JP2024521638A - 好酸球トラップの阻害 - Google Patents

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本発明は、好酸球細胞外トラップ(EET)の形成を阻害する方法を提供する。具体的には、本発明は、EET形成を阻害又は検出する方法において使用するための、シトルリン含有エピトープに対する抗体又はその結合断片を提供する。方法は、EET関連病理を含む任意の疾患又は病態を診断、治療、又は予防するための方法であり得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、好酸球細胞外トラップ(EET)の形成を阻害する方法を提供する。具体的には、本発明は、EET形成を阻害又は検出する方法において使用するための、シトルリン含有エピトープに対する抗体又はその結合断片を提供する。方法は、EET関連病理を含む任意の疾患又は病態を診断、治療、又は予防するための方法であり得る。本発明は更に、肺病態、特に炎症性肺病態を治療又は予防する方法において使用するための、シトルリン含有エピトープに対する抗体又はその結合断片を提供する。記載されるシトルリン含有エピトープに対する抗体又はその結合断片は、特に肺病態における好中球細胞外トラップ(NET)形成の阻害において使用することもできる。幾つかの実施形態では、好酸球細胞外トラップ(EET)の形成及び好中球細胞外トラップ(NET)の形成を両方阻害することができる。
好酸球は、循環白血球の一形態であり、通常、健常ヒトにおける白血球(WBC)の約1~3%を占める。好酸球は、ホメオスタシス並びにアレルギー及び感染症を含む様々な疾患において多種多様な役割を担っている。特定の機序の活性細胞溶解性好酸球細胞死によって、好酸球細胞外トラップ(EET)及び全細胞内容物が放出されることが明らかになっている。これは、好酸球細胞外トラップ細胞死(EETosis)と呼ばれる。また、シャルコー-ライデン結晶(好酸球性炎症の古典的な病理学的マーカー)がEETosisに関連することも示されており、EETosis及びEETの存在が複数の疾患で報告されている。
好中球細胞外トラップ(NET)の形成を特徴とする表面的には類似したプロセスが好中球で同定されており、NETosisと呼ばれている。NETは様々な病理と関連しており、治療としてのNET阻害については、例えば、国際公開第2009147201号、同第2011070172号、同第2016092082号、及び同第2020038963号で論じられている。
EETosis及びNETosisは、類似のNADPH-オキシダーゼ依存性プロセス、並びに核の形態学的変化及び原形質/核膜の破裂等の共通する幾つかの特徴も有するが、多くの相違点もある。例えば、好中球及び好酸球は、顆粒の構造及び形成される細胞外トラップに違いがある。好中球がNETosisを受けると、顆粒が細胞内で崩壊して、顆粒タンパク質がNETに付着する。対照的に、好酸球における顆粒のほとんどはEETosisの過程で無傷であり、その結果、遊離細胞外顆粒と顆粒タンパク質を含まないEETとが生成される。NET及びEETはいずれもヒストン(すなわち、クロマチン構造)を保持しているが、EETはクロマチンのプロテアーゼ修飾がそれほど広範ではないため、NETよりも直径が大きい。ヒストンのシトルリン化(例えば、PAD4という酵素が媒介する)がNET形成において重要な役割を果たすことが知られているが、EET形成においても同様に重要な役割があるという証拠については不確定である。
これら違いを考慮すると、ホメオスタシス及び疾患病因に果たす役割について詳細に理解するためには、EET/EETosis並びにEET形成の機序及びそれを阻害できる方法に関する更なる研究が必要である。言い換えれば、EET関連病理を治療又は予防するための化合物が依然として必要とされている。
好酸球及び好中球が肺病態の基礎病理において役割を果たしている場合が多いことを考えると、特にこのような病態における好酸球及び好中球の関与を標的とする方法も継続して必要とされている。
EET形成におけるヒストンのシトルリン化の役割については、相反する証拠がある。驚くべきことに、本発明者らは、ヒストン2A及び/又はヒストン4のアミノ末端におけるシトルリン化されたエピトープに結合する抗体がEETosisを阻害できること、ひいては、EET形成を阻害する方法において使用できることを見出した。方法は、EET関連病理を治療又は予防するための方法であってもよい。このような病理としては、皮膚の好酸球性疾患;呼吸器の好酸球性疾患;胃腸の好酸球性疾患;アレルギー性疾患;又は蠕虫、真菌、ウイルス、若しくは細菌の感染症を挙げることができる。更に、動脈硬化も治療又は予防することができる。別の実施形態では、血管炎を治療することもできる。
EETとNETとの違いを考慮すると、本発明者らは、予想外なことに、同じ条件下であることを含む、ヒストン2A及び/又はヒストン4のアミノ末端におけるシトルリン化されたエピトープに結合する同じ抗体を用いてEET及びNETの形成を両方阻害できることを更に見出した。本発明者らはまた、このような抗体を肺障害、特に喘息を含む炎症性肺障害を含む様々な病態の治療に使用できることも見出した。本発明者らはまた、このような抗体を浸潤性好中球数の増加を伴う病態の治療に使用できることも見出した。本発明者らは更に、このような抗体を浸潤性好酸球数の増加を伴う病態の治療に使用できることも見出した。
本発明者らは更に、ヒストン2A及び/又はヒストン4のアミノ末端におけるシトルリン化されたエピトープに結合する同じ抗体のアプローチが、場合によっては副腎皮質ステロイド及び/又は別のものよりも大きな効果をもたらす可能性があることを見出した。従って、本発明は、副腎皮質ステロイドに対して適切な応答を示さない個体の治療にも使用することができる。例えば、本発明を使用して副腎皮質ステロイドに対して耐性を有する個体を治療することができる。また、抗体及び副腎皮質ステロイドが互いを増強するようにこれら2つを併用することも可能であり、これは更に好ましい実施形態となり得る。一実施形態では、副腎皮質ステロイドは、デキサメタゾンである。
代表的な脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及びヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに結合する抗体は、例えば、国際公開第2009147201号、同第2011070172号、同第2016092082号、及び同第2020038963号に記載されている。これら各文書及びそこに開示されている抗体(重鎖及び軽鎖の両方のCDR配列、可変領域配列、及び定常領域配列を全て含む)は、参照により本明細書に組み込まれる。特に、国際公開第2016092082号においてRhmAb2.102、RhmAb2.108、RhmAb2.109、RhmAb2.110、RhmAb2.111、RhmAb2.112、MQ22.101、MQ22.102、及びMQ22.101b/dと命名されている抗体、並びにそれらの任意の抗原結合断片は、それぞれ参照により組み込まれる。同様に、国際公開第2020038963号にhMQ22.101x/yの形式の識別子で開示されている抗体及びその任意の抗原結合断片は、それぞれ参照により組み込まれる。国際公開第2020038963号に開示されている抗体が特に好ましく、以下でより詳細に論じる。国際公開第2020038963号においてhMQ22.101f/LC41と称されている抗体が最も好ましい。この抗体は、本明細書ではCIT-013と記載される場合もある。
本発明は、好酸球細胞外トラップ(EET)の形成を阻害又は検出する方法であって、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに特異的に結合する抗体又はその結合断片をサンプル又は対象に投与することを含む方法を提供する。サンプル又は対象は、好ましくは、好酸球が存在するサンプル又は対象である。
方法は、対象における疾患又は病態を予防又は治療するための方法であってもよく、従って、予防的又は治療的に有効な量の該抗体又はその結合断片を対象に投与することを含み得る。
疾患又は病態は、典型的には、EET関連病理を含む。疾患又は病態は、好酸球性疾患又は病態であってよい。好酸球性疾患及び病態としては、皮膚の好酸球性疾患若しくは病態;呼吸器の好酸球性疾患若しくは病態;胃腸の好酸球性疾患若しくは病態;アレルギー性疾患若しくは病態;又は蠕虫、真菌、ウイルス、若しくは細菌の感染症を挙げることができる。
また、上記方法、特に対象における疾患又は病態を予防又は治療するための上記方法において使用するための、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに特異的に結合する抗体又はその結合断片も提供される。また、対象における疾患又は病態を予防又は治療するための上記方法において使用するための医薬の製造において使用するための、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに特異的に結合する抗体又はその結合断片も提供される。一実施形態では、動脈硬化が治療される。別の実施形態では、血管炎が治療される。
あるいは、方法は、サンプル中のEET形成をエクスビボで阻害又は検出するための方法であってもよい。方法は、EET関連病理の存在を診断するために使用することもできる。
方法は、幾つかの実施形態において、好酸球細胞外トラップ(EET)及び好中球細胞外トラップ(NET)の形成を阻害し得る。
また、肺障害を治療又は予防する方法であって、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに特異的に結合する抗体又はその結合断片を、該肺障害を有する対象に投与することを含む方法が提供される。
配列表の簡単な説明
抗体の用語
CDR=相補性決定領域。
VH=重鎖可変ドメイン。
VL=軽鎖可変ドメイン。
CH=重鎖定常ドメイン。
CL=軽鎖定常ドメイン。
msVH22.101=治療用抗体のマウスVH。
msVL22.101=治療用抗体のマウスVL。
hVH22.101x=治療用抗体のヒト化VH、「x」は重鎖を指す。
hVL22.101y=治療用抗体のヒト化VL、「y」は軽鎖を指す。
hVH22.101(HC)x=治療用抗体の最適化ヒト化VH、「(HC)x」は重鎖を指す。
hVL22.101(LC)y=治療用抗体の最適化ヒト化VL、「(LC)y」は軽鎖を指す。
hMQ22.101x/y=ヒト化治療用抗体、「x」は重鎖を指し、「y」は軽鎖を指す。
hMQ22.101(HC)x/(LC)y=本発明の最適化ヒト化治療用抗体、「(HC)x」は重鎖を指し、「(LC)y」は軽鎖を指す。
(a)抗体なし、CIT-013、又はアイソタイプコントロールの存在下においてA23187又はPMAで刺激してEETを形成させた好酸球の代表的な画像。 (b)パネル(a)と同じ条件で刺激した場合の、異なるドナー由来の好酸球サンプルにおけるEET形成レベルのグラフ表示。 チリダニ(HDM)アレルゲンによって誘導した気道炎症のモデルマウスに対するtACPA抗体及びデキサメタゾンの影響。(a)気管支洗浄液中の好酸球レベル、(b)気管支洗浄液中の好中球レベル、(c)ETのマーカーとしてのシトルリン化されたヒストン3のレベル、(d)血管周囲の好中球増加のレベル。 チリダニ(HDM)アレルゲンによって誘導した気道炎症のモデルマウスに対するtACPA抗体及びデキサメタゾンの影響。(e)血管周囲の単核球のレベル、及び(f)細気管支の好中球増加のレベル。 気道炎症のモデルマウスに対するtACPA抗体による治療の影響。(a)気管支洗浄液中のdsDNA濃度。 気道炎症のモデルマウスに対するtACPA抗体による治療の影響。(b)、(c)、(d)それぞれ、パラフィンに包埋した肺組織中の細胞外citH3、細胞外MPO、及びNETのレベル。 気道炎症のモデルマウスに対するtACPA抗体による治療の影響。(e)、(f)、(g)それぞれ、パラフィンに包埋した肺組織中の好酸球、好中球、マクロファージの数。 気道炎症のモデルマウスに対するtACPA抗体による治療の影響。(h)パラフィンに包埋した肺組織中の貪食性マクロファージの割合。 CIT-013は、免疫複合体によって誘導されたEETosisを阻害する。(a)未刺激の好酸球、免疫複合体で刺激した好酸球、CIT-013の存在下において免疫複合体で刺激した好酸球、及びアイソタイプコントロール抗体の存在下において免疫複合体で刺激した好酸球におけるEETosisの代表的な画像。(b)CIT-013又はアイソタイプコントロール抗体の存在下におけるEETのレベル(細胞数の%として)を、2つの条件間の差(Δ)とともに示す(n=8ドナー)。
開示される発明の様々な用途は、当技術分野における具体的なニーズに応じて調整できることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、本発明の特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定を意図するものではないことも理解されたい。
更に、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、特に明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、「抗体(an antibody)」に対する言及は、「複数の抗体(antibodies)」等を含む。
上記であろうと下記であろうと、本明細書に引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の方法における使用に好適な抗体又はその結合断片の標的
シトルリンは、正常な翻訳中にはタンパク質に組み込まれることのないアミノ酸であるが、ペプチジルアルギニンデイミナーゼ(PAD;EC3.5.3.15)等の脱イミノ化酵素によるアルギニン残基の翻訳後修飾により生成される場合がある。哺乳動物(ヒト、マウス、及びラット)では、それぞれが異なる遺伝子によってコードされている5つのPADアイソタイプ(PAD1~PAD6;「PAD4」及び「PAD5」は同じアイソタイプに使用される)がこれまでに同定されている。従って、脱イミノ化及びシトルリン化という用語は、互換的に使用することができる。ヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4のシトルリン化は、典型的には、例えばPAD2及びPAD4によって行われ得る。これらヒストンのシトルリン化は、NETの病理学的形成と関連しているが、本発明以前には、EETの病理学的形成にも同等に関連するという決定的な証拠は存在しなかった。
本発明の方法において使用するのに好適な本発明の抗体又はその結合断片は、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに特異的に結合する。また、抗体は、脱イミノ化されたヒトのヒストンH3におけるシトルリン化されたエピトープにも特異的に結合し得る。抗体又はその結合断片は、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに特異的に結合することができ、該エピトープは、配列番号18、19、20、21、及び22からなる群から選択されるペプチドを含む。また、抗体又はその結合断片は、配列番号53又は54のペプチドを含むエピトープにも結合し得る。
抗体又はその結合断片
用語「複数の抗体」、「抗体」、又は「その結合断片」とは、本明細書で使用するとき、「抗原」と呼ばれることの多い標的分子に特異的に結合することができる構造体、好ましくはタンパク質又はポリペプチドの構造体を指す。
抗体分子とは、本明細書で使用するとき、抗体又はその結合断片を指す。用語「抗体」は、本明細書で使用するとき、一般に、インタクトな(全)抗体、すなわち、2本の重鎖及び2本の軽鎖の要素を含む抗体に関する。抗体は、例えば、国際公開第2007/024715号に開示されている分子DVD-Ig又は国際公開第2011/030107号に記載されているいわゆる(FabFv)Fcのように、更なる追加の結合ドメインを含んでいてもよい。従って、「抗体」とは、本明細書で使用するとき、一価、二価、三価、又は四価の完全長抗体を含む。
抗体の結合断片としては、一本鎖抗体(すなわち、完全長の重鎖及び軽鎖);Fab、改変Fab、Fab’、改変Fab’、F(ab’)2、Fv、Fab-Fv、Fab-dsFv、シングルドメイン抗体(例えば、VH又はVL又はVHH)、scFv、一価、二価、三価、又は四価の抗体、Bis-scFv、ダイアボディ、トリボディ、トリアボディ、テトラボディ、及び上記のいずれかのエピトープ結合断片が挙げられる(例えば、Holliger P and Hudson PJ,2005,Nat.Biotechnol.,23,:1126-1136;Adair JR and Lawson ADG,2005,Drug Design Reviews-Online,2,209-217を参照)。これら抗体断片を作製及び製造する方法は、当技術分野において周知である(例えば、Verma R et al.,1998,J.Immunol.Methods,216,165-181を参照)。Fab-Fvフォーマットは、国際公開第2009/040562号に最初に開示され、そのジスルフィド安定化バージョンであるFab-dsFvは、国際公開第2010/035012号に最初に開示された。本発明において使用するための他の抗体断片としては、Fab及びFab’断片が挙げられる。多価抗体は、多重特異性を有していてもよく、例えば二重特異的であってもよく、単一特異的であってもよい。
抗体又はその結合断片は、一本鎖抗体、一本鎖可変断片(scFv)、可変断片(Fv)、断片抗原結合領域(Fab)、組換え抗体、モノクローナル抗体、ネイティブ抗体の抗原結合ドメイン又はアプタマーを含む融合タンパク質、VHH抗体としても知られているシングルドメイン抗体(sdAb)、ナノボディ(ラクダ由来のシングルドメイン抗体)、VNARと呼ばれるサメIgNAR由来のシングルドメイン抗体断片、ダイアボディ、トリアボディ、アンチカリン、アプタマー(DNA又はRNA)、及びこれらの活性成分又は断片からなる群から選択され得る。
IgG1の重鎖及び軽鎖を有するIgG1(例えば、IgG1/κ)抗体は、本発明において有利に使用することができる。しかしながら、κ又はλ軽鎖と組み合わせたIgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgAsec、IgD、及びIgEを含む他のヒト抗体アイソタイプも本発明に包含される。また、様々なアイソタイプの動物由来の抗体は全て、本発明において使用することができる。抗体は、フルサイズ抗体であってもよく、Fab、F(ab’)2、一本鎖Fv断片、又は単一ドメインVHH、VH又はVL単一ドメインを含む抗体の抗原結合断片であってもよい。
用語「シトルリンに特異的に結合する」又は「シトルリン化されたエピトープに特異的に結合する」とは、この状況では、抗体又はその結合断片が、シトルリン残基を含有するペプチド等の構造体には結合するが、該抗体又はその結合断片は、シトルリン残基の代わりにアルギニン残基を含有する同一構造体にはより弱くしか又は好ましくは全く結合しないことを意味する。ペプチドという用語は、本明細書に記載の抗体又はその結合断片との免疫反応性についての適正な状況において、好ましくはヒト又は動物の体内に存在するのと同じ状況において、好ましくはネイティブのポリペプチドの状況において、シトルリン残基を提示することができる構造体として解釈されるべきである。
本発明の方法において使用するのに好適な抗体又はその結合断片は、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに特異的に結合する。脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに抗体又はその結合断片が結合すると、EET形成がブロックされる。ヒストンのシトルリン化は、EETの形成に関連している。
EET形成のブロックは、全体的である場合も部分的である場合もある。例えば、抗体又はその結合断片は、EET形成を10~50%、少なくとも50%、又は少なくとも70%、80%、90%、95%、若しくは99%減少させることができる。EETのブロックは、任意の好適な手段によって、例えば、インビトロでEETosisを測定することによって測定することができる(Fukuchi et al.,“How to detect eosinophil ETosis(EETosis)and extracellular traps”;Allergology International,Volume 70,Issue 1,2021,Pages 19-29)。
用語「結合活性」及び「結合親和性」は、抗体分子が標的に結合する又は結合しない傾向を指すことを意図する。結合親和性は、抗体及びその標的についての解離定数(Kd)を求めることによって定量することができる。同様に、抗体のその標的への結合の特異性は、抗体及び別の非標的分子に関する解離定数と比較した、抗体のその標的に対する比較解離定数(Kd)の観点で定義され得る。
典型的には、標的に対する抗体のKdは、環境中の無関係な物質又は共存する物質等の他の非標的分子に対するKdよりも2倍、好ましくは5倍、より好ましくは10倍低い。より好ましくは、Kdは、50倍低い、更により好ましくは100倍低い、更により好ましくは200倍低い。
この解離定数の値は、周知の方法によって直接求めることができ、複雑な混合物であっても、例えばCaceci MS and Cacheris WP(1984,Byte,9,340-362)に記載されているもの等の方法によってコンピュータで計算することができる。例えば、Kdは、Wong I and Lohman TM(1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90,5428-5432)によって開示されているもの等のダブルフィルターニトロセルロースフィルター結合アッセイを用いて又は例えばOctet表面プラズモン共鳴を用いることによって確立され得る。
脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4についての結合親和性を評価する1つの方法は、ELISAによる方法である。例えば、ウエスタンブロット、RIA、及びフローサイトメトリー分析を含む、標的に対する抗体等のリガンドの結合能力を評価するための他の標準的なアッセイは、当技術分野において公知である。抗体の結合反応速度(例えば、結合親和性)は、例えばBiacore(商標)システム分析によって、表面プラズモン共鳴等の当技術分野において公知の標準的なアッセイによって評価することもできる。
好ましくは、抗体は、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4について1nM以下の結合親和性を有する。好ましくは、本発明の抗体は、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/若しくはヒストン4並びに/又は脱イミノ化されたヒトのヒストンH3について0.5nM以下、0.1nM以下、50pM以下、10pM以下、5pM以下、2pM以下、又は1pM以下の結合親和性を有する。
また、抗体又はその結合断片は、ネイティブ抗体の抗原結合ドメインを含む融合タンパク質であってもよく、DNA又はRNAの形態のアプタマー等のアプタマーであってもよい。
好ましくは、抗体は、モノクローナル抗体である。モノクローナル抗体は、互いに同一でありかつ特定のエピトープについて単一結合特異性及び親和性を有する免疫グロブリン分子である。本発明のモノクローナル抗体(mAb)は、従来のモノクローナル抗体方法論を含む様々な技術、例えば、“Monoclonal Antibodies:a manual of techniques”(Zola H,1987,CRC Press)及び“Monoclonal Hybridoma Antibodies:techniques and applications”(Hurrell JGR,1982 CRC Press)に開示されているものによって生成することができる。
本発明の方法で使用される抗体又はその結合断片は、結合ドメインを含む。結合ドメインは、一般に、重鎖から3つ及び軽鎖から3つの6つのCDR(VHHの場合は3個)を含む。一実施形態では、CDRはフレームワーク内にあり、一緒に可変領域又はドメインを形成する。従って、一実施形態では、抗体又は結合断片は、軽鎖可変領域又はドメイン及び重鎖可変領域又はドメインを含む抗原に特異的な結合ドメインを含む。
抗体可変ドメインにおける残基は、従来、IMGT(http://www.imgt.org)に従って付番される。このシステムは、Lefranc MP(1997,J,Immunol.Today,18,509)に記載されている。本明細書では、特に指定のある場合を除き、この付番システムを使用する。
IMGTの残基指定は、必ずしもアミノ酸残基の線状付番に直接対応するものではない。実際の線状アミノ酸配列は、フレームワークであろうとCDRであろうと、基本可変ドメイン構造の構造的構成要素の短縮又は該構造的構成要素への挿入に対応する厳密なIMGT付番よりも少ないアミノ酸又は追加のアミノ酸を含有している場合がある。抗体の配列中の相同性の残基を「標準的な」IMGT付番された配列とアラインメントすることによって、所与の抗体について残基の正確なIMGT付番を決定することができる。
重鎖可変ドメインのCDRは、IMGT付番システムに従って残基27~38(VHのCDR1)、残基56~65(VHのCDR2)、及び残基105~117(VHのCDR3)に位置する。
軽鎖可変ドメインのCDRは、IMGT付番システムに従って残基27~38(VLのCDR1)、残基56~65(VLのCDR2)、及び残基105~117(VLのCDR3)に位置する。
好適な抗体又はその結合断片は、重鎖及び軽鎖のCDR、重鎖及び軽鎖の可変領域、及び/又は完全長の重鎖及び軽鎖の一次アミノ酸配列によって本明細書に開示され得る。
本発明の方法において使用するための好ましい抗体又はその結合断片は、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに特異的に結合する抗体又はその結合断片の改変されたVL CDR1を含み、該改変されたVL CDR1は、該抗体又はその結合断片に、未改変バージョンのVLのCDR1を含む抗体又はその結合断片よりも改善された特性を提供する。未改変のVL CDR1は、アミノ酸配列QSLLDSDGKTY(配列番号36)又はQSLVDSDGKTY(配列番号37)を含むか又はからなる。従って、本発明の方法において使用するための抗体又はその結合断片は、好ましくは配列番号36又は37のVL CDR1を含まないが、そのようなVL CDR1を含む抗体も依然としてそのような使用に好適である。
抗体又はその結合断片のVL鎖の改変されたCDR1は、アミノ酸配列QSL-X-D-X-D-X-KTY(式中、Xは、V又はLであり、Xは、T、S、A、又はNであり、Xは、G又はAである)を含んでいてもよく又はからなっていてもよいが、但し、該アミノ酸配列は、QSLLDSDGKTY(配列番号36)でもQSLVDSDGKTY(配列番号37)でもない。抗体又はその結合断片のVL鎖の改変されたCDR1は、配列番号36又は37の未改変CDR1と比較して異性化の減少を示すが、未改変CDR1の結合特性は維持している。
特定の抗体又はその結合断片のVHのCDRのアミノ酸配列を配列番号1、2、及び3に示す。VLのCDR2及び3を配列番号4及び5に示す。
特定の抗体又はその結合断片のVH及びVLのアミノ酸配列を配列番号11及び13に与える。VHのCDRを配列番号1、2、及び3に示す。VLのCDRを配列番号6、4、及び5に示す。
別の抗体又はその結合断片のVH及びVLのアミノ酸配列を配列番号11及び14に与える。VHのCDRを配列番号1、2、及び3に示す。VLのCDRを配列番号7、4、及び5に示す。
別の抗体又はその結合断片のVH及びVLのアミノ酸配列を配列番号11及び15に与える。VHのCDRを配列番号1、2、及び3に示す。VLのCDRを配列番号8、4、及び5に示す。
別の抗体又はその結合断片のVH及びVLのアミノ酸配列を配列番号11及び16に与える。VHのCDRを配列番号1、2、及び3に示す。VLのCDRを配列番号9、4、及び5に示す。
別の抗体又はその結合断片のVH及びVLのアミノ酸配列を配列番号11及び17に与える。VHのCDRを配列番号1、2、及び3に示す。VLのCDRを配列番号10、4、及び5に示す。
別の抗体又はその結合断片のVH及びVLのアミノ酸配列を配列番号12及び13に与える。VHのCDRを配列番号1、2、及び3に示す。VLのCDRを配列番号6、4、及び5に示す。
別の抗体又はその結合断片のVH及びVLのアミノ酸配列を配列番号12及び14に与える。VHのCDRを配列番号1、2、及び3に示す。VLのCDRを配列番号7、4、及び5に示す。
別の抗体又はその結合断片のVH及びVLのアミノ酸配列を配列番号12及び15に与える。VHのCDRを配列番号1、2、及び3に示す。VL鎖のCDRを配列番号8、4、及び5に示す。
別の抗体又はその結合断片のVH及びVLのアミノ酸配列を配列番号12及び16に与える。VHのCDRを配列番号1、2、及び3に示す。VLのCDRを配列番号9、4、及び5に示す。
別の抗体又はその結合断片のVH及びVLのアミノ酸配列を配列番号12及び17に与える。VHのCDRを配列番号1、2、及び3に示す。VLのCDRを配列番号10、4、及び5に示す。
抗体は、配列番号11の重鎖可変ドメインアミノ酸配列、配列番号16の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列、配列番号23又は56を含む重鎖定常領域アミノ酸配列、及び配列番号24の軽鎖定常領域アミノ酸配列を含み得る。
抗体は、配列番号11の重鎖可変ドメインアミノ酸配列、配列番号16の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列、配列番号23又は56の重鎖定常領域アミノ酸配列、及び配列番号24の軽鎖定常領域アミノ酸配列を含み得る。
抗体又はその結合断片は、VLのCDR1が常にアミノ酸配列QSL-X-D-X-D-X-KTY(式中、Xは、V又はLであり、Xは、T、S、A、又はNであり、Xは、G又はAである)を含むか若しくはからなるものとして存在するが、但し、該アミノ酸配列はQSLLDSDGKTY(配列番号36)でもQSLVDSDGKTY(配列番号37)でもないか、又は配列番号6、7、8、9、若しくは10を含むか又はからなるものとして存在することを除いて、上記の特定の抗体のうちのいずれか1つのCDR配列のうちの1つ以上を含み得る。
抗体又はその結合断片は、VL CDR1に加えて、該特定の抗体の1つ以上のVH CDR配列、そして、代替的に又は追加的に1つ以上のVL CDR配列を含んでいてもよい。抗体又はその結合断片は、上記の特定の抗体又はその結合断片のVH CDR配列のうちの1つ、2つ、又は3つ全て、そして、代替的に又は追加的にVL CDR1を含む該特定の抗体又はその結合断片のVL鎖のCDR配列のうちの1つ、2つ、又は3つ全てを含んでいてもよい。抗体又はその結合断片は、上記の特定の抗体又は結合断片の6つのCDR配列全てを含んでいてもよい。一例として、抗体は、配列番号6、7、8、9、又は10のうちの1つと、配列番号1、2、3、4、及び5のうちの1つ以上とを含んでいてもよい。
抗体又はその結合断片のVL鎖の改変されたCDR1は、アミノ酸配列QSL-Z-Z-Z-Z-Z-KTY(式中、Zは、V又はLであり、Zは、D又はEであり、Zは、T、S、A、又はNであり、Zは、D、E、S、又はAであり、Zは、G又はAである)を含んでいてもよく又はからなっていてもよいが、但し、該アミノ酸配列はQSLLDSDGKTY(配列番号36)でもQSLVDSDGKTY(配列番号37)でもない。本発明の抗体又はその結合断片のVL鎖の改変されたCDR1は、配列番号36又は37の未改変CDR1と比較して異性化の減少を示すが、未改変CDR1の結合特性は維持している。本発明の抗体又はその結合断片のVL鎖の改変されたCDR1は、配列番号6、7、8、9、10、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、又は52を含んでいてもよく又はからなっていてもよい。抗体は、配列番号6、7、8、9、10、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、又は52のうちの1つと、配列番号1、2、3、4、及び5のうちの1つ以上とを含み得る。抗体は、配列番号6、7、8、9、10、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51又は52のうちの1つと、配列番号1、2、3、4及び5の全てとを含み得る。
本発明の方法において使用するのに好適な抗体又はその結合断片は、これら重鎖可変ドメイン又はVLのCDR2若しくは3におけるCDR配列のうちの1つのバリアントを代替的に含んでいてもよい。例えば、バリアントは、上記アミノ酸配列のいずれかの置換、欠失、又は付加バリアントであってよい。
バリアント抗体は、上述の特定の配列及び断片から1個、2個、3個、4個、5個、10個以下、20個以下、30個以下、又はそれ以上のアミノ酸の置換及び/又は欠失を含み得るが、本明細書に記載の抗体の活性は維持している。「欠失」バリアントは、例えば、1個、2個、3個、4個、若しくは5個の個々のアミノ酸、又は2個、3個、4個、若しくは5個のアミノ酸等の1つ以上のアミノ酸の小さな群の欠失を含んでいてよい。「アミノ酸の小さな群」とは、互いに連続しているか又は近接しているが連続してはいないものとして定義することができる。「置換」バリアントは、好ましくは、1つ以上のアミノ酸が同じ数のアミノ酸で置き換えられたもの及び保存的アミノ酸置換が行われたものを含む。例えば、アミノ酸を、類似の性質を有する別のアミノ酸、例えば、別の塩基性アミノ酸、別の酸性アミノ酸、別の中性アミノ酸、別の荷電アミノ酸、別の親水性アミノ酸、別の疎水性アミノ酸、別の極性アミノ酸、別の芳香族アミノ酸、別の脂肪族アミノ酸、別の極めて小さなアミノ酸、別の小さなアミノ酸、又は別の大きなアミノ酸で置換してよい。好適な置換基を選択するために使用することができる20種の主なアミノ酸の幾つかの性質は、以下の通りである:
好ましい「誘導体」又は「バリアント」は、配列中に存在するアミノ酸が、天然に存在するアミノ酸の代わりにその構造類似体であるものを含む。また、配列において使用されるアミノ酸は、抗体の機能が著しく悪影響を受けることのない限り、誘導体化又は修飾、例えば標識されていてもよい。
上記の誘導体及びバリアントは、抗体の合成中に、又は生成後の修飾によって、又は抗体が組換え体の形態である場合は核酸の部位特異的変異誘発、ランダム変異誘発、又は酵素的切断及び/若しくはライゲーションの公知の技術を用いて調製することができる。
好ましくは、バリアント抗体は、本明細書に開示される抗体のVL及び/若しくはVH又はその断片に対して60%超、又は70%超、例えば75%又は80%、好ましくは85%超、例えば90%超、95%超、96%超、97%超、98%超、又は99%超のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を有する。このアミノ酸同一性のレベルは、関連する配列番号の配列の全長にわたって又は配列の一部にわたって、例えば、完全長ポリペプチドのサイズに応じて20、30、50、75、100、150、200、又はそれ以上のアミノ酸にわたってみられ得る。
好ましくは、バリアント抗体は、本明細書に記載のCDR配列のうちの1つ以上を含む。
アミノ酸配列に関連して、「配列同一性」とは、以下のパラメータでClustalW(Thompson JD et al.,1994,Nucleic Acid Res.,22,4673-4680)を用いて評価したときに指定の値を有する配列を指す:
ペアワイズアラインメントパラメータ-方法:緩徐/正確、マトリクス:PAM、ギャップオープンペナルティ:10.00、ギャップエクステンションペナルティ:0.10;
マルチプルアライメントパラメータ-マトリクス:PAM、ギャップオープンペナルティ:10.00、遅延についての同一性%:30、エンドギャップのペナルティ:オン、ギャップの分離距離:0、ネガティブマトリクス:なし、ギャップエクステンションペナルティ:0.20、残基特異的ギャップペナルティ:オン、親水性ギャップペナルティ:オン、親水性残渣:G、P、S、N、D、Q、E、K、R。特定の残基における配列同一性は、単に誘導体化されている同一の残基を含むことを意図する。
本発明の方法は、特定のVH及びVLのアミノ酸配列並びにそのバリアント及び断片を有する抗体であって、これらVH及びVLの機能又は活性を維持している抗体を使用し得る。
従って、本発明の方法は、ヒトの脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに特異的に結合する能力を保持しているVHのバリアントを含む抗体又はその結合断片を使用し得る。重鎖のバリアントは、未改変VHと少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有し得る。VHのバリアントは、hVH22.101f若しくはhVH22.101HC9(それぞれ配列番号11及び12)の少なくとも7アミノ酸の断片であって、抗体若しくはその結合断片が脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/若しくはヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープと特異的に反応する能力を保持している断片;又はhVH22.101f若しくはhVH22.101HC9(それぞれ配列番号11及び12)の配列と少なくとも70%のアミノ酸配列同一性を有するhVH22.101f若しくはhVH22.101HC9(それぞれ配列番号11及び12)のバリアントであって、抗体若しくはその結合断片が脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/若しくはヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープと特異的に反応する能力を保持しているバリアントを含み得る。
代表的な脱イミノ化したヒトのヒストン2A及びヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに結合する抗体は、例えば国際公開第2009147201号、同第2011070172号、同第2016092082号、及び同第2020038963号に記載されている。これら各文書及びそこに開示されている抗体(重鎖及び軽鎖の両方のCDR配列、可変領域配列、及び定常領域配列を全て含む)は、参照により本明細書に組み込まれる。具体的には、国際公開第2016092082号においてRhmAb2.102、RhmAb2.108、RhmAb2.109、RhmAb2.110、RhmAb2.111、RhmAb2.112、MQ22.101、MQ22.102、及びMQ22.101b/dと命名されている抗体並びにそれらの任意の抗原結合断片は、それぞれ参照により組み込まれる。同様に、国際公開第2020038963号にhMQ22.101x/yの形式の識別子で開示されている抗体及びその任意の抗原結合断片は、それぞれ参照により組み込まれる。国際公開第2020038963号に開示されている抗体が特に好ましく、以下でより詳細に論じる。国際公開第2020038963号においてhMQ22.101f/LC41と称されている抗体が最も好ましい。この抗体は、本明細書ではCIT-013と記載される場合もある。
ポリヌクレオチド、ベクター、及び宿主細胞
本発明はまた、本明細書に記載の抗体又はその結合断片をコードしているポリヌクレオチド、ベクター、及び発現ベクターを包含する。
本発明はまた、本明細書に記載の任意の抗体又は断片をコードしているポリヌクレオチドに関する。用語「核酸分子」及び「ポリヌクレオチド」は、本明細書では互換的に使用され、デオキシリボヌクレオチド若しくはリボヌクレオチド又はこれらの類似体のいずれかである、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。ポリヌクレオチドの非限定的な例は、遺伝子、遺伝子断片、メッセンジャーRNA(mRNA)、cDNA、ゲノムDNA、組み換えポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブ、及びプライマーを含む。ポリヌクレオチドは、単離又は精製された形態で提供され得る。
選択されたポリヌクレオチドを「コードしている」核酸配列は、適切な調節配列の制御下におかれたときにインビボでポリペプチドに転写(DNAの場合)及び翻訳(mRNAの場合)される核酸分子である。コード配列の境界は、5’(アミノ)末端における開始コドン及び3’(カルボキシ)末端における翻訳終止コドンによって決定される。本開示の目的のために、このような核酸配列は、ウイルス由来のcDNA、原核生物又は真核生物のmRNA、ウイルス又は原核生物のDNA又はRNA由来のゲノム配列、及び更には合成DNA配列を含んでいてよいが、これらに限定されない。転写終結配列は、コード配列の3’側に位置していてよい。一実施形態では、ポリヌクレオチドは、上記のVH又はVLのアミノ酸配列をコードしている配列を含む。ポリヌクレオチドは、本明細書に開示される特定の抗体又はその結合断片のVH又はVLの配列をコードしていてよい。
従って、抗体又はその結合断片は、それをコードしておりかつそれを発現することができるポリヌクレオチドから生成されてもよく、又は該ポリヌクレオチドの形態で送達されてもよい。抗体が2本以上の鎖を含む場合、ポリヌクレオチドは、1本以上の抗体鎖をコードし得る。例えば、ポリヌクレオチドは、抗体軽鎖、抗体重鎖、又は両方をコードし得る。一方が抗体軽鎖をコードし、他方が対応する抗体重鎖をコードしている2つのポリヌクレオチドが提供されてもよい。このようなポリヌクレオチド又はポリヌクレオチド対は、抗体が生成されるように一緒に発現し得る。
ポリヌクレオチドは、一例としてSambrook J et al.(1989,Molecular cloning:a laboratory manual;Cold Spring Harbor:New York:Cold Spring Harbor Laboratory Press)に記載されている通り、当技術分野において周知の方法に従って合成することができる。
本発明の核酸分子は、挿入された配列に動作可能に連結され、それによって、インビボで本発明の抗体を発現させることができる制御配列を含む、発現カセットの形態で提供され得る。次に、これら発現カセットは、典型的には、ベクター(例えば、プラスミド又は組み換えウイルスベクター)内に提供される。このような発現カセットを宿主対象に直接投与してもよい。あるいは、ポリヌクレオチドを含むベクターを宿主対象に投与してもよい。好ましくは、遺伝子ベクターを使用してポリヌクレオチドを調製及び/又は投与する。好適なベクターは、十分な量の遺伝情報を保有し、上に定義した抗体又はその結合断片等のポリペプチドを発現させることができる任意のベクターであってよい。
また、このようなポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターも開示される。このような発現ベクターは、分子生物学の技術分野においてルーチン的に構築され、例えば、本発明のペプチドを発現させるために、プラスミドDNA並びに適切なイニシエータ、プロモータ、エンハンサ、及び他のエレメント、例えば必要になる場合がありかつ正確な配向で配置されたポリアデニル化シグナルの使用を伴っていてよい。他の好適なベクターは、当業者には明らかであろう。これに関する更なる例として、Sambrook J et al.(1989,Molecular cloning:a laboratory manual;Cold Spring Harbor:New York:Cold Spring Harbor Laboratory Press)を参照する。
当業者であれば、本明細書に記載の配列を使用して、例えば以下の実施例に記載されるcDNA又はゲノム配列をクローニング又は生成することができる。pcDNA3(Invitrogen)のような適切な真核生物発現ベクター又はその誘導体にこれら配列をクローニングし、その後、適切な軽鎖及び重鎖含有ベクターの組み合わせで(CHO細胞のような)哺乳動物細胞をトランスフェクションした結果、本明細書に記載の抗体が発現及び分泌される。
当業者はまた、抗体配列の特異的結合ドメインを使用することによって本明細書に記載の抗体又はその結合断片の類似体を作製し、融合タンパク質等のポリペプチド等の異なる状況で発現させることができる。これは、当技術分野において周知である。
また、抗体を発現するように改変された細胞も開示される。このような細胞としては、哺乳動物細胞若しくは昆虫細胞等の一過性又は好ましくは安定性の高等真核細胞株、酵母等の下等真核細胞、又は細菌細胞等の原核細胞が挙げられる。本発明の抗体をコードしているベクター又は発現カセットの挿入により改変され得る細胞の具体例としては、哺乳動物のHEK293、CHO、HeLa、NS0、及びCOSの細胞が挙げられる。好ましくは、選択される細胞株は、安定しているだけでなく、成熟グリコシル化を可能にするものである。
このような細胞株は、抗体若しくはその結合断片を生成するためにルーチンな方法を用いて培養してもよく、又は抗体若しくはその結合断片を対象に送達するために治療的若しくは予防的に使用してもよい。あるいは、本発明のポリヌクレオチド、発現カセット、又はベクターをエクスビボで対象由来の細胞に投与し、次いで、細胞を対象の体内に戻してもよい。
脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに特異的に結合する抗体又はその結合断片を生成するプロセスであって、本明細書に記載の宿主細胞を培養することと、該細胞から該抗体又はその結合断片を単離することとを含むプロセスが本明細書に開示される。
医薬組成物
本発明の方法において使用する場合、上に定義した抗体又は結合断片は、該抗体又はその結合断片を含む医薬組成物として提供することができる。従って、本発明は、本発明の方法において使用するための、抗体又はその結合断片と薬学的に許容し得る担体とを含む医薬組成物を包含する。
本明細書で使用するとき、「薬学的に許容し得る担体」は、生理学的に適合する任意の及び全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌及び抗真菌剤、等張及び吸収遅延剤等を含む。好ましくは、担体は、非経口的、例えば静脈内、眼内、筋肉内、皮下、皮内、又は腹腔内への投与(例えば、注射又は注入による)に好適である。特定の実施形態では、薬学的に許容し得る担体は、共溶媒溶液、リポソーム、ミセル、液晶、ナノ結晶、ナノ粒子、エマルジョン、微粒子、ミクロスフェア、ナノスフィア、ナノカプセル、ポリマー又はポリマー担体、界面活性剤、懸濁剤、シクロデキストリン等の錯化剤、又はアルブミン等の吸着分子、表面活性粒子、及びキレート剤からなる群から選択される少なくとも1つの担体を含む。更なる実施形態では、多糖類は、ヒアルロン酸及びその誘導体、デキストラン及びその誘導体、セルロース及びその誘導体(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート)、キトサン及びその誘導体、[β]-グルカン、アラビノキシラン、カラギーナン、ペクチン、グリコーゲン、フコイダン、コンドロチン、デルマタン、ヘパラン、ヘパリン、ペントサン、ケラタン、アルギネート、シクロデキストリン、並びにこれらのエステル及び硫酸塩を含む塩及び誘導体を含む。
好ましい薬学的に許容し得る担体は、水性担体又は希釈剤を含む。本発明の医薬組成物において使用することができる好適な水性担体の例としては、水、緩衝水、及び生理食塩水が挙げられる。他の担体の例としては、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、及びこれらの好適な混合物、オリーブオイル等の植物油、並びにオレイン酸エチル等の注射可能な有機エステルが挙げられる。例えば、レシチン等のコーティング材料を使用することによって、分散液の場合は必要な粒径を維持することによって、及び界面活性剤を使用することによって適切な流動性を維持することができる。多くの場合、組成物中に等張剤、例えば糖、マンニトール、ソルビトール等のポリアルコール、又は塩化ナトリウムを含むことが好ましい。
医薬組成物は、薬学的に許容し得る酸化防止剤を含んでいてもよい。これら組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤等のアジュバントを含有していてもよい。上記の滅菌手順によっても、様々な抗菌及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸等を含めることによっても、微生物の存在を確実に防ぐことができる。また、糖類、塩化ナトリウム等の等張化剤を組成物に含めることが望ましい場合もある。更に、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチン等の吸収を遅延させる剤を含めることによって、注射可能な医薬形態の持続性吸収を実現することもできる。
治療組成物は、典型的には、無菌でなければならず、製造及び保管の条件下で安定でなければならない。医薬組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、リポソーム、又は高薬物濃度に好適な他の秩序構造として製剤化することができる。
滅菌注射液は、必要に応じて上に列挙した成分のうちの1つ又は組み合わせと共に適切な溶媒中に必要量の活性剤(例えば、抗体)を配合し、続いて、滅菌精密濾過することによって調製され得る。一般的に、分散液は、塩基性分散媒と上に列挙したもののうちの必要な他の成分とを含有する滅菌ビヒクルに活性剤を配合することによって調製される。滅菌注射液を調製するための滅菌粉末の場合、調製の好ましい方法は真空乾燥及びフリーズドライ(凍結乾燥)であり、これにより、その予め滅菌濾過された溶液から活性剤の粉末に加えて任意の更なる所望の成分が得られる。
医薬組成物は、上に定義した抗体に加えて追加の活性成分を含んでいてもよい。上述したように、本発明の組成物は1つ以上の抗体を含んでいてもよい。また、該組成物は、追加の治療又は予防用の活性剤を含んでいてもよい。
投与経路に応じて、抗体を不活化又は変性させる可能性のある酸及び他の自然条件の作用から該抗体を保護するための材料で、抗体又はその結合断片をコーティングしてもよい。
好ましい実施形態では、本発明に係る医薬組成物は、水溶液、ゲル、ヒドロゲル、フィルム、ペースト、クリーム、スプレー、軟膏、又はラップからなる群から選択される形態である。
更なる実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、静脈内、皮下、眼内、筋肉内、関節内、皮内、腹膜内、脊髄等の経路によって又は他の非経口的な投与経路、例えば注射若しくは注入によって投与することができる。投与は、直腸、経口、眼、外用、表皮、又は粘膜の経路で行うことができる。投与は、吸入によるものを含む局所的なものであってもよい。好ましい実施形態では、医薬組成物は、静脈内又は皮下に投与される。一実施形態では、医薬組成物は、吸入により投与してよい。一実施形態では、医薬組成物を含む定量投与装置が使用される。
本発明の一実施形態では、対象は、本発明の抗体又は結合断片及び副腎皮質ステロイドの両方で治療される。一実施形態では、副腎皮質ステロイドは、デキサメタゾンである。一実施形態では、抗体又は結合断片及び副腎皮質ステロイドは、同時に、別々に、又は逐次投与される。一実施形態では、2つは同じ組成物で与えられる。別の実施形態では、そうではない。一実施形態では、副腎皮質ステロイドは、吸入を介して与えられる。
また、本発明の抗体又は他の組成物と使用説明書とを含むキットも本明細書に開示される。キットは、本明細書で論じる追加の治療又は予防用の剤等の1つ以上の追加の試薬を更に含有していてもよい。
疾患を予防及び治療する方法
本発明は、好酸球細胞外トラップ(EET)の形成を阻害する方法であって、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに特異的に結合する抗体又はその結合断片を、好酸球が存在するサンプル又は対象に投与することを含む方法を提供する。本発明はまた、好中球細胞外トラップ(NET)の形成を阻害するための、特に肺病態を治療又は予防するためのこのような抗体又は結合断片を提供する。好ましい一実施形態では、肺病態は、好中球及び好酸球の数の増加を特徴とするものである。従って、好ましい一実施形態では、本発明はEET及びNETの両方を阻害するために使用される。
方法は、対象における疾患又は病態を予防又は治療するための方法であってよく、その場合、該方法は、予防的又は治療的に有効な量の該抗体又はその結合断片を対象に投与することを含む。また、対象における疾患又は病態を予防又は治療するための該方法において使用するための、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに特異的に結合する抗体又はその結合断片も提供される。また、対象における疾患又は病態を予防又は治療するための該方法において使用するための医薬の製造において使用するための、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに特異的に結合する抗体又はその結合断片も提供される。
治療用途では、既に障害又は病態に罹患している対象に、病態又はその症状のうちの1つ以上を治癒、緩和、又は部分的に停止させるのに十分な量の抗体又は組成物を投与する。このような治療的処置の結果、疾患の症状の重症度が低下し得る又は無症状期間の頻度若しくは持続期間が増加し得る。これを達成するのに適切な量を「治療上有効な量」と定義する。所与の目的のための有効な量は、疾患又は傷害の重症度並びに対象の体重及び全身状態に依存する。予防用途では、未だ障害又は病態の症状を呈していない対象に、症状の発生を防止又は遅延させるのに十分な量のポリペプチド又は組成物を投与する。このような量を「予防上有効な量」と定義する。本明細書で使用するとき、用語「対象」は、任意の脊椎動物、典型的にはヒト又はウマ等の任意の哺乳動物を含む。対象は、好ましくはヒトである。
特定の実施形態では、抗体又はその結合断片は、別の部分に(直接的又は間接的に)連結されていてもよい。他の部分は、薬物等の治療剤であってよい。他の部分は、検出可能な標識であってもよい。他の部分は、治療標的に特異的な抗体又はポリペプチドの結合ドメイン等の結合部分であってもよい。本発明の抗体又はその結合断片は、二重特異的抗体であってもよい。
治療剤又は検出可能な標識は、例えば化学的コンジュゲーションによって本発明の抗体又はその結合断片に直接結合し得る。抗体に剤又は標識をコンジュゲートさせる方法は、当技術分野において公知である。例えば、カルボジイミドコンジュゲーション(Bauminger S and Wilchek M,1980,Methods Enzymol.,70,151-159)を使用してドキソルビシンを含む様々な剤を抗体又はペプチドにコンジュゲートさせることができる。水溶性カルボジイミドである1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)は、機能性部分を結合部分にコンジュゲートさせるのに特に有用である。
部分を抗体にコンジュゲートさせるために他の方法を使用することもできる。例えば、グルタルアルデヒドの架橋と同様に、適切な反応物質の過ヨウ素酸ナトリウム酸化に続く還元的アルキル化を使用してもよい。しかしながら、本発明のコンジュゲートの生成にどの方法を選択するかにかかわらず、抗体がそのターゲティング能力を維持し、機能性部分がその関連機能を維持していると確認されなければならないことが認識される。
抗体に連結された治療剤は、治療上有益なポリペプチド又はポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを含んでいてよい。このようなポリペプチドの例としては、抗増殖性又は抗炎症性のサイトカインが挙げられる。
抗体は、検出可能な標識に連結されてもよい。「検出可能な標識」とは、抗体を患者に投与した後に標的部分に位置しているときに、典型的には体外及び標的が位置している部位から非侵襲的に検出することができる部分に抗体が連結されていることを意味する。従って、抗体は、イメージング及び診断において有用であり得る。
典型的には、標識は、イメージングにおいて有用な放射性原子であるか又はそれを含む。好適な放射性原子としては、シンチグラフィー研究のための99mTc及び123Iが挙げられる。他の標識としては、例えば、再び123I、131I、111In、19F、13C、15N、17O、ガドリニウム、マンガン、又は鉄等の磁気共鳴イメージング(MRI)用のスピン標識が挙げられる。明らかに、分子を容易に検出できるようにするためには、十分な量の適切な原子同位体が抗体に連結されていなければならない。
放射標識又は他の標識は、公知の方法で組み込むことができる。例えば、抗体又はその断片は、生合成されてもよく、又は例えばフッ素19を含む好適なアミノ酸前駆体を水素の代わりに用いる化学的アミノ酸合成によって合成されてもよい。99mTc、123I、186Rh、188Rh、及び111In等の標識は、例えば、ポリペプチドにおけるシステイン残基を介して結合することができる。イットリウム-90は、リジン残基を介して結合することができる。好ましくは、検出可能な標識は、例えば、テクネチウム-99m又はヨウ素-123等の放射性原子を含む。あるいは、検出可能な標識は、ヨウ素-123;ヨウ素-131;インジウム-111;フッ素-19;炭素-13;窒素-15;酸素-17;ガドリニウム;マンガン;鉄を含む群から選択され得る。
一実施形態では、本発明の抗体は、直接又は間接的に細胞傷害性部分又は検出可能な標識に選択的に結合することができる。従って、この実施形態では、抗体は、細胞傷害性であるか又は容易に検出可能な更なる化合物又は成分に選択的に結合する部分に連結される。
抗体若しくは結合断片、又は該抗体若しくは断片を含む組成物は、当該技術分野において公知の様々な方法のうちの1つ以上の方法を用いて1つ以上の投与経路を介して投与してよい。当業者には理解される通り、投与経路及び/又は投与モードは所望の結果に応じて変化する。本発明の抗体又は組成物の好ましい投与経路としては、静脈内、皮下、眼内、筋肉内、皮内、腹腔内、脊髄、又は他の非経口的な投与経路、例えば注射又は注入が挙げられる。「非経口投与」という表現は、本明細書で使用するとき、経腸投与及び外用投与以外の投与モードを意味し、通常は注射による。投与は、直腸、経口、眼、外用、表皮、又は粘膜の経路で行うことができる。投与は、腫瘍周囲、腫瘍近傍、腫瘍内、腫瘍の切除縁へ、病巣内、病巣周囲、腔内注入による、小胞内投与、又は吸入によるものを含む局所的なものであってもよい。好ましい実施形態では、医薬組成物は、静脈内又は皮下に投与される。
抗体又はその結合断片の好適な投与量は、熟練の医師によって決定され得る。本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、患者にとって毒性であることなく、特定の患者、組成物、及び投与モードについて所望の治療応答を達成するのに有効な活性成分の量が得られるように変化させてよい。選択される投与量レベルは、使用される特定の抗体の活性、投与経路、投与時間、抗体の排泄速度、治療期間、使用される特定の組成物と併用される他の薬物、化合物、及び/又は材料、治療される患者の年齢、性別、体重、状態、全身健康、及び前病歴、並びに医学分野で周知である類似の要因を含む様々な薬物動態学的要因に依存する。
抗体又はその結合断片の好適な用量は、例えば、約0.1μg/kg(治療される患者の体重)~約100mg/kgの範囲であり得る。例えば、好適な投与量は、1週間あたり約1μg/kg(体重)~約50mg/kg、1週間あたり約100μg/kg(体重)~約25mg/kg、又は1週間あたり約10μg/kg(体重)~約12.5mg/kgであってよい。
好適な投与量は、1日あたり約1μg/kg(体重)~約50mg/kg、1日あたり約100μg/kg(体重)~約25mg/kg、又は1日あたり約10μg/kg(体重)~約12.5mg/kgであってよい。
投与レジメンは、最適な所望の応答(例えば、治療応答)を提供するように調整してよい。例えば、単回ボーラス投与してもよく、経時的に何回かに分けて投与してもよく、治療状況の緊急性によって適応があれば用量を比例的に減少させたり、増加させたりしてもよい。投与を容易にし、投与量を均一にするために、非経口組成物を単位剤形に製剤化することが特に有利である。単位剤形とは、本明細書で使用するとき、治療される対象のための単位投与量として適している物理的に別々の単位を指し、各単位が、必要な医薬担体と共同して所望の治療効果を生じさせるように計算された所定の量の活性化合物を含有する。
抗体は、単回投与又は複数回投与で投与してよい。複数回投与では、同一又は異なる経路を介して同一又は異なる位置に投与してよい。あるいは、抗体を徐放性製剤として投与してもよく、この場合には、必要な投与頻度がより少なくなる。投与量及び頻度は、患者における抗体の半減期及び所望の治療期間に応じて変化し得る。また、投与量及び投与頻度は、処置が予防的なものであるか治療的なものであるかによっても変化し得る。予防的用途では、比較的低投与量を長期間にわたって比較的広い間隔で投与してよい。治療的用途では、比較的高投与量を、例えば、患者が疾患の症状の部分的又は完全な寛解を示すまで投与してよい。
2つ以上の剤の併用投与は、多数の異なる方法で達成され得る。一実施形態では、抗体又はその結合断片と他の剤とを、単一の組成物で一緒に投与してよい。別の実施形態では、抗体と他の剤とを、併用療法の一部として別々の組成物で投与してもよい。例えば、抗体又はその結合断片を、他の剤の前に、後に、又は同時に投与してよい。
診断、治療、又は予防される疾患
本明細書に開示される方法は、EET関連病理を含む任意の疾患又は病態を診断、治療、又は予防するための方法であり得る。EET関連病理とは、典型的には、EETの形成によって全て又は一部が媒介される病理を意味する。このような病理は、典型的には、好酸球によって全て若しくは一部が媒介される又は好ましくは主に媒介される任意の疾患又は病態に存在する。このような疾患又は病態は、本明細書では好酸球性又は好酸球関連と記載される場合がある。従って、言い換えれば、本明細書に開示される方法は、好酸球性疾患又は病態を診断、治療、又は予防するための方法であってよい。
好酸球性疾患又は病態は、罹患した組織又は器官において、健常個体における同じ組織又は器官と比べてより多数の好酸球が存在する疾患又は病態として定義され得る。好酸球性疾患及び病態としては、皮膚の好酸球性疾患若しくは病態;呼吸器の好酸球性疾患若しくは病態;胃腸の好酸球性疾患若しくは病態;アレルギー性疾患若しくは病態;又は蠕虫、真菌、ウイルス、若しくは細菌の感染症を挙げることができる。
皮膚の好酸球性疾患又は病態としては、水疱性類天疱瘡(PB)、アトピー性皮膚炎(AD)及び慢性自然発生じんま疹(CSU)、アレルギー性接触皮膚炎、及び好酸球性蜂巣炎(ウェルズ症候群とも呼ばれる)が挙げられる。
呼吸器の好酸球性疾患又は病態としては、好酸球性喘息、鼻ポリープ、鼻茸を伴う慢性鼻副鼻腔炎(CRSwNP)、アレルギー性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(真菌感染症)、好酸球性慢性鼻副鼻腔炎、熱帯性肺好酸球症(典型的には、呼吸器蠕虫感染症)が挙げられる。
胃腸の好酸球性疾患又は病態としては、好酸球性食道炎(EoE)、好酸球性胃炎(胃-EG)、好酸球性胃腸炎(胃及び小腸-EGE)、好酸球性腸炎(小腸)、好酸球性大腸炎(大腸-EC)、及び回虫症又は旋毛虫症等の胃腸蠕虫感染症が挙げられる。
他の好酸球性疾患又は病態としては、好酸球増加症候群(HES-血液及び様々な器官で発症)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA-血管を含む様々な器官で発症)、及び好酸球性中耳炎(EOM-中耳で発症)、並びに好酸球性及び全身性の症状を伴う薬物反応(DRESS-様々な器官で発症)が挙げられる。
好ましい一実施形態では、治療又は予防される疾患は、動脈硬化である。別の実施形態では、血管炎が治療される。
本明細書に開示される方法は、上記の好酸球性疾患又は病態のいずれかを診断、治療、又は予防のための方法であり得る。特に好ましい好酸球性疾患又は病態としては、EETの存在が直接確認されているものが挙げられる。このような疾患及び病態としては、水疱性類天疱瘡、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、好酸球性喘息、鼻茸を伴う慢性鼻副鼻腔炎(CRSwNP)、アレルギー性副鼻腔炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、好酸球性慢性鼻副鼻腔炎、好酸球性食道炎(EoE)、好酸球増加症候群(HES)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)、好酸球性中耳炎(EOM)、並びに好酸球性及び全身性の症状を伴う薬物反応(DRESS)が挙げられるが、これらに限定されない。
最も好ましい好酸球性疾患又は病態は、EETと疾患の発生率及び/又は重症度との相関が直接観察されているものである。このような疾患及び病態としては、好酸球性喘息、鼻茸を伴う慢性鼻副鼻腔炎(CRSwNP)、好酸球性慢性鼻副鼻腔炎、及び好酸球性中耳炎(EOM)が挙げられるが、これらに限定されない。
上述したもの等の疾患におけるEETの存在及び/又は好酸球の役割は、当技術分野において十分に確立されている。例えば、Williams,T.L et al.(2020).“NETs and EETs,a Whole Web of Mess”.Microorganisms,8(12),1925及びMukherjee,M.,et al.(2018).Eosinophil Extracellular Traps and Inflammatory Pathologies-Untangling the Web!.Frontiers in immunology,9,2763を参照。本発明は、参照により組み込まれるこれら文献に列挙されている任意の疾患の治療、予防、又は診断に好適である。
本明細書に開示される方法はまた、好酸球には部分的にしか媒介されない疾患又は病態におけるEET関連病理を診断、治療、又は予防するための方法であってもよい。例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、クローン病、潰瘍性大腸炎、疱疹状皮膚炎、血栓症、及びアテローム性動脈硬化症等の疾患は、複数の細胞型によって引き起こされる複数の病理を示すことがあるため、「好酸球性」とは定義されないことがある。しかし、それにもかかわらずEET関連病理を示すことがあるので、本明細書に開示される方法で診断、治療、又は予防することができる。
別の方法
本発明は、好酸球細胞外トラップ(EET)の形成を阻害又は検出する方法であって、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに特異的に結合する抗体又はその結合断片を、好酸球が存在するサンプル又は対象に投与することを含む方法を提供する。この方法は、サンプル中のEET形成をエクスビボで阻害又は検出するための方法であってもよく、その場合、該方法は、該抗体又はその結合断片をサンプルに投与し、結合が生じるのに好適な条件下でインキュベートすることを含む。言い換えれば、抗体-標的複合体の形成を可能にする条件である。この方法は、任意で、該複合体が形成されたかどうかを判定することを含んでいてもよい。
このような方法では、結合が生じるのに好適な条件下でサンプルを好適な抗体又は断片と接触させる。好適な条件は、少なくとも1分間、2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、又はそれ以上インキュベートすることを含む。インキュベートは、好ましくは室温で、より好ましくは約20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、又は45℃、最も好ましくは約37℃で行われる。上記方法は、任意の好適なpH下で実施してよいが、典型的にはおおよそpH6.5~7.5で実施される。方法は、トリス緩衝生理食塩水(TBS)又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)等の任意の好適なバッファ中で実施してよい。
結合したかどうかを判定するためのサンプルの検出又は分析は、例えば、質量分析、HPLC、アフィニティクロマトグラフィ、ゲル電気泳動、SDS-PAGE、ELISA、レクチンブロッティング、分光分析、キャピラリー電気泳動、フローサイトメトリー、顕微鏡観察、及び分析のための他の標準的な検査技術等であるがこれらに限定されない、任意の好適な分析方法によって評価してよい。
抗体又はその結合断片は、固体支持体に結合していてもよく、その検出を支援するために、上記の通り標識されていても又は別の化学基若しくは分子にコンジュゲートされていてもよい。例えば、典型的な化学基としては、フルオレセインアナート(FITC)若しくはフィコエリトリン(PE)等の蛍光標識、又はビオチン等のタグが挙げられる。
サンプルは、典型的には、血清又は血液等の対象から得られた体液のサンプルである。この方法は、例えば好酸球を単離するために、抗体又は断片を投与する前にサンプルを処理することを含んでいてもよい。サンプルは、対象、好ましくはEET関連病理の存在が確認され得るか又は疑われ得るヒト対象から採取したサンプルであってよい。得られた結果は、例えば前節で述べた疾患のいずれかを含む、対象におけるEET関連病理の存在を検出又は確認するため等の診断目的に使用することができる。このような使用は、対象から得られた結果を健常対照から得られたサンプルを使用して得られた結果と比較することを含んでいてよい。対象におけるEET関連病理の存在は、本明細書に記載される任意の好酸球性疾患を含む好酸球性疾患の1つ以上の症状の存在により確認され得る又は疑われ得る。
肺障害
好ましい一実施形態では、本発明は、肺障害を治療するために用いられる。特に、本発明は、肺障害を治療又は予防する方法であって、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに特異的に結合する抗体又はその結合断片を、該肺障害に罹患しているか又はリスクを有する対象に投与することを含む方法を提供する。一実施形態では、抗体又は結合断片は、本明細書に記載されているもののいずれかである。好ましい実施形態では、肺障害は、炎症性肺障害であり得る。一実施形態では、肺障害は、障害を有しない健常対象と比較して、炎症性細胞の肺への流入を特徴とするものである。例えば、一実施形態では、白血球の肺への流入を特徴とする病態であり得る。一実施形態では、肺障害は、顆粒球の肺への流入、特に好酸球及び/又は好中球の肺への流入を特徴とする。
本発明者らは、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに特異的に結合する抗体又はその結合断片が、副腎皮質ステロイドよりも肺障害の治療において有効である可能性があることを見出した。従って、一実施形態では、肺病態は、対象の副腎皮質ステロイドに対する症状応答性が乏しいことを特徴とする。特に、一実施形態では、提供されるアプローチは、デキサメタゾンに対する応答性が乏しい肺病態を有する対象を治療するために使用される。別の実施形態では、対象は、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに特異的に結合する抗体又はその結合断片及び副腎皮質ステロイドの両方で治療される。一実施形態では、対象は、抗体(又は結合断片)及びデキサメタゾンの両方で治療される。一実施形態では、この2つを組み合わせることで、副腎皮質ステロイドの効果を増強するのに役立ち得る。
一実施形態では、肺障害を治療又は予防する方法は、NETの存在を減少させる。別の実施形態では、方法は、EETの存在を減少させる。好ましい実施形態では、方法は、対象の肺におけるNET及びEETの両方を減少させ得る。一実施形態では、方法は、NET及び/又はEETの形成を減少させる。
方法は、任意の好適な肺障害、特に炎症性肺障害を治療するために使用することができる。一実施形態では、肺障害は、COPD、気管支炎、肺気腫、嚢胞性線維症、線維症及び特発性肺線維症、並びに喘息から選択される。好ましい実施形態では、病態は喘息である。対象が重度の喘息を有していてもよい。特に好ましい一実施形態では、肺障害は、アレルギー性喘息であり得る。好ましい一実施形態では、肺障害は、チリダニアレルギーが関与するアレルギー性喘息である。一実施形態では、肺障害は、好酸球及び/又は好中球の数の増加を特徴とする喘息である。一実施形態では、本発明の方法を使用して、浸潤性好酸球の数が増加した肺病態を治療することができる。別の実施形態では、本発明の方法を使用して、浸潤性好中球の数が増加した肺病態を治療することができる。別の実施形態では、対象の浸潤性好酸球及び好中球の数が増加している。一実施形態では、対象は、好中球性喘息を有していてよい。別の実施形態では、対象は、好酸球性喘息を有していてよい。一実施形態では、対象は、2型喘息を有していてよい。別の実施形態では、対象は、非2型喘息を有していてよい。
一実施形態では、肺における炎症性細胞の存在を評価する方法として気管支肺胞洗浄(BAL)を用いることができる。一実施形態では、気管支肺胞腔内の総白血球数を測定する方法としてBALを用いることができる。一実施形態では、気管支肺胞腔内の好中球及び/又は好酸球の数を測定する方法としてBALを用いることができる。一実施形態では、本発明の方法により、対象由来のBAL中の好中球数が治療前の数と比べて減少する。別の実施形態では、治療により、対象由来のBAL中の好酸球数が治療前又は治療期間中の数と比べて減少する。一実施形態では、好酸球数及び好中球数の両方が減少する。一実施形態では、治療の結果、BAL中の総顆粒球数が減少する。一実施形態では、本発明は、血管周囲浸潤性好中球、血管周囲単核細胞、及び/又は細気管支浸潤性好中球を減少させ得る。本明細書に記載の抗体又はその結合断片による治療はまた、例えばBAL中で測定したときのシトルリン化されたヒストン、特にBAL中のシトルリン化されたヒストン3も減少させ得る。
本発明は、以下の実施例によって更に例示されるが、これらは、更なる限定であると解釈されるべきではない。本出願全体を通して引用される全ての図面並びに全ての参照文献、特許及び公開特許出願の内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
実施例1:A23187又はPMAで刺激した際のCIT-013抗体による好酸球からの細胞外DNA放出の阻害。
Ficoll勾配遠心分離の後、赤血球をACK溶解し、その後、製造業者のプロトコールに従って磁気ビーズと共に好酸球単離キット(Miltenyi Biotec)を用いてネガティブセレクションを行うことにより、健常ドナーの血液20mLから好酸球を単離した。単離した好酸球(フローサイトメトリーで測定したCD16Siglec-8の発現に基づく純度約90%)を、CIT-013又はアイソタイプコントロール抗体(25μg/mL)の非存在下又は存在下において2μM A23187又は100nM ホルボール12-ミリステート13-アセテート(PMA)で刺激した。ネガティブコントロールとして、刺激も抗体曝露も行わずに細胞を播種した(未処理)。DNAを可視化するために、全てのウェルに細胞不透過性色素であるSytox Greenを存在させた。Incucyteライブセルイメージング及び解析システムSX1(Sartorius)を用いて、位相差及びSytox Greenの画像を30分間ごとに1ウェルあたり4枚撮影した。a)種々の条件について4時間刺激した後に撮影した代表的な画像を示す。Sytox greenのシグナルをグレースケールで描く。スケールバー:100μm b)細胞外トラップのためのIncucyte SX1ソフトウェアを用いてデータを解析した。これら細胞外トラップは、DNAの拡散に起因して平均強度が比較的低く(18~80)かつ平均細胞面積よりも大きな面積(315μm~4000μmの面積-実験から無作為に選択された例の画像の測定に基づく)を有するSytox Greenシグナルとして決定された。実験開始時の細胞数は、位相差画像において70μmを超える面積(この値も特定の実験の評価に基づく)を有する事象として決定された。結果は、開始時の細胞数と比較した細胞外トラップの相対数として表す。グラフでは、各ドナー由来の好酸球(n=3)について条件ごとに3ウェルの平均及び標準偏差を経時的に描く。グラフは、アイソタイプコントロール抗体と比較して、CIT-013の存在下では好酸球性細胞外トラップの割合が明らかに減少することを示す。
実施例2:気道炎症のモデルマウスに対するtACPA抗体による治療の影響。
雌Balb/cマウス(8週齢)を0日目にチリダニ(HDM)及び完全フロイントアジュバントで皮下(s.c.)感作した。HDMは、Stallergenes Greerから入手した(バッチ番号XPB82D3A2.5)。14日後、マウスをHDMに鼻内曝露(i.n.)するか又はビヒクルを投与した(Shamマウス)。曝露の1時間前に、マウスに1mg/kgのデキサメタゾンを経口投与(p.o.)、20mg/kgのCIT-013抗体のマウス前駆体(tACPA;MQ22.101)を静脈内投与(i.v)、又は20mg/kgのアイソタイプコントロール抗体をi.v投与した。未処理マウスにはビヒクルをp.o.又はi.v.投与した。15日目に、マウスの肺を0.4mLのPBS溶液(Mg2+及びCa2+を含まない)で3回洗浄した。気管支肺胞洗浄液(BALF)を400×g及び4℃で5分間遠心分離して、細胞を無細胞BALF画分から分離した。
細胞ペレットをPBSに再懸濁させた後、細胞をカウントし、その結果を図2のパネルa)及びb)に提示した。具体的には、気管支肺胞洗浄液(BALF)中の好酸球(図2のパネルa)及び好中球(図2のパネルb)の数を、自動セルカウンターDASIT Sysmex XT-2000Ivでカウントした。データは、図2のパネルa)及びb)に、マウス1頭あたりの細胞数として1群あたり(7~8頭/群)の平均及び平均の標準誤差(SEM)と共に示す。グラブスの検定によって求められた外れ値は除外した。一元配置分散分析に続いてダネットの多重比較検定を行い、対応する投与経路のHDM曝露群に対して統計解析を行った。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001。図2のパネルa)及びb)の結果は、tACPA抗体及びデキサメタゾンの両方が、HDMを投与したマウスのBALF中の好中球及び好酸球の数を減少させたことを示す。
次いで、BALFの無細胞画分を、更に使用するまで-80℃で保存し、製造業者のプロトコールに従ってシトルリン化されたヒストンH3(クローン11D3)ELISAキット(Sanbio;501620)を用いて、シトルリン化されたヒストンH3(citH3)の濃度を求めた(Cayman Chemical Citrullinated Histone H3-Clone 11D3-ELISA Kit-品番501620も参照、情報はwww.caymanchem.comから入手可能)。得られた結果を図2のパネルc)に示す。グラブスの検定によって求められた外れ値は除外した。クラスカル・ワリス検定に続いてダネットの多重比較検定を行い、対応する投与経路のHDM曝露群に対して統計解析を行った。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001。図2のパネルc)から分かるように、tACPA抗体及びデキサメタゾンの両方が、HDMを投与したマウスのシトルリン化されたヒストンH3を、ビヒクルを投与しただけのコントロールマウスでみられるレベルに戻るまで又はそれに近いレベルまで減少させた。
洗浄後、肺組織を回収し、10%リン酸緩衝ホルマリンで固定し、パラフィンに包埋した。5μmの縦方向切片を30μm間隔で2枚作製し、ヘマトキシリン・エオジンで染色した。治療群について盲検化された独立した病理医によって切片を段階分けした。Olympus BX50顕微鏡を用い、80倍又は160倍の倍率で左右の肺を別々に採点した。まず80倍の倍率で全体的な評価を行い、160倍の倍率を用いて詳細な検査を行って重症度を確認した。得られた結果を図2のパネルd)~f)に示す。パネルd)は血管周囲の好中球増加の結果、パネルe)は血管周囲の単核球浸潤の結果、f)は細気管支の好中球増加の結果である。結果を、正常を0点、最小限局性浸潤を1点、最小多病巣性浸潤を2点、中等度の浸潤を3点、顕著な浸潤を4点に割り当てた。データは、2枚の切片のマウス1頭あたりの平均スコアとして、1群あたり(8頭/群)の平均+SEMと共に図2のパネルd)~f)に示す。クラスカル・ワリス検定に続いてダネットの多重比較検定を行い、対応する投与経路のHDM曝露群に対して統計解析を行った。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001、****p<0.0001。
より詳細には、肺の病理検査に用いた評点は以下の通りであった:1.全ての切片を品質について事前にスクリーニングした。一般的な不合格の理由は、切片の傷又は破れ、切片の浮き、染色の質の悪さであった。2.死の過程の変化を記録した。3.以下の組織学的帰結を採点した:血管周囲の好中球浸潤;血管周囲の単核球浸潤(定義:血管内腔から血管壁への炎症性細胞の浸潤-外弾性板における細胞を含む);細気管支の好中球浸潤
図2のパネルd)~f)の結果は、tACPA抗体及びデキサメタゾンの両方が、血管周囲の好中球増加(パネルd)、血管周囲の単核球(パネルe)、及び細気管支の好中球浸潤(パネルf)を減少させたことを示しており、tACPA抗体の結果は、デキサメタゾンでみられた結果に比べていずれの場合もより顕著であった。
実施例3:気道炎症のモデルマウスに対するtACPA抗体による治療の影響。
雌Balb/cマウス(8週齢)を0日目に100μgのチリダニ(HDM)及び25μgの完全フロイントアジュバントで皮下(s.c.)感作した。HDMは、Stallergenes Greerから入手した(バッチ番号XPB82D3A2.5)。14日後、マウスを100μgのHDMに鼻内曝露(i.n.)するか又はビヒクルを投与した(Shamマウス)。曝露の1時間前に、マウスに1mg/kgのデキサメタゾン(Sigma-Aldrich)を経口投与(p.o.)、20mg/kgのCIT-013抗体のマウス前駆体(tACPA;MQ22.101)を静脈内投与(i.v)、又は20mg/kgのアイソタイプコントロール抗体(Con.Ab;抗鶏卵リゾチーム抗体;CrownBio、品番:C0005)をi.v.投与した。未処理マウスにはビヒクルをp.o.又はi.v.投与した。15日目に、マウスの肺を0.4mLのPBS溶液(Mg2+及びCa2+を含まない)で3回洗浄した。気管支肺胞洗浄液(BALF)を400×g及び4℃で5分間遠心分離して、細胞を無細胞BALF画分から分離した。BALFの無細胞画分は、更に使用するまで-80℃で保存した。洗浄後、肺組織を回収し、10%リン酸緩衝ホルマリンで24時間固定し、組織病理学的検査のためにパラフィンに包埋した。
保存したBALFを用いて、製造業者のプロトコールに従ってQuant-iT PicoGreen dsDNA Assay Kits(ThermoFisher scientific;P11496)を用いて二本鎖DNA(dsDNA)の濃度を求めた(Quant-iT(商標)PicoGreen(商標)dsDNA Assay Kits -品番P11496も参照、情報はwww.thermofisher.comから入手可能)。簡単に説明すると、サンプルをTEバッファで5倍希釈し、TEバッファで200倍に希釈したPicoGreenと1:1で混合した。SpectraMax iD5(Molecular Devices)又はCLARIOstar(BMG Labtech)で蛍光を測定した。得られた結果を図3のパネルA)に示す。
その後、パラフィン包埋肺組織を用いて、Ventana Discovery Ultra自動染色プラットフォーム(Ventana Medical Systems)で染色するための厚さ5μmの縦方向切片を調製した。切片を脱パラフィンし、水和し、Cell Conditioning 1 solution(Ventana Medical Systems)中において93℃で32分間インキュベートして、抗原を回収した。20μg/mLのシトルリン化されたヒストン3(citH3)に対するウサギ抗体(Abcam、カタログ番号ab5103)及び2μg/mLのミエロイドペルオキシダーゼに対するヤギ抗体(R&D systems、カタログ番号:AF3667)で60分間切片を染色した。洗浄後、二次抗体である4μg/mLのAlexa Fluor 488にコンジュゲートしたロバ抗ウサギ(Abcam、品番:ab150073)及び4μg/mLのAlexa Fluor 555にコンジュゲートしたロバ抗ヤギ(Abcam、品番:150134)と共に切片を37℃で32分間インキュベートした。次に、切片を洗浄し、300nMのDAPIと共に室温で30分間インキュベートしてDNAを染色した。染色した切片をZeiss Axio Scan Z1(Zeiss)を用いてデジタルスキャンし、治療群について盲検化された独立した病理医によって評価した。切片の質をスクリーニングしたところ、citH3のFITCチャンネルに非特異的な自家蛍光が認められた。シトルリン化されたヒストン3陽性シグナル(citH3+)の数及びMPO陽性シグナル(MPO+)の数をカウントし、形状に基づいて自家蛍光シグナルと区別した。シグナルは、形状に基づいて又は最も近い核から3核半径超離れている場合に細胞外であるとみなした。好中球細胞外トラップ(NET)を、細胞外のcitH3及びMPOの両シグナルを含む構造体として可視化し、NETの発生率を0~3(陰性、軽度、中等度、及び重度)で採点した。カウントは解剖学的領域ごとに行った。血管(周囲)領域は、直径300μm未満の血管の外膜の端までの血管壁からなっていた。血管外膜の端が不明確な場合は、最大壁厚の3倍の横断面に設定した。細気管支(周囲)領域は、最大直径600μmの細気管支の外部結合組織の端までの粘膜を含んでいた。端が識別できない場合、外部結合組織の端は最大粘膜厚の2倍に設定した。大血管(直径200μm超)及び細気管支のない視野で肺胞面積の評価を行った。5箇所の血管(周囲)又は細気管支(周囲)領域及び10箇所の肺胞領域でカウントを行い、算術平均として表した。細胞外citH3、細胞外MPO、及びNETについて得られた結果を、それぞれ図3のパネルb)、c)、及びd)に提示する。
パラフィン包埋肺組織から10μm間隔で縦方向切片を2枚切り出し、ヘマトキシリン・エオジンで染色した。切片の質を評価し、破れていたり、浮き上がっていたり、染色の質が悪かったりした場合は不合格とした。血管(周囲)、細細気管支(周囲)、又は肺胞領域における好酸球数、好中球数、マクロファージ数、及び貪食性マクロファージ数を、治療群について盲検化された病理医がカウントした。
より詳細には:肺切片のランダムな座標で解剖学的領域ごとにカウントを行った。血管(周囲)領域における細胞は、血管内腔から血管壁に浸潤し、直径300μm未満の血管の外弾性板内に存在する場合を含んでいた。細細気管支(周囲)領域の細胞は、直径600μm未満の細気管支の粘膜、筋層、又は外弾性板に浸潤した場合を含んでいた。肺胞領域の細胞は、太い細気管支及び血管(直径100μm超)が存在しない肺胞領域の視野でカウントした。肺領域ごとに10視野でカウントし、算術平均として表した。
好酸球は、明らかなエオシン陽性細胞質空胞を伴う典型的な好酸球核形態を示す細胞として定義され、細胞数はパネルe)に示される。好中球は、杆状球を除いた典型的な好中球核形態によって定義され、細胞数はパネルf)に提示される。古典的なマクロファージ形態を有する細胞をマクロファージとしてカウントし、データをパネルg)に提示する。細胞膜に融合した空胞を含む、透明で豊富に存在する細胞質空胞を有するマクロファージを、貪食性マクロファージとして記録した。貪食性マクロファージ数÷総マクロファージ数×100%によって貪食性マクロファージの割合を算出し、パネルh)のグラフに示した。
図3のデータは、群ごと(8頭/群)の中央値を示すパネルd)の半定量的NETスコアを除いて、群ごとの平均±平均の標準誤差(SEM)として提示する。Prism 9を用いてクラスカル・ワリス検定に続いてDunnの多重比較検定を行うことによって投与群ごとに統計解析を実施した。ns p>0.05、#又はp<0.05、##又は**p<0.01、###又は***p<0.001、####又は****p<0.0001。
図3のパネルa)のグラフは、デキサメタゾン及びtACPA抗体の両方が、HDMに曝露したマウスのBALF中のdsDNAレベルを低下させたことを示す。図3のパネルb)の結果は、曝露時の3つの異なる肺領域、血管(周囲)、細気管支(周囲)、及び肺胞における細胞外トラップのマーカーとしてのcitH3の存在を示す。3つの肺領域全てにおいて有意ではなかったが、デキサメタゾン又はマウスtACPA処理により、citH3数の明らかな減少が観察された。同様の傾向は、図3パネルc)及びd)に示す細胞外MPO(NETの構成要素)及びびまん性細胞外NETでも観察される。
図3のパネルe)及びf)は、ほとんどの場合統計学的に有意ではなかったが、デキサメタゾン又はtACPAで処理した際に好酸球数及び好中球数がわずかに減少したことを示しており、細気管支(周囲)及び肺胞の領域における好中球数の減少は、デキサメタゾン処理と比較してtACPAでより顕著であった。図3のパネルg)及びh)のグラフは、マクロファージの総数が曝露され、デキサメタゾンで処理された動物と同程度のままであったのに対し、tACPAで処理した際には貪食性マクロファージの割合だけが増加したことを示す。
実施例4:CIT-013は、免疫複合体によって誘導されたEETosisを阻害する。
健常ボランティアの血液から好酸球を単離した。まず、Ficoll勾配遠心分離の後、ACK溶解バッファを用いて赤血球を溶解することによって、血液から顆粒球を単離した。その後、製造業者のプロトコールに従ってMiltenyi Biotec製の好酸球単離キット(カタログ番号:130-092-010)を用いて磁気ビーズによるネガティブセレクションによって顆粒球画分から好酸球を単離した。フローサイトメトリーによって測定したSiglec-8及びCD16の発現に基づいて、好酸球画分の純度を確認した。単一の生存CD45+白血球から85%を超える好酸球(Siglec-8+CD16-)を含有し、10%未満の好中球(Siglec-8-及びCD16+)を含有する好酸球分画のデータが含まれていた。
4℃で一晩96ウェルNunc MaxiSorpプレート(Invitrogen)を10μg/mLのヒト血清アルブミン(HSA;Seqens IVD)でコーティングすることにより、コーティングされた免疫複合体(cIC)を作製した。未結合のHSAを除去するために、洗浄バッファ(0.05% Tween 20を含有するPBS)を使用した。3回洗浄した後、1ウェル当たり10μg/mLの濃度のウサギ抗アルブミン抗体(Sigma-Aldrich)50μLと共に、プレートを振盪しながら室温で1時間インキュベートした。ウェルを洗浄バッファで3回、DPBSで3回洗浄した。その後、1%ペニシリン及びストレプトマイシン、0.1%BSA、並びに10mM HEPESを含有する、L-グルタミンを含み、フェノールレッドを含まないRPMI1640培地(Gibco)に、1ウェルあたり20,000細胞の濃度で好酸球を播種した。無刺激コントロールとして、HSAでコーティングしただけのウェルを用いた。細胞膜不透過性DNA色素であるSytox Green(Invitrogen)を最終濃度20mMになるようにウェルに添加した。25μg/mLのCIT-013又はアイソタイプコントロール抗体(アイソタイプ;抗鶏卵リゾチーム、CrownBio、品番C0001)の存在下又は非存在下で細胞を刺激した。IncuCyteライブセルイメージングシステムSX1(Satorius)を用いて画像を60分間ごとに撮影した。IncuCyte SX1解析ソフトウェアを用いて、Sytox Greenシグナルに基づいて細胞外トラップの形成を解析した。細胞よりも大きな面積を有し、DNAの脱凝縮に起因して平均強度の低いSytox Greenシグナルを細胞外トラップとみなした。EETを放出する細胞の割合を評価するために、IncuCyte SX1解析ソフトウェアを用いて、早い時点で撮影した位相差画像における細胞数を求めた。4時間目のSytox Greenシグナルの代表的な画像を、50μmのスケールバーと共に図4のパネルa)に示す(n=8ドナー)。各ドナーについて、CIT-013又はアイソタイプコントロール抗体の存在下における4時間目のEET量を、2つの条件間のEETの差(Δ)と共に図4のパネルb)に示す(n=8ドナー)。Prismを用いて対応のあるサンプルについてフリードマン検定によって統計解析を行った、***p<0.001。図4の両パネルは、アイソタイプコントロール抗体と比較して、CIT-013によってEET放出が阻害されることを示す。
配列表
配列番号1-msVH22.101及びhVH22.101(HC)xのCDR1
GYTFTNYG
配列番号2-msVH22.101及びhVH22.101(HC)xのCDR2
INTYSGEA
配列番号3-msVH22.101及びhVH22.101(HC)xのCDR3
LRGYTYQSFDEGGDY
配列番号4-msVL22.101及びhVL22.101(LC)yのCDR2
LVS
配列番号5-msVL22.101及びhVL22.101(LC)yのCDR3
WQGTHFPYT
配列番号6-hVL22.101LC17のCDR1
QSLLDTDGKTY
配列番号7-hVL22.101LC21のCDR1
QSLLDSDAKTY
配列番号8-hVL22.101LC27のCDR1
QSLLDTDAKTY
配列番号9-hVL22.101LC41のCDR1
QSLLDADGKTY
配列番号10-hVL22.101LC42のCDR1
QSLLDNDGKTY
配列番号11-hVH22.101f
RIQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYGMHWVRQAPGQGLEWMGWINTYSGEATYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCLRGYTYQSFDEGGDYWGQGTLVTVSS
配列番号12-hVH22.101HC9
RIQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYGMHWVRQAPGQGLEWMGWINTYSGEATYVDDFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCLRGYTYQSFDEGGDYWGQGTLVTVSS
配列番号13-hVL22.101LC17
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLLDTDGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIK
配列番号14-hVL22.101LC21
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLLDSDAKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIK
配列番号15-hVL22.101LC27
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLLDTDAKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIK
配列番号16-hVL22.101LC41
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLLDADGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIK
配列番号17-hVL22.101LC42
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLLDNDGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIK
配列番号配列番号18-ヒストン2A由来の国際公開第2016092082号の配列番号1(実施例1/7で使用)
SGXGKQGGKARA
(式中、Xは、シトルリンである)
配列番号配列番号19-ヒストン4由来の国際公開第2016092082号の配列番号2(実施例7で使用)
SGXGKGGKGLGKGGAKRHRKVLR
(式中、Xは、シトルリンである)
配列番号配列番号20-ヒストン4由来の国際公開第2016092082号の短縮形配列番号2(実施例7で使用)
SGXGKGGKGLGK
(式中、Xは、シトルリンである)
配列番号21-ペプチド番号4(ヒトのヒストン2A)(国際公開第2011070172号の配列番号24)
QFPVGXVHRLLR
(式中、Xは、シトルリンである)
配列番号22-ペプチド番号6(ヒトのヒストン2A)(国際公開第2011070172号の配列番号26)
VHRLLXKGNYSE
(式中、Xは、シトルリンである)
配列番号23-IgG1のヒト重鎖定常ドメイン
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
配列番号24-ヒトκ鎖定常ドメイン
RTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号25-msVH22.101
RIQLVQSGPELKKPGEAVKISCKASGYTFTNYGMHWMKQTPGKDFRWMGWINTYSGEATYVDDFKGRFAFSLGTSASTAYLQINNLKNDDTATYFCLRGYTYQSFDEGGDYWGQGTALTVSS
配列番号26-hVH22.101j
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYGMHWVRQAPGQGLEWMGWINTYSGEATYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCLRGYTYQSFDEGGDYWGQGTLVTVSS
配列番号27-hVH22.101HC7
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFTNYGMHWVRQAPGQGLEWMGWINTYSGEATYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCLRGYTYQSFDEGGDYWGQGTLVTVSS
配列番号28-hVH22.101HC8
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFTNYGMHWVRQAPGQGLEWMGWINTYSGEATYVDDFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCLRGYTYQSFDEGGDYWGQGTLVTVSS
配列番号29-hVH22.101HC10
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYGMHWVRQAPGQGLEWMGWINTYSGEATYVDDFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCLRGYTYQSFDEGGDYWGQGTLVTVSS
配列番号30-msVL22.101
DVVMTQTPLTLSVTTGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLFQRPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGIYYCWQGTHFPYTFGGGTNLEIK
配列番号31-hVL22.101e
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVDSDGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIK
配列番号32-hVL22.101g
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLLDSDGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIK
配列番号33-hVL22.101h
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVASDGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIK
配列番号34-hVL22.101i
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVESDGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIK
配列番号35-hVL22.101j
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVSSDGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIK
配列番号36-msVL22.101及びhVL22.101gのCDR1
QSLLDSDGKTY
配列番号37-hVL22.101eのCDR1
QSLVDSDGKTY
配列番号38-hVL22.101hのCDR1
QSLVASDGKTY
配列番号39-hVL22.101iのCDR1
QSLVESDGKTY
配列番号40-hVL22.101jのCDR1
QSLVSSDGKTY
配列番号41-hVL22.101LC16のCDR1
QSLLESDGKTY
配列番号42-hVL22.101LC19のCDR1
QSLLDSEGKTY
配列番号43-hVL22.101LC20のCDR1
QSLLDSSGKTY
配列番号44-hVL22.101LC22のCDR1
QSLLESEGKTY
配列番号45-hVL22.101LC23のCDR1
QSLLESSGKTY
配列番号46-hVL22.101LC24のCDR1
QSLLESDAKTY
配列番号47-hVL22.101LC25のCDR1
QSLLDTEGKTY
配列番号48-hVL22.101LC26のCDR1
QSLLDTSGKTY
配列番号49-hVL22.101LC37のCDR1
QSLLDSAGKTY
配列番号50-hVL22.101LC38のCDR1
QSLLESAGKTY
配列番号51-hVL22.101LC39のCDR1
QSLLDAEGKTY
配列番号52-hVL22.101LC40のCDR1
QSLLDNEGKTY
配列番号53-msFibβ XG(国際公開第2011070172号の配列番号37)
EPTDSLDAXGHRPVDRR
(式中、Xは、シトルリンである)
配列番号54-msVim XS/XL(国際公開第2011070172号の配列番号38)
YVTXSSAVXLXSSVP
(式中、Xは、シトルリンである)
配列番号55-msVL22.101及びhVL22.101(LC)yのCDR2周辺領域
LVSKLDS
配列番号56-hCH22.101fの重鎖定常ドメイン
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

Claims (19)

  1. 好酸球細胞外トラップ(EET)の形成を阻害する方法であって、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに特異的に結合する抗体又はその結合断片を、好酸球が存在するサンプル又は対象に投与することを含む方法。
  2. 対象における疾患又は病態を予防又は治療するための方法であり、予防的又は治療的に有効な量の前記抗体又はその結合断片を前記対象に投与することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記疾患又は病態が、EET関連病理を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記疾患又は病態が、好酸球性疾患又は病態である、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記好酸球性疾患又は病態が、皮膚の好酸球性疾患若しくは病態;呼吸器の好酸球性疾患若しくは病態;胃腸の好酸球性疾患若しくは病態;アレルギー性疾患若しくは病態;又は蠕虫、真菌、ウイルス、若しくは細菌の感染症である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記疾患又は病態が、水疱性類天疱瘡、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、好酸球性喘息、鼻茸を伴う慢性鼻副鼻腔炎(CRSwNP)、アレルギー性副鼻腔炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、好酸球性慢性鼻副鼻腔炎、好酸球性食道炎(EoE)、好酸球増加症候群(HES)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)、好酸球性中耳炎(EOM)、並びに好酸球性及び全身性の症状を伴う薬物反応(DRESS)、動脈硬化、並びに血管炎から選択される、請求項2~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記疾患又は病態が、好酸球性喘息、鼻茸を伴う慢性鼻副鼻腔炎(CRSwNP)、好酸球性慢性鼻副鼻腔炎、好酸球性中耳炎(EOM)、動脈硬化、及び血管炎から選択される、請求項2~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. サンプル中のEET形成をエクスビボで阻害又は検出するための方法であり、前記抗体又はその結合断片を前記サンプルに投与することと、結合が生じるのに好適な条件下でインキュベートすることを含み、任意で、前記サンプルが、血清又は血液等の対象から得られた体液のサンプルであり、任意で、前記サンプルが、例えば好酸球を単離するために処理される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記抗体又はその結合断片が、
    a)VLのCDR1であって、ここで、前記CDRが、アミノ酸配列QSL-X-D-X-D-X-KTY(式中、Xは、V又はLであり、Xは、T、S、A、又はNであり、Xは、G又はAである)を含むか又はからなり、好ましくは、前記アミノ酸配列が、QSLLDSDGKTY(配列番号36)でもQSLVDSDGKTY(配列番号37)でもないVLのCDR1;及び
    b)配列番号1~5から選択される少なくとも1つのCDR、任意で少なくとも配列番号3及び配列番号5のCDR、好ましくは配列番号1~5の5つのCDR全て
    を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記抗体又はその結合断片が、
    a)配列番号6、7、8、9、若しくは10のVL CDR1;及び
    b)配列番号1~5のCDR;
    又は
    a)配列番号13、14、15、16、若しくは17のいずれか1つのVL CDR;及び
    b)配列番号11若しくは12の重鎖可変ドメインアミノ酸配列
    を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記抗体又はその結合断片が、
    (I)
    a)VL CDR1であって、ここで、前記CDRが、アミノ酸配列QSL-X-D-X-D-X-KTY(式中、Xは、V又はLであり、Xは、T、S、A、又はNであり、Xは、G又はAである)を含むか又はからなり、好ましくは、前記アミノ酸配列が、QSLLDSDGKTY(配列番号36)でもQSLVDSDGKTY(配列番号37)でもなく、任意で、前記CDR1が、配列番号6、7、8、9、又は10から選択される、VL CDR1;並びに
    b)配列番号4のVL CDR2及び配列番号5のVL CDR3のうちの少なくとも1つ、好ましくは両方;
    を含む軽鎖可変領域と、
    (II)
    c)配列番号11若しくは12のアミノ酸配列;又は
    d)(c)の少なくとも7アミノ酸の断片であって、前記抗体若しくはその結合断片が、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/若しくはヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープと特異的に反応する能力を保持している断片;又は
    e)(c)の配列と少なくとも70%のアミノ酸配列同一性を有する(c)のバリアントであって、前記抗体又はその結合断片が、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/若しくはヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープと特異的に反応する能力を保持しているバリアント
    を含む重鎖可変領域と
    を含む、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 前記抗体又はその結合断片が、
    a)配列番号11の重鎖可変ドメインアミノ酸配列及び配列番号13の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列;
    b)配列番号11の重鎖可変ドメインアミノ酸配列及び配列番号14の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列;
    c)配列番号11の重鎖可変ドメインアミノ酸配列及び配列番号15の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列;
    d)配列番号11の重鎖可変ドメインアミノ酸配列及び配列番号16の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列;
    e)配列番号11の重鎖可変ドメインアミノ酸配列及び配列番号17の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列;
    f)配列番号12の重鎖可変ドメインアミノ酸配列及び配列番号13の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列;
    g)配列番号12の重鎖可変ドメインアミノ酸配列及び配列番号14の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列;
    h)配列番号12の重鎖可変ドメインアミノ酸配列及び配列番号15の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列;
    i)配列番号12の重鎖可変ドメインアミノ酸配列及び配列番号16の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列;又は
    j)配列番号12の重鎖可変ドメインアミノ酸配列及び配列番号17の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列
    を含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記抗体又はその結合断片が、配列番号18、19、20、21、及び22からなる群から選択されるペプチドに特異的に結合し、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4に、好ましくは少なくとも1nM以下の親和性で結合する、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. (i)前記抗体若しくはその結合断片が、組換え抗体、一本鎖抗体、一本鎖可変断片(scFv)、可変断片(Fv)、断片抗原結合領域(Fab)、単一ドメイン抗体(sdAb)、VHH抗体、ナノボディ、ラクダ由来のシングルドメイン抗体、サメIgNAR由来のシングルドメイン抗体断片(VNAR)、ダイアボディ、トリアボディ、アンチカリン、及びアプタマーからなる群から選択され、好ましくは完全長抗体である、並びに/又は(ii)前記抗体若しくはその結合断片が、追加の部分にコンジュゲートされている、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記抗体又はその結合断片が、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4領域等のFc領域を含み、任意で、重鎖定常領域が、配列番号23若しくは56を含む及び/又は軽鎖定常領域が配列番号24を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記抗体が、配列番号11の重鎖可変ドメインアミノ酸配列、配列番号16の軽鎖可変ドメインアミノ酸配列、配列番号23又は56の重鎖定常領域アミノ酸配列、及び配列番号24の軽鎖定常領域アミノ酸配列を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 好酸球細胞外トラップ(EET)及び好中球細胞外トラップ(NET)の形成を同時に阻害する、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 肺障害を治療又は予防する方法であって、脱イミノ化されたヒトのヒストン2A及び/又はヒストン4におけるシトルリン化されたエピトープに特異的に結合する抗体又はその結合断片を、前記肺障害を有する対象に投与することを含む方法。
  19. (a)前記病態が、炎症性肺障害である;
    (b)前記肺障害が、前記対象の肺における好中球及び/若しくは好酸球のレベルの増加を特徴とする;
    (c)前記方法が、副腎皮質ステロイドを投与することを更に含む;並びに/又は
    (d)前記対象が、副腎皮質ステロイドには応答しない肺障害を有している、
    請求項18記載の方法。
JP2023568153A 2021-05-04 2022-05-04 好酸球トラップの阻害 Pending JP2024521638A (ja)

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