JP2024517590A - 電気化学的ガス分離方法 - Google Patents

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Abstract

流体混合物からルイス酸ガスを分離する方法であって、流体混合物を、還元型電気活性種、非水電解質及び安定化添加剤と接触させて、ルイス酸ガスと還元型電気活性種との間のアニオン付加体を形成する工程を含み、電気活性種が、酸化状態、及びルイス酸ガスと結合してアニオン付加体を形成する少なくとも1つの還元状態を含み、安定化添加剤が、カチオン性ルイス酸、水素結合供与体、又はそれらの組み合わせを含み、安定化添加剤が、還元型電気活性種からのアニオン付加体の形成を動力学的に有利にし、アニオン付加体と還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にするのに有効な量で存在する、方法。

Description

本出願は、2021年4月7日に米国特許商標庁に出願された米国仮特許出願第63/171,762号の優先権、及び米国特許法第119条に基づきそこから生じる全ての利益を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
連邦研究報告
本発明は、米国エネルギー省科学局SC-1によって与えられた受賞番号DE-SC0020915の下で政府支援を受けて行われた。政府は、本発明に対して一定の権利を有する。
流体混合物から標的種を除去することは、多くの研究開発の主題であった。例えば、二酸化炭素の排出を抑制することによって地球温暖化を緩和する取り組みが行われてきた。この目的のために、二酸化炭素をその生成の異なる段階で捕捉しようとして、熱的方法を含む多くのアプローチが検討されてきた。ルイス酸ガス除去の他の潜在的な用途には、空気又は換気空気からルイス酸ガスを直接除去することが含まれる。
エレクトロスイング(Electroswing)吸着は、ガス状混合物からルイス酸ガスを捕捉する代替方法である。一般に、エレクトロスイング吸着セル内では、電極は炭素繊維紙等の導電性足場を含み、電子の伝導経路の提供、活物質が電解質と接触するための表面積、及び多孔質構造を保持するための機械的支持を含むいくつかの機能を果たしている。
米国特許出願第16/659,398号
Shimizu A, Takenaka K, Handa N, Nokami T, Itoh T, Yoshida JI. Liquid Quinones for Solvent-Free Redox Flow Batteries, Advanced Materials. 2017 Nov; 29(41):1606592
流体混合物から標的種を捕捉するための改良された材料及び方法に対する必要性が依然として存在する。より薄い電極を有するエレクトロスイング吸着セルを用いてルイス酸ガスを捕捉する方法を提供することは、特に有利であろう。
ルイス酸ガスを含む流体混合物からルイス酸ガスを分離する方法であって、方法が、流体混合物を、還元状態の電気活性種、非水電解質及び安定化添加剤と接触させて、ルイス酸ガスと還元状態の電気活性種との間のアニオン付加体を形成する工程を含み、電気活性種が、酸化状態、及び電気活性種がルイス酸ガスと結合してアニオン付加体を形成する少なくとも1つの還元状態を含み、安定化添加剤が、カチオン性ルイス酸、水素結合供与体、又はそれらの組み合わせを含み、安定化添加剤が、還元型電気活性種及びルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成を動力学的に有利にする、アニオン付加体と還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にする、又は還元型電気活性種からのアニオン付加体の形成を動力学的に有利にし、アニオン付加体と還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にするのに有効な量で存在する、方法が提供される。
また、電気化学装置であって、還元状態の電気活性種、非水電解質、及び安定化添加剤と電子連通している負電極を含むチャンバを含み、チャンバが、ルイス酸ガスを含む流体混合物を受け取るように構成されており、電気活性種が、酸化状態、及び電気活性種がルイス酸ガスと結合してアニオン付加体を形成する少なくとも1つの還元状態を含み、安定化添加剤が、カチオン性ルイス酸、水素結合供与体、又はそれらの組み合わせを含み、安定化添加剤が、ルイス酸ガスと還元型電気活性種との間のアニオン付加体の形成を動力学的に有利にする、アニオン付加体と還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にする、又はルイス酸ガスと還元型電気活性種との間のアニオン付加体の形成を動力学的に有利にし、アニオン付加体と還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にするのに有効な量で存在する、電気化学装置が提供される。
ガス入口及びガス出口と流体連通している複数の電気化学セルを含むガス分離システムであって、複数の電気化学セルの各々が、還元状態の電気活性種を含む第1の電極であり、電気活性種が、酸化状態及びルイス酸ガスと結合してアニオン付加体を形成する少なくとも1つの還元状態を含む、第1の電極と;相補的な電気活性層を含む第2の電極と;第1の電極と第2の電極との間の第1のセパレータと;非水電解質と;安定化添加剤とを含み、安定化添加剤が、カチオン性ルイス酸、水素結合供与体、又はそれらの組み合わせを含み、安定化添加剤が、還元型電気活性種及びルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成を動力学的に有利にする、アニオン付加体と還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にする、又は還元型電気活性種からのアニオン付加体の形成を動力学的に有利にし、アニオン付加体と還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にするのに有効な量で存在する、ガス分離システムが更に提供される。
上述した特徴及び他の特徴は、以下の図及び詳細な説明によって例示される。
以下の図は、同等の素子に同様の番号が付けられた例示的な実施形態である。図中、「E」は「指数」を表すために使用され、例えば、1E-05は1x10-5を意味する。
電流(アンペア、A)対電位(ボルト、V);対フェロセン(Fc/Fc+)のグラフであり、実施例1に記載の重ね合わせたサイクリックボルタンモグラムを示す。 電流(A)対電位(V対Fc/Fc+)のグラフであり、実施例1に記載の重ね合わせたサイクリックボルタンモグラムを示す。 電流(A)対電位(V対Fc/Fc+)のグラフであり、実施例1に記載の重ね合わせたサイクリックボルタンモグラムを示す。 吸光度(任意単位)対波長(ナノメートル、nm)のグラフであり、実施例2に記載の重ね合わせた吸光度スペクトルを示す。 吸光度(任意単位)対波長(nm)のグラフであり、実施例2に記載の重ね合わせた吸光度スペクトルを示す。 吸光度(任意単位)対波長(nm)のグラフであり、実施例2に記載の重ね合わせた吸光度スペクトルを示す。 電流(A)対電位(V対Fc/Fc+)のグラフであり、実施例3に記載の重ね合わせたサイクリックボルタンモグラムを示す。 電流(A)対電位(V対Fc/Fc+)のグラフであり、実施例4に記載の重ね合わせたサイクリックボルタンモグラムを示す。 実施例5に記載される、LiTFSIを用いた及び用いない密閉セル充電実験中の印加電位(V、左)及び充電容量(Ah、右)対時間のグラフである。 実施例5に記載される密閉セル充電実験中の印加電位(V、左)及びセルヘッドスペース圧力(PSI、右)対時間のグラフである。 実施例5に記載される密閉セル充電実験中の印加電位(V、左)及びセルヘッドスペース圧力(PSI、右)対時間のグラフである。 電流(A)対電位(V対Fc/Fc+)のグラフであり、実施例9に記載の重ね合わせたサイクリックボルタンモグラムを示す。 電流(A)対電位(V対Fc/Fc+)のグラフであり、実施例9に記載の重ね合わせたサイクリックボルタンモグラムを示す。 電流(A)対電位(V対Fc/Fc+)のグラフであり、実施例10に記載の重ね合わせたサイクリックボルタンモグラムを示す。 電流(A)対電位(V対Fc/Fc+)のグラフであり、実施例10に記載の重ね合わせたサイクリックボルタンモグラムを示す。 電流(A)対電位(V対Fc/Fc+)のグラフであり、実施例11に記載の重ね合わせたサイクリックボルタンモグラムを示す。 電流(A)対電位(V対Fc/Fc+)のグラフであり、実施例11に記載の重ね合わせたサイクリックボルタンモグラムを示す。 電流(A)対電位(V対Fc/Fc+)のグラフであり、実施例12に記載の重ね合わせたサイクリックボルタンモグラムを示す。 電流(A)対電位(V対Fc/Fc+)のグラフであり、実施例13に記載の重ね合わせたサイクリックボルタンモグラムを示す。
本開示は、流体混合物から1種以上のルイス酸ガスを分離する方法、装置、及びシステムに関する例示的な実施形態を更に詳細に説明する。本明細書に記載の例示的な実施形態は、安定化添加剤の存在下で流体混合物を還元状態の電気活性種(「還元型電気活性種」)及び非水電解質と接触させることにより、流体混合物から電気化学プロセスによってルイス酸ガス(例えば、CO2)を捕捉するために使用することができる。有利には、安定化添加剤は、ルイス酸ガスと還元型電気活性種との間で形成され得るアニオン付加体の形成を動力学的に有利にし、及び/又はルイス酸ガスと還元型電気活性種との間で形成され得るアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にするのに有効である量(「有効な量」)で存在し得る。
ルイス酸ガスを含む流体混合物からルイス酸ガスを分離する方法が提供される。方法は、安定化添加剤の存在下で流体混合物を還元状態の電気活性種及び非水電解質と接触させて、ルイス酸ガスと還元型電気活性種との間のアニオン付加体を形成する工程を含む。本明細書で使用する場合、「電気活性種」は、電気化学セル内の電位に曝露されると酸化又は還元を受ける材料を指す。電気活性種は、電気活性種が還元状態にあるときにルイス酸ガスと結合し、又はルイス酸ガスに結び付き、電気活性種が酸化状態にあるときにルイス酸ガスを放出することが可能である。したがって、電気活性種は酸化状態及び少なくとも1つの還元状態を含み、還元型電気活性種はルイス酸ガスと結合してアニオン付加体を形成する。本明細書で使用する場合、「アニオン付加体」は、ルイス酸ガスと結合した還元型電気活性種を指す。その後の電気活性種の酸化によってルイス酸ガスが放出されてもよく、対応する方法により、CO2の場合の可逆的な炭素捕捉等のルイス酸ガスの可逆的な捕捉が可能になり得る。
いくつかの態様において、有効な量の安定化添加剤の存在下での還元型電気活性種とルイス酸ガスとの間の会合定数は、有効な量の安定化添加剤の非存在下での還元型電気活性種とルイス酸ガスとの間の会合定数よりも大きい。
いくつかの態様において、有効な量の安定化添加剤の存在下での還元型電気活性種及びルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成は、有効な量の安定化添加剤の非存在下での還元型電気活性種及びルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成よりも動力学的に有利である。
流体混合物はルイス酸ガスを含む。「ルイス酸ガス」という用語は、電子対供与体から電子対を受容することができる(例えば、供与体の電子対にエネルギー的にアクセス可能な空の軌道を有することによって)ガス種を指す。
ルイス酸ガスとしては、二酸化炭素(CO2)、硫化カルボニル(COS)、例えば二酸化硫黄(SO2)又は三酸化硫黄(SO3)等の酸化硫黄;有機硫酸塩(R2SO4)、例えばジメチル硫酸;二酸化窒素(NO2)又は三酸化窒素(NO3)等の酸化窒素;リン酸エステル(R3PO4)、例えばリン酸トリメチル;硫化物(R2S)、エステル(RCOOR')、例えばギ酸メチル又はアクリル酸メチル;アルデヒド(RCHO)、例えばホルムアルデヒド又はアクロレイン;ケトン(R'2CO)、例えばアセトン、イソシアネート(R'NCO)、例えばイソシアン酸メチル;イソチオシアネート(R'NCS);ボラン(BR''3)、例えばトリメチルボラン、ボレート(R''3BO3)、例えばトリメチルボレート;又はそれらの組み合わせを挙げることができ、各Rは、独立して水素、C1~12アルキル、C3~12シクロアルキル、C1~12ヘテロシクロアルキル、C6~20アリール又はC1~12ヘテロアリールであり、各R'は、独立してC1~12アルキル、C3~12シクロアルキル、C1~12ヘテロシクロアルキル、C6~20アリール又はC1~12ヘテロアリールであり、各R''は、独立して水素、ハロゲン、C1~12アルキル、C3~12シクロアルキル、C1~12ヘテロシクロアルキル、C6~20アリール又はC1~12ヘテロアリールである。1つ以上の態様において、ルイス酸ガスは、CO2、COS、SO2、SO3、NO2又はNO3を含むことができる。更に他の態様において、ルイス酸ガスはCO2である。
電気活性種は、電気活性種の少なくとも1つの還元状態がルイス酸ガスに対して強い親和性を有するように選択されてもよい。一態様において、還元状態において、電気活性種は、室温(例えば23℃)で少なくとも10リットル/モル(M-1)、又は少なくとも102M-1、又は少なくとも103M-1のルイス酸ガスとの結合定数を有し得る。例えば、還元型電気活性種は、10~1020M-1、103~1019M-1、104~1018M-1、105~1017M-1、106~1016M-1、又は107~1015M-1のルイス酸ガスとの結合定数を有してもよい。一態様において、ルイス酸ガスとの結合定数は105~1020M-1、又は1010~1015M-1である。
一態様において、電気活性種は少なくとも2つの酸化状態を有することができる。電気活性種が第1の酸化状態にあるとき、電気活性種は「活性状態」にあると考えることができ、ルイス酸ガスに対する親和性は高くてもよい(すなわち、「活性状態」にある電気活性種はルイス酸ガスとの結合定数を有し得る)。第2の酸化状態では、電気活性種は「不活性化」状態にあると考えることができ、ルイス酸ガスに対する親和性は、「活性」状態のルイス酸ガスに対する親和性に対して低下する。例えば、電気活性種は、0.9:1~10-20:1、例えば0.9:1、0.8:1、0.5:1、0.1:1、10-2:1、10-3:1、10-4:1、又は10-20:1の不活性化状態の結合定数の活性状態の結合定数に対する比を有してもよい。一態様において、不活性化状態におけるルイス酸ガスとの結合定数は0であってもよい(すなわち、不活性化状態はルイス酸ガス種に対して本質的に不活性である)。
電気活性種は少なくとも1つの酸化状態を有することができ、ルイス酸ガスが電気活性種から放出され得る。例えば、一態様において、電気活性種は少なくとも1つの酸化状態を有することができ、酸化状態に酸化されると、ルイス酸ガスは電気活性種から放出され得る。一態様において、ルイス酸ガスに対する還元型電気活性種の結合定数は、ルイス酸ガスに対する対応する酸化型電気活性種の結合定数よりも大きくなり得る。したがって、有利な特徴において、ルイス酸ガスの捕捉及び放出は、酸化還元サイクリングによって達成され得る。
電気活性種は、数分のオーダー、数秒のオーダー、ミリ秒のオーダー、又はマイクロ秒のオーダー以下の時間尺度でルイス酸ガスに結び付くことが可能である。
一態様において、電気活性種は、電気活性種がルイス酸ガスと結合し得る還元状態を有することができ、還元型電気活性種が二酸素(O2)と反応することが熱力学的に不利である少なくとも1つの温度(例えば、223K以上、248K以上、273K以上、又は298K以上、かつ最大323K、最大348K、又は最大413Kの範囲、例えば298K)がある。一態様において、電気活性種は、電気活性種がルイス酸ガスと結合し得る還元状態を有し得、酸素との反応の速度定数が、ルイス酸ガスの捕捉に見合った時間尺度で反応が起こるには遅すぎるため還元型電気活性種が二酸素(O2)と反応するのに動力学的に不利である少なくとも1つの温度(例えば、298K)がある。したがって、電気活性種は、二酸素よりもルイス酸ガスの捕捉に向けた特異性を提供する。
電気活性種は、電気活性ポリマー、電気活性オリゴマー、電気活性有機化合物、電気活性材料(例えば、官能化カーボンナノチューブ等)、又はそれらの組み合わせを含み得る。電気活性種は、ルイス酸ガスに結び付くことができる少なくとも1つの官能基、例えばカルボニル基を含むことができる。
例示的な電気活性有機化合物としては、置換又は非置換のキノン又はテトロン、ビピリジン、フェナジン、ビピリジニウム又はビオロゲン、ピラジニウム、ピリミジニウム、キノキサリニウム、ピリリウム、ピリジニウム、テトラゾリウム、ベルダジル、アロキサジン、イソアロキサジン、キノジメタン、トリシアノビニルベンゼン、テトラシアノエチレン、チオケトン、チオキオノン、及びジスルフィドを挙げることができるが、これらに限定されない。一態様において、電気活性種は、置換又は非置換キノンを含む(例えば、キノンは、キノンに結合した1つ以上の官能基又は他の部分若しくは連結を含み得る)。置換キノン上の置換基(例えば、官能基)の選択は、置換キノンの還元電位に対する効果を含むがこれに限定されない様々な要因に依存し得る。本開示の利益を受ける当業者は、例えば合成の実現可能性及び結果として生じる還元電位に基づいて、置換キノン上のどの置換基又は置換基の組み合わせが第1の電気活性種に適しているかを決定する仕方を理解するであろう。例示的な官能基としては、ハロ(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード)、ヒドロキシル、カルボキシレート/カルボン酸、スルホネート/スルホン酸、アルキルスルホネート/アルキルスルホン酸、ホスホネート/ホスホン酸、アルキルホスホネート/アルキルホスホン酸、アシル(例えば、アセチル又はエチルエステル)、アミノ、アミド、第四級アンモニウム(例えば、テトラアルキルアミノ)、分岐又は非分岐アルキル(例えば、C1~18アルキル)、ヘテロアルキル、アルコキシ、グリコキシ、ポリアルキレングリコキシ(例えば、ポリエチレングリコキシ)、イミノ、ポリイミノ、分岐又は非分岐アルケニル、分岐又は非分岐アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ニトロ、ニトリル、チイル、又はカルボニル基が挙げられるが、これらに限定されず、いずれもが置換又は非置換であってよい。任意の好適な有機又は無機の対イオンが、前述の荷電種、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又は式R4N+(式中、各Rは同一又は異なり、独立してC1~18ヒドロカルビルであるが、少なくとも1つのRはヒドロカルビルであることを条件とする)の置換アンモニウムに存在し得る。
一態様において、電気活性種は、構造(I)又は(II)
(式中、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれの出現において独立して、水素、ハロゲン(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード)、ヒドロキシル、カルボキシレート/カルボン酸、スルホネート/スルホン酸、アルキルスルホネート/アルキルスルホン酸、ホスホネート及び/又はホスホン酸、アルキルホスホネート及び/又はアルキルホスホン酸、アシル(例えば、アセチル又はエチルエステル)、アミノ、アミド、第四級アンモニウム(例えば、テトラアルキルアミノ)、分岐又は非分岐C1~18アルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、グリコキシ、ポリアルキレングリコキシ(例えば、ポリエチレングリコキシ)、イミノ、ポリイミノ、分岐又は非分岐アルケニル、分岐又は非分岐アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ニトロ、ニトリル、チイル又はカルボニル基であり、いずれもが置換又は非置換であり、任意の2つの隣接するR1~R4基は任意選択で一緒に環式基を形成し得る)
の置換又は非置換キノンを含む。
いくつかの態様において、電気活性種は、置換又は非置換のキノン又はテトロン、好ましくは1,4-ベンゾキノン、1,2-ベンゾキノン、1,4-ナフトキノン、1,2-ナフトキノン、アントラキノン、フェナントレンキノン、ベンズアントラキノン、ジベンゾアントラキノン、4,5,9,10-ピレンテトロン、又はそれらの組み合わせを含み得る。上記のいずれかは、任意選択で上記のように置換され得る。一態様において、電気活性種は、任意選択で置換されたナフトキノン、任意選択で置換されたキノリン、任意選択で置換されたアントラキノン、任意選択で置換されたフェナントレンキノン(任意選択で置換されたフェナントレンジオンとも称される)、又は任意選択で置換されたチオクロメンジオンを含んでもよい。例えば、電気活性種としては、ベンゾ[g]キノリン-5,10-ジオン、ベンゾ[g]イソキノリン-5,10-ジオン、ベンゾ[g]キノキサリン-5,10-ジオン、キノリン-5,8-ジオン、又は1-ラムダ4-チオクロメン-5,8-ジオンが挙げられてもよい。前述の非限定的な例の電気活性種の他の位置異性体も、(例えば、キノンの異なる位置に置換基を用いて)使用してもよい。
いくつかの態様において、電気活性種は、置換若しくは非置換ビピリジン、置換若しくは非置換フェナジン、置換若しくは非置換ビピリジニウム、置換若しくは非置換ビオロゲン、置換若しくは非置換ピラジニウム、置換若しくは非置換ピリミジニウム、置換若しくは非置換キノキサリニウム、置換若しくは非置換ピリリウム、置換若しくは非置換ピリジニウム、置換若しくは非置換テトラゾリウム、置換若しくは非置換ベルダジル、置換若しくは非置換アロキサジン、置換若しくは非置換イソアロキサジン、置換若しくは非置換キノジメタン、置換若しくは非置換トリシアノビニルベンゼン、置換若しくは非置換テトラシアノエチレン、置換若しくは非置換チオケトン、置換若しくは非置換チオキオノン、置換若しくは非置換ジスルフィド、又はそれらの組み合わせを含み得る。
一態様において、電気活性種は、電気活性ポリマー又はオリゴマーである。本明細書で使用する場合、「ポリマー」という用語は、10個を超える繰り返し単位を有する構造を指す。本明細書で使用する場合、「オリゴマー」という用語は、2~10個の繰り返し単位を有する構造を指す。一態様において、電気活性ポリマーの少なくとも一部は、電気活性種の少なくとも1つがポリマー主鎖に共有結合したポリマー主鎖を含む。一態様において、電気活性種は、ポリマー主鎖の少なくとも一部を形成してもよい。
一態様において、電気活性種は、置換若しくは非置換キノン、置換若しくは非置換テトロン、置換若しくは非置換ビピリジニウム、置換若しくは非置換ビピリジン、置換若しくは非置換フェナジン、置換若しくは非置換ベンズイミダゾール、置換若しくは非置換ベンゾトリアゾール、置換若しくは非置換インドール、置換若しくは非置換ビオロゲン、置換若しくは非置換ピラジニウム、置換若しくは非置換ピリミジニウム、置換若しくは非置換キノリン、置換若しくは非置換イソキノリン、置換若しくは非置換キノキサリニウム、置換若しくは非置換ピリリウム、置換若しくは非置換ピラジン、置換若しくは非置換ピリジニウム、置換若しくは非置換テトラゾリウム、置換若しくは非置換ベルダジル、置換若しくは非置換アロキサジン、置換若しくは非置換イソアロキサジン、置換若しくは非置換キノジメタン、置換若しくは非置換トリシアノビニルベンゼン、置換若しくは非置換テトラシアノエチレン、置換若しくは非置換チオケトン、置換若しくは非置換チオキオノン、置換若しくは非置換ジスルフィド、又はそれらの組み合わせから誘導された繰り返し単位を含むポリマー又はオリゴマーを含む。
例示的な電気活性種は、置換若しくは非置換1,4-ベンゾキノン、置換若しくは非置換1,2-ベンゾキノン、置換若しくは非置換1,4-ナフトキノン、置換若しくは非置換1,2-ナフトキノン、置換若しくは非置換2,3-ジアミノナフタレン、置換若しくは非置換アントラキノン、置換若しくは非置換フェナントレンキノン、置換若しくは非置換ベンズアントラキノン、置換若しくは非置換ジベンゾアントラキノン、置換若しくは非置換4,5,9,10-ピレンテトロン、置換若しくは非置換インドール、置換若しくは非置換キノリン、置換若しくは非置換イソキノリン、置換若しくは非置換ベンズイミダゾール、又は置換若しくは非置換ベンゾトリアゾールから誘導された1つ以上の繰り返し単位を含むポリマー又はオリゴマーを含む。
一態様において、電気活性ポリマーは、キノンから誘導された繰り返し単位を含んでおり、このキノンは、上述のように、1,4-ベンゾキノン、1,2-ベンゾキノン、1,4-ナフトキノン、1,2-ナフトキノン、アントラキノン、フェナントレンキノン、ベンズアントラキノン、ジベンゾアントラキノン、4,5,9,10-ピレンテトロン、又はそれらの組み合わせを含み得る。一態様において、電気活性ポリマーは、置換又は非置換ポリ(アントラキノン)を含み得る。一態様において、電気活性ポリマーは、置換又は非置換ポリ(ビニルアントラキノン)を含み得る。一態様において、電気活性ポリマーは、置換又は非置換ポリ(フェニルナフトキノン)を含み得る。
電気活性種が電気活性ポリマー又は電気活性オリゴマーを含む場合、電気活性ポリマー又は電気活性オリゴマーは、任意選択で架橋されてもよい。架橋は、当該技術分野で一般的に知られている様々な方法によって達成することができる。当業者は、本開示の利益を受けて、電気活性種の選択に基づいて、好適な架橋化学を決定することができるであろう。
例えば、いくつかの態様において、電気活性種は、ヒドロゲル、イオノゲル、オルガノゲル、又はそれらの組み合わせを含むか、又はそれらに組み込まれる。このような架橋ポリマー材料は、当該技術分野において一般に知られており、いくつかの場合では、三次元構造の一部として(例えば、共有結合を介して)本明細書に記載される電気活性種を含んでもよい。しかし、いくつかの実施形態において、電気活性種は、吸着(例えば、物理吸着及び/又は化学吸着)を介して架橋ポリマー材料に組み込まれる。いくつかの態様において、電気活性種は拡張ネットワークを含む。例えば、電気活性種は、金属有機フレームワーク(MOF)又は共有結合有機フレームワーク(COF)を含み得る。いくつかの態様において、電気活性種は官能化炭素質材料を含む。例えば、電気活性種は、官能化グラフェン、官能化カーボンナノチューブ、官能化カーボンナノリボン、エッジ官能化グラファイト、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
構造(I)及び(II)の置換又は非置換キノンは、以下に示す方法で還元することができる偶数個のカルボニル基を有する環式の共役系であり、1電子還元してセミキノンアニオン(IA)又は(IIA)をそれぞれ形成し、続いてセミキノンアニオンを1電子還元して、キノンジアニオン(IB)又は(IIB)をそれぞれ形成する。
電気活性種がキノン含有化合物を含み、ルイス酸ガスがCO2である場合、セミキノンアニオン(IA)の例示的な場合について以下に示すように、セミキノンアニオンとCO2との間のアニオン付加体(Q-CO2)-が形成されてもよい:
電気活性種がキノン含有化合物を含み、ルイス酸ガスがCO2である場合、キノンジアニオン(IB)の例示的な場合について以下に示すように、キノンジアニオンとCO2との間のアニオン付加体(Q-(CO2)2)2-)が形成されてもよい:
いくつかの態様において、キノン含有化合物とCO2との間に形成されるアニオン付加体は、アニオン付加体(Q-CO2)-)、アニオン付加体(Q-(CO2)2)2-)、又はそれらの組み合わせを含む。
安定化添加剤は、カチオン性ルイス酸、水素結合供与体、又はそれらの組み合わせを含む。安定化添加剤は、還元型電気活性種からのアニオン付加体の形成を動力学的に有利にし、及び/又はアニオン付加体と還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にするのに有効な量で存在する。例えば、安定化添加剤は、1リットルあたり10-3~101モル(M1)の量で存在してもよい。この範囲内で、安定化添加剤は、1×10-3~5×10-2、又は5×10-3~1×10-1M1の量で存在してもよい。
安定化添加剤は、カチオン性ルイス酸であってもよい。本明細書で使用する場合、「カチオン性ルイス酸」という用語は、電子供与体から電子密度を受容することができるカチオン種を指す。カチオン性ルイス酸は、還元型電気活性種からのアニオン付加体の形成を動力学的に有利にし、及び/又はアニオン付加体と還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にする量で存在してもよい。例えば、有効な量のカチオン性ルイス酸の存在下での還元型電気活性種とルイス酸ガスとの間の会合定数は、有効な量のカチオン性ルイス酸の非存在下での還元型電気活性種とルイス酸ガスとの間の会合定数よりも大きい。例えば、有効な量のカチオン性ルイス酸の存在下での還元型電気活性種及びルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成は、有効な量のカチオン性ルイス酸の非存在下での還元型電気活性種及びルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成よりも動力学的に有利である。
いくつかの態様において、還元型電気活性種とルイス酸ガスとの間のアニオン付加体は、還元型電気活性種とカチオン性ルイス酸との間に形成される付加体よりも熱力学的に安定である。例えば、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間のアニオン付加体は、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンとカチオン性ルイス酸との間に形成される付加体よりも熱力学的に安定であってもよい。
いくつかの態様において、カチオン性ルイス酸の存在下での還元型電気活性種とルイス酸ガスとの間の反応平衡定数は、カチオン性ルイス酸の非存在下での還元型電気活性種とルイス酸ガスとの間の反応平衡定数よりも大きい。例えば、カチオン性ルイス酸の存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間の反応平衡定数は、カチオン性ルイス酸の非存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間の反応平衡定数よりも大きくてもよい。
いくつかの態様において、カチオン性ルイス酸とアニオン付加体との間のイオン結合強度は、還元型電気活性種とカチオン性ルイス酸との間のイオン結合強度よりも大きい。例えば、カチオン性ルイス酸とアニオン付加体との間のイオン結合強度は、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンとカチオン性ルイス酸との間のイオン結合強度よりも大きくてもよい。
いくつかの態様において、カチオン性ルイス酸とアニオン付加体との間の会合定数は、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンとカチオン性ルイス酸との間の会合定数よりも大きい。特に、有効な量のカチオン性ルイス酸の存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間の会合定数は、有効な量のカチオン性ルイス酸の非存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間の会合定数よりも大きい。
カチオン性ルイス酸は、金属カチオン又はメタロイドカチオンを含むことができる。いくつかの態様において、カチオン性ルイス酸は、第1族元素、第2族元素、希土類元素、第11族元素、第12族元素、第13族元素、又はそれらの組み合わせである金属カチオンであってもよい。例えば、金属カチオンは、Li、Na、K、Mg、Ca、Sc、La、Al、Zn、又はそれらの組み合わせであり得る。カチオン性ルイス酸は、アニオンを備えることができる。カチオン性ルイス酸のアニオンとしては、ハロゲン化物、硫酸塩、スルホン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、PF6、BF4、トリフルオロメタンスルホン酸塩(トリフラート)、ノナフラート、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、ビス(フルオロスルホニル)イミド、トリフルオロアセテート、ヘプタフルオロブタノエート、ハロアルミネート、トリアゾリド、ジシアンアミド、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、チオシアネート、又はアミノ酸誘導体(例えば、窒素上のプロトンが除去されたプロリン)のうちの1つ以上を挙げることができるが、これらに限定されない。
安定化添加剤は、水素結合供与体であってもよい。本明細書で使用する場合、「水素結合供与体」という用語は、水素結合受容体に対する水素結合供与体であり得る化合物を指す。水素結合受容体であるアニオン付加体の場合、水素結合供与体種は、水素結合を介してアニオン付加体を安定化させる。いくつかの態様において、水素結合供与体の水素原子とアニオン付加体との間の水素結合強度は、水素結合供与体の水素原子とセミキノンアニオン又はキノンジアニオンとの間の水素結合強度よりも大きい。
いくつかの態様において、有効な量の水素結合供与体の存在下での還元型電気活性種及びルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成は、有効な量の水素結合供与体の非存在下での還元型電気活性種及びルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成に動力学的に有利である。
いくつかの態様において、安定化添加剤は水素結合供与体であり、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間のアニオン付加体は、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンと水素結合供与体との間に形成される付加体よりも熱力学的に安定である。
いくつかの態様において、安定化添加剤は水素結合供与体であり、水素結合供与体の存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間の反応平衡定数は、水素結合供与体の非存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間の反応平衡定数よりも大きい。
いくつかの態様において、安定化添加剤は水素結合供与体であり、水素結合供与体とアニオン付加体との間の会合定数は、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンと水素結合供与体との間の会合定数よりも大きい。
いくつかの態様において、安定化添加剤は水素結合供与体であり、有効な量の水素結合供与体の存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間の会合定数は、有効な量の水素結合供与体の非存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間の会合定数よりも大きい。
いくつかの態様において、水素結合供与体は、ヒドロキシル基、アンモニウム基、アニリニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、カルボン酸基、チオール基、尿素基、グアニジン基、チオ尿素基、又はそれらの組み合わせを含む化合物である。一態様において、水素結合供与体は、ヒドロキシル基、アンモニウム基、アニリニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、カルボン酸基、チオール基、又はそれらの組み合わせを含む化合物である。一態様において、水素結合供与体は、尿素基、グアニジン基、チオ尿素基、又はそれらの組み合わせを含む化合物である。
一態様において、水素結合供与体は、ヒドロキシル基を含む化合物である。ヒドロキシル基を含む例示的な化合物としては、C1~18アルキルアルコール、C6~20芳香族アルコール、ヒドロキシル末端化ポリ-又はオリゴ-(C1~6アルキレン)グリコール(例えば、ヒドロキシル末端ポリ(エチレングリコール)、ヒドロキシル二末端ポリ(エチレングリコール)、ヒドロキシル末端ポリ(プロピレングリコール)、ヒドロキシル二末端ポリ(プロピレングリコール)等、又はそれらの組み合わせ)、グリセリン等、又はそれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。一態様において、ヒドロキシル基を含む化合物は、C1~18アルキルアルコール、例えばC1~6アルキルアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、t-ブタノール、i-ブタノール等、又はそれらの組み合わせを含み得る。一態様において、水素結合供与体は水であり得る。一態様において、水素結合供与体は、C6~20芳香族アルコール、例えばフェノール性ヒドロキシル基(例えば、フェノール)であり得る。いくつかの態様において、安定化添加剤が水素結合供与体を含み、非水電解質がイオン性液体である場合、水素結合供与体は、イオン性液体のカチオン種と同じカチオン基を含まない。
一態様において、水素結合供与体は、ヒドロキシル基、アンモニウム基、アニリニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、カルボン酸基、チオール基、尿素基、グアニジン基、チオ尿素基、又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含むポリマー化合物であり得る。例えば、前述の水素結合供与体基のいずれかは、ポリマー鎖上のペンダント基の形態で存在し得るか、ポリマー鎖内の骨格基として存在し得るか、ポリマー鎖末端官能基として存在し得るか、又はそれらの組み合わせであり得る。一態様において、水素結合供与体は、ヒドロキシル基を含むポリマー化合物であり得る。例示的なヒドロキシル含有ポリマーとしては、ポリ(ビニルフェノール)、ポリ(ビニルアルコール)等、又はそれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
一態様において、安定化添加剤は、カチオン性ルイス酸と水素結合供与体の組み合わせを含み、カチオン性ルイス酸と水素結合供与体は、前述のいずれかであり得る。
方法は、非水電解質中で実施される。非水電解質は、室温(例えば、23℃)で好適な導電率を有する固体又は液体であってもよい。非水電解質は、有機電解質(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、液体キノン)、イオン性液体、有機材料の液体共晶混合物、溶媒和イオン性液体、又はそれらの組み合わせであってもよい。本明細書の方法及びシステムに好適であり得る液体キノンの一例は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるShimizu A, Takenaka K, Handa N, Nokami T, Itoh T, Yoshida JI. Liquid Quinones for Solvent-Free Redox Flow Batteries, Advanced Materials. 2017 Nov; 29(41):1606592に記載されるように、ベンゾキノンとナフトキノン等の第2のキノンとの液体混合物である。1つ以上の態様において、ベンゾキノンとナフトキノン等の第2のキノンとの液体混合物を、電気活性種と非水電解質の両方に使用することができる。いくつかの態様において、非水電解質は炭酸エステルを含む。例えば、いくつかの態様において、非水電解質は、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
一態様において、有機電解質は、有機溶媒及び支持電解質を含み得る。例示的な有機溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ポリエチレングリコール、ジグライム、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグライム)、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル(ペンタグライム)、18-クラウン-6エーテル、又はそれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。一態様において、有機溶媒は、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ポリエチレングリコール、ジグライム、又はそれらの組み合わせを含み得る。一態様において、溶媒は、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグライム)、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル(ペンタグライム)、18-クラウン-6エーテル、又はそれらの組み合わせを含み得る。
非水電解質は、支持電解質を更に含むことができ、支持電解質は安定化添加剤とは異なる。支持電解質は、非水電解質中での優れた電気伝導性等の電気的特性のために、一般に第四級アンモニウム塩である。第四級アンモニウム塩の例としては、例えば、(CH3)4N・BF4、(CH3)3C2H5N・BF4、(CH3)2(C2H5)2N・BF4、CH3(C2H5)3N・BF4、(C2H5)4N・BF4、(C3H7)4N・BF4、CH3(C4H9)3N・BF4、(C4H9)4N・BF4、(C6H13)4N・BF4、(C2H5)4N・ClO4、(C2H5)4N・BF4、(C2H5)4N・PF6、(C2H5)4N・AsF6、(C2H5)4N・SbF6、(C2H5)4N・CF3SO3、(C2H5)4N・C4F9SO3、(C2H5)4N・(CF3SO2)2N、(C2H5)4N・BCH3(C2H5)3、(C2H5)4N・B(C2H5)4、(C2H5)4N・B(C4H9)4、(C2H5)4N・B(C6H5)4,等、これらのヘキサフルオロリン酸塩等が挙げられる。支持電解質は、非水電解質の総質量に対して0~70wt%の量で存在することができる。
一態様において、非水電解質は、イオン性液体、例えば室温イオン性液体(RTIL)を含む。室温、例えば23℃で液体であるため溶融塩とも称されるイオン性液体は、低揮発性、例えば23℃の温度で10-5パスカル(Pa)未満、又は10-10~10-5Paの蒸気圧を有することができ、この蒸気圧は、セパレータが乾燥するリスクを低減させ、蒸発又はエントレインメントによる電解質の損失を低減させ得る。一態様において、イオン性液体は、非水電解質の実質的に全体(例えば、少なくとも80体積パーセント(vol%)、又は少なくとも90vol%、又は少なくとも95vol%、又は少なくとも98vol%、少なくとも99vol%、又は少なくとも99.9vol%)を占める。
イオン性液体は、アニオン成分とカチオン成分とを含む。イオン性液体のアニオンは、ハロゲン化物、硫酸塩、スルホン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硝酸塩、酢酸塩、PF6、BF4、トリフルオロメタンスルホン酸塩(トリフラート)、ノナフラート、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、トリフルオロアセテート、ヘプタフルオロブタノエート、ハロアルミネート、トリアゾリド、又はアミノ酸誘導体(例えば、窒素上のプロトンが除去されたプロリン)を含み得るがこれらに限定されない。イオン性液体のカチオンは、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、アンモニウム、スルホニウム、チアゾリウム、ピラゾリウム、ピペリジニウム、トリアゾリウム、ピラゾリウム、オキサゾリウム、グアニジニウム、アルカリカチオン、又はジアルキルモルホリニウムのうちの1つ以上を含み得るがこれらに限定されない。一態様において、室温イオン性液体は、カチオン成分としてイミダゾリウムを含む。一態様において、室温イオン性液体は、カチオン成分として1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム(「Bmim」)を含む。一態様において、室温イオン性液体は、アニオン成分としてビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(「TFSI」)を含む。一態様において、室温イオン性液体は、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(「[Bmim][TFSI]」)を含む。一態様において、室温イオン性液体は、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(「BF4」)(「[Bmim][BF4]」)を含む。
一態様において、非水電解質は、非置換若しくは置換イミダゾリウム、非置換若しくは置換モルホリニウム、非置換若しくは置換ピリジニウム、非置換若しくは置換ピロリジニウム、非置換若しくは置換ピペリジニウム、非置換若しくは置換ピペラジニウム、非置換若しくは置換ピラジニウム、又はそれらの組み合わせを含み得るイオン性液体を含む。特定の態様において、イオン性液体は、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムジシアンアミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチル-スルホニル)イミド、1-ブチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメチル-スルホニル)イミド、N-メチル-N-プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、又はそれらの組み合わせであり得る。
一態様において、非水電解質は、溶媒和イオン性液体を含むことができる。本明細書で使用する場合、「溶媒和イオン性液体」という用語は、キレート溶媒中の化学量論的(例えば、等モル)量の塩を指す。溶媒和イオン性液体は、室温、例えば23℃で液体であり、低い揮発性、例えば23℃の温度で10-5パスカル(Pa)未満、又は10-10~10-5Paの蒸気圧を有することができ、この蒸気圧は、セパレータが乾燥するリスクを低減させ、蒸発又はエントレインメントによる電解質の損失を低減させ得る。一態様において、溶媒和イオン性液体は、非水電解質の実質的に全体(例えば、少なくとも80体積パーセント(vol%)、又は少なくとも90vol%、又は少なくとも95vol%、又は少なくとも98vol%、少なくとも99vol%、又は少なくとも99.9vol%)を占めることができる。
溶媒和イオン性液体は、キレート溶媒及び塩を含む。キレート溶媒は、金属カチオンをキレートすることができる。例示的なキレート溶媒としては、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、18-クラウン-6エーテル等、又はそれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。溶媒和イオン性液体の塩は、安定化添加剤と異なっていてもいなくてもよい。一態様において、塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、希土類金属塩、第11族金属塩、第12族金属塩、第13族金属塩、又はそれらの組み合わせを含む。一態様において、塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はそれらの組み合わせを含む。例えば、塩は、Li、Na、K、Mg、Ca、Sc、La、Al、Zn、又はそれらの組み合わせ、好ましくはLi、Na、Mg、K、又はそれらの組み合わせを含むことができる。金属カチオンに加えて、塩はアニオン成分を更に含む。好適なアニオンとしては、例えば、ハロゲン化物、硫酸塩、スルホン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硝酸塩、酢酸塩、PF6、BF4、トリフルオロメタンスルホン酸塩(トリフラート)、ノナフラート、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、ビス(フルオロスルホニル)イミド、トリフルオロアセテート、ヘプタフルオロブタノエート、ハロアルミネート、トリアゾリド、ジシアンアミド、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、チオシアネート、又はそれらの組み合わせの1種以上を挙げることができる。一態様において、塩は、例えばリチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、ナトリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、ナトリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、ナトリウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、マグネシウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、マグネシウムビス(フルオロスルホニル)イミド、マグネシウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、カリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、カリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、カリウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド等、又はこれらの組み合わせであり得る。
一態様において、非水電解質は、溶媒和イオン性液体を、1種以上の追加の非水電解質と組み合わせて含むことができる。例えば、非水電解質は、イオン性液体、有機溶媒、又はそれらの組み合わせと組み合わせた溶媒和イオン性液体を含むことができる。組み合わせとして存在する場合、溶媒和イオン性液体は、非水電解質の総体積に対して1~99体積パーセントの量で非水電解質中に存在することができる。この範囲内で、溶媒和イオン性液体は、少なくとも5体積パーセント、又は少なくとも10体積パーセント、又は少なくとも20体積パーセント、又は少なくとも30体積パーセント、又は少なくとも40体積パーセント、又は少なくとも50体積パーセント、又は少なくとも60体積パーセント、又は少なくとも75体積パーセント、又は少なくとも85体積パーセント、又は少なくとも95体積パーセントの量で存在することができる。また、この範囲内で、溶媒和イオン性液体は、最大95体積パーセント、又は最大90体積パーセント、又は最大80体積パーセント、又は最大70体積パーセント、又は最大60体積パーセント、又は最大50体積パーセント、又は最大40体積パーセント、又は最大30体積パーセント、又は最大20体積パーセント、又は最大10体積パーセント、又は最大5体積パーセントの量で存在することができる。
一態様において、安定化添加剤がカチオン性ルイス酸を含む場合、カチオン性ルイス酸は、キレート溶媒によって溶媒和され、溶媒和イオン性液体を形成する金属カチオンを含むことができる。別の言い方をすれば、一態様において、非水電解質は、キレート溶媒及び塩を含む溶媒和イオン性液体を含むことができ、塩は、カチオン性ルイス酸安定化添加剤の金属カチオンを含む。
電気化学装置も提供される。電気化学装置は、還元状態の電気活性種と電子連通している負電極、及び安定化添加剤を含むチャンバを含み、チャンバは、ルイス酸ガスを含む流体混合物を受け取るように構成される。電気活性種、ルイス酸ガス、及び安定化添加剤は、本明細書に開示されている通りである。
還元状態の電気活性種、非水電解質、及び安定化添加剤を含む電気化学セルは、本開示の別の態様を表す。いくつかの態様において、電気化学セルは、還元状態の電気活性種を含む第1の電極を含み、電気活性種は、酸化状態、及び電気活性種がルイス酸ガスと結合してアニオン付加体を形成する少なくとも1つの還元状態を含む。電気化学セルは、相補的な電気活性層を含む第2の電極、第1の電極と第2の電極との間の第1のセパレータ、非水電解質、及び本明細書に記載の安定化添加剤を更に含む。
電気活性種は、第1の電極の総質量に対して10~90質量パーセント(wt%)の量で存在することができる。この範囲内で、電気活性種は、第1の電極の総質量に対して少なくとも20wt%、又は少なくとも25wt%、又は少なくとも30wt%、又は少なくとも40wt%、又は少なくとも50wt%の量で存在することができる。また、この範囲内で、電気活性種は、第1の電極の総質量に対して最大80wt%、又は最大70wt%、又は最大60wt%、又は最大50wt%、又は最大45wt%、又は最大40wt%の量で存在することができる。例えば、電気活性種は、第1の電極の総質量に対して10~75wt%、又は10~60wt%、又は15~60wt%、又は20~55wt%、又は25~55wt%、又は30~50wt%の量で存在することができる。
第1のセパレータは、多孔質セパレータであってもよい。セパレータは、ポリマーフィルム、例えばポリアミド、ポリオレフィン、ポリアラミド、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂等、又はそれらの組み合わせを含むフィルムを含んでもよい。ポリマーは、片面又は両面がセラミックナノ粒子でコーティングされてもよい。一態様において、多孔質セパレータは、セルロース、合成ポリマー材料、又はポリマー/セラミック複合材料を含み得る。セパレータの更なる例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)セパレータ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、PVDF-アルミナ複合体セパレータ等を挙げることができる。
セパレータは、各電極におけるそれぞれの電気化学反応が互いに干渉するのを防止し得る保護層として機能し得る。セパレータはまた、第1及び第2の電極を互いに又は電気化学セル内の他の成分から電子的に分離して、短絡を防止することにも役立ち得る。本開示の利益を受ける当業者は、好適なセパレータを選択できるであろう。
一態様において、セパレータは、非水電解質で部分的又は完全に含浸され得る。セパレータを非水電解質で含浸させる工程は、液中に入れること、被覆、浸漬、又はその他の方法でセパレータを非水電解質に接触させることによって行うことができる。多孔質セパレータの細孔の一部又は全部は、非水電解質で部分的に又は完全に充填され得る。一態様において、セパレータは非水電解質で飽和させることができる。
電気化学セルの第2の電極は、相補的電気活性層を含む。相補的電気活性層は、第1の電極の電気活性種と同じであっても異なっていてもよい第2の電気活性種を含む。
一態様において、相補的電気活性層は、第1の電極と同じ電気活性種を含む。一態様において、相補的電気活性層は、第1の電極の第1の電気活性種とは異なる第2の電気活性種を含む。一態様において、相補的電気活性層の第2の電気活性種は、電気活性有機分子、電気活性ポリマー、電気活性オリゴマー、電気活性無機複合体、電気活性メタロセン、又はそれらの組み合わせであり得る。電気活性有機分子、電気活性ポリマー、及び電気活性オリゴマーは、前述したものであり得る。
一態様において、第2の電気活性種は、電気活性無機複合体、例えば、式
AM1X
(式中、AはLi、Na、又はKであり;M1はNi、Co、Mn、Al、Ti、Mo、Fe、V、Si、又はそれらの組み合わせであり;XはO2又はPO4である)のアルカリ金属-遷移金属酸化物又はアルカリ金属-遷移金属リン酸塩であり得る。一態様において、第2の電気活性種は、LiFePO4であり得る。
一態様において、相補的電気活性層の第2の電気活性種は、メタロセンを含む。好適なメタロセンの例としては、フェロセン、又はフェロセンから誘導された繰り返し単位を含むポリマー(例えば、ポリビニルフェロセン)、又はその誘導体を挙げることができるが、これらに限定されない。
電気化学セルの動作中、相補的電気活性層の第2の電気活性種は、第1の電極の電気活性種を還元するための電子の供給源として機能し得る。同様に、相補的電気活性層の第2の電気活性種は、第1の電極の電気活性種の酸化中、電子の吸込み口(sink)として機能し得る。
一態様において、第2の電極は、基材を更に含み得、この基材は、相補的電気活性層に近接して又はその間に配置され得る。基材は、相補的電気活性層に直接又は間接的に接触し得る。存在する場合、基材は、例えば、カーボンペーパー(処理済み、テフロン処理済み、又は未処理)、カーボンクロス、カーボン不織マット、又はカーボンナノチューブ不織マットを含み得る。一態様において、第2の電極の基材は、伝導性材料であり、電気化学セル内の集電体として機能し得る。
一態様において、第1の電極は負電極であり得、第2の電極は正電極であり得る。負電極及び正電極という用語は、ルイス酸ガスを取得又は放出する場合にのみ技術的に正確である場合があるが、便宜上及び明確化のために使用される。
一態様において、第2の電極は、第1の電極の間に配置され得る。第1の電極の各々は、還元状態の開示された電気活性種、非水電解質、及び安定化添加剤を含むことができる。一態様において、第1の電極及び/又は第2の電極は、構成又は組成が同一であり得る。
一態様において、電気化学セルは、第1の電極と第2の電極との間、例えば、負電極と正電極との間に配置された、単一のセパレータを含む。電気化学セルは、並列構成及び直列構成の任意の好適な組み合わせでスタックを作るために組み合わせることができる。一態様において、電気化学セルは、2つ以上のセパレータを含み得る。例えば、当業者であれば、直列及び並列構成の選択された組み合わせに応じて、単一のセパレータが使用されてもよく、又は複数のセパレータが好ましい場合があることを理解するであろう。
電気化学セルは、任意選択で、ガス透過性層を更に含み得る。ガス透過性層は、セパレータと反対側で、第1の電極に隣接して配置され得る。ガス透過性層は、伝導性固体材料を含み、セル内の集電体として機能し得る。ガス透過性層は、多孔質材料を含み得る。一態様において、ガス透過性層は、例えば、60%以上、70%以上、75%以上、80%以上、又はそれ以上の多孔率を有する。一態様において、ガス透過性層は、85%以下、90%以下、又はそれより大きい値以下の多孔率を有する。これらの範囲の組み合わせが可能である。例えば、一態様において、第1の電極のガス透過性層は、60%以上、かつ90%以下の多孔率を有する。他の多孔率もまた可能である。ガス透過性層に好適な材料の例としては、カーボンペーパー(処理済み、テフロン処理済み、又は未処理)、カーボンクロス、及びカーボン不織マットが挙げられるがこれらに限定されない。
電気化学セルは、任意選択で、ガス流場を含んでもよい。ガス流場は、存在する場合、第1の電極と反対側で、ガス透過性層に隣接して配置されてもよい。ガス透過性層が電気化学セル内に存在しない場合、ガス流場は、セパレータの反対側で、第1の電極に隣接して配置されてもよい。
電気化学セルは、流体混合物が電気化学セルに接触したときに、流体混合物からルイス酸ガスを分離するために特に有用であり得、したがって、ガス分離システムにおける使用に特によく適している。ガス分離システムは、ガス入口及びガス出口と流体連通している複数の電気化学セルを含む。
入力ガスとも呼ばれる流体混合物は、電気化学セルへの曝露時に少なくとも部分的に分離され得る。流体混合物は、例えば、周囲空気(例えば、外気等の周囲環境からの空気)であり得る。一態様において、ガス分離システムは、直接的な空気捕捉のために使用され得る。本明細書に記載のシステム及び方法は、事前濃縮工程を必要とせずに、(例えば、温室効果ガスレベルを低減するために)二酸化炭素等のルイス酸ガスを周囲空気から直接除去するのに有用であり得る。本開示の特定の態様は、本明細書に記載のシステム及び方法を、直接的な空気捕捉(例えば、酸素等の周囲空気の主要成分と反応することが熱力学的に避けられる一方で、ルイス酸ガスと結合する能力)にとって特に有用にすることができる。
一態様において、流体混合物中のルイス酸ガスの濃度は、例えば流体混合物が周囲空気である場合、比較的低い。例えば、電気化学セルへの曝露前の流体混合物中のルイス酸ガスの濃度は、500ppm以下、又は450ppm以下、又は400ppm以下、又は350ppm以下、又は300ppm以下、又は200ppm以下であり得る。一態様において、流体混合物中のルイス酸ガスの濃度は、100ppm、又は50ppm、又は10ppmという低い値であり得る。
一態様において、流体混合物(例えば、入力流体混合物)は、換気空気である。換気空気は、囲い込まれた又は少なくとも部分的に囲い込まれた場所における空気(例えば、囲い込まれた場所において循環されている空気)であり得る。流体混合物(例えば、換気空気)が配置され得る場所の例としては、密閉された建物、部分的に換気された場所、自動車車室、有人潜水艇、航空機等が挙げられるが、これらに限定されない。
換気空気中のルイス酸ガスの濃度は、周囲空気よりも大きいが、工業プロセスに典型的な濃度より低い場合がある。一態様において、電気化学セルへの曝露前の流体混合物中のルイス酸ガスの濃度は、5,000ppm以下、又は4,000ppm以下、又は2,000ppm以下、又は1,000ppm以下である。一態様において、流体混合物中のルイス酸ガスの濃度は(例えば、囲い込まれた空間の換気空気/空気である場合)、1,000ppm、又は800ppm、又は500ppm、又は200ppm、又は100ppm、又は10ppmという低い値である。
一態様において、流体混合物は、酸素ガス(O2)を含む。一態様において、流体混合物は、(例えば、電気化学セルへの曝露前に)比較的高濃度の酸素ガスを有する。本明細書に記載のシステム及び方法の特定の態様(例えば、特定の電気活性種の選択、システム内のガスの取り扱い方法等)は、酸素ガスが存在する流体混合物中のルイス酸ガスを有害な干渉なしに捕捉する能力に寄与し得る。一態様において、酸素ガスは、(例えば、電気化学セルへの曝露前に)流体混合物中に、0vol%以上、又は0.1vol%以上、又は1vol%以上、又は2vol%以上、又は5vol%以上、又は10vol%以上、又は20vol%以上、又は50vol%以上、又は75vol%以上、又は90vol%以上、95vol%以上の濃度で存在する。一態様において、酸素ガスは、流体混合物中に、99vol%以下、又は95vol%以下、又は90vol%以下、又は75vol%以下、又は50vol%以下、又は25vol%以下、又は21vol%以下、又は10vol%以下、又は5vol%以下、又は2vol%以下の濃度で存在する。
一態様において、流体混合物は水蒸気を含む。流体混合物は、例えば、周囲空気又は換気空気であるか、又はそれらを含むため、水蒸気を含み得る。一態様において、流体混合物は(例えば、電気化学セルへの曝露前に)、比較的高い相対湿度を有する。例えば、一態様において、流体混合物は、-50~140℃の範囲の少なくとも1つの温度で、0%以上、又は5%以上、又は10%以上、又は25%以上、又は50%以上、又は75%以上、又は90%以上の相対湿度を有し得る。一態様において、流体混合物は、-50~140℃の範囲の少なくとも1つの温度で、100%以下、又は95%以下、又は90%以下、又は75%以下、又は50%以下、又は25%以下、又は10%以下の相対湿度を有し得る。
ルイス酸ガスは、ガス分離システムの電気化学セル間に電位差を印加することによって、ガス分離システム内の流体混合物から分離され得る。本開示の利益を受ける当業者であれば、電気化学セルにわたって電位を印加する方法を理解するであろう。例えば、電位は、負電極と正電極を分極させることができる好適な電源に負電極及び正電極を接続することによって印加され得る。一態様において、電源は直流電圧であり得る。好適な電源の非限定例としては、電池、電力網、回生電源(例えば、風力発電機、光電池、潮力発電機)、発電機等、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
電位差は、流体混合物が電気化学セルに曝露される時間の少なくとも一部の間、電気化学セルに印加され得る。一態様において、電位差は、流体混合物を電気化学セルに曝露する前に印加され得る。
充電モード中に電気化学セルに電位差を印加すると、負電極で酸化還元反応が起こり、電気活性種が還元される。本明細書で論じられるように、電気活性種は、それが酸化状態にあるときと比較して、還元状態にあるときにルイス酸ガスに対してより大きな親和性を有するように選択される。電気活性種を還元し、流体混合物を第1の電極を横切って通過させることにより、ルイス酸ガスは電気活性種に結合することができる。このようにして、ルイス酸ガスが流体混合物から除去されて、(例えば、最初の流体混合物に対してより少ない量のルイス酸ガスを含む)処理済みの流体混合物を得ることができる。
充電モード中に電気化学セルに対して印加される電位差は、特定の電圧を有し得る。電気化学セルにわたって印加される電位差は、例えば、第1の電気活性種の少なくとも1つの還元状態の生成のための還元電位、並びに第2の電極における電気活性種の還元状態と酸化状態との間の相互変換のための標準電位に依存し得る。電圧は、スタック電気化学抵抗によって乗算される電流を更に含む。一態様において、電位差は、少なくとも0V、又は少なくとも0.1V、又は少なくとも0.2V、又は少なくとも0.5V、又は少なくとも0.8V、又は少なくとも1.0V、又は少なくとも1.5Vである。一態様において、電位差は、2.0V以下、又は1.5V以下、又は0.5V以下、又は0.2V以下である。
一態様において、第1の電極の電気活性種がキノンを含む場合、電気活性種は、その還元状態の少なくとも1つに還元され得る。
一態様において、第1の電極の電気活性種がキノンを含み、電気活性種がルイス酸ガス、例えば二酸化炭素の存在下で還元されるとき、電気活性種の還元型は二酸化炭素と結合できる。
一態様において、電気活性種が第1の電極において還元されている間、第2の電気活性種(例えば、ポリビニルフェロセン等の酸化還元活性ポリマー)が第2の電極において酸化されている。充電モードの間、第2の電気活性種の酸化は、第1の電気活性種の還元を駆動するための電子の供給源をもたらす。
上述の例示的な反応は、一方向に起こるが、いくつかの可逆性が示され得ることが理解されるであろう。当業者に理解されるように、類似の反応は、異なる電気活性種で起こり得る。
一態様において、本明細書に記載のプロセスの間に、比較的多量のルイス酸ガスが流体混合物から除去される。比較的多量のルイス酸ガスを除去することは、場合によっては、環境上の理由から大気中に放出されると有害となり得るガスを捕捉する等、様々な用途のいずれに対しても有益であり得る。例えば、ルイス酸ガスは、二酸化炭素を含むことができ、流体混合物から比較的多量の二酸化炭素を除去することは、プロセス(例えば、工業プロセス又は輸送プロセス)の温室効果ガスの影響を制限したり、又は(加熱及び空調プロセスに関する熱力学的理由又は環境的理由のいずれかにより)室内又は大気中の二酸化炭素の量を低減したりするためにも有益であり得る。
一態様において、処理済みの流体混合物中のルイス酸ガスの量(例えば、電気化学セルに曝露されたときに特定量のルイス酸ガスが除去された流体混合物)は、処理前の元の流体混合物中のルイス酸ガスの量(vol %)(例えば、電気化学セルに曝露される前の流体混合物中の標的の量)の50%以下、25%以下、10%以下、5%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下、0.1%以下である。一態様において、処理済み流体混合物中のルイス酸ガスの量は、処理前の元の流体混合物中のルイス酸ガスの量(vol%)の0.001%以上、0.005%以上、0.01%以上、0.05%以上、0.1%以上、0.5%以上、1%以上、2%以上、5%以上である。
一態様において、ルイス酸ガスの少なくとも一部が電気活性種に結合した後、電気化学セルにわたって第2の電位差が印加され得る。第2の電位差は、第1の電位差と異なっていてもよい。一態様において、第2の電位差を印加することにより、電気活性種と結合したルイス酸ガスの一部又は全部を放出して、第2の処理済み流体混合物を生成する工程がもたらされる。第2の処理済み流体混合物は、入力流体混合物よりも多量のルイス酸ガスを有し得る。例えば、ルイス酸ガスは、そのvol%が、入力流体混合物中のルイス酸ガス量よりも10%大きい、20%大きい、50%大きい、100%大きい、200%大きい、1,000%大きい、及び/又は最大2,000%大きい、5,000%大きい、10,000%大きい、又はそれ以上である量で、第2の処理済み流体混合物中に存在し得る。
一態様において、本明細書で「電解質溶液」として知られる電気活性種、安定化添加剤、及び非水電解質の混合物は、電気化学セルの第1の電極チャンバ(ハーフセル)内で第1の電極と接触させられ、そこで電解質溶液中の電気活性種が還元(活性化)される。電解質溶液はまた、還元プロセス中に第1の電極チャンバで同時に、又は還元プロセスの後に、液体-ガス接触器でルイス酸ガスの液体混合物と接触させられる。この接触により、電気活性種はルイス酸ガスと結合してルイス酸ガスを捕捉し、アニオン付加体を形成する。その後、電解質溶液は電気化学セルの第2のハーフセルに運ばれ、そこで酸化電位で第2の電極と接触し、ルイス酸ガスが放出される。
ガス分離システムは、各電気化学セルの負電極及び正電極を、各電気化学セルの負電極(アノード)及び正電極(カソード)にわたって電位差を印加するように構成された電源に接続する外部回路を含み得る。ガス分離システムの電気化学セルの各々は、上記の通りであり得る。ガス分離システムの電気化学セルは、並列又は直列を含む、当技術分野で一般に知られている様々な構成にしたがって積層され得る。
一態様において、ガス分離システムは、電気化学セルの第1のセットと電気化学セルの第2のセットとを含む。第1のセット及び第2のセットの各々は、本開示全体を通して説明される1つ以上の電気化学セルを含む。第1のセット及び第2のセットは、セルの一方のセットが充電モードで動作し、流体混合物からルイス酸ガス(例えば、CO2)を捕捉する一方で、セルの他方のセットが放電モードで動作してルイス酸ガス(例えば、CO2)を放出するように、交互に並行して動作するように構成され得る。システムは、電気化学セルのセットの各々のための別々のハウジングを含み得る。システムは、所望の様式で流れを導くように配置された導管及び弁を更に含み得る。ガス分離システムは、流体混合物(例えば、ガス流)のほぼ連続的な分離を可能にし得、流体混合物は、所定の時点で、充電/捕捉モードで動作するセルのセットに向けられる一方、別のルイス酸ガスに富む処理済み混合物は、放電/放出モードで動作するセルの他のセットにより生成される。更に、電気化学セルの追加のセットは、用途の必要性に応じて、並列又は直列に追加され得る。
別の態様において、電気活性種、安定化添加剤、及び非水電解質は、電気化学セルの第1の電極チャンバ(又はハーフセル)において第1の電極と接触させることができる「電解質溶液」を形成するように組み合わされ、ここで電解質溶液中の電気活性種は還元状態にある。電解質溶液は、還元プロセスの間、第1の電極チャンバ内で同時に液体/ガス接触器を使用してルイス酸ガスを含む流体混合物と接触させてもよく、又は電解質溶液は、還元プロセスの後に液体/ガス接触器を使用してルイス酸ガスを含む流体混合物と接触させてもよい。この接触工程で、電気活性種はルイス酸ガスと結合してルイス酸ガスを「捕捉」し、アニオン付加体を形成する。その後、電解質溶液を電気化学セルの第2のチャンバ(又はハーフセル)に移し、酸化電位で第2の電極と接触させてもよく、それにより「捕捉」されたルイス酸ガスを放出する。
流体混合物(例えば、入力ガス流等のガス流)は、特定の流量でガス分離システムに導入することができる。一態様において、流量は、0.001リットル/秒(L/s)以上、0.005L/s以上、0.01以上、0.05L/s以上、0.1L/s以上、0.5L/s以上、1L/s以上、5L/s以上、10L/s以上、10 50L/s以上、又は100L/s以上であってもよい。一態様において、流体混合物(例えば、入力ガス流等のガス流)の流量は、500L/秒以下、400L/秒以下、300L/秒以下、200L/秒以下、100L/秒以下、50L/秒以下、10L/秒以下、1L/秒以下、0.5L/秒以下、又は0.1 15L/秒以下であり得る。
一態様において、ルイス酸ガスを放出する工程の間又は後に、方法は、電気化学セルに真空条件を適用して、放出されたルイス酸ガスの少なくとも一部又は全部を電気化学セルから除去することを更に含む。本開示の利益を受ける当業者であれば、電気化学セルに真空条件を適用するための好適な技術及び装置を理解するであろう。例えば、真空ポンプは、電気化学セルのガス出口に流体接続され得る。真空ポンプは、電気化学セルベッドと下流位置との間に負の圧力差を生じさせるように動作することができる。この真空状態は、上述の放出工程中に放出されたルイス酸ガスを電気化学セルから流出させるのに十分な力をもたらし得る。真空条件は、ルイス酸ガスの放出中又は放出後の電気化学セル内の圧力が、760torr以下、700torr以下、500torr以下、100torr以下、50torr以下、10torr以下、及び/又は5torr、1torr、0.5torr、0.1torrという低い値となるように適用できる。
システムの種々の構成要素、例えば、電極(例えば、負電極、正電極)、電源、セパレータ、容器、回路部品、絶縁材料等は、当業者によって種々の構成要素のいずれかから作製され得る。構成要素は、環境にやさしい(green)状態若しくは焼き付け(fired)状態で、成形、機械加工、押出し、プレス、アイソプレス、印刷、浸透、被覆を施すか、又は他の任意の好適な技術によって形成し得る。
本明細書に記載される電極(例えば、負電極、正電極)は、任意の好適なサイズ又は形状を有し得る。形状の非限定的な例としては、シート、立方体、円筒、中空管、球体等が挙げられる。電極は、それらが使用される用途(例えば、換気空気からのガスの分離、直接空気捕捉等)に応じて、任意の好適なサイズであり得る。更に、電極は、電極を別の電極、電源、及び/又は別の電気デバイスに接続する手段を含み得る。当業者は、本明細書のシステムの構成要素を形成するための技術を容易に理解することができる。
システムの様々な電気部品は、接続のための手段によって、少なくとも1つの他の電気部品と電気的に接続していてもよい。接続のための手段は、第1の構成要素と第2の構成要素との間に電気の流れが発生することを可能にする任意の材料であってよい。2つの電気部品を接続するための手段の非限定的な例は、伝導性材料(例えば、銅、銀等)を含むワイヤである。一態様において、システムは、2つ以上の構成要素(例えば、ワイヤと電極)の間の電気コネクタを含み得る。一態様において、ワイヤ、電気コネクタ、又は接続のための他の手段は、材料の抵抗が低くなるように選択され得る。一態様において、抵抗は、電極、電解質、又はシステムの他の構成要素の抵抗よりも実質的に小さくてもよい。
本開示の電気化学セル及びガス分離システムは、更に、全ての目的のために参照によりその全体内容が組み込まれる米国特許出願第16/659,398号に記載されたものであり得る。
本明細書に記載された電気化学セル、システム、及び方法は、様々な用途で実施され得る。電気化学セル又はセルのセットの数は、必要に応じて、特定の用途の要件に合わせて規模を調整することができる。以下の態様は、用途のいくつかの非限定的な例を示す。一態様において、本明細書に記載されるシステム及び方法は、周囲空気から、並びに取り囲まれた空間、例えば、気密建造物、自動車車室(換気のための流入空気の加熱コストを低減するため)、並びにCO2レベルの増加が致命的となり得る潜水艦及び宇宙カプセルから、ルイス酸ガス(例えば、CO2)を除去することを目的とする。電力業界に向けた態様では、システム及び方法は、様々な濃度で燃焼後の二酸化炭素を捕捉するために使用され得る。一態様では、システム及び方法は、工業用煙道ガス又は工業プロセスガスからルイス酸ガスを分離するのに適している。システム及び方法はまた、煙道ガスから二酸化硫黄や他のガスを捕捉するためにも使用され得る。石油及びガス産業に向けた態様では、開示されたシステム及び方法は、様々なプロセスから二酸化炭素及び他のガスを捕捉し、下流の圧縮又は処理のためにそれらのガスを転換するために使用され得る。開示されたシステム及び方法は、温暖及び寒冷な気候の温室を暖めるために使用される天然ガスの燃焼からの二酸化炭素を捕捉し、その後、植物が光合成で使用するために、すなわち、植物に栄養を与えるために、捕捉した二酸化炭素を温室内に転換するために適用され得る。
本開示は、非限定的である以下の実施例によって更に例示される。
(実施例1)
この実施例は、サイクリックボルタンメトリー(CV)によって研究されたルイス酸ガスとの電気活性種の反応性について記載する。
図1は、CO2飽和DMF及び100mMのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート支持電解質中の、様々な濃度のカチオン性ルイス酸添加剤Li(TFSI)の存在下での5,6,7,8-テトラクロロナフトキノン(1ミリモル、mM)の重ね合わせた(CV)データを示す。ルイス酸塩添加剤の非存在下では、セミキノンアニオンの形成に対応する還元の可逆性(およそ-0.9Vに位置する)はほぼ維持され、アニオン付加体を形成するCO2との弱い相互作用を示す。ルイス酸塩添加剤Li(TFSI)を添加すると、還元電位が正にシフトし、形成された生成物が非結合還元種ではなく、イオン対CO2結合種であることを実証する。
図2は、DMF中の窒素の不活性雰囲気下の、様々な濃度のカチオン性ルイス酸添加剤Li(TFSI)の存在下での5,6,7,8-テトラクロロナフトキノン(1mM)、100mMのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート支持電解質の重ね合わせたCVデータを示す。セミキノンのキノンジアニオンへの還元(-1.7V、黒の実線)に対応する第2の酸化還元対は、電位の正のシフトによって示されるように、Li(TFSI)に敏感である。しかし、セミキノンは影響を受けない。これは、形成される生成物が非結合還元種ではなく、イオン対還元種であることを実証する。
図3は、100mMのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート支持電解質を含むDMF中の、窒素下での2,3-ジフルオロ-1,4,-ベンゾキノン(1mM)の重ね合わせたサイクリックボルタンメトリーデータを示しており、キノン/セミキノン酸化還元対の可逆性の損失(-0.7V)、及び2つの新しいアノードピーク(0.0V及び0.4V)の形成により、Zn(TFSI)2による強いイオン対相互作用を実証する。この種類の不可逆的なイオン対形成は、反応性セミキノンの安定化によってCO2の反応性を阻害する。
実施例1によって実証されたように、カチオン性ルイス酸安定化添加剤は、非結合還元種ではなく、イオン対CO2結合種を動力学的及び/又は熱力学的に有利にするように選択されてもよい。
(実施例2)
この実施例は、サイクリックボルタンメトリー(CV)により研究された電気活性種とルイス酸ガスの反応性について記載する。
図4は、N2(実線)、17.5mMのCO2(点線)、及び1.75mMのCO2(一点鎖線)下での6-シアノ-1,4-ナフトキノン(6CN)の1電子還元セミキノンの反応の重ね合わせたUV可視分光データを示す。セミキノンの濃度は、ジメチルホルムアミド中45μMであった。
図5は、N2(実線)、17.5mMのCO2(点線)、及び1.75mMのCO2(一点鎖線)下での、6CNの1電子還元セミキノンと100当量(45mM)LiTFSIの反応の重ね合わせたUV可視分光データを示す。セミキノンの濃度は、ジメチルホルムアミド中45μMであった。
図6は、N2(実線)、17.5mMのCO2(点線)及び1.75mMのCO2(一点鎖線)下での、6CNの1電子還元セミキノンと500当量(22.5mM)のLiTFSIの反応の重ね合わせたUV可視分光データを示す。セミキノンの濃度は、ジメチルホルムアミド中45μMであった。
図4~図6のデータを分析し、0、100又は500当量のLiTFSIの存在下での6-シアノ-1,4-ナフトキノン(6CN)の1電子還元セミキノンとCO2の平衡定数(KCO2)を決定した。分析結果を表1に示す。
表2は、6CNの1電子還元セミキノンとCO2(kCO2)又はO2(kO2)の反応についてまとめた速度データを示す。反応速度は、時間に対するUV可視スペクトルの吸光度の変化の動力学的分析によって決定された。表2中のE1はピーク電位(ボルト対フェロセン(Fc/Fc+)で)である。
(実施例3)
図7は、100mMのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート支持電解質を含む窒素スパージされたDMF溶液中の、様々な濃度のフェノール(PhOH)の存在下での2,3-ジフェニルナフトキノン(Ph2NQ)(1mM)の重ね合わせたCVデータを示す。図7の結果は、ルイス酸ガスの非存在下でのPh2NQ(Ph2NQ-及びPh2NQ2-)の還元状態に対するフェノール滴定(水素結合供与体添加剤として)の効果を実証する。
(実施例4)
図8は、100mMのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート支持電解質を含むCO2飽和DMF溶液中の、様々な濃度のフェノール(PhOH)の存在下での2,3-ジフェニルナフトキノン(Ph2NQ)(1mM)の重ね合わせたCVデータを示す。図8の結果は、Ph2NQの還元状態とルイス酸ガス(CO2)との間のアニオン付加体(Ph2NQ(CO2)2 2-)に対するフェノール滴定(水素結合供与体添加剤として)の効果を実証する。
表3は、図7及び図8から誘導されて計算された熱力学的データを示し、フェノール添加剤と対応する還元種との間の水素結合錯体の形成に関するピーク電位のシフト(ΔE対Ph2NQ)、キノンに対する水素結合相互作用の平均数(n)、及び平衡定数(Keq)を示す。
(実施例5)
Nanocomp Technologies社から市販されているMiralon(商標)として入手したカーボンナノチューブ(CNT)マットの穿孔円盤(直径16mm)を、ポリ(5-シアノ-2,3-ジフェニルナフトキノン)の溶液(NMP中10mg mL-1)に12時間沈め、その後取り出してトルエンですすいだ。円盤を市販の脱水機で65℃で5時間乾燥させた後、6mLのヘッドスペース容量を有しCO2雰囲気を有する密閉セル内でポリ(ビニルフェロセン)対極及びCelgard 3401セパレータを有するセルに組み込んだ。1つのセルでは、電解質はイオン性液体Bmim-TFSIであった。Bmim-TFSI中の100mM LiTFSIを使用して同一のセルを調製した。
図9は、これら2つの電極のそれぞれの印加電位(左)及びサイクルあたりの充電容量(右)を示しており、100mMリチウムの存在下で、より穏やかな電位で充電の増加が開始することを示す。
図10は、印加電位(左)の関数としての、リチウムを含まないBmim-TFSI電解質を使用した密閉セルのヘッドスペースの圧力変化(右)を示す。ヘッドスペース圧力は、充電中にCO2が電極によって捕捉されるにつれて減少し、放出中にCO2が放出されるにつれて増加する。
図11は、印加電位(左)の関数としての、100mMリチウムを含むBmim-TFSI電解質を使用した密閉セルのヘッドスペースの圧力変化(右)を示す。ヘッドスペース圧力は、充電中にCO2が電極によって捕捉されるにつれて減少し、放出中にCO2が放出されるにつれて増加する。図10との比較により、顕著により穏やかな印加電位でCO2の捕捉が開始することが示される。
(実施例6)
圧力密閉セルにより、BMIM TFSI電解質に溶解された100mMのフェノールの存在下での、ポリ(5-シアノ-2,3-ジフェニルナフトキノン)によるCO2取り込みの改善を示すサイクルデータを実証することができる。
(実施例7)
圧力密閉セルにより、BMIM TFSI電解質に溶解された1Mのフェノールの存在下での、ポリ(5-シアノ-2,3-ジフェニルナフトキノン)によるCO2取り込みの改善を示すサイクルデータを実証することができる。
(実施例8)
圧力密閉セルにより、BMIM TFSI電解質に溶解された100mMの4-フルオロフェノールの存在下での、ポリ(5-シアノ-2,3-ジフェニルナフトキノン)によるCO2取り込みの改善を示すサイクルデータを実証することができる。
(実施例9)
図12は、DMF中の窒素の不活性雰囲気下の、様々な濃度の水素結合供与体添加剤1,3-ジフェニル尿素の存在下でのフェナントレンキノン(1mM)、100mMのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート支持電解質の重ね合わせたCVデータを示す。キノンのセミキノンへの還元(-1.1V)に対応する第1の酸化還元対と、セミキノンのジアニオンへの還元(-1.9V)に対応する第2の酸化還元対の両方は、両方の酸化還元対の電位の正のシフトによって示されるように、ジフェニル尿素に敏感である。これは、形成される生成物が、水素結合した安定化された還元種であることを実証する。
図13は、CO2飽和DMF及び100mMのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート支持電解質中の様々な濃度の水素結合供与体添加剤1,3-ジフェニル尿素の存在下でのフェナントレンキノン(1ミリモル、mM)の重ね合わせたCVデータを示す。添加剤は、還元/捕捉ピーク(-1.1Vから-0.9V)及び放出ピーク(-0.8Vから-0.4V)の正のシフトを引き起こした。これは、水素結合添加剤1,3-ジフェニル尿素の添加により還元電位が正にシフトすることを実証し、形成される生成物は、非結合還元種ではなく水素結合安定化CO2結合種であることを実証する。
(実施例10)
図14は、DMF中の窒素の不活性雰囲気下の様々な濃度の水素結合供与体添加剤1,3-ジフェニルグアニジンの存在下でのフェナントレンキノン(1mM)、100mMのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート支持電解質の重ね合わせたCVデータを示す。キノンのセミキノンへの還元(-1.1V)に対応する第1の酸化還元対と、セミキノンのジアニオンへの還元(-1.9V)に対応する第2の酸化還元対の両方は、両方の酸化還元対の電位の正のシフトによって示されるように、ジフェニル尿素に敏感である。これは、形成される生成物が、水素結合した安定化された還元種であることを実証する。
図15は、CO2飽和DMF及び100mMのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート支持電解質中の様々な濃度の水素結合供与体添加剤1,3-ジフェニルグアニジンの存在下でのフェナントレンキノン(1ミリモル、mM)の重ね合わせた(CV)データを示す。添加剤は、還元/捕捉ピーク(-1.1Vから-0.9V)及び放出ピーク(-0.8Vから-0.6V)の正のシフトを引き起こした。これは、水素結合添加剤1,3-ジフェニルグアニジンの添加により還元電位が正にシフトすることを実証し、形成される生成物が、非結合還元種ではなく水素結合安定化CO2結合種であることを実証する。
(実施例11)
図16は、DMF中の窒素の不活性雰囲気下の、ポリマー水素結合供与体添加剤ポリ(スチレン-コ-アリルアルコール)コポリマー(100mg/mL)を含む(実線)及び含まない(破線)1,4-ナフトキノン(1mM)、100mMのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート支持電解質の重ね合わせたCVデータを示す。セミキノン/ジアニオン酸化還元対に対応する第2の酸化還元対は、-1.9V(破線)から-1.6V(実線)の電位の正のシフトによって示されるように、ポリマーアルコールに敏感である。これは、形成された生成物が水素結合安定化種であることを実証する。
図17は、CO2飽和DMF中のポリマー水素結合供与体添加剤ポリ(スチレン-コ-アリルアルコール)コポリマー(100mg/mL)を含む(灰色線)及び含まない(黒色線)1,4-ナフトキノン(1mM)、100mMのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート支持電解質の重ね合わせたCVデータを示す。添加剤は、第1及び第2の還元ピークを合体させ、更にCO2付加体の酸化(放出)ピークを-0.6V(黒色線)から-0.4V(灰色線)まで正にシフトさせ、形成された生成物が、非結合還元種ではなく水素結合安定化CO2結合種であることを実証する。
(実施例12)
図18は、塩としてLiTFSIを含むテトラグライム、及びカチオン性ルイス酸安定化添加剤を含むCO2飽和溶媒和イオン性液体電解質中の1,4-ナフトキノン(28mM)の重ね合わせたCVデータを示す(実線)。図18はまた、CO2飽和DMF中の1,4-ナフトキノン(1mM)、フェロセン(1mM)、LiTFSI(10mM)、及び100mMのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート支持電解質を示す(破線)。図18は、溶媒和イオン性液体を電解質として使用すると、ナフトキノンの還元電位がアノードシフトし、CO2の捕捉ピークと放出ピークとの間の電位差が増大し得ることを示し、溶媒和イオン性液体の存在下で形成される生成物が更なる安定化されたCO2結合種をもたらすことを実証し、顕著により穏やかな印加電位でCO2の捕捉が開始することを示す。
(実施例13)
図19は、塩としてLiTFSIを含むテトラグライム、及びカチオン性ルイス酸安定化添加剤を含むCO2飽和溶媒和イオン性液体電解質中の2,3-ジクロロナフトキノン(6mM)の重ね合わせたCVデータを示す(実線)。図19はまた、CO2飽和テトラグライム中の2,3-ジクロロナフトキノン(1mM)、フェロセン(1mM)、及び100mMのLiTFSI支持電解質を示す(破線)。図19は、溶媒和イオン性液体を電解質として使用すると、2,3-ジクロロナフトキノンの還元電位がアノードシフトし、CO2の捕捉ピークと放出ピークとの間の電位差が増大し得ることを示し、溶媒和イオン性液体の存在下で形成される生成物が、更なる安定化されたCO2結合種をもたらすことを実証し、顕著により穏やかな印加電位でCO2の捕捉が開始することを示す。
本開示は、更に以下の態様を包含する。
態様1.ルイス酸ガスを含む流体混合物からルイス酸ガスを分離する方法であって、方法が、流体混合物を、還元状態の電気活性種;非水電解質;及び安定化添加剤と接触させて、ルイス酸ガスと還元状態の電気活性種との間のアニオン付加体を形成する工程を含み、電気活性種が、酸化状態、及び電気活性種がルイス酸ガスと結合してアニオン付加体を形成する少なくとも1つの還元状態を含み、安定化添加剤が、カチオン性ルイス酸、水素結合供与体、又はそれらの組み合わせを含み、安定化添加剤が、還元型電気活性種及びルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成を動力学的に有利にする、アニオン付加体と還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にする、又は還元型電気活性種からのアニオン付加体の形成を動力学的に有利にし、アニオン付加体と還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にするのに有効な量で存在する、方法。
態様2.安定化添加剤が支持電解質ではない、態様1に記載の方法。
態様3.非水電解質の少なくとも一部が安定化添加剤である、態様1又は2に記載の方法。
態様4.有効な量の安定化添加剤の存在下での還元型電気活性種とルイス酸ガスとの間の会合定数が、有効な量の安定化添加剤の非存在下での還元型電気活性種とルイス酸ガスとの間の会合定数よりも大きい、態様1から3のいずれか一項に記載の方法。
態様5.有効な量の安定化添加剤の存在下での還元型電気活性種及びルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成が、有効な量の安定化添加剤の非存在下での還元型電気活性種及びルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成よりも動力学的に有利である、態様1から4のいずれか一項に記載の方法。
態様6.電気活性種が、電気活性ポリマー、電気活性オリゴマー、電気活性有機化合物、電気活性無機複合体、電気活性有機金属複合体、又はそれらの組み合わせを含む、態様1から5のいずれか一項に記載の方法。
態様7.電気活性種が、置換若しくは非置換キノン、置換若しくは非置換テトロン、置換若しくは非置換ビピリジニウム、置換若しくは非置換ビピリジン、置換若しくは非置換フェナジン、置換若しくは非置換ベンズイミダゾール、置換若しくは非置換ベンゾトリアゾール、置換若しくは非置換インドール、置換若しくは非置換ビオロゲン、置換若しくは非置換ピラジニウム、置換若しくは非置換ピリミジニウム、置換若しくは非置換キノリン、置換若しくは非置換イソキノリン、置換若しくは非置換キノキサリニウム、置換若しくは非置換ピリリウム、置換若しくは非置換ピラジン、置換若しくは非置換ピリジニウム、置換若しくは非置換テトラゾリウム、置換若しくは非置換ベルダジル、置換若しくは非置換アロキサジン、置換若しくは非置換イソアロキサジン、置換若しくは非置換キノジメタン、置換若しくは非置換トリシアノビニルベンゼン、置換若しくは非置換テトラシアノエチレン、置換若しくは非置換チオケトン、置換若しくは非置換チオキオノン、置換若しくは非置換ジスルフィド、又はそれらの組み合わせ、好ましくは、置換若しくは非置換1,4-ベンゾキノン、置換若しくは非置換1,2-ベンゾキノン、置換若しくは非置換1,4-ナフトキノン、置換若しくは非置換1,2-ナフトキノン、置換若しくは非置換2,3-ジアミノナフタレン、置換若しくは非置換アントラキノン、置換若しくは非置換フェナントレンキノン、置換若しくは非置換ベンズアントラキノン、置換若しくは非置換ジベンゾアントラキノン、置換若しくは非置換4,5,9,10-ピレンテトロン、置換若しくは非置換インドール、置換若しくは非置換キノリン、置換若しくは非置換イソキノリン、置換若しくは非置換ベンズイミダゾール、置換若しくは非置換ベンゾトリアゾール、又はそれらの組み合わせ;或いは置換若しくは非置換キノン、置換若しくは非置換テトロン、置換若しくは非置換ビピリジニウム、置換若しくは非置換ビピリジン、置換若しくは非置換フェナジン、置換若しくは非置換ベンズイミダゾール、置換若しくは非置換ベンゾトリアゾール、置換若しくは非置換インドール、置換若しくは非置換ビオロゲン、置換若しくは非置換ピラジニウム、置換若しくは非置換ピリミジニウム、置換若しくは非置換キノリン、置換若しくは非置換イソキノリン、置換若しくは非置換キノキサリニウム、置換若しくは非置換ピリリウム、置換若しくは非置換ピラジン、置換若しくは非置換ピリジニウム、置換若しくは非置換テトラゾリウム、置換若しくは非置換ベルダジル、置換若しくは非置換キノジメタン、置換若しくは非置換トリシアノビニルベンゼン、置換若しくは非置換テトラシアノエチレン、置換若しくは非置換チオケトン、置換若しくは非置換チオキオノン、置換若しくは非置換ジスルフィド、又はそれらの組み合わせから誘導された繰り返し単位を含むポリマー又はオリゴマー;好ましくは、置換若しくは非置換1,4-ベンゾキノン、置換若しくは非置換1,2-ベンゾキノン、置換若しくは非置換1,4-ナフトキノン、置換若しくは非置換1,2-ナフトキノン、置換若しくは非置換2,3-ジアミノナフタレン、置換若しくは非置換アントラキノン、置換若しくは非置換フェナントレンキノン、置換若しくは非置換ベンズアントラキノン、置換若しくは非置換ジベンゾアントラキノン、置換若しくは非置換4,5,9,10-ピレンテトロン、置換若しくは非置換インドール、置換若しくは非置換キノリン、置換若しくは非置換イソキノリン、置換若しくは非置換ベンズイミダゾール、置換若しくは非置換ベンゾトリアゾール、又はそれらの組み合わせから誘導された繰り返し単位を含むポリマー又はオリゴマーを含む、態様1から6のいずれか一項に記載の方法。
態様8.ルイス酸ガスが、CO2、COS、SO、SO3、R2SO4、NO2、NO3、R3PO4、R2S、RCOOR'、RCHO、R'2CO、R'NCO、R'NCS、BR''3、R''3BO3、又はそれらの組み合わせであり、各Rが独立して水素、C1~12アルキル、C3~12シクロアルキル、C1~12ヘテロシクロアルキル、C6~20アリール、又はC1~12ヘテロアリールであり、各R'が独立してC1~12アルキル、C3~12シクロアルキル、C1~12ヘテロシクロアルキル、C6~20アリール又はC1~12ヘテロアリールであり;各R''が独立して水素、ハロゲン、C1~12アルキル、C3~12シクロアルキル、C1~12ヘテロシクロアルキル、C6~20アリール又はC1~12ヘテロアリールである、態様1から7のいずれか一項に記載の方法。
態様9.非水電解質が、有機電解質、イオン性液体、溶媒和イオン性液体、又はそれらの組み合わせを含み、有機電解質が有機溶媒及び支持電解質を含み、好ましくは有機溶媒がアセトニトリル、ジメチルホルムアミド、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ポリエチレングリコール、ジグライム、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグライム)、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル(ペンタグライム)、18-クラウン-6エーテル、又はそれらの組み合わせである、態様1から8のいずれか一項に記載の方法。
態様10.非水電解質がイオン性液体を含み、好ましくはイオン性液体カチオンが、非置換若しくは置換イミダゾリウム、非置換若しくは置換モルホリニウム、非置換若しくは置換ピリジニウム、非置換若しくは置換ピロリジニウム、非置換若しくは置換ピペリジニウム、非置換若しくは置換ピペラジニウム、非置換若しくは置換ピラジニウム、又はそれらの組み合わせであり、より好ましくはイオン性液体が、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムジシアンアミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチル-スルホニル)イミド、1-ブチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメチル-スルホニル)イミド、N-メチル-N-プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、又はそれらの組み合わせである、態様1から9のいずれか一項に記載の方法。
態様11.非水電解質が、キレート溶媒及び塩を含む溶媒和イオン性液体を含み、好ましくは、キレート溶媒が、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、18-クラウン-6エーテル、又はそれらの組み合わせを含み、塩が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はそれらの組み合わせを含む、態様1から10のいずれか一項に記載の方法。
態様12.電気活性種が、置換若しくは非置換キノン又はテトロンであるキノン含有化合物、置換若しくは非置換キノン又はテトロンから誘導された繰り返し単位を含むポリマー又はオリゴマー、或いはそれらの組み合わせを含み、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間のアニオン付加体が形成される、態様1から11のいずれか一項に記載の方法。
態様13.安定化添加剤がカチオン性ルイス酸であり、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間に形成されるアニオン付加体が、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンとカチオン性ルイス酸との間に形成されるアニオン付加体よりも熱力学的に安定である、態様1から12のいずれか一項に記載の方法。
態様14.カチオン性ルイス酸の存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間の反応平衡定数が、カチオン性ルイス酸の非存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間の反応平衡定数よりも大きい、態様1から13のいずれか一項に記載の方法。
態様15.カチオン性ルイス酸とアニオン付加体との間のイオン結合強度が、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンとカチオン性ルイス酸との間のイオン結合強度よりも大きい、態様1から14のいずれか一項に記載の方法。
態様16.カチオン性ルイス酸とアニオン付加体との間の会合定数が、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンとカチオン性ルイス酸との間の会合定数よりも大きい、態様1から15のいずれか一項に記載の方法。
態様17.有効な量のカチオン性ルイス酸の存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間の会合定数が、有効な量のカチオン性ルイス酸の非存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間の会合定数よりも大きい、態様1から16のいずれか一項に記載の方法。
態様18.有効な量のカチオン性ルイス酸の存在下での還元型電気活性種及びルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成が、有効な量のカチオン性ルイス酸の非存在下での還元型電気活性種及びルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成よりも動力学的に有利である、態様1から17のいずれか一項に記載の方法。
態様19.カチオン性ルイス酸が金属カチオンを含み、好ましくは金属カチオンが第1族元素、第2族元素、希土類元素、第11族元素、第12族元素、第13族元素、又はそれらの組み合わせであり、より好ましくは金属カチオンがLi、Na、K、Mg、Ca、Sc、La、Al、Zn、又はそれらの組み合わせである、態様1から18のいずれか一項に記載の方法。
態様20.非水電解質が、キレート溶媒及び塩を含む溶媒和イオン性液体を含み、塩がカチオン性ルイス酸の金属カチオンを含む、態様1から19のいずれか一項に記載の方法。
態様21.安定化添加剤が水素結合供与体を含み、好ましくは水素結合供与体の水素原子とアニオン付加体との間の水素結合強度が、水素結合供与体の水素原子とセミキノンアニオン又はキノンジアニオンとの間の水素結合強度よりも大きい、態様1から20のいずれか一項に記載の方法。
態様22.安定化添加剤が水素結合供与体であり、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間のアニオン付加体が、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンと水素結合供与体との間に形成される付加体よりも熱力学的に安定である、態様1から21のいずれか一項に記載の方法。
態様23.安定化添加剤が水素結合供与体であり、水素結合供与体の存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間の反応平衡定数が、水素結合供与体の非存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間の反応平衡定数よりも大きい、態様1から22のいずれか一項に記載の方法。
態様24.安定化添加剤が水素結合供与体であり、水素結合供与体とアニオン付加体との間の会合定数が、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンと水素結合供与体との間の会合定数よりも大きい、態様1から23のいずれか一項に記載の方法。
態様25.安定化添加剤が水素結合供与体であり、有効な量の水素結合供与体の存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間の会合定数が、有効な量の水素結合供与体の非存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間の会合定数よりも大きい、態様1から24のいずれか一項に記載の方法。
態様26.有効な量の水素結合供与体の存在下での還元型電気活性種及びルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成が、有効な量の水素結合供与体の非存在下での還元型電気活性種及びルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成よりも動力学的に有利である、態様1から25のいずれか一項に記載の方法。
態様27.水素結合供与体が、ヒドロキシル基、アンモニウム基、アニリニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、カルボン酸基、チオール基、尿素基、グアニジン基、チオ尿素基、又はそれらの組み合わせを含み、好ましくは水素結合供与体がフェノール性ヒドロキシル基を有するか又は水である、態様1から26のいずれか一項に記載の方法。
態様28.水素結合供与体が、2つ以上の結合様式によって還元型電気活性種及びルイス酸ガスに結合することができる2つ以上の水素結合基を有する、態様1から27のいずれか一項に記載の方法。
態様29.水素結合供与体が、ヒドロキシル基、アンモニウム基、アニリニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、カルボン酸基、チオール基、尿素基、グアニジン基、チオ尿素基、又はそれらの組み合わせの1つ以上を含むポリマー化合物である、態様1から28のいずれか一項に記載の方法。
態様30.電気化学装置であって、還元状態の電気活性種、非水電解質、及び安定化添加剤と電子連通している負電極を含むチャンバを含み、チャンバが、ルイス酸ガスを含む流体混合物を受け取るように構成されており、電気活性種が、酸化状態、及び電気活性種がルイス酸ガスと結合してアニオン付加体を形成する少なくとも1つの還元状態を含み、安定化添加剤が、カチオン性ルイス酸、水素結合供与体、又はそれらの組み合わせを含み、安定化添加剤が、ルイス酸ガスと還元型電気活性種との間のアニオン付加体の形成を動力学的に有利にする、アニオン付加体と還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にする、又はルイス酸ガスと還元型電気活性種との間のアニオン付加体の形成を動力学的に有利にし、アニオン付加体と還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にするのに有効な量で存在する、電気化学装置。
態様31.ガス入口及びガス出口と流体連通している複数の電気化学セルを含むガス分離システムであって、複数の電気化学セルの各々が、還元状態の電気活性種を含む第1の電極であり、電気活性種が、酸化状態及びルイス酸ガスと結合してアニオン付加体を形成する少なくとも1つの還元状態を含む、第1の電極と;相補的な電気活性層を含む第2の電極と;第1の電極と第2の電極との間の第1のセパレータ;非水電解質と;安定化添加剤とを含み、安定化添加剤が、カチオン性ルイス酸、水素結合供与体、又はそれらの組み合わせを含み、安定化添加剤が、還元型電気活性種及びルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成を動力学的に有利にする、アニオン付加体と還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にする、又は還元型電気活性種からのアニオン付加体の形成を動力学的に有利にし、アニオン付加体と還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にするのに有効な量で存在する、ガス分離システム。
組成物、方法、及び物品は、代替的に、本明細書に開示された任意の好適な材料、工程、又は成分を含むか、それらから成るか、又はそれらから本質的に成ることができる。組成物、方法、及び物品は、追加的に又は代替的に、組成物、方法、及び物品の機能若しくは目的の達成に必要でない任意の材料(若しくは種)、工程、若しくは成分を含まないように、又は実質的に含まないように、製造され得る。
本明細書に開示された全ての範囲は、終点を包含し、終点は、独立して互いに組み合わせ可能である。「組み合わせ」は、ブレンド、混合物、合金、反応生成物等を包含する。「第1」、「第2」等の用語は、順序、数量、又は重要性を示すものではなく、ある要素を他の要素から区別するために使用されるものである。用語「a」及び「an」並びに「the」は、数量の制限を示すものではなく、本明細書において特に指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方を意味すると解釈される。「又は」は、明確に別段の記載がない限り、「及び/又は」を意味する。本明細書全体を通して「一態様」への言及は、その態様に関連して説明される特定の要素が、本明細書に記載される少なくとも1つの態様に含まれ、他の態様において存在してもしなくてもよいことを意味する。本明細書で使用される「それらの組み合わせ」という用語は、列挙された要素の1つ以上を含み、挙げられていない1つ以上の同様の要素の存在を許容する、開放的なものである。加えて、記載された要素は、様々な局面において任意の好適な仕方で組み合わされてよいことを理解されたい。
本明細書で反対の指定がない限り、全ての試験規格は、本出願の出願日、又は優先権が主張される場合は、試験規格が現れる最も早い優先権出願の出願日において有効な最新の規格である。
別段の定義がない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、本出願が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。引用された全ての特許、特許出願、及び他の文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。ただし、本出願の用語が、組み込まれた文献の用語と矛盾又は相反する場合、本出願の用語が、組み込まれた文献の矛盾する用語に優先して適用される。
化合物は、標準的な命名法を用いて記載されている。例えば、指示された基で置換されていない位置は、指示された結合又は水素原子によってその原子価が満たされているものと理解される。2つの文字又は記号の間にないダッシュ(「-」)は、置換基の結合位置を示すのに使用される。例えば、-CHOは、カルボニル基の炭素を介して結合する。
本明細書で使用する場合、「ヒドロカルビル」という用語は、それ自体で使用するか、別の用語の接頭辞、接尾辞、又は断片として使用するかを問わず、炭素及び水素のみを含有する残基を指す。残基は、脂肪族又は芳香族、直鎖、環状、二環状、分枝、飽和、又は不飽和であり得る。残基はまた、脂肪族、芳香族、直鎖、環状、二環状、分枝、飽和、及び不飽和の炭化水素部分の組み合わせを含有し得る。しかしながら、ヒドロカルビル残基が置換として記載される場合、ヒドロカルビル残基は、任意選択で、置換基残基の炭素及び水素員に加えて、ヘテロ原子を含有していてもよい。したがって、特に置換として記載される場合、ヒドロカルビル残基は、1つ以上のカルボニル基、アミノ基、ヒドロキシル基等を含有することもでき、又はヒドロカルビル残基の主鎖内にヘテロ原子を含有することもできる。「アルキル」という用語は、分枝鎖又は直鎖の飽和脂肪族炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、並びにn-及びs-ヘキシルを意味する。「アルケニル」とは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基(例えば、エテニル(-HC=CH2))を意味する。「アルコキシ」とは、酸素を介して結合しているアルキル基(すなわち、アルキル-O-)、例えば、メトキシ基、エトキシ基、及びsec-ブチロキシ基を意味する。「アルキレン」とは、直鎖又は分岐鎖の飽和二価脂肪族炭化水素基(例えば、メチレン(-CH2-)又はプロピレン(-(CH2)3-))を意味する。「シクロアルキレン」は、二価環状アルキレン基-CnH2n-x(式中、xは、環化によって置換された水素の数である)を意味する。「シクロアルケニル」とは、1つ以上の環及び環中に1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する一価の基を意味し、全ての環原子は炭素である(例えば、シクロペンチル、及びシクロヘキシル)。「アリール」とは、フェニル、トロポン、インダニル、又はナフチル等の、所定の数の炭素原子を含有する芳香族炭化水素基を意味する。「アリーレン」は、二価のアリール基を意味する。「アルキルアリーレン」は、アルキル基で置換されたアリーレン基を意味する。「アリールアルキレン」は、アリール基(例えば、ベンジル)で置換されたアルキレン基を意味する。接頭辞の「halo」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードのうちの1つ以上の置換基を含む基又は化合物を意味する。異なるハロ原子の組み合わせ(例えば、ブロモ及びフルオロ)、又はクロロ原子のみが存在し得る。接頭辞「ヘテロ」は、化合物又は基がヘテロ原子(例えば、1、2、又は3個のヘテロ原子)である少なくとも1つの環原子を含むことを意味し、ここでヘテロ原子はそれぞれ独立してN、O、S、Si、又はPである。「置換」とは、置換原子の通常の価数を越えないことを条件として、化合物又は基が、水素の代わりに、それぞれ独立して、C1~9アルコキシ、C1~9ハロアルコキシ、ニトロ(-NO2)、シアノ(-CN)、C1~6アルキルスルホニル(-S(=O)2-アルキル)、C6~12アリールスルホニル(-S(=O)2-アリール)、チオール(-SH)、チオシアノ(-SCN)、トシル(CH3C6H4SO2-)、C3~12シクロアルキル、C2~12アルケニル、C5~12シクロアルケニル、C6~12アリール、C7~13アリールアルキレン、C4~12ヘテロシクロアルキル、C3~12ヘテロアリール、ハロゲン、カルボニル(-C(=O)OH)、C1~6アルキルエステル(-C(=O)O-アルキル)、又はC1~6アルキルアミド(-C(=O)N(アルキル)2)であってもよい、少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、3つ、又は4つ)の置換基で置換されていることを意味する。基において示される炭素原子の数は、置換基を除いたものである。例えば、-CH2CH2CNは、ニトリル(-CN)で置換されたC2アルキル基(-CH2CH3)を含む。
特定の態様を説明してきたが、現在予測できない、又は予測できない場合がある、代替、修正、変形、改良、及び実質的な均等物が、本発明者ら又は他の当業者に生じ得る。したがって、出願時の及び修正され得る、添付された特許請求の範囲は、全てのそのような代替、修正、変形、改良、及び実質的な均等物を包含することを意図している。

Claims (31)

  1. ルイス酸ガスを含む流体混合物からルイス酸ガスを分離する方法であって、前記方法が、
    流体混合物を、
    還元状態の電気活性種;
    非水電解質;及び
    安定化添加剤
    と接触させて、ルイス酸ガスと還元状態の電気活性種との間のアニオン付加体を形成する工程を含み、
    前記電気活性種が、
    酸化状態、及び
    前記電気活性種が前記ルイス酸ガスと結合してアニオン付加体を形成する少なくとも1つの還元状態
    を含み、
    前記安定化添加剤が、カチオン性ルイス酸、水素結合供与体、又はそれらの組み合わせを含み、
    前記安定化添加剤が、
    前記還元型電気活性種及び前記ルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成を動力学的に有利にする、
    前記アニオン付加体と前記還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にする、又は
    前記還元型電気活性種からのアニオン付加体の形成を動力学的に有利にし、前記アニオン付加体と前記還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にする
    のに有効な量で存在する、方法。
  2. 前記安定化添加剤が支持電解質ではない、請求項1に記載の方法。
  3. 前記非水電解質の少なくとも一部が前記安定化添加剤である、請求項1に記載の方法。
  4. 有効な量の前記安定化添加剤の存在下での前記還元型電気活性種と前記ルイス酸ガスとの間の会合定数が、有効な量の前記安定化添加剤の非存在下での前記還元型電気活性種と前記ルイス酸ガスとの間の会合定数よりも大きい、請求項1に記載の方法。
  5. 有効な量の前記安定化添加剤の存在下での前記還元型電気活性種及び前記ルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成が、有効な量の前記安定化添加剤の非存在下での前記還元型電気活性種及び前記ルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成よりも動力学的に有利である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記電気活性種が、電気活性ポリマー、電気活性オリゴマー、電気活性有機化合物、電気活性無機複合体、電気活性有機金属複合体、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記電気活性種が、
    置換若しくは非置換キノン、置換若しくは非置換テトロン、置換若しくは非置換ビピリジニウム、置換若しくは非置換ビピリジン、置換若しくは非置換フェナジン、置換若しくは非置換ベンズイミダゾール、置換若しくは非置換ベンゾトリアゾール、置換若しくは非置換インドール、置換若しくは非置換ビオロゲン、置換若しくは非置換ピラジニウム、置換若しくは非置換ピリミジニウム、置換若しくは非置換キノリン、置換若しくは非置換イソキノリン、置換若しくは非置換キノキサリニウム、置換若しくは非置換ピリリウム、置換若しくは非置換ピラジン、置換若しくは非置換ピリジニウム、置換若しくは非置換テトラゾリウム、置換若しくは非置換ベルダジル、置換若しくは非置換アロキサジン、置換若しくは非置換イソアロキサジン、置換若しくは非置換キノジメタン、置換若しくは非置換トリシアノビニルベンゼン、置換若しくは非置換テトラシアノエチレン、置換若しくは非置換チオケトン、置換若しくは非置換チオキオノン、置換若しくは非置換ジスルフィド、又はそれらの組み合わせ、
    好ましくは、置換若しくは非置換1,4-ベンゾキノン、置換若しくは非置換1,2-ベンゾキノン、置換若しくは非置換1,4-ナフトキノン、置換若しくは非置換1,2-ナフトキノン、置換若しくは非置換2,3-ジアミノナフタレン、置換若しくは非置換アントラキノン、置換若しくは非置換フェナントレンキノン、置換若しくは非置換ベンズアントラキノン、置換若しくは非置換ジベンゾアントラキノン、置換若しくは非置換4,5,9,10-ピレンテトロン、置換若しくは非置換インドール、置換若しくは非置換キノリン、置換若しくは非置換イソキノリン、置換若しくは非置換ベンズイミダゾール、置換若しくは非置換ベンゾトリアゾール、又はそれらの組み合わせ;或いは
    置換若しくは非置換キノン、置換若しくは非置換テトロン、置換若しくは非置換ビピリジニウム、置換若しくは非置換ビピリジン、置換若しくは非置換フェナジン、置換若しくは非置換ベンズイミダゾール、置換若しくは非置換ベンゾトリアゾール、置換若しくは非置換インドール、置換若しくは非置換ビオロゲン、置換若しくは非置換ピラジニウム、置換若しくは非置換ピリミジニウム、置換若しくは非置換キノリン、置換若しくは非置換イソキノリン、置換若しくは非置換キノキサリニウム、置換若しくは非置換ピリリウム、置換若しくは非置換ピラジン、置換若しくは非置換ピリジニウム、置換若しくは非置換テトラゾリウム、置換若しくは非置換ベルダジル、置換若しくは非置換キノジメタン、置換若しくは非置換トリシアノビニルベンゼン、置換若しくは非置換テトラシアノエチレン、置換若しくは非置換チオケトン、置換若しくは非置換チオキオノン、置換若しくは非置換ジスルフィド、又はそれらの組み合わせから誘導された繰り返し単位を含むポリマー又はオリゴマー;
    好ましくは、置換若しくは非置換1,4-ベンゾキノン、置換若しくは非置換1,2-ベンゾキノン、置換若しくは非置換1,4-ナフトキノン、置換若しくは非置換1,2-ナフトキノン、置換若しくは非置換2,3-ジアミノナフタレン、置換若しくは非置換アントラキノン、置換若しくは非置換フェナントレンキノン、置換若しくは非置換ベンズアントラキノン、置換若しくは非置換ジベンゾアントラキノン、置換若しくは非置換4,5,9,10-ピレンテトロン、置換若しくは非置換インドール、置換若しくは非置換キノリン、置換若しくは非置換イソキノリン、置換若しくは非置換ベンズイミダゾール、置換若しくは非置換ベンゾトリアゾール、又はそれらの組み合わせから誘導された繰り返し単位を含むポリマー又はオリゴマー
    を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記ルイス酸ガスが、CO2、COS、SO2、SO3、R2SO4、NO2、NO3、R3PO4、R2S、RCOOR'、RCHO、R'2CO、R'NCO、R'NCS、BR''3、R''3BO3、又はそれらの組み合わせであり、
    各Rが独立して水素、C1~12アルキル、C3~12シクロアルキル、C1~12ヘテロシクロアルキル、C6~20アリール、又はC1~12ヘテロアリールであり、
    各R'が独立してC1~12アルキル、C3~12シクロアルキル、C1~12ヘテロシクロアルキル、C6~20アリール、又はC1~12ヘテロアリールであり;
    各R''が独立して水素、ハロゲン、C1~12アルキル、C3~12シクロアルキル、C1~12ヘテロシクロアルキル、C6~20アリール、又はC1~12ヘテロアリールである、請求項1に記載の方法。
  9. 前記非水電解質が、有機電解質、イオン性液体、溶媒和イオン性液体、又はそれらの組み合わせを含み、
    前記有機電解質が有機溶媒及び支持電解質を含み、
    好ましくは、前記有機溶媒が、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ポリエチレングリコール、ジグライム、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、18-クラウン-6エーテル、又はそれらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
  10. 前記非水電解質がイオン性液体を含み、
    好ましくは、前記イオン性液体カチオンが、非置換若しくは置換イミダゾリウム、非置換若しくは置換モルホリニウム、非置換若しくは置換ピリジニウム、非置換若しくは置換ピロリジニウム、非置換若しくは置換ピペリジニウム、非置換若しくは置換ピペラジニウム、非置換若しくは置換ピラジニウム、又はそれらの組み合わせであり、
    より好ましくは、前記イオン性液体が、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムジシアンアミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチル-スルホニル)イミド、1-ブチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメチル-スルホニル)イミド、N-メチル-N-プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、又はそれらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
  11. 前記非水電解質が、キレート溶媒及び塩を含む溶媒和イオン性液体を含み、
    好ましくは、
    前記キレート溶媒が、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、18-クラウン-6エーテル、又はそれらの組み合わせを含み、
    前記塩が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記電気活性種が、置換若しくは非置換キノン又はテトロンであるキノン含有化合物、置換若しくは非置換キノン又はテトロンから誘導された繰り返し単位を含むポリマー又はオリゴマー、或いはそれらの組み合わせを含み、
    セミキノンアニオン又はキノンジアニオンとルイス酸ガスとの間のアニオン付加体が形成される、請求項1に記載の方法。
  13. 前記安定化添加剤がカチオン性ルイス酸であり、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンと前記ルイス酸ガスとの間に形成されるアニオン付加体が、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンと前記カチオン性ルイス酸との間に形成されるアニオン付加体よりも熱力学的に安定である、請求項1に記載の方法。
  14. 前記カチオン性ルイス酸の存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンと前記ルイス酸ガスとの間の反応平衡定数が、前記カチオン性ルイス酸の非存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンと前記ルイス酸ガスとの間の反応平衡定数よりも大きい、請求項1に記載の方法。
  15. 前記カチオン性ルイス酸と前記アニオン付加体との間のイオン結合強度が、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンと前記カチオン性ルイス酸との間のイオン結合強度よりも大きい、請求項1に記載の方法。
  16. 前記カチオン性ルイス酸と前記アニオン付加体との間の会合定数が、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンと前記カチオン性ルイス酸との間の会合定数よりも大きい、請求項1に記載の方法。
  17. 有効な量の前記カチオン性ルイス酸の存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンと前記ルイス酸ガスとの間の会合定数が、有効な量の前記カチオン性ルイス酸の非存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンと前記ルイス酸ガスとの間の会合定数よりも大きい、請求項1に記載の方法。
  18. 有効な量の前記カチオン性ルイス酸の存在下での前記還元型電気活性種及び前記ルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成が、有効な量の前記カチオン性ルイス酸の非存在下での前記還元型電気活性種及び前記ルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成よりも動力学的に有利である、請求項1に記載の方法。
  19. 前記カチオン性ルイス酸が金属カチオンを含み、好ましくは前記金属カチオンが第1族元素、第2族元素、希土類元素、第11族元素、第12族元素、第13族元素、又はそれらの組み合わせであり、より好ましくは前記金属カチオンがLi、Na、K、Mg、Ca、Sc、La、Al、Zn、又はそれらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
  20. 前記非水電解質がキレート溶媒及び塩を含む溶媒和イオン性液体を含み、前記塩がカチオン性ルイス酸の金属カチオンを含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記安定化添加剤が水素結合供与体を含み、好ましくは前記水素結合供与体の水素原子とアニオン付加体との間の水素結合強度が、前記水素結合供与体の水素原子とセミキノンアニオン又はキノンジアニオンとの間の水素結合強度よりも大きい、請求項1に記載の方法。
  22. 前記安定化添加剤が水素結合供与体であり、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンと前記ルイス酸ガスとの間のアニオン付加体が、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンと前記水素結合供与体との間に形成される付加体よりも熱力学的に安定である、請求項1に記載の方法。
  23. 前記安定化添加剤が水素結合供与体であり、前記水素結合供与体の存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンと前記ルイス酸ガスとの間の反応平衡定数が、前記水素結合供与体の非存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンと前記ルイス酸ガスとの間の反応平衡定数よりも大きい、請求項1に記載の方法。
  24. 前記安定化添加剤が水素結合供与体であり、前記水素結合供与体と前記アニオン付加体との間の会合定数が、セミキノンアニオン又はキノンジアニオンと前記水素結合供与体との間の会合定数よりも大きい、請求項1に記載の方法。
  25. 前記安定化添加剤が水素結合供与体であり、有効な量の前記水素結合供与体の存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンと前記ルイス酸ガスとの間の会合定数が、有効な量の前記水素結合供与体の非存在下でのセミキノンアニオン又はキノンジアニオンと前記ルイス酸ガスとの間の会合定数よりも大きい、請求項1に記載の方法。
  26. 有効な量の前記水素結合供与体の存在下での前記還元型電気活性種及び前記ルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成が、有効な量の前記水素結合供与体の非存在下での前記還元型電気活性種及び前記ルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成よりも動力学的に有利である、請求項1に記載の方法。
  27. 前記水素結合供与体が、ヒドロキシル基、アンモニウム基、アニリニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、カルボン酸基、チオール基、尿素基、グアニジン基、チオ尿素基、又はそれらの組み合わせを含み、好ましくは前記水素結合供与体がフェノール性ヒドロキシル基を有するか又は水である、請求項1に記載の方法。
  28. 前記水素結合供与体が、2つ以上の結合様式によって前記還元型電気活性種及び前記ルイス酸ガスに結合することができる2つ以上の水素結合基を有する、請求項1に記載の方法。
  29. 前記水素結合供与体が、ヒドロキシル基、アンモニウム基、アニリニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、カルボン酸基、チオール基、尿素基、グアニジン基、チオ尿素基、又はそれらの組み合わせの1つ以上を含むポリマー化合物である、請求項1に記載の方法。
  30. 電気化学装置であって、
    還元状態の電気活性種、非水電解質、及び安定化添加剤と電子連通している負電極を含むチャンバを含み、チャンバが、ルイス酸ガスを含む流体混合物を受け取るように構成されており、
    前記電気活性種が、
    酸化状態、及び
    前記電気活性種が前記ルイス酸ガスと結合してアニオン付加体を形成する少なくとも1つの還元状態を含み、
    前記安定化添加剤が、カチオン性ルイス酸、水素結合供与体、又はそれらの組み合わせを含み、
    前記安定化添加剤が、
    前記ルイス酸ガスと前記還元型電気活性種との間のアニオン付加体の形成を動力学的に有利にする、
    前記アニオン付加体と前記還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にする、又は
    前記ルイス酸ガスと前記還元型電気活性種との間のアニオン付加体の形成を動力学的に有利にし、前記アニオン付加体と前記還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にする
    のに有効な量で存在する、電気化学装置。
  31. ガス入口及びガス出口と流体連通している複数の電気化学セルを含むガス分離システムであって、複数の電気化学セルの各々が、
    還元状態の電気活性種を含む第1の電極であり、前記電気活性種が、酸化状態及びルイス酸ガスと結合してアニオン付加体を形成する少なくとも1つの還元状態を含む、第1の電極と;
    相補的な電気活性層を含む第2の電極と;
    第1の電極と第2の電極との間の第1のセパレータと;
    安定化添加剤を含む非水電解質であり、前記安定化添加剤が、カチオン性ルイス酸、水素結合供与体、又はそれらの組み合わせを含む、非水電解質と
    を含み、
    前記安定化添加剤が、
    前記還元型電気活性種及び前記ルイス酸ガスからのアニオン付加体の形成を動力学的に有利にする、
    前記アニオン付加体と前記還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にする、又は
    前記還元型電気活性種からのアニオン付加体の形成を動力学的に有利にし、前記アニオン付加体と前記還元型電気活性種との間の熱力学的平衡におけるアニオン付加体の形成を熱力学的に有利にする
    のに有効な量で存在する、ガス分離システム。
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