JP2024518917A - 低粘度の石灰乳 - Google Patents

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Abstract

本発明は、高い固体含有量および高い細度においてさえ低粘度の石灰乳に関する。この石灰懸濁液は、飲用水、プロセス水、または廃水処理などの水処理、化学、非鉄冶金、鉱業、およびパルプ・製紙産業における中和および沈殿などのpH制御のために使用され得る。本発明の石灰乳は、少なくとも第1のポリマー分散剤、ならびにグルコン酸ナトリウムまたはグルコン酸、少なくともグルコースおよびフルクトースを含有する糖の混合物のいずれかである第2の分散剤を含有する、水性相中に懸濁した微細石灰粒子を含む低粘度の石灰乳であって、(28)日間にわたって600mPa.s以下、好ましくは300mPa.s以下の安定な粘度を示す、低粘度の石灰乳である。

Description

本発明は、高い固体含有量および高い細度においてさえ低粘度の石灰乳に関する。この石灰懸濁液は、飲用水、プロセス水、または廃水処理などの水処理、化学、非鉄冶金、鉱業、およびパルプ・製紙産業における中和および沈殿などのpH制御のために使用され得る。
反応性の高い、濃縮された、すぐに使用できる石灰乳または石灰スラリー(Neutracal(登録商標)SLS45など)は、前述の産業において多くの用途で試薬として選択されている。
高い反応性、高い固体含有量(40重量%超の固体含有量)、低粘度、および改善された他のレオロジー特性に次いで、顧客はまた、低い沈降速度および長い保存寿命を評価する。
生石灰の消化または「乾燥」消石灰粉末の単純なスラリー化のいずれかによって製造された標準的な石灰乳は、これらの有利な特性を有さない。生石灰消化の発熱反応により懸濁液が沸騰し、したがって、高度に不安定で、さらには危険な反応条件が生じるため、40重量%以上の固体含有量の懸濁液は、生石灰の直接消化によって工業的に製造され得ない。従来の冷却は、典型的には、反応温度を沸点未満に低下させるには効率的ではない。生石灰は部分的に予備水和するか、または生石灰は消石灰(石灰スラリーまたは乾燥水和物の形態のいずれか)と混合して40重量%超の固体含有量を実現しなくてはならない。実際には、これは、単純なスラリー化と比較したプロセスの相対的な複雑さに起因して、ほとんど行われない。
乾燥消石灰をスラリー化して40重量%以上の固体含有量を実現すると、そのような懸濁液の粘度は非常に高くなり、濃縮された石灰スラリーのせん断減粘およびチキソトロピックレオロジーによってさらに悪化する傾向がある。さらに、石灰スラリーの粘度は、典型的には不安定であり、すなわち、経時的に増加する。この影響は非常に深刻で、十分な流動性の石灰スラリーが数日またはさらには数時間以内に濃厚なペーストに変わり得る。
粘度はポリマー分散剤、典型的にはポリカルボキシレート分散剤、とりわけ、ポリエーテル-ポリカルボキシレート(PEC)分散剤によって低減できることが公知であり、典型的には、ポリカルボキシレート骨格は、多くの場合、櫛形コポリマー構造で、ポリエーテル側鎖によって修飾されている。例えば、US2014/0140907を参照されたい。
しかしながら、これらの分散剤は、典型的には、経時的なペースト様状態への粘度増加を防止しない。経時的に粘度を安定化するために、ポリ-アルコール添加剤、とりわけ、単糖、二糖、オリゴ糖および多糖を含む炭水化物、水素添加糖または糖アルコール、糖酸、例えばいわゆる、アルドン酸またはウロン酸、例えば、グルコン酸もしくはグルクロン酸、またはそれらのそれぞれの塩、または官能化糖、例えば、N-アセチル-グルコサミンもしくはD-グルコサミンを、いずれも単独で(例えば、WO2007/11040を参照されたい)、またはポリカルボキシレート分散剤と組み合わせて(例えば、粘度を低減することのさらなる利点を示すWO2006/050557を参照されたい)、添加することがさらに公知である。
ベルギー特許文献BE1026329B1または国際特許出願WO2020/094607は、炭水化物添加剤、とりわけスクロースと、ポリエーテル-ポリアクリレート分散剤、例えば、Coatex SASから販売されているある特定のRheosperse分散剤との組合せにより、低粒径の消石灰についてさえ、低粘度、および断続的にかき混ぜながら(5分/時)経時的、すなわち、14日間の保存にわたって限られた粘度上昇を実現できることをさらに教示している。低粒径の消石灰についてさえ、低粘度、および経時的にも、すなわち、断続的にかき混ぜながら(5分/時)14日間の保存にわたって限られた粘度上昇を実現できることをさらに教示している。
残念ながら、一方で、この文献で説明されている通り、粒径分布がおよそ15μmの特徴的な直径d99および約2μmの特徴的な平均直径d50を有する場合、石灰乳の粘度は、許容可能な限界を超えて増加する傾向がある(該特許出願の最後の段落を参照されたい)。時に、これは、両方の分散剤の量を増加させることによって補われ得ると説明されるが、添加剤のコストに起因して、そのような石灰乳を製造する経済的妥当性に疑問が生じる。さらに、分散剤の含有量を増加することにより、分散剤の有機性に起因して有機炭素含有量が増加し、これは、ある特定の用途について問題となりうる。
前述の文献の粘度は、較正シリンダーまたはスピンドル(ローター)「Haake Z 40」を備えたクライオスタット「Haake C 25」付「Thermo Fischer Rheostress 6000」を用いて、せん断速度5s-1および25℃で測定されることに、さらに留意されたい。5s-1のせん断速度はごく高く、石灰乳のせん断減粘性に起因して、粘度測定に対して影響を及ぼす。高いせん断強度または高い撹拌強度が測定の間に適用されるため、これは、観察粘度を低減している。Brookfield法(特に100rpmの速度における)に従う粘度測定は、より高い粘度値を示す可能性が高いことを理解するべきである。
一方、実施例の綿密な分析から分かる通り、最低の固体濃度についてさえ粘度の増加が観察されるため、粘度は経時的に安定ではない。
例えば、実施例3による石灰乳の40重量%の固体含有量(表5および6)により、粘度は、添加剤の投入量に依存して2倍超(103~246mPa.s)または3倍(221~751mPa.s)増加する。
増加した固体含有量(やはり表5および6)および増加した細度(表7)において、この経時的な増加は、さらにより顕著になる。0.7重量%ポリマー分散剤および2重量%スクロースの非常に高い添加剤投入量の60重量%懸濁液では、2週間で粘度が320mPa.sから946mPa.sに増加する(表6)。1.5重量%ポリマー分散剤および1.5重量%スクロースの高い投入量を投入した1.9μmのd50および9.5μmのd99の超微細水和物の50重量%懸濁液は、2週間で305mPa.sから1305mPa.sに増加する。
分かる通り、ベルギー特許文献BE1026329B1または国際特許公開WO2020/094607によれば、粘度の増加は、この文献に記載の方法によって制限され得るものの、粘度を安定化することはできず、必要な添加剤投入量はほとんど法外なほどに高い。
本発明は、経時的な安定性が増加し、炭素含有量が低減された石灰乳を提供することによって、これらの欠点の少なくとも一部を解決しようとするものである。
この問題を解決するために、本発明によると、少なくとも第1の分散剤および第2の分散剤を含有する、水性相中に懸濁した微細石灰粒子を含む低粘度の石灰乳であって、微細石灰粒子が、担体溶媒としてメタノールを用いてレーザー回折によって測定して、特徴的な直径d25が2μm以下の粒径分布を有し、前記石灰乳が、30~75重量%の範囲の微細石灰粒子含有量を含み、第1の分散剤が、低粘度の石灰乳の固体物質含有量に対して、0.03~0.24重量%の不揮発性物質、好ましくは0.04~0.20重量%の範囲、より好ましくは0.18重量%以下、またはさらには0.16重量%以下の不揮発性物質の量で存在する分散剤ポリマーであり、第2の分散剤が、低粘度の石灰乳の総重量に対して、0.10~1.0重量%の不揮発性物質、好ましくは0.12~0.85重量%の範囲の不揮発性物質、より特定すると0.15~0.8重量%の範囲の不揮発性物質の量で存在し、
(i)グルコン酸ナトリウムまたはグルコン酸、
(ii)少なくともグルコースおよびフルクトースを含有する糖の混合物、
(iii)キシリトール
のいずれかを含み、前記第1の分散剤および前記第2の分散剤が、低粘度の石灰乳の総重量に対して、合わせて、0.11~1.15重量%の範囲、好ましくは0.15~1.1重量%の範囲、より特定すると0.25~0.95重量%の範囲の不揮発性物質の量で存在し、低粘度の石灰乳が、観察されたトルクまたは粘度に応じて好適なスピンドル、典型的にはLVスピンドルN°3を用いて「Brookfield DV III Rheometer」によって、100rpmで測定して、600mPa.s以下、好ましくは300mPa.s以下の安定な粘度を28日間にわたって示し、この測定が、レオメーターのモーターを起動して30秒後に行われる、低粘度の石灰乳が提供される。
分かる通り、本発明による石灰乳は、600mPa.s以下、好ましくは300mPa.s以下の安定な粘度を28日間にわたって示す一方、限られた量の選択された炭水化物を使用した場合、低い、すなわち、低粘度の石灰乳の固体物質含有量に対して、0.03~0.24重量%の範囲の不揮発性物質、好ましくは0.04~0.20重量%の範囲、より好ましくは0.18重量%以下、さらに好ましくは0.16重量%以下の不揮発性物質に含まれるポリマー分散剤含有量を示す。
実際、本発明によると、低粘度の石灰乳の総重量に対して、0.10~1.0重量%の範囲の不揮発性物質、好ましくは0.12~0.85重量%の範囲の不揮発性物質、より特定すると0.15~0.8重量%の範囲の不揮発性物質の量で存在する、グルコン酸ナトリウムまたはグルコン酸、キシリトール、または少なくともグルコースおよびフルクトースを含有する糖の混合物のいずれかが、ポリマー分散剤と一緒に、微細水和物懸濁液に添加されることにより、数週間、少なくとも4週間、すなわち28日間にわたって低粘度を有する石灰乳を得ることが可能であることが見出された。
さらに、第1の分散剤および第2の分散剤の総量は低粘度の石灰乳の総重量に対して0.11~1.15重量%の範囲、好ましくは0.15~1.1重量%の範囲、より特定すると0.25~0.95重量%の範囲の不揮発性物質に含まれるため、ポリマー分散剤だけでなく場合によっては炭水化物分散剤の消費も低減する。
驚くべきことに、石灰乳の純度を損なうことなく、600mPa.s未満、好ましくは300mPa.s未満の粘度を数週間にわたって維持する石灰乳を調製することが可能であることが見出された。本発明による石灰乳は、実際、複数の利点を有し、とりわけ、有機炭素含有量が低減されただけでなく、コストも低減された石灰乳を提供する。
実際、石灰乳は、それを使用する産業によって、そのミネラルの性質が評価されているミネラル製品であり、有機炭素含有添加剤の添加は、多くの場合、顧客によってマイナスの側面であるとみなされる。本発明によると、有機化合物、すなわちポリマー分散剤だけでなく炭水化物分散剤の含有量が、低減される。さらに、ポリマー分散剤を低減することにより、最終製品のコストも低減される。ベルギー特許文献BE1026329B1または国際特許出願WO2020/094607に表されている通り、ポリマー分散剤のコストは、0.5%~1.5%などの限られた量で使用した場合でさえ、典型的にはコモディティ製品として見られる石灰乳の総コストに対して莫大である。ポリマー分散剤の含有量を、0.03~0.24重量%の範囲の不揮発性物質、好ましくは0.04~0.20重量%の範囲、好ましくは0.18重量%以下、またはさらには0.16重量%以下の不揮発性物質、すなわち石灰乳の重量固体含有量当たりの不揮発性分散剤成分などの値に低減できることは、したがって、大きな改善である。
本発明によると、石灰乳中の微細石灰粒子は、担体溶媒としてメタノールを用いてレーザー回折によって測定して、特徴的な直径d25が2μm以下の粒径分布を有する。
どのような疑義も回避するために、および当分野で一般に認められている通り、本発明において、サイズ分布のd(μm)は、分布体積のx%がサイズd未満であるサイズを指すことが理解される。
好ましくは、微細石灰粒径分布は、特に2分間、とりわけ最大73Wの出力で、分散のために内部超音波を使用して測定される。これは、例えば、Beckmann-Coulter Diffraction Particle Sizer LS 13 320を使用して実施することができる。有利なことに、本発明による石灰乳中の微細石灰粒子は、担体溶媒としてメタノールを用いてレーザー回折によって測定して、特徴的な直径d50が4μm以下、例えば3.5μmの粒径分布を有する。
好ましくは、本発明による石灰乳中の微細石灰粒子は、担体溶媒としてメタノールを用いてレーザー回折によって測定して、特徴的な直径d90が15μm以下の粒径分布を有する。
好ましい実施形態では、本発明による石灰乳中の微細石灰粒子は、メタノール中でのレーザー回折によって測定して、d98が90μm以下、好ましくは60μm以下、より好ましくは40μm以下、より特定すると20μm以下の粒径分布を有する。
本発明によると、第2の分散剤がグルコン酸ナトリウムまたはグルコン酸である場合、これは、有利には、低粘度の石灰乳の総重量に対して、0.2~0.75重量%の範囲、好ましくは0.25~0.5重量%の範囲に含まれる量、有利にはおよそ0.3重量%である。
本発明によると、第2の分散剤が少なくともグルコースおよびフルクトースを含有する混合物である場合、グルコースおよびフルクトースを合わせた総量は、低粘度の石灰乳の総重量に対して、0.2~0.5重量%の範囲に含まれる、好ましくは0.25~0.4重量%の範囲に含まれる量、有利にはおよそ0.3重量%で存在する。
本発明によると、第2の分散剤がキシリトールである場合、キシリトールは、有利には、低粘度の石灰乳の総重量に対して、0.2~0.75重量%の範囲、好ましくは0.35~0.6重量%の範囲に含まれる量である。
当然のことながら、本発明による石灰乳は、粘度を600mPa.s未満、好ましくは300mPa.s未満に維持するのに必要な限られた量の分散剤だけを含有する。限られた分散剤の量は、第1の分散剤の量および第2の分散剤の量の合計である。本発明による分散剤の限られた総量は、好ましくは、石灰乳の重量に対して、0.9重量%以下、好ましくは0.8重量%以下、より好ましくは0.7重量%以下、0.6重量%、またはさらには0.5重量%以下、例えば、0.4重量%未満、またはさらには0.3重量%未満である。
第1の分散剤および第2の分散剤の量の合計は、約4週間にわたって600mP.s以下の粘度をもたらすのに必要な量である。当然のことながら、本特許出願に従って、さらなる分散剤は、本特許出願の範囲から逸脱することなく使用できることが企図される。
同様に、本発明によるグルコースおよびフルクトースの混合物は、3、4またはさらには5種の糖の混合物によって作製されたものなどの、いくつかの糖のシロップであり得、ただし、シロップは、少なくともフルクトースおよびグルコースを含有し、シロップは、石灰乳中フルクトースおよびグルコースの含有量が、0.10~1.0重量%の範囲の不揮発性物質、好ましくは0.12~0.85重量%の範囲の不揮発性物質、より特定すると0.15~0.8重量%の範囲の不揮発性物質に含まれるように、石灰乳に添加される。一部の場合には、シロップは、転化糖のシロップである。
有利な実施形態では、本発明による石灰乳中の微細石灰粒子は、窒素吸着マノメトリーによって測定し、BET(Brunauer,Emmett et Teller)法に従って計算して、12m/g以下、好ましくは10m/g以下、より好ましくは8m/g以下、最も好ましくは6m/g以下の比表面積を有する。
別の有利な実施形態では、先行する請求項のいずれかに記載の低粘度の石灰乳は、1.3kg/dm~1.4kg/dmの範囲に含まれる密度を有する。
他の実施形態では、第1の分散剤は、ポリカルボン酸ポリエーテルコポリマーである。
さらなる典型的な実施形態では、ポリカルボン酸ポリエーテルコポリマーは、(メタ)アクリレート単位を含有する主鎖およびオキシエチレンまたはオキシプロピレン基を含む側鎖を有する。
本発明による特定の実施形態では、微粒子含有量は、低粘度の石灰乳の総重量に対して、40重量%超、好ましくは45重量%超、好ましくは50重量%超である。
本発明による低粘度の石灰乳の他の実施形態は、添付の特許請求の範囲で言及される。
本発明の他の特徴および利点は、非限定的な以下の記載から、図面および実施例を参照することによって導かれる。
様々な量のフルクトースおよびグルコースの混合物をポリマー分散剤と共に含有する石灰乳の経時的な粘度の推移を示すグラフである。 様々な量のキシリトールをポリマー分散剤と共に含有する石灰乳の経時的な粘度の推移を示すグラフである。 様々な量のグルコン酸ナトリウムをポリマー分散剤と共に含有する石灰乳の経時的な粘度の推移を示すグラフである。 様々な量のスクロース(ショ糖)およびポリマー分散剤を含有する比較例の石灰乳の経時的な粘度の推移を示すグラフである。 (i)スクロース(ショ糖)およびポリマー分散剤を含有する比較例の石灰乳、ならびに(ii)対応する本発明による石灰乳の経時的な粘度の推移を示すグラフである。
本発明は、600mPa.s以下、より好ましくは300mPa.s以下の粘度を28日間にわたって示し、したがって、改善された保存特性を有する低粘度の石灰乳に関する。
本発明による低粘度の石灰乳は、少なくとも第1の分散剤および第2の分散剤と共に水性相中に懸濁した微細石灰粒子を含み、前記微細石灰粒子は、担体溶媒としてメタノールを用いてレーザー回折によって測定して、特徴的な直径d25が2μm以下の粒径分布を有する。
低粘度の石灰乳は、典型的には、30~75重量%の範囲に含まれる微細石灰粒子含有量を含有する。第1の分散剤は、分散剤ポリマー、好ましくは、ポリカルボキシレートポリエーテルコポリマー、好ましくは、ポリカルボキシレート骨格に対する横方向側鎖にオキシエチレンおよび/またはオキシプロピレン単位を有するポリ(メタ)アクリレートポリエーテルコポリマーである。第1の分散剤は、典型的には櫛形コポリマーである。第1の分散剤は、低粘度の石灰乳の固体物質含有量に対して、0.03~0.24重量%の範囲の不揮発性物質、好ましくは0.04~0.20重量%の範囲、好ましくは0.18重量%以下、またはさらには0.16重量%以下の不揮発性物質の量で存在する。
第2の分散剤は、低粘度の石灰乳の総重量に対して、0.11~1.15重量%、好ましくは0.15~1.1重量%の範囲、より特定すると0.25~0.95重量%の範囲の不揮発性物質の量で存在し、
(i)グルコン酸ナトリウムまたはグルコン酸、
(ii)少なくともグルコースおよびフルクトースを含有する糖の混合物、
(iii)キシリトール
のいずれかを含む。
本発明による石灰乳中、第1の分散剤および第2の分散剤は、低粘度の石灰乳の総重量に対して、合わせて、0.ll~1.15重量%の範囲、好ましくは0.15~1.1重量%の範囲、より特定すると0.25~0.95重量%の範囲の不揮発性物質の量で存在する。
低粘度の石灰乳は、観察されたトルクまたは粘度に応じて好適なスピンドル、典型的にはLVスピンドルN°3を用いて「Brookfield DV III Rheometer」によって、100rpmで測定して、600mPa.s以下、より好ましくは300mPa.s以下の安定な粘度を28日間にわたって示し、測定はレオメーターのモーターを起動した30秒後に行った。
本発明による石灰乳は、600mPa.s以下、より好ましくは300mPa.s以下の安定な粘度を28日間にわたって示す一方、限られた量の炭水化物の選択を使用した場合、とりわけ低い、すなわち、低粘度の石灰乳の固体物質含有量に対して0.03~0.24重量%の範囲の不揮発性物質に含まれるポリマー分散剤含有量を示す。
実際、本発明によると、低粘度の石灰乳の総重量に対して0.10~1.0重量%の範囲の不揮発性物質、好ましくは0.12~0.85重量%の範囲の不揮発性物質、より特定すると0.15~0.8重量%の範囲の不揮発性物質の量のグルコン酸ナトリウムまたはグルコン酸、キシリトール、または少なくともグルコースおよびフルクトースを含有する糖の混合物が、ポリマー分散剤と一緒に、微細水和物懸濁液に添加されることにより、数週間、少なくとも4週間、すなわち28日間にわたって低粘度を有する石灰乳を達成することが可能であることが特定された。
さらに、第1の分散剤および第2の分散剤の総量は、低粘度の石灰乳の重量に対して0.11~1.15重量%の範囲、好ましくは0.15~1.1重量%の範囲、より特定すると0.25~0.95重量%の範囲の不揮発性物質に含まれるため、場合によってはポリマー分散剤だけでなく炭水化物分散剤の消費を低減することができる。
本発明の他の特徴と組み合わせて、グルコン酸ナトリウムまたはグルコン酸、キシリトール、または少なくともグルコースおよびフルクトースを含有する糖の混合物の間で選択された第2の分散剤の選択により、そのようなスラリーを、はるかに低減された添加剤用量およびより良好な再現性で製造することが可能である。したがって、スラリーは、よりコスト効率よく製造することができ、最終使用のためのより有機分の少ないアジュバントを提供することができる。スラリーが水処理に使用される場合、製品が最終的に使用される応用において、有機炭素源は望ましくない微生物増殖への栄養物として作用するため、本発明のスラリーは化学的酸素要求量を低減する。
さらに、消石灰の選択では、窒素吸着マノメトリーによって測定し、BET(Brunauer,Emmett et Teller)法に従って計算して、12m/g以下、好ましくは10m/g以下、より好ましくは8m/g以下、最も好ましくは6m/g以下の比表面積を有する消石灰を選択することにより、とりわけ同じ投入量の炭水化物およびポリマー分散剤において、粘度の低い、より安定な懸濁液が生成される。
本発明によると、第1および第2の分散剤は、異なる段階で、または一緒に添加され得る。
(実施例)
以下の実施例および比較例において、粒径分布は、担体溶媒としてメタノールを用い、2分間、最大73Wの出力で、分散のために内部超音波を使用して、レーザー回折により、Beckmann-Coulter回折粒度測定器 LS 13 320を用いて測定した。
(実施例1)
0.08重量%のポリマー分散剤ならびに0.2重量%のフルクトースおよびグルコースを含有する石灰乳の調製
石灰乳の重量に対して45重量%の微細消石灰粒子、第2の分散剤ポリマーとして、石灰乳の重量に対して0.08重量%の不揮発性物質であるChryso SAS製Neomere(登録商標)Tech 646、すなわち、ポリカルボキシレートポリエーテルコポリマー、ならびに第1の分散剤として添加された、石灰乳の重量に対して0.2重量%の不揮発性物質であるフルクトースおよびグルコース、すなわち、3種の糖で作製されたシロップとしての有機安定化剤を含有する石灰乳を調製する。
シロップは、フルクトース、グルコースおよびスクロースを1/1/1の比で含有し、66%の糖および34%の水の糖含有量を示す。シロップを、0.2重量%の石灰乳中グルコースおよびフルクトースの最終量を達成するように0.68重量%の量で添加する。
石灰乳を、以下の通りに調製する:
水道水2000gを、5dmプラスチックビーカーに入れる。70重量%の総炭水化物含有量が溶解した、スクロース、フルクトースおよびグルコースを等量で含有する転化糖シロップ18.5gを水に添加し、3ブレードプロペラ撹拌機を300rpmで15分間起動させて、穏やかにかき混ぜることによって溶解する。
10.3m/gのBET比表面積を有する乾燥消石灰1636gを水に添加し、30分間同じように穏やかにかき混ぜることによって、石灰乳の重量に対して45重量%固体含有量の均質懸濁液になるように分散させる。添加した消石灰粒子は、以下の通りの特徴的な直径の粒径分布を有する:2.5μmのd25、9.9μmのd50、55.3μmのd90、および99.8μmのd98
懸濁液を、平均直径1.2mmのイットリウムで安定化した酸化ジルコニウムビーズを使用して、1.4dmの(空)体積を有する実験室規模のロータリービーズミルによって摩砕して、以下の通りの特徴的な直径の粒径分布を有する微細消石灰粒子を得る:1.14μmのd25、2.74μmのd50、12.7μmのd90、および27.3μmのd98
この懸濁液2132gに、Chryso Neomere(登録商標)Tech 646 8.5gを、総懸濁液の質量当たり0.080重量%の不揮発性物質のNeomere(登録商標)Tech 646の濃度になるように、上記と同じ撹拌機を用いて600rpmで激しくかき混ぜながら添加する。
粘度は、Brookfield DV-3 Rheometerによって100rpmで測定し、測定は、粘度計のモーターを起動して30秒後に行う。使用した200cmの試料は、測定前に均質化のためにのみ手で振り混ぜ、それ以外は静置する。28日間にわたる結果を図1に示す。
(実施例2)
0.08重量%のポリマー分散剤ならびに0.135重量%のフルクトースおよびグルコースを含有する石灰乳の調製
水道水2000gを、5dmプラスチックビーカーに入れる。70重量%の総炭水化物含有量が溶解した、スクロース、フルクトースおよびグルコースを等量で含有する実施例1の前記糖シロップ10.5gを、水に添加し、3ブレードプロペラ撹拌機を300rpmで15分間起動させて、穏やかにかき混ぜることによって溶解する。
10.3m/gのBET比表面積を有する、実施例1と同じ乾燥消石灰粒子1636gを水に添加し、30分間同じように穏やかにかき混ぜることによって、45重量%固体含有量の均質懸濁液になるように分散させる。添加した乾燥消石灰粒子は、以下の通りの特徴的な直径の粒径分布を有する:2.5μmのd25、9.9μmのd50、55.3μmのd90、および99.8μmのd98
懸濁液を、平均直径1.2mmのイットリウムで安定化した酸化ジルコニウムビーズを使用して、1.4dmの(空)体積を有する実験室規模のロータリービーズミルによって摩砕して、以下の通りの特徴的な直径の粒径分布を有する微細消石灰粒子を得る:1.16μmのd25、2.82μmのd50、12.6μmのd90、および25.3μmのd98
この懸濁液2290gに、Chryso Neomere(登録商標)Tech 646 9.2gを、総懸濁液の質量当たり0.080重量%の不揮発性物質のNeomere(登録商標)Tech 646の濃度になるように、上記と同じ撹拌機を用いて600rpmで激しくかき混ぜながら添加する。
粘度は、Brookfield DV-3 Rheometerによって100rpmで測定し、測定は、粘度計のモーターを起動して30秒後に行う。使用した200cmの試料は、測定前に均質化のためにのみ手で振り混ぜ、それ以外は静置する。28日間にわたる結果を図1に示す。
(実施例3)
0.225重量%のグルコン酸Naおよび0.08重量%のポリマー分散剤を含有する石灰乳の調製
水道水5000gを、10dmプラスチックビーカーに入れる。乾燥グルコン酸ナトリウム(Sigma-Aldrichのp.a.品質)20.5gを水に添加し、3ブレードプロペラ撹拌機を300rpmで15分間起動させて、穏やかにかき混ぜることによって溶解する。
7.9m/gのBET比表面積を有する乾燥消石灰4091gを水に添加し、30分間同じように穏やかにかき混ぜることによって、45重量%固体含有量の均質懸濁液になるように分散させる。添加した乾燥消石灰粒子は、以下の通りの特徴的な直径の粒径分布を有する:2.0μmのd25、5.0μmのd50、51.9μmのd90、および122.2μmd98
懸濁液を、平均直径1.2mmのイットリウムで安定化した酸化ジルコニウムビーズを使用して、1.4dmの(空)体積を有する実験室規模のロータリービーズミルによって摩砕して、以下の通りの特徴的な直径の粒径分布を有する微細消石灰粒子を得る:1.38μmのd25、2.78μmのd50、7.43μmのd90、および10.56μmのd98
この懸濁液2560gに、Chryso Neomere(登録商標)Tech 64610.2gを、総懸濁液の質量当たり0.08重量%の不揮発性物質のNeomere(登録商標)Tech 646の濃度になるように、上記と同じ撹拌機を用いて700rpmで激しくかき混ぜながら添加する。粘度は、Brookfield DV-3 Rheometerによって100rpmで測定し、測定は、レオメーターのモーターを起動して30秒後に行う。使用した200cmの試料は、測定前に均質化のために手で振り混ぜるだけで、それ以外は静置する。28日間にわたる結果を図3に示す。
(実施例4)
0.225重量%のグルコン酸ナトリウムおよび0.04重量%のポリマー分散剤を含有する石灰乳の調製
実施例4と同じ摩砕懸濁液を使用する。
この懸濁液2220gに、Chryso Neomere(登録商標)Tech 646 4.4gを、総懸濁液の質量当たり0.04重量%の不揮発性物質のNeomere(登録商標)Tech 646の濃度(石灰乳の重量に対して)になるように、上記と同じ撹拌機を用いて700rpmで激しくかき混ぜながら添加する。
粘度は、Brookfield DV-3 Rheometerによって100rpmで測定し、測定は、粘度計のモーターを起動して30秒後に行う。使用した200cmの試料は、測定前に均質化のために手で振り混ぜるだけで、それ以外は静置する。28日間にわたる結果を図3に示す。
(実施例5)
0.135重量%のグルコン酸ナトリウムおよび0.08重量%のポリマー分散剤を含有する石灰乳の調製
水道水5000gを、10dmプラスチックビーカーに入れる。12.3gの乾燥グルコン酸ナトリウム(Sigma-Aldrichのp.a.品質)を水に添加し、3ブレードプロペラ撹拌機を300rpmで15分間起動させて、穏やかにかき混ぜることによって溶解する。
7.9m/gのBET比表面積を有する、実施例3および4におけるのと同じ乾燥消石灰4091gを水に添加し、30分間同じように穏やかにかき混ぜることによって、石灰乳の重量に対して45重量%固体含有量の均質懸濁液になるように分散させる。添加した消石灰粒子は、以下の通りの特徴的な直径の粒径分布を有する:2.0μmのd25、5.0μmのd50、51.9μmのd90、および122.2μmのd98
懸濁液を、平均直径1.2mmのイットリウムで安定化した酸化ジルコニウムビーズを使用して、1.4dmの(空)体積を有する実験室規模のロータリービーズミルによって摩砕して、以下の通りの特徴的な直径の粒径分布を有する微細消石灰粒子を得る:1.50μmのd25、3.17μmのd50、9.03μmのd90、および13.80μmのd98
この懸濁液2167gに、Chryso Neomere(登録商標)Tech 646 8.7gを、総懸濁液の質量当たり0.08重量%の不揮発性物質のNeomere(登録商標)Tech 646の濃度になるように、上記と同じ撹拌機を用いて700rpmで激しくかき混ぜながら添加する。
粘度は、Brookfield DV-3 Rheometerによって100rpmで測定し、測定は、レオメーターのモーターを起動して30秒後に行う。使用した200cmの試料は、測定前に均質化のために手で振り混ぜるだけで、それ以外は静置する。28日間にわたる結果を図3に示す。
(実施例6)
0.135重量%のグルコン酸ナトリウムおよび0.08重量%のポリマー分散剤を含有する石灰乳の調製
実施例5と同じ摩砕懸濁液を使用する。この懸濁液2422gに、Coatex Rheosperse 4050 4.8gを、総懸濁液の質量当たり0.08重量%の不揮発性物質のRheosperse 4050の濃度(石灰乳の重量に対して)になるように、上記と同じ撹拌機を用いて700rpmで激しくかき混ぜながら添加する。
粘度は、Brookfield DV-3 Rheometerによって100rpmで測定し、測定は、レオメーターのモーターを起動して30秒後に行う。使用した200cmの試料は、測定前に均質化のために手で振り混ぜるだけで、それ以外は静置する。28日間にわたる結果を図3に示す。
(実施例7)
0.3375重量%のグルコン酸ナトリウムおよび0.08重量%のポリマー分散剤を含有する石灰乳の調製
水道水5000gを、10dmプラスチックビーカーに入れる。乾燥グルコン酸ナトリウム(Sigma-Aldrichのp.a.品質)30.7gを水に添加し、3ブレードプロペラ撹拌機を300rpmで15分間起動させて、穏やかにかき混ぜることによって溶解する。
7.9m/gのBET比表面積を有する、実施例3~6におけるのと同じ乾燥消石灰4091gを水に添加し、30分間同じように穏やかにかき混ぜることによって、45重量%固体含有量の均質懸濁液になるように分散させる。グルコン酸ナトリウムの含有量は、したがって、乾燥水和物の重量当たり0.75重量%(微細消石灰粒子の重量に対して)または懸濁液当たり0.3375重量%(石灰乳の重量に対して)である。添加した乾燥消石灰粒子は、以下の通りの特徴的な直径の粒径分布を有する:2.0μmのd25、5.0μmのd50、51.9μmのd90、および122.2μmのd98
懸濁液を、平均直径1.2mmのイットリウムで安定化した酸化ジルコニウムビーズを使用して、1.4dmの(空)体積を有する実験室規模のロータリービーズミルによって摩砕して、以下の通りの特徴的な直径の粒径分布を有する微細消石灰粒子を得る:1.30μmのd25、2.58μmのd50、8.59μmのd90、および10.18μmのd98
この懸濁液2309gに、のChryso Neomere(登録商標)Tech 646 9.2gを、総懸濁液の質量当たり0.08重量%の不揮発性物質のNeomere(登録商標)Tech 646の濃度になるように、上記と同じ撹拌機を用いて700rpmで激しくかき混ぜながら添加する。
粘度は、Brookfield DV-3 Rheometerによって100rpmで測定し、測定は、レオメーターのモーターを起動して30秒後に行う。使用した200cmの試料は、測定前に均質化のためにのみ手で振り混ぜ、それ以外は静置する。28日間にわたる結果を図3に示す。
(実施例8)
0.3375重量%のグルコン酸ナトリウムおよび0.12重量%のポリマー分散剤を含有する石灰乳の調製
実施例7と同じ摩砕懸濁液を使用する。
この懸濁液2047gに、Chryso Neomere(登録商標)Tech 646 12.3gを、総懸濁液の質量当たり0.12重量%の不揮発性物質のNeomere(登録商標)Tech 646の濃度(石灰乳の重量に対して)になるように、上記と同じ撹拌機を用いて700rpmで激しくかき混ぜながら添加する。
粘度は、Brookfield DV-3 Rheometerによって100rpmで測定し、測定は、レオメーターのモーターを起動して30秒後に行う。使用した200cmの試料は、測定前に均質化のため手で振り混ぜるだけで、それ以外は静置する。28日間にわたる結果を図3に示す。
(実施例9)
0.3375重量%のグルコン酸ナトリウムおよび0.16重量%のポリマー分散剤を含有する石灰乳の調製
実施例7と同じ摩砕懸濁液を使用する。
この懸濁液2060gに、Coatex Rheosperse 4050 8.2gを、総懸濁液の質量当たり0.16重量%の不揮発性物質のCoatex Rheosperse 4050の濃度(石灰乳の重量に対して)になるように、上記と同じ撹拌機を用いて700rpmで激しくかき混ぜながら添加する。
粘度は、Brookfield DV-3 Rheometerによって100rpmで測定し、測定は、レオメーターのモーターを起動して30秒後に行う。使用した200cmの試料は、測定前に均質化のために手で振り混ぜるだけで、それ以外は静置する。28日間にわたる結果を図3に示す。
(実施例10)
0.3375重量%のキシリトールおよび0.16重量%のポリマー分散剤を含有する石灰乳
実施例7と同じ摩砕懸濁液を使用する。
この懸濁液2177gに、Coatex Rheosperse 4050 8.7gを、総懸濁液の質量当たり0.16重量%の不揮発性物質のCoatex Rheosperse 4050の濃度(石灰乳の重量に対して)になるように、上記と同じ撹拌機を用いて700rpmで激しくかき混ぜながら添加する。
粘度は、Brookfield DV-3 Rheometerによって100rpmで測定し、測定は、レオメーターのモーターを起動して30秒後に行う。使用した200cmの試料は、測定前に均質化のためにのみ手で振り混ぜ、それ以外は静置する。28日間にわたる結果を図2に示す。
(比較例1)
0.007重量%のフルクトースおよびグルコースならびに0.08重量%のポリマー分散剤を含有する石灰乳の調製
水道水2000gを、5dmプラスチックビーカーに入れる。60重量%の総炭水化物含有量が溶解した、スクロース、フルクトースおよびグルコースを等量で含有する転化糖シロップ5.4gを水に添加し、3ブレードプロペラ撹拌機を300rpmで15分間起動させて、穏やかにかき混ぜることによって溶解する。
10.3m/gのBET比表面積を有する実施例1と同じ乾燥消石灰1636gを水に添加し、30分間同じように穏やかにかき混ぜることによって、石灰乳の重量に対して45重量%固体含有量の均質懸濁液になるように分散させる。炭水化物の総含有量は、したがって、乾燥水和物の重量当たり0.23重量%(微細消石灰粒子の重量に対して)である一方、フルクトースおよびグルコースを合せた含有量は、乾燥水和物の重量当たり0.15重量%(微細消石灰粒子の重量に対して)または懸濁液の重量当たり0.07重量%(石灰乳の重量に対して)である。添加した乾燥消石灰粒子は、以下の通りの特徴的な直径の粒径分布を有する:2.5μmのd25、9.9μmのd50、55.3μmのd90、および99.8μmのd98
懸濁液を、平均直径1.2mmのイットリウムで安定化した酸化ジルコニウムビーズを使用して、1.4dmの(空)体積を有する実験室規模のロータリービーズミルによって摩砕して、以下の通りの特徴的な直径の粒径分布を有する微細消石灰粒子を得る:1.16μmのd25、2.72μmのd50、16.92μmのd90、および24.05μmのd98
この懸濁液2229gに、Chryso Neomere(登録商標)Tech 646 8.9gを、総懸濁液の質量当たり0.080重量%の不揮発性物質のNeomere(登録商標)Tech 646の濃度(石灰乳の重量に対して)になるように、上記と同じ撹拌機を用いて600rpmで激しくかき混ぜながら添加する。
粘度は、Brookfield DV-3 Rheometerによって100rpmで測定し、測定は、レオメーターのモーターを起動して30秒後に行う。使用した200cmの試料は、測定前に均質化のために手で振り混ぜるだけで、それ以外は静置する。28日間にわたる結果を図1に示す。
(比較例2)
0.10重量%のスクロースおよび0.08重量%のポリマー分散剤を含有する石灰乳の調製
水道水2000gを、5dmプラスチックビーカーに入れる。スクロース(テーブルシュガー)6gを水に添加し、3ブレードプロペラ撹拌機を300rpmで15分間起動させて、穏やかにかき混ぜることによって溶解する。
10.3m/gのBET比表面積を有する、実施例1と同じ乾燥消石灰粒子1636gを水に添加し、30分間同じように穏やかにかき混ぜることによって、石灰乳の重量に対して45重量%固体含有量の均質懸濁液になるように分散させる。
スクロースの含有量は、したがって、乾燥水和物の重量当たり0.23重量%(微細消石灰粒子の重量に対して)または懸濁液の総重量当たり0.10重量%(石灰乳の重量に対して)である。添加した乾燥消石灰粒子は、以下の通りの特徴的な直径の粒径分布を有する:2.5μmのd25、9.9μmのd50、55.3μmのd90、および99.8μmのd98
懸濁液を、平均直径1.2mmのイットリウムで安定化した酸化ジルコニウムビーズを使用して、1.4dmの(空)体積を有する実験室規模のロータリービーズミルによって摩砕して、以下の通りの特徴的な直径の粒径分布を有する微細消石灰粒子を得る:1.22μmのd25、3.15μmのd50、16.23μmのd90、および38.44μmのd98
この懸濁液2004gに、Chryso Neomere(登録商標)Tech 646 8.0gを、総懸濁液の質量当たり0.080重量%の不揮発性物質のNeomere(登録商標)Tech 646の濃度(石灰乳の重量に対して)になるように、上記と同じ撹拌機を用いて600rpmで激しくかき混ぜながら添加する。
粘度は、Brookfield DV-3 Rheometerによって100rpmで測定し、測定は、レオメーターのモーターを起動して30秒後に行う。使用した200cmの試料は、測定前に均質化のために手で振り混ぜるだけで、それ以外は静置する。28日間にわたる結果を図4に示す。
(比較例3)
WO2020/0904607の実施例5.2に記載の石灰乳の調製
Coatex社のRheosperse 4050 6.0gおよびスクロース(すなわち、ショ糖)2.4gを、水道水1800gに添加し、WO2020/0904607に記載の通り、プロペラ撹拌機を用いて300rpmで溶解した。
この溶液に、Supercalco 97(「S97」)の試料の乾燥水和物1200gを添加し、15分間同じようにかき混ぜることによって、石灰乳の重量に対して40重量%の固体含有量の均質懸濁液にした。
スクロースの含有量は、したがって、石灰乳の固体物質含有量の重量に対して0.2重量%であり、不揮発性物に基づくRheosperse分散剤の含有量は、石灰乳の固体物質含有量の重量に対して0.2重量%(または石灰乳の重量に対して0.08重量%)である。
懸濁液の粒径分を測定し、以下の結果、1.99μmのd25、4.96μmのd50、47.3μmのd90、および84.2μmのd98が得られた。
懸濁液の1000cm試料を1時間/日、かき混ぜ、粘度を規則的な間隔で28日間にわたってモニタリングした(「0日目」の最初の測定は、懸濁液の調製直後に行った)。粘度の測定は、Brookfield DV-3 Rheometerを用いて100rpmの回転速度で行った(懸濁液は、測定前に均質化のために手で振り混ぜるだけで、それ以外は静置した)。28日間にわたる結果を図5に示す。
Figure 2024518917000002
粘度は非常に迅速に増加し(とりわけ、「0日目」から「1日目」)、15日後に600mPa.sを超え、その後も上昇を続けて、28日後に約700mPasに達することが観察される。
(実施例11)
WO2020/0904607の実施例5.2と等価な第1および第2の分散剤におけるのと同じ質量投入量での本発明による石灰乳の調製
Coatex社のRheosperse 4050 6.0gおよび転化糖シロップ3.6g(等量のスクロース、フルクトースおよびグルコースを含有する70重量%炭水化物含有量が溶解)を、水道水1800gに添加し、プロペラ撹拌機を用いて300rpmで溶解した。
この溶液に、比較例3におけるのと同じ乾燥水和物試料(Supercalco 97、「S97」、同バッチ)1200gを添加し、15分間同じようにかき混ぜることによって、石灰乳の重量に対して40重量%の固体含有量の均質懸濁液にした。
転化糖の含有量は、したがって、乾燥水和物の重量当たり0.2重量%(石灰乳の重量に対して0.0533重量%のグルコースおよびフルクトースに対応する)であり、不揮発性物に基づくRheosperse分散剤の含有量は、石灰乳の固体物質含有量の重量に対して0.2重量%(または懸濁液の重量に対して0.08重量%)である。
懸濁液の粒径分布を測定し、以下の結果が得られた:1.84μmのd25、4.61μmのd50、44.6μmのd90、および78.3μmのd98
懸濁液の1000cm試料を1時間/日、かき混ぜ、粘度を規則的な間隔で28日間にわたってモニタリングした(「0日目」の最初の測定は、懸濁液の調製直後に行った)。粘度の測定は、Brookfield DV-3 Rheometerを用いて100rpmの回転速度で行った(懸濁液は、測定前に均質化のためにのみ手で振り混ぜ、それ以外は静置した)。28日間にわたる結果を図5に示す。
Figure 2024518917000003
Brookfield DV-3 Rheometerによって100rpmで測定した粘度は、15日後に600mPa.sを大幅に下回り、その後は概ね安定を維持して、28日後に約400mPasに達することが観察される。
本発明は記載の実施形態に限定されないこと、および添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、変更が適用されうることを理解するべきである。

しかしながら、これらの分散剤は、典型的には、経時的なペースト様状態への粘度増加を防止しない。経時的に粘度を安定化するために、ポリ-アルコール添加剤、とりわけ、単糖、二糖、オリゴ糖および多糖を含む炭水化物、水素添加糖または糖アルコール、糖酸、例えばいわゆる、アルドン酸またはウロン酸、例えば、グルコン酸もしくはグルクロン酸、またはそれらのそれぞれの塩、または官能化糖、例えば、N-アセチル-グルコサミンもしくはD-グルコサミンを、いずれも単独で(例えば、WO2007/11040を参照されたい)、またはポリカルボキシレート分散剤と組み合わせて(例えば、粘度を低減することのさらなる利点を示すWO2006/05057を参照されたい)、添加することがさらに公知である。
(実施例4)
0.225重量%のグルコン酸ナトリウムおよび0.04重量%のポリマー分散剤を含有する石灰乳の調製
実施例と同じ摩砕懸濁液を使用する。

Claims (9)

  1. 少なくとも第1の分散剤および第2の分散剤を含有する、水性相中に懸濁した微細石灰粒子を含む低粘度の石灰乳であって、
    前記微細石灰粒子が、担体溶媒としてメタノールを用いてレーザー回折によって測定した場合、特徴的な直径d25が2μm以下の粒径分布を有し、
    前記石灰乳が、30~75重量%の範囲の前記微細石灰粒子の含有量を含み、
    前記第1の分散剤が、前記低粘度の石灰乳の固体物質含有量に対して、0.03~0.24重量%の範囲の不揮発性物質、好ましくは0.04~0.20重量%の範囲、より好ましくは0.18重量%以下、またはさらには0.16重量%以下の不揮発性物質の量で存在する分散剤ポリマーであり、
    前記第2の分散剤が、前記低粘度の石灰乳の総重量に対して、0.1~1.0重量%の範囲の不揮発性物質、好ましくは0.12~0.85重量%の範囲の不揮発性物質、より特定すると0.15~0.8重量%の範囲の不揮発性物質の量で存在し、
    (i)グルコン酸ナトリウムまたはグルコン酸、
    (ii)少なくともグルコースおよびフルクトースを含有する糖の混合物、
    (iii)キシリトール
    のいずれかを含み、
    前記第1の分散剤および前記第2の分散剤が、前記低粘度の石灰乳の総重量に対して、合わせて、0.11~1.15重量%の範囲、好ましくは0.15~1.1重量%の範囲、より特定すると0.25~0.95重量%の範囲の不揮発性物質の量で存在し、
    前記低粘度の石灰乳が、観察されたトルクまたは粘度に応じて好適なスピンドル、典型的にはLVスピンドルN3を用いて「Brookfield DV III Rheometer」によって、100rpmで測定して、600mPa.s以下、好ましくは300mPa.s以下の安定な粘度を28日間にわたって示し、前記測定が、レオメーターのモーターを起動して30秒後に行われる、低粘度の石灰乳。
  2. 前記微細石灰粒子が、担体溶媒としてメタノールを用いてレーザー回折によって測定して、特徴的な直径d50が4μm以下の粒径分布を有する、請求項1に記載の低粘度の石灰乳。
  3. 前記微細石灰粒子が、担体溶媒としてメタノールを用いてレーザー回折によって測定して、特徴的な直径d90が15μm以下の粒径分布を有する、請求項1または2に記載の低粘度の石灰乳。
  4. 前記微細石灰粒子が、担体溶媒としてメタノールを用いてレーザー回折によって測定して、特徴的な直径d98が90μm以下、好ましくは60μm以下、より好ましくは40μm以下、より特定すると20μm以下の粒径分布を有する、請求項1から3のいずれかに記載の低粘度の石灰乳。
  5. 前記微細石灰粒子が、窒素吸着マノメトリーによって測定し、BET(Brunauer,Emmett et Teller)法に従って計算して、12m/g以下、好ましくは10m/g以下、より好ましくは8m/g以下、最も好ましくは6m/g以下の比表面積を有する、請求項1から4のいずれかに記載の低粘度の石灰乳。
  6. 1.3kg/dm~1.4kg/dmの範囲に含まれる密度を有する、請求項1から5のいずれかに記載の低粘度の石灰乳。
  7. 前記第1の分散剤が、ポリカルボン酸ポリエーテルコポリマーである、請求項1から6のいずれかに記載の低粘度の石灰乳。
  8. 前記ポリカルボン酸ポリエーテルコポリマーが、(メタ)アクリレート単位を含有する主鎖およびオキシエチレンまたはオキシプロピレン基を含む側鎖を有する、請求項7に記載の低粘度の石灰乳。
  9. 微粒子含有量が、前記低粘度の石灰乳の総重量に対して、40重量%超、好ましくは45重量%超、好ましくは50重量%超である、請求項1から8のいずれかに記載の低粘度の石灰乳。

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