JP2024518189A - 変形性関節症の治療のための方法 - Google Patents

変形性関節症の治療のための方法 Download PDF

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Abstract

変形性関節症(例えば、変形性膝関節症)の治療のための方法及び投与計画が本明細書に提供される。これらの方法及び投与計画は、化合物1の関節内注射を含む。【選択図】なし

Description

配列表
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる配列表を含む。前記ASCIIコピーは、2022年5月18日に作成され、PAT059120-WO-PCT_SL.txtと命名され、サイズは、2,266バイトである。
本開示は、本明細書に開示される投与計画に従って治療用ポリペプチドを投与することによって変形性関節症を治療するための方法、治療計画、使用、キット及び治療法に関する。
多因子性の病態生理学を有するゆっくりと進行する疾患である変形性関節症(OA)は、成人における最も一般的な慢性健康状態の1つであり、疼痛及び障害の主要な原因である(OARSI 2016、米国食品医薬品局に提出、2019年12月16日閲覧、1~103頁)。高齢化社会における人口動態の変化と肥満の発生率の増加により、OAの有病率は着実に増加し、世界の保健医療システムに大きな負担をもたらすであろう。(OARSI 2016;Fu & Griffin 2014,Biomaterials,vol 16.Springer,Ch)。個体レベルでは、OAは、DALY(障害調整生存年数)全体の6.8%の原因であるOA症状を伴う苦痛につながる。(Cross et al 2014,Ann.Rheum.Dis.73,1323-1330;Kassebaum et al 2016,Lancet 388,1603-1658)。OAに関連して、心血管事象による過剰死亡率も観察されている。(Kloppenburg & Berenbaum 2019,Osteoarthr.Cartil.28,242-248)。最後に、OAは、労働日数の損失及び自己負担支出を伴う関連する経済的リスク要因である。(Puig-Junoy & Zamora 2015,Semin.Arthritis Rheum.44,531-541;Sharif et al 2015,Osteoarthr.Cartil.Oct 23(10):1654-63)。
膝関節は、OAに冒される最も一般的な体重負荷関節である。OAの現在の医学的治療は、疼痛に対処することに焦点を当てているが、軟骨再生を誘導するために利用可能な疾患修飾性OA薬物(DMOAD)、例えば軟骨同化治療は存在しない。(Lohmander and Roos 2019,Nat Rev Rheumatol p.133-135)。外科的関節置換を必要とする最終的な関節不全は一般的であり、米国では毎年100万件を超えるそのような手術が行われている(Williams et al 2015,NCHS Data Brief p.1-8;Wolford et al 2015,NCHS Data Brief p.1-8)。しかしながら、全ての患者が結果に満足しているわけではなく、又は関節置換術から利益が得られるわけではない。複数の罹患関節と併存疾患の有病率が高いOAコホートにおける長期結果研究では、関節置換術を受けた患者の半数のみが、疼痛の改善及び障害の軽減として定義される良好な手術結果を達成した。(Hawker et al 2013,Arthritis Rheum.65(5):1243-52)。
本発明は、治療有効量の修飾ヒトANGPTL3ポリペプチド、すなわち、化合物1を、本明細書に開示する投与計画に従ってヒト対象の関節(例えば、膝)に投与することによって、変形性関節症(例えば、変形性膝関節症)を治療する方法を提供する。本発明者らは、驚くべきことに、本明細書に記載される投与計画に従って化合物1を投与することが、以前に記載されたものよりも少ない頻度で、より少ない回数の注射を投与するにもかかわらず、ヒト対象に対して治療的に有益な効果をもたらすことを発見した。
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上の投与サイクルを含む投与計画に従った対象の関節への関節内注射によって、1つ以上の用量の治療有効量の化合物1を、それを必要とするヒト対象に投与することを含む、変形性関節症を治療する方法を提供する。特定の実施形態では、変形性関節症は変形性膝関節症であり、関節は膝関節である。いくつかの実施形態では、投与サイクルは、1回の関節内注射を含む6ヶ月の投与サイクルである。他の実施形態では、投与サイクルは、投与サイクル当たり3回の関節内注射を含む6ヶ月の投与サイクルであり、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される。いくつかの実施形態では、投与計画は、2つの6ヶ月投与サイクル、4つの6ヶ月投与サイクル、又は8つの6ヶ月投与サイクルを含み、各投与サイクルは、投与サイクル当たり1回の関節内注射、又は投与サイクル当たり3回の関節内注射を含み得、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される。特定の実施形態では、注射当たり投与される化合物1の治療有効量は、20mgである。他の実施形態では、注射当たり投与される化合物1の治療有効量は、40mgである。
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上の12ヶ月の投与サイクルを含む投与計画に従った対象の関節への関節内注射によって、1つ以上の用量の治療有効量の化合物1を、それを必要とするヒト対象に投与することを含む、変形性関節症を治療する方法を提供する。特定の実施形態では、変形性関節症は変形性膝関節症であり、関節は膝関節である。いくつかの実施形態では、12ヶ月の投与サイクルは、1回の関節内注射を含む。他の実施形態では、12ヶ月の投与サイクルは、投与サイクル当たり3回の関節内注射を含み、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される。いくつかの実施形態では、投与計画は、2つの12ヶ月投与サイクル、4つの12ヶ月投与サイクルを含み、各投与サイクルは、投与サイクル当たり1回の関節内注射又は3回の関節内注射を含み得、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される。特定の実施形態では、注射当たり投与される化合物1の治療有効量は、20mgである。他の実施形態では、注射当たり投与される化合物1の治療有効量は、40mgである。
いくつかの実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従う治療は、定量的磁気共鳴イメージングによって決定されるように、プラセボと比較して軟骨厚の増加をもたらす。他の実施形態では、軟骨厚の増加は、標的膝関節においてである。いくつかの実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従う治療は、WOMAC疼痛及び平面アイテム上を歩くWOMAC疼痛によって決定されるように、プラセボと比較して標的膝関節における変形性関節症の疼痛の軽減をもたらす。別の実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従う治療は、WOMAC機能によって決定されるように、プラセボと比較して標的膝関節における身体機能の増加をもたらす。他の実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従う治療は、40メートル(4×10m)の速いペースでの歩行試験、30秒間の椅子立位試験、及び6分間の歩行試験によって決定されるように、プラセボと比較して、標的膝関節における能力に基づく身体機能の増加をもたらす。他の実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従う治療は、qMRI及びx線によって決定されるように、プラセボと比較して標的膝関節における構造的進行の増加をもたらす。
他の実施形態では、本発明は、1つ以上の投与サイクルを含む投与計画に従った対象の関節への関節内注射によって、1つ以上の用量の治療有効量の化合物1を、それを必要とするヒト対象に投与することによる、変形性関節症の治療における使用のための化合物1を提供する。特定の実施形態では、変形性関節症は変形性膝関節症であり、関節は膝関節である。いくつかの実施形態では、投与サイクルは、1回の関節内注射を含む6ヶ月の投与サイクルである。他の実施形態では、投与サイクルは、投与サイクル当たり3回の関節内注射を含む6ヶ月の投与サイクルであり、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される。いくつかの実施形態では、投与計画は、2つの6ヶ月投与サイクル、4つの6ヶ月投与サイクル、又は8つの6ヶ月投与サイクルを含み、各投与サイクルは、投与サイクル当たり1回の関節内注射又は3回の関節内注射を含み得、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される。特定の実施形態では、注射当たり投与される化合物1の治療有効量は、20mgである。他の実施形態では、注射当たり投与される化合物1の治療有効量は、40mgである。
他の実施形態では、本発明は、1つ以上の12ヶ月投与サイクルを含む投与計画に従った対象の関節への関節内注射によって、1つ以上の用量の治療有効量の化合物1を、それを必要とするヒト対象に投与することによる、変形性関節症の治療における使用のための化合物1を提供する。特定の実施形態では、変形性関節症は変形性膝関節症であり、関節は膝関節である。いくつかの実施形態では、12ヶ月の投与サイクルは、1回の関節内注射を含む。他の実施形態では、12ヶ月の投与サイクルは、投与サイクル当たり3回の関節内注射を含み、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される。いくつかの実施形態では、投与計画は、2つの12ヶ月投与サイクル、4つの12ヶ月投与サイクルを含み、各投与サイクルは、投与サイクル当たり1回の関節内注射又は3回の関節内注射を含み得、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される。特定の実施形態では、注射当たり投与される化合物1の治療有効量は、20mgである。他の実施形態では、注射当たり投与される化合物1の治療有効量は、40mgである。
いくつかの実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従う使用のための化合物1は、定量的磁気共鳴イメージングによって決定されるように、プラセボと比較して軟骨厚の増加をもたらす。他の実施形態では、軟骨厚の増加は、標的膝関節においてである。いくつかの実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従う使用のための化合物1は、WOMAC疼痛及び平面アイテム上を歩くWOMAC疼痛によって決定されるように、プラセボと比較して標的膝関節における変形性関節症の疼痛の軽減をもたらす。他の実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従う使用のための化合物1は、WOMAC機能によって決定されるように、プラセボと比較して標的膝関節における身体機能の増加をもたらす。他の実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従う使用のための化合物1は、40メートル(4×10m)の速いペースでの歩行試験、30秒間の椅子立位試験、及び6分間の歩行試験によって決定されるように、プラセボと比較して、標的膝関節における能力に基づく身体機能の増加をもたらす。他の実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従う使用のための化合物1は、qMRI及びx線によって決定されるように、プラセボと比較して標的膝関節における構造的進行の増加をもたらす。
他の実施形態では、本発明は、1つ以上の投与サイクルを含む投与計画に従った対象の関節への関節内注射によって、1つ以上の用量の治療有効量の化合物1を、それを必要とするヒト対象に投与することによる、変形性関節症の治療のための医薬の製造における使用のための化合物1を提供する。特定の実施形態では、変形性関節症は変形性膝関節症であり、関節は膝関節である。いくつかの実施形態では、投与サイクルは、1回の関節内注射を含む6ヶ月の投与サイクルである。他の実施形態では、投与サイクルは、投与サイクル当たり3回の関節内注射を含む6ヶ月の投与サイクルであり、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される。いくつかの実施形態では、投与計画は、2つの6ヶ月投与サイクル、4つの6ヶ月投与サイクル、又は8つの6ヶ月投与サイクルを含み、各投与サイクルは、投与サイクル当たり1回の関節内注射又は3回の関節内注射を含み得、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される。特定の実施形態では、注射当たり投与される化合物1の治療有効量は、20mgである。他の実施形態では、注射当たり投与される化合物1の治療有効量は、40mgである。
他の実施形態では、本発明は、1つ以上の12ヶ月投与サイクルを含む投与計画に従った対象の関節への関節内注射によって、1つ以上の用量の治療有効量の化合物1を、それを必要とするヒト対象に投与することによる、変形性関節症の治療のための医薬の製造における使用のための化合物1を提供する。特定の実施形態では、変形性関節症は変形性膝関節症であり、関節は膝関節である。いくつかの実施形態では、12ヶ月は、1回の関節内注射を含む。他の実施形態では、12ヶ月の投与サイクルは、投与サイクル当たり3回の関節内注射を含み、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される。いくつかの実施形態では、投与計画は、2つの12ヶ月投与サイクル、4つの12ヶ月投与サイクルを含み、各投与サイクルは、投与サイクル当たり1回の関節内注射又は3回の関節内注射を含み得、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される。特定の実施形態では、注射当たり投与される化合物1の治療有効量は、20mgである。他の実施形態では、注射当たり投与される化合物1の治療有効量は、40mgである。
いくつかの実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従って、それを必要とする対象に投与された際、変形性関節症の治療のための医薬の製造における使用のための化合物1は、定量的磁気共鳴イメージングによって決定されるように、プラセボと比較して軟骨厚の増加をもたらす。他の実施形態では、軟骨厚の増加は、標的膝関節においてである。いくつかの実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従う使用のための化合物1は、WOMAC疼痛及び平面アイテム上を歩くWOMAC疼痛によって決定されるように、プラセボと比較して標的膝関節における変形性関節症の疼痛の軽減をもたらす。他の実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従う使用のための化合物1は、WOMAC機能によって決定されるように、プラセボと比較して標的膝関節における身体機能の増加をもたらす。他の実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従う使用のための化合物1は、40メートル(4×10m)の速いペースでの歩行試験、30秒間の椅子立位試験、及び6分間の歩行試験によって決定されるように、プラセボと比較して、標的膝関節における能力に基づく身体機能の増加をもたらす。他の実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従う使用のための化合物1は、qMRI及びx線によって決定されるように、プラセボと比較して標的膝関節における構造的進行の増加をもたらす。
特定の実施形態では、本発明は、1つ以上の投与サイクルを含む投与計画に従った対象の関節への関節内注射によって、1つ以上の用量の治療有効量の化合物1を、それを必要とするヒト対象に投与することによる、変形性関節症の治療における使用のための化合物1を含む医薬組成物を提供する。特定の実施形態では、変形性関節症は変形性膝関節症であり、関節は膝関節である。いくつかの実施形態では、投与サイクルは、1回の関節内注射を含む6ヶ月の投与サイクルである。他の実施形態では、投与サイクルは、投与サイクル当たり3回の関節内注射を含む6ヶ月の投与サイクルであり、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される。いくつかの実施形態では、投与計画は、2つの6ヶ月投与サイクル、4つの6ヶ月投与サイクル、又は8つの6ヶ月投与サイクルを含み、各投与サイクルは、投与サイクル当たり1回の関節内注射又は3回の関節内注射を含み得、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される。特定の実施形態では、注射当たり投与される化合物1の治療有効量は、20mgである。他の実施形態では、注射当たり投与される化合物1の治療有効量は、40mgである。
他の実施形態では、本発明は、1つ以上の12ヶ月投与サイクルを含む投与計画に従った対象の関節への関節内注射によって、1つ以上の用量の治療有効量の化合物1を、それを必要とするヒト対象に投与することによる、変形性関節症の治療における使用のための化合物1を含む医薬組成物を提供する。特定の実施形態では、変形性関節症は変形性膝関節症であり、関節は膝関節である。いくつかの実施形態では、12ヶ月の投与サイクルは、1回の関節内注射を含む。他の実施形態では、12ヶ月の投与サイクルは、投与サイクル当たり3回の関節内注射を含み、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される。いくつかの実施形態では、投与計画は、2つの12ヶ月投与サイクル、4つの12ヶ月投与サイクルを含み、各投与サイクルは、投与サイクル当たり1回の関節内注射又は3回の関節内注射を含み得、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される。特定の実施形態では、注射当たり投与される化合物1の治療有効量は、20mgである。他の実施形態では、注射当たり投与される化合物1の治療有効量は、40mgである。
いくつかの実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従って、それを必要とするヒト対象に投与された際、変形性関節症の治療における使用のための化合物1を含む医薬組成物は、定量的磁気共鳴イメージングによって決定されるように、プラセボと比較して軟骨厚の増加をもたらす。他の実施形態では、軟骨厚の増加は、標的膝関節においてである。いくつかの実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従う使用のための化合物1は、WOMAC疼痛及び平面アイテム上を歩くWOMAC疼痛によって決定されるように、プラセボと比較して標的膝関節における変形性関節症の疼痛の軽減をもたらす。他の実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従う使用のための化合物1は、WOMAC機能によって決定されるように、プラセボと比較して標的膝関節における身体機能の増加をもたらす。他の実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従う使用のための化合物1は、40メートル(4×10m)の速いペースでの歩行試験、30秒間の椅子立位試験、及び6分間の歩行試験によって決定されるように、プラセボと比較して、標的膝関節における能力に基づく身体機能の増加をもたらす。他の実施形態では、記載された投与計画のうちの1つに従う使用のための化合物1は、qMRI及びx線によって決定されるように、プラセボと比較して標的膝関節における構造的進行の増加をもたらす。
本開示の様々な態様が本明細書及び特許請求の範囲に記載される。
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。明細書及び特許請求の範囲において、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、単数形は複数形も含む。本開示の実施又は試験において、本明細書に記載のものと類似又は同等の方法及び材料を使用することができるが、適切な方法及び材料が以下に記載される。本明細書に言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、全ての目的のためにそれらの全体が参照により組み込まれる。本明細書に引用される参考文献は、特許請求された開示に対する先行技術であると認められない。矛盾する場合には、定義を含めて、本明細書が優先する。さらに、材料、方法、及び実施例は、例示にすぎず、限定することを意図するものではない。
本明細書に開示される化合物、組成物、及び方法の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
例示的な投与計画の概略図である。CMPD1=化合物1。 膝関節全置換術中に得られた膝の骨軟骨組織の免疫組織化学染色を示し、化合物1が(B)非損傷軟骨組織に対して(A)損傷軟骨組織においてより顕著な浸透を有することを示す。 図3:膝の摩耗及び非摩耗領域から回収した軟骨生検体のRNA-Seq分析を示し、化合物1の関節内注射の後、A)151の遺伝子が、プラセボと比較して、化合物1に応答して有意にアップレギュレート又はダウンレギュレートされ、B)軟骨の恒常性及び修復に関与するいくつかの遺伝子が、注射後21日まで化合物1によって調節されることを示す。CMPD1=化合物1。 (上記の通り。) A)自家軟骨細胞移植を受けている例示的な患者への化合物1の単回関節内注射の投与を示す軟骨3D MRIレンダリングは、プラセボと比較して、ドナー部位に外科的に作製された病変の充填の増加をもたらした。B)ドナー部位のパーセント再充満が、プラセボと比較して、化合物1の単回関節内注射を投与された例示的な患者において経時的に増加することを示すグラフ表示である。CMPD1=化合物1。 A)プラセボと比較して、2時点で化合物1の単回関節内注射を投与された自家軟骨細胞移植を受けている例示的な患者のドナー部位における再生組織の硝子様軟骨の性質を確認するナトリウムMRI画像。B)化合物1を投与された例示的な患者の参照領域におけるナトリウムシグナル強度によって補正されたドナー部位におけるナトリウムシグナル強度のベースラインからのパーセント変化として計算された治療応答が、プラセボと比較して経時的に増加することを示す。CMPD1=化合物1。 化合物1の週1回の4回の関節内注射で治療された例示的な患者からの3D MRI画像を示し、関節軟骨損傷の充填の成功を示す。CMPD1=化合物1。 化合物1が軟骨欠損体積を減少させることを示す部分厚病変を有する患者における、軟骨欠損体積における化合物1とプラセボの経時的な差のモデル推定百分率差(PD分析セット)を示す。A)全体及びB)大腿骨。MMRM=混合モデル反復測定;CMPD1=化合物1。
修飾ヒトANGPTL3ポリペプチドは、軟骨形成及び軟骨保護効果を示すことが示されている。このようなポリペプチドの例は、以前に国際公開第2014/138687号パンフレット(その内容は参照により完全に組み込まれる)に記載されている。軟骨損傷及び/又は関節炎を治療する目的でこのようなポリペプチドを投与する方法は、以前に国際公開第2018/087727号パンフレットに記載されている。化合物1を投与する先行技術の方法、例えば、国際公開第2018/087727号パンフレットに記載された方法は、頻繁な関節内注射(例えば、毎週)を意図し、規定された投与及び休止期間を記載していない。代わりに、先行技術の方法は、状態、例えば、軟骨損傷又は関節炎が治療される時まで、化合物1の投与を継続することを意図する。このような方法は有効である可能性があるが、関節内注射の回数を最小限にしながら治療上の利益をもたらす投与計画を確立する必要が残されている。本発明者らは、今や、化合物1が、治療上有効な利益をなおもたらすと共に、以前に考えられていたよりも少ない頻度で投与され得るという驚くべき発見によって、その必要性を満たした。(図1)。また、本明細書に記載の投与計画に従った投与は、化合物1のより少ない回数の全注射をもたらす。関節内注射の回数がより少なく、頻度が減少するため、本発明の投与計画はまた、患者の不快感を軽減し、投与中の関節への不注意な構造的損傷の可能性を最小限にし、関節内注射に関連する有害事象、例えば注射部位感染のリスクを低下させ、患者のコンプライアンスを増加させる。
定義
用語「対象」は、本発明の方法による治療が提供される、動物、ヒト又は非ヒトを指す。獣医学的及び非獣医学的用途が意図される。この用語は、限定されるものではないが、哺乳類、例えばヒト、他の霊長類、ブタ、げっ歯類、例えばマウス及びラット、ウサギ、モルモット、ハムスター、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、ヒツジ及びヤギを含む。典型的な対象には、ヒト、家畜、及び家庭内ペット、例えばネコ及びイヌが含まれる。
用語「治療」、「治療すること」、又は「治療する」は、本明細書では、治療的処置及び予防的(prophylactic)又は予防的(preventive)手段の両方として定義され、その目的は、望ましくない生理的変化又は障害を予防するか、又は遅滞させることである。本発明の目的のために、有益な又は望ましい臨床結果には、限定するものではないが、症状の緩和、疾患の程度の減少、疾患の安定化(すなわち、悪化しない)状態、疾患進行の遅延又は遅滞、疾患状態の改善又は緩和、及び検出可能又は検出不可能な逆転(部分的又は全体的)が含まれる。
対象は、このような対象がそのような治療から生物学的に、医学的に、又は生活の質において恩恵を受ける場合、治療を「必要とする」。
本明細書で使用される用語「薬学的に許容される」は、妥当な利益/リスク比に相応する過度の毒性、刺激、アレルギー応答及び他の問題又は合併症を伴わずに、健全な医学的判断の範囲内で、対象、例えば哺乳動物又はヒトの組織との接触に適切である化合物、材料、組成物及び/又は剤形を指す。
対象化合物の「投与」又は「投与すること」という用語は、治療を必要とする対象に、薬物、薬物の修飾誘導体、又はプロドラッグを提供することを意味する。
用語「投与計画」は、本明細書で使用される場合、ある期間にわたる薬物の投与パターンを具体的に示す治療投与計画を指す。投与計画は、疾患の治療に使用される薬物の量とその投与の回数及び頻度を定義する。本発明の投与計画は、1つ以上の投与サイクルを含み得る。
用語「投与サイクル」は、本明細書で使用される場合、ある期間(すなわち、投与期間)にわたって薬物を投与した後の、薬物の投与が再開される前の休止期間を意味する。投与サイクルは、そのサイクルにおける薬物の最初の投与から始まる。用語「休止期間」は、本明細書で使用される場合、対象が薬物を与えられない期間(すなわち、薬物での治療が差し控えられる期間)を指す。例えば、薬物が毎日、毎週、又は毎月与えられる場合、投与がしばらくの間、例えば、数日間、週数間、又は数ヶ月間中断されるならば、休止期間があるであろう。投与サイクルの投与期間及び/又は休止期間は、サイクル間で同じであっても異なっていてもよい。例えば、投与期間が週1回である場合、休止期間は1週間又は1週間を超えてもよい。投与される薬物の用量は、サイクル間で同じであっても異なっていてもよいことが意図される。
用語「用量」は、一度に投与される薬物の特定量を指す。本明細書で使用される場合、用量は、治療効果を引き出す薬物の量である。
薬物の「治療有効量」という用語は、対象において所望の生物学的又は医学的応答を引き出す、例えば、症状を少なくとも部分的に改善する、状態を緩和する、進行を遅滞又は遅延させる、又は障害若しくは疾患を逆転させる薬物の量を指す。
本明細書で使用される場合、用語「a」及び「an」及び「the」並びに本発明を説明する文脈における同様の参照は、本明細書で別段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈されるべきである。複数形が化合物、塩などに対して使用される場合、これは単一の化合物、塩なども意味すると解釈される。
用語「又は」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、用語「及び/又は」を意味するために、そして用語「及び/又は」と交換可能に使用される。
「約」及び「およそ」は、一般に、測定の性質又は精度を考慮して、測定された量について許容できる程度の誤差を意味するものとする。例示的な誤差の程度は、所与の値又は値の範囲の20パーセント(%)以内、典型的には10%以内、より典型的には5%以内である。本明細書で投与量を「約」特定の量と記載する場合、実際の投与量は、記載された量から10%まで変動し得る:「約」のこの用法は、所与の剤形における正確な量が、投与された化合物のインビボ効果に実質的に影響することなく、様々な理由により意図された量からわずかに異なり得ることを認識する。
特定の量として、すなわち用語「約」なしで、本明細書で投与量を記載する場合、実際の投与量は、記載された量から10%まで(好ましくは、5%まで)変動し得る:この用法は、所与の剤形における正確な量が、投与された化合物のインビボ効果に実質的に影響することなく、様々な理由により意図された量からわずかに異なり得ることを認識する。
用語「含むこと(comprising)」及び「含むこと(including)」は、特に断りのない限り、本明細書では、それらのオープンエンド且つ非限定的な意味で使用される。
「組み合わせ」又は「との組み合わせ」により、治療法又は治療剤が物理的に混合され、又は同時に投与され、及び/又は一緒に送達するために製剤化されなければならないことを意味することを意図しないが、これらの送達方法は、本明細書に記載される範囲内である。これらの組み合わせにおける治療剤は、1つ以上の他のさらなる治療法又は治療剤と同時に、その前に、又はその後に投与され得る。治療剤は、任意の順序で投与することができる。一般に、各薬剤は、その薬剤に関して決定された用量及び/又は時間スケジュールで投与される。さらに、この組み合わせで使用されるさらなる治療剤は、単一の組成物で一緒に投与され得るか、又は異なる組成物で別々に投与され得ることが理解される。一般に、組み合わせで使用されるさらなる治療剤は、それらが個々に使用されるレベルを超えないレベルで使用されることが予想される。いくつかの実施形態では、組み合わせで使用されるレベルは、単剤治療薬として使用されるレベルよりも低い。
本発明の組み合わせは、治療的機能若しくは保護的機能又はその両方を有する。例えば、これらの分子は、種々の障害(例えば、本明細書に記載されるようなOA)を治療及び/又は予防するために、ヒト対象に投与され得る。
本明細書で使用される用語「組み合わせ」は、1つの投与単位形態における固定された組み合わせ、又は固定されていない組み合わせ、又は2つ以上の治療剤が一緒に、独立して同時に、又は時間間隔内で別々に投与され得る組み合わせ投与のためのパーツのキットのいずれかを指し、特に、この時間間隔は、組み合わせパートナーが協力的な、例えば、相乗的な効果を示すことを可能にする。
用語「組み合わせ療法」は、本開示に記載される治療状態又は障害を治療するための2つ以上の治療剤の投与を指す。このような投与は、例えば、固定比の活性成分を有する単一の製剤、又は各活性成分について別々の製剤(例えば、異なるi.a.製剤、又は異なる投与経路のための製剤)での、これらの治療剤の実質的に同時の共投与を包含する。さらに、このような投与はまた、ほぼ同時又は異なる時点での、連続的又は別々の様式での各タイプの治療剤の使用を包含する。有効成分が単一の製剤として投与されるか、又は別々の製剤として投与されるかにかかわらず、薬物は、同じ治療過程の一部として同じ患者に投与される。いずれにせよ、治療投与計画は、本明細書に記載される状態又は障害の治療において有益な効果を提供する。
同時治療薬使用とは、本発明の意味において、少なくとも2つの活性成分を同じ経路で、同時に、又は実質的に同時に投与することを意味する。
別々の使用とは、本発明の意味において、特に、少なくとも2つの活性成分の、異なる経路による同時又は実質的に同時の投与を意味する。
連続的な治療的使用とは、少なくとも2つの活性成分の異なる時点での投与を意味し、投与経路は、同一又は異なる。より詳細には、投与方法とは、該方法に従って、活性成分のうちの1つの全投与が、他方又はその他の投与が開始する前に行われる方法を意味する。
本明細書で使用される用語「固定された組み合わせ」、「固定された用量」及び「単一の製剤」はOAの治療のために共同で治療的に有効である量の両方の治療剤を患者に送達するために製剤化された単一の担体又はビヒクル又は剤形を指す。単一のビヒクルは、任意の薬学的に許容される担体又は賦形剤と共に、ある量のそれぞれの薬剤を送達するようにデザインされる。いくつかの実施形態では、ビヒクルは、溶液又は懸濁液である。
用語「非固定組み合わせ」又は「パーツのキット」は、本発明の組み合わせの治療剤が両方とも、特定の時間制限なしに、同時に(simultaneously)、同時に(concurrently)、又は連続して、別々の実体として患者に投与されることを意味し、そのような投与は、それを必要とする対象の体内で2つの化合物の治療有効レベルを提供する。
化合物1は治療効果を示す
化合物1は、軟骨形成及び軟骨保護効果を示すことが示されている修飾ANGPTL3ポリペプチドである。化合物1は、以前に国際公開第2014/138687号パンフレットに記載されており、その内容は、参照により完全に組み込まれる。理論に束縛されることを望むものではないが、化合物1は、α5β1及びαVβ3インテグリンへの結合を介して、軟骨常在-間葉系間質細胞(CR-MSC)及び関節軟骨細胞に直接作用して、軟骨細胞に対する同化修復作用を伝達し、成熟軟骨細胞及びCR-MSCにおける関節軟骨細胞外基質タンパク質の形成を促進すると考えられる。化合物1のアミノ酸配列は、以下の表1に示される。
いくつかの実施形態では、記載された投与計画に従って投与される化合物1は、修飾されていない。他の実施形態では、化合物1は、PEG化されている。他の実施形態では、化合物1は、異種ペプチドに融合されている。特定の実施形態では、化合物1は、ヒト血清アルブミン(HSA)、免疫グロブリン重鎖定常領域(Fc)、ポリヒスチジン、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、チオレドキシン、プロテインA、プロテインG、マルトース結合タンパク質(MBP)、又は前述の異種ポリペプチドのいずれかの断片のいずれか1つに融合されている。特定の実施形態では、異種ポリペプチドは、化合物1のアミノ末端で融合されている。追加又は代替の実施形態では、異種ポリペプチドは、化合物1のカルボキシル末端で融合されている。特定の他の実施形態では、化合物1は、米国特許出願公開第2020/0108153号明細書(その内容は、参照により完全に本明細書に組み込まれる)に記載の薬物送達システムに従って送達される。
上記で説明したように、化合物1は、軟骨形成活性を示すことが示されている。例えば、ファーストインヒューマン(FIH)試験において、膝関節全置換術(TKR)が予定されたOAのヒト患者において化合物1を評価した。40mgまでの化合物1を、手術の3週間前、1週間前又は2時間前に単一用量として関節内投与により投与し、安全性、耐容性、薬物動態(PK)及び免疫原性(IG)データを収集した。この試験に基づき、有意な薬物関連有害事象(AE)及び重篤な有害事象(SAE)は報告されず、化合物1は、膝の滑液から速やかに排除されたと判断された。免疫組織化学分析は、化合物1が、損傷していない組織と比較して、損傷した膝組織へのより顕著な浸透を有することを示した。(図2)。またRNASeq分析は、化合物1が軟骨修復に関与するいくつかの遺伝子の活性を調節すること(図3A、B)、及びこの効果が注射後21日まで持続し得ることを示唆した。
続いて、局所性軟骨病変を治療するために自家軟骨細胞移植(ACI)を受けている参加者における機序実証(PoM)試験を実施した。これらの参加者は、20mgの化合物1の単回注射を受け、ナトリウムシーケンスを含む7テスラMRIで組織成長の程度及び組織組成の質の両方を評価した。結果は、化合物1投与後4及び12週目に、初期硝子軟骨に適合する組織がドナー部位で検出されたことを示した。(図4、5)。過敏反応を含む薬物関連安全性シグナルは報告されなかった。試験期間中、死亡又はSAEはなく、報告されたAEの全ては軽度から中等度であった。
概念実証(PoC)試験のパートAは、20mg化合物1の週1回の注射を4回受け、その後52週間フォローアップされた膝軟骨損傷の参加者における投与及びフォローアップを完了した。結果から、3T MRIで測定した28週間のフォローアップで、化合物1のヒトにおける軟骨同化活性が確認された。(図6、7)。全体として、中間分析では、治療は良好に耐容し、関連する全身安全性シグナルは報告されなかった。20mg又は40mgの化合物1の4回の月1回の注射を受ける、軽度から中等度の膝OAを有する参加者におけるPoC試験のパートBは、現在進行中である。
上記に要約され、実施例により詳細に記載される臨床データは、化合物1が、驚くべきことに長い薬力学的効果をもたらす比較的短い全身曝露と組み合わされた明確な用量応答パターンを示すことを裏付ける。化合物1はまた、ヒト対象において好ましい安全性プロファイルを示す。このデータを考慮して、本発明者らは、注射の回数及び頻度を最小限に抑えながら、化合物1の治療的利益をもたらす手段として、本明細書に開示される投与計画を開発した。開示された投与計画は、総投与数及び頻度が以前必要と考えられていたよりも著しく少ないにもかかわらず、予想外に且つ驚くべきことに、治療的に有効である。
治療方法
関節内用量の化合物1を単独で、又は抗IL-1β抗体と組み合わせて、対象の関節に投与することを含む、対象の関節炎を治療する方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、対象は、関節炎、例えば、変形性関節症、関節炎前の外傷に関連した変化、又は自己免疫性関節炎を有する。特定の実施形態では、変形性関節症は、変形性膝関節症である。さらなる実施形態では、対象は、炎症を伴う変形性関節症を有する。他の実施形態では、個体は、炎症を伴う関節炎を有さないが、そのリスクがある。
疾患又は障害が変形性関節症である実施形態では、本明細書に記載の投与計画の1つによる治療は、プラセボによる治療と比較して、OAの進行を遅滞又は停止させ、変形性関節症に関連する症状を軽減又は排除することが期待される。1つの非限定的な例において、治療は、Knee Injury and Osteoarthritis Outcome Score(KOOS)、Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index(WOMAC)スコア、又は疼痛軽減を計測する他の当技術分野において認められた方法によって測定されるように、疼痛を軽減することができる。別の実施形態では、治療は、変形性関節症の膝及び股関節の生活の質アンケート(OAKHQOL)、WHO生活の質BREF、高齢者のための身体活動スケール、又は他の当技術分野において認められた方法によって測定されるように、患者の生活の質又は日常生活活動を維持又は増加させることができる。別の実施形態では、治療は、定量的MRI、定性的MRI、生検の組織学、関節鏡検査中の検査、又は関節組織における変化を確認する他の当技術分野において認められた方法を用いて測定されるように、関節軟骨、靭帯、又は腱の維持又は再生をもたらし得る。他の実施形態では、治療は、定量的MRIによって決定されるように、軟骨体積に基づく関節構造の維持をもたらし得る。別の非限定的な例では、本明細書に記載される投与計画の1つによる治療は、WOMAC機能、KOOSスコア、こわばりの減少、又は身体機能を評価する他の当技術分野において認められた方法を通して評価されるように、罹患した関節における機能を改善又は維持する(例えば、さらなる減少を防止する)ことができる。他の実施形態では、能力に基づく身体機能の増大は、40メートル(4×10m)の速いペースでの歩行試験、30秒間の椅子立位試験、6分間の歩行試験、歩行分析、活動測定、又は他の当技術分野において認められた方法によって評価することができる。別の非限定的な例では、本明細書記載される投与計画の1つによる治療は、OAに冒された関節の生存を延長し得、及び/又は対象の生活の質を増加させ得る。さらに別の非限定的な例では、本発明の投与計画による治療は、関節置換手術の必要性を予防又は遅延させ得る。他の実施形態では、治療は、滑膜炎又は滑液包炎を減少させるのに有効であり得る。
治療化合物は、任意の公知の投与方法に従って投与することができる。特定の好ましい実施形態では、治療化合物は、関節内投与によって投与される。他の可能な投与経路には、例えば、皮内、筋肉内、静脈、及び皮下が含まれる。治療化合物はまた、患者に治療薬を投与するための任意の公知の手段(プレフィルドシリンジ、バイアル及びシリンジ、注射ペン、自動注射器、点滴静注及びバッグ、ポンプ、パッチポンプなどを含むが、これらに限定されない)に従って投与され得る。このような品目では、患者は、薬物を自己投与し得る(すなわち、自分で薬物を投与する)か、又は医師が薬物を投与し得る。
投与計画
いくつかの実施形態では、化合物1は、本明細書に記載の投与計画に従って投与することができる。個々の対象に対する最も効果的な投与量及び投与計画は、治療される特定の疾患又は状態及びその重症度に依存し得る。投与計画は、もはや対象に対する治療上の利益がなくなるまで継続され、又は繰り返されることができる。
いくつかの実施形態では、化合物1のための投与計画は、1つ以上の投与サイクルを含み得る。各投与サイクルは、1ヶ月以上、例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、又は12ヶ月を含み得る。12カ月の投与サイクルは、年1回の投与サイクルとも呼ばれることがある。好ましい実施形態では、投与サイクルは、6ヶ月又は12ヶ月(1年)投与サイクルである。
各投与サイクルは、投与期間中に1つ以上、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24の用量の化合物1を投与することを含み得る。投与期間中に2つ以上の用量の投与を含む実施形態では、用量は、連続した期間、例えば、連続した日、週、又は月の間に投与することができる。例えば、化合物1の4用量の連続投与を含む投与サイクルにおいて、各用量は、週に1回連続4週間、又は月に1回連続4ヶ月投与され得る。或いは、2つ以上の用量が、交互の期間、例えば、1日おき、1週間おき、又は1ヶ月おきに投与され得る。例えば、化合物1の4用量の交互投与を含む投与サイクルでは、各用量は、2週間毎に(隔週で)2ヶ月間投与され得る。
いくつかの実施形態では、各投与サイクルは、同じ数の用量を含む。例えば、2つの投与サイクルを含む投与計画では、各投与サイクルは、化合物1の3回の投与を含み得る。他の実施形態では、投与される用量の数は、同じ投与計画内の投与サイクル毎に異なってもよい。例えば、3つの投与サイクルを含む投与計画では、投与サイクル1は、化合物1の3用量の投与を含み得、投与サイクル2及び3は、化合物1の1用量の投与を含み得る。
2つ以上の用量を含む実施形態では、休止期間は、投与期間の最終用量が投与されるまで開始しない。例えば、隔週で投与される2用量を含む1ヶ月投与サイクルでは、用量は1週目と3週目に投与され、休止期間は4週目であり得る。いくつかの実施形態では、休止期間は、投与期間と同じ期間である。例えば、投与期間が1ヶ月の場合、休止期間は1ヶ月である。他の実施形態では、休止期間は、投与期間とは異なる期間である。例えば、投与期間が1ヶ月である場合、休止期間は1週間又は2ヶ月であり得る。いくつかの実施形態では、投与期間の長さ及び/又は休止期間の長さは、投与サイクル毎に変化してもよい。例えば、2つの6ヶ月投与サイクルを含む投与計画において、投与サイクル1は、3ヶ月投与期間及び3ヶ月休止期間を含み得、投与サイクル2は、1ヶ月投与期間及び5ヶ月休止期間を含み得る。
好ましい実施形態では、化合物1の投与計画は、1つの用量(すなわち、1ヶ月の投与期間)と、それに続く5ヶ月の休止期間を含む1つ以上の6ヶ月投与サイクルを含む。代替的な好ましい実施形態では、6ヶ月投与サイクルは、月に1回連続3ヶ月投与される3つの用量(すなわち、3ヶ月の投与期間)と、それに続く3ヶ月の休止期間を含む。別の好ましい実施形態では、化合物1の投与計画は、1つの用量(すなわち、1ヶ月の投与期間)と、それに続く11ヶ月の休止期間を含む1つ以上の12ヶ月投与サイクルを含む。別の好ましい実施形態では、12ヶ月投与サイクルは、月に1回連続3ヶ月投与される3つの用量(すなわち、3ヶ月の投与期間)と、それに続く9ヶ月の休止期間を含む。
別の実施形態では、化合物1の投与計画は、少なくとも4つの6ヶ月投与サイクルを含み、各6ヶ月投与サイクルは、月に1回連続3ヶ月投与される3用量の化合物1と、それに続く3ヶ月の休止期間を含む。別の実施形態では、化合物1の投与計画は、少なくとも8つの6ヶ月投与サイクルを含み、投与サイクル1~4(すなわち、最初の4つの投与サイクル)は、月に1回連続3ヶ月投与される化合物1の3用量と、それに続く3ヶ月の休止期間を含み、投与サイクル5~8は、化合物1の1用量と、それに続く5ヶ月の休止期間を含む。
別の実施形態では、化合物1の投与計画は、4つの6ヶ月投与サイクルを含み、各6ヶ月投与サイクルは、化合物1の1用量と、それに続く5ヶ月の休止期間を含む。別の実施形態では、化合物1の投与計画は、少なくとも8つの6ヶ月投与サイクルを含み、各6ヶ月投与サイクルは、化合物1の1用量と、それに続く5ヶ月の休止期間を含む。
別の実施形態では、化合物1の投与計画は、少なくとも2つの12ヶ月投与サイクルを含み、3用量が月に1回連続3ヶ月投与され、その後9ヶ月の休止期間が続く。別の実施形態では、化合物1の投与計画は、少なくとも4つの12ヶ月投与サイクルを含み、投与サイクル1及び2は、月に1回連続3ヶ月投与される3用量と、それに続く9ヶ月の休止期間を含み、投与サイクル3及び4は、化合物1の1用量と、それに続く11ヶ月の休止期間を含む。
用量
いくつかの実施形態では、関節内注射により投与される化合物1の用量は、約10~100mg、約10~90mg、約10~80mg、約10~70mg、約10~60mg、約10~50mg、約10~40mg、約10~30mg、約10~20mg、約20~100mg、約20~90mg、約20~80mg、約20~70mg、約20~60mg、約20~50mg、約20~40mg、約20~30mg、約30~100mg、約30~90mg、約30~80mg、約30~70mg、約30~60mg、約30~50mg、約30~40mg、約40~100mg、約40~90mg、約40~80mg、約40~70mg、約40~60mg、約40~50mg、約50~100mg、約50~90mg、約50~80mg、約50~70mg、約50~60mg、約60~100mg、約60~90mg、約60~80mg、約60~70mg、約70~100mg、約70~90mg、約70~80mg、約80~100mg、約80~90mg、又は約90~100mgである。
他の実施形態では、関節内注射により投与される化合物1の用量は、約10~55mg、約10~45mg、約10~35mg、約10~25mg、約10~15mg、約15~60mg、約15~55mg、約15~50mg、約15~45mg、約15~40mg、約15~35mg、約15~30mg、約15~25mg、約15~20mg、約20~55mg、約20~45mg、約20~35mg、約20~25mg、約25~60mg、約25~55mg、約25~50mg、約25~45mg、約25~40mg、約25~35mg、約25~30mg、約30~55mg、約30~45mg、約30~35mg、約35~60mg、約35~55mg、約35~50mg、約35~45mg、約35~40mg、約40~55mg、約40~45mg、約45~60mg、約45~55mg、約45~50mg、約50~55mg、又は約55~60mgである。
他の実施形態では、関節内注射によって投与される化合物1の用量は、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、又は約100mgである。好ましい実施形態では、投与される化合物1の用量は、20~40mg、20mg、又は40mgである。
いくつかの実施形態では、関節内注射により投与される化合物1の用量は、10~100mg、10~90mg、10~80mg、10~70mg、10~60mg、10~50mg、10~40mg、10~30mg、10~20mg、20~100mg、20~90mg、20~80mg、20~70mg、20~60mg、20~50mg、20~40mg、20~30mg、30~100mg、30~90mg、30~80mg、30~70mg、30~60mg、30~50mg、30~40mg、40~100mg、40~90mg、40~80mg、40~70mg、40~60mg、40~50mg、50~100mg、50~90mg、50~80mg、50~70mg、50~60mg、60~100mg、60~90mg、60~80mg、60~70mg、70~100mg、70~90mg、70~80mg、80~100mg、80~90mg、又は90~100mgである。
他の実施形態では、関節内注射により投与される化合物1の用量は、10~55mg、10~45mg、10~35mg、10~25mg、10~15mg、15~60mg、15~55mg、15~50mg、15~45mg、15~40mg、15~35mg、15~30mg、15~25mg、15~20mg、20~55mg、20~45mg、20~35mg、20~25mg、25~60mg、25~55mg、25~50mg、25~45mg、25~40mg、25~35mg、25~30mg、30~55mg、30~45mg、30~35mg、35~60mg、35~55mg、35~50mg、35~45mg、35~40mg、40~55mg、40~45mg、45~60mg、45~55mg、45~50mg、50~55mg、又は55~60mgである。
他の実施形態では、関節内注射によって投与される化合物1の用量は、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、又は100mgである。好ましい実施形態では、投与される化合物1の用量は、20~40mg、20mg、又は40mgである。
キット
本開示は、OAを有する患者を治療するためのキットも包含する。いくつかの実施形態では、キットは、膝OAを有する患者を治療するためのものである。他の実施形態では、キットは、炎症を伴う膝OAを有する患者を治療するためのものである。このようなキットは、化合物1(例えば、液体又は凍結乾燥形態)又は化合物1及び1つ以上の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を含む。さらに、このようなキットは、化合物1を投与するための手段(例えば、シリンジ及びバイアル、プレフィルドシリンジ、プレフィルドペン、パッチ/ポンプ)及び使用説明書を含み得る。説明書は、化合物1を特定の投与計画の一部として患者に提供することを開示してもよい。
語句「投与手段」は、薬物を患者に全身投与するための任意の利用可能な器具を示すために使用され、これには、プレフィルドシリンジ、バイアル及びシリンジ、注射ペン、自動注射器、点滴静注及びバッグ、ポンプ、パッチ/ポンプなどが含まれるが、これらに限定されない。このような品目では、患者は、薬物を自己投与し得る(すなわち、自分で薬物を投与する)か、又は介護者若しくは医師が薬物を投与し得る。
関節内炎症を伴う又は伴わない変形性膝関節症を有する患者の治療のためのキットが本明細書に開示され、該キットは:(a)治療有効量の化合物1及び1つ以上の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物;(b)化合物1を投与するための手段;並びに(c)化合物1の関節内投与のための説明書を含む。
特定の一実施形態では、(a)化合物1及び1つ以上の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物、並びに(b)膝OAを有する患者への化合物1の関節内投与のための手段の使用が提供され、ここで、化合物1は、本明細書に開示される投与計画に従って、4週間(1ヶ月)間隔で、約20~40mgの用量で、患者に関節内投与される。
以下の実施例は、本発明を例示することを意図し、本発明を限定するものとして解釈されるべきでない。略語は、当技術分野において慣用されているように使用される。
実施例1:膝関節全置換術が予定されている原発性変形性関節症患者における化合物1の無作為化プラセボ対照二重盲検ファーストインヒューマン単一漸増用量試験
方法:膝関節全置換術(TKR)が予定されている膝OAを有する50~75歳の患者において、ファーストインヒューマン無作為化単施設二重盲検プラセボ対照単一漸増用量試験を実施した。患者を、それぞれ4人の患者からなる7つのコホートのそれぞれに3:1(化合物1対プラセボ)に無作為化した。0.2~40mg(0.2mg、2mg、10mg、20mg、40mg)の範囲の5つの増加する関節内用量レベルを、TKRの7日前に投与した。TKRの2時間前又は21日前にさらに20mgの用量レベルを2回投与した。重要な安全性パラメータには、AE、注射部位反応、及び化合物1に対する抗薬物抗体の検出が含まれた。膝組織を、TKR手順中に得て、免疫組織化学(IHC)染色を通して化合物1への局所的曝露を評価し、RNA配列(RNA-Seq)分析を、手術中に取り除かれた関節表面の視覚的に損傷した領域又は損傷していない領域に由来する軟骨組織に対して行った。
結果:合計で30人の患者を化合物1(n=21)又はプラセボ(n=7)に無作為化した。2人の患者が治療前に同意を撤回した。採用患者の平均年齢は63歳であり、68%が女性(n=19)、96%が白人(n=27)であった。合計19人(化合物1、n=14;プラセボ、n=5)の患者が少なくとも1件のAEを経験した。AEの総発生率は、化合物1が66.7%(14/21)、プラセボが71.4%(5/7)であった。口渇/味覚異常の1つの薬物関連症例が40mgコホートで報告され、これは自然消失し、軽度とみなされた。5人の患者(化合物1、n=3;プラセボ、n=2)で10件のSAEが報告されたが、これらは手術に関連し、化合物1に関連しないとみなされた。抗化合物1抗体は、どの患者においても検出されなかった。関節内注射後、化合物1は、関節から全身循環へ用量依存的に分布し、Cmaxは、典型的には、投与後2~6時間に到達し、その後、急速に消失した。IHCは、化合物1が注射直後(2時間)に関節軟骨に浸透し、損傷領域への浸透がより顕著であることを示した(図2)。化合物1は、関節内注射の7日後(20mgまでの投与後)に関節軟骨又は滑液中に検出できなかった。
RNA-Seq分析では、プラセボ治療OA患者の損傷関節軟骨サンプルと非損傷関節軟骨サンプルでは、151の遺伝子が有意にアップレギュレート又はダウンレギュレートしたことが示された(図3A)。化合物1は、治療7日後の損傷軟骨においてこれらのOA調節遺伝子の大部分を対抗調節し、OA病因に関与する遺伝子に対する化合物1の広範な効果を示唆した。RNA-Seq分析はさらに、軟骨の恒常性及び修復に関与するいくつかの遺伝子の調節を示し、注射後21日までの化合物1による広範な効果を示唆した(図3B)。これらの効果は、両方とも用量依存的であり、ほとんどが損傷軟骨組織に存在した。
結論:この試験では、化合物1は、臨床的に有意な薬物関連安全性シグナル又は免疫原性なしに、好ましい安全性プロファイルを示した。化合物1はさらに、損傷軟骨に優先的に浸透する傾向を示し;局所的及び全身的に迅速に除去され;そして、RNAレベルでOA病因に関与するいくつかの軟骨遺伝子を対抗調節した。
実施例2:自家軟骨細胞移植を受けている患者におけるドナー部位の膝の関節軟骨の再生における関節内化合物1の安全性、耐容性及び予備的有効性を検討する無作為化プラセボ対照患者及び治験責任医師盲検単一用量概念実証試験
方法:これは、自家軟骨細胞移植(ACI)を受けている軟骨病変を有する対象における無作為化プラセボ対照二重盲検単回投与機序実証試験である。合計で14人の対象を、最初の外科手技の終了時に投与された単回i.a.注射(化合物1 20mgに9人、プラセボに5人、無作為化比2:1)で治療した。本試験は、1)全厚軟骨欠損を伴う顆間切痕における人工的に作製したACIドナー部位での軟骨再生、及び2)指標となる病変軟骨病変(欠損部位)での軟骨再生を評価するためにデザインされた。生検を行いながら骨層を破らないようにすることで、自然修復は最小限に抑えられた。4週目(2nd ACI治療関節鏡検査)での組織学的確認と共に、ドナー部位と欠損部位の両方における軟骨基質産生の初期徴候を検出するために、7T MRIを用いて3日目(ベースライン)、4週目(主要エンドポイント)、12週目及び28週目に治療効果の評価を行った。ACIで治療する指標病変は、軟骨細胞移植片の移植前の3日目と4週目にのみMRIで評価した。ドナー部位及び主病変を含む軟骨小領域の体積、並びにそれらのグリコサミノグリカン含有量(GAG)を、それぞれ7テスラ高分解能形態学的(プロトン)-MRIにより、及び間接的にナトリウム-MRIにより測定した。ドナー部位の体積は、3D陽子画像の手動セグメンテーションにより測定したが、主病変を含む軟骨小領域体積は、その形状が本来外科的に作製された病変よりも複雑であり、3Dアクティブ形状モデルを用いた自動セグメンテーション手法により測定した。全てのナトリウムMRI測定は、15チャンネルのナトリウムのみの膝アレイコイルを用いて行い、1.5×1.5×3mmの解像度の画像を25分のスキャン時間で得た。関心領域(ROI)分析のために、ナトリウム濃度マップを形態学的陽子画像の解像度に再スケールし、対応する形態学的画像と重ね合わせた。軟骨のナトリウム濃度は、異なるナトリウム濃度を有するアガロースファントムから各スキャンについて得られた較正曲線を用いて計算した。指標領域のGAG含有量は、同じ膝の対応する健常領域のGAG含有量に正規化した。4週目の2回目の外科手技中に、再生組織の生検をドナー部位で採取し、欠損部位からの組織デブリを採取して、ACI移植片移植前に組織学的及び免疫組織化学的分析を行った。
結果:化合物1のi.a.注射は、全ての治療患者において4週間後にドナー部位の65±8%の再充填(対プラセボ:38±11%、p=0.04)をもたらし(図4A)、28週目には86±11%まで増加した(対プラセボ:63±14%、p=0.12)(図4B)。2人のプラセボ患者では、4週目にドナー部位の部分的な再充満が認められたが、12週目には維持されなかったため、12週目に吸収された骨層の潜在的病変後の血栓と考えられた。同様に、ACI移植片移植前の4週間目に、主軟骨損傷の部分的修復が観察された(欠損を包含する小領域の体積におけるベースラインからの変化-化合物1:+128±97mm対プラセボ:+16±30mm、p=0.03)。
ナトリウム-MRIは、ドナー部位における再生された組織の硝子様軟骨の性質を確認した:ドナー部位におけるナトリウムシグナルは、化合物1群において、4、12及び28週目に、それぞれ26±5%、16±6%及び38±7%増加したのに対し、プラセボ群においては-2±12%(p=0.12)、13±10%(p=0.51)及び8±21%(p=0.15)増加し、化合物1群におけるGAG含有量の増加を示した(図5B)。ドナー部位及び欠損部位の両方からのナトリウムMRIデータの事後プール分析は、4週目においてナトリウムシグナル強度の統計的に有意な(p=0.01)増加を示した。
4週目のドナー部位で採取した生検組織の組織学的及び免疫組織化学的評価は、半定量的国際軟骨再生及び関節保存学会(International Cartilage Regeneration & Joint Preservation Society)(ICRS)II組織学的スコアリング、及びコラーゲン2型染色により示唆されるように、化合物1治療患者の再生組織における硝子軟骨の特徴を早期に示した。
化合物1は、関節から全身循環に速やかに分布し、本試験期間中、薬物関連AE又はSAEは報告されなかった。
結論:20mgの化合物1の単回i.a.注射は、ACI手技を受けている患者において、全厚軟骨欠損を伴う生検ドナー部位の再充満を促進した。ドナー部位において新たに再生した軟骨組織は、ナトリウムMRIによって検出されたプロテオグリカンの豊富な含有量から明らかなように、硝子様品質であるように思われた(図5A)。化合物1のi.a.注射の4週間後の移植前の指標病変の探索的評価も、病変の充填から組織形成の徴候を示した。最後に、化合物1は、好ましい安全性プロファイルと共に、一貫した全身薬物動態プロファイルを示し、有意な薬物関連安全性シグナル及び免疫原性はなかった。
実施例3:関節軟骨病変を有する患者(パートA)及び変形性膝関節症を有する患者(パートB)における膝の関節軟骨の再生における関節内化合物1注射の安全性、耐容性及び予備的有効性を検討する2パート無作為化プラセボ対照患者及び治験責任医師盲検試験。
パートA - 方法:これは、部分厚軟骨病変を有する患者における無作為化二重盲検プラセボ(「PBO」)対照概念実証試験である。病変タイプ(顆部又は膝蓋骨)により層別化した58人の患者(43人[20mg化合物1];15人[PBO])を、週1回の4回のi.a.注射で治療した。主要エンドポイントは、コラーゲン線維網のマーカーとしてのT2弛緩時間測定であり、軟骨病変体積は副次エンドポイントとし、いずれも3テスラMRIを用いた。評価は、ベースライン、8週目(wks)、16週目、28週目、52週目(58人中23人において最終)に行った。病変体積は、手動でセグメント化した画像から決定したが、膝全体にわたる21の小領域の軟骨体積は、自動セグメント化ソフトウェア(MR Chondral Health[MRCH]、Siemens)を用いて3D等方性MR画像から測定した。治療効果は、病変を包含する指標領域体積について評価した(図6)。
パートA - 結果:高解像度MRI(手動セグメンテーション)で測定してEoS(28週目)で、化合物1に応答した軟骨欠損体積の減少があった。このような減少は、軟骨欠損体積のベースラインからの変化率をMMRMモデルにおける応答変数として用いた場合、さらに顕著であった(図7)。特に、28週目の化合物1とプラセボの差に関連する片側p値は、大腿骨病変を有する患者のサブグループで0.08(対PBO)であった(16週目と53週目のp値は、それぞれ0.47と0.85)。対照的に、膝蓋骨病変を有する患者のサブグループでは、欠損充填の徴候は検出できず、治療群とPBO群の間でT2緩和時間値の変化は検出されなかった。手動の画像分析で小さく不規則な形状の病変を測定することには限界があるので、MRCH手法を用い(図6)、大腿部病変を有する患者の軟骨病変の化合物1によって誘導される再充填が検出された(16週目のΔ=96mm)。顆部病変を有する患者のみに分析を限定すると、化合物1の利益は、28週目(Δ=68mm)及び52週目(Δ=117mm)で維持されるようであった。軟骨損傷を伴わない大腿骨外側顆では、過成長は検出されなかった。
全体的な安全性プロファイルは、治療中に発生した軽度/中等度の局所反応(化合物1対PBOの関節腫脹[9.3%対0%]及び関節痛[7.0%対6.7%]の発生率)で陽性であり、自然に、又はパラセタモール/NSAIDで解決した。抗薬物抗体は検出されなかった。
パートA - 結論:20mg化合物1の週1回の4回のi.a.注射による治療は、大腿骨関節軟骨病変患者において損傷軟骨の再生をもたらした。大腿骨指標領域における軟骨体積の自動測定は、関連する治療効果を検出することができ、手動セグメンテーション法よりも感度が高いことが見出された。健常大腿部では軟骨過成長の徴候は認められなかった。化合物1は、好ましい安全性及び耐容性プロファイルを示した。
パートB - 方法:これは、軽度から中等度の変形性関節症(Kellgren and Lawrence(K&L)グレード2~3及び関節腔幅2~4mm)を有する患者における無作為化二重盲検プラセボ(PBO)対照概念実証試験である。75人の患者(25人[40mg化合物1]、25人[20mg化合物1]、25人[PBO])を、4ヶ月間にわたって合計4回のi.a.注射で治療する。主要エンドポイントは、安全性及び耐容性、並びに3テスラMRIを用いた28週目と52週目の指標領域の軟骨体積/厚さの変化である。軟骨の質は、T2弛緩時間をサロゲートマーカーとして用いて、副次エンドポイントとして評価する。さらに、疼痛及び機能を副次エンドポイントとしてKOOSを用いて評価する。さらなる探索的エンドポイントは、PK/PD評価、バイオマーカー、タンパク質発現及び遺伝子分析を含む。評価は、ベースライン、8週目、16週目、28週目及び52週目に行う。病変体積は手動セグメント化画像から決定する一方、膝全体にわたる21の小領域の軟骨体積は、自動セグメント化ソフトウェア(MR Chondral Health [MRCH]、Siemens)を用いて3D等方性MR画像から測定する。治療効果は、病変を包含する指標領域体積について評価する。
パートB - 結果:軟骨の厚さ及び体積は、治療群ではベースラインと比較して増加すると予想されるが、プラセボ患者では、安定した経過又は悪化が予想される。疼痛及び機能は改善することが期待される。データは、現在のところ、化合物1の用量依存的効果を予測するには不十分である。今のところ安全性は良好である。
実施例4:症候性変形性膝関節症(ONWARDS)を有する患者における化合物1対プラセボの関節内投与計画の有効性、安全性及び耐容性を評価する5年間の無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験
本試験の目的は、膝OAの治療のための最適な投与計画を決定するための、i.a.化合物1の異なる用量(20mg及び40mg)、投与サイクルにおける注射回数(1回対3回)及び投与サイクル頻度(6ヶ月毎対12ヶ月毎)の有効性、安全性及び耐容性を評価することである。本試験は、化合物1の投与が、膝OAを有する参加者の構造的変化、症状緩和及び機能/生活の質の改善につながることを示す。
試験デザイン:本試験は、2年間のコア期間からなる2期間の多施設共同無作為化並行群間二重盲検プラセボ対照第IIb相試験であり、続いて化合物1対プラセボの複数の関節内投与計画の短期及び長期の有効性、安全性及び耐容性を評価することを目的とした3年間の延長期間(2年間の治療及び1年間のフォローアップ)である。治験薬開始前にx線検査によりK&Lグレード2又は3と決定され、またWOMAC疼痛スコアが0~50スケールで20~45であることによって示される標的膝の中等度から重度の症候性膝OAと判定された参加者を登録する。
この試験は、中等度から重度の症候性(WOMAC疼痛20~45)膝OA(K&L 2~3)参加者におけるi.a.化合物1の最適用量投与計画を定義することを目的とする。この目的のために、本試験では、2つの用量レベル(20mgと40mg)、2つの用量頻度及び2つのサイクル頻度を以下のように試験する:
・ 化合物1 20mg Q4w×3、サイクル6ヶ月毎
・ 化合物1 40mg×1及びプラセボQ4w×2、サイクル6ヶ月毎
・ 化合物1 40mg Q4w×3、サイクル12ヶ月毎
・ 化合物1 40mg Q4w×3、サイクル6ヶ月毎
・ プラセボQ4w×3、サイクル6ヶ月毎
本試験における投与計画は:i)6ヶ月毎の20mg Q4w×3対6ヶ月毎の40mg Q4w×3を用いて適切な用量(20mg対40mg)を決定し;ii)6ヶ月毎の40mg×1、12ヶ月毎の40mg Q4w×3、及び6ヶ月毎の40mg Q4w×3を用いて最適な投与計画について外挿するための安全性及び有効性データの比較を可能にする。
コア期間の0週目(無作為化来院)に、適格な参加者は、1:1:1:1:1の割当で5つの治療群のうちの1つに無作為化され、化合物1の20mg又は40mg又はプラセボのいずれかの4mLのi.a.注射を受ける(図1)。約550人の参加者が無作為化される。
コア期間中、全ての参加者は、化合物1又はプラセボ(Q4w×3)のi.a.注射を6ヶ月毎に2年間受ける。化合物1治療群は、標的膝にi.a.投与される活性化合物1の20mg Q4w×3を6ヶ月毎に、40mg×1を6ヶ月毎に、40mg Q4w×3を12ヶ月毎に、又は40mg Q4w×3を6ヶ月毎に受ける。プラセボに無作為化された参加者は、コア期間中に6ヶ月毎にQ4w×3の注射用生理食塩水のi.a.注射を受ける。試験の盲検性を維持するため、i.a.化合物1又はプラセボ注射は、全コホートにおいて、同じ回数の全注射(コア期間中Q4w×3 6ヶ月毎、延長期間中6ヶ月毎に1回、2年間)を維持するように投与される。コア期間の終了時に、参加者は延長期間に入る。
延長期間中、全ての参加者は、化合物1又はプラセボの1回のi.a.注射を6ヶ月毎に2年間受ける。コア期間中に6又は12ヶ月毎に活性化合物1を受けた参加者は、延長期間中に対応して(それぞれ6又は12ヶ月毎に)同じ用量の活性化合物1の1回の注射を受ける。プラセボ注射は、割り付けられた治療頻度に基づいて、全ての群で同じ回数の注射を保ち、盲検性を確保するために、試験期間を通じて使用する。これら4つの化合物1群の少なくとも1つの参加者は、104週目の主要エンドポイントデータベースロックからの有効性及び安全性の結果に基づき、延長期間を中止してもよい。コア期間中にプラセボを受けた参加者は、継続投与期間中に6ヶ月毎にプラセボを受け続ける。延長期間の最後の1年間は、全群についての無治療フォローアップである。
試験期間を通じて、膝OA疼痛に対する標準治療及び投薬は認められる。
各サイクル中、連続した治験薬注射の間隔は、4+/-1週間とする。26週目後は、各サイクルの最初の試験治療の日は、0週目(無作為化来院)に基づいて算出するものとし、算出日から+4週間であってもよく;例えば、26週目の日は、0週目来院日から26週間後と決定し、26週目時の試験治療は、0週目から26~30週間後とする。
本試験は、治験責任医師と参加者の双方からのバイアスを低減するために、参加者と治験責任医師を盲検化してデザインされており、したがって治療群と対照群との差が試験治療の効果であると解釈できる。
試験集団:試験集団は、スクリーニング期間中に標的膝に片側性内側x線撮影でK-Lグレード2~3の変形性膝関節症及び指標膝の中等度から重度の疼痛(無投薬又は鎮痛薬休薬後のWOMAC疼痛が50中20~45)を有する40~75歳の男性及び女性の参加者で構成される。合計約550人の参加者を無作為化する。参加者の選択は、スクリーニング来院1及び2で全ての適格基準を適用して確定するべきである。適格基準の関連記録(例えば、チェックリスト)は、治験実施施設において原資料と共に保存しなければならない。無作為化され、治療を開始できなかった参加者、例えば、誤って無作為化された参加者は、誤無作為化とみなされる。一度無作為化された参加者は、再度スクリーニングを受けたり、無作為化されたりすることはできない。
結果:完了した及び進行中の試験からの利用可能な臨床データに基づき、関節軟骨の再生をもたらす軟骨同化作用が膝OA参加者において期待される。初期相試験の陽性結果に基づき、膝OA K&L 2~3集団で確認されたが、疾患修飾作用が予想される。本試験の膝OA参加者に対する全体的なリスクは、完了した臨床試験で観察された安全性プロファイルのため低いことが予想される。
主要目的は、標的膝の定量的磁気共鳴イメージング(qMRI)を用いて、中央内側脛骨大腿骨区画(cMTFC)の軟骨厚のベースラインからの平均変化で測定した、104週目時のプラセボと比較した化合物1の各投与計画の有効性を評価することである。化合物1による治療は、プラセボと比較して、軟骨厚の増加をもたらすことが予想される。
本試験では、いくつかの副次目的を満たす上で、104週目にプラセボと比較した化合物1の各投与計画の有効性を評価する:
・ 標的膝のベースラインOA疼痛の変化を評価する。この目的のためのエンドポイントは、WOMAC疼痛及び平面アイテム上を歩くWOMAC疼痛を用いて評価する。化合物1による治療は、プラセボと比較して、標的膝のOA疼痛の軽減をもたらすことが予想される。
・ 身体機能のベースラインの変化を評価する。この目的のエンドポイントは、WOMAC機能を用いて評価される。化合物1による治療は、プラセボと比較して身体機能の増加をもたらすことが予想される。
・ 標的膝における総、内側及び外側脛骨大腿骨区画(TFC)の構造的変化を評価する。この目的のためのエンドポイントは、qMRIを用いて軟骨厚の変化を評価することによって評価する。化合物1による治療は、プラセボと比較して、標的膝における総、内側及び外側TFCにおける軟骨厚の増加をもたらすことが予想される。
・ 能力に基づく身体機能の変化を評価する。この目的のエンドポイントは、40メートル(4×10m)の速いペースでの歩行試験、30秒間の椅子立位試験、及び6分間の歩行試験を用いて評価する。化合物1による治療は、プラセボと比較して、能力に基づく身体機能の増加をもたらすことが予想される。
・ 標的膝に構造的進行を有する患者の割合の変化を、イメージング技術を用いて評価する。エンドポイントは、(1)qMRIを用いた軟骨厚の最小検出可能変化(SDC)を超える変化、及び(2)x線を用いた内側の最小関節腔幅(minJSW)≧0.70mmの喪失を検査することにより評価する。化合物1による治療は、プラセボと比較して、標的膝における構造的進行を有する患者の割合を増加させることが予想される。
・ 様々な化合物1投与計画の安全性及び耐容性を評価する。エンドポイントは、AE及びSAE、標的膝における急性炎症反応(AIR)の発生率、治験責任医師が判定した臨床検査値及びバイタルサインの臨床的に重要な変化、血清中の結合及び中和抗薬物抗体の発生率を用いて評価する。化合物1による治療は、安全且つ十分に耐容されることが証明されると予想される。
このように、いくつかの実施形態のいくつかの態様を記載してきたが、様々な変更、修正、及び改良が、当業者には容易に思い浮かぶであろうことが理解されるべきである。そのような変更、修正、及び改善は、本開示の一部であることが意図され、本開示の趣旨及び範囲内にあることが意図される。したがって、前述の記載及び図面は、例示のみを目的とする。
当業者は、単に日常的な実験を用いて、本明細書に具体的に記載された特定の実施形態の多数の等価物を認識し、又は確認することができるであろう。そのような等価物は、以下の特許請求の範囲の範囲内に包含されることが意図される。

Claims (32)

  1. 1つ以上の投与サイクルを含む投与計画に従ったヒト対象の膝関節への関節内注射によって、1つ以上の用量の治療有効量の化合物1を、それを必要とする前記ヒト対象に投与することを含む、変形性膝関節症を治療する方法。
  2. 前記投与サイクルが、1回の関節内注射を含む6ヶ月の投与サイクルである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記投与サイクルが、投与サイクル当たり3回の関節内注射を含む6ヶ月の投与サイクルであり、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記投与計画が、少なくとも2つの6ヶ月投与サイクルを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 投与計画が、少なくとも4つの6ヶ月投与サイクルを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 投与サイクル1~4がそれぞれ1回の関節内注射を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 投与サイクル1~4がそれぞれ、投与サイクル当たり3回の関節内注射を含み、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される、請求項5に記載の方法。
  8. 前記投与計画が、少なくとも8つの6ヶ月投与サイクルを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 投与サイクル1~8がそれぞれ1回の関節内注射を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 投与サイクル1~4がそれぞれ、投与サイクル当たり3回の関節内注射を含み、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される、請求項8に記載の方法。
  11. 投与サイクル5~8がそれぞれ1回の関節内注射を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記投与サイクルが、12ヶ月の投与サイクルである、請求項1に記載の方法。
  13. 前記12ヶ月の投与サイクルが、投与サイクル当たり3回の関節内注射を含み、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記12ヶ月の投与サイクルが、1回の関節内注射を含む、請求項12に記載の方法。
  15. 前記投与計画が、少なくとも2つの12ヶ月投与サイクルを含む、請求項12~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記投与計画が、少なくとも4つの12ヶ月投与サイクルを含む、請求項12~15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 投与サイクル1~4がそれぞれ3回の関節内注射を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 投与サイクル1~2がそれぞれ、投与サイクル当たり3回の関節内注射を含み、1回の注射が3ヶ月間連続して月に1回投与される、請求項16に記載の方法。
  19. 投与サイクル3~4がそれぞれ1回の関節内注射を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 用量当たり投与される化合物1の量が、20mgである、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 用量当たり投与される化合物1の量が、40mgである、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記投与計画に従う投与が、プラセボと比較して、軟骨厚の増加をもたらす、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記投与計画に従う投与が、標的膝関節における軟骨厚の増加をもたらす、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記軟骨厚の増加が、定量的磁気共鳴イメージング(qMRI)により決定される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記投与計画に従う投与が、前記標的膝関節における変形性関節症疼痛の軽減をもたらす、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記変形性関節症疼痛の軽減が、WOMAC疼痛及び平面アイテム上を歩くWOMAC疼痛によって決定される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記投与計画に従う投与が、前記標的膝関節における身体機能の増加をもたらす、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記身体機能の増加が、WOMAC機能によって決定される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記投与計画に従う投与が、前記標的膝関節における能力に基づく身体機能の増加をもたらす、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記能力に基づく身体機能の増加が、40メートル(4×10m)の速いペースでの歩行試験、30秒間の椅子立位試験、及び6分間の歩行試験によって決定される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記投与計画に従う投与が、前記標的膝関節における構造的進行の増加をもたらす、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記構造的進行の増加が、qMRI及びx線によって決定される、請求項31に記載の方法。
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