向に前進する。図17Fに示すように、シリンジ針はさらに前進してシール先端を通って、眼の強膜に突き刺されてもよい。いくつかの実施形態において、強膜が緻密な組織であるため、シリンジ針の遠位開口部での圧力は、シリンジ針の本体開口部での圧力よりも大きく、前記本体開口部は、シリンジ内の流動性組成物と流体連通してもよく、この場合、シリンジ針は、シリンジ内のフローティングシールの位置を変えることなく、強膜内でさらに前進させてもよい。いくつかの実施形態において、施術者がシリンジ針を前進させるために押え軸を押すと、シリンジ内のフローティングシールの位置が監視される。一旦、シリンジ針の遠位開口部が強膜の外側にあり、脈絡膜/毛様体内に入ると、シリンジ針の遠位開口部での圧力が低下し、シリンジ針の本体開口部での圧力が、流動性組成物を針本体通路を通してシリンジ針の遠位開口部から排出するように駆動し、流動性組成物を含む脈絡膜上腔を生成し、拡張させることができる。シリンジ内の流動性組成物の一部が排出されるので、シール(ピストンロッドと一緒に)はシリンジ内のより遠位に移動される。したがって、施術者は、シールの動きを観察することによって、シリンジ針の遠位開口部が第1組織から離れて、密度の小さい第2組織に到達した、例えば、強膜から脈絡膜/毛様体に入ったか否かを判断することができる。いくつかの実施形態において、シールが移動し、予め設定された体積マーク又は指示線(例えば、0.1ml又は0.05ml)を通過すると、シリンジ針の遠位方向への前進は停止する。
いくつかの実施例では、例えば図17A~17Fに示すように、シリンジは、流動性材料又は組成物を予め充填せず、組織内又明らかな又は潜在的は組織の空隙、キャビティ、又は血管内に送達する前に、流動性材料又は組成物は容器からシリンジ内に吸引される。
いくつかの実施例では、例えば図20A~20Bに示すように、本明細書で開示されたデバイスのシリンジは、流動性材料又は組成物で予め充填されていてもよい。いくつかの実施形態において、シリンジ(例えば、図16に示すシリンジ1)は、1つ以上のパーツで使用できる。いくつかの実施形態において、例えば図20A~20Bに示すように、容器(例えばシリンジユニット)は、固定シール(容器の遠位端で容器に固定可能であり、針を通して通過可能である)とフローティングシール(容器内を移動可能であり、針を通して通過可能である)とにシールして係合する筒状壁を含んでもよく、筒状壁、固定シール及びフローティングシールによって囲まれた空間は、流動性材料又は組成物で予め充填されていてもよい。いくつかの実施形態において、前記デバイス又はシステムは、第1シリンジユニットを含んでもよく、前記容器は、前記第1シリンジユニットの遠位端に係合するように構成された第2シリンジユニットであってもよい。流動性材料又は組成物を容器(例えば、シリンジユニット)に充填する前又は後に、容器(例えば、シリンジユニット)をデバイス本体(例えば、第1シリンジユニット)に挿入又は組付けてもよい。いくつかの実施形態において、容器(例えば、シリンジユニット)内のフローティングシールは、ピストンロッドの遠位端に接触して、ピストンロッドとフローティングシールとの間に係合を確立してもよく、このバネからはフローティングシールに力が伝達される。容器(例えば、シリンジユニット)遠位端での固定シールは、デバイス遠位端での接触要素と接触してもよく、接触要素は、図20Aに示すように、シリンジの遠位シールとしてもよい。いくつかの実施形態において、容器(例えば、シリンジユニット)の固定シールは、例えば、図20Bに示すように、シリンジの遠位シール及び/又は接触要素としても使用される。いくつかの実施形態において、容器(例えば、シリンジユニット)は、例えば図20A~20Bに示すように、シリンジバレル内に少なくとも部分的に挿入されるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、固定シールは容器(例えばシリンジユニット)にシールして係合し、容器は次に注射器バレルの内壁に係合する。いくつかの実施形態において、固定シールは、容器(例えば、シリンジユニット)とシリンジバレルの内壁の両方にシールして係合する。容器(例えば、シリンジユニット)とシリンジバレルとの間の係合、及び固定シールと容器壁との間の係合は、例えば、挿入、ねじ係合、非ねじ係合、クリップによる係合、グランドによる係合、又はこれらの任意の組み合わせによる任意の適切な係合を含んでもよい。
IV. 眼からのレナージのための方法及びデバイス
本明細書で開示された任意のシステム及びデバイスは、シャントを眼内に配置するために使用されてもよく、シャントを眼内に配置することは、針を眼内に挿入して、眼内の目標流出領域で終端する送達通路を眼内に形成するステップ(a)と、流動性組成物を前記針による送達により、前記目標流出領域内に拡張空間を形成するステップ(b)と、シャント(例えば、マイクロシャント)の流入端を眼の前房に位置決めし、シャントの流出端を前記拡張空間に位置決めするステップであって、前記シャントは、前記針に放出可能に結合される、ステップ(c)と、前記シャントから前記針を放出するステップ(d)と、を含み、これにより、前記シャントを眼中に配置し、前記前房と前記目標流出領域との間の流体連通を提供する。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたシャントは、任意の適切な材料を含んでもよい。シャントを製造するための材料は、医療用ステンレス鋼、チタン又はチタン合金、ニッケルチタン合金、TPU(熱可塑性ポリウレタン)、e-PTFE(発泡ポリテトラフルオロエチレン)、シリカゲル、ヒドロゲル、PES(ポリエーテルスルホン)、SIBS(ポリ(スチレン-ブロック-イソブチレン-ブロック-スチレン)、又はこれらの任意の組合せを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、シャントのための材料は、高い生体適合性を有し、眼組織に機械的性質を適合させ、眼組織に損傷を与えたり、副作用を生じさせたりしない。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたシャントは任意の適切な形状であってもよい。いくつかの実施形態において、シャントは円形管である。いくつかの実施形態において、シャントは単一の内腔を含む。いくつかの実施形態において、シャントは複数の内腔、例えば互いに平行な内腔を含み、各内腔はシャントの一端から他端まで延びている。いくつかの実施形態において、シャントの断面形状は、円形、楕円形、正方形、又は任意の他の適切な形状である。いくつかの実施形態において、シャントの任意の1つ以上の表面は、平面又は曲面であってもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたシャントは、図18A~18Cに示すように、シャントの周囲にマーカーリング及び/又は保持リングを有する。いくつかの実施形態において、保持リングのようなシャントを取り囲む環状リングは、シャントが前房内に移動するようなシャントの移動を防止するように構成されていてもよい。保持リングの形状は、リング状、バーブ状、フィン状、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。マーカーリング及び保持リングを含むシャントの構造及び寸法は、組織の損傷及び傷跡を引き起こすことなく、効率的にドレナージ及び眼内圧を低下させるために、眼組織の構造に適合するように設計することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたシャントの長さは、約1.5mm~約12mm、例えば、約3mm、約4mm、約5mm又は約6mmである。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたシャントの外径は約0.1mm~約1mmであり、例えば、外径は約0.25mm、約0.3mm、約0.35mm、約0.4mm、約0.45mm又は約0.5mmである。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたシャントの内径は約0.025mm~約0.25mmであり、例えば、内径は約0.05mm、約0.08mm、約0.1mm、約0.12mm、又は約0.15mmである。いくつかの実施形態において、マーカーリングは、シャントの一端から約0.25mm~約2.5mmの位置に配置され、シャントの正確な位置決め、例えば前室への位置決めを可能にする。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたシャントは、約4mmと約6mmの間の長さ、約0.25mmと約0.5mmの間の外径、約0.05mmと約0.15mmの間の内径を有し、マーカーリングは、シャントの先端から約0.5mmと約2mmの間に位置する。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されたシャントは、固体構造、多孔質構造、多層複合構造、メンブレンステント構造、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。固体構造(例えば、均質な固体構造)は簡単で効果的であり、図19Aに示すように、房水をドレナージするためのチャネルを確立することができる。いくつかの実施形態において、繊維化及び瘢痕による出口閉塞の危険性を回避又は低減するために、微多孔質材料を使用して、周囲組織と材料との生物学的統合を促進することができ、これにより、インプラント後の繊維化及び瘢痕を低減することができる。多孔質構造は、図19Bに示すように、半径方向のマルチチャネルを提供し、ドレナージ効率を向上させ、軸方向の流出チャネルの閉塞の危険性を減少させることができる。いくつかの実施形態において、水が細孔を自由に通過できるようにしながら、細孔内への組織又は細胞の過剰な増殖を防止するために、細孔サイズは20ミクロン未満であり得る。いくつかの実施形態において、図19Cに示すように、多層複合構造のコア又は内層は、半径方向支持を提供し、効率的なドレナージチャネルを確立するように設計され得る。多層複合構造の外層は、チャネルの閉塞を引き起こす可能性がある細孔内への組織又は細胞の過度の増殖を防ぐために、細孔サイズが20ミクロン未満の多孔質層又は織物層とすることができる。いくつかの実施形態において、メンブレンで覆われた支持体(例えば、図19Dに示すようなメンブレンステント)の内層は金属ステントを含むことができ、外層は透水性膜を含むことができる。いくつかの実施形態において、金属ステントは、十分な支持力及び柔軟性を提供することができる中空ステントである。いくつかの実施形態において、水透過性膜は水分子の通過のみを許可し、これにより房水の排出を促進し、組織又は細胞の成長が流出チャネルを遮断するのを防ぐことができる。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されるシャントを送達するために本明細書に開示されるデバイスを使用する方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、シャントは、送達システム(例えば、脈絡膜上シリンジ)の針内に予め装填され、ここに記載された眼外方法を使用して脈絡膜上腔にインプラントされる。送達システムの針先が強膜を穿刺して脈絡膜/毛様体層に到達した後、粘弾性剤が自動的に注射されて脈絡膜上腔を開放し、針内のシャントが目標位置、例えば金属線を通って押し出される。送達システムを引き抜いて、シャントのインプラントを完了することができる。本明細書で開示された方法は、低侵襲緑内障手術(MIGS)に有用である。デバイス、システム、及び方法の追加の詳細が以下に開示される。
図12に示すように、ステップ1において、本明細書では、結膜及び強膜を通して針を眼内に挿入し、眼内に強膜と眼の脈絡膜/毛様体との間で終端する送達通路を形成するステップを含む、シャントを眼内に配置するための方法が開示される。粘弾性材料のような流動性組成物は、針による送達により、強膜と脈絡膜/毛様体との間に脈絡膜上腔を形成する。図12のステップ2では、針を回転させて、針の遠位端を前房隅角に向けて位置決めしてもよい。脈絡膜上腔は粘弾性材料によって拡張できるため、脈絡膜/毛様体又は周囲の他の眼組織を損傷することなく針の遠位端を再配置するためのより多くの空間が得られる。図12のステップ3では、針の遠位開口部が前房内に露出するように、針を移動させて針の遠位端を前房隅角に突き刺す。図12のステップ4シャントは、針に挿入されてもよいし(又は、針が粘弾性材料を挿入して注射する前に針に予め挿入されてもよい)、針の先端に展開されてもよい。図12のステップ5では、シャントの流入端が前房にあり、シャントの流出端が脈絡膜上腔にあるように、シャントを前房隅角で位置決めする。図12のステップ6では、図12のステップ7に示すように、針を眼から引き、シャントを眼内に残して、前房と脈絡膜上腔との間の流体連通を提供する。
いくつかの実施形態において、例えば図12に示すように、流動性材料又は組成物を脈絡膜上腔に注射した後、針の代わりに可撓性カニューレを使用することができる。いくつかの実施形態において、粘弾性組成物のような流動性組成物を、本明細書で開示された注射デバイスのシリンジ針を介して強膜と脈絡膜/毛様体との間の眼に注射して、流動性組成物を含む脈絡膜上腔を形成することができる。いくつかの実施形態において、粘弾性材料は、強膜と脈絡膜/毛様体との間に小胞又は隆起を形成する。いくつかの実施形態において、可撓性カニューレのような線状部材の遠位先端を小胞内に配置してもよい。いくつかの実施形態において、線状部材の遠位先端は、小胞内に配置され、強膜と脈絡膜/毛様体との間(例えば、前房隅角に向けて)をさらに前進するように、シリンジ針の内腔を通って前進する。いくつかの実施形態において、線状部材の遠位先端は、シリンジ針の貫通部又は注射部位を通って挿入され、シリンジ針によって生成された経路に沿って小胞に向かって前進する。線状部材は、シリンジ針が眼内に保持されているときに、シリンジ針によって形成された経路を通って挿入されてもよい。いくつかの実施形態において、線状部材はシリンジ針に平行であり、両者はシリンジ針によって生成される経路において互いに隣接している。いくつかの実施形態において、前記線状部材は、前記シリンジ針の内腔内に配置される。いくつかの実施形態において、シリンジ針は線状部材の内腔内にある。
いくつかの実施形態において、脈絡膜上腔が形成された後、粘弾性材料で充填された脈絡膜上腔を残してシリンジ針を注射部位から取り外すことができる。注射部位は、例えば注射部位からより大きな切開を作成することによって拡張されてもよいが、拡張する必要はなく、カニューレなどの線状部材を挿入することもできる。
いくつかの実施形態において、カニューレなどの線状部材は、遠位端に滑らかな円形先端を有する細い可撓性中空チューブであり、対向側の近位端は、シリンジに組付けられ得るハブ(例えば、プラスチックハブ)を有してもよい。いくつかの実施形態において、シャントはカニューレ内に挿入され、カニューレの内腔を通って目標位置まで送達され手もよい。いくつかの実施形態において、シャントは、カニューレの外面に沿って前進し、目標位置まで送達されてもよい。いくつかの実施形態において、カニューレは鋭利な遠位先端を含む。いくつかの実施形態において、カニューレは鈍い遠位先端を含む。いくつかの実施形態において、カニューレの遠位端は、組織内の構造間に経路を開き、それによって、組織損傷を低減しながら、構造の切開を助ける。いくつかの実施形態において、カニューレは、その遠位端に開口部を有していてもよく、例えば、開口部を介してシャントを送達するためである。
いくつかの実施形態において、流動性組成物の小胞中の線状部材(例えば、可撓性カニューレ)の遠位先端は、眼の内部、例えば強膜と脈絡膜/毛様体との間にさらに前進し、脈絡膜上腔を眼の前方に向かって、例えば前房隅角に向かって拡大することができる。いくつかの実施形態において、前記線状部材は眼球と輪郭を形成するように構成され、前記遠位先端は前房に突き刺されるように構成される。いくつかの実施形態において、粘弾性組成物のような流動性組成物は、線状部材の遠位先端を潤滑し、強膜と脈絡膜/毛様体との間の境界に沿って摺動し、カニューレ挿入中の抵抗を低減し、及び/又は脈絡膜穿孔又は線状部材が硝子体、毛様体又は他の組織を突き破る危険性を低減する。いくつかの実施形態において、粘弾性組成物は線状部材の遠位先端の周囲に保護層を形成し、保護層は潤滑を提供し、カニューレ挿入の方向、例えば前房隅角に向けて案内することができる。いくつかの実施形態において、粘弾性組成物は、強膜から脈絡膜/毛様体をさらに剥離し、眼の前方に脈絡膜上腔をさらに拡張するのを助ける。
いくつかの実施形態において、線状部材の遠位端が目標位置に到達した後、例えば、薄い組織によって前房隅角から離れた位置で、遠位端(又は遠位端の内側又は外側のシャント)が薄い組織を突き刺してシャントが前房と脈絡膜上腔とを接続するようにシャントを目標位置で送達してもよい。いくつかの実施形態において、シャントが送達されると、可撓性カニューレを回収することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書では、強膜層全体を手術的に切開すること、強膜と脈絡膜/毛様体を手術的に分離すること、又は手術後に切開された強膜又は結膜を縫合することを必要としない、針を使用してシャントを眼内に配置するための低侵襲的な方法が提供される。したがって、本明細書で開示される方法は、組織浸潤を低減し、外科技術の要件を低減し、手術時間を短縮することができる。
別の実施例として、図13Aに示すように、ステップ1では、結膜及び強膜を通して針を眼内に挿入し、眼内に強膜と眼の脈絡膜/毛様体との間で終端する送達通路を形成するステップを含む、シャントを眼内に配置するための方法が開示される。粘弾性材料などの流動性組成物が針を通して送達され、強膜と脈絡膜/毛様体との間に脈絡膜上腔を形成する。図13Aにおけるステップ2では、針を回転させて、針の遠位端を前房隅角から離れた位置に位置決めしてもよい。脈絡膜上腔は粘弾性材料によって拡張できるため、脈絡膜/毛様体又は周囲の他の眼組織を損傷することなく針の遠位端を再配置するためのより多くの空間が得られる。シャントは、針に挿入してもよく(又は、針の挿入及び粘弾性材料の注射の前に針に予め挿入してもよい)、図13Aにおけるステップ3では、シャントは針の遠位端で展開されてから取り外される。シャントの流出端は前房隅角から離れて位置決めされ、他方の端は強膜の外側にあってもよい。図13Aにおけるステップ4では、図13Aにおけるステップ5に示すように、同じ針又は異なる針(中空であってもよいが必要ではない)を使用して強膜を突き刺し、脈絡膜上腔を通し、次いで眼の前房隅角を通して、インプラント通路を形成する。図13Aにおけるステップ6では、シャントのもう一方の端をインプラント通路に挿入してシャントの流入端を前房内に配置し、それによってシャントを眼内に配置して、前房と脈絡膜上腔との間の流体連通を提供することができる。
本明細書のいずれの実施形態においても、シャントの一部は強膜の外側にあってもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、強膜外のシャント部分は結膜下であってもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、シャントの一部は強膜及び結膜の外側にあってもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、シャントは、強膜及び結膜下の外側にあるシャント本体流出ポート、及び/又は結膜の外側にあるシャント本体流出ポートを含んでもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、シャントは、前房と脈絡膜上腔との間、及び前房と結膜下腔との間の流体連通を提供してもよい。本明細書のいずれの実施形態においても、シャントは、前房と脈絡膜上腔との間、及び前房と結膜外腔との間の流体連通を提供してもよい。
例えば、図13Bにおけるステップ1では、本明細書は、結膜において開口部を切開することと、結膜を強膜から剥離して結膜フラップを形成することと、続いて、針を強膜を通して眼に挿入して、眼内に強膜と眼の脈絡膜/毛様体との間で終端する送達通路を形成することとを含む、シャントを眼内に配置するための方法を開示する。粘弾性材料などの流動性組成物が針を通して送達され、強膜と脈絡膜/毛様体との間に脈絡膜上腔を形成する。図13Bにおけるステップ2では、針を回転させて針の遠位端を前房隅角から離れて位置決めしてもよい。脈絡膜上腔は粘弾性材料によって拡張できるため、脈絡膜/毛様体又は周囲の他の眼組織を損傷することなく針の遠位端を再配置するためのより多くの空間が得られる。シャントは、針に挿入してもよく(又は、針の挿入及び粘弾性材料の注射の前に針に予め挿入してもよい)、図13Bにおけるステップ3では、シャントは針の遠位端で展開されてから取り外される。シャントの流出端は前房隅角から離れて位置決めされ、他方の端は強膜の外側にあってもよい。図13Bにおけるステップ4では、図13Bにおけるステップ5に示すように、同じ針又は異なる針(中空であってもよいが必要ではない)を使用して強膜を突き刺し、脈絡膜上腔を通し、次いで眼の前房隅角を通して、インプラント通路を形成する。図13Bにおけるステップ6では、シャントのもう一方の端をインプラント通路に挿入してシャントの流入端を前房内に配置し、それによってシャントを眼内に配置して、前房と脈絡膜上腔との間の流体連通を提供することができる。図13Bにおけるステップ7では、結膜フラップの開口部を、強膜外のシャント部分を覆うように縫合する。本明細書のいずれの実施形態においても、強膜外のシャント部分は、シャント本体流出ポートを含んでもよく、シャント本体流出ポートは、結膜下であってもよい(例えば、縫合結膜フラップで覆われている)。
本明細書のいずれの実施形態においても、流入端、流出端、及び/又はシャント本体流出ポートは、前室からの流体の流れを制御するための逆止弁などの1つ以上の弁を含んでもよい。例えば、流体の流れは、流出端又はシャント本体流出ポートから前房内の流入ポートに流れるのではなく、前房から流出端(例えば、脈絡膜上腔又は結膜下腔内)及び/又はシャント本体流出ポート(例えば、結膜下腔内又は結膜外)に流れるように制御することができる。
いくつかの例では、図14Aに示すように、本明細書で開示された医療穿刺デバイスは、シャントを眼内に配置するための眼内方法に使用されてもよい。医療穿刺デバイスの針は、角膜を通して前房を横切って結膜下腔まで眼内に挿入してもよい。粘弾性材料などの流動性組成物は、針を通して結膜下腔に送達される。結膜下の空間は粘弾性材料によって拡張され、注射プロセス中に針が結膜に突き刺さるリスクを回避又は軽減することができる。その後、シャントは、シャントの流出端を結膜下腔内に位置決めするために中空針を通して展開され、シャントの流入端は、針の取り外し後に前房内に配置され、前房と結膜下腔との間に流体連通を提供することができる。本発明の方法は、他のいくつかの眼内方法と比較して、注射及び結膜下腔の拡張を制御し、結膜への針突き刺しの危険性を低減することができる。
いくつかの実施例では、図14Bに示すように、本明細書で開示された医療穿刺デバイスは、角膜を通して前房を横切って脈絡膜上腔(SCS)まで針を眼内に挿入することにより、シャントを眼内に配置するための眼内方法に使用されてもよい。粘弾性材料などの流動性組成物は、針を通してSCS内に送達される。SCSは、粘弾性材料により拡張することができる。その後、シャントは、シャントの流出端がSCS内に位置決めするために空針を通して展開され、シャントの流入端は、針の取り外し後に前房内に配置され、前房とSCSとの間に流体連通を提供することができる。いくつかの実施形態において、針は鈍い突き刺し端を有する。本発明で開示されている方法は、他のいくつかの眼内方法と比較して、SCSの注射及び拡張を制御し、強膜及び/又は結膜への針突き刺しの危険性を低減することができる。いくつかの実施形態において、針の遠位開口部が前房隅角及び/又は毛様体内に配置されている間、粘弾性材料は注射されない。針の遠位開口部が強膜と脈絡膜/毛様体との間に配置されている間、粘弾性材料は潜在的なキャビティに注射され、脈絡膜上腔を拡張させる。
添付の図面に関連して本明細書に記載されたものを含むがこれに限定されない任意の適切な医療穿刺デバイスが、本明細書で開示された眼からのドレナージの方法において使用され得ることを理解されたい。例えば、図15Aに示す医療穿刺デバイスを使用できる。いくつかの実施形態において、医療穿刺デバイスは、近位端及び遠位端を含むシリンジバレルと、前記シリンジバレル内のフローティングシールと、前記シリンジバレルの遠位端にある針などの穿刺部材であって、前記フローティングシールに組付けられていない穿刺部材と、バネなどのエネルギー貯蔵部材及び/又は他の適切な弾性部材を介してフローティングシールに弾性的に係合するように構成された作動部材と、を含む。いくつかの実施形態において、穿刺部材は、流動性組成物を含むシリンジバレル内の内腔と流体連通を形成するように構成された遠位開口部を含む。いくつかの実施形態において、医療穿刺デバイスは、フローティングシールとシリンジバレルの遠位端との間に位置するシリンジバレル内のストッパーも含む。図15Aにおけるステップ1に示すように、医療穿刺デバイスは、穿刺部材の遠位開口部が目標組織に入っておらず、作動部材とフローティングシールとの間の距離がxである初期状態にある。図15Aにおけるステップ2では、穿刺部材の遠位開口部は、作動部材とフローティングシールとの間の距離が一定のまま(x)、比較的緻密な組織(例えば、強膜、前房隅角又は毛様体)に入っている。図15Aにおけるステップ3では、エネルギー貯蔵部材が圧縮されると、例えば、作動部材とフローティングシールとの間の距離をxからxに減少させることによって、穿刺部材の遠位開口部が比較的緻密な組織内に維持される。このようにして、エネルギー貯蔵部材は、フローティングシールに力を加え、その力を保持する。流動性組成物及び穿刺部材の遠位開口部を介して、比較的緻密な組織に圧力が順次加えられる。組織密度のために、比較的緻密な組織は、穿刺部材の遠位開口部に背圧を加えることで、流動性組成物が組織内に排出されることを防止する。図15Aにおけるステップ4では、穿刺部材は、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管(例えば、SCS又は結膜下腔)のような密度の低い組織内に遠位方向に進む。いくつかの実施形態において、組織密度の低下により、穿刺部材の遠位開口部での背圧が流動性組成物の圧力よりも小さくなり、それにより、流動性組成物が、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ、又は血管などの密度の低い組織に放出されることが可能になる。流動性組成物が穿刺部材の遠位開口部から排出されると、エネルギー貯蔵部材内のエネルギーが放出され、それにより、図15Aにおけるステップ5に示すように、作動部材とフローティングシールとの間の距離はxからxに増加する。例えば、密度の低い組織に送達される流動性組成物の体積を制御するために、シリンジバレル内のフローティングシールの遠位端の移動をストップによって阻止することができる。
図15Bに別の実施例が示されており、ステップ1では、医療穿刺デバイスは、穿刺部材の遠位開口部が目標組織に入っていない初期状態であり、図15Bにおけるステップ2では、エネルギー貯蔵部材は圧縮されてもよく、一方、穿刺部材の遠位開口部が組織の外側に維持され、フローティングシールが遠位開口部に向かって前進せずに、遠位開口部から流動性組成物を排出する。図15Bにおけるステップ3では、穿刺部材の遠位開口部は、比較的緻密な組織(例えば、強膜、前房隅角又は毛様体)に入っている。エネルギー貯蔵部材は、フローティングシールに力を加え、その力を保持する。流動性組成物及び穿刺部材の遠位開口部を介して、比較的緻密な組織に圧力が加えられる。組織密度のために、比較的緻密な組織は、穿刺部材の遠位開口部に背圧を加えることで、流動性組成物が組織内に排出されることを防止する。図15Bにおけるステップ4では、エネルギー貯蔵部材が圧縮されたままの状態で、穿刺部材の遠位開口部が、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管(例えば、SCS又は結膜下腔)のような密度の低い組織へのアクセスを開始する。図15Bにおけるステップ5では、組織密度の低下により、穿刺部材の遠位開口部の背圧が流動性組成物の圧力よりも小さくなり、流動性組成物がより低密度の組織に排出される。流動性組成物が穿刺部材の遠位開口部から排出されると、エネルギー貯蔵部材内のエネルギーが放出される。いくつかの実施形態において、シリンジバレル内のフローティングシールの遠位端の移動をストッパーによって阻止して、流動性組成物の流れを阻止することができる。このようにして、密度の低い組織に送達される流動性組成物の体積を制御することができる。図15Bにおけるステップ6に示すように、作動部材に加えられた力を放出することができる。
図15Cには更なる実施例が示されている。いくつかの実施形態において、医療穿刺デバイスは、近位端及び遠位端を含むシリンジバレルと、前記シリンジバレル内のフローティングシールと、前記シリンジバレルの遠位端にある針のような穿刺部材であって、前記フローティングシールに組付けられていない穿刺部材と、フローティングシールとシリンジバレルの近位端とに弾性的に係合するように構成されたエネルギー貯蔵部材と、を含む。いくつかの実施形態において、医療穿刺デバイスは、フローティングシールとシリンジバレルの遠位端との間に位置するシリンジバレル内のストッパーも含む。いくつかの実施形態において、医療穿刺デバイスは接触部材を含む。図15Cにおけるステップ1では、医療穿刺デバイスは、穿刺部材の遠位開口部が接触部材内に位置し、遠位開口部からの流動性組成物の排出を防止する初期状態にある。エネルギー貯蔵部材は、フローティングシールに力を加え、流動性組成物及び穿刺部材の遠位開口部を介して接触部材に圧力を順次加える。接触部材の密度のために、穿刺部材の遠位開口部での背圧は、シリンジバレルからの流動性組成物の漏れを防止する。図15Cにおけるステップ2では、穿刺部材の遠位開口部は、比較的緻密な組織(例えば、強膜、前房隅角又は毛様体)に入っており、遠位開口部での比較的緻密な組織の背圧は、流動性組成物の組織への漏れを防止する。図15Cにおけるステップ3では、穿刺部材の遠位開口部は、明らかな又は潜在的な組織の空隙、キャビティ又は血管(例えば、SCS又は結膜下腔)のような密度の低い組織へのアクセスを開始する。図15Cにおけるステップ4では、組織密度の低下により、穿刺部材の遠位開口部の背圧が流動性組成物の圧力よりも小さくなり、流動性組成物がより低密度の組織に排出される。流動性組成物が穿刺部材の遠位開口部から排出されると、エネルギー貯蔵部材内のエネルギーが放出される。いくつかの実施形態において、シリンジバレル内のフローティングシールの遠位端の移動をストッパーによって阻止して、流動性組成物の流れを阻止することができる。このようにして、密度の低い組織に送達される流動性組成物の体積を制御することができる。
本開示の例示的な実施形態及び任意の実装形態を、図面と組み合わせて上記で詳細に説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態で説明した詳細に限定されない。簡単な変形を本開示の実施形態に適用することができ、そのすべてが本開示の範囲内にある。
なお、上記実施形態に記載された各技術的特徴は、矛盾しない場合には、合理的にどのように組み合わせてもよい。不必要な繰り返しを避けるために、可能な組み合わせは、実施形態において個別に記述されていない。
さらに、本発明の実施形態の異なる実装は、自由に組み合わせることができる。それらが本開示の思想に反しない限り、それらも本開示の一部とみなされるべきである。

Claims (64)

  1. シャントを眼内に配置するための方法であって、
    針を眼内に挿入して、眼内の目標流出領域で終端する送達通路を眼内に形成するステップ(a)と、
    流動性組成物の前記針による送達により、前記目標流出領域内に拡張空間を形成するステップ(b)と、
    シャントの流入端を眼の前房に位置決めし、シャントの流出端を前記拡張空間に位置決めするステップであって、前記シャントは、前記針に放出可能に結合される、ステップ(c)と、
    前記シャントから前記針を放出するステップ(d)と、を含み、
    これにより、前記シャントを眼中に配置し、前記前房と前記目標流出領域との間の流体連通を提供する、方法。
  2. 前記針は強膜に突き刺される、請求項1に記載の方法。
  3. 任意選択で、前記針が前記強膜に突き刺される前に、結膜において領域を切開するステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記針は前記結膜及び前記強膜に突き刺され、前記結膜において領域を切開するステップを含まない、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記目標流出領域は、強膜と脈絡膜/毛様体との間にあり、前記拡張空間は脈絡膜上腔である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記位置決めステップは、前記針の遠位端を前記脈絡膜上腔で前房隅角に向けて位置決めすることを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記シャントは、
    前記針内にあり、任意選択で、前記シャントは前記針の針本体通路内にあり、又は、
    前記シャントは、前記針の周囲に前記スリーブを形成する、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記位置決めステップは、前記針の遠位端まで前記針内/周囲の前記シャントを前進させることを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記前進させることは、ガイドワイヤを使用して、前記針内/周囲の前記シャントを押すことを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記位置決めステップは、前記針及び/又は前記シャントの遠位端を前記前房隅角に突き刺すことを含む、請求項7~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記放出ステップは、前記針及び/又は前記ガイドワイヤを前記眼から取り除き、前記シャントの流入端を前記前房に残し、前記シャントの流出端を前記脈絡膜上腔に残すことを含む、請求項7~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記挿入ステップの前又は後に、前記シャントを前記針に結合する、請求項7~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記流動性組成物の送達の前又は後に、前記シャントを前記針に結合する、請求項7~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記シャントは前記針の遠位端に放出可能に結合されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記位置決めステップは、前記シャントを前記前房隅角に向けて位置決めすることを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記位置決めステップは、前記針を前進させて前記シャントの遠位端を前記前房隅角に突き刺すことを含む、請求項14又は15に記載の方法。
  17. 前記放出ステップは、前記針を取り除き、前記シャントの流入端を前記前房に残し、前記シャントの流出端を前記脈絡膜上腔に残すことを含む、請求項14~16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記位置決めステップは、前記針の遠位端を前記脈絡膜上腔で、前記前房隅角から離れて位置決めすることを含む、請求項5に記載の方法。
  19. 前記シャントは、
    前記針内にあり、任意選択で、前記シャントは前記針の針本体通路内にあり、又は、
    前記シャントは、前記針の周囲にスリーブを形成する、請求項18に記載の方法。
  20. 前記位置決めステップは、前記針の遠位端まで前記針内/周囲の前記シャントを前進させることを含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記前進させることは、ガイドワイヤを使用して、前記針内/周囲の前記シャントを押すことを含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記位置決めステップは、前記シャントの流出端を前記脈絡膜上腔で前記前房隅角から離れて位置決めすることを含む、請求項19~21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記位置決めステップは、前記針を前記眼から取り除き、前記シャントの流出端を前記脈絡膜上腔に残すことを含む、請求項19~22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記前房隅角を突き刺してインプラント通路を形成するステップをさらに含む、請求項19~23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記シャントの流入端は前記インプラント通路を通って前記前房に位置決めされる、請求項24に記載の方法。
  26. 前記インプラント通路は、同じ針又は異なる突き刺し要素を使用して形成される、請求項24又は25に記載の方法。
  27. 同じ針又は異なる突き刺し要素は前記結膜、前記強膜、前記脈絡膜上腔及び前記前房隅角を通って突き刺す、請求項26に記載の方法は。
  28. 前記針は、第1入口点で前記眼に挿入され、同じ針又は異なる突き刺し要素は、前記第1入口点とは異なる第2入口点で前記眼に挿入されて、前記インプラント通路を形成する、請求項26又は27に記載の方法。
  29. 前記シャントは、前記強膜の外側の前記第1入口点と前記第2入口点との間の部分を含む、請求項28に記載の方法。
  30. 前記シャントは、前記強膜及び前記結膜の外側の前記第1入口点と前記第2入口点との間の部分を含む、請求項28又は29に記載の方法。
  31. 前記強膜外の部分は結膜下である、請求項29に記載の方法。
  32. 前記結膜において開口部を切開することと、前記結膜を前記強膜から剥離して結膜フラップを形成することと、前記シャントの流入端を前房の前記インプラント通路を通して位置決めした後に、結膜フラップの開口部を縫合して強膜外の前記シャント部分を覆うこととを含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記強膜外の前記シャント部分は、シャント本体流出ポートを含み、任意選択で、前記シャント本体流出ポートは結膜下である、請求項29~32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 前記結膜フラップと前記強膜との間に代謝拮抗物質を適用して術後傷跡を調節するステップをさらに含む、請求項29~33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 前記針は眼外から前記眼に挿入される、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記針は眼内から前記眼に挿入される、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記目標流出領域は前記結膜と前記強膜との間にあり、前記拡張空間は結膜下腔であり、任意選択で、前記結膜下腔は結膜下小胞である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記シャントは、
    前記針内にあり、任意選択で、前記シャントは、前記針の針本体通路中にあり、
    前記シャントは、針の周囲にスリーブを形成し、又は
    前記シャントは、前記針の遠位端に放出可能に結合される、請求項37に記載の方法。
  39. シャントを眼内に配置するための方法であって、
    針を眼内に挿入して、眼の強膜と脈絡膜/毛様体との間で終端する送達通路を眼内に形成するステップ(a)と、
    流動性組成物の前記針による送達により、脈絡膜上腔を形成するステップ(b)と、
    前記針の遠位端及び/又はこれに放出可能に結合されたシャントを前記眼の前房隅角に突き刺すステップ(c)と、
    前記シャントの流入端が前記前房にあり、前記シャントの流出端が前記脈絡膜上腔にあるように、前記シャントを前記前房隅角を通して位置決めするステップ(d)と、
    眼から前記針を取り除くステップ(e)と、を含み、
    これにより、前記シャントを眼中に配置し、前記前房と前記脈絡膜上腔との間の流体連通を提供する、方法。
  40. シャントを眼内に配置するための方法であって、
    針を眼内に挿入して、眼の強膜と脈絡膜/毛様体との間で終端する送達通路を眼中に形成するステップ(a)と、
    流動性組成物の前記針による送達により、脈絡膜上腔を形成するステップ(b)と、
    前記針を使用して、シャントの流出端を前記脈絡膜上腔で前房隅角から離れて位置決めするステップ(c)と、
    眼の前房隅角を突き刺してインプラント通路を形成するステップ(d)と、
    インプラント通路を通して前記シャントの流入端を前記前房に位置決めするステップ(e)と、を含み、
    これにより、前記シャントを眼中に配置し、前記前房と前記脈絡膜上腔との間の流体連通を提供する、方法。
  41. 前記シャントの一部は強膜の外側にある、請求項40に記載の方法。
  42. 前記強膜外のシャント部分は結膜下である、請求項41に記載の方法。
  43. 前記シャントの一部は強膜及び結膜の外側にある、請求項40~42のいずれか1項に記載の方法。
  44. 前記シャントは、前記強膜及び前記結膜下の外側に位置するシャント本体流出ポート及び/又は結膜の外側に位置するシャント本体流出ポートを含む、請求項40~43のいずれか1項に記載の方法。
  45. 前記シャントは、前記前房と前記脈絡膜上腔との間、及び前記前房と前記結膜下腔との間の流体連通を提供する、請求項44に記載の方法。
  46. 前記シャントは、前記前房と前記脈絡膜上腔との間、及び前記前房と前記結膜外腔との間の流体連通を提供する、請求項44又は45に記載の方法。
  47. シャントを眼内に配置するための眼内方法であって、
    針及び/又はそれに放出可能に結合されたシャントを、角膜を通して前房を横切って脈絡膜上腔又は結膜下腔に挿入するステップ(a)と、
    流動性組成物を前記針及び/又は前記シャントを通して前記脈絡膜上腔又は前記結膜下腔に送達するステップ(b)と、
    前記シャントの流入端を前記前房に位置決めし、前記シャントの流出端を前記脈絡膜上腔又は前記結膜下腔に位置決めするステップ(c)と、
    眼から前記針を取り除くステップ(d)と、を含み、
    これにより、前記シャントを眼中に配置し、前記前房と前記脈絡膜上腔又は前記結膜下腔との間の流体連通を提供する、方法。
  48. 前記シャントは医薬品又は生物学的製剤を含む、請求項1~47のいずれか1項に記載の方法。
  49. デバイスを使用するステップを含み、前記デバイスは、
    近位端及び遠位端を含むシリンジバレルと、
    前記シリンジバレル内のフローティングシールと、
    前記フローティングシールの近位にある針基部であって、前記フローティングシールと前記針基部とが互いに弾性的に係合する針基部と、
    針と、を含み、前記針は、
    (i)前記針基部に係合する針近位端と、
    (ii)針遠位端と、
    (iii)針遠位開口部と、
    (iv)前記針近位端と前記針遠位端との間の針本体開口部であって、前記針本体開口部は前記針遠位開口部の近位にある針本体開口部と、
    (v)前記針遠位開口部と前記針本体開口部とを接続する針本体通路と、を含み、
    前記針基部は、前記針を、前記フローティングシールに向かって、及び/又は前記フローティングシールを通して遠位方向に前進させるように構成されている、請求項1~48のいずれか1項に記載の方法。
  50. 前記フローティングシールは、前記シリンジバレル内の近位内腔と遠位内腔とを分離し、前記遠位内腔は、前記流動性組成物を含む、請求項49に記載の方法。
  51. 前記針基部は、前記針遠位開口部が前記強膜にあり、前記針本体開口部が流動性組成物を含む遠位内腔にあるように、前記針を遠位方向に前進させるように構成されている、請求項50に記載の方法。
  52. 前記強膜は、前記針遠位開口部を通した前記遠位内腔内の流動性組成物の排出を防止可能であり、任意選択で、前記強膜の前記針遠位開口部での背圧が、前記遠位内腔内の圧力以上である、請求項51に記載の方法。
  53. 前記針基部は、前記針本体開口部が前記遠位内腔にあり、前記針遠位開口部が前記強膜と隣接組織との間にあるように、前記針を遠位方向に前進させるように構成されている、請求項52に記載の方法。
  54. 前記針遠位開口部は前記強膜と前記脈絡膜/毛様体との間にあり、前記流動性組成物は前記針を通って前記脈絡膜上腔に送達される、請求項53に記載の方法。
  55. 前記針遠位開口部は前記強膜と前記結膜との間にあり、流動性組成物は前記針を通って結膜下腔に送達される、請求項53に記載の方法。
  56. 前記流動性組成物は、液体、溶液、懸濁液、ゲル、オイル、軟膏、エマルジョン、クリーム、フォーム、ローション、及び/又はペーストを含む、請求項1~55のいずれか1項に記載の方法。
  57. 前記シャントは、前記針を通って、又は前記針に沿って遠位方向に前進し、前記針が前記目標流出領域に到達すると前記針の遠位端で露出するように構成されている、請求項1~56のいずれか1項に記載の方法。
  58. 請求項1~57のいずれか1項に記載の方法に使用される前記針、前記シャント、及び前記流動性組成物を含む、システム。
  59. シャントを眼内に配置するためのシステムであって、
    近位端及び遠位端を含むシリンジバレルと、
    前記シリンジバレル内のフローティングシールと、
    前記フローティングシールの近位にある針基部であって、前記フローティングシールと前記針基部とが互いに弾性的に係合する針基部と、
    眼内に挿入するための針と、を含み、前記針は、
    (i)前記針基部に係合する針近位端と、
    (ii)針遠位端と、
    (iii)針遠位開口部と、
    (iv)前記針近位端と前記針遠位端との間の針本体開口部であって、前記針本体開口部は前記針遠位開口部の近位にある針本体開口部と、
    (v)前記針遠位開口部と前記針本体開口部とを接続する針本体通路と、を含み、
    前記針基部は、前記針を、前記フローティングシールに向かって、及び/又は前記フローティングシールを通して遠位方向に前進させるように構成されており、
    前記シャントは、前記針に放出可能に結合されるように構成されている、システム。
  60. 前記シャントは前記針内の眼内シャントである、請求項58又は59に記載のシステム。
  61. 前記シャントは、固体構造、多孔質構造、多層複合構造、メンブレンステント構造、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1~60のいずれか1項に記載の方法又はシステム。
  62. 前記シャントは、前記シャントの側壁における1つ以上の環状リングを含む、請求項1~61のいずれか1項に記載の方法又はシステム。
  63. 前記シャントは、前記シャントの前記側壁におけるマーカーリング及び保持リングを含む、請求項63に記載の方法又はシステム。
  64. 前記シャントは、前記シャントの一方の端から他方の端まで延びる複数のチャネルを含む、請求項1~63のいずれか1項に記載の方法又はシステム。
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