JP2024517023A - 大環状化合物及びその使用 - Google Patents

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ウェイ-シェン ファン,
ウィリアム シー. シェイクスピア,
チャールズ ジェイ. アイアーマン,
デイビッド シー. ダルガーノ,
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テーセウス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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Abstract

T790M EGFR変異体などの変異型を含むEGFRなどのキナーゼを阻害することができる式(I)の大環状化合物が本明細書に記載される。式(I)の化合物又はその任意の薬学的に許容される形態を含む医薬組成物、それらを調製するためのプロセス、及びがんの予防又は治療のための療法における使用も本明細書に記載される。具体的には、本明細書に記載の化合物は、非小細胞肺がん(NSCLC)を含むEGFR駆動型がんの治療に有効であり得る。TIFF2024517023000250.tif5863

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年5月11日に出願された米国仮特許出願第63/187,041号の利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
キナーゼ阻害剤として使用することができる大環状化合物が本明細書に記載される。具体的には、本明細書に記載の化合物は、上皮成長因子受容体(EGFR)の変異型を含むEGFRを阻害することができる。本明細書に記載の化合物は、EGFR駆動型がん(例えば、変異型EGFRを特徴とする非小細胞肺がん(NSCLC))などのがんを含む様々な障害の治療に有効であり得る。
シグナル伝達とは、多くの場合、シグナル伝達事象のカスケードを介して、細胞内の生物学的応答につながる細胞内への及びその内部での刺激性又は抑制性シグナルの伝達を指す。シグナル伝達経路の様々な構成要素の欠陥が、多くの形態のがん、炎症性障害、代謝障害、血管疾患、及び神経疾患を含む、多数の疾患の原因になることが見出されている。
シグナル伝達は、多くの場合、キナーゼと呼ばれるある特定のタンパク質によって媒介される。キナーゼは、一般に、タンパク質キナーゼ及び脂質キナーゼに分類することができ、ある特定のキナーゼは二重特異性を呈する。例えば、上皮成長因子受容体(EGFR)は、EGFR/ERBB1、HER2/ERBB2/NEU、HER3/ERBB3、及びHER4/ERBB4を含む受容体チロシンキナーゼ(RTK)のファミリーに属する。上皮成長因子(EGF)などのリガンドの結合は、受容体ホモ二量体又はヘテロ二量体形成を促進するEGFRの立体構造変化を誘導し、EGFRチロシンキナーゼ活性の活性化をもたらす。その後、活性化されたEGFRは、その基質をリン酸化し、細胞生存に関与するPI3K-AKT-mTOR経路、及び細胞増殖に関与するRAS-RAF-MEK-ERK経路を含む、細胞内の複数の下流経路の活性化をもたらす。(Chong et al.Nature Med.2013;19(11):1389-1400)。
ある特定のがんは、細胞増殖の増加をもたらすEGFRの変異を特徴とする。EGFRを阻害するチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)療法は、臨床反応をもたらすことができるが、EGFRの変異は、かかる療法に対する耐性を付与する可能性もある。
したがって、EGFR駆動型がんを含む、欠陥のあるシグナル伝達経路に関連するがんを治療するための新たな治療法が依然として必要である。
Chong et al.Nature Med.2013;19(11):1389-1400
有効なEGFR阻害剤であり得る新たな化合物が本明細書に記載される。かかる化合物は、変異型EGFRを特徴とする非小細胞肺がん(NSCLC)などのEGFR駆動型がんを含む様々な疾患及び障害の治療に有用であり得る。
本発明の第1の態様は、式(I)の化合物、
Figure 2024517023000002
又はその薬学的に許容される塩であって、式中、
は独立して、N又はCRであり、
及びXの各々は独立して、共有結合、O、S、NR、C(O)NR、NRC(O)、NRC(O)NR、又は(C(Rであり、
は独立して、共有結合、Cヘテロアルキレン、Cアルキレン、Cアルケニレン、Cアルキニレン、C3-6シクロアルキレン、3~10員ヘテロシクリレン、フェニレン、ナフチレン、又は5~10員ヘテロアリーレンであり、
各R及びRは独立して、
Figure 2024517023000003
OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、若しくは(CH12であるか、又は2つのR若しくは2つのRは、それらが結合している原子と一緒になって5~10員環を形成する。
は独立して、共有結合、O、NR、C(O)、C(O)NR、NRC(O)、CR であり、
は独立して、H又はC1-6アルキルであり、
Aは独立して、フェニル、ナフチル、5~13員ヘテロアリール、C-C10脂環式、又は3~10員ヘテロシクリルであり、
Bは独立して、フェニル、ナフチル、5~13員ヘテロアリール、C-C10脂環式、又は3~10員ヘテロシクリルであり、
Cは独立して、5員又は6員ヘテロアリールであり、
各Rは独立して、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、又は(CH12であり、
各Rは独立して、H、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、NR11(CHNR、(CHNR、(CHOH、(CHOCH、O(CHOH、O(CHOCH、O(CH12、若しくは(CH12であるか、又はR及びR、若しくはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し、
各Rは独立して、H、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、又は(CH12であり、
各Rは独立して、H、N-保護基、若しくはC1-6アルキルであるか、又はR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、5~6員環を形成し、
各Rは独立して、H若しくはC1-6アルキルであるか、又は同じ炭素上の2つのRは、結合してオキソ(=O)基を形成するか、又はR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、5~6員環を形成し、
各R、R、及びR11は独立して、H若しくはC1-6アルキルであるか、又はR及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3~10員ヘテロシクリルを形成するか、又はR及びR11は、それらが結合している原子と一緒になって、3~10員ヘテロシクリルを形成し、
各R10は独立して、C1-6脂肪族、C-C10脂環式、3~10員ヘテロシクリル、フェニル、ナフチル、若しくは5~12員ヘテロアリールであるか、又はR10及びR11は、それらが結合している原子と一緒になって、3~10員ヘテロシクリルを形成し、
各R12は独立して、C-C10脂環式、3~10員ヘテロシクリル、フェニル、ナフチル、又は5~12員ヘテロアリールであり、
各m、n及びoは独立して、0、1、又は2であり、
各pは独立して、0、1、2、3、又は4であり、
各qは独立して、1又は2であり、
各rは独立して、0~4の整数であり、
各sは独立して、2~6の整数であり、
各tは独立して、1~6の整数である、化合物又はその薬学的に許容される塩が本明細書に提供される。
複数の実施形態では、各Rは独立して、H、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、NR11(CHNR、(CHNR、若しくは(CH12であるか、又はR及びR、若しくはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し、
複数の実施形態では、m、n、o、及びpは各々独立して、0、1、又は2である。
複数の実施形態では、少なくとも1つのm又はnは、0ではない。
複数の実施形態では、R及びRのうちの1つが存在し、部分構造A又はハロゲンである。
複数の実施形態では、R及びRのうちの1つが存在し、部分構造Aである。
複数の実施形態では、1つ以下の部分構造Aが存在する。
複数の実施形態では、Cは、5員又は6員N含有ヘテロアリールである。
複数の実施形態では、Cは、ピリジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、又はイミダゾリルである。
複数の実施形態では、化合物は、式(I-A)に従う構造、
Figure 2024517023000004
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、Xは、N又はCRである。
複数の実施形態では、化合物は、式(I-B)に従う構造、
Figure 2024517023000005
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
mが、0又は1である。
複数の実施形態では、化合物は、式(I-C)に従う構造、
Figure 2024517023000006
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
mは、0又は1である。
複数の実施形態では、化合物は、式(II)に従う構造、
Figure 2024517023000007
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
各Rは独立して、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、又はR12である。
複数の実施形態では、化合物は、式(II-A)に従う構造、
Figure 2024517023000008
又はその薬学的に許容される塩を有する。
複数の実施形態では、mは、0である。
複数の実施形態では、化合物は、式(III)に従う構造、
Figure 2024517023000009
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
各Rは独立して、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、又はR12である。
複数の実施形態では、化合物は、式(III-A)に従う構造、
Figure 2024517023000010
又はその薬学的に許容される塩を有する。
複数の実施形態では、nは、0である。
複数の実施形態では、X及びXは各々独立して、N又はCHである。
複数の実施形態では、Xは、Nである。
複数の実施形態では、Xは、CHである。
複数の実施形態では、Xは、Oである。
複数の実施形態では、Xは、Oである。
複数の実施形態では、各X及びXは独立して、共有結合、O、S、NR、C(O)、CH、CHCH、又はC(CHである。
複数の実施形態では、Xは、CHであり、Xは、Oであり、Xは、Oである。複数の実施形態では、Xは、Nである。
複数の実施形態では、Lは、非置換Cアルキレン又は1若しくは2個のオキソ(=O)置換基を含むCアルキレンである。
複数の実施形態では、Lは、非置換Cヘテロアルキレン又は1若しくは2個のオキソ(=O)置換基を含むCヘテロアルキレンである。
複数の実施形態では、Lは、非置換直鎖状C4-6アルキレン又は非置換分岐状C4-6アルキレンである。
複数の実施形態では、Lは、
Figure 2024517023000011
であり、式中、*は、Xへの共有結合点を示し、**は、Xへの共有結合点を示す。
複数の実施形態では、Cヘテロアルキレンは、独立して酸素又は窒素である1、2、又は3個のヘテロ原子を含む。
複数の実施形態では、Cヘテロアルキレンは、is O(CH、(CHO、O(CHO、OCHOCHCHOCH-、-CHOCHCHO-、OCHCH2.OCH-、NH(CH、(CHNH、又は-NH(CHNH-であり、式中、uは1~4の整数である。
複数の実施形態では、Bは、フェニル又は5員~6員ヘテロアリールである。
複数の実施形態では、Bは、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、又はイミダゾリルである。
複数の実施形態では、Bは、
Figure 2024517023000012
であり、式中、*は、Cへの共有結合点を示し、**は、Xへの共有結合点を示す。
複数の実施形態では、Rは、メチル、ハロゲン、又はCNであり、oは、0又は1である。
複数の実施形態では、Aは、フェニル又は5員~6員ヘテロアリールである。
複数の実施形態では、Aは、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、又はイミダゾリルである。
複数の実施形態では、化合物は、式(IV)に従う構造、
Figure 2024517023000013
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
は、非置換の直鎖状又は分岐状のCアルキレンであり、
Bは、フェニル又は5~6員ヘテロアリールであり、
は、メチル、ハロゲン、又はCNであり、
oは、0又は1であり、
及びRのうちの1つは、部分構造Aとして存在する。
複数の実施形態では、化合物は、式(V)に従う構造、
Figure 2024517023000014
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
は、-(CH-又は-CH(CH)CHCH-である。
複数の実施形態では、化合物は、式(VI-1)又は(VI-2)に従う構造、
Figure 2024517023000015
又はその薬学的に許容される塩を有する。
複数の実施形態では、化合物は、式(VI-3)又は(VI-4)に従う構造、
Figure 2024517023000016
又はその薬学的に許容される塩を有する。
複数の実施形態では、化合物は、式(VII-1)又は(VII-2)に従う構造、
Figure 2024517023000017
又はその薬学的に許容される塩を有する。
複数の実施形態では、化合物は、式(VII-3)又は(VII-4)に従う構造、
Figure 2024517023000018
又はその薬学的に許容される塩を有する。
複数の実施形態では、Aは、フェニル又は5員~6員ヘテロアリールである。
複数の実施形態では、Lは、共有結合である。
複数の実施形態では、
Figure 2024517023000019
は、
Figure 2024517023000020
からなる群から選択される。
複数の実施形態では、化合物は、式(VIII)に従う構造、
Figure 2024517023000021
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
4Aは、第1のR基であり、
4Bは、第2のR基であり、
pは、0又は1である。
複数の実施形態では、化合物は、式(IX)に従う構造、
Figure 2024517023000022
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
4Aは、第1のR基であり、
4Bは、第2のR基であり、
pは、0又は1である。
複数の実施形態では、化合物は、式(X)に従う構造、
Figure 2024517023000023
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
4Aは、第1のR基であり、
4Bは、第2のR基であり、
pが、0又は1であり、
4Dは、非置換C1-6アルキルであるR基である。
複数の実施形態では、化合物は、式(XI)に従う構造、
Figure 2024517023000024
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
4Aは、第1のR基であり、
4Dは、非置換C1-6アルキルであるR基である。
複数の実施形態では、化合物は、式(XII)に従う構造、
Figure 2024517023000025
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
4Aは、第1のR基である。
複数の実施形態では、化合物は、式(XIII)に従う構造、
Figure 2024517023000026
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
4Aは、第1のR基であり、
4Bは、第2のR基であり、
pは、0又は1である。
複数の実施形態では、化合物は、式(XIV)に従う構造、
Figure 2024517023000027
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
4Aは、第1のR基であり、
4Bは、第2のR基であり、
pは、0又は1である。
複数の実施形態では、化合物は、式(XV)に従う構造、
Figure 2024517023000028
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
4Aは、第1のR基であり、
4Bは、第2のR基であり、
4Cは、第3のR基である。
複数の実施形態では、化合物は、式(XVI)に従う構造、
Figure 2024517023000029
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
4Cは、第1のR基である。
複数の実施形態では、化合物は、式(XVII)に従う構造、
Figure 2024517023000030
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
4Dは、非置換C1-6アルキルであるR基である。
複数の実施形態では、化合物は、式(XVIII)に従う構造、
Figure 2024517023000031
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
4Cは、第1のR基である。
複数の実施形態では、化合物は、式(XIX)に従う構造、
Figure 2024517023000032
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
4Dは、非置換C1-6アルキルであるR基である。
複数の実施形態では、化合物は、式(XX)に従う構造、
Figure 2024517023000033
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
4Aは、第1のR基であり、
4Bは、第2のR基であり、
pは、0又は1である。
複数の実施形態では、化合物は、式(XXI)に従う構造、
Figure 2024517023000034
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
4Aは、第1のR基であり、
4Bは、第2のR基であり、
pは、0又は1である。
複数の実施形態では、化合物は、式(XXII)に従う構造、
Figure 2024517023000035
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
4Aは、第1のR基であり、
4Bは、第2のR基であり、
pは、0又は1であり、
4Dは、非置換C1-6アルキルであるR基である。
複数の実施形態では、化合物は、式(XXIII)に従う構造、
Figure 2024517023000036
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
4Aは、第1のR基である。
複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、以下から選択される1つ以上のR基:-C≡N、-C≡CH、0~4個のフルオロ置換基を含む飽和直鎖状若しくは分岐状C1-6脂肪族又はCアルコキシ、NR11(CHNR、(CHNR、O(CHOCH、O(CH12、及び(CH12を含む。複数の実施形態では、R12は、C3-6シクロアルキル、O、N、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む3~9員ヘテロシクリル、並びに5~6員ヘテロアリールからなる群から選択される。複数の実施形態では、R12は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、オキセタニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、アゼチジン、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリノから選択される。複数の実施形態では、R12は、0~4個のR14で置換され、式中、各R14は独立して、-CN、オキソ(=O)、ハロゲン、-OH、-NH、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、非置換C3-6シクロアルキル、又は非置換3~4員ヘテロシクリルから選択される。複数の実施形態では、各R14は独立して、-CN、-F、OH、NH、NHCH、N(CH
NHCHCH、N(CHCH、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、CHCHF、
CHCHF、CHCF、-CHCHCH、CHCHCHF、CHCHCHF、CHCHCF
CHCHOCH、COCH、COCHCH、CHCOCH、CHCOCHCH、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、及びアゼチジニルから選択される。
複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、
以下から選択されるR基:-CN、CH、CHF、CHF、CF、CHCH
CHCFH、CHCHF、CHCF、CH(CH、C(CH、-C≡CH、
Figure 2024517023000037
Figure 2024517023000038
並びに/又は
以下から選択されるR基、CHOCH、OCH、OCHF、
OCHF、OCF、OCHCH、OCHCHF、OCHCHF、OCHCF、OCHCHCH、OCHCH(CH、OCHCHOCH
Figure 2024517023000039
-COCH、及びCHを含む。
複数の実施形態では、Rは、非置換C1-6アルキル、CO(非置換C1-6アルキル)、O-(非置換C1-6アルキル)、O-(C1-6ハロアルキル)、NH(CHNMe、(CHNMe、又は
Figure 2024517023000040
から選択され、式中、
は独立して、CH又はNであり、
は独立して、O、CHR13、又はNR13であり、
13は独立して、H、C1-6アルキル、又はC3-6シクロアルキルであり、
rは、0又は1であり、
sは、2~4の整数であり、
tは、1~6の整数である。
複数の実施形態では、1つのR
Figure 2024517023000041
であり、存在する場合、第2のRは、非置換C1-6アルキル、CO(非置換C1-6アルキル)、O-(非置換C1-6アルキル)、O-(C1-6ハロアルキル)、NH(CHNMe、及び(CHNMeから選択される。
複数の実施形態では、
Figure 2024517023000042
は、
Figure 2024517023000043
であり、式中、
Aは、フェニル又は5~6員ヘテロアリールである。
は独立して、CH又はNであり、
は独立して、O、CHR13、又はNR13であり、
13は独立して、H、非置換C1-6アルキル、又は非置換C3-6シクロアルキルであり、
rは、0又は1であり、
は、非置換C1-6アルキル、CO(非置換C1-6アルキル)、O-(非置換C1-6アルキル)、O-(C1-6ハロアルキル)、又はNH(CHNMeから選択され、
pは、0又は1であり、
sは、2~6の整数である。
複数の実施形態では、
Figure 2024517023000044
は、
Figure 2024517023000045
であり、式中、Xは、O、NCH、又はN(シクロプロピル)である。
複数の実施形態では、rは、0である。
複数の実施形態では、rは、1である。
複数の実施形態では、化合物は、COCH、OCHCF、CH、CHCH、OCH、OCHCH、NHCHCHN(CH、又は-CHN(CHである、R基を含む。
複数の実施形態では、Aは、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、又はイミダゾリルである。
複数の実施形態では、各R4A、R4B、及びR4Cは存在する場合、独立して、-C≡N、-C≡CH、0~4個のフルオロ置換基を含む飽和直鎖状若しくは分岐状C1-6脂肪族又はCアルコキシ、NR11(CHNR;(CHNR;O(CHOCH;O(CH12、及び(CH12から選択される。
複数の実施形態では、
4A及び/又はR4C基は、存在する場合、CN、CH、CHF、CHF
CF、CHCH、CHCFH、CHCHF、CHCF、CH(CH、C(CH、-C≡CH、
Figure 2024517023000046
Figure 2024517023000047
から選択され、
並びに/又は
4B基は、存在する場合、CHOCH、OCH、OCHF、
OCHF、OCF、OCHCH、OCHCHF、OCHCHF、OCHCF、OCHCHCH、OCHCH(CH、OCHCHOCH
Figure 2024517023000048
-COCH、及びCHから選択される。
複数の実施形態では、化合物は、表Aに記載される任意の化合物(例えば、化合物(1)~(169)のうちのいずれか1つ)、又はその薬学的に許容される塩を含む、本明細書に記載される任意の例示的な化合物である。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載のいずれかの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を特徴とする。
別の態様では、本発明は、がんを治療する方法であって、それを必要とするヒトに、医薬組成物で有効量の本明細書に記載のいずれかの化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を特徴とする。
複数の実施形態では、がんは、肺がんである。
複数の実施形態では、がんは、非小細胞肺がんである。
複数の実施形態では、がん(例えば、非小細胞肺がんなどの肺がん)は、EGFR駆動型がんである。
複数の実施形態では、がん(例えば、非小細胞肺がんなどの肺がん)は、EGFR変異を特徴とする。
定義
本発明をより容易に理解するために、ある特定の用語が最初に以下に定義される。以下の用語及び他の用語に対する追加の定義は、本明細書全体を通して記載される。背景技術を説明し、かつその実施に関する追加の詳細を提供するために本明細書に参照される刊行物及び他の参照資料は、参照により本明細書に組み込まれる。
動物:本明細書で使用される場合、「動物」という用語は、動物界の任意のメンバーを指す。いくつかの実施形態では、「動物」とは、任意の発育段階にあるヒトを指す。いくつかの実施形態では、「動物」とは、任意の発育段階にある非ヒト動物を指す。ある特定の実施形態では、非ヒト動物は、哺乳動物(例えば、齧歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類、及び/又はブタ)である。いくつかの実施形態では、動物には、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚、昆虫、及び/又は寄生虫が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、動物は、トランスジェニック動物、遺伝子操作された動物、及び/又はクローンであり得る。
およそ又は約:本明細書で使用される場合、「およそ」又は「約」という用語は、1つ以上の対象とする値に適用される場合、記載された基準値に類似した値を指す。ある特定の実施形態では、「およそ」又は「約」という用語は、別途記載されない限り、又は文脈から明らかでない限り、記載された基準値のいずれかの方向(より大きい又はより小さい)に、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、又はそれ以下の範囲以内にある値の範囲を指す(かかる数が可能性のある値の100%を超える場合を除く)。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、組成物への言及は、2つ以上のかかる組成物の混合物を含む。
本明細書の説明及び特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」という単語及びその単語の他の形態、例えば、「含む(comprising)」及び「含む(comprises)」とは、例えば、他の付加物、構成要素、整数、又はステップを含むことを意味するが、これらに限定されず、それらを除外するようには意図されていない。
「任意選択的な」又は「任意選択的に」とは、後述の事象又は状況が生じる場合も生じない場合もあることを意味し、この記述が、その事象又は状況が生じる事例及び生じない事例を含むことを意味する。
改善、増加、又は減少:本明細書で使用される場合、「改善」、「増加」、若しくは「減少」という用語、又は文法上の等価物は、本明細書に記載の治療の開始前の同じ個体の測定値、又は本明細書に記載の治療の不在下での対照対象(又は複数の対照対象)の測定値などの、ベースライン測定値と比較した値を意味する。「対照対象」とは、治療される対象と同じ型の疾患に罹患している対象であり、治療される対象とほぼ同じ年齢である。
インビトロ:本明細書で使用される場合、「インビトロ」という用語は、多細胞生物内ではなく、人工環境、例えば、試験管又は反応容器内、細胞培養下などで生じる事象を指す。
インビボ:本明細書で使用される場合、「インビボ」という用語は、ヒト及び非ヒト動物などの多細胞生物内で生じる事象を指す。細胞に基づく系の文脈では、この用語は、(例えば、インビトロ系とは対照的に)生きている細胞内で生じる事象を指すために使用され得る。
患者:本明細書で使用される場合、「患者」又は「対象」という用語は、例えば、実験、診断、予防、美容、及び/又は治療目的のために、提供される組成物が投与され得る任意の生物を指す。典型的な患者としては、動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、及び/又はヒトなどの哺乳動物)が挙げられる。いくつかの実施形態では、患者は、ヒトである。ヒトには、出生前形態及び出生後形態が含まれる。
薬学的に許容される:本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、正しい医学的判断の範囲内で、合理的な利益/リスク比に相応する、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、又は他の問題若しくは合併症なしに、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに好適な物質を指す。したがって、「薬学的に許容される」は、生物学的に又は別様に望ましくない物質に関し、すなわち、この物質は、臨床的に許容されない生物学的効果を引き起こすことなく、又はそれが含まれる医薬組成物の他の成分のいずれとも有害な様式で相互作用することなく、関連する活性化合物とともに個体に投与することができる。
薬学的に許容される塩:薬学的に許容される塩は、当該技術分野で周知である。例えば、S.M.Berge et al.は、J.Pharmaceutical Sciences(1977)66:1-19において薬学的に許容される塩を詳細に説明している。本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、好適な無機酸及び有機酸並びに無機塩基及び有機塩基に由来するものが含まれる。薬学的に許容される非毒性酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸などの無機酸と形成されるか、又は酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、若しくはマロン酸などの有機酸と形成されるか、又はイオン交換などの当該技術分野で使用されている他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基に由来する塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、及びN(C1-4-アルキル)塩が挙げられる。代表的なアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。更なる薬学的に許容される塩には、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩、及びアリールスルホン酸塩などの対イオンを使用して形成される非毒性アンモニウムカチオン、四級アンモニウムカチオン、及びアミンカチオンが含まれる。更なる薬学的に許容される塩としては、適切な求電子剤、例えば、ハロゲン化アルキルを使用して四級化アルキル化アミノ塩を形成する、アミンの四級化から形成される塩が挙げられる。
対象:本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、ヒト又は任意の非ヒト動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマ、又は霊長類)を指す。ヒトには、出生前形態及び出生後形態が含まれる。多くの実施形態では、対象は、ヒトである。対象は、患者とすることができ、患者とは、疾患の診断又は治療のために医療提供者を受診するヒトを指す。「対象」という用語は、本明細書で「個体」又は「患者」と互換的に使用される。対象は、疾患若しくは障害に罹患しているか、又はそれに感受性を示す可能性があるが、その疾患若しくは障害の症状を呈する場合も呈さない場合もある。
実質的に:本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、対象とする特徴又は特性の全て若しくはほぼ全ての範囲又は程度を呈する質的状態を指す。生物学の当業者であれば、生物学的現象及び化学的現象が、例え起こったとしても、完了すること及び/若しくは完全性に向かうこと又は絶対的な結果を達成する若しくは回避することはめったにないことを理解するであろう。したがって、「実質的に」という用語は、多くの生物学的現象及び化学的現象に固有の完全性の潜在的な欠如を捕捉するために本明細書で使用される。
治療有効量:本明細書で使用される場合、治療剤の「治療有効量」という用語は、疾患、障害、及び/又は状態に罹患しているか、又はそれに感受性を示す対象に投与された場合、その疾患、障害、及び/又は状態の症状を治療する、診断する、予防する、及び/又はその発症を遅らせるのに十分な量を意味する。当業者であれば、治療有効量が、典型的には、少なくとも1つの単位用量を含む投与レジメンにより投与されることを理解するであろう。
治療:本明細書で使用される場合、「治療する(treat)」、「治療(treatment)」、又は「治療すること(treating)」という用語は、特定の疾患、障害、及び/又は状態の1つ以上の症状又は特徴を部分的に又は完全に緩和する、改善する、軽減する、抑制する、予防する、その発症を遅らせる、その重症度を低下させる、及び/又はその発生率を低下させるために使用される任意の方法を指す。治療は、疾患に関連する病理を発症するリスクを減少させる目的のために疾患の兆候を呈さない及び/又は疾患の早期兆候のみを呈する対象に投与され得る。
ある用語(例えば、アルキル若しくはアリール)又はそれらの接頭辞根(例えば、アルキ(alk-)若しくはアリ(ar-))のいずれかが置換基の名前に現れる場合は常に、その名前が本明細書に提供される制限を含むと解釈されるべきである。例えば、接尾辞「-エン」をある基に付加することにより、その基が二価部分であることが示され、例えば、アリーレンはアリールの二価部分であり、ヘテロアリーレンはヘテロアリールの二価部分であり、シクロアルキレンはシクロアルキルの二価部分であり、ヘテロシクロアルキレンはヘテロシクロアルキルの二価部分であり、又は又はヘテロサイクレン(heterocyclelene)はヘテロシクリルの二価部分である。同様に、接尾辞「-オキシ」をある基に付加することにより、その基が酸素原子(-O-)を介して親分子構造に結合していることが示される。
脂肪族:本明細書で使用される場合、脂肪族という用語は、炭化水素を指し、飽和炭化水素及び不飽和炭化水素の両方を含む。脂肪族は、直鎖状、分岐状、又は環状であり得る。例えば、C-C20脂肪族は、C-C20アルキル(例えば、直鎖状又は分岐状C-C20飽和アルキル)、C-C20アルケニル(例えば、直鎖状又は分岐状C-C20ジエニル、直鎖状又は、分岐状C-C20トリエニルなど)、及びC-C20アルキニル(例えば、直鎖状又は分岐状C-C20アルキニル)を含み得る。C-C20脂肪族は、C-C20環状脂肪族(例えば、C-C20シクロアルキル、C-C20シクロアルケニル、又はC-C20シクロアルキニル)を含み得る。ある特定の実施形態では、脂肪族は、1つ以上の環状脂肪族、及び/又は酸素、窒素、若しくは硫黄などの1つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、アルキル、ハロ、アルコキシル、ヒドロキシ、アミノ、アリール、エーテル、エステル、又はアミドなどの1つ以上の置換基で任意選択的に置換されてもよい。脂肪族基は、非置換であるか、又は本明細書に記載の1つ以上の置換基で置換される。例えば、脂肪族は、ハロゲン、-COR’、-COH、-COR’、-CN、-OH、-OR’、-OCOR’、-OCOR’、-NH、-NHR’、-N(R’)、-SR’又は-SOR’の1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、又は6個の独立して選択される置換基)で置換されてもよく、式中、R’の各例は独立して、C-C20脂肪族(例えば、C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、又はC-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、R’は独立して、非置換アルキル(例えば、非置換C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、又はC-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、R’は独立して、非置換C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、脂肪族は、非置換である。いくつかの実施形態では、脂肪族は、いかなるヘテロ原子も含まない。
アルキル:本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、非環式直鎖状及び分岐状炭化水素基を指し、例えば、「C-C20アルキル」とは、1~20個の炭素を有するアルキル基を指し、「C-Cアルキル」とは、1~4個の炭素を有するアルキル基を指す。アルキル基には、C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、C-Cアルキル、及びC-Cアルキルが含まれる)。複数の実施形態では、アルキル基は、C-Cアルキルである。アルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチルヘキシル、イソヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。「低級アルキル」という用語は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基直鎖状又は分岐状アルキルを意味する。他のアルキル基は、本開示の利益を考慮すると、当業者には容易に明らかであろう。アルキル基は、非置換であっても、又は本明細書に記載の1つ以上の置換基で置換されてもよい。例えば、アルキル基は、ハロゲン、-COR’、-COH、-COR’、-CN、-OH、-OR’、-OCOR’、-OCOR’、-NH、-NHR’、-N(R’)、-SR’又は-SOR’の1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、又は6個の独立して選択される置換基)で置換されてもよく、式中、R’の各例は独立して、C-C20脂肪族(例えば、C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、C-Cアルキル、又はC-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、R’は独立して、非置換アルキル(例えば、非置換C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、又はC-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、R’は独立して、非置換C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、アルキルは、(例えば、本明細書に記載の1、2、3、4、5、又は6個の置換基で)置換されている。いくつかの実施形態では、アルキル基は、-OH基で置換され、本明細書で「ヒドロキシアルキル」基と称される場合もあり、ここで、接頭辞は-OH基を意味し、「アルキル」は本明細書に記載されるとおりである。いくつかの実施形態では、アルキル基は、-OR’基で置換されている。
アルキレン:本明細書で使用される「アルキレン」という用語は、飽和二価直鎖又は分岐鎖炭化水素基を表し、メチレン、エチレン、プロピレンなどによって例示される。同様に、本明細書で使用される「アルケニレン」という用語は、鎖に沿った任意の安定点で生じ得る1つ以上の不飽和炭素-炭素二重結合を有する不飽和二価直鎖又は分岐鎖炭化水素基を表し、本明細書における「アルキニレン」という用語は、鎖に沿って任意の安定点で生じ得る1つ以上の不飽和炭素-炭素三重結合を有する不飽和二価直鎖又は分岐鎖炭化水素基を表す。ある特定の実施形態では、アルキレン基、アルケニレン基、又はアルキニレン基は、1つ以上の環状脂肪族、及び/又は酸素、窒素、若しくは硫黄などの1つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、アルキル、ハロ、アルコキシル、ヒドロキシ、アミノ、アリール、エーテル、エステル、又はアミドなどの1つ以上の置換基で任意選択的に置換されてもよい。例えば、アルキレン、アルケニレン、又はアルキニレンは、ハロゲン、-COR’、-COH、-COR’、-CN、-OH、-OR’、-OCOR’、-OCOR’、-NH、-NHR’、-N(R’)、-SR’又は-SOR’の1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、又は6個の独立して選択される置換基)で置換されてもよく、式中、R’の各例は独立して、C-C20脂肪族(例えば、C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、又はC-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、R’は独立して、非置換アルキル(例えば、非置換C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、又はC-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、R’は独立して、非置換C-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、アルキレン、アルケニレン、又はアルキニレンは、非置換である。ある特定の実施形態では、アルキレン、アルケニレン、又はアルキニレンは、いかなるヘテロ原子も含まない。
アルケニル:本明細書で使用される場合、「アルケニル」とは、鎖に沿った任意の安定点で発生し得る1つ以上の不飽和炭素-炭素二重結合を有する任意の直鎖状又は分岐状炭化水素鎖を意味し、例えば、「C-C20アルケニル」とは、2~20個の炭素を有するアルケニル基を指す。例えば、アルケニル基には、プロパ-2-エニル、ブタ-2-エニル、ブタ-3-エニル、2-メチルプロパ-2-エニル、ヘキサ-2-エニル、ヘキサ-5-エニル、2,3-ジメチルブタ-2-エニルなどが含まれる。いくつかの実施形態では、アルケニルは、1つ、2つ、又は3つの炭素-炭素二重結合を含む。いくつかの実施形態では、アルケニルは、単一の炭素-炭素二重結合を含む。いくつかの実施形態では、複数(例えば、2つ又は3つ)の二重結合が共役される。アルケニル基は、非置換であっても、又は本明細書に記載の1つ以上の置換基で置換されてもよい。例えば、アルケニル基は、ハロゲン、-COR’、-COH、-COR’、-CN、-OH、-OR’、-OCOR’、-OCOR’、-NH、-NHR’、-N(R’)、-SR’又は-SOR’の1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、又は6個の独立して選択される置換基)で置換されてもよく、式中、R’の各例は独立して、C-C20脂肪族(例えば、C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、又はC-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、R’は独立して、非置換アルキル(例えば、非置換C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、又はC-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、R’は独立して、非置換C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、アルケニルは、非置換である。いくつかの実施形態では、アルケニルは、(例えば、本明細書に記載の1、2、3、4、5、又は6個の置換基で)置換されている。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、-OH基で置換され、本明細書で「ヒドロキシアルケニル」基と称される場合もあり、ここで、接頭辞は-OH基を意味し、「アルケニル」は本明細書に記載されるとおりである。
アルキニル:本明細書で使用される場合、「アルキニル」とは、鎖に沿った任意の安定点で生じる1つ以上の炭素-炭素三重結合を有する直鎖状立体配置又は分岐状立体配置のいずれかの任意の炭化水素鎖を意味し、例えば、「C-C20アルキニル」とは、2~20個の炭素を有するアルキニル基を指す。アルキニル基の例としては、プロパ-2-イニル、ブタ-2-イニル、ブタ-3-イニル、ペンタ-2-イニル、3-メチルペンタ-4-イニル、ヘキサ-2-イニル、ヘキサ-5-イニルなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、アルキニルは、1つの炭素-炭素三重結合を含む。アルキニル基は、非置換であっても、又は本明細書に記載の1つ以上の置換基で置換されてもよい。例えば、アルキニル基は、ハロゲン、又は-COR’、-COH、-COR’、-CN、-OH、-OR’、-OCOR’、-OCOR’、-NH、-NHR’、-N(R’)、-SR’又は-SOR’の1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、又は6個の独立して選択される置換基)で置換されてもよく、式中、R’の各例は独立して、C-C20脂肪族(例えば、C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、又はC-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、R’は独立して、非置換アルキル(例えば、非置換C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、又はC-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、R’は独立して、非置換C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、アルキニルは、非置換である。いくつかの実施形態では、アルキニルは、(例えば、本明細書に記載の1、2、3、4、5、又は6個の置換基で)置換されている。
アルコキシ:「アルコキシ」という用語は、酸素を介して親分子構造に結合している、直鎖状立体配置、分岐状立体配置、飽和環状立体配置、及びそれらの組み合わせの1~10個の炭素原子を含む基-O-アルキルを指す。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t-ブトキシ、ペントキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられる。「低級アルコキシ」とは、1~6個の炭素を含むアルコキシ基を指す。いくつかの実施形態では、C1-4アルコキシは、1~4個の炭素原子を有する直鎖アルキル及び分岐鎖アルキルの両方を包含するアルコキシ基である。本明細書に別途記載されない限り、アルコキシ基は、1つ以上の置換基(例えば、アルキルについて本明細書に記載されるもの)によって任意選択的に置換され得る。「アルケノキシ」及び「アルキノキシ」という用語は、上記の「アルコキシ」の記述を反映し、ここで、接頭辞「アルケ又はアルキ(alk)」は、それぞれ、「アルケン(alken)」又は「アルキン(alkyn)」で置き換えられ、親「アルケニル」又は親「アルキニル」という用語は、本明細書に記載されるとおりである。
アミド:「アミド(amide)」又は「アミド(amido)」という用語は、式C(O)N(R’)、-C(O)N(R’)-、-NR’C(O)R’、又は-NR’C(O)-を有する化学部分を指し、式中、各R’は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル(鎖炭素を介して結合する)、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール(環炭素を介して結合する)、ヘテロアリールアルキル、又はヘテロシクロアルキル(環炭素を介して結合する)から選択され、本明細書に別途記載されない限り、その部分は各々、それ自体が本明細書に記載されるように任意選択的に置換され得るか、又は2つのR’が窒素原子と結合して、3員、4員、5員、6員、若しくは7員環を形成することができる。
ウレイド:「ウレイド」という用語は、式-NR’C(O)NR’-を有する化学部分を指し、式中、各R’は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル(鎖炭素を介して結合する)、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール(環炭素を介して結合する)、ヘテロアリールアルキル、又はヘテロシクロアルキル(環炭素を介して結合する)から選択され、本明細書に別途記載されない限り、その部分は各々、それ自体が本明細書に記載されるように任意選択的に置換され得るか、又は2つのR’が窒素原子と結合して、3員、4員、5員、6員、若しくは7員環を形成することができる。
アミノ:「アミノ」又は「アミン」という用語は、-N(R’)基を指し、式中、各R’は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル(鎖炭素を介して結合する)、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール(環炭素を介して結合する)、ヘテロアリールアルキル、又はヘテロシクロアルキル(環炭素を介して結合する)から選択され、本明細書に別途記載されない限り、その部分は各々、それ自体が本明細書に記載されるように任意選択的に置換され得るか、又は2つのR’が窒素原子と結合して、3員、4員、5員、6員、若しくは7員環を形成することができる。複数の実施形態では、アミノ基は、-NHR’であり、式中、R’が、アリール(「アリールアミノ」)、ヘテロアリール(「ヘテロアリールアミノ」)、又はアルキル(「アルキルアミノ」)である。
アリール:単独で、又は「アラルキル」にあるようなより大きい部分の一部として使用される「アリール」という用語は、合計6~14個の環員を有する単環式、二環式、又は三環式炭素環式環系を指し、当該環系は、分子の残り部分への結合点を1つ有し、系中の少なくとも1つの環が芳香族であり、系中の各々の環が4~7個の環員を含む。いくつかの実施形態では、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「Cアリール」、例えば、フェニル)。いくつかの実施形態では、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」、例えば、1-ナフチル及び2-ナフチルなどのナフチル)。いくつかの実施形態では、アリール基は、14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」、例えば、アントラシル)。「アリール」は、上で定義されるように、アリール環が1つ以上のカルボシクリル基又はヘテロシクリル基と縮合する環系も含み、ここで、ラジカル又は結合点がアリール環上にあり、かかる事例では、炭素原子の数は、アリール環系内の炭素原子の数を示し続ける。例示的なアリールとしては、フェニル、ナフチル、及びアントラセンが挙げられる。
アリールアルキル:「アリールアルキル」という用語は、アリール及びアルキレンが本明細書に開示されるとおりであり、本明細書に記載の例示的な置換基のうちの1つ以上によって任意選択的に置換される、-(アルキレン)-アリールラジカルを指す。「アリールアルキル」基は、アルキレン部分を介して親分子構造に結合している。「アリールアルコキシ」という用語は、酸素を介して親分子構造に結合している-O-[アリールアルキル]ラジカル(-O-[(アルキレン)-アリール])を指す。
アリーレン:本明細書で使用される「アリーレン」という用語は、二価である(すなわち、分子への結合点を2つ有する)アリール基を指す。例示的なアリーレンとしては、フェニレン(例えば、非置換フェニレン又は置換フェニレン)が挙げられる。
環状:本明細書で使用される場合、「環状」という用語は、任意の共有結合的に閉じた構造を指す。環状部分としては、例えば、炭素環(例えば、アリール及びシクロアルキル)、複素環(例えば、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキル)、芳香族(例えば、アリール及びヘテロアリール)、及び非芳香族(例えば、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキル)が挙げられる。いくつかの実施形態では、環状部分は、任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、環状部分は、環系の一部を形成する。
脂環式:「脂環式」という用語は、炭素及び水素のみを含み、かつ飽和又は部分不飽和であり得る単環式又は多環式ラジカルを指す。完全飽和脂環式基は、「シクロアルキル」と呼ぶことができる。部分不飽和シクロアルキル基は、炭素環が少なくとも1つの二重結合を含む場合、「シクロアルケニル」と呼ぶことができ、炭素環が少なくとも1つの三重結合を含む場合、「シクロアルキニル」と呼ぶことができる。脂環式基としては、3~13個の環原子を有する基(例えば、C3-13シクロアルキル)が挙げられる。本明細書に現れる場合は常に、「3~10」などの数値範囲は、所与の範囲の各整数を指し、例えば、「3~10個の炭素原子」とは、脂環式基(例えば、シクロアルキル)が、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子など、最大10個(10個を含む)までの炭素原子からなり得ることを意味する。「脂環式」という用語は、ヘテロ原子を含まない架橋及びスピロ縮合環状構造も含む。この用語は、単環式又は縮合環多環式(すなわち、環原子の隣接する対を共有する環)基も含む。多環式脂環式基には、二環、三環、四環などが含まれる。いくつかの実施形態では、「シクロアルキル」は、C3-8シクロアルキル基とすることができる。いくつかの実施形態では、「シクロアルキル」は、C3-5シクロアルキル基とすることができる。脂環式基の例示的な例としては、以下の部分が挙げられるが、これらに限定されない。C3-6脂環式基としては、シクロプロピル(C)、シクロブチル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)などが挙げられるが、これらに限定されない。C3-7脂環式基の例としては、ノルボルニル(C)が挙げられる。C3-8脂環式基の例としては、前述のC3-7カルボシクリル基、並びにシクロヘプチル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニルなどが挙げられる。C3-13脂環式基の例としては、前述のC3-8カルボシクリル基、並びにオクタヒドロ-1Hインデニル、デカヒドロナフタレニル、スピロ[4.5]デカニルなどが挙げられる。
シアノ:「シアノ」という用語は、-CN基を指す。
重水素:「重水素(deuterium)」という用語は、重水素(heavy hydrogen)とも呼ばれる。重水素は、水素の同位体であり、1つの陽子及び1つの中性子からなる核を有し、これは通常の水素(1つの陽子)の核の質量の2倍である。複数の実施形態では、重水素は、Hと特定することもできる。
エステル:「エステル」という用語は、式-C(O)OR’又は-R’OC(O)-の基を指し、式中、R’が、本明細書に記載のアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル(鎖炭素を介して結合する)、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、又はヘテロシクロアルキルから選択される。
ハロゲン又はハロ:本明細書で使用される場合、「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。
ヘテロアルキル:ヘテロアルキルという用語は、N、O、S、及びPからなる群から独立して選択される1個、2個、3個、又は4個のヘテロ原子に加えて、1~14個の炭素原子を有する分岐状又は非分岐状アルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基を意味する。ヘテロアルキルには、三級アミン、二級アミン、エーテル、チオエーテル、アミド、チオアミド、カルバメート、チオカルバメート、ヒドラゾン、イミン、ホスホジエステル、ホスホラミデート、スルホンアミド、及びジスルフィドが含まれる。ヘテロアルキル基は、単環式、二環式、又は三環式環を任意選択的に含み得、これらの環は各々、3~6員を有することが望ましい。ヘテロアルキルの例としては、メトキシメチル及びエトキシエチルなどのポリエーテルが挙げられる。したがって、「ヘテロアルコキシ」という用語は、酸素を介して親分子構造に結合している-O-ヘテロアルキル基を指す。
ヘテロアルキレン:本明細書で使用される「ヘテロアルキレン」という用語は、本明細書に記載のヘテロアルキル基の二価形態を表す。
ヘテロアリール:本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、合計6~14個の環員を有する単環式、二環式、又は三環式炭素環式環系を指し、当該環系は、分子の残り部分への結合点を1つ有し、系中の少なくとも1つの環が芳香族であり、系中の各々の環が4~7個の環員を含み、少なくとも1つの環原子が窒素、酸素、又は硫黄などであるが、これらに限定されないヘテロ原子である。ヘテロアリール基の例は、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、及びフロピリジニルである。N含有ヘテロアリールという用語は、環系に少なくとも1つの窒素を含むヘテロアリール基(例えば、1、2、又は3個の窒素原子を含むヘテロアリール)を指す。したがって、「ヘテロアリールオキシ」という用語は、酸素を介して親分子構造に結合している-O-ヘテロアリール基を指す。
ヘテロアリーレン:本明細書で使用される「ヘテロアルキレン」という用語は、本明細書に記載のヘテロアリール基の二価形態を表す。
ヘテロアリールアルキル:「ヘテロアリールアルキル」という用語は、ヘテロアリール及びアルキレンが本明細書に開示されるとおりであり、本明細書に記載の例示的な置換基のうちの1つ以上によって任意選択的に置換される、-(アルキレン)-ヘテロアリールラジカルを指す。「ヘテロアリールアルキル」基は、アルキレン部分を介して親分子構造に結合している。「ヘテロアリールアルコキシ」という用語は、酸素を介して親分子構造に結合している-O-[ヘテロアリールアルキル]ラジカル(-O-[(アルキレン)-ヘテロアリール])を指す。
ヘテロシクロアルキル:本明細書で使用される「ヘテロシクロアルキル」という用語は、少なくとも1つの原子が、窒素、酸素、硫黄、又はリンなどであるが、これらに限定されないヘテロ原子であり、残りの原子が炭素である、非芳香族環である。ヘテロシクロアルキル基の例は、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、インドリニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、3H-インドリル、及びキノリジニルである。ヘテロシクロアルキル基は、置換又は非置換であり得る。
複素環:「複素環」又は「ヘテロシクリル」という用語は、本明細書で使用されるヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルを指し、各々O、S、及びNから選択される1~4個のヘテロ原子を含む基を指し、各複素環基は、その環系に4~10個の原子を有するが、但し、当該基の環が2個の隣接するO又はS原子を含まないことを条件とする。本明細書において、複素環中の炭素原子の数(例えば、C-C-複素環)が指示される場合は常に、少なくとも1個の他の原子(ヘテロ原子)が環に存在しなければならない。「C-C複素環」などの指定は、環中の炭素原子の数のみを指し、環中の原子の総数を指すものではない。いくつかの実施形態では、複素環が環中に追加のヘテロ原子を有することが理解される。「4~6員複素環」などの指定は、環に含まれる原子の総数を指す(すなわち、少なくとも1個の原子が炭素原子であり、少なくとも1個の原子がヘテロ原子であり、残りの2~4個の原子が炭素原子又はヘテロ原子のいずれかである、4、5、又は6員環)。いくつかの実施形態では、2個以上のヘテロ原子を有する複素環中で、これらの2個以上のヘテロ原子は、互いに同じであるか、又は異なる。いくつかの実施形態では、複素環は、任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、複素環への結合は、ヘテロ原子に存在するか、又は炭素原子を介する。ヘテロシクロアルキル基には、それらの環系に4個の原子のみを有する基が含まれるが、ヘテロアリール基は、それらの環系に少なくとも5個の原子を有しなければならない。複素環基には、ベンゾ縮合環系が含まれる。4員複素環基の例は、アゼチジニル(アゼチジンに由来する)である。5員複素環基の例は、チアゾリルである。6員複素環基の例は、ピリジルであり、10員複素環基の例は、キノリニルである。いくつかの実施形態では、上に列記された基に由来する上述の基は、可能な場合、C結合又はN結合である。例えば、いくつかの実施形態では、ピロールに由来する基は、ピロール-1-イル(N結合)又はピロール-3-イル(C結合)である。更に、いくつかの実施形態では、イミダゾールに由来する基は、イミダゾール-1-イル若しくはイミダゾール-3-イル(いずれもN結合)、又はイミダゾール-2-イル、イミダゾール-4-イル、若しくはイミダゾール-5-イル(全てC結合)である。複素環基には、ベンゾ縮合環系、及びピロリジン-2-オンなどの1つ又は2つのオキソ(=O)部分で置換される環系が含まれる。いくつかの実施形態では、構造に応じて、複素環基は、モノラジカル又はジラジカル(すなわち、ヘテロサイクレン(heterocyclene)基)である。本明細書に記載の複素環は、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルチオ、アルキルチオアルキル、アリール、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキレン、メルカプト、ニトロ、アミノ、及びアミド部分から独立して選択される0、1、2、3、又は4個の置換基で置換される。
同位体:「同位体」という用語は、中性子数、ひいては核子数が異なる特定の化学元素のバリアントを指す。所与の元素の全ての同位体は、同じ数の陽子を有するが、各原子に異なる数の中性子を有する。
ニトロ:「ニトロ」という用語は、-NO基を指す。
スルホンアミド:「スルホンアミド(sulfonamide)」又は「スルホンアミド(sulfonamido)」という用語は、以下の基:-S(=O)-(R’)、-N(R’)-S(=O)-R’、-S(=O)-N(R’)-、又は-N(R’)-S(=O)-を指し、式中、各Rは独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル(鎖炭素を介して結合する)、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール(環炭素を介して結合する)、ヘテロアリールアルキル、又はヘテロシクロアルキル(環炭素を介して結合する)から選択され、本明細書に別途記載されない限り、その部分は各々、それ自体が本明細書に記載されるように任意選択的に置換され得るか、又は2つのR’が窒素原子と結合して、3員、4員、5員、6員、若しくは7員環を形成することができる。
窒素保護基:ある特定の実施形態では、窒素原子上に存在する置換基は、窒素保護基(アミノ保護基又はN-保護基とも称される)である。窒素保護基は、当該技術分野で周知であり、参照により本明細書に組み込まれる、Protecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,3rd edition,John Wiley & Sons,1999に詳細に記載されるものを含む。
例えば、アミド基(例えば、-C(=O)Raa)などの窒素保護基には、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3-フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3-ピリジルカルボキサミド、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p-フェニルベンズアミド、o-ニトロフェニルアセトアミド、o-ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’-ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3-(p-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3-(o-ニトロフェニル)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4-クロロブタンアミド、3-メチル-3-ニトロブタンアミド、o-ニトロシンアミド、N-アセチルメチオニン誘導体、o-ニトロベンズアミド、及びo-(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドが含まれるが、これらに限定されない。
カルバメート基(例えば、-C(=O)ORaa)などの窒素保護基には、メチルカルバメート、エチルカルバメート、9-フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9-(2-スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9-(2,7-ジブロモ)フルオロエニルメチルカルバメート、2,7-ジ-t-ブチル-[9-(10,10-ジオキソ-10,10,10,10-テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD-Tmoc)、4-メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2-トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2-トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2-フェニルエチルカルバメート(hZ)、1-(1-アダマンチル)-1-メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1-ジメチル-2-ハロエチルカルバメート、1,1-ジメチル-2,2-ジブロモエチルカルバメート(DB-t-BOC)、1,1-ジメチル-2,2,2-トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1-メチル-1-(4-フェニルイル)エチルカルバメート(Bpoc)、1-(3,5-ジ-t-ブチルフェニル)-1-メチルエチルカルバメート(t-Bumeoc)、2-(2’-及び4’-ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2-(N,N-ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t-ブチルカルバメート(BOC)、1-アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1-イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4-ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8-キノリルカルバメート、N-ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p-メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p-ニトベンジルカルバメート、p-ブロモベンジルカルバメート、p-クロロベンジルカルバメート、2,4-ジクロロベンジルカルバメート、4-メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9-アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2-メチルチオエチルカルバメート、2-メチルスルホニルエチルカルバメート、2-(p-トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2-(1,3-ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4-メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4-ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2-ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2-トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1-ジメチル-2-シアノエチルカルバメート、m-クロロ-p-アシルオキシベンジルカルバメート、p-(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5-ベンズイソオキサゾリルメチルカルバメート、2-(トリフルオロメチル)-6-クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m-ニトロフェニルカルバメート、3,5-ジメトキシベンジルカルバメート、o-ニトロベンジルカルバメート、3,4-ジメトキシ-6-ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o-ニトロフェニル)メチルカルバメート、t-アミルカルバメート、S-ベンジルチオカルバメート、p-シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p-デシルオキシベンジルカルバメート、2,2-ジメトキシアシルビニルカルバメート、o-(N,N-ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1-ジメチル-3-(N,N-ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1-ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2-ピリジル)メチルカルバメート、2-フラニルメチルカルバメート、2-ヨードエチルカルバメート、イソボルニルカルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p-(p’-メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1-メチルシクロブチルカルバメート、1-メチルシクロヘキシルカルバメート、1-メチル-l-シクロプロピルメチルカルバメート、1-メチル-1(3,5-ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1-メチル-1-(p-フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1-メチル-l-フェニルエチルカルバメート、1-メチル-1-(4-ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p-(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6-トリ-t-ブチルフェニルカルバメート、4-(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、及び2,4,6-トリメチルベンジルカルバメートが含まれるが、これらに限定されない。
スルホンアミド基(例えば、-S(=O)aa)などの窒素保護基には、p-トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,-トリメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6-トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6-ジメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6-テトラメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6-ジメトキシ-4-メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β-トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9-アントラセンスルホンアミド、4-(4’,8’-ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、及びフェナシルスルホンアミドが含まれるが、これらに限定されない。
他の窒素保護基には、フェノチアジニル-(10)-アシル誘導体、N’-p-トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’-フェニルアミノチオアシル誘導体、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N-アセチルメチオニン誘導体、4,5-ジフェニル-3-オキサゾリン-2-オン、N-フタルイミド、N-ジチアスクシンイミド(Dts)、N-2,3-ジフェニルマレイミド、N-2,5-ジメチルピロール、N-1,1,4,4-テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5置換1,3-ジメチル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、5置換1,3-ジベンジル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、1置換3,5-ジニトロ-4-ピリドン、N-メチルアミン、N-アリルアミン、N-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N-3-アセトキシプロピルアミン、N-(1-イソプロピル-4-ニトロ-2-オキソ-3-ピローリン-3-イル)アミン、四級アンモニウム塩、N-ベンジルアミン、N-ジ(4-メトキシフェニル)メチルアミン、N-5-ジベンゾスベリルアミン、N-トリフェニルメチルアミン(Tr)、N-[(4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N-9-フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N-2,7-ジクロロ-9-フルオレニルメチレンアミン、N-フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N-2-ピコリルアミノN’-オキシド、N-1,1-ジメチルチオメチレンアミン、N-ベンジリデンアミン、N-p-メトキシベンジリデンアミン、N-ジフェニルメチレンアミン、N-[(2-ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N-(N’,N’-ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’-イソプロピリデンジアミン、N-p-ニトロベンジリデンアミン、N-サリチリデンアミン、N-5-クロロサリチリデンアミン、N-(5-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N-シクロヘキシリデンアミン、N-(5,5-ジメチル-3-オキソ-l-シクロヘキセニル)アミン、N-ボラン誘導体、N-ジフェニルボリン酸誘導体、N-[フェニル(ペンタアシルクロム又はタングステン)アシル]アミン、N-銅キレート、N-亜鉛キレート、N-ニトロアミン、N-ニトロソアミン、アミンN-オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミデート、ジベンジルホスホロアミデート、ジフェニルホスホロアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o-ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4-ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2-ニトロ-4-メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、及び3-ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)が含まれるが、これらに限定されない。
部分:「部分」という用語は、分子の特定のセグメント又は官能基を指す。化学部分は、多くの場合、分子に埋め込まれた又は分子に付加された、認識された化学実体である。
本明細書の分子基は、(例えば、本明細書に記載されるように)置換であっても非置換であってもよい。「置換」という用語は、指定された基又は部分が1つ以上の置換基を有することを意味し、基原子(例えば、炭素又は窒素原子)上に存在する少なくとも1つの水素が、許容される置換基、例えば、水素の置換時に安定した化合物、例えば、転位、環化、除去、又は他の反応などによって変換を自発的に受けない化合物をもたらす置換基で置き換えられる。「非置換」という用語は、指定された基が置換基を有しないことを意味する。「任意選択的に置換される」という用語は、指定された基が非置換であるか、又は1つ以上の置換基によって置換されることを意味する。「置換」という用語が構造系を説明するために使用される場合、置換は、その系上の任意の原子価許容位置で生じることを意味する。複数の実施形態では、本明細書に記載の基は、置換されている。複数の実施形態では、本明細書に記載の基は、非置換である。特定の部分又は基が、任意の特定の置換基で任意選択的に置換される又はそれで置換されると明示的に記載されない場合、かかる部分又は基が非置換であるよう意図されていることが理解される。
多種多様な置換基が周知であり、それらを形成する方法及びそれらを様々な親基に導入する方法も周知である。代表的な置換基としては、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アルキルアリール、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アリールアルキル、アミノアルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、カルボキシアルキル、イミダゾリルアルキル、インドリルアルキル、モノ、ジ、及びトリハロアルキル、モノ、ジ、及びトリハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ(例えば、-Cl及び-Br)、ニトロ、オキシミノ、-COOR50、-COR50、-SO0-250、-SONR5051、-NR52SO50、=C(R5051)、=N-OR50、=N-CN、=C(halo)、=S、=O、-CON(R5051)、-OCOR50、-OCON(R5051)、-N(R52)CO(R50)、-N(R52)COOR50、-N(R52)CON(R50(R51)、-P(OR50、-P(O)R5051、及び-P(O)OR50OR51が挙げられるが、これらに限定されず、式中、R50、R51、及びR52が独立して以下の、水素原子及び分岐鎖又は直鎖、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C4-6-ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、及びアリール基(置換基を有する又は有しない)から選択され得る。許容される場合、R50とR51が一緒に結合されて、炭素環式又は複素環式環系を形成することができる。
好ましい実施形態では、置換基は、ハロゲン、-COR’、-COH、-COR’、-CN、-OH、-OR’、-OCOR’、-OCOR’、-NH、-NHR’、-N(R’)、-SR’、及び-SOR’から選択され、式中、R’の各例は独立して、C-C20脂肪族(例えば、C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、又はC-Cアルキル)である。そのある特定の実施形態では、R’は独立して、非置換アルキル(例えば、非置換C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、又はC-Cアルキル)である。好ましくは、R’は独立して、非置換C-Cアルキルである。
本明細書に提供されるいずれの式も、構造式によって示される構造を有する化合物、並びにある特定の変形又は形態を表すよう意図されている。具体的には、本明細書に提供されるいずれの式の化合物も、非対称中心を有し得、それ故に、異なるエナンチオマー形態で存在し得る。一般式の化合物の全ての光学異性体及び立体異性体、並びにそれらの混合物は、その式の範囲内であるとみなされる。したがって、本明細書に提供されるいずれの式も、ラセミ体、1つ以上のエナンチオマー形態、1つ以上のジアステレオマー形態、1つ以上のアトロプ異性形態、及びそれらの混合物を表すよう意図されている。更に、ある特定の構造が、幾何異性体(すなわち、シス及びトランス異性体)として、互変異性体として、又はアトロプ異性体として存在し得る。加えて、本明細書に提供されるいずれの式も、かかる化合物の水和物、溶媒和物、及び多形体、並びにそれらの混合物を包含するよう意図されている。
本発明の化合物
有効なEGFR阻害剤であり得る新たな化合物が本明細書に記載される。かかる化合物は、変異型EGFRを特徴とする非小細胞肺がん(NSCLC)などのEGFR駆動型がんを含む様々な疾患及び障害の治療に有用であり得る。
例示的な化合物及び例示的な構造的特徴が本明細書に記載される。
式(I)~(XXIII)の化合物
一態様では、式(I)に従う構造を有する化合物、
Figure 2024517023000049
又はその薬学的に許容される塩であって、式中、
は独立して、N又はCRであり、
及びXの各々は独立して、共有結合、O、S、NR、C(O)NR、NRC(O)、NRC(O)NR,又は(C(Rであり、
は独立して、共有結合、Cヘテロアルキレン、Cアルキレン、Cアルケニレン、Cアルキニレン、C3-6シクロアルキレン、3~10員ヘテロシクリレン、フェニレン、ナフチレン、又は5~10員ヘテロアリーレンであり、
各R及びRは独立して、
Figure 2024517023000050
OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、CアルコキシNR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、若しくは(CH12であるか、又は2つのR若しくは2つのRは、それらが結合している原子と一緒になって5~10員環を形成し、
は独立して、共有結合、O、NR、C(O)、C(O)NR、NRC(O)、CR ;であり、
は独立して、H又はC1-6アルキルであり、
Aは独立して、フェニル、ナフチル、5~13員ヘテロアリール、C-C10脂環式、又は3~10員ヘテロシクリルであり、
Bは独立して、フェニル、ナフチル、5~13員ヘテロアリール、C-C10脂環式、又は3~10員ヘテロシクリルであり、
Cは独立して、5員又は6員ヘテロアリールであり、
各Rは独立して、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR,又は(CH12であり、
各Rは独立して、H、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、NR11(CHNR、(CHNR、(CHOH、(CHOCH、O(CHOH、O(CHOCH、O(CH12,若しくは(CH12であるか、又はR及びR、若しくはR及びRは、それらが結合する原子とともに、5~6員の環を形成し、
各Rは独立して、H、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、又は(CH12であり、
各Rは独立して、H、N-保護基、若しくはC1-6アルキルであるか、又はR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、5~6員環を形成し、
各Rは独立して、H若しくはC1-6アルキルであるか、又は同じ炭素上の2つのRは、結合してオキソ(=O)基を形成するか、又はR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、5~6員環を形成し、
各R、R、及びR11は独立して、H若しくはC1-6アルキルであるか、又はR及びRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3~10員ヘテロシクリルを形成するか、又はR及びR11が、それらが結合している原子と一緒になって、3~10員ヘテロシクリルを形成し、
各R10は独立して、C1-6脂肪族、C-C10脂環式、3~10員ヘテロシクリル、フェニル、ナフチル、若しくは5~12員ヘテロアリールであるか、又はR10及びR11は、それらが結合している原子と一緒になって、3~10員ヘテロシクリルを形成し、
各R12は独立して、C-C10脂環式、3~10員ヘテロシクリル、フェニル、ナフチル、又は5~12員ヘテロアリールであり、
各m、n及びoは独立して、0、1、又は2であり、
各pは独立して、0、1、2、3、又は4であり、
各qは独立して、1又は2であり、
各rは独立して、0~4の整数であり、
各sは独立して、2~6の整数であり、
各tは独立して、1~6の整数である、化合物、又はその薬学的に許容される塩が本明細書に提供される。
複数の実施形態では、各Rは独立して、H、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、NR11(CHNR、(CHNR、若しくは(CH12であるか、又はR及びR、若しくはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成する。
複数の実施形態では、mは、0である。複数の実施形態では、mは、1である。複数の実施形態では、mは、2である。複数の実施形態では、mは、1又は2である。
複数の実施形態では、nは、0である。複数の実施形態では、nは、1である。複数の実施形態では、nは、2である。複数の実施形態では、nは、1又は2である。
複数の実施形態では、mは、0ではない。複数の実施形態では、nは、0ではない。複数の実施形態では、少なくとも1つのm又はnは、0ではない。複数の実施形態では、mは、1であり、nは、0である。複数の実施形態では、nは、1であり、mは、0である。
複数の実施形態では、pは、0である。複数の実施形態では、pは、1である。複数の実施形態では、pは、2である。複数の実施形態では、pは、3である。複数の実施形態では、pは、4である。
複数の実施形態では、Rが存在する。複数の実施形態では、Rが存在する。複数の実施形態では、R及びRのうちの少なくとも1つが存在する。複数の実施形態では、R及びRのうちの1つが存在する。複数の実施形態では、R及びRのうちの1つ以下が存在する。複数の実施形態では、R及びRのうちの1つが存在し、
Figure 2024517023000051
又はハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)である。複数の実施形態では、R及びRのうちの1つが存在し、
Figure 2024517023000052
である。
複数の実施形態では、
Figure 2024517023000053
は存在しない。複数の実施形態では、1つの部分構造A基が存在する。複数の実施形態では、1つ以下の部分構造Aが存在する。複数の実施形態では、2つの部分構造A基が存在する(例えば、同一又は異なる構造を有する2つの部分構造A基)。複数の実施形態では、3つ以上の部分構造A基が存在する(例えば、同一又は異なる構造を有する3つ以上の部分構造A基)。複数の実施形態では、1つ以下の部分構造A基が存在する。
複数の実施形態では、Cは、5員又は6員N含有ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Cは、ピリジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、又はイミダゾリルである。
複数の実施形態では、Aは、ピリジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、又はイミダゾリルである。
複数の実施形態では、Bは、ピリジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、又はイミダゾリルである。
複数の実施形態では、A及びBの各々は、ピラゾリルである。複数の実施形態では、複数の実施形態では、Aは、ピリジル又はピリミジルである。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-A)に従う構造、
Figure 2024517023000054
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、Xは、N又はCRである。
複数の実施形態では、B、R、R、R、L、X、X、X、m、o、及びpは、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従う。
複数の実施形態では、Cは、ピラゾリルである。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-B)に従う構造、
Figure 2024517023000055
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、mは、0又は1である。
複数の実施形態では、B、R、R、R、L、X、X、X、o、及びpは、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従う。
複数の実施形態では、Cは、チアゾリルである。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-C)に従う構造、
Figure 2024517023000056
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、mは、0又は1である。
複数の実施形態では、B、R、R、R、L、X、X、X、o、及びpは、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従う
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(II)に従う構造、
Figure 2024517023000057
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
各Rは独立して、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、又はR12である。
複数の実施形態では、A、B、R、R、R、L、X、X、X、X、m、o、及びpは、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従う。
複数の実施形態では、Rは独立して、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、又はR12である。
複数の実施形態では、式(I)又は式(II)の化合物は、式(II-A)に従う構造、
Figure 2024517023000058
又はその薬学的に許容される塩を有する。
複数の実施形態では、A、B、R、R、R、L、X、X、X、X、m、o、及びpは、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従う。
複数の実施形態では、Xは、共有結合、O、S、NR、C(O)NR、NRC(O)、NRC(O)NR、又は(C(Rである。複数の実施形態では、Xは、Oである。複数の実施形態では、Xは、共有結合、O、S、NR、C(O)NR、NRC(O)、NRC(O)NR、又は(C(Rである。複数の実施形態では、Xは、Oである。複数の実施形態では、X及びXは、同じである。複数の実施形態では、X及びXは、異なる。複数の実施形態では、X及びXは、両方ともOである。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(III)に従う構造、
Figure 2024517023000059
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
各Rは独立して、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、又はR12である。
複数の実施形態では、A、B、R、R、R、L、X、X、X、X、n、o、及びpは、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従う。
複数の実施形態では、各Rは独立して、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、又はR12である。
複数の実施形態では、式(I)又は式(III)の化合物は、式(III-A)に従う構造、
Figure 2024517023000060
又はその薬学的に許容される塩を有する。
複数の実施形態では、A、B、R、R、R、L、X、X、X、X、n、o、及びpは、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従う。
複数の実施形態では、Xは、共有結合、O、S、NR、C(O)NR、NRC(O)、NRC(O)NR、又は(C(Rである。複数の実施形態では、Xは、Oである。複数の実施形態では、Xは、共有結合、O、S、NR、C(O)NR、NRC(O)、NRC(O)NR、又は(C(Rである。複数の実施形態では、Xは、Oである。複数の実施形態では、X及びXは、同じである。複数の実施形態では、X及びXは、異なる。複数の実施形態では、X及びXは、両方ともOである。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IV)に従う構造、
Figure 2024517023000061
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
は、非置換の直鎖状又は分岐状のCアルキレンであり、
Bは、フェニル又は5~6員ヘテロアリールであり、
は、メチル、ハロゲン、又はCNであり、
oは、0又は1であり、
及びRのうちの1つは、部分構造Aとして存在する。
複数の実施形態では、B、R、R、R、L、m、n、及びoは、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従う。
複数の実施形態では、Lは、非置換の直鎖状又は分岐状のCアルキレン(例えば、-(CH-又は-CH(CH)CHCH-)である。
複数の実施形態では、Bは、フェニルである。複数の実施形態では、Bは、置換5~6員ヘテロアリール(例えば、ピラゾリル)である。
複数の実施形態では、Rは、メチル、ハロゲン、又はCNである。複数の実施形態では、Rは、メチルである。
複数の実施形態では、oは、0である。複数の実施形態では、oは、1である。
複数の実施形態では、R及びRのうちの1つが、部分構造Aとして存在する。
複数の実施形態では、式(I)又は式(IV)の化合物は、式(V)に従う構造、
Figure 2024517023000062
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、
は、-(CH-又は-CH(CH)CHCH-である。
複数の実施形態では、R、R、L、m、及びnは、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従う。
複数の実施形態では、Lは、-(CH-である。複数の実施形態では、Lは、-CH(CH)CHCH-である。
複数の実施形態では、R及びRのうちの1つが、部分構造Aとして存在する。
複数の実施形態では、式(I)又は式(V)の化合物は、式(VI-1)又は(VI-2)に従う構造、
Figure 2024517023000063
又はその薬学的に許容される塩を有する。
複数の実施形態では、R及びpは、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従う。
複数の実施形態では、CHで置換されたsp炭素は、(R)-配置を有する。
複数の実施形態では、CHで置換されたsp炭素は、(S)-配置を有する。
複数の実施形態では、式(I)、式(V)、又は式(VI-2)の化合物は、式(VI-3)又は(VI-4)に従う構造、
Figure 2024517023000064
又はその薬学的に許容される塩を有する。
複数の実施形態では、R及びpは、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(I)又は式(V)の化合物は、式(VII-1)又は(VII-2)に従う構造、
Figure 2024517023000065
又はその薬学的に許容される塩を有する。
複数の実施形態では、R及びpは、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従う。
複数の実施形態では、CHで置換されたsp炭素は、(R)-配置を有する。
複数の実施形態では、CHで置換されたsp炭素は、(S)-配置を有する。
複数の実施形態では、式(I)、式(V)、又は式(VII-2)の化合物は、式(VII-3)又は式(VII-4)に従う構造、
Figure 2024517023000066
又はその薬学的に許容される塩を有する。
複数の実施形態では、R及びpは、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(VIII)に従う構造、
Figure 2024517023000067
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R4Aは、第1のR基であり、R4Bは、第2のR基であり、pは、0又は1である。
複数の実施形態では、Rの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。複数の実施形態では、R4A及びR4Bは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(VIII)の化合物は、式(VIII-1)に従う構造、
Figure 2024517023000068
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Bは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(VIII)の化合物は、式(VIII-2)に従う構造、
Figure 2024517023000069
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Bは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(VIII)の化合物は、式(VIII-3)に従う構造、
Figure 2024517023000070
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Bは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(VIII)の化合物は、式(VIII-4)に従う構造、
Figure 2024517023000071
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Bは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(VIII)の化合物は、式(VIII-5)に従う構造、
Figure 2024517023000072
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4Aは、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(VIII)の化合物は、式(VIII-6)に従う構造、
Figure 2024517023000073
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4Aは、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(IX)に従う構造、
Figure 2024517023000074
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R4Aは、第1のR基であり、R4Bは、第2のR基であり、pは、0又は1である。
複数の実施形態では、Rの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。複数の実施形態では、R4A及びR4Bは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
実施形態では、式(IX)の化合物は、式(IX-1)に従う構造、
Figure 2024517023000075
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Bは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(IX)の化合物は、式(IX-2)に従う構造、
Figure 2024517023000076
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4Aは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(X)に従う構造、
Figure 2024517023000077
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R4Aは、第1のR基であり、R4Bは、第2のR基であり、pは、0又は1であり、R4Dは、第3のR基である。
複数の実施形態では、Rの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。複数の実施形態では、R4A及びR4Bは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。複数の実施形態では、R4Dは、非置換C1-6アルキルであるR基である。
複数の実施形態では、式(X)の化合物は、式(X-1)に従う構造、
Figure 2024517023000078
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Dは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(X)の化合物は、式(X-2)に従う構造、
Figure 2024517023000079
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Dは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(X)の化合物は、式(X-3)に従う構造、
Figure 2024517023000080
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Dは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(X)の化合物は、式(X-4)に従う構造、
Figure 2024517023000081
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Dは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(XI)に従う構造、
Figure 2024517023000082
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R4Aは、第1のR基であり、R4Dは、第2のR基である。
複数の実施形態では、Rの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。複数の実施形態では、R4A及びR4Dは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。複数の実施形態では、R4Dは、非置換C1-6アルキルであるR基である。
複数の実施形態では、式(XI)の化合物は、式(XI-1)に従う構造、
Figure 2024517023000083
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Dは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(XII)に従う構造、
Figure 2024517023000084
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R4Aは第1のR基である。
複数の実施形態では、R4Aは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XII)の化合物は、式(XII-1)に従う構造、
Figure 2024517023000085
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4Aは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(XIII)に従う構造、
Figure 2024517023000086
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R4Aは、第1のR基であり、R4Bは、第2のR基であり、pは、0又は1である。
複数の実施形態では、R4A及びR4Bは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XIII)の化合物は、式(XIII-1)に従う構造、
Figure 2024517023000087
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Bは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XIII)の化合物は、式(XIII-2)に従う構造、
Figure 2024517023000088
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Bは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XIII)の化合物は、式(XIII-3)に従う構造、
Figure 2024517023000089
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Bは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XIII)の化合物は、式(XIII-4)に従う構造、
Figure 2024517023000090
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Bは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XIII)の化合物は、式(XIII-5)に従う構造、
Figure 2024517023000091
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Bは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(XIV)に従う構造、
Figure 2024517023000092
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R4Aは、第1のR基であり、R4Bは、第2のR基であり、pは、0又は1である。
複数の実施形態では、Rの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。複数の実施形態では、R4A及びR4Bは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XIV)の化合物は、式(XIV-1)に従う構造、
Figure 2024517023000093
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4Aは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XIV)の化合物は、式(XIV-2)に従う構造、
Figure 2024517023000094
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Bは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XIV)の化合物は、式(XIV-3)に従う構造、
Figure 2024517023000095
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Bは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XIV)の化合物は、式(XIV-4)に従う構造、
Figure 2024517023000096
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4Aは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(XV)に従う構造、
Figure 2024517023000097
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R4Aは、第1のR基であり、R4Bは、第2のR基であり、R4Cは、第3のR基である。
複数の実施形態では、Rの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。複数の実施形態では、各R4A、R4B、及びR4Cは独立して、本明細書に記載の任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(XVI)に従う構造、
Figure 2024517023000098
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R4Cは第1のR基である。
複数の実施形態では、R4Cは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(XVII)に従う構造、
Figure 2024517023000099
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R4Dは、R基である。複数の実施形態では、R4Dは、非置換C1-6アルキルである。
複数の実施形態では、R4Dの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XVII)の化合物は、式(XVII-1)に従う構造、
Figure 2024517023000100
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4Dの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(XVIII)に従う構造、
Figure 2024517023000101
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R4Cは第1のR基である。
複数の実施形態では、R4Cの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(XIX)に従う構造、
Figure 2024517023000102
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R4Dは、R基である。複数の実施形態では、R4Dは、非置換C1-6アルキルである。
複数の実施形態では、R4Dの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XIX)の化合物は、式(XIX-1)に従う構造、
Figure 2024517023000103
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4Dの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XIX)の化合物は、式(XIX-2)に従う構造、
Figure 2024517023000104
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4Dの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(XX)に従う構造、
Figure 2024517023000105
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R4Aは、第1のR基であり、R4Bは、第2のR基であり、pは、0又は1である。
複数の実施形態では、R4A及びR4Bの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XX)の化合物は、式(XX-1)に従う構造、
Figure 2024517023000106
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4Aの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XX)の化合物は、式(XX-2)に従う構造、
Figure 2024517023000107
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Bの各々は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XX)の化合物は、式(XX-3)に従う構造、
Figure 2024517023000108
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4Aは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XX)の化合物は、式(XX-4)に従う構造、
Figure 2024517023000109
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Bの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(XXI)に従う構造、
Figure 2024517023000110
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R4Aは、第1のR基であり、R4Bは、第2のR基であり、pは、0又は1である。
複数の実施形態では、Rの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。複数の実施形態では、R4A及びR4Bの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XXI)の化合物は、式(XXI-1)に従う構造、
Figure 2024517023000111
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4Aは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(XXII)に従う構造、
Figure 2024517023000112
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R4Aは、第1のR基であり、R4Bは、第2のR基であり、pは、0又は1であり、R4Dは、非置換C1-6アルキルであるR基である。
複数の実施形態では、Rの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。複数の実施形態では、R4A、R4B、及びR4Dの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XXII)の化合物は、式(XXII-1)に従う構造、
Figure 2024517023000113
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4A及びR4Dの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(XXIII)に従う構造、
Figure 2024517023000114
又はその薬学的に許容される塩を有し、式中、R4Aは第1のR基である。
複数の実施形態では、R4Aの任意の出現は独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
複数の実施形態では、式(XXIII)の化合物は、式(XXIII-1)に従う構造、
Figure 2024517023000115
又はその薬学的に許容される塩を有する。複数の実施形態では、R4Aは独立して、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
構造的特徴の例示的な実施形態
本明細書に記載の任意の式(例えば、式(I)~(XXIII)のうちのいずれか又は本明細書に記載の任意の他の式)に存在し得る構造的特徴のより更なる例示的な実施形態が本明細書に提供される。構造的特徴の例示的な実施形態は、本明細書に記載の任意の他の例示的な構造的特徴と組み合わせて生じ得る。
複数の実施形態では、Xは、Nである。複数の実施形態では、Xは、CR(例えば、CH)である。
複数の実施形態では、Xは、Nである。複数の実施形態では、Xは、CR(例えば、CH)である。
複数の実施形態では、Xは、共有結合である。
複数の実施形態では、Xは、Oである。
複数の実施形態では、Xは、Sである。
複数の実施形態では、Xは、NR、C(O)NR、NRC(O)、又はNRC(O)NRである。複数の実施形態では、Rは、Hである。複数の実施形態では、Rは、N保護基(例えば、アミド基、カルバメート基、又はスルホンアミド基)である。複数の実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。複数の実施形態では、C1-6アルキルは、非置換である。複数の実施形態では、C1-6アルキルは、置換されている(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)。
複数の実施形態では、Xは、(C(Rである。複数の実施形態では、qは、1である。複数の実施形態では、qは、2である。複数の実施形態では、Rは、Hである。複数の実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。複数の実施形態では、C1-6アルキルは、非置換である。複数の実施形態では、C1-6アルキルは、置換されている(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)。複数の実施形態では、同じ炭素上の2つのRは、結合してオキソ(=O)基を形成する。複数の実施形態では、Xは、C(O)、CH、CHCH、又はC(CHである。
複数の実施形態では、Xは、共有結合である。
複数の実施形態では、Xは、Oである。
複数の実施形態では、Xは、Sである。
複数の実施形態では、Xは、NR、C(O)NR、NRC(O)、又はNRC(O)NRである。複数の実施形態では、Rは、Hである。複数の実施形態では、Rは、N保護基(例えば、アミド基、カルバメート基、又はスルホンアミド基)である。複数の実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。複数の実施形態では、C1-6アルキルは、非置換である。複数の実施形態では、C1-6アルキルは、置換されている(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)。
複数の実施形態では、Xは、(C(Rである。複数の実施形態では、qは、1である。複数の実施形態では、qは、2である。複数の実施形態では、Rは、Hである。複数の実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。複数の実施形態では、C1-6アルキルは、非置換である。複数の実施形態では、C1-6アルキルは、置換されている(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)。複数の実施形態では、同じ炭素上の2つのRは、結合してオキソ(=O)基を形成する。複数の実施形態では、Xは、C(O)、CH、CHCH、又はC(CHである。
複数の実施形態では、Xは、Oであり、Xは、Oである。
複数の実施形態では、Xは、CHであり、Xは、Oであり、Xは、Oである。複数の実施形態では、Xは、Nである。
複数の実施形態では、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、5~6員環を形成する。複数の実施形態では、5~6員環は、
Figure 2024517023000116
の構造を有し、式中、M環は、新たに形成された環である。複数の実施形態では、Lは、共有結合である。複数の実施形態では、Lはアルキレン(例えば、-CH-)である。複数の実施形態では、アルキレンは、非置換である。複数の実施形態では、アルキレンは、置換されている(例えば、1個又は2個の置換基を含む)。
複数の実施形態では、R及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、5~6員の環を形成する。複数の実施形態では、5~6員環は、
Figure 2024517023000117
の構造を有し、式中、M環は、新たに形成された環である。複数の実施形態では、Lは、共有結合である。複数の実施形態では、Lは、アルキレン(例えば、-CH-)である。複数の実施形態では、アルキレンは、非置換である。複数の実施形態では、アルキレンは、置換されている(例えば、1個又は2個の置換基を含む)。
複数の実施形態では、X及びXは、同じである。複数の実施形態では、X及びXは、異なる。複数の実施形態では、X及びXは、両方ともOである。
複数の実施形態では、Lは、共有結合である。
複数の実施形態では、Lは、C1-6ヘテロアルキレンである(例えば、独立して酸素又は窒素である1、2、又は3個のヘテロ原子を含む)。複数の実施形態では、L1は、分岐状C1-6ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、直鎖状C1-6ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換Cヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換分岐状Cヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換直鎖状Cヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、Lは、置換Cヘテロアルキレン(例えば、OH、オキソ(=O)、又は非置換C1-3アルキルなどの1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Lは、置換分岐状Cヘテロアルキレン(例えば、OH、オキソ(=O)、又は非置換C1-3アルキルなどの1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Lは、置換直鎖状Cヘテロアルキレン(例えば、OH、オキソ(=O)、又は非置換C1-3アルキルなどの1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Cヘテロアルキレンは、-O(CH、(CHO、O(CHO、
OCHOCHCHOCH-、-CHOCHCHO-、OCHCHOCH-、NH(CH、(CHNH、又は-NH(CHNH-であり、式中、uは、1~4の整数である。複数の実施形態では、uは、1である。複数の実施形態では、uは、2である。複数の実施形態では、uは、3である。複数の実施形態では、uは、4である。
複数の実施形態では、Lは、C1-6アルキレン(例えば、CH、(CH、(CH、(CH、(CH、又は(CH)である。複数の実施形態では、L1は、分岐状C1-6アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、直鎖状C1-6アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換Cアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換分岐状Cアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換直鎖状Cアルキレンである。複数の実施形態では、Lは、置換Cアルキレン(例えば、OH、オキソ(=O)、又は非置換C1-3アルキルなどの1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Lは、置換分岐状Cアルキレン(例えば、OH、オキソ(=O)、又は非置換C1-3アルキルなどの1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Lは、置換直鎖状Cアルキレン(例えば、OH、オキソ(=O)、又は非置換C1-3アルキルなどの1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、L1は、非置換Cアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換分岐状Cアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換直鎖状Cアルキレンである。
複数の実施形態では、Lは、C2-6アルケニレン(例えば、C、C、C、C10、又はC12)である。複数の実施形態では、Lは、非置換C2-6アルケニレンである。複数の実施形態では、Lは、置換C2-6アルケニレン(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。
複数の実施形態では、Lは、C2-6アルキニレン(例えば、C、C、C、C、又はC10)である。複数の実施形態では、Lは、非置換C2-6アルキニレンである。複数の実施形態では、Lは、置換C2-6アルキニレン(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。
複数の実施形態では、Lは、C3-6シクロアルキレン(例えば、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、又はシクロヘキシレン)である。複数の実施形態では、Lは、非置換C3-6シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Lは、置換C3-6シクロアルキレン(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。
複数の実施形態では、L基のsp炭素は、(R)-配置を有する。
複数の実施形態では、L基のsp炭素は、(S)-配置を有する。
複数の実施形態では、Lは、3~10員ヘテロシクリレン(例えば、単環式又は二環式ヘテロシクリレン)である。複数の実施形態では、Lは、非置換3~10員ヘテロシクリレンである。複数の実施形態では、Lは、置換3~10員ヘテロシクリレン(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。
複数の実施形態では、Lは、フェニレン又はナフチレンである。複数の実施形態では、Lは、非置換フェニレン又は非置換ナフチレンである。複数の実施形態では、Lは、置換フェニレン又は置換ナフチレン(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。
複数の実施形態では、Lは、5員~10員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Lは、非置換5~10員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Lは、置換5~10員ヘテロアリーレン(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。
複数の実施形態では、Lは、非置換直鎖状C4-6アルキレン又は非置換分岐状C4-6アルキレンである。
複数の実施形態では、Lは、-(CH-である。複数の実施形態では、Lは、-CH(CH)CHCH-である。
複数の実施形態では、Lは、
Figure 2024517023000118
である。
複数の実施形態では、Lは、
Figure 2024517023000119
であり、式中、*は、Xへの共有結合点を示し、**は、Xへの共有結合点を示す。
複数の実施形態では、-X-L-X-は、-O-L-O-である。
複数の実施形態では、-X-L-X-は、-O(CHO-である。
複数の実施形態では、-X-L-X-は、-OCH(CH)CHCHO-である。
複数の実施形態では、-X-L-X-は、
Figure 2024517023000120
である。
複数の実施形態では、X-L-Xは、尿素基(例えば、NHC(O)NH)を形成するか、又は含む。複数の実施形態では、X及び/又はXは、NRC(O)NRである。複数の実施形態では、X及びXのうちの1つは、NRC(O)NRである。
複数の実施形態では、X-L-Xは、カルボキサミド基(例えば、C(O)NH又はNH(CO))を形成するか、又は含む。複数の実施形態では、X及び/又はXは、C(O)NR又はNRC(O)である。複数の実施形態では、X及びXのうちの1つは、C(O)NR又はNRC(O)である。
複数の実施形態では、X-L-Xは、-CHR-O(C1-2アルキレン)-OCHR-又は-CHR-O(C1-2アルキレン)-O-である。
複数の実施形態では、Bは、フェニルである。複数の実施形態では、Bは、ナフチルである。複数の実施形態では、Bは、5~13員ヘテロアリール(例えば、単環式又は二環式ヘテロアリール)である。複数の実施形態では、Bは、二環式8~12員ヘテロアリール(例えば、窒素含有二環式8~12員ヘテロアリール)である。複数の実施形態では、Bは、は、単環式5~6員ヘテロアリールである。例示的な単環式5~6員ヘテロアリールとしては、ピリジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、及びイミダゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。複数の実施形態では、Bは、フェニル又は5員~6員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Bは、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、又はイミダゾリルである。複数の実施形態では、Bは、ピラゾリルである。
複数の実施形態では、Bは、非置換フェニルである。複数の実施形態では、Bは、非置換ナフチルである。複数の実施形態では、Bは、非置換5~13員ヘテロアリール(例えば、非置換単環式又は二環式ヘテロアリール)である。複数の実施形態では、Bは、非置換二環式8~12員ヘテロアリール(例えば、非置換窒素含有二環式8~12員ヘテロアリール)である。複数の実施形態では、Bは、非置換単環式5~6員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Bは、非置換ピリジル、非置換ピリミジル、非置換ピラゾリル、非置換ピロリル、非置換チアゾリル、非置換オキサゾリル、又は非置換イミダゾリルである。
複数の実施形態では、Bは、置換フェニル(例えば、本明細書に記載の1個又は2個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Bは、置換ナフチル(例えば、本明細書に記載の1個又は2個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Bは、置換5~13員ヘテロアリール(例えば、本明細書に記載の1個又は2個の置換基を含む置換単環式又は二環式ヘテロアリール)である。Bは、置換二環式8~12員ヘテロアリール(例えば、置換窒素含有二環式8~12員ヘテロアリール)である。複数の実施形態では、Bは、置換単環式5~6員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Bは、置換ピリジル、置換ピリミジル、置換ピラゾリル、置換ピロリル、置換チアゾリル、置換オキサゾリル、又は置換イミダゾリルである。複数の実施形態では、Bは、置換ピラゾリル(例えば、N-メチルピラゾリルなどのN-置換ピラゾリル)である。複数の実施形態では、Bは、本明細書に記載される1つ以上のR基(例えば、メチル、ハロゲン、又はCN)で置換されている。
複数の実施形態では、Bは、
Figure 2024517023000121
であり、式中、*は、Cへの共有結合点を示し、**は、Xへの共有結合点を示す。
複数の実施形態では、Cは、5又は6員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Cは、5又は6員N含有ヘテロアリールである。例示的な5~6員ヘテロアリールとしては、ピリジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、及びイミダゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。複数の実施形態では、Cは、ピリジル又はピリミジルである。複数の実施形態では、Cは、ピラゾリル又はチアゾリルである。
複数の実施形態では、Cは、非置換5又は6員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Cは、非置換5又は6員N含有ヘテロアリールである。例示的な非置換5又は6員ヘテロアリールとしては、非置換ピリジル、非置換ピリミジル、非置換ピラゾリル、非置換ピロリル、非置換チアゾリル、非置換オキサゾリル、及び非置換イミダゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。複数の実施形態では、Cは、非置換ピリジル又はピリミジルである。複数の実施形態では、Cは、非置換ピラゾリル又はチアゾリルである。
複数の実施形態では、Cは、置換5又は6員ヘテロアリール(例えば、本明細書に記載の1個又は2個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Cは、置換5又は6員N含有ヘテロアリール(例えば、本明細書に記載の1個又は2個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Cは、置換ピリジル、置換ピリミジル、置換ピラゾリル、置換ピロリル、置換チアゾリル、置換オキサゾリル、又は置換イミダゾリルである。複数の実施形態では、Cは、置換ピリジル(例えば、部分構造Aで置換される)である。複数の実施形態では、Cは、置換ピリミジル(例えば、部分構造Aで置換される)である。複数の実施形態では、Cは、置換ピラゾリル(例えば、N-メチルピラゾリルなどのN-置換ピラゾリル)である。複数の実施形態では、Cは、置換チアゾリル(例えば、メチル置換チアゾリル)である。複数の実施形態では、Cは、本明細書に記載される1つ以上のR基(例えば、部分構造A又はメチル)で置換されている。
複数の実施形態では、Aは、ピラゾリルであり、Bは、ピラゾリルであり、Cは、ピリジル又はピリミジルである。複数の実施形態では、A及びBは置換されている。
複数の実施形態では、mは、0である。複数の実施形態では、mは、1である。複数の実施形態では、mは、2である。複数の実施形態では、mは、1又は2である。
複数の実施形態では、mは、0ではない。複数の実施形態では、Rが存在する。
複数の実施形態では、Rは、
Figure 2024517023000122
である。複数の実施形態では、Lは独立して、共有結合、O、NR、C(O)、C(O)NR、NRC(O)、CR であり、式中、Rは独立して、H又はC1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、非置換Cアルキルである。複数の実施形態では、Rは、置換Cアルキル(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Lは、共有結合である。
複数の実施形態では、各Rは独立して、H、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、NR11(CHNR、(CHNR,又は(CH12である。複数の実施形態では、pは、0である。複数の実施形態では、pは、1である。複数の実施形態では、pは、2である。
複数の実施形態では、Rは、OHである。複数の実施形態では、Rは、CNである。複数の実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)である。複数の実施形態では、Rは、C脂肪族である。複数の実施形態では、Rは、非置換C脂肪族である。複数の実施形態では、Rは、置換C脂肪族(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Rは、Cアルコキシである。複数の実施形態では、Rは、非置換Cアルコキシである。複数の実施形態では、Rは、置換Cアルコキシ(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Rは、NRである。複数の実施形態では、Rは、C(O)R10である。複数の実施形態では、Rは、CO10である。複数の実施形態では、Rは、C(O)NRである。複数の実施形態では、Rは、NR11C(O)R10である。複数の実施形態では、Rは、NR11CO10である。複数の実施形態では、Rは、NR11C(O)NRである。複数の実施形態では、Rは、(CH12である。複数の実施形態では、rは、0である。複数の実施形態では、rは、1である。複数の実施形態では、rは、2である。複数の実施形態では、rは、3である。複数の実施形態では、rは、4である。複数の実施形態では、rは、0又は1である。複数の実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)である。
複数の実施形態では、nは、0である。複数の実施形態では、nは、1である。複数の実施形態では、nは、2である。複数の実施形態では、nは、1又は2である。
複数の実施形態では、nは、0ではない。複数の実施形態では、Rが存在する。
複数の実施形態では、Rは、
Figure 2024517023000123
である。複数の実施形態では、Lは独立して、共有結合、O、NR、C(O)、C(O)NR、NRC(O)、CR であり、式中、Rは独立して、H又はC1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、非置換Cアルキルである。複数の実施形態では、Rは、置換Cアルキル(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Lは、共有結合である。
複数の実施形態では、各Rは独立して、H、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、NR11(CHNR、(CHNR、又は(CH12である。複数の実施形態では、pは、0である。複数の実施形態では、pは、1である。複数の実施形態では、pは、2である。
複数の実施形態では、Rは、OHである。複数の実施形態では、Rは、CNである。複数の実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)である。複数の実施形態では、Rは、C脂肪族である。複数の実施形態では、Rは、非置換C脂肪族である。複数の実施形態では、Rは、置換C脂肪族(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Rは、Cアルコキシである。複数の実施形態では、Rは、非置換Cアルコキシである。複数の実施形態では、Rは、置換Cアルコキシ(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Rは、NRである。複数の実施形態では、Rは、C(O)R10である。複数の実施形態では、Rは、CO10である。複数の実施形態では、Rは、C(O)NRである。複数の実施形態では、Rは、NR11C(O)R10である。複数の実施形態では、Rは、NR11CO10である。複数の実施形態では、Rは、NR11C(O)NRである。複数の実施形態では、Rは、(CH12である。複数の実施形態では、rは、0である。複数の実施形態では、rは、1である。複数の実施形態では、rは、2である。複数の実施形態では、rは、3である。複数の実施形態では、rは、4である。複数の実施形態では、rは、0又は1である。複数の実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)である。
複数の実施形態では、Rが存在する。複数の実施形態では、Rが存在する。複数の実施形態では、R及びRのうちの1つが存在する。複数の実施形態では、R及びRのうちの1つが存在し、
Figure 2024517023000124
又はハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)である。複数の実施形態では、R及びRのうちの1つが存在し、
Figure 2024517023000125
である。
複数の実施形態では、2つのR又は2つのRは、それらが結合している原子と一緒になって、5~10員環(例えば、5~10員炭素環、複素環、アリール、又はヘテロアリール環)を形成する。
複数の実施形態では、oは、0である。複数の実施形態では、oは、1である。複数の実施形態では、oは、2である。複数の実施形態では、oは、1又は2である。複数の実施形態では、oは、0又は1である。
複数の実施形態では、oは、0ではない。複数の実施形態では、Rが存在する。
複数の実施形態では、Rは、OHである。複数の実施形態では、Rは、CNである。複数の実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)である。複数の実施形態では、Rは、C脂肪族である。複数の実施形態では、Rは、非置換C脂肪族である。複数の実施形態では、Rは、置換C脂肪族(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Rは、Cアルコキシである。複数の実施形態では、Rは、非置換Cアルコキシである。複数の実施形態では、Rは、置換Cアルコキシ(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Rは、NRである。複数の実施形態では、Rは、C(O)R10である。複数の実施形態では、Rは、CO10である。複数の実施形態では、Rは、C(O)NRである。複数の実施形態では、Rは、NR11C(O)R10である。複数の実施形態では、Rは、NR11CO10である。複数の実施形態では、Rは、NR11C(O)NRである。複数の実施形態では、Rは、(CH12である。複数の実施形態では、rは、0である。複数の実施形態では、rは、1である。複数の実施形態では、rは、2である。複数の実施形態では、rは、3である。複数の実施形態では、rは、4である。複数の実施形態では、rは、0又は1である。複数の実施形態では、Rは、メチル、ハロゲン、又はCNである。複数の実施形態では、Rは、メチルである。
複数の実施形態では、Rは、Hである。
複数の実施形態では、Rは、OHである。複数の実施形態では、Rは、CNである。複数の実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)である。複数の実施形態では、Rは、C脂肪族である。複数の実施形態では、Rは、非置換C脂肪族である。複数の実施形態では、Rは、置換C脂肪族(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Rは、Cアルコキシである。複数の実施形態では、Rは、非置換Cアルコキシである。複数の実施形態では、Rは、置換Cアルコキシ(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Rは、NRである。複数の実施形態では、Rは、C(O)R10である。複数の実施形態では、Rは、CO10である。複数の実施形態では、Rは、C(O)NRである。複数の実施形態では、Rは、NR11C(O)R10である。複数の実施形態では、Rは、NR11CO10である。複数の実施形態では、Rは、NR11C(O)NRである。複数の実施形態では、Rは、(CH12である。複数の実施形態では、rは、0である。複数の実施形態では、rは、1である。複数の実施形態では、rは、2である。複数の実施形態では、rは、3である。複数の実施形態では、rは、4である。複数の実施形態では、rは、0又は1である。
複数の実施形態では、Rは、Hである。複数の実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。複数の実施形態では、C1-6アルキルは、非置換である。複数の実施形態では、C1-6アルキルは、置換されている(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)。
複数の実施形態では、Rは、Hである。複数の実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。複数の実施形態では、C1-6アルキルは、非置換である。複数の実施形態では、C1-6アルキルは、置換されている(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)。
複数の実施形態では、R11は、Hである。複数の実施形態では、R11は、C1-6アルキルである。複数の実施形態では、C1-6アルキルは、非置換である。複数の実施形態では、C1-6アルキルは、置換されている(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)。
複数の実施形態では、R及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3~10員ヘテロシクリルを形成する。複数の実施形態では、3~10員ヘテロシクリルは、非置換である。複数の実施形態では、3~10員ヘテロシクリルは、非置換である(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)。
複数の実施形態では、R及びR11は、それらが結合している原子と一緒になって、3~10員ヘテロシクリルを形成する。複数の実施形態では、3~10員ヘテロシクリルは、非置換である。複数の実施形態では、3~10員ヘテロシクリルは、非置換である(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)。
複数の実施形態では、R10は、C1-6脂肪族である。複数の実施形態では、R10は、C-C10脂環式(例えば、単環式又は二環式脂環式)である。複数の実施形態では、R10は、3~10員ヘテロシクリル(例えば、単環式又は二環式ヘテロシクリル)である。複数の実施形態では、R10は、フェニルである。複数の実施形態では、R10は、ナフチルである。複数の実施形態では、R10は、5~12員ヘテロアリール(例えば、単環式又は二環式ヘテロアリール)である。
複数の実施形態では、R10は、非置換C1-6脂肪族である。複数の実施形態では、R10は、非置換C-C10脂環式である。複数の実施形態では、R10は、非置換3~10員ヘテロシクリルである。複数の実施形態では、R10は、非置換フェニルである。複数の実施形態では、R10は、非置換ナフチルである。複数の実施形態では、R10は、非置換5~12員ヘテロアリールである。
複数の実施形態では、R10は、置換C1-6脂肪族である。複数の実施形態では、R10は、置換C-C10脂環式である。複数の実施形態では、R10は、置換3~10員ヘテロシクリルである。複数の実施形態では、R10は、置換フェニルである。複数の実施形態では、R10は、置換ナフチルである。複数の実施形態では、R10は、置換5~12員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、置換基は、本明細書に記載の1個、2個、又は3個の置換基を含む。
複数の実施形態では、R10及びR11は、それらが結合している原子と一緒になって、3~10員ヘテロシクリルを形成する。複数の実施形態では、3~10員ヘテロシクリルは、非置換である。複数の実施形態では、3~10員ヘテロシクリルは、置換されている(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)。
複数の実施形態では、R12は、C-C10脂環式(例えば、単環式又は二環式脂環式)である。複数の実施形態では、R12は、3~10員ヘテロシクリル(例えば、単環式又は二環式ヘテロシクリル)である。複数の実施形態では、R12は、フェニルである。複数の実施形態では、R12は、ナフチルである。複数の実施形態では、R12は、5~12員ヘテロアリール(例えば、単環式又は二環式ヘテロアリール)である。
複数の実施形態では、R12は、非置換C-C10脂環式である。複数の実施形態では、R12は、非置換3~10員ヘテロシクリルである。複数の実施形態では、R12は、非置換フェニルである。複数の実施形態では、R12は、非置換ナフチルである。複数の実施形態では、R12は、非置換5~12員ヘテロアリールである。
複数の実施形態では、R12は、置換C-C10脂環式である。複数の実施形態では、R12は、置換3~10員ヘテロシクリルである。複数の実施形態では、R12は、置換フェニルである。複数の実施形態では、R12は、置換ナフチルである。複数の実施形態では、R12は、置換5~12員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、置換基は、本明細書に記載の1個、2個、又は3個の置換基を含む。
部分構造A
なお更なる例示的な部分構造A基が本明細書に記載される。すなわち、式(I)の化合物(例えば、式(I)~(XXIII)に従った任意の化合物及びその部分式)の実施形態は、本明細書に記載される任意の部分構造A基を特徴とすることができる。
複数の実施形態では、
Figure 2024517023000126
は存在しない。複数の実施形態では、1つの部分構造A基が存在する。複数の実施形態では、2つの部分構造A基が存在する(例えば、同一又は異なる構造を有する2つの部分構造A基)。複数の実施形態では、3つ以上の部分構造A基が存在する(例えば、同一又は異なる構造を有する3つ以上の部分構造A基)。複数の実施形態では、1つ以下の部分構造A基が存在する。
複数の実施形態では、Lは、共有結合である。複数の実施形態では、部分構造Aは、
Figure 2024517023000127
の構造を有する。
複数の実施形態では、Lは、Oである。複数の実施形態では、部分構造Aは、
Figure 2024517023000128
の構造を有する。
複数の実施形態では、Lは、NRである。複数の実施形態では、Rは、Hである。複数の実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、非置換Cアルキルである。複数の実施形態では、Rは、置換Cアルキル(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、部分構造Aは、
Figure 2024517023000129
の構造を有する。
複数の実施形態では、Lは、C(O)である。複数の実施形態では、部分構造Aは、
Figure 2024517023000130
の構造を有する。
複数の実施形態では、Lは、C(O)NRである。複数の実施形態では、Rは、Hである。複数の実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、非置換Cアルキルである。複数の実施形態では、Rは、置換Cアルキル(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、部分構造Aは、
Figure 2024517023000131
の構造を有する。
複数の実施形態では、Lは、NRC(O)である。複数の実施形態では、Rは、Hである。複数の実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、非置換Cアルキルである。複数の実施形態では、Rは、置換Cアルキル(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、部分構造Aは、
Figure 2024517023000132
の構造を有する。
複数の実施形態では、Lは、CR である。複数の実施形態では、Rは、Hである。複数の実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、非置換Cアルキルである。複数の実施形態では、Rは、置換Cアルキル(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、部分構造Aは、
Figure 2024517023000133
の構造を有する。
複数の実施形態では、Aは、フェニルである。複数の実施形態では、Aは、ナフチルである。複数の実施形態では、Aは、5~13員ヘテロアリール(例えば、単環式又は二環式ヘテロアリール)である。複数の実施形態では、Aは、二環式8~12員ヘテロアリール(例えば、窒素含有二環式8~12員ヘテロアリール)である。複数の実施形態では、Aは、単環式5~6員ヘテロアリールである。例示的な単環式5~6員ヘテロアリールとしては、ピリジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、及びイミダゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。複数の実施形態では、Aは、フェニル又は5員~6員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Aは、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、又はイミダゾリルである。
複数の実施形態では、Aは、非置換フェニルである。複数の実施形態では、Aは、非置換ナフチルである。複数の実施形態では、Aは、非置換5~13員ヘテロアリール(例えば、非置換単環式又は二環式ヘテロアリール)である。複数の実施形態では、Aは、非置換二環式8~12員ヘテロアリール(例えば、非置換窒素含有二環式8~12員ヘテロアリール)である。複数の実施形態では、Aは、非置換単環式5~6員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Aは、非置換ピリジル、非置換ピリミジル、非置換ピラゾリル、非置換ピロリル、非置換チアゾリル、非置換オキサゾリル、又は非置換イミダゾリルである。
複数の実施形態では、Aは、置換フェニル(例えば、本明細書に記載の1個又は2個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Aは、置換ナフチル(例えば、本明細書に記載の1個又は2個の置換基を含む)である。複数の実施形態では、Aは、置換5~13員ヘテロアリール(例えば、本明細書に記載の1個又は2個の置換基を含む置換単環式又は二環式ヘテロアリール)である。Aは、置換二環式8~12員ヘテロアリール(例えば、置換窒素含有二環式8~12員ヘテロアリール)である。複数の実施形態では、Aは、置換単環式5~6員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Aは、置換ピリジル、置換ピリミジル、置換ピラゾリル、置換ピロリル、置換チアゾリル、置換オキサゾリル、又は置換イミダゾリルである。
複数の実施形態では、Aは、置換ピラゾリルである。
複数の実施形態では、Aは、置換ピリジルである。
複数の実施形態では、Aは、置換ピリミジリルである。
複数の実施形態では、Aは、置換ピロリルである。
複数の実施形態では、Aは、置換チアゾリルである。
複数の実施形態では、Aは、置換オキサゾリルである。
複数の実施形態では、Aは、置換イミダゾリルである。
複数の実施形態では、Aは、本明細書に記載される1つ以上のR基で置換されている。複数の実施形態では、Aは、本明細書に記載される1~3個のR基で置換されている。
複数の実施形態では、pは、0である。複数の実施形態では、pは、1である。複数の実施形態では、pは、2である。複数の実施形態では、pは、1又は2である。
複数の実施形態では、pは、0ではない。複数の実施形態では、Rが存在する。
複数の実施形態では、Rは、Hである。複数の実施形態では、Rが存在し、非水素部分である場合、Rは、置換基を表す。したがって、本明細書に記載されるpの任意の値について、分子が安定な化合物である(例えば、分子は、再構成、環化、脱離、又は他の反応などによって自発的に変換を受けない化合物である)ように、Aの構成原子における原子価要件を満たすために、水素が必要に応じて存在することも理解される。A、R、及びpの例示的な実施形態が本明細書に記載される。
複数の実施形態では、Rは、OHである。複数の実施形態では、Rは、CNである。複数の実施形態では、Rは、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)である。
複数の実施形態では、Rは、C脂肪族(例えば、Cアルキル)である。複数の実施形態では、Rは、非置換C脂肪族(例えば、非置換Cアルキル)である。複数の実施形態では、Rは、置換
脂肪族(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む)である。
複数の実施形態では、Rは、Cアルコキシである。複数の実施形態では、Rは、非置換Cアルコキシ(例えば、O-(非置換C1-6アルキル))である。複数の実施形態では、Rは、置換Cアルコキシ(例えば、1個、2個、又は3個の置換基を含む、又はO-(C1-6ハロアルキル))である。
複数の実施形態では、Rは、NRである。
複数の実施形態では、Rは、C(O)R10である。
複数の実施形態では、Rは、CO10(例えば、CO(非置換C1-6アルキル))である。
複数の実施形態では、Rは、C(O)NRである。
複数の実施形態では、Rは、NR11C(O)R10である。
複数の実施形態では、Rは、NR11CO10である。
複数の実施形態では、Rは、NR11C(O)NRである。
複数の実施形態では、Rは、NR11(CHNR(例えば、NH(CHNMe)である。複数の実施形態では、sは、2~6の整数である。複数の実施形態では、sは、2である。複数の実施形態では、sは、3である。複数の実施形態では、sは、4である。複数の実施形態では、sは、5である。複数の実施形態では、sは、6である。複数の実施形態では、sは、2~4の整数である。
複数の実施形態では、Rは、(CHNR(例えば、(CHNMe)である。複数の実施形態では、tは、1~6の整数である。複数の実施形態では、tは、1である。複数の実施形態では、tは、2である。複数の実施形態では、tは、3である。複数の実施形態では、tは、4である。複数の実施形態では、tは、5である。複数の実施形態では、tは、6である。
複数の実施形態では、Rは、(CH12である。複数の実施形態では、rは、0~4の整数である。複数の実施形態では、rは、0である。複数の実施形態では、rは、1である。複数の実施形態では、rは、2である。複数の実施形態では、rは、3である。複数の実施形態では、rは、4である。複数の実施形態では、rは、0又は1である。
複数の実施形態では、R及びR、又はR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、5~6員環を形成する。
複数の実施形態では、Rは、
Figure 2024517023000134
であり、式中、
は独立して、CH又はNであり、
は独立して、O、CHR13、又はNR13であり、
13は独立して、H、C1-6アルキル、又はC3-6シクロアルキルであり、
rは、0又は1である、
複数の実施形態では、Xは、CHである。複数の実施形態では、Xは、Nである、
複数の実施形態では、Xは、Oである。複数の実施形態では、Xは、CHR13である。複数の実施形態では、XはNR13(例えば、NMe又はN(シクロプロピル))である。
複数の実施形態では、R13は、Hである。複数の実施形態では、R13は、C1-6アルキル(例えば、Me)である。複数の実施形態では、R13は、C3-6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)である。
複数の実施形態では、rは、0である。複数の実施形態では、rは、1である。
複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、1つのR基を含む。複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、複数のR基を含む。複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、2つのR基を含む。複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、3つのR基を含む。複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、4つのR基を含む。R基は独立して選択され、本明細書に記載される例示的な実施形態のいずれかの任意の組み合わせを含む。
複数の実施形態では、Rは、以下からなる群から選択される:COCH
OCHCF、CH、CHCH、OCH、OCHCH、NHCHCHN(CH、CHN(CH
Figure 2024517023000135
複数の実施形態では、Rは、以下から選択される:-C≡N、-C≡CH、0~4個のフルオロ置換基を含む飽和直鎖状若しくは分岐状C1-6脂肪族又はCアルコキシ、NR11(CHNR;(CHNR;O(CHOCH;O(CH12、及び(CH12。複数の実施形態では、R12は、C3-6シクロアルキル、O、N、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む3~9員ヘテロシクリル、並びに5~6員ヘテロアリールからなる群から選択される。複数の実施形態では、R12は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、オキセタニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、アゼチジン、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリノから選択される。複数の実施形態では、R12は、0~4個のR14で置換され、式中、各R14は独立して、-CN、オキソ(=O)、ハロゲン、-OH、-NH、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、非置換C3-6シクロアルキル、又は非置換3~4員ヘテロシクリルから選択される。複数の実施形態では、各R14は独立して、-CN,-F、OH、NH、NHCH、N(CH、NHCHCH、N(CHCH、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、CHCHF、CHCHF、CHCF、-CHCHCH、CHCHCHF、CHCHCHF、CHCHCF、CHCHOCH、COCH、COCHCH、CHCOCH、CHCOCHCH、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、及びアゼチジニルから選択される。
複数の実施形態では、1つ以上のR基は独立して、許容されるR部分の第1の基から選択され、当該基は、:CN、CH、CHF、CHF
CF、CHCH、CHCFH、CHCHF、CHCF、CH(CH、C(CH、-C≡CH、
Figure 2024517023000136
Figure 2024517023000137
である。
複数の実施形態では、1つ以上のR基は独立して、許容されるR部分の第2の基から選択され、当該基は、CHOCH、OCH、OCHF、
OCHF、OCF、OCHCH、OCHCHF、OCHCHF、OCHCF、OCHCHCH、OCHCH(CH、OCHCHOCH
Figure 2024517023000138
-COCH、及びCHである。
複数の実施形態では、化合物は、(1)本明細書に記載される許容されるR部分の第1の基から独立して選択される1つ以上のR基、及び(2)本明細書に記載される許容されるR部分の第2の基から独立して選択される1つ以上のR基を含む。
複数の実施形態では、Rは、本明細書に記載されるR4Aである。複数の実施形態では、R4Aは、本明細書に記載されるRの実施形態のいずれかに従う。複数の実施形態では、R4Aは、本明細書に記載される許容されるR部分の第1の基から選択される。
複数の実施形態では、Rは、本明細書に記載されるR4Bである。複数の実施形態では、R4Bは、本明細書に記載されるRの実施形態のいずれかに従う。複数の実施形態では、R4Bは、本明細書に記載される許容されるR部分の第1の基から選択される。
複数の実施形態では、Rは、本明細書に記載されるR4Cである。複数の実施形態では、R4Cは、本明細書に記載されるRの実施形態のいずれかに従う。複数の実施形態では、R4Cは、本明細書に記載される許容されるR部分の第1の基から選択される。
複数の実施形態では、Rは、本明細書に記載されるR4Dである。複数の実施形態では、R4Dは、本明細書に記載されるRの実施形態のいずれかに従う。複数の実施形態では、R4Dは、C1-6アルキルである。複数の実施形態では、R4Dは、非置換C1-6アルキルである。
複数の実施形態では、各R4A、R4B、及びR4Cは、存在する場合、独立して、-C≡N、-C≡CH、0~4個のフルオロ置換基を含む飽和直鎖状若しくは分岐状C1-6脂肪族又はCアルコキシ、NR11(CHNR;(CHNR;O(CHOCH;O(CH12、及び(CH12から選択される。
複数の実施形態では、R4A及び/又はR4C基は、存在する場合、CN、CH、CHF、CHF、CF、CHCH、CHCFH、CHCHF、CHCF
CH(CH、C(CH、-C≡CH、
Figure 2024517023000139
Figure 2024517023000140
から選択される。
複数の実施形態では、R4B基は、存在する場合、CHOCH、OCH、OCHF、OCHF、OCF、OCHCH、OCHCHF、OCHCHF、OCHCF、OCHCHCH、OCHCH(CH、OCHCHOCH
Figure 2024517023000141
-COCH、及びCHから選択される。
複数の実施形態では、
Figure 2024517023000142
は、
Figure 2024517023000143
であるRを含む。複数の実施形態では、
Figure 2024517023000144
は、
Figure 2024517023000145
であるR、及び第2のR基を含む。複数の実施形態では、第2のR基は、非置換C1-6アルキル(例えば、-CH又は-CHCH)、CO(非置換C1-6アルキル)(例えば、-COCH)、O-(非置換C1-6アルキル)(例えば、-OCH又は-OCHCH)、O-(C1-6ハロアルキル)(例えば、-OCHCF)、NH(CHNMe(例えば、-NHCHCHN(CH)、及び(CHNMe(例えば、-CHN(CH)からなる群から選択される。
複数の実施形態では、
Figure 2024517023000146
は、
Figure 2024517023000147
であり、式中、
Aは、フェニル又は5~6員ヘテロアリールである。
は独立して、CH又はNであり、
は独立して、O、CHR13、又はNR13であり、
13は独立して、H、非置換C1-6アルキル、又は非置換C3-6シクロアルキルであり、
rは、0又は1であり、
は、非置換C1-6アルキル、CO(非置換C1-6アルキル)、
O-(非置換C1-6アルキル)、O-(C1-6ハロアルキル)、又はNH(CHNMeから選択され、
pは、0又は1であり、
sは、2~6の整数である。
複数の実施形態では、
Figure 2024517023000148
は、
Figure 2024517023000149
であり、式中、Xは、O、NCH、又はN(シクロプロピル)である。
複数の実施形態では、
Figure 2024517023000150
は、
Figure 2024517023000151
からなる群から選択される。
複数の実施形態では、部分構造Aは、(a1)~(a20)からなる群から選択される。
複数の実施形態では、部分構造Aは、(a20)~(a23)からなる群から選択される。
複数の実施形態では、
Figure 2024517023000152
は、
Figure 2024517023000153
Figure 2024517023000154
からなる群から選択される。
複数の実施形態では、
Figure 2024517023000155

Figure 2024517023000156
であり、pは、1である。複数の実施形態では、部分構造Aは、
Figure 2024517023000157
からなる群から選択される。
例示的な化合物
例示的な化合物(例えば、式(I)~(XXIII)又は本明細書に記載の任意の他の式に従う)は、表A中の以下の化合物のうちのいずれか1つを含む。したがって、例示的な化合物は、化合物(1)~(169)のうちのいずれか、又はその薬学的に許容される塩を含む。
Figure 2024517023000158
Figure 2024517023000159
Figure 2024517023000160
Figure 2024517023000161
Figure 2024517023000162
Figure 2024517023000163
Figure 2024517023000164
Figure 2024517023000165
Figure 2024517023000166
Figure 2024517023000167
Figure 2024517023000168
Figure 2024517023000169
Figure 2024517023000170
Figure 2024517023000171
Figure 2024517023000172
Figure 2024517023000173
Figure 2024517023000174
Figure 2024517023000175
Figure 2024517023000176
Figure 2024517023000177
Figure 2024517023000178
Figure 2024517023000179
Figure 2024517023000180
Figure 2024517023000181
Figure 2024517023000182
Figure 2024517023000183
Figure 2024517023000184
Figure 2024517023000185
Figure 2024517023000186
複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、EGFRなどのキナーゼの強力かつ可逆的な阻害剤であり得る。したがって、複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物(1)~(169)のうちのいずれかによって例示されるものを含む、式(I)~(XXIII)の任意の化合物)は、その構造内のいずれの変形にも許容される基として、アクリルアミド、スルホン酸ビニル、キノン、アルキニルアミド、プロパギル酸誘導体、α-ハロケトン、チオシアネート、ニトリル、エポキシド、フッ化スルホニル、及び環状1,3-ジケトンから選択される官能基を含まない。
重水素化化合物
本明細書に記載の化合物は、それらの天然同位体存在量を呈する原子を含むことができるか、又は同じ原子数を有するが、主に自然界で見られる原子質量若しくは質量数とは異なる原子質量若しくは質量数を有する特定の同位体が人工的に濃縮されていてもよいそれらの原子のうちの1つ以上を含むことができる。「アイソトポログ」という用語は、例えば、水素対重水素などの1つ以上の位置での同位体置換の位置及び/又は同位体濃縮のレベルを除いて、本明細書に提供される特定の化合物と同じ化学構造及び式を有する種を指す。本発明は、本明細書に記載の化合物の化合物の全ての好適な同位体変形を含むよう意図されている。例えば、水素(H)の異なる同位体形態には、プロチウム(H)、重水素(H)、及びトリチウム(H)、並びに本明細書に記載のいずれかの化合物のアイソトポログが濃縮された組成物が含まれる。
複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物の水素のうちの1つ以上は、重水素によって置き換えられる。位置が「H」又は「水素」と指定される場合、この位置は、その天然存在量同位体組成物に水素を有すると理解される。位置が「H」又は「重水素」と指定される場合、この位置は、0.015%である重水素の天然存在量よりも少なくとも3340倍高い存在量で重水素を有すると理解される(すなわち、「H」又は「重水素」という用語は、重水素の少なくとも50.1%の組み込みを示す)。したがって、本発明は、重水素化化合物が濃縮された組成物も特徴とする。
複数の実施形態では、本明細書に提供されるいずれかの化合物の組成物は、化合物上の可能性のある重水素化部位と指定される部位に存在する各重水素について、少なくとも3500(52.5%重水素組み込み)、少なくとも4000(60%重水素組み込み)、少なくとも4500(67.5%重水素組み込み)、少なくとも5000(75%重水素)、少なくとも5500(82.5%重水素組み込み)、少なくとも6000(90%重水素組み込み)、少なくとも6333.3(95%重水素組み込み)、少なくとも6466.7(97%重水素組み込み)、少なくとも6600(99%重水素組み込み)、又は少なくとも6633.3(99.5%重水素組み込み)の同位体濃縮係数を有し得る。
合成方法
本明細書に記載の化合物は、当該技術分野で既知の方法に従って調製することができる。例えば、本実施例に記載の例示的な合成方法を使用して、本発明の更に他の化合物を調製することができる。
したがって、開示される化合物は、概して、一般に周知の合成方法の適切な組み合わせによって合成することができる。これらの化学実体の合成に有用な技法は、本開示に基づいて、当業者に容易に明らかであり、当業者が利用可能でもある。任意選択的に置換される出発化合物及び他の反応物の多くは、例えば、Aldrich Chemical Company(Milwaukee,Wis.)から市販されているか、又は一般に用いられている合成方法論を使用して当業者が容易に調製することができる。
本発明によるある特定の化合物を調製するための例示的な合成スキームがスキーム1~3に提供される。
Figure 2024517023000187
Figure 2024517023000188
Figure 2024517023000189
Figure 2024517023000190
本明細書の表Aは、式(I)の例示的な化合物のMS特性評価を要約する。
医薬組成物
別の例示的な態様では、本発明は、本明細書の任意の化合物、又はその薬学的に許容される形態(例えば、化合物(1)~(169)のいずれかなどの式(I)~(XXIII)の任意の化合物、又はその薬学的に許容される塩)を含む医薬組成物を特徴とする。
複数の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量の本明細書に記載のいずれかの化合物、又はその任意の薬学的に許容される形態を含む。
複数の実施形態では、化合物の薬学的に許容される形態には、その任意の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、異性体、プロドラッグ、及び同位体標識誘導体が含まれる。
複数の実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載のいずれかの化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む。
複数の実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容される賦形剤を含む。
本発明の目的のために、「賦形剤」及び「担体」という用語は、本発明の記述を通して互換的に使用され、これらの用語は、本明細書において「安全かつ有効な医薬組成物を製剤化する実践に使用される成分」と定義される。
調合者であれば、賦形剤が、安全な、安定した、機能的な医薬の送達に役立つように主に使用され、送達のための全ビヒクルの一部としてのみならず、活性成分のレシピエントによる効果的な吸収を達成するための手段としても役立つことを理解するであろう。賦形剤は、不活性充填剤と同様に単純かつ直接的な役割を果たすか、又は本明細書で使用される賦形剤は、成分が胃に安全に送達されることを確実にするためのpH安定化系又はコーティングの一部であり得る。調合者は、本発明の化合物が、改善された細胞効力、薬物動態特性、並びに改善された経口バイオアベイラビリティを有するという事実を利用することもできる。
したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される1つ以上の化合物、又はその薬学的に許容される形態(例えば、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、異性体、プロドラッグ、及び同位体標識誘導体)と、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、キャリア(不活性固体希釈剤及び充填剤を含む)、希釈剤(滅菌水溶液及び様々な有機溶媒を含む)、透過促進剤、可溶化剤、及びアジュバントとを含む医薬組成物が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、追加の治療剤(例えば、化学療法剤)などの第2の活性薬剤を含む。
したがって、本教示は、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物、又はその任意の薬学的に許容される塩と、1つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤、又は希釈剤とを含む医薬組成物も提供する。かかる担体の例は、当業者に周知であり、許容される医薬手順、例えば、全開示が全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th edition,ed.Alfonoso R.Gennaro,Mack Publishing Company,Easton,PA(1985)に記載のものに従って調製することができる。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」とは、毒性学的観点から医薬用途での使用に許容され、かつ活性成分と有害な相互作用を起こさない物質を指す。したがって、薬学的に許容される担体は、組成物中の他の成分と適合性があり、かつ生物学的に許容されるものである。補足の活性成分も医薬組成物に組み込むことができる。
本教示の化合物は、経口投与若しくは非経口投与することができるか、未希釈で投与することができるか、又は従来の医薬担体と組み合わせて投与することができる。適切な固体担体は、香味剤、滑沢剤、可溶化剤、懸濁剤、充填剤、流動促進剤、圧縮助剤、結合剤若しくは錠剤崩壊剤、又は封入材料として作用することもできる1つ以上の物質を含むことができる。本化合物は、従来の様式で、例えば、既知の5-ヒドロキシトリプタミン受容体7活性調節因子に使用される様式と同様の様式で製剤化することができる。本明細書に開示される化合物を含む経口製剤の形態の医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、バッカル形態、トローチ剤(troche)、トローチ剤(lozenge)、及び経口液剤、懸濁剤、又は溶液剤を含む、任意の従来使用されている経口形態を含むことができる。散剤では、担体は、微粉化された固体とすることができ、これは、微粉化された化合物との混合物である。錠剤では、本明細書に開示される化合物は、好適な割合で必要な圧縮特性を有する担体と混合され、所望の形状及びサイズで圧縮され得る。散剤及び錠剤は、最大99%の化合物を含むことができる。
カプセル剤は、本明細書に開示される1つ以上の化合物と、薬学的に許容されるデンプン(例えば、トウモロコシ、ジャガイモ、又はタピオカデンプン)、糖、人工甘味料、粉末セルロース(例えば、結晶セルロース及び微結晶セルロース)、小麦粉、ゼラチン、ガムなどの不活性充填剤及び/又は希釈剤との混合物を含むことができる。
有用な錠剤製剤は、従来の圧縮、湿式造粒法、又は乾式造粒法によって作製することができ、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、糖、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、微結晶セルロースと、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルピロリジン、アルギン酸、アカシアガム、キサンタンガム、クエン酸ナトリウム、ケイ酸錯体、炭酸カルシウム、グリシン、スクロース、ソルビトール、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、低融点ワックス、及びイオン交換樹脂を含むが、これらに限定されない、薬学的に許容される希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、表面改質剤(界面活性剤を含む)、懸濁剤、又は安定化剤を利用する。表面改質剤には、非イオン性表面改質剤及びアニオン性表面改質剤が含まれる。表面改質剤の代表的な例としては、ポロキサマー188、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、コロイド状二酸化ケイ素、リン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、及びトリエタノールアミンが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の経口製剤は、本化合物の吸収を変化させるために標準の遅延性製剤又は徐放性製剤を利用することができる。経口製剤は、必要に応じて適切な可溶化剤又は乳化剤を含む水又は果物ジュースで本明細書に開示される化合物を投与することからなることもできる。
液体担体は、溶液、懸濁液、乳濁液、シロップ剤、エリキシル剤の調製時に、かつ吸入送達のために使用することができる。本教示の化合物は、水、有機溶媒、若しくはそれらの混合物などの薬学的に許容される液体担体、又は薬学的に許容される油若しくは脂肪中に溶解又は懸濁することができる。液体担体は、可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、防腐剤、甘味料、香味剤、懸濁剤、増粘剤、色、粘度調節剤、安定剤、及び浸透圧調節剤などの他の好適な医薬添加物を含むことができる。経口投与及び非経口投与用の液体担体の例としては、水(特に本明細書に記載の添加物、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液などのセルロース誘導体を含む)、アルコール(一価アルコール及び多価アルコール、例えば、グリコールを含む)、及びそれらの誘導体、並びに油(例えば、分画ココナッツ油及びラッカセイ油)が挙げられるが、これらに限定されない。非経口投与の場合、担体は、オレイン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルなどの油性エステルとすることができる。滅菌液体担体は、非経口投与用の滅菌液体形態組成物に使用される。加圧組成物用の液体担体は、ハロゲン化炭化水素又は他の薬学的に許容される噴霧剤とすることができる。
滅菌溶液又は懸濁液である液体医薬組成物は、例えば、筋肉内、腹腔内、又は皮下注射によって利用することができる。滅菌溶液は、静脈内投与することもできる。経口投与用の組成物は、液体形態又は固体形態のいずれかとすることができる。
複数の実施形態では、医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、溶液剤、懸濁剤、乳濁液、顆粒剤、又は座薬としての単位剤形である。かかる形態では、医薬組成物は、適切な量の本化合物を含む単位用量で細分することができる。単位剤形は、例えば、パケット化散剤、バイアル、アンプル、プレフィルドシリンジ、又は液剤を含む小袋などの包装された組成物とすることができる。あるいは、単位剤形は、カプセル剤若しくは錠剤自体とすることができるか、又はパッケージ形態の任意のかかる組成物の適切な数とすることができる。かかる単位剤形は、約1mg/kgの化合物~約500mg/kgの化合物を含むことができ、単回用量又は2回以上の用量で投与することができる。かかる用量は、本化合物をレシピエントの血流に指向するのに有用な任意の様式で、例えば、経口様式、インプラントを介した様式、非経口様式(静脈内、腹腔内、及び皮下注射を含む)、直腸様式、膣内様式、及び経皮様式で投与することができる。
特定の疾患状態又は障害の治療又は抑制のために投与された場合、有効投薬量は、利用される特定の化合物、投与様式、及び治療される状態の重症度、並びに治療される個体に関連する様々な物理的要因に応じて変動し得ることが理解される。治療用途では、本教示の化合物は、疾患及びその合併症の症状を治癒する又は少なくとも部分的に改善するのに十分な量で、疾患に既に罹患している患者に提供することができる。特定の個体の治療に使用される投薬量は、典型的には、担当医によって主観的に決定されなければならない。関与する可変物には、特定の状態及びその状態、並びに患者のサイズ、年齢、及び応答パターンが含まれる。
いくつかの事例では、定量吸入器、呼吸動作式吸入器、多用量ドライパウダー吸入器、ポンプ、圧搾作動式噴霧スプレーディスペンサー、エアロゾルディスペンサー、及びエアロゾルネブライザーなどであるが、これらに限定されない装置を使用して、化合物を患者の気道に直接投与することが望ましい場合がある。鼻腔内吸入又は気管支内吸入による投与のために、本教示の化合物は、液体組成物、固体組成物、又はエアロゾル組成物に製剤化することができる。液体組成物は、例として、1つ以上の薬学的に許容される溶媒中に溶解する、部分的に溶解する、又は懸濁する本教示の1つ以上の化合物を含むことができ、例えば、ポンプ又は圧搾作動式噴霧スプレーディスペンサーによって投与することができる。溶媒は、例えば、等張食塩水又は静菌水とすることができる。固体組成物は、例として、気管支内での使用に許容されるラクトース又は他の不活性粉末と混合された本教示の1つ以上の化合物を含む粉末調製物とすることができ、例えば、固体組成物を包むカプセル剤を破壊又は穿孔し、かつ吸入のために固体組成物を送達するエアロゾルディスペンサー又は装置によって投与することができる。エアロゾル組成物は、例として、本教示の1つ以上の化合物、噴霧剤、界面活性剤、及び共溶媒を含むことができ、例えば、定量装置によって投与することができる。噴霧剤は、クロロフルオロカーボン(CFC)、ヒドロフルオロアルカン(HFA)、又は生理学的かつ環境的に許容される他の噴霧剤とすることができる。
本明細書に記載の化合物は、非経口投与又は腹腔内投与することができる。これらの化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物、又はエステルの溶液又は懸濁液は、ヒドロキシルプロピルセルロースなどの界面活性剤と好適に混合された水中で調製することができる。分散液は、油中のグリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物中で調製することもできる。通常の保管条件及び使用条件下で、これらの調製物は、典型的には、微生物の成長を阻害するための防腐剤を含有する。
注射に好適な医薬形態には、滅菌水溶液又は分散液、及び滅菌注射溶液又は分散液の即時調製のための滅菌粉末が含まれ得る。いくつかの実施形態では、この形態は滅菌とすることができ、その粘度により、この形態がシリンジを通って流れることが可能になる。この形態は、好ましくは、製造条件及び保管条件下で安定しており、細菌及び真菌などの微生物の混入作用から保護することができる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール)、それらの好適な混合物、及び植物油を含む溶媒又は分散媒とすることができる。
本明細書に記載の化合物は、経皮投与することができる、すなわち、身体の表面並びに上皮組織及び粘膜組織を含む身体通路の内壁にわたって投与することができる。かかる投与は、ローション、クリーム、フォーム、パッチ、懸濁液、溶液、及び坐剤(肛門坐剤及び膣坐剤)の形態で本教示の化合物(その薬学的に許容される塩、水和物、又はエステルを含む)を使用して行うことができる。
経皮投与は、本明細書に開示される化合物などの化合物を含む経皮パッチの使用によって達成することができ、化合物に対して不活性であり得る担体は、皮膚に対して非毒性であり得、皮膚を介した血流への全身吸収のために化合物の送達を可能にすることができる。担体は、クリーム及び軟膏、ペースト、ゲル、並びに閉塞装置などの任意の数の形態を取ることができる。クリーム及び軟膏は、水中油型又は油中水型のいずれかの粘性液体又は半固体乳濁液とすることができる。本化合物を含む石油又は親水性石油中に分散した吸収粉末で構成されたペーストも好適であり得る。担体とともに又は担体なしで本化合物を含む貯蔵部を覆う半透膜、又は本化合物を含むマトリックスなどの様々な閉塞装置を使用して、本化合物を血流中に放出することができる。他の閉塞装置は、文献で既知である。
本明細書に記載の化合物は、従来の坐剤の形態で直腸又は膣内投与することができる。坐剤製剤は、ココアバター(坐剤の融点を変化させるためのワックスの添加あり又はなし)及びグリセリンを含む伝統的な材料から作製することができる。様々な分子量のポリエチレングリコールなどの水溶性坐剤塩基を使用することもできる。
脂質製剤又はナノカプセル剤を使用して、本教示の化合物をインビトロ又はインビボのいずれかで宿主細胞に導入することができる。脂質製剤及びナノカプセル剤は、当該技術分野で既知の方法によって調製することができる。
本教示の化合物の有効性を高めるために、化合物を標的疾患の治療に有効な他の薬剤と組み合わせることが望ましい場合がある。例えば、標的疾患の治療に有効な他の活性化合物(すなわち、他の活性成分又は薬剤)を、本教示の化合物とともに投与することができる。他の薬剤は、本明細書に開示される化合物と同時に又は異なる時点で投与することができる。
キット
いくつかの実施形態では、キットが本明細書に提供される。キットは、好適な包装で、本明細書に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される形態、又は医薬組成物、及び使用説明書、臨床研究の考察、副作用のリストなどを含み得る書面による資料を含むことができる。キットは、錠剤又はカプセル剤などの固体経口剤形の送達によく適している。かかるキットは、本医薬組成物の活性及び/若しくは利点を示す若しくは確立する、並びに/又は投薬、投与、副作用、薬物相互作用、若しくはヘルスケア提供者に有用な他の情報を記載する、科学文献参考文献、添付文書資料、臨床試験結果、及び/又はそれらの要約などの情報を含むこともできる。かかる情報は、様々な研究の結果、例えば、インビボモデルを要する実験動物を使用した研究、及びヒト臨床試験に基づく研究に基づき得る。
治療方法
本教示の化合物(例えば、化合物(1)~(169)のうちのいずれかなどの式(I)~(XXIII)のうちの任意の化合物、又はその薬学的に許容される塩)は、哺乳動物、例えば、ヒト対象における病理学的状態又は障害の治療又は抑制に有用であり得る。したがって、本教示は、哺乳動物に、本教示の化合物(その薬学的に許容される塩を含む)、又は本教示の1つ以上の化合物を薬学的に許容される担体と組み合わせて若しくはそれとともに含む医薬組成物を提供することにより、病理学的状態又は障害を治療する又は抑制する方法を提供する。本教示の化合物は、単独で、又は病理学的状態若しくは障害の治療若しくは抑制のための他の治療的に有効な化合物若しくは療法と組み合わせて投与することができる。
したがって、本明細書に記載の化合物は、シグナル伝達経路の様々な構成要素の欠陥に関連し、かつタンパク質キナーゼの調節(例えば、阻害)に応答する疾患又は障害の治療に特に有用であり得る。複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、abl、Akt、bcr-abl、Blk、Brk、c-kit、c-met、c-src、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、cRaf1、CSK、EGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4、Erk、Pak、fes、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR5、Fgr、flt-1、Fps、Frk、Fyn、Hck、IGF-1R、INS-R、Jak、KDR、Lck、Lyn、MEK、p38、PDGFR、PIK、PKC、PYK2、ros、tie、tie2、TRK 又はZap70であるタンパク質キナーゼを調節する(例えば、阻害剤)。複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、野生型のキナーゼ(例えば、EGFR)を調節する(例えば、阻害する)。複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、変異型のキナーゼ(例えば、EGFR)を調節する(例えば、阻害する)。
複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩などのその任意の薬学的に許容される形態は、チロシンキナーゼ(例えば、KIT、erb2、PDGFR、EGFR、VEGFR、src、又はabl)であるキナーゼを調節する(例えば、阻害する)。
複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩などのその任意の薬学的に許容される形態は、セリン/トレオニンキナーゼ(例えば、mTorC1、mTorC2、ATM、ATR、DNA-PK、又はAkt)であるキナーゼを調節する(例えば、阻害する)。
複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩などのその任意の薬学的に許容される形態を使用して、タンパク質キナーゼ(例えば、abl、Akt、bcr-abl、Blk、Brk、c-kit、c-met、c-src、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、cRaf1、CSK、EGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4、Erk、Pak、fes、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR5、Fgr、flt-1、Fps、Frk、Fyn、Hck、IGF-1R、INS-R、Jak、KDR、Lck、Lyn、MEK、p38、PDGFR、PIK、PKC、PYK2、ros、tie、tie2、TRK 又はZap70)の調節(例えば、阻害)に応答する疾患又は障害を治療する又は予防することができる。
複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩などのその任意の薬学的に許容される形態を使用して、チロシンキナーゼ(例えば、KIT、erb2、PDGFR、EGFR、VEGFR、src、又はabl)の調節(例えば、阻害)に応答する疾患又は障害を治療する又は予防することができる。
複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩などのその任意の薬学的に許容される形態を使用して、セリン/トレオニンキナーゼ(例えば、mTorC1、mTorC2、ATM、ATR、DNA-PK、又はAkt)の調節(例えば、阻害)に応答する疾患又は障害を治療又は予防することができる。
複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、野生型のキナーゼ(例えば、EGFR)を調節する(例えば、阻害する)。複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、変異型のキナーゼ(例えば、EGFR)を調節する(例えば、阻害する)。
キナーゼの選択的阻害
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物、又はその任意の薬学的に許容される塩は、あるキナーゼ又はキナーゼ形態を、他のキナーゼ又は他のキナーゼ形態よりも阻害する。例示的な化合物としては、化合物(1)~(169)のうちのいずれかなどの式(I)~(XXIII)のうちの任意の化合物、又はその薬学的に許容される塩が含まれる。
生物活性剤に適用される「選択的阻害」又は「選択的に阻害する」という用語は、標的との直接的な相互作用又は相互的な相互作用により、オフターゲットシグナル伝達活性と比較して標的シグナル伝達活性を選択的に減少させる薬剤の能力を指す。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物、又はその任意の薬学的に許容される塩は、あるキナーゼ又はキナーゼ形態を他のキナーゼ又は他のキナーゼ形態よりも選択的に阻害する。複数の実施形態では、化合物は、変異型キナーゼ形態を同じキナーゼの野生型よりも選択的に阻害する。
複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物、又はその任意の薬学的に許容される塩は、あるキナーゼ(例えば、EGFR)を他のキナーゼよりも選択的に阻害する。
複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物、又はその任意の薬学的に許容される塩は、あるキナーゼ形態(例えば、変異型EGFR)を他のキナーゼ形態(例えば、野生型EGFR)よりも選択的に阻害する。
非限定的な例として、選択性の比率は、約10の倍数超、約20の倍数超、約30の倍数超、約40の倍数超、約50の倍数超、約60の倍数超、約70の倍数超、約80の倍数超、約100の倍数超、約120の倍数超、又は約150の倍数超とすることができ、選択性は、当該技術分野で既知のインビトロアッセイによって測定することができる。選択性を測定するためのアッセイの非限定的な例としては、酵素アッセイ、細胞増殖アッセイ、及びEGFRリン酸化アッセイが挙げられる。一実施形態では、選択性は、細胞増殖アッセイによって決定することができる。別の実施形態では、選択性は、EGFRリン酸化アッセイによって決定することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物の変異型EGFR阻害活性は、約1000nM未満、約100nM未満、約50nM未満、約30nM未満、又は約10nM未満であり得る。
複数の実施形態では、キナーゼ阻害剤化合物のIC50は、約100nM未満、約50nM未満、約10nM未満、約1nM未満、約0.5nM未満、又は約1pM未満であり得る。
IC50値の決定は、当該技術分野で既知の方法に従って行うことができる。
複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩などのその任意の薬学的に許容される形態を使用して、がん、炎症性障害、代謝障害、血管疾患、又は神経疾患である疾患若しくは障害を治療する又は予防することができる。
本明細書に記載の化合物、若しくはその任意の薬学的に許容される形態、又はその任意の医薬組成物は、異常な細胞増殖に関連する疾患及び障害の治療に有用であり得る。
複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される形態(例えば、その薬学的に許容される塩)、又はその医薬組成物を使用して、がんを治療することができる。
がん
本明細書に提供される化合物(例えば、化合物(1)~(169)のいずれかなどの式(I)~(XXIII)うちの任意の化合物、又はその薬学的に許容される塩)、並びにその組成物及び方法は、星状細胞、乳房、子宮頸部、結腸直腸、子宮内膜、食道、胃、頭頸部、肝細胞、喉頭、肺、口腔、卵巣、前立腺及び甲状腺がん並びに肉腫などの腫瘍を含むがんの治療に潜在的に有用であり得る。
複数の実施形態では、がんは、肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫、又は奇形腫などの心臓がんである。
複数の実施形態では、がんは、気管支原性がん(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺がん)、肺胞(細気管支)がん、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、又は中皮腫などの肺がんである。
複数の実施形態では、がんは、食道(扁平上皮がん、腺がん、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(がん、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(管腺がん、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺がん、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺がん、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)などの消化管がんである。
複数の実施形態では、がんは、腎臓(腺がん、ウィルムス腫瘍(腎芽腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮がん、移行細胞がん、腺がん)、前立腺(腺がん、肉腫)、精巣(皮腫、奇形腫、胎児性がん、奇形がん、絨毛がん、肉腫、間質細胞がん、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫)などの泌尿生殖器がんである。
複数の実施形態では、がんは、肝腫(肝細胞がん)、胆管がん、肝芽細胞腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫などの肝臓がんである。
複数の実施形態では、がんは、骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織細胞腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨腫症)、良性軟骨腫、軟骨芽腫、軟骨線維腫、類骨骨腫、及び巨細胞腫瘍などの骨がんである。
複数の実施形態では、がんは、頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形性膠芽腫、乏突起神経膠腫、シュワン腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)などの中枢神経系(CNS)のがんである。
複数の実施形態では、がんは、子宮(子宮内膜がん)、子宮頸部(子宮頸がん、腫瘍前子宮頸部異形成)、卵巣(卵巣がん(漿液性嚢胞腺がん、ムチン性嚢胞腺がん、非分類がん)、顆粒膜-莢膜細胞腫瘍、セルトリ・ライディッヒ細胞腫瘍、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰(扁平上皮がん、上皮内がん、腺がん、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞がん、扁平上皮がん、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管(がん)などの婦人科がんである。
複数の実施形態では、がんは、血液(骨髄性白血病(急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)などの血液がんである。
複数の実施形態では、がんは、悪性黒色腫、基底細胞がん、扁平上皮がん、カポジ肉腫、黒子形成異常母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬などの皮膚がんである。
複数の実施形態では、がんは、神経芽細胞腫などの副腎がんである。したがって、本明細書に提供される「がん性細胞」という用語は、上で特定された状態のうちのいずれか1つに罹患しているか、又はそれらに関連する細胞を含む。
複数の実施形態では、がんは、EGFR駆動型がん(例えば、本明細書に記載のもの)である。複数の実施形態では、EGFR駆動型がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)、扁平上皮がん、腺がん、腺がん、細気管支肺胞がん(BAC)、局所浸潤を伴うBAC、BAC特徴を有する腺がん、及び大細胞がん;神経腫瘍、例えば、神経膠芽腫;膵がん、頭頸部がん(例えば、扁平上皮がん);乳がん;結腸直腸がん;上皮がん、例えば、扁平上皮がん;卵巣がん;前立腺がん;又は腺がんである。
複数の実施形態では、がんは、EGFR変異型がん(例えば、本明細書に記載のもの)である。複数の実施形態では、EGFR変異型がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)、扁平上皮がん、腺がん、腺がん、細気管支肺胞がん(BAC)、局所浸潤を伴うBAC、BAC特徴を有する腺がん、及び大細胞がん;神経腫瘍、例えば、神経膠芽腫;膵がん、頭頸部がん(例えば、扁平上皮がん);乳がん;結腸直腸がん;上皮がん、例えば、扁平上皮がん;卵巣がん;前立腺がん;又は腺がんである。
一実施形態では、本明細書に提供される組成物及び方法は、肺がん及び膵がん、最も具体的には、非小細胞肺がん(NSCLC)の治療に有用である。
複数の実施形態では、がんは、TKI療法(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ダコミチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ)に対して抵抗性である。
肺がん
複数の実施形態では、がんは、肺がんである。
肺がんは、世界中でがん死亡率の最も一般的な原因であり、男性及び女性の両方で2番目に多いがんである。全ての新たながんの約14%は肺がんである。米国(US)では、2017年に肺がんの新規症例が222,500人(男性で116,990人、女性で105,510人)であり、肺がんによる死亡が155,870人(男性で84,590人、女性で71,280人)であると予測される。
肺がんの2つの主な形態は、非小細胞肺がん(NSCLC)及び小細胞肺がんである。NSCLCは、腺がん、大細胞がん、及び扁平上皮がん(sqNSCLC)からなる異種性疾患であり、全ての肺がんの約80%~85%を構成する。肺扁平上皮がんは、NSCLCの20%~30%を占める。早期検出及び標準治療の進歩にもかかわらず、NSCLCは進行段階で診断されることが多く、予後不良であり、世界中でがん死亡の主な原因である。
プラチナベースのダブレット療法、維持化学療法、及び化学療法と組み合わせた抗血管新生剤は、進行NSCLCにおける患者の転帰の改善に寄与している。
複数の実施形態では、進行肺がんは、ステージIIIがん又はステージIVがんである。複数の実施形態では、進行肺がんは、ステージIIIがんである。複数の実施形態では、進行肺がんは、ステージIVがんである。複数の実施形態では、進行肺がんは、局所進行性である。複数の実施形態では、進行肺がんは、転移性である。
複数の実施形態では、肺がんは、小細胞肺がん(SCLC)である。
複数の実施形態では、肺がんは、腺がん、大細胞がん、又は扁平上皮がん(sqNSCLC)などの非小細胞肺がん(NSCLC)である。複数の実施形態では、NSCLCは、肺腺がんである。複数の実施形態では、NSCLCは、肺大細胞がんである。複数の実施形態では、NSCLCは、肺扁平上皮がん(sqNSCLC)である。
複数の実施形態では、肺がん(例えば、NSCLC)は、EGFR変異型肺がん(例えば、EGFR変異型NSCLC)である。複数の実施形態では、がんは、特定されたEGFR変異を有するNSCLC(例えば、進行NSCLC)である。
EGFR駆動型がん及びEGFR変異型がん
本発明は、式(I)の化合物を対象に投与することによって、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ダコミチニブ、アファチニブ、オシメルチニブに抵抗性であるか、若しくは抵抗性になったがん、又は本明細書で特定されるEGFR変異を有するがんを含む、EGFR駆動型がんを有する患者の治療に有用であり得る化合物(例えば、化合物(1)~(169)のうちのいずれかなどの式(I)~(XXIII)のうちの任意の化合物、又はその薬学的に許容される塩)を特徴とする。
すなわち、本明細書に記載の化合物は、L858R(「L」)変異、T790M(「T」)変異、C797S(「C」)変異、及び/若しくはエクソン19(Del19若しくは「D」)変異、又はそれらの任意の組み合わせを有する単一、二重、若しくは変異型EGFRなどのEGFRの変異型の有効な阻害剤であり得る。かかる阻害剤は、ある特定の他のがん療法を受けた後に変異を発症した患者の療法に特に有益であり得る。例えば、患者は、単一変異体(D、L)を呈し得るが、ある特定の治療後、患者は、二次変異、及び更には(例えば、オシメルチニブ治療後に)三次変異を発症し得る。したがって、単一、二重、及び/又は三重変異型EGFRを特徴とするがんに対する活性を有する新たな阻害剤は、以前の療法に耐性を発症した者を含むがん患者に大きな利益を付与することができる。
本発明の組成物及び方法を使用して治療することができるEGFR駆動型がんは、例えば、EGFRのアミノ酸配列若しくはヌクレオチド配列、又はそれらの断片に1つ以上の欠失、置換、又は付加を含むEGFR変異体を含む。
EGFR駆動型がんは、EGFR融合から生じ得る。例えば、EGFRのN末端は、RAD51などの様々な融合パートナーに連結され得る。EGFR融合(例えば、EGFR-RAD51融合)を特徴とするがん(例えば、肺がん)は、本明細書に記載のいずれかの化合物、又はその任意の薬学的に許容される形態(例えば、薬学的に許容される塩)を使用した療法に特に好適であり得る。
EGFRの変異は、EGFR配列の任意の部分で生じ得る。概して、EGFR変異体は、キナーゼドメイン(すなわち、EGFR配列のエクソン18~24)又は細胞外ドメイン(すなわち、EGFR配列のエクソン2~16)の変異から生じる。
EGFRの変異は、活性化変異とすることができ、これにより、TK活性のリガンド非依存的活性化がもたらされる。EGFRの変異は、耐性変異とすることもでき、これは、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ダコミチニブ、アファチニブ、又はオシメルチニブのうちの1つ以上に対する耐性などのTKI療法に対する耐性を付与することができる。
例えば突然変異は、キナーゼドメインで典型的に起こり、エクソン18における点変異(例えば、L688P、V689M、P694L/S、N700D、L703V、E709K/Q/A/G/V、I715S、L718P、G719C/A/S/R、又はS720P/F)、挿入を含む場合と含まない場合があるエクソン19における欠失(例えば、delG719、delE746_E749、delE746_A750、delE746_A750insRP、delE746_A750insQP、delE746_T751、delE746_T751insA/I/V、delE746_T751insVA、delE746_S752、delE746_S752insA/V/D、delE746_P53insLS、delL747_E749、delL747_A750、delL747_A750insP、delL747_T751、delL747_T751insP/S/Q、delL747_T751insPI、delL747_S752、delL747_S752insQ、delL747_P753、delL747_P753insS/Q、delL747_L754insSR、delE749_A750、delE749_A750insRP、delE749_T751、delT751_I759、delT751_I759insS/N、又はdelS752_I759)、エクソン19における重複(例えば、K739_I44dupKIPVAI)、エクソン19における点変異(例えば、L730F、W731Stop、P733L、G735S、V742A、E746V/K、A750P、T751I、S752Y、P753S、A754P、又はD761Y)、エクソン20におけるインフレーム挿入(例えば、D761_E762insEAFQ、A767_S768insTLA、V769_D770insY、V769_D770insCV、V769_D770insASV、D770_N771insD/G、D770_N771insNPG、D770_N771insSVQ、P772_H773insN/V、P772_H773insYNP、又はV774_C775insHV)、挿入を含む場合と含まない場合があるエクソン20における欠失(例えば、delM766_A767、delM766_A767insAI、delA767_V769、delD770、又はdelP772_H773insNP)、エクソン20における重複(例えば、S768_D770dupSVD、A767_V769dupASV、又はH773dupH)、エクソン20における点変異(例えば、D761N、A763V、V765A/M、S768I、V769L/M、S768I、P772R、N771T、H773R/Y/L、V774M、R776G/H/C、G779S/F、T783A、T784F、L792P、L798H/F、T790M、R803W、K806E、又はL814P)、又はエクソン21における点変異(例えば、G810S、N826S、L833V、H835L、L838V、A839T、K846R、T847I、H850N、V851I/A、I853T、L858M/R、A859T、L861Q/R、G863D、A864T、E866K,又はG873E)のうちの1つ以上を含む。
肺がんでは、活性化変異体が典型的である。
複数の実施形態では、変異は、耐性変異である。具体的には、肺がんの50%における薬物耐性は、T790M点変異から生じる。他の例示的な耐性変異としては、C797X(例えば、C797S、C797G、若しくはC797N)、G796X(例えば、G796R、G796S、若しくはG796D)、L792X(例えば、L792H、L792F、L792R、若しくはL792Y)、G724S、L718X(例えば、L718P、L718Q、若しくはL718V)、S768I、又はG719Aなどの点変異が挙げられる。
神経膠芽腫では、変異、例えば、細胞外ドメインを欠き、v-erbBがんタンパク質に似たEGFRバリアントI(EGFRvI);ドメインIV由来の83個のアミノ酸を欠くEGFRvII;並びにドメインI及びドメインII由来のアミノ酸30~297を欠くEGFRvIIIは、これに限らないが典型的には細胞外ドメインで発生し、これは、最も一般的な増幅であり、神経膠芽腫の30~50%及び扁平上皮がんの5%に報告されている。神経膠芽腫の他の変異としては、エクソン2の点変異(例えば、D46N又はG63R)、エクソン3の点変異(例えば、ドメインIのR108K)、エクソン7の点変異(例えば、ドメインIIのT263P若しくはA289D/T/V)、エクソン8の点変異(例えば、R324L若しくはE330K)、エクソン15の点変異(例えば、ドメインIVのP596L若しくはG598V)、又はエクソン21の点変異(キナーゼドメインのL861Q)のうちの1つ以上が挙げられる。
EGFR変異体には、本明細書に記載されるように、2つ以上の変異の組み合わせを有するものも含まれる。例示的な組み合わせとしては、S768I及びG719A、S768I及びV769L、H773R及びW731Stop、R776G及びL858R、R776H及びL861Q、T790M及びL858R、T790M及びdelE746_A750、R803W及びdelE746_T751insVA、delL747_E749及びA750P、delL747_S752及びE746V、delL747_S752及びP753S、P772_H773insYNP及びH773Y、P772_H773insNP及びH773Y、並びにD770_N771insG及びN771Tが挙げられる。他の例示的な組み合わせとしては、T790Mを含むもの(例えば、T790M及びL858R又はT790M及びdelE746_A750が挙げられる。
EGFR変異体は、活性化変異体又は耐性変異体のいずれかであり得る。活性化突然変異体としては、薬物感受性を増加させる置換を有するもの(例えば、G719C/S/A、delE746_A750、又はL858R)が挙げられる。耐性変異体としては、薬物耐性を増加させる置換を有するもの(例えば、T790M又はT790Mを含む任意の組み合わせ)が挙げられる。
複数の実施形態では、EGFR変異は、エクソン19の欠失(del19)である。複数の実施形態では、EGFR変異は、T790M変異である。複数の実施形態では、EGFR変異は、L858R変異である。複数の実施形態では、EGFR変異は、C797S変異である。複数の実施形態では、EGFR駆動型がん(例えば、非小細胞肺がん)は、これらの変異のうちの少なくとも1つを特徴とする。複数の実施形態では、EGFR駆動型がん(例えば、非小細胞肺がん)は、これらの変異のうちの少なくとも2つを特徴とする。複数の実施形態では、EGFR駆動型がん(例えば、非小細胞肺がん)は、これらの変異のうちの少なくとも3つを特徴とする。
EGFR駆動型がんとしては、本明細書に記載のいずれかの変異体を有するものが挙げられる。例えば、EGFRvIIIは、神経膠芽腫に一般に見られ、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、及び肺がんでも報告されている。例示的なEGFR駆動型がん:神経膠芽腫、肺がん(例えば、扁平上皮がん、非小細胞肺がん、腺がん、細気管支肺胞がん(BAC)、局所浸潤を伴うBAC、BAC特徴を有する腺がん、及び大細胞がん)、膵がん、頭頸部がん(例えば、扁平上皮がん)、乳がん、結腸直腸がん、上皮がん(例えば、扁平上皮がん)、卵巣がん、及び前立腺がん。
特に、本明細書に記載の本発明は、TKI耐性変異のリスクの高い患者集団に利益をもたらすであろう。非小細胞肺がんの発生率(米国では約160,000の新規症例)、一般人口におけるエルロチニブに対する応答(約10%、結果として16,000の感受性集団をもたらす)、活性化変異の存在(白人の人口では10~20%、アジア人の人口では30~40%、結果として16,000~32,000の感受性集団をもたらす)、二次耐性の獲得(全ではなくともほとんどの患者、結果として16,000~32,000の感受性集団をもたらす)、及びT790M点変異を有する患者の割合(約50%、結果として8,000~16,000の感受性集団をもたらす)に基づいて、年間約8,000~16,000の新規症例を推定することができる。TKI耐性変異を有する患者には、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ダコミチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、CL-387,785、BIBW 2992(CAS登録番号439081-18-2)、CI-1033、ネラチニブ(HKI-272)、MP-412(AV-412)、PF-299804、AEE78、及びXL64のうちの1つ以上に耐性を示すがんを有する患者が含まれる。
具体的には、本発明は、T790M点変異を有するEGFR駆動型がんの治療に関する。概して、不可逆的阻害剤(例えば、CI-1033、ネラチニブ(HKI-272)、及びPF-299804)は、T790M変異を有する細胞株ではあまり強力ではなく、臨床的に達成可能な濃度でT790Mを阻害しない。T790M及びWTのATP Kmが類似しているため、変異体を阻害する濃度はWTを阻害し、消化管事象及び皮膚事象をもたらす。
EGFR変異体は、チロシンキナーゼ又はリン酸化活性を保持する又は増加させる点変異などの1つ以上の欠失、置換、又は付加を有するEGFRの他のアミノ酸配列及びヌクレオチド配列も含む。変異体がタンパク質又はポリペプチドである場合、好ましい置換は保存的置換であり、これは、構造特性、電気特性、極性特性、又は疎水性特性などの特性が類似しているアミノ酸間の置換である。例えば、この置換は、塩基性アミノ酸間(例えば、Lys、Arg、及びHis)、又は酸性アミノ酸間(例えば、Asp及びGlu)、又は非荷電極性側鎖を有するアミノ酸間(例えば、Gly、Asn、Gln、Ser、Thr、Tyr、及びCys)、又は疎水性側鎖を有するアミノ酸間(例えば、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、及びMet)、又は分岐側鎖を有するアミノ酸間(例えば、Thr、Val、Leu、及びIle)、又は芳香族側鎖を有するアミノ酸間(例えば、Tyr、Trp、Phe、及びHis)で行うことができる。
変異体が核酸である場合、EGFR変異タンパク質をコードするDNAは、ストリンジェントな条件下で、本明細書で定義されるように、EGFR変異体をコードするヌクレオチド配列の相補配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列を含み得る。本明細書で使用される場合、ストリンジェントな条件には、低、中、又は高ストリンジェントな条件が含まれる。ストリンジェントな条件の例としては、およそ2~6×SSC中のおよそ42~55℃でのハイブリダイゼーション、続いて、およそ0.1~0.2%のSDSを含むおよそ0.1~1×SSC中のおよそ50~65℃での洗浄が含まれ、ここで、1×SSCとは、0.15MのNaCl及び0.015Mのクエン酸ナトリウム、pH7.0を含む溶液である。洗浄は、1回以上行うことができる。一般に、ストリンジェントな条件は、定義されたイオン強度及びpHで特定のヌクレオチド配列の融解温度(Tm)よりもおよそ5℃低い温度で設定され得る。
EGFRのアミノ酸配列及びヌクレオチド配列、並びにそれらをコードするDNAは、NCBI GenBank(USA)、EMBL(欧州)などの公知のデータベースから入手可能である。例えば、EGFR[ホモサピエンス]のGenBank受入番号には、MIM131550、AAI28420、NM_005228、NP_005219.2、及びGeneID:1956が含まれる
EGFR選択的阻害
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)~(XXIII)の任意の化合物、例えば化合物(1)~(169)のいずれか)、又はその任意の薬学的に許容される塩は、他のキナーゼよりもEGFR(本明細書に記載のいずれかの変異型EGFRを含む)を選択的に阻害する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物、又はその任意の薬学的に許容される塩は、野生型EGFRよりも変異型EGFR(例えば、本明細書に記載のいずれかの変異型EGFR)を選択的に阻害する。複数の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、エクソン19の欠失(del19)、T790M変異、L858R変異、及び/若しくはC797S変異、又はそれらの任意の組み合わせである変異を特徴とするEGFRを選択的に阻害する。かかる阻害剤は、変異型EGFR活性に関連する疾患及び障害の改善に有効であり得る。
非限定的な例として、選択性の比率は、約10の倍数超、約20の倍数超、約30の倍数超、約40の倍数超、約50の倍数超、約60の倍数超、約70の倍数超、約80の倍数超、約100の倍数超、約120の倍数超、又は約150の倍数超とすることができ、選択性は、当該技術分野で既知のインビトロアッセイによって測定することができる。選択性を測定するためのアッセイの非限定的な例としては、酵素アッセイ、細胞増殖アッセイ、及びEGFRリン酸化アッセイが挙げられる。一実施形態では、選択性は、細胞増殖アッセイによって決定することができる。別の実施形態では、選択性は、EGFRリン酸化アッセイによって決定することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物の変異型EGFR阻害活性は、約1000nM未満、約100nM未満、約50nM未満、約30nM未満、又は約10nM未満であり得る。
複数の実施形態では、変異型EGFR阻害に対する主題化合物のIC50は、約100nM未満、約50nM未満、約10nM未満、約1nM未満、約0.5nM未満、又は約1pM未満であり得る。
EGFR駆動型がんの特徴付け
本発明の組成物及び方法を使用して、EGFR駆動型がん(すなわち、EGFR変異体発現又は過剰発現を特徴とするがん)を有する対象を治療することができる。EGFR変異体発現又は過剰発現は、生体試料中のEGFR変異体のレベルを評価することによって、又は細胞によって分泌されたEGFR変異体のレベルを評価することによって、診断アッセイ又は予後アッセイで決定することができる(例えば、抗EGFR抗体又は抗p-EGFR抗体を使用した免疫組織化学アッセイ、FACS分析などにより)。あるいは、又は加えて、例えば、EGFR変異体をコードする核酸又はその相補体に対応する核酸ベースのプローブを使用した蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH;1998年10月に公開されたWO98/45479を参照されたい)、サザンブロッティング、ノーザンブロッティング、又はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技法、例えば、リアルタイム定量PCR(RT-PCR)により、細胞中のEGFR変異体をコードする核酸又はmRNAのレベルを測定することができる。例えば、抗体ベースのアッセイを使用して、血清などの生体試料中の放出抗原を測定することによってEGFR変異体発現を研究することもできる(例えば、1990年6月12日に発行された米国特許第4,933,294号、1991年4月18日に公開されたWO91/05264号、1995年3月28日に発行された米国特許第5,401,638号、及びSias et al.,J.Immunol.Methods 132:73(1990)を参照されたい)。上記のアッセイ以外に、様々なインビボアッセイが当業者に利用可能である。例えば、哺乳動物の体内の細胞を、検出可能な標識、例えば、放射性同位体で任意選択的に標識される抗体に曝露することができ、その抗体の哺乳動物の細胞への結合を、例えば、放射活性の外部走査によって、又はその抗体に以前に曝露された哺乳動物から採取された生検を分析することによって評価することができる。
単離された細胞で測定することができる生物学的特性の例としては、mRNA発現、タンパク質発現、及びDNA定量が挙げられる。加えて、本発明の方法によって単離された細胞のDNAを配列決定することができるか、又はある特定の配列特徴(例えば、多型及び染色体異常)を、標準の技法、例えば、FISH又はPCRを使用して特定することができる。細胞の化学成分、及び他の分析物も、単離後にアッセイされ得る。細胞は、溶解することなく、例えば、細胞外染色若しくは細胞内染色を使用して、又は他の観察、例えば、様々な培地中の形態又は成長特性によってアッセイされる場合もある。
いずれかのハイブリダイゼーション技法を使用して遺伝子再編成を検出することができるが、1つの好ましい技法は、蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)である。FISHは、染色体上の特定のDNA配列又はRNA配列の存在又は不在を検出して局在化するために使用することができる細胞遺伝学的技法である。FISHは、蛍光標識核酸プローブの使用を組み込み、これらの蛍光標識核酸プローブは、それらが高度の配列類似性を示す染色体の部分にのみ結合する。蛍光顕微鏡を使用して、蛍光プローブが染色体のどこに結合しているかを見つけ出すことができる。FISHの基本的なステップが以下に概説される。例示的なFISHプローブとしては、バンド7p12にハイブリダイズするVysis EGFR SpectrumOrange/CEP SpectrumGreen Probe(Abbott、Downers Grove,IL)、及び染色体7のセントロメアのアルファサテライト配列にハイブリダイズするZytoLight SPEC EGFR/CEN 7 Dual Color Probe(ZytoVision)が挙げられる。
FISHの場合、標的に特異的にハイブリダイズする(ゲノム内の類似の配列にハイブリダイズしない)のに十分な長さであるが、ハイブリダイゼーションプロセスを妨げるのに大きすぎないプローブが構築される。プローブは、概して、フルオロフォア、抗体の標的、ビオチン、又はそれらの任意の組み合わせで標識される。これは、例えば、ランダムプライミング、ニックトランスレーション、及びタグ付けされたヌクレオチドを使用したPCRを使用して、様々な方法で行うことができる。
一般に、細胞集団の試料又はアリコートがFISH分析に使用される。例えば、1つの調製方法では、細胞がトリプシン処理されて単一細胞に分散し、ガラススライド上でサイトスピンされ、その後、パラホルムアルデヒドで固定した後、70%エタノール中で保管される。FISH用の染色体の調製の場合、染色体を、基板、通常、ガラスにしっかりと付着させる。調製後、プローブが染色体RNAに適用され、ハイブリダイズを開始する。いくつかの洗浄ステップでは、全てのハイブリダイズされていないプローブ又は部分的にハイブリダイズされたプローブが洗浄される。顕微鏡の検出閾値(プローブ標識効率、プローブの種類、及び蛍光色素などの多くの因子に依存する)を超えるためにシグナル増幅が必要な場合、蛍光標識抗体又はストレパビジンをタグ分子に結合させ、それ故に、蛍光が増幅される。
エピ蛍光顕微鏡を使用して、ハイブリダイズされた配列を観察することができる。ソースランプの白色光がフィルタリングされて、これにより、蛍光分子の励起に関連した波長のみが試料に到達するようになる。蛍光色素の放射は、一般に、より大きい波長で起こり、これにより、別の光学フィルターを用いて励起光と発光を区別することが可能になる。より洗練されたフィルターセットを用いて、いくつかの励起バンドと発光バンド、ひいては、いくつかの蛍光色素を区別することが可能であり、これにより、同じ鎖上の多くの異なるプローブの観察が可能になる。
使用されるプローブに応じて、FISHは、巨大染色体又は小さい(約100キロベース)配列の範囲の分解能を有することができる。プローブは、単にドットを計数するか、又は色を比較することによって定量することができる。
対立遺伝子特異的定量リアルタイムPCRを使用して、変異型EGFRタンパク質をコードする核酸を特定することもできる(例えば、Diagnostic Innovations DxS BCR-ABL T3151 Mutation Test Kit、及びSinger et al.,Methods in Molec.Biol.181:145(2001)を参照されたい)。この技法はTaq DNAポリメラーゼを利用し、これは、プライマーの3’末端のマッチとミスマッチを区別するのに非常に効果的である(3’塩基がミスマッチである場合、効率的な増幅は生じない)。この技法を使用して、プライマーの3’末端は、本明細書に記載されるように、EGFR変異体中の変異アミノ酸をコードするコドンに対応する核酸配列に特異的にハイブリダイズするように設計され得る。このようにして、特定の変異配列が患者試料中で選択的に増幅され得る。この技法は更に、PCRプライマー、フルオロフォア、及びクエンチャーを含む二官能性分子であるScorpionプローブ分子を利用する。プローブ中の発蛍光団がクエンチャーと相互作用して、これにより、蛍光が減少する。PCR反応中、Scorpionプローブがアンプリコンに結合すると、Scorpionプローブ中のフルオロフォアとクエンチャーが分離するようになり、これにより、反応管からの蛍光の増加がもたらされる。本明細書に記載のプライマーのうちのいずれも、対立遺伝子特異的定量リアルタイムPCRで使用され得る。
生体試料を分析して、当該技術分野で既知の方法によって、EGFR遺伝子の変異又はEGFR遺伝子の発現レベルを検出することができる。例えば、患者試料に由来するPCR産物の、直接核酸配列決定、ハイブリダイゼーションの変化、異常な電気泳動ゲル移動、ミスマッチ結合タンパク質によって媒介される結合若しくは切断、一本鎖高次構造多型(SSCP)分析、又は制限酵素断片長多型(RFLP)分析などの方法を使用して、EGFR遺伝子の変異を検出することができ、ELISAを使用して、EGFRポリペプチドのレベルを測定することができ、PCRを使用して、EGFR核酸分子のレベルを測定することができる。
これらの技法のうちのいずれかを使用して、候補遺伝子の変異の検出を容易にすることができ、各々当該技術分野で周知であり、特定の技法の例は、限定されないが、Orita et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2766(1989))及びSheffield et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:232(1989))に記載されている。更に、生体試料(例えば、生検)中の候補遺伝子の発現は、標準のノーザンブロット分析によって監視することができ、又はPCRによって支援することができる(例えば、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New York,NY(1995)、PCR Technology:Principles and Applications for DNA Amplification,H.A.Ehrlich,Ed.,Stockton Press,NY、Yap et al.,Nucl.Acids.Res.19:4294(1991)を参照されたい)。
当業者であれば、いくつかの配列アライメントソフトウェアプログラム(例えば、NCBI BLASTウェブサイト)を使用して、核酸又はタンパク質配列において、野生型EGFR又はEGFR変異体中の残基又はコドンに対応する残基(例えば、アミノ酸若しくはヌクレオチド)又はコドンを特定することができる。かかるソフトウェアプログラムにより、比較された配列のアライメントにおけるギャップが可能になり得る。かかるソフトウェアを使用して、当業者であれば、野生型EGFR又はEGFR変異体中の特定のヌクレオチド、アミノ酸、又はコドンに対応するヌクレオチド、アミノ酸、又はアミノ酸を特定することができる。
生体試料中のEGFR発現のレベル(例えば、DNA、mRNA、又はタンパク質)は、当該技術分野で周知であるか、又は本明細書に記載されるいくつかの標準の技法のうちのいずれかを使用することによって決定することができる。例示的な生体試料としては、血漿、血液、痰、胸水、気管支肺胞洗浄液、又は肺生検及びリンパ節生検などの生検が挙げられる。例えば、患者由来の生体試料(例えば、血液試料又は組織試料)におけるEGFR発現は、標準のノーザンブロット分析又は定量PCRによって監視することができる(例えば、Ausubel et al.,(上記参照)、PCR Technology:Principles and Applications for DNA Amplification,H.A.Ehrlich,Ed.,Stockton Press,NY、Yap et al.,Nucl.Acids.Res.19:4294(1991)を参照されたい)。
併用療法
いくつかの実施形態では、他の経路又は同じ経路の他の成分を調節することで知られている薬剤、又は更には標的酵素の重複セットが、本明細書に提供される化合物(例えば、化合物(1)~(169)のうちのいずれかなどの式(I)~(XXIII)のうちの任意の化合物)、又はその薬学的に許容される形態(例えば、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、異性体、プロドラッグ、及び同位体標識誘導体)と組み合わせて使用される、併用療法のための方法が本明細書に提供される。一態様では、かかる療法には、相乗的又は相加的治療効果が提供される、主題化合物と化学療法剤、治療用抗体、及び放射線治療との組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
組み合わせとして投与される場合、治療剤は、同時に、又は異なる時点で順次投与される別個の組成物として製剤化することができるか、又は治療剤は、単一の組成物として投与することができる。開示される化合物を別の医薬品と一緒に使用することに言及する際の「併用療法」という語句は、いずれの場合も、薬物組み合わせの有益な効果を提供するレジメンで、実質的に同時に各薬剤を同時投与することだけでなく、各薬剤を順次投与することも意味する。同時投与には、とりわけ、例えば、固定比率のこれらの活性薬剤を有する単一の錠剤、カプセル剤、注射剤、又は他の剤形での同時送達、並びにそれぞれ薬剤毎の複数の別個の剤形での同時送達が含まれる。したがって、開示される化合物の投与は、放射線療法又は細胞分裂阻害剤、細胞傷害剤、他の抗がん剤、及びがんの症状又はこれらの薬物のうちのいずれかの副作用を改善するための他の薬物などのがんの予防又は治療における当業者に既知の追加の療法と併用することができる。
いくつかの実施形態では、治療は、1つ以上の他のがん療法と組み合わせて提供することができ、治療には、手術、放射線療法(例えば、ガンマ線放射、中性子ビーム放射線療法、電子ビーム放射線療法、陽子療法、近接照射療法、及び全身放射性同位体など)、内分泌療法、生物学的応答修飾剤(例えば、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子(TNF))、温熱療法、凍結療法、あらゆる有害作用を減弱させる薬剤(例えば、制吐剤)、及び他のがん化学療法薬が含まれる。他の薬剤は、本明細書に提供される化合物とともに使用されるものと同じ又は異なる製剤、投与経路、及び投与スケジュールを使用して投与することができる。
複数の実施形態では、併用療法は、本明細書に記載の化合物、若しくはその任意の薬学的に許容される形態(例えば、その任意の薬学的に許容される塩)、又はその医薬組成物を、抗がん剤(例えば、抗増殖剤、抗血管新生剤、及び他の化学療法剤)と組み合わせて投与することを含む。
複数の実施形態では、併用療法は、本明細書に記載の化合物、若しくはその任意の薬学的に許容される形態(例えば、その任意の薬学的に許容される塩)、又はその医薬組成物を、ある量の抗がん剤(例えば、化学療法剤)と組み合わせて投与することを含む。
実施例1:化合物(169)の調製
阻害剤の合成:5,10-ジメチル-13-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6]トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン(化合物(169))。
(I)中間体A(INT-A)の合成
Figure 2024517023000191
ステップ1:THF(20mL)中の2-クロロピリミジン-4-アミン(2g、15.4mmol、1当量)及びDMAP(188.6mg、1.54mmol、0.1当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージし、TEA(6.25g、61.8mmol、4当量)及びBocO(10.11g、46.3mmol、3当量)を添加した。混合物を窒素雰囲気下、15℃で16時間撹拌した。反応混合物をHO(50mL)で希釈し、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、12g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~20%、流量=20mL/分)により精製し、オフホワイトの固体としてtert-ブチル N-tert-ブトキシカルボニル-N-(2-クロロピリミジン-4-イル)カルバメート(4.5g、収率85.7%、純度97%)を得た。
H NMR(400 MHz,DMSO)δ 8.72(d、J=6.0 Hz,1H),7.73(d,J=6.0 Hz,1H),1.52(s,18 H).
ステップ2:MeCN(20mL)中の2-メチルピラゾール-3-オール(3g、30.6mmol、1当量)の溶液に、SEMCl(11mL、62.2mmol、2.03当量)及びKCO(18.0g、0.130mol、4.26当量)を添加した。混合物を20℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、40g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、DCM/MeOH、MeOH 0~8%、流量=40mL/分)により精製し、白色固体として2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(6.2g、収率70.1%、純度79%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 7.30(d,J=3.6 Hz,1H),5.49(d,J=3.6 Hz,1H),4.98(s,2H),3.43-3.47(m,5H),0.87(t,J=8.0 Hz,2H),-0.02(s,9H).
ステップ3:MeCN(20mL)中の2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(1.7g、7.44mmol、1当量)の混合物に、NBS(1.99g、11.2mmol、1.5当量)を窒素下、0℃で加え、混合物を窒素雰囲気下、15℃で1時間撹拌した。反応混合物を飽和Na水溶液(50mL)で希釈し、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、12g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 50~100%、流量=30mL/分)により精製して、黄色固体として4-ブロモ-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(1.2g、収率48.8%、純度93%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 7.42(s,1H),4.97(s,2H),3.48-3.52(m,5H),0.89(t,J=8.0 Hz,2H),-0.01(s,9H).
ステップ4:MeCN(25mL)及びHO(2.5mL)中のtert-ブチル N-tert-ブトキシカルボニル-N-(2-クロロピリミジン-4-イル)カルバメート(2.68g,8.14mmol、5当量)、4-ブロモ-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(500mg、1.63mmol、1当量)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(2.07g、8.14mmol、5当量)、4-ジtert-ブチルホスファニル-N,N-ジメチル-アニリン;ジクロロパラジウム(230.4mg、0.325mmol、0.2当量)及びNaCO(862.4mg、8.14mmol、5当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージし、次いで、混合物を窒素雰囲気下、100℃で4時間撹拌した。反応混合物をHO(100mL)で希釈し、EtOAc(150mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、40g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、DCM/MeOH、MeOH 0~10%、流量=30mL/分)により精製して、褐色油状物としてtert-ブチル N-tert-ブトキシカルボニル-N-[2-[2-メチル-3-オキソ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-4-イル]ピリミジン-4-イル]カルバメート(2g、収率55.4%、純度47%)を得た。
LCMS[M+H]m/z:計算値522.3、実測値522.4。
ステップ5:1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール(10mL)中のtert-ブチル N-tert-ブトキシカルボニル-N-[2-[2-メチル-3-オキソ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-4-イル]ピリミジン-4-イル]カルバメート(500mg、0.958mmol、1当量)の溶液に、TFA(1mL、13.5mmol、14.09当量)を加えた。混合物を15℃で3時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液(50mL)で希釈し、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(シリカ、DCM/MeOH=10/1、254nm)により精製して、赤色固体として4-(4-アミノピリミジン-2-イル)-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(150mg、収率46.7%、純度96%)を得た。
H NMR(400MHz,メタノール-d)δ 8.38(br s,1H),8.02(br s,1H),6.34(br s,1H),5.40(s,2H),3.52-3.62(m,5H),0.92(t,J=8.0 Hz,2H),-0.00(s,9H).
(II)化合物(169)の合成
Figure 2024517023000192
ステップ1:DCM(80.0mL)中のブタン-1,3-ジオール(5g、55.5mmol、1.0当量)及びイミダゾール(4.15g、61.0mmol、1.1当量)の溶液に、TBDMSCl(8.36g、55.5mmol、1.0当量)を0℃で加えた。混合物を15℃で12時間撹拌した。反応混合物をHO(100mL)で希釈し、DCM(100mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL×1)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュ/カラムクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、40g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~30%、100mL/分、PMA)により精製して、無色油状物として4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシブタン-2-オール(10g、収率88.2%)を得た。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ ppm 4.07-3.98(m,1H),3.92-3.86(m,1H),3.84-3.78(m,1H),1.70-1.60(m,2H),1.19(d,J=6.4 Hz,3H),0.90(s,9H),0.10-0.06(m,6H).
ステップ2:THF(15.0mL)中の5-ブロモ-2-クロロ-ピリジン-4-オール(1g、4.80mmol、1.0当量)、PPh(3.77g、14.4mmol、3.0当量)及びtert-ブチル(NE)-N-tert-ブトキシカルボニルイミノカルバメート(3.31g、14.4mmol、3.0当量)の混合物をN下、15℃で30分間撹拌し、次いで0℃に冷却し、THF(5.0mL)中の4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシブタン-2-オール(1.18g、5.76mmol、1.2当量)を0℃で滴下で加え、混合物をN雰囲気下、15℃で12時間撹拌した。反応混合物をHO(30mL)で希釈し、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×1)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~15%、40mL/分、254nm)により精製し、黄色固体として3-[(5-ブロモ-2-クロロ-4-ピリジル)オキシ]ブトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(1.1g、収率49.2%、純度85%)を得た。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ ppm 8.37-8.32(m,1H),6.91(s,1H),4.80-4.71(m,1H),3.80-3.69(m,2H),2.07-1.98(m,1H),1.88-1.79(m,1H),1.43(d,J=6.4 Hz,3H),0.90-0.87(m,9H),0.02(d,J=14.4 Hz,6H).
ステップ3:ジオキサン(15.0mL)及びHO(3.0mL)中の3-[(5-ブロモ-2-クロロ-4-ピリジル)オキシ]ブトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(1.1g、2.79mmol、1.0当量)、1-メチル-4-[[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]メチル]ピペラジン(1.06g、3.34mmol、1.2当量)、Pd(dppf)Cl(204mg、0.279mmol、0.1当量)、KCO(1.16g、8.36mmol、3.0当量)の混合物を脱気し、Nで3回パージし、次いで、混合物をN雰囲気下、90℃で12時間撹拌した。反応混合物をHO(50mL)で希釈し、EtOAc(100mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL×1)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、EtOAc/MeOH、MeOH 0~15%、40mL/分、254nm)により精製し、黄色固体としてtert-ブチル-[3-[[2-クロロ-5-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]-4-ピリジル]オキシ]ブトキシ]-ジメチル-シラン(960mg、収率63.5%、純度93%)を得た。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ ppm 8.18(s,1H),7.44-7.40(m,2H),7.39-7.35(m,2H),6.98(s,1H),4.79-4.71(m,1H),3.65(t,J=5.6 Hz,2H),3.59(s,2H),3.50(s,1H),2.77-2.50(m,7H),2.42(br s,3H),1.99-1.91(m,1H),1.79-1.71(m,1H),1.37(d,J=6.0 Hz,3H),0.89(s,9H),0.01(d,J=5.6 Hz,6H).
LCMS(ESI)[M+H]m/z:計算値504.3、実測値504.1。
ステップ4:tert-ブチル-[3-[[2-クロロ-5-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]-4-ピリジル]オキシ]ブトキシ]-ジメチル-シラン(300mg、0.595mmol、1.0当量)、4-(4-アミノピリミジン-2-イル)-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(192mg、0.595mmol、1.0当量)、キサントホス(104mg、0.179mmol、0.3当量)、CsCO(582mg、1.79mmol、3.0当量)、及びPd(dba)(82mg、0.0893mmol、0.15当量)をジオキサン(10.0mL)中でマイクロ波管に採取した。密封管をマイクロ波下130℃で2時間加熱した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、4g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、EtOAc/MeOH、MeOH 0~15%、40mL/分、254nm)により精製し、黄色固体として4-[4-[[4-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロポキシ]-5-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]-2-ピリジル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(350mg、収率69.5%、純度93%)を得た。
LCMS(ESI)[M+H]m/z:計算値789.5、実測値789.4。
ステップ5:THF(5.0mL)中の4-[4-[[4-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロポキシ]-5-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]-2-ピリジル〕アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(200mg、0.253mmol、1.0当量)の溶液に、1MのTBAF/THF(0.5mL、0.5mmol、2.0当量)を加えた。混合物を70℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。粗製物を、フラッシュクロマトグラフィー(カラム:SepaFlash(登録商標)Sphercial C18、40g、40~60μm、120Å、MeCN/水(0.5%NH-HO)、MeCN 0~30%、100mL/分、254nm)により精製して、黄色固体として4-[4-[[4-(3-ヒドロキシ-1-メチル-プロポキシ)-5-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]-2-ピリジル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オール(130mg、収率71.5%、純度76%)を得た。
LCMS(ESI)[M+H]m/z:計算値545.3、実測値545.1。
ステップ6:トルエン(10.0mL)中の4-[4-[[4-(3-ヒドロキシ-1-メチル-プロポキシ)-5-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]-2-ピリジル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オール(130mg、0.239mmol、1.0当量)の溶液に、2-(トリブチル-λ5-ホスファニリデン)アセトニトリル(288mg、1.19mmol、5.0当量)を加えた。混合物をN下、130℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、EtOAc/MeOH、MeOH 0~20%、40mL/分、254nm)によって精製して粗製物を得、これを分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX 80×40mm×3μm、移動相:[水(10mM NHHCO)-ACN]、B%:32%~62%、7.8分)により精製して、白色固体として5,10-ジメチル-13-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル]-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6]トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン(化合物(20))(49.0mg、収率38.6%)を得た。
H NMR(400 MHz,CDOD)δ ppm 8.77(s,1H),8.23(d,J=5.6 Hz,1H),8.03(d,J=8.8 Hz,2H),7.50(d,J=8.0 Hz,2H),7.38(d,J=8.0 Hz,2H),6.68(d,J=5.6 Hz,1H),5.18-5.09(m,1H),4.76-4.68(m,1H),4.24-4.17(m,1H),3.79(s,3H),3.62(s,2H),2.97-2.52(m,8H),2.46(s,3H),2.32-2.22(m,2H),1.43(d,J=6.4 Hz,3H).
LCMS(ESI)[M+H]m/z:計算値527.3、実測値527.1。
位置化学はHSQCによって確認された(-CH-O-の化学シフトは71.932ppmである)。
実施例2:化合物(48)の調製
阻害剤の合成:(10S)-5,10-ジメチル-13-[1-メチル-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピロール-3-イル]-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6〕トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン(化合物(48))。
(I)中間体B(INT-B)の合成
Figure 2024517023000193
ステップ1:DCM(200mL)中の(3R)-ブタン-1,3-ジオール(20g、0.222mol)の溶液に、イミダゾール(20g、0.294mol)及びtert-ブチル-クロロ-ジメチル-シラン(34g、0.226mol)を0℃で添加した。混合物を20℃で12時間撹拌した。反応混合物をブライン(200mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、220g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~30%、流量:100mL/分、PMA)により精製して、無色油状物として(2R)-4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシブタン-2-オール(39g、86%)を得た。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ ppm 4.04-3.90(m,1H),3.89-3.86(m,1H),3.84-3.80(m,1H),1.69-1.62(m,2H),1.19(d,J=6.4 Hz,2H),0.91(s,9H),0.08(s,6H).
ステップ2:THF(200mL)中の2-クロロピリジン-4-オール(10g、0.0772mol)、(2R)-4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシブタン-2-オール(19g、0.0930mmol)、及びPPh(30g、0.114mol)の混合物を、DIAD(23mL、0.118mol)を0℃で滴下で加え、次いで混合物を窒素雰囲気下、20℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、330g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~15%、流量:100mL/分、254nm)により精製して、黄色油状物としてtert-ブチル-[(3S)-3-[(2-クロロ-4-ピリジル)オキシ]ブトキシ]-ジメチル-シラン(25g、収率88.2%、純度86%)を得た。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ ppm 8.14(d,J=5.6 Hz,1H),6.84(d,J=2.0 Hz,1H),6.74(dd,J=5.6 Hz,2.0 Hz,2H),4.72-4.64(m,1H),3.72-3.65(m,1H),1.97-1.91(m,1H),1.78-1.72(m,1H),1.34(d,J=6.4 Hz,3H),0.87(s,9H),0.02(s,3H),-0.01(s,3H).
LCMS(ESI)[M+H]m/z:計算値316.1、実測値315.9。
ステップ3:ヘキサン(250mL)中のtert-ブチル-[(3S)-3-[(2-クロロ-4-ピリジル)オキシ]ブトキシ]-ジメチル-シラン(13g、41.1mmol)、(Bpin)(18g、70.9mmol)、4-tert-ブチル-2-(4-tert-ブチル-2-ピリジル)ピリジン(1g、3.73mmol)、及び(1Z,5Z)-シクロオクタ-1,5-ジエン;2,4-ジメチル-BLAHビシクロ[1.1.0]ブタン(1g、1.51mmol)の混合物を脱気し、窒素で3回パージし、次いで混合物を窒素雰囲気下、90℃で48時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、330g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~24%、流量:100mL/分、254nm)により精製して、黄色油状物としてtert-ブチル-[(3S)-3-[[2-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-ピリジル]オキシ]ブトキシ]-ジメチル-シラン(10g、収率44.0%)を得た。位置化学はHSQCによって確認された。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ ppm 8.40(s,1H),6.82(s,1H),4.68-4.63(m,1H),3.83-3.78(m,1H),3.74-3.70(m,1H),1.99-1.93(m,1H),1.83-1.80(m,1H),1.61(d,J=6.0 Hz,3H),1.33(s,12H),0.87(s,9H),0.01(s,3H),-0.02(s,3H).
LCMS(ESI)[M+H] m/z:計算値442.2、実測値442.1(異なる保持時間でLCMSでボロン酸が観察された)。
(II)化合物(48)の合成
Figure 2024517023000194
ステップ1:DCM(20.0mL)中のメチル 3-ヒドロキシ-1-メチル-ピロール-2-カルボキシレート(1.5g、9.67mmol、1.0当量)の溶液に、NBS(2.06g、11.60mmol、1.2当量)を加えた。混合物を-78℃で3.5時間撹拌した。反応混合物を-78℃で飽和NaSO水溶液(30mL)の添加によりクエンチし、その後、HO(10mL)で希釈し、DCM(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaSO水溶液(40mL×3)及びブライン(40mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、白色固体としてメチル 4-ブロモ-3-ヒドロキシ-1-メチル-ピロール-2-カルボキシレート(1.7g、粗製物)を得た。LCMS [M+H] m/z:計算値233.9、実測値233.8。
ステップ2:DMF(20.0mL)中のメチル 4-ブロモ-3-ヒドロキシ-1-メチル-ピロール-2-カルボキシレート(1.7g、7.26mmol、1.0当量)及びKCO(3.1g、22.43mmol、3.1当量)の溶液に、2,2,2-トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート(3.4g、14.65mmol、2.0当量)を添加した。混合物を80℃で1時間撹拌した。反応混合物をHO(50mL)で希釈し、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(60mL×5)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~20%、流量:80mL/分、254nm)により精製して、白色固体としてメチル 4-ブロモ-1-メチル-3-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピロール-2-カルボキシレート(1.7g、収率68.8%、純度93%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δppm 6.68(s,1H),4.37(q,J=8.4Hz,2H),3.86(d,J=8.5Hz,6H)。LCMS[M+H]m/z:計算値315.9、実測値317.8。
ステップ3:MeOH(20.0mL)中のメチル 4-ブロモ-1-メチル-3-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピロール-2-カルボキシレート(1.7g、5.38mmol、1.0当量)の溶液に、HO(4.0mL)中のNaOH(2.2g、55.00mmol、10.2当量)を加えた。混合物を50℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をHO(10mL)で希釈し、4N HClでpH<5に調整した。混合物を濾過し、濾過ケーキをHO(10mL×3)で洗浄した。濾過ケーキを減圧下で濃縮して、白色固体として4-ブロモ-1-メチル-3-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピロール-2-カルボン酸(1.7g、粗製物)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 12.84(br s,1H),7.19(s,1H),4.53(q,J=9.0 Hz,2H),3.77(s,3H).LCMS [M+H] m/z:計算値301.9、実測値301.9。
ステップ4:DMSO(20.0mL)中の4-ブロモ-1-メチル-3-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピロール-2-カルボン酸(1.7g、5.63mmol、1.0当量)の溶液に、NaCl(660mg、11.29mmol、2.0当量)を加えた。混合物を140℃で4時間撹拌した。反応混合物をHO(40mL)で希釈し、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(60mL×5)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~14%、流量:80mL/分、254nm)により精製し、黄色油状物として3-ブロモ-1-メチル-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピロール(1.2g、収率64.4%、純度78%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δppm 6.44(d,J=2.6Hz,1H),6.31(d,J=2.6Hz,1H),4.25(q,J=8.4Hz,2H),3.56(s,3H).LCMS[M+H]m/z:計算値257.9、実測値259.8。
ステップ5:DMF(20.0mL)及びHO(2.0mL)中の3-ブロモ-1-メチル-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピロール(1.2g、4.65mmol、1.0当量)、tert-ブチル-[(3S)-3-[[2-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-ピリジル]オキシ]ブトキシ]-ジメチル-シラン(2.9g、6.56mmol、1.4当量)、CsCO(4.6g、14.12mmol、3.0当量)、[2-(2-アミノフェニル)フェニル]-クロロ-パラジウム;ビス(1-アダマンチル)-ブチル-ホスファン(310mg、0.463mmol、0.1当量)の混合物を脱気し、Nで3回パージし、次いで、混合物を、N雰囲気下、80℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(15mL×4)で洗浄した。合わせた濾液をEtOAc(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×5)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~17%、流量:80mL/分、254nm)により精製し、黄色油状物としてtert-ブチル-[(3S)-3-[[2-クロロ-5-[1-メチル-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピロール-3-イル]-4-ピリジル]オキシ]ブトキシ]-ジメチル-シラン(1g、収率41.0%、純度94%)を得た。
LCMS[M+H]m/z:計算値493.1、実測値493.1。
ステップ6:ジオキサン(20.0mL)及びDME(4.0mL)中のtert-ブチル-[(3S)-3-[[2-クロロ-5-[1-メチル-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピロール-3-イル]-4-ピリジル]オキシ]ブトキシ]-ジメチル-シラン(1g、2.03mmol、1.0当量)、4-(4-アミノピリミジン-2-イル)-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(700mg、2.18mmol、1.0当量)、Pd(dba)(190mg、0.207mmol、0.1当量)、キサントホス(120mg、0.207mmol、0.1当量)及びCsCO(2g、6.14mmol、3.0当量)の混合物を脱気し、Nで3回パージし、次いで、混合物を、N雰囲気下、130℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをDCM(15mL×4)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、MeOH(0.05%NHO)/DCM、MeOH(0.05% NHO)0~17%、流量:80mL/分、254nm)により精製して、褐色油状物として4-[4-[[4-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロポキシ]-5-[1-メチル-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピロール-3-イル]-2-ピリジル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(700mg、粗製物)を得た。
LCMS[M+H]m/z:計算値778.3、実測値778.4。
ステップ7:THF(5.0mL)中の4-[4-[[4-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロポキシ]-5-[1-メチル-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピロール-3-イル]-2-ピリジル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(700mg、0.899mmol、1.0当量)の溶液に、2.7mLの1M TBAF/THFを加えた。混合物を70℃で12時間撹拌した。反応混合物は減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage(登録商標)、カラム:SepaFlash(登録商標)Sphercial C18、60g、40~60μm、120Å、MeCN/水(0.05%NH-HO)、MeCN 0~47%、50mL/分、254nm)により精製し、褐色固体として4-[4-[[4-[(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロポキシ]-5-[1-メチル-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピロール-3-イル]-2-ピリジル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オール(830mg、粗製物)を得た。
LCMS[M+H]m/z:計算値534.2、実測値534.1。
ステップ8:トルエン(20.0mL)中の4-[4-[[4-[(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロポキシ]-5-[1-メチル-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピロール-3-イル]-2-ピリジル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オール(830mg、1.56mmol、1.0当量)、2-(トリブチル-λ-ホスファニリデン)アセトニトリル(1.9g、7.87mmol、5.0当量)の混合液を脱気し、Nで3回パージし、次いで混合液をN雰囲気下、130℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、DCM/EtOAc、EtOAc 0~100%、次いでDCM/MeOH(0.05% NHO)、MeOH(0.05% NHO)0~20%、流量:80mL/分、254nm)により精製して、粗製物を得た。粗製物を、分取HPLC(カラム:2_Phenomenex Gemini C18 75×40mm×3um、移動相:[水(水酸化アンモニアv/v)-ACN]、B%:40%~70%、9.5分。カラム温度:30℃)により精製して、白色固体として(10S)-5,10-ジメチル-13-[1-メチル-4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ピロール-3-イル]-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6]トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン(127.8mg、収率15.7%、純度99%)を得た。
H NMR(400MHz,メタノール-d)δ ppm 8.57(s,1H),8.48(s,1H),8.13(d,J=6.0 Hz,1H),7.97(s,1H),6.92(d,J=2.5 Hz,1H),6.58(d,J=5.8 Hz,1H),6.44(d,J=2.5 Hz,1H),5.07-4.99(m,1H),4.63(dt,J=3.0,9.5 Hz,1H),4.32(q,J=8.7 Hz,2H),4.10(td,J=4.5,9.3 Hz,1H),3.75(s,3H),3.59(s,3H),2.29-2.17(m,2H),1.48(d,J=6.3 Hz,3H)
19F NMR(377MHz、メタノール-d)δppm-75.77(s,1F)
LCMS [M+H] m/z:計算値516.1、実測値516.1。
位置化学はHMBCによって確認された(-CH-O-の化学シフトは71.853ppmである)。
実施例3:化合物(28)及び(25)の調製
阻害剤の合成:2-[4-[(10S)-5,10-ジメチル-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6〕トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン-13-イル]-3-エトキシ-ピラゾール-1-イル]シクロプロパンカルボニトリル(化合物(28))及び2-[4-[(10S)-5,10-ジメチル-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6]トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン-13-イル]-3-エトキシ-ピラゾール-1-イル]シクロプロパンカルボニトリル(化合物(25))
Figure 2024517023000195
ステップ1:THF(150.0mL)中のシクロプロパンカルボニトリル(10.0g、149mmol、1.0当量)、Pin(34.0g、134mmol、0.9当量)、2,9-ジメチル-1,10-フェナントロリン(1.0g、4.80mmol、0.03当量)、及び(1,5-シクロオクタジエン)(メトキシ)イリジウム(I)二量体(1.0g、1.51mmol、0.02当量)の混合液を脱気し、Nで3回パージし、次いで混合液をN雰囲気下、90℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、120g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~15%、流量=100mL/分、KMnO)により精製し、白色固体として2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)シクロプロパンカルボニトリル(3.3g、収率11.4%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 1.49(td,J=5.4,8.2 Hz,1H),1.30(td,J=4.6,10.4 Hz,1H),1.23(s,12H),1.09(dt,J=4.0,7.8 Hz,1H),0.63(ddd,J=5.8,7.6,10.2 Hz,1H)
ステップ2:THF(8.0mL)及びHO(2.0mL)中の2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)シクロプロパンカルボニトリル(1.0g、5.18mmol、1.0当量)の混合物に、NaIO(1.66g、7.76mmol、1.5当量)及び1M HCl/HO(6.2mL、1.2当量)を添加した。混合物を20℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層を飽和Na水溶液(30mL×2)及びブライン(30mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、黄色固体として(2-シアノシクロプロピル)ボロン酸(600mg、粗製物)を得た。
H NMR(400MHz,メタノール-d)δ ppm 1.52(br s,1H),1.27-1.17(m,1H),1.04(dt,J=3.6,7.8 Hz,1H),0.70(br s,1H)
ステップ3:DCE(10.0mL)中の4-ブロモ-3-エトキシ-1H-ピラゾール(400mg、2.09mmol、1.0当量)、(2-シアノシクロプロピル)ボロン酸(600mg、5.41mmol、2.6当量)、Cu(OAc)(380mg、2.09mmol、1.0当量)、NaCO(440mg、4.15mmol、2.0当量)、及び2-(2-ピリジル)ピリジン(340mg、2.18mmol、1.0当量)の混合液を、O雰囲気下、70℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(100mL)で洗浄した。合わせた有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~24%、流量=80mL/分、254nm)により精製し、黄色固体として2-(4-ブロモ-3-エトキシ-ピラゾール-1-イル)シクロプロパンカルボニトリル(400mg、収率65.6%、純度88%)を得た。
LCMS(ESI)[M+H] m/z:計算値256.1、実測値258.1。
H NMR(400MHz,メタノール-d)δ ppm 7.66(s,1H),4.21(q,J=7.0 Hz,2H),4.16(dt,J=2.4,5.4 Hz,1H),2.15(ddd,J=3.2,6.6,10.0 Hz,1H),1.91(ddd,J=5.0,6.2,10.0 Hz,1H),1.65(td,J=6.4,8.2 Hz,1H),1.36(t,J=7.0 Hz,3H)
位置化学はNOEによって確認された。
ステップ4:DMF(20.0mL)及びHO(2.0mL)中の2-(4-ブロモ-3-エトキシ-ピラゾール-1-イル)シクロプロパンカルボニトリル(600mg、2.34mmol、1.0当量)、tert-ブチル-[(3S)-3-[[2-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-ピリジル]オキシ]ブトキシ]-ジメチル-シラン(1.35g、3.05mmol、1.3当量)、[2-(2-アミノフェニル)フェニル]-クロロ-パラジウム;ビス(1-アダマンチル)-ブチル-ホスファン(160mg、0.239mmol、0.1当量)及びCsCO(2.3g、7.06mmol、3.0当量)の混合物を脱気し、Nで3回パージし、次いで混合物を、N雰囲気下、80℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(50mL)で洗浄した。合わせた有機層をブライン(30mL×4)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、40g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~20%、流量:100mL/分、254nm)により精製し、黄色油状物として2-[4-[4-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロポキシ]-6-クロロ-3-ピリジル]-3-エトキシ-ピラゾール-1-イル]シクロプロパンカルボニトリル(300mg、収率21.6%、純度83%)を得た。
LCMS(ESI)[M+H] m/z:計算値491.2、実測値491.1。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 8.85(s,1H),7.84(s,1H),6.95(s,1H),4.86-4.77(m,1H),4.27(q,J=7.0 Hz,2H),3.77-3.71(m,2H),2.08-1.97(m,4H),1.67-1.62(m,2H),1.46(dd,J=2.2,6.2 Hz,3H),1.42-1.39(m,3H),0.91(d,J=1.6 Hz,9H),0.04(dd,J=2.8,7.8 Hz,6H).
ステップ5:ジオキサン(20.0mL)及びDME(4.0mL)中の2-[4-[4-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロポキシ]-6-クロロ-3-ピリジル]-3-エトキシ-ピラゾール-1-イル〕シクロプロパンカルボニトリル(300mg、0.611mmol、1.0当量)、4-(4-アミノピリミジン-2-イル)-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(200mg、0.622mmol、1.0当量)、キサントホス(100mg、0.173mmol、0.3当量)、Pd(dba)(120mg、0.131mmol、0.2当量)及びCsCO(600mg、1.84mmol、3.0当量)の混合物を脱気し、Nで3回パージし、次いで混合物を、N雰囲気下、130℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをDCM(100mL)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~100%から、DCM/MeOH(0.05% NH・HO)、MeOH 0~15%、流量=80mL/分、254nm)により精製し、黄色固体として2-[4-[4-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロポキシ]-6-[[2-[2-メチル-3-オキソ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-4-イル]ピリミジン-4-イル]アミノ]-3-ピリジル]-3-エトキシ-ピラゾール-1-イル]シクロプロパンカルボニトリル(400mg、収率75.0%、純度89%)を得た。
LCMS(ESI)[M+H] m/z:計算値776.4、実測値776.4。
ステップ6:THF(10.0mL)中の2-[4-[4-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロポキシ]-6-[[2-[2-メチル-3-オキソ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-4-イル]ピリミジン-4-イル]アミノ]-3-ピリジル]-3-エトキシ-ピラゾール-1-イル]シクロプロパンカルボニトリル(400mg、0.515mmol、1.0当量)の混合物に、1MのTBAF/THF(1.5mL、2.9当量)を加え、混合物を70℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage(登録商標)、カラム:SepaFlash(登録商標)Sphercial C18、60g、40~60μm、120Å、MeCN/水(0.05%NH-HO)、MeCN 0~38%、50mL/分、254nm)により精製し、黄色固体として2-[3-エトキシ-4-[4-[(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロポキシ]-6-[[2-(5-ヒドロキシ-1-メチル-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-4-イル]アミノ]-3-ピリジル]ピラゾール-1-イル]シクロプロパンカルボニトリル(200mg、収率64.2%、純度88%)を得た。
LCMS [M+H] m/z:計算値532.2、実測値532.3。
ステップ7:トルエン(20.0mL)中の2-[3-エトキシ-4-[4-[(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロポキシ]-6-[[2-(5-ヒドロキシ-1-メチル-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-4-イル]アミノ]-3-ピリジル]ピラゾール-1-イル]シクロプロパンカルボニトリル(200mg、0.376mmol、1.0当量)及び2-(トリブチル-λ-ホスファニリデン)アセトニトリル(450mg、1.86mmol、5.0当量)の混合物を脱気し、Nで3回パージし、次いで混合物をN雰囲気下、130℃で12時間撹拌した。反応混合物は減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~100%から、DCM/MeOH(0.05% NH・HO)、MeOH 0~15%、流量=80mL/分、254nm)により精製し、粗製物を得た。粗製物を分取HPLC(カラム:Welch Xtimate C18 100×25mm×3um、移動相:[水(FA)-ACN]、B%:16%~46%、8分、カラム温度:30℃)により精製して、白色固体として2-[4-[(10S)-5,10-ジメチル-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6]トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン-13-イル]-3-エトキシ-ピラゾール-1-イル]シクロプロパンカルボニトリル(44.3mg、収率22.6%)、及び白色固体として2-[4-[(10S)-5,10-ジメチル-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6]トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン-13-イル]-3-エトキシ-ピラゾール-1-イル]シクロプロパンカルボニトリル(7.2mg、収率3.6%)を得た。2D NMRにより、主要な異性体はトランス置換シクロプロパン(相対配置)、すなわち化合物(28)であると決定された。
LCMS [M+H] m/z:計算値514.2、実測値514.1。
化合物(28):H NMR(400MHz,メタノール-d)δ ppm 8.74(s,1H),8.63(d,J=2.4 Hz,1H),8.24(d,J=6.0 Hz,1H),8.03(s,1H),8.02(d,J=4.4 Hz,1H),6.70(d,J=6.0 Hz,1H),5.19(br d,J=3.8 Hz,1H),4.78-4.72(m,1H),4.34-4.23(m,4H),3.83(s,3H),2.45-2.28(m,2H),2.21(ddd,J=3.4,6.4,9.8 Hz,1H),2.01-1.93(m,1H),1.73-1.67(m,1H),1.60(d,J=6.2 Hz,3H),1.43(t,J=7.0 Hz,3H).
化合物(25):H NMR(400MHz,メタノール-d)δ ppm 8.69(d,J=2.0 Hz,1H),8.67(br d,J=3.6 Hz,1H),8.19(d,J=6.2 Hz,1H),8.04(s,1H),8.02(s,1H),6.68(d,J=6.0 Hz,1H),5.16-5.09(m,1H),4.68(dt,J=2.8,9.8 Hz,1H),4.37(q,J=7.0 Hz,2H),4.26-4.19(m,1H),4.07-4.00(m,1H),3.81(s,3H),2.43-2.22(m,2H),2.15(td,J=6.8,8.8 Hz,1H),2.08-2.00(m,1H),1.78-1.70(m,1H),1.58(d,J=6.2 Hz,3H),1.45(t,J=7.0 Hz,3H).
実施例4:化合物(58)の調製
阻害剤の合成:2-[4-[(10S)-5,10-ジメチル-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6]トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン-13-イル]-5-エトキシ-ピラゾール-1-イル]-N,N-ジメチル-エタンアミン(化合物(58))
Figure 2024517023000196
ステップ1:DMF(80.0mL)中のtert-ブチル N-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)カルバメート(5g、19.06mmol、1.0当量)、2-クロロ-N,N-ジメチル-エタンアミン;塩酸塩(5.5g、38.18mmol、2.0当量)及びKCO(8g、57.88mmol、3.0当量)の混合物を、50℃で12時間撹拌した。反応混合物を飽和NaCO水溶液(50mL)の添加によりクエンチし、その後、EtOAc(25mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(40mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、黄色油状物としてtert-ブチルN-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-N-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)カルバメート(4g、収率47.8%、純度76%)を得た。LCMS [M+H] m/z:計算値334.2、実測値334.2
ステップ2:EtOH(100.0mL)中のtert-ブチル N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-N-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)カルバメート(4g、12.00mmol、1.0当量)及びN-HO(6.46g、126.46mmol、純度98%、10.5当量)の混合物を、70℃で2.5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、黄色油状物としてtert-ブチル N-アミノ-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]カルバメート(2g、収率82.0%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 3.83(br s,2H),3.48(t,J=6.7 Hz,2H),2.48(br t,J=6.5 Hz,2H),2.26(s,6H),1.46(s,9H).
LCMS[M+H]m/z:計算値204.2、実測値204.3
ステップ3:MeOH(10.0mL)中のtert-ブチル N-アミノ-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]カルバメート(2g、9.84mmol、1.0当量)及び(50.0mL)4M HCl/MeOHの混合物を、20℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、黄色固体として2-ヒドラジノ-N,N-ジメチル-エタンアミン;二塩酸塩(2g、粗製物)を得た。
H NMR(400MHz,メタノール-d)δ ppm 3.41-3.36(m、2H),3.36-3.34(m,2H),2.94(s,6H)
ステップ4:EtOH(50.0mL)中の2-ヒドラジノ-N,N-ジメチル-エタンアミン;二塩酸塩(1.9g、10.79mmol、1.0当量)、エチル(E)-3-エトキシプロパ-2-エノエート(4.0mL、27.69mmol、2.6当量)及び(30.0mL)1M HCl/H2O(2.8当量)の混合物を、80℃で4時間撹拌した。混合物を、1N NaOH水溶液でpH>10に調整し、EtOAc(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、MeOH(0.05v%TEA)/DCM、MeOH(0.05v%TEA)0~20%、流量:80mL/分、254nm)により精製して、黄色油状物として2-(5-エトキシピラゾール-1-イル)-N,N-ジメチル-エタンアミン(0.63g、収率31.9%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 7.31(d,J=1.8 Hz,1H),5.47(d,J=1.6 Hz,1H),4.17-4.08(m,4H),2.89(t,J=6.8 Hz,2H),2.38(s,6H),1.42(t,J=7.1 Hz,3H)
LCMS [M+H] m/z:計算値184.1、実測値184.0。
ステップ5:THF(15.0mL)中の2-(5-エトキシピラゾール-1-イル)-N,N-ジメチル-エタンアミン(0.63g、3.44mmol、1.0当量)の混合物に、NBS(700mg、3.93mmol、1.1当量)を-30℃で添加し、混合物を-30℃で1時間撹拌した。反応混合物を20℃で飽和NaSO水溶液(20mL)の添加によりクエンチし、EtOAc(15mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、黄色油状物として2-(4-ブロモ-5-エトキシ-ピラゾール-1-イル)-N,N-ジメチル-エタンアミン(700mg、収率59.0%、純度76%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 7.31(s,1H),4.39(q,J=7.0 Hz,2H),4.13(t,J=6.9 Hz,2H),2.82(t,J=6.9 Hz,2H),2.36(s,6H),1.42(t,J=7.0 Hz,3H)
LCMS [M+H] m/z:計算値262.0、実測値262.0
ステップ6:DMF(15.0mL)及びHO(1.5mL)中の2-(4-ブロモ-5-エトキシ-ピラゾール-1-イル)-N,N-ジメチル-エタンアミン(700mg、2.67mmol、1.0当量)、tert-ブチル-[(3S)-3-[[2-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-ピリジル]オキシ]ブトキシ]-ジメチル-シラン(3g、6.78mmol、2.5当量)、[2-(2-アミノフェニル)フェニル]-クロロ-パラジウム;ビス(1-アダマンチル)-ブチル-ホスファン(180mg、0.269mmol、0.1当量)、及びCsCO(2.6g、7.98mmol、3.0当量)を脱気し、次いで混合物をN下、80℃で12時間撹拌した。反応混合物を濾過した。濾液を飽和NaCO水溶液(20mL)で希釈し、EtOAc(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(60mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、MeOH(0.05v%TEA)/DCM、MeOH(0.05v%TEA)0~15%、流量:80mL/分、254nm)により精製して、黄色油状物として2-[4-[4-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロポキシ]-6-クロロ-3-ピリジル]-5-エトキシ-ピラゾール-1-イル]-N,N-ジメチル-エタンアミン(1.1g、収率34.0%、純度41%)を得た。
LCMS [M+H] m/z:計算値497.3、実測値497.2。
ステップ7:ジオキサン(25.0mL)及びDME(2.5mL)中の2-[4-[4-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル〕オキシ-1-メチル-プロポキシ]-6-クロロ-3-ピリジル]-5-エトキシ-ピラゾール-1-イル]-N,N-ジメチル-エタンアミン(1.1g、2.21mmol、1.0当量)、4-(4-アミノピリミジン-2-イル)-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(560mg、1.74mmol、0.8当量)、キサントホス(130mg、0.225mmol、0.1当量)、CsCO(2g、6.14mmol、2.8当量)、及びPd(dba)(202mg、0.221mmol、0.1当量)を、脱気し、次いでN雰囲気下、130℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、MeOH(0.05v%NH.HO)/DCM、MeOH(0.05v%NH.HO)0~12%、流量:80mL/分、254nm)により精製して、黄色油状物として4-[4-[[4-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロポキシ]-5-[1-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-5-エトキシ-ピラゾール-4-イル]-2-ピリジル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(900mg、収率24.4%、純度47%)を得た。
LCMS [M+H] m/z:計算値782.4、実測値782.5。
ステップ8:THF(15.0mL)中の4-[4-[[4-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル〕オキシ-1-メチル-プロポキシ]-5-[1-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-5-エトキシ-ピラゾール-4-イル]-2-ピリジル〕アミノ〕ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(900mg、1.15mmol、1.0当量)及び(4.0mL)1M TBAF/THFの混合物を70℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage(登録商標)、カラム:SepaFlash(登録商標)Sphercial C18、60g、40~60μm、120Å、MeCN/水(0.05%NH-HO)、MeCN 0~31%、50mL/分、254nm)により精製し、黄色油状物として4-[4-[[5-[1-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-5-エトキシ-ピラゾール-4-イル]-4-[(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロポキシ]-2-ピリジル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オール(700mg、粗製物)を得た。
LCMS [M+H] m/z:計算値538.3、実測値538.3。
ステップ9:Tol(30.0mL)中の4-[4-[[5-[1-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-5-エトキシ-ピラゾール-4-イル]-4-[(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロポキシ]-2-ピリジル〕アミノ〕ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オール(700mg、1.30mmol、1.0当量)及び2-(トリブチル-λ-ホスファニリデン)アセトニトリル(1.57g、6.51mmol、5.0当量)の混合物を、N下、130℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、12g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、DCM/MeOH(0.05% NH.HO)、MeOH(0.05% NH.HO)0~20%、40mL/分、254nm)によって精製して粗製物を得、この生成物を分取HPLC(カラム:2_Phenomenex Gemini C18 75×40mm×3um、移動相:[水(NHHCO)-ACN]、B%:30%~60%、7.8分、カラム温度 30℃)により精製して、オフホワイトの固体として2-[4-[(10S)-5,10-ジメチル-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6]トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン-13-イル]-5-エトキシ-ピラゾール-1-イル]-N,N-ジメチル-エタンアミン(54.6mg、収率7.9%、純度97.35%)を得た。
H NMR(400MHz,メタノール-d)δ ppm 8.69(s,1H),8.19-8.16(m,2H),7.99(s,1H),7.58(s,1H),6.63(d,J=5.8 Hz,1H),5.13-5.05(m,1H),4.65(dt,J=3.4,9.5 Hz,1H),4.22-4.13(m,3H),4.05-3.95(m,2H),3.77(s,3H),2.79(t,J=6.8 Hz,2H),2.31(s,6H),2.29-2.20(m,2H),1.47(d,J=6.3 Hz,3H),1.30(t,J=7.0 Hz,3H)
LCMS [M+H] m/z:計算値520.3、実測値520.2。
実施例5:化合物(96)の調製
阻害剤の合成:(10S)-13-[3-エトキシ-1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]-5,10-ジメチル-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6]トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン(化合物(96))
Figure 2024517023000197
ステップ1:DCM(50.0mL)中のtert-ブチル 4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレート(5g、24.8mmol、1.0当量)の溶液に、EtN(99.4mmol、13.8mL、4.0当量)及び4-メチルベンゼンスルホニルクロリド(9.47g、49.7mmol、2.0当量)を加えた。混合物を20℃で12時間撹拌した。反応混合物を濃縮した。残渣をHO(100mL)で希釈し、EtOAc(150mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(150mL×1)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、80g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル勾配/EtOAc、EtOAc 0~50%、100mL/分、254nm)により精製し、オフホワイトの固体としてtert-ブチル 4-(p-トリルスルホニルオキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート(6.9g、収率77.3%、純度99%)を得た。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ ppm 7.80(d,J=8.4 Hz,2H),7.35(d,J=8.0 Hz,2H),4.68(tt,J=3.6,7.2 Hz,1H),3.63-3.56(m,2H),3.29-3.21(m,2H),2.46(s,3H),1.81-1.66(m,4H),1.46-1.42(m,9H).
LCMS(ESI)[M+H] m/z:計算値378.1、実測値378.0。
ステップ2:DMF(20.0mL)中の3-エトキシ-1H-ピラゾール(1g、8.92mmol、1.0当量)の溶液に、NBS(2.38g、13.4mmol、1.5当量)を添加した。混合物を-25℃で2時間撹拌した。反応混合物を飽和NaCO水溶液(50.0mL)で希釈し、EtOAc(80mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL×1)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~20%、40mL/分、254nm)により精製し、白色固体として4-ブロモ-3-エトキシ-1H-ピラゾール(1.5g、収率88.1%、純度100%)を得た。
H NMR(400 MHz,MeOD)δ ppm 7.52(s,1H),4.21(q,J=7.2 Hz,2H),1.37(t,J=7.2 Hz,3H).
LCMS(ESI)[M+H] m/z:計算値191.0、実測値190.8。
ステップ3:DMF(10.0 mL)中の4-ブロモ-3-エトキシ-1H-ピラゾール(850mg、4.45mmol、1.0当量)の溶液に、NaH(534mg、13.4mmol、鉱油中60重量%、3.0当量)を20℃で30分間添加した。次いで、tert-ブチル 4-(p-トリルスルホニルオキシ)ピペリジン-1-カルボキシレート(2.05g、5.77mmol、1.30当量)を加え、混合物を90℃で12時間撹拌した。反応混合物を0℃でHO(50mL)の添加によりクエンチし、その後、EtOAc(60mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、12g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル勾配/EtOAc、EtOAc 0~5%、40mL/分、254nm)により精製した。粗製物を分取HPLC(カラム:Welch Xtimate C18 100×40mm×3μm;移動相:[水(TFA)-ACN];B%:40%~70%、10分)により精製して、無色油状物としてtert-ブチル 4-(4-ブロモ-3-エトキシ-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(380mg、収率21.5%、純度94%)を得た。
H NMR(400 MHz,MeOD)δ ppm 7.55(s,1H),4.25-4.08(m,5H),3.02-2.81(m,2H),2.04-1.95(m,2H),1.82(dq,J=4.4,12.0 Hz,2H),1.47(s,9H),1.35(t,J=7.2 Hz,3H).
LCMS(ESI)[M+H] m/z:計算値374.1、実測値375.9。
ステップ4:MeOH(5.0mL)中のtert-ブチル 4-(4-ブロモ-3-エトキシ-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(380mg、1.02mmol、1.0当量)の溶液に、4M HCl/MeOH(5.0mL、20mmol、19.70当量)を加えた。混合物を20℃で12時間撹拌した。反応混合物を濃縮した。残渣をMeOH(10mL)で希釈し、飽和NaCO水溶液を添加してpHを約8に調整し、減圧下で濃縮して、黄色油状物として4-(4-ブロモ-3-エトキシ-ピラゾール-1-イル)ピペリジン(270mg、粗製物)を得た。
LCMS(ESI)[M+H] m/z:計算値274.0、実測値275.8。
ステップ5:DCE(10.0mL)中の4-(4-ブロモ-3-エトキシ-ピラゾール-1-イル)ピペリジン(260mg、0.948mmol、1.0当量)及びホルムアルデヒド(154mg、1.90mmol、純度37%、2.0当量)の溶液に、CHCOOH(285mg、4.74mmol、5.0当量)を加えた。混合物を20℃で30分間撹拌した。その後、NaBH(OAc)(1.0g、4.74mmol、5.0当量)を添加し、混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物をHO(10mL)で希釈し、EtOAc(10mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL×1)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、4g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~100%、次いでEtOAc/MeOH、MeOH 0~20%、18mL/分、254nm)により精製し、黄色油状物として4-(4-ブロモ-3-エトキシ-ピラゾール-1-イル)-1-メチル-ピペリジン(260mg、収率95.1%、純度100%)を得た。
H NMR(400 MHz,CDOD)δ ppm 7.55(s,1H),4.20(q,J=7.2 Hz,2H),3.97(tt,J=5.2,10.4 Hz,1H),2.98(br d,J=12.0 Hz,2H),2.33(s,3H),2.23(dt,J=3.6,11.6 Hz,2H),2.06-1.96(m,4H),1.35(t,J=7.2 Hz,3H).
LCMS(ESI)[M+H] m/z:計算値288.1、実測値287.9。
ステップ6:ジオキサン(5.0mL)及びHO(1.0mL)中の4-(4-ブロモ-3-エトキシ-ピラゾール-1-イル)-1-メチル-ピペリジン(250mg、0.868mmol、1.0当量)、tert-ブチル-[(3S)-3-[[2-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-ピリジル]オキシ]ブトキシ]-ジメチル-シラン(498mg、1.13mmol、1.3当量)、Pd(dppf)Cl(127mg、0.174mmol、0.2当量)、NaCO(184mg、1.74mmol、2.0当量)の混合物を脱気し、Nで3回パージし、次いで混合物をN雰囲気下、80℃で4時間撹拌した。反応混合物をHO(20mL)で希釈し、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×1)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、4g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~100%、次いでEtOAc/MeOH、MeOH 0~20%、18mL/分、254nm)により精製し、黄色油状物としてtert-ブチル-[(3S)-3-[[2-クロロ-5-[3-エトキシ-1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]-4-ピリジル]オキシ]ブトキシ]-ジメチル-シラン(140mg、収率19.4%、純度63%)を得た。
LCMS(ESI)[M+H] m/z:計算値523.3、実測値523.3。
ステップ7:tert-ブチル-[(3S)-3-[[2-クロロ-5-[3-エトキシ-1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]-4-ピリジル]オキシ]ブトキシ]-ジメチル-シラン(90mg、0.172mmol、1.0当量)、4-(4-アミノピリミジン-2-イル)-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(61mg、0.189mmol、1.1当量)、Pd(dba)(32mg、0.0344mmol、0.2当量)、CsCO(168mg、0.516mmol、3.0当量)、及びキサントホス(40mg、0.0688mmol、0.4当量)をジオキサン(2.0mL)中で、マイクロ波管に採取した。密封管をマイクロ波下130℃で2時間加熱した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、4g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~100%、EtOAc/MeOH、MeOH 0~20%、18mL/分、254nm)により精製し、淡黄色固体として4-[4-[[4-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロポキシ]-5-[3-エトキシ-1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]-2-ピリジル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(80mg、収率28.8%、純度50%)を得た。
LCMS(ESI)[M+H] m/z:計算値808.5、実測値808.7。
ステップ8:THF(5.0mL)中の4-[4-[[4-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル〕オキシ-1-メチル-プロポキシ]-5-[3-エトキシ-1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]-2-ピリジル〕アミノ〕ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(80mg、0.0496mmol、純度50%、1.0当量)の溶液に、1M TBAF/THF(0.1mL、0.1mmol、2.0当量)を加えた。混合物を75℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。粗製物を逆相HPLC(カラム:SepaFlash(登録商標)Sphercial C18、40g、40~60μm、120Å、MeCN/水(0.5%NH-HO)、MeCN 0~30%、50mL/分、254nm)により精製して、黄色固体として4-[4-[[5-[3-エトキシ-1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]-4-[(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロポキシ]-2-ピリジル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オール(25mg、収率83.3%、純度93%)を得た。
LCMS(ESI)[M+H] m/z:計算値564.3、実測値564.3。
ステップ9:トルエン(15.0mL)中の4-[4-[[5-[3-エトキシ-1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]-4-[(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロポキシ]-2-ピリジル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オール(25mg、0.0444mmol、1.0当量)の溶液に、2-(トリブチル-λ5-ホスファニリデン)アセトニトリル(54mg、0.222mmol、5.0当量)を加えた。混合物をN下、130℃で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、4g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、DCM/EtOAc、EtOAc 0~100%、DCM/MeOH、MeOH 0~20%、18mL/分、254nm)により精製した。粗製物を分取HPLC(カラム:2_Phenomenex Gemini C18 75×40mm×3μm、移動相:[水(NHHCO)-ACN]、B%:37%~67%、9.5分)により更に精製して、白色固体として(10S)-13-[3-エトキシ-1-(1-メチル-4-ピペリジル)ピラゾール-4-イル]-5,10-ジメチル-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6]トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン(4.3mg、収率17.7%、純度99%)を得た。
H NMR(400 MHz,CDOD)δ ppm 8.73(s,1H),8.65(s,1H),8.22(d,J=6.0 Hz,1H),8.02(s,1H),7.94(s,1H),6.68(d,J=6.0 Hz,1H),5.22-5.12(m,1H),4.77-4.72(m,1H),4.31(q,J=7.2 Hz,2H),4.27-4.21(m,1H),4.11-4.00(m,1H),3.82(s,3H),3.05(br d,J=12.0 Hz,2H),2.42-2.28(m,7H),2.16-2.02(m,4H),1.58(d,J=6.4 Hz,3H),1.43(t,J=7.2 Hz,3H).
LCMS(ESI)[M+Na] m/z:計算値568.3、実測値568.2。
実施例6:化合物(105)の調製
阻害剤の合成:(10S)-13-(3-エトキシ-1-メチル-ピラゾール-4-イル)-5,10-ジメチル-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6]トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン(化合物(105))
Figure 2024517023000198
ステップ1:DCM(100mL)中の2-メチル-1H-ピラゾール-5-オン(2g、20.4mmol、1当量)の溶液に、NaHCO(2.06g、24.5mmol、1.2当量)、Br(1.20mL、23.2mmol、1.14当量)を加えた。混合物を0℃で2時間撹拌した。得られた混合物を飽和NaSO水溶液(50mL)の添加によりクエンチし、DCM(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、淡黄色固体として4-ブロモ-2-メチル-1H-ピラゾール-5-オン(2g、粗製物)を得た。
LCMS(ESI)[M+H] m/z 計算値178.9、実測値178.7。
ステップ2:DMF(20mL)中の4-ブロモ-2-メチル-1H-ピラゾール-5-オン(2g、11.3mmol、1当量)の溶液に、KCO(4.0g、28.9mmol、2.56当量)を添加した。混合物を50℃で1時間撹拌した。ヨードエタン(2.20g、14.1mmol、1.25当量)を加え、混合物を50℃で1時間撹拌した。得られた混合物を水(30mL)の添加によりクエンチし、EtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色油状物として4-ブロモ-3-エトキシ-1-メチル-ピラゾール(2.0g、粗製物)を得た。
LCMS(ESI)[M+H] m/z 計算値205.0、実測値204.9。
ステップ3:ジオキサン(50mL)/HO(10mL)中のtert-ブチル-[(3S)-3-[[2-クロロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-ピリジル]オキシ]ブトキシ]-ジメチル-シラン(3.5g、7.92mmol、1.62当量)、4-ブロモ-3-エトキシ-1-メチル-ピラゾール(1g、4.88mmol、1当量)の溶液に、Pd(dppf)Cl(400mg、0.547mmol、0.11当量)、K3PO4(3.50g、16.5mmol、3.38当量)を加えた。混合物を窒素下、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を水(100mL)の添加によりクエンチし、EtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和NHCl水溶液(100mL×2)、ブライン(100mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色油状物としてtert-ブチル-[(3S)-3-[[2-クロロ-5-(3-エトキシ-1-メチル-ピラゾール-4-イル)-4-ピリジル]オキシ]ブトキシ]-ジメチル-シラン(800mg、収率37.3%)を得た。
LCMS(ESI)[M+H] m/z 計算値440.2、実測値440.2。
ステップ4:ジオキサン(15mL)中のtert-ブチル-[(3S)-3-[[2-クロロ-5-(3-エトキシ-1-メチル-ピラゾール-4-イル)-4-ピリジル]オキシ]ブトキシ]-ジメチル-シラン(450mg、1.02mmol、1当量)、4-(4-アミノピリミジン-2-イル)-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(430mg、1.34mmol、1.31当量)の溶液に、Pd(dba)(130mg、0.142mmol、0.14当量)、CsCO(1.01g、3.11mmol、3.04当量)及びキサントホス(178mg、0.308 mmol、0.30当量)を加えた。混合物をマイクロ波下、130℃で2時間撹拌した。得られた混合物を濾過し、DCM/MeOH(20mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣(ES17560-230-P1と組み合わせた)を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);40g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、DCM/MeOH、MeOH 0~15%、30mL/分の流量、254nm)により精製し、黄色固体として4-[4-[[4-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロポキシ]-5-(3-エトキシ-1-メチル-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(700mg、収率65.4%)を得た。
LCMS(ESI)[M+H] m/z 計算値725.4、実測値725.4。
ステップ5:MeOH(5mL)中の4-[4-[[4-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル〕オキシ-1-メチル-プロポキシ]-5-(3-エトキシ-1-メチル-ピラゾール-4-イル)-2-ピリジル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(700mg、0.965mmol、1当量)の溶液に、4M HCl/MeOH(5mL、20mmol)を加えた。混合物を40℃で2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をHO(5mL)で希釈し、飽和Na2CO3水溶液でpH=9に調整し、次いでDCM/i-PrOH(60mL×3、v/v=20/1)で抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮して、黄色固体として4-[4-[[5-(3-エトキシ-1-メチル-ピラゾール-4-イル)-4-[(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロポキシ]-2-ピリジル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1H-ピラゾール-3-オン(360mg、粗製物)を得た。
LCMS(ESI)[M+H] m/z 計算値481.2、実測値481.1。
ステップ6:トルエン(50mL)中の4-[4-[[5-(3-エトキシ-1-メチル-ピラゾール-4-イル)-4-[(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロポキシ]-2-ピリジル〕アミノ〕ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1H-ピラゾール-3-オン(360mg、0.749mmol、1当量)の溶液に、CMBP(900mg、3.73mmol、4.98当量)を加えた。混合物を130℃で12時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、12g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、DCM/EtOAc、EtOAc 0~100%、次いでDCM/MeOH、MeOH 0~18%、流量50mL/分で、254nm)により精製し、粗製物(200mg、黄色個体)を得た。粗製物を分取HPLC(機器:Gilson GX-281リキッドハンドラー、Gilson 322ポンプ、Gilson 156 UV検出器、カラム:2_Phenomenex Gemini C18 75×40mm×3um、移動相A:0.05%NH-HO(v%)を有するHO、移動相B:MeCN、勾配:Bを7.8分間で35%~68%、100%Bを2分間保持、流量:25mL/分、カラム温度:30℃、波長:220nm、254nm)により精製して、(10S)-13-(3-エトキシ-1-メチル-ピラゾール-4-イル)-5,10-ジメチル-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6]トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン(123mg、収率35.5%)を得た。
H NMR(400MHz,メタノール-d)δ ppm 8.67-8.71(m,1 H),8.65(s,1 H),8.18-8.23(m,1 H),8.02(s,1 H),7.83(s,1 H),6.64-6.69(m,1 H),5.11-5.20(m,1 H),4.73(br d,J=3.0 Hz,1 H),4.30(q,J=7.0 Hz,2 H),4.17-4.25(m,1 H),3.80(d,J=12.0 Hz,6 H),2.24-2.41(m,2 H),1.58(d,J=6.3 Hz,3 H),1.44(t,J=7.0 Hz,3 H).
LCMS(ESI)[M+H]m/z 計算値463.2、実測値463.2。
実施例7:化合物(151)の調製
阻害剤の合成:(10S)-13-クロロ-5,10-ジメチル-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6]トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン(化合物(151))
Figure 2024517023000199
ステップ1:2-ブロモ-5-クロロ-ピリジン-4-オール(1g、4.80mmol、1当量)、PPh(3.77g、14.4mmol、3当量)、及びTHF(20mL)の混合物を0℃に冷却し、次いで、THF(5mL)中のジ-tert-ブチル アゾジカルボキシレート(3.31g、14.4mmol、3当量)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、(2R)-4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル〕オキシブタン-2-オール(1.20g、5.87mmol、1.22当量)を0℃で添加した。混合物を20℃で11時間撹拌した。得られた混合物を水(100mL)の添加によりクエンチし、EtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和NHCl水溶液(100mL×2)、ブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、24g AgelaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~10%、流量:30mL/分)により精製し、黄色油状物として[(3S)-3-[(2-ブロモ-5-クロロ-4-ピリジル)オキシ]ブトキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シラン(1.11g、収率58.6%)を得た。
H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ ppm 8.13-8.19(m,1 H),7.04(s,1 H),4.71(sxt,J=6.2 Hz,1 H),3.64-3.75(m,2 H),1.92-2.03(m,1 H),1.73-1.82(m,1 H),1.58(d,J=4.5 Hz,1 H),1.38(d,J=6.0 Hz,3 H),0.80-0.86(m,9 H),-0.02(d,J=13.8 Hz,6 H).
ステップ2:[(3S)-3-[(2-ブロモ-5-クロロ-4-ピリジル)オキシ]ブトキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シラン(1g、2.53mmol、1当量)、4-(4-アミノピリミジン-2-イル)-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(900mg、2.80mmol、1.11当量)、Pd(dba)(260mg、0.284mmol、1.12e-1当量)、キサントホス(300mg、0.518mmol、0.205当量)、CsCO(1.66g、5.09mmol、2.01当量)及びジオキサン(15mL)の混合物を、マイクロ波下、130℃で2時間撹拌した。混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、24g AgelaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、DCM/MeOH、MeOH 0~20%、流量:30mL/分)によって精製して粗製物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(カラム:SepaFlash(登録商標)Sphercial C18、25g、40~60μm、120Å、MeCN/水(0.5%NH-HO)、MeCN 0~89%、25mL/分、220nm)により精製して、黄色油状物として4-[4-[[4-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロポキシ]-5-クロロ-2-ピリジル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(320mg、収率18.9%、純度95%)を得た。
LCMS(ESI)[M+H] m/z:計算値635.3、実測値635.3。
ステップ3:4-[4-[[4-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル〕オキシ-1-メチル-プロポキシ]-5-クロロ-2-ピリジル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(320mg、0.504mmol、1当量)、4-[4-[[4-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル〕オキシ-1-メチル-プロポキシ]-5-クロロ-2-ピリジル〕アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1H-ピラゾール-3-オン(320mg、0.634mmol、1当量)、及び1M TBAF/THF(2.0mL、2.0mmol、2.12当量)並びにTHF(4mL)の混合物を70℃で1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(カラム:SepaFlash(登録商標)Sphercial C18、25g、40~60μm、120Å、MeCN/水(0.5%NH-HO)、MeCN 0~45%、25mL/分、220nm)により精製して、黄色油状物として4-[4-[[5-クロロ-4-[(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロポキシ]-2-ピリジル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オール(500mg、粗製物)を得た。LCMS(ESI)[M+H] m/z:計算値391.1、実測値391.0。
ステップ4:4-[4-[[5-クロロ-4-[(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロポキシ]-2-ピリジル〕アミノ〕ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オール(400mg、1.02mmol、1当量)、2-(トリブチル-λ5-ホスファニリデン)アセトニトリル(1.24g、5.14mmol、5.02当量)及びトルエン(20mL)の混合物を130℃で12時間撹拌した。混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);24g AgelaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、DCM/MeOH、MeOH 0~10%、流量:30mL/分、254nm)により精製し、黄色固体として(10S)-13-クロロ-5,10-ジメチル-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6]トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン(700mg、粗製物)を得た。この粗製物20mgを分取HPLC(機器:Gilson GX-281 リキッドハンドラー、Gilson 322ポンプ、Gilson 156 UV検出器、カラム:Waters Xbridge 150×25mm×5μm、移動相A:0.05%NH-HO(v%)を含むHO、移動相B:MeCN、勾配:Bを9.5分間で52%~82%、100%Bを2.5分間保持、流量:25mL/分、カラム温度:30℃、波長:220nm、254nm)により精製して、白色固体として(10S)-13-クロロ-5,10-ジメチル-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6]トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン(5mg)を得た。
H NMR(400MHz,メタノール-d)δ ppm 8.83(s,1 H),8.25(d,J=6.4 Hz,1 H),8.17(s,1 H),8.10(s,1 H),6.82(d,J=6.4 Hz,1 H),5.13-5.19(m,1 H),4.68-4.74(m,1 H),4.32-4.41(m,2 H),3.88(s,3 H),2.33-2.41(m,2 H),1.59(d,J=6.3 Hz,3 H).
LCMS(ESI)[M+H] m/z:計算値373.1、実測値373.1。
実施例8:化合物(127)の調製
阻害剤の合成:(10S)-5,10-ジメチル-13-[1-メチル-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]ピロール-3-イル]-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6]トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン(化合物(127))
Figure 2024517023000200
ステップ1:DMF(20.0 mL)中の(4-ブロモ-1H-ピロール-2-カルバルデヒド(1g、5.75mmol、1.0当量)の溶液に、NaH(500mg、12.5mmol、鉱油中純度60重量%、2.2当量)を0℃で添加した。添加後、混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで、MeI(1.82g、12.9mmol、2.2当量)を0℃で滴下で加えた。得られた混合物を20℃で1時間撹拌した。反応混合物を氷水(3mL)中に注いで、3分間撹拌した。水相をEtOAc(20mL×2)で抽出し、合わせた有機相を、ブライン(15mL×3)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~15%、流量:80mL/分、254nm)により精製し、淡黄色油状物として4-ブロモ-1-メチル-ピロール-2-カルバルデヒド(1g、収率74.3%、純度80%)を得た。
LCMS [M+H] m/z :計算値187.9、実測値189.7。
ステップ2:ジオキサン(10.0mL)中の4-ブロモ-1-メチル-ピロール-2-カルバルデヒド(300mg、1.60mmol、1.0当量)、(Bpin)(810mg、3.19mmol、2.0当量)、Pd(dppf)Cl-DCM(130mg、0.159mmol、0.1当量)、及びKOAc(314mg、3.20mmol、2.0当量)を脱気し、次いでN下、100℃に12時間加熱した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(10mL×2)で洗浄し、次いで、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、12g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、石油エーテル/EtOAc、EtOAc 0~20%、流量:80mL/分、254nm)により精製し、淡黄色固体として1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピロール-2-カルバルデヒド(190mg、収率42.0%、純度83%)を得た。
LCMS [M+H] m/z :計算値236.1、実測値236.0
ステップ3:ジオキサン(5.0mL)及びHO(1.0mL)中の化合物(151)(50mg、0.134mmol、1.0当量)、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピロール-2-カルバルデヒド(90mg、0.382mmol、2.9当量)、XPhos-Pd-G2(11mg、0.013mmol、0.1当量)、XPhos(7mg、0.014mmol、1.0.1当量)、及びCsCO(90mg、0.276mmol、2.0当量)の混合物を脱気し、次いでN下、95℃で12時間加熱した。混合物を濾過し、濾過ケーキをDCM(10mL×2)で洗浄し、次いで、合わせた濾液を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、4g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、MeOH(0.05% TEA)/DCM、MeOH(0.05% TEA)0~20%、流量:30mL/分、254nm)により精製し、淡黄色固体として化合物4-[(10S)-5,10-ジメチル-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6]トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン-13-イル]-1-メチル-ピロール-2-カルバルデヒド(89 mg、粗製物)を得た。
LCMS [M+H] m/z:計算値446.2、実測値446.0。
ステップ4:THF(10.0mL)中の4-[(10S)-5,10-ジメチル-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ-[16.3.1.112,16.02,6]-トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン-13-イル]-1-メチル-ピロール-2-カルバルデヒド(89mg、0.199mmol、1.0当量)、1-メチルピペラジン(105mg、1.05mmol、5.3当量)及びTi(OEt)(240mg、1.05mmol、5.3当量)の混合物を70℃で12時間撹拌した。その後、NaBHCN(73mg、1.16mmol、5.8当量)を添加し、混合物を30℃で30分間撹拌した。反応混合物を、HO(0.2mL)及び飽和NaCO水溶液(0.2mL)を添加することによってクエンチし、次いで、シリカゲルを添加し、混合物をNaSOで乾燥させた。混合物を20℃で15分間撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケーキをDCM/MeOH(15mL×5、v/v:10/1)で洗浄し、合わせた濾液をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX 80×40mm×3μm;移動相:[水(10mM NHHCO)-ACN];B%:30%~60%、9.5分。温度:30℃)により精製して、白色固体として(10S)-5,10-ジメチル-13-[1-メチル-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]ピロール-3-イル]-7,11-ジオキサ-4,5,15,17,21,22-ヘキサアザテトラシクロ[16.3.1.112,16.02,6]トリコサ-1(22),2(6),3,12(23),13,15,18,20-オクタエン(44.1mg、収率39.4%、純度95%)を得た。
H NMR(400MHz,メタノール-d)δ ppm 8.67(s,1H),8.24(s,1H),8.20(d,J=6.0 Hz,1H),8.02(s,1H),7.19(d,J=1.8 Hz,1H),6.66(d,J=6.0 Hz,1H),6.41(d,J=1.8 Hz,1H),5.20-5.10(m,1H),4.79-4.68(m,1H),4.25-4.14(m,1H),3.80(s,3H),3.68(s,3H),3.51(s,2H),2.54(br s,7H),2.33(br d,J=4.5 Hz,2H),2.31(s,3H),2.29-2.15(m,1H),1.57(d,J=6.3 Hz,3H).
LCMS [M+H] m/z :計算値530.3、実測値530.1。
実施例9:インビトロアッセイ
本明細書に記載の化合物の生物学活性を当該技術分野で既知の標準の方法に従って試験することができる。L858R、T790M、C797S、及び/若しくはDel19変異を含む、又はそれらの任意の組み合わせ(例えば、L858R単一、二重、又は三重変異体)を含むEGFRの変異型を含むEGFRの阻害を試験する方法を使用することができる。例示的な、非限定的な方法を本明細書に記載している。
キナーゼアッセイ
インビトロキナーゼアッセイキット(HTRF KinEASE-TKキット)を使用するアッセイは、EGFRL858R、EGFRL858R/T790M、及びEGFRL858R/T790M/C797SなどのEGFR変異体に関して本明細書に記載の化合物の阻害活性を試験するために使用することができる。
Ba/F3生存率アッセイ
Promega CellTiter-Glo細胞生存率アッセイを含むBa/F3生存率アッセイを使用して、細胞増殖の阻害を試験することができる。このアッセイは、以下のアッセイ:(1)Ba/F3親、(2)Ba/F3 EGFR-Del19/T790M、(3)Ba/F3 EGFR-Del19/C797S、及び(4)Ba/F3 EGFR-Del19/T790M/C797Sにおける本明細書に記載の化合物の効果を試験することができる。
P-EGFRシグナル伝達アッセイ
Phospho-EGFR(Tyr1068)Total EGFR MULTI-SPOT(登録商標)96 HB 4-Spot Custom EGFR Duplex ANALYTESアッセイなどのマルチプレックスイムノアッセイキットを使用して、EGFRのリン酸化を試験することができる。
本明細書に記載のキナーゼ(EGFR)及びBA/F3アッセイを使用して136個の化合物を試験し、全ての6つのアッセイにおいて、試験した化合物の60%以上が50nM未満の値のIC50を提供した。したがって、本発明の化合物は、強力なEGFR変異体阻害剤を含む新たな一般的クラスのキナーゼ阻害剤である。
本発明の特定の化合物について、例示的なキナーゼ阻害(キナーゼ)及び抗増殖活性(Ba/F3)データを表1に示し、以下の説明に従って分類する。
説明文:A=IC50 50nM未満
B=IC50 50nM以上100nM未満
C=IC50 100nM以上1000nM未満
D=IC50 1000nM以上
Figure 2024517023000201
上述の説明から、当業者であれば、本発明の本質的な特徴を容易に解明することができ、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の様々な変更及び修正を行い、それを様々な使用及び条件に適合させることができる。
本出願に引用される米国又は外国の全ての参考文献、特許、又は出願は、それらの全体が本明細書に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。何らかの不一致が生じた場合、本明細書に逐語的に開示される資料が優先される。

Claims (89)

  1. 式Iの化合物、
    Figure 2024517023000202
    又はその薬学的に許容される塩であって、式中、
    は独立して、N又はCRであり、
    及びXの各々は独立して、共有結合、O、S、NR、C(O)NR、NRC(O)、NRC(O)NR、又は(C(Rであり、
    は独立して、共有結合、Cヘテロアルキレン、Cアルキレン、Cアルケニレン、Cアルキニレン、C3-6シクロアルキレン、3~10員ヘテロシクリレン、フェニレン、又は5~10員ヘテロアリーレンであり、
    各R及びRは独立して、
    Figure 2024517023000203
    OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、若しくは(CH12であるか、又は2つのR若しくは2つのRは、それらが結合している原子と一緒になって5~10員環を形成し、
    は独立して、共有結合、O、NR、C(O)、C(O)NR、NRC(O)、CR であり、
    は独立して、H又はC1-6アルキルであり、
    Aは独立して、フェニル、ナフチル、5~13員ヘテロアリール、C-C10脂環式、又は3~10員ヘテロシクリルであり、
    Bは独立して、フェニル、ナフチル、5~13員ヘテロアリール、C-C10脂環式、又は3~10員ヘテロシクリルであり、
    Cは独立して、5員又は6員ヘテロアリールであり、
    各Rは独立して、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、又は(CH12であり、
    各Rは独立して、H、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、NR11(CHNR、(CHNR、(CHOH、(CHOCH、O(CHOH、O(CHOCH、O(CH12、若しくは(CH12であるか、又はR及びR、若しくはR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって5~6員環を形成し、
    各Rは独立して、H、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、又は(CH12であり、
    各Rは独立して、H、N-保護基、若しくはC1-6アルキルであるか、又はR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、5~6員環を形成し、
    各Rは独立して、H若しくはC1-6アルキルであるか、又は同じ炭素上の2つのRは、結合してオキソ(=O)基を形成するか、又はR及びRは、それらが結合している原子と一緒になって、5~6員環を形成し、
    各R、R、及びR11は独立して、H若しくはC1-6アルキルであるか、又はR及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、3~10員ヘテロシクリルを形成するか、又はR及びR11は、それらが結合している原子と一緒になって、3~10員ヘテロシクリルを形成し、
    各R10は独立して、C1-6脂肪族、C-C10脂環式、3~10員ヘテロシクリル、フェニル、ナフチル、若しくは5~12員ヘテロアリールであるか、又はR10及びR11は、それらが結合している原子と一緒になって、3~10員ヘテロシクリルを形成し、
    各R12は独立して、C-C10脂環式、3~10員ヘテロシクリル、フェニル、ナフチル、又は5~12員ヘテロアリールであり、
    各m、n及びoは独立して、0、1、又は2であり、
    各pは独立して、0、1、2、3、又は4であり、
    各qは独立して、1又は2であり、
    各rは独立して、0~4の整数であり、
    各sは独立して、2~6の整数であり、
    各tは独立して、1~6の整数である、化合物、又はその薬学的に許容される塩。
  2. 少なくとも1つのm又はnが0ではない、請求項1に記載の化合物。
  3. 及びRのうちの1つが存在し、部分構造A又はハロゲンである、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 及びRのうちの1つが存在し、部分構造Aである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 1つ以下の部分構造Aが存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. Cが、5員又は6員N含有ヘテロアリールである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. Cが、ピリジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、又はイミダゾリルである、請求項6に記載の化合物。
  8. 式(I-A)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000204
    式中、
    は、N又はCRである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
  9. 式(I-B)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000205
    式中、
    mが、0又は1である、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
  10. 式(I-C)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000206
    式中、
    mが、0又は1である、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
  11. 式(II)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000207
    式中、
    各Rは独立して、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、又はR12である、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
  12. 式(II-A)に従う構造を有する、請求項11に記載の化合物、
    Figure 2024517023000208
    又はその薬学的に許容される塩。
  13. mが、0である、請求項11又は12に記載の化合物。
  14. 式(III)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000209
    式中、
    各Rは独立して、OH、CN、ハロゲン、C脂肪族、Cアルコキシ、NR、C(O)R10、CO10、C(O)NR、NR11C(O)R10、NR11CO10、NR11C(O)NR、又はR12である、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
  15. 式(III-A)に従う構造を有する、請求項14に記載の化合物、
    Figure 2024517023000210
    又はその薬学的に許容される塩。
  16. nが、0である、請求項14又は15に記載の化合物。
  17. 及びXの各々が独立して、N又はCHである、請求項8~16のいずれか一項に記載の化合物。
  18. が、Nである、請求項8~17のいずれか一項に記載の化合物。
  19. が、CHである、請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物。
  20. が、Oである、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物。
  21. が、NRであり、Rが、部分構造Aであり、かつ
    及びRが、それらが結合している原子と一緒になって、5員環を形成する、請求項1~15及び17~20のいずれか一項に記載の化合物。
  22. が、Oである、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物。
  23. 各X及びXが各々独立して、共有結合、O、S、NR、C(O)、CH、CHCH、又はC(CHである、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物。
  24. が、CHであり、Xが、Oであり、Xが、Oである、請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物。
  25. が、Nである、請求項24に記載の化合物。
  26. が、非置換Cアルキレン又は1若しくは2個のオキソ(=O)置換基を含むCアルキレンである、請求項1~25のいずれか一項に記載の化合物。
  27. が、非置換直鎖状C4-6アルキレン又は非置換分岐状C4-6アルキレンである、請求項26に記載の化合物。
  28. が、
    Figure 2024517023000211
    であり、式中、*は、Xへの共有結合点を示し、**は、Xへの共有結合点を示す、請求項26又は27に記載の化合物。
  29. が、非置換Cヘテロアルキレン又は1若しくは2個のオキソ(=O)置換基を含むCヘテロアルキレンである、請求項1~25のいずれか一項に記載の化合物。
  30. 前記Cヘテロアルキレンが、独立して酸素又は窒素である1、2、又は3個のヘテロ原子を含む、請求項29に記載の化合物。
  31. 前記Cヘテロアルキレンが、-O(CH-、-(CHO-、-O(CHO-、-OCHOCHCHOCH-、-CHOCHCHO-、
    -OCHCHOCH-、-NH(CH-、-(CHNH-、又は-NH(CHNH-であり、式中、uが、1~4の整数である、請求項29又は30に記載の化合物。
  32. Bが、フェニル又は5~6員ヘテロアリールである、請求項1~31のいずれか一項に記載の化合物。
  33. Bが、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、又はイミダゾリルである、請求項32に記載の化合物。
  34. が、メチル、ハロゲン、又はCNであり、oが、0又は1である、請求項32又は33に記載の化合物。
  35. Bが、
    Figure 2024517023000212
    であり、式中、*は、Cへの共有結合点を示し、**は、Xへの共有結合点を示す、請求項32~34のいずれか一項に記載の化合物。
  36. Aが、フェニル又は5~6員ヘテロアリールである、請求項1~35のいずれか一項に記載の化合物。
  37. Aが、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、又はイミダゾリルである、請求項36に記載の化合物。
  38. 式(IV)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000213
    式中、
    は、非置換の直鎖状又は分岐状のCアルキレンであり、
    Bは、フェニル又は5~6員ヘテロアリールであり、
    は、メチル、ハロゲン、又はCNであり、
    oは、0又は1であり、
    及びRのうちの1つは、部分構造Aとして存在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
  39. 式(V)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000214
    式中、
    は、-(CH-又は-CH(CH)CHCH-である、請求項38に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
  40. 式(VI-1)又は式(VI-2)に従う構造を有する、
    Figure 2024517023000215
    請求項39に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
  41. 式(VI-3)又は式(VI-4)に従う構造を有する、請求項40に記載の化合物、
    Figure 2024517023000216
    又はその薬学的に許容される塩。
  42. 式(VII-1)又は式(VII-2)に従う構造を有する、請求項39に記載の化合物、
    Figure 2024517023000217
    又はその薬学的に許容される塩。
  43. 式(VII-3)又は式(VII-4)に従う構造を有する、請求項42に記載の化合物、
    Figure 2024517023000218
    又はその薬学的に許容される塩。
  44. Aが、フェニル又は5員若しくは6員ヘテロアリールである、請求項38~43のいずれか一項に記載の化合物。
  45. が、共有結合である、請求項1~44のいずれか一項に記載の化合物。
  46. Figure 2024517023000219
    が、
    Figure 2024517023000220
    からなる群から選択される、請求項1~44のいずれか一項に記載の化合物。
  47. 以下から選択される1つ以上のR基:-C≡N、-C≡CH、0~4個のフルオロ置換基を含む飽和直鎖状若しくは分岐状C1-6脂肪族又はCアルコキシ、NR11(CHNR、(CHNR、O(CHOCH、O(CH12、及び(CH12、を含む、請求項1~46のいずれか一項に記載の化合物。
  48. 12が、C3-6シクロアルキル、O、N、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む3~9員ヘテロシクリル、並びに5~6員ヘテロアリールからなる群から選択される、請求項47に記載の化合物。
  49. 12が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、オキセタニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、アゼチジン、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリノから選択される、請求項47又は48に記載の化合物。
  50. 12が、0~4個のR14で置換され、各R14が独立して、-CN、オキソ(=O)、ハロゲン、-OH、-NH、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、非置換C3-6シクロアルキル、又は非置換3~4員ヘテロシクリルから選択される、請求項47~49のいずれか一項に記載の化合物。
  51. 各R14が独立して、-CN、
    -F、-OH、-NH、-NHCH、-N(CH、-NHCHCH、-N(CHCH、-CH、-CHF、
    -CHF、-CF、-CHCH、-CHCHF、-CHCHF、-CHCF、-CHCHCH
    -CHCHCHF、-CHCHCHF、-CHCHCF、-CHCHOCH、-COCH
    -COCHCH、-CHCOCH、-CHCOCHCH、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、及びアゼチジニリルから選択される、請求項50に記載の化合物。
  52. 以下から選択されるR基:-CN、-CH、-CHF、-CHF、-CF、-CHCH
    -CHCFH、-CHCHF、-CHCF、-CH(CH、-C(CH、-C≡CH、
    Figure 2024517023000221
    Figure 2024517023000222
    Figure 2024517023000223
    並びに/又は、
    以下から選択されるR基、-CHOCH、-OCH、-OCHF、
    -OCHF、-OCF、-OCHCH、-OCHCHF、-OCHCHF、-OCHCF、-OCHCHCH、-OCHCH(CH、-OCHCHOCH
    Figure 2024517023000224
    -COCH、及びCH、を含む、請求項47に記載の化合物。
  53. が、非置換C1-6アルキル、CO(非置換C1-6アルキル)、O-(非置換C1-6アルキル)、O-(C1-6ハロアルキル)、NH(CHNMe、(CHNMe、又は
    Figure 2024517023000225
    から選択され、式中、
    は独立して、CH又はNであり、
    は独立して、O、CHR13、又はNR13であり、
    13は独立して、H、C1-6アルキル、又はC3-6シクロアルキルであり、
    rは、0又は1であり、
    sは、2~4の整数であり、
    tは、1~6の整数である、請求項1~46のいずれか一項に記載の化合物。
  54. 1つのRが、
    Figure 2024517023000226
    であり、存在する場合、第2のRが、非置換C1-6アルキル、CO(非置換C1-6アルキル)、O-(非置換C1-6アルキル)、O-(C1-6ハロアルキル)、NH(CHNMe、及び(CHNMeから選択される、請求項53に記載の化合物。
  55. Figure 2024517023000227
    が、
    Figure 2024517023000228
    であり、式中、
    Aが、フェニル又は5~6員ヘテロアリールであり、
    が独立して、CH又はNであり、
    が独立して、O、CHR13、又はNR13であり、
    13が独立して、H、非置換C1-6アルキル、又は非置換C3-6シクロアルキルであり、
    rが、0又は1であり、
    が、非置換C1-6アルキル、CO(非置換C1-6アルキル)、O-(非置換C1-6アルキル)、O-(C1-6ハロアルキル)、又はNH(CHNMeから選択され、
    pが、0又は1であり、
    sが、2~6の整数である、請求項1~46のいずれか一項に記載の化合物。
  56. Figure 2024517023000229
    が、
    Figure 2024517023000230
    であり、Xが、O、NCH、又はN(シクロプロピル)である、請求項55に記載の化合物。
  57. rが、0である、請求項53~56のいずれか一項に記載の化合物。
  58. rが、1である、請求項53~56のいずれか一項に記載の化合物。
  59. -COCH、-OCHCF、-CH、-CHCH、-OCH、-OCHCH、-NHCHCHN(CH、又は-CHN(CHである、R基を含む、請求項46~58のいずれか一項に記載の化合物。
  60. Aが、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、又はイミダゾリルである、請求項53~59のいずれか一項に記載の化合物。
  61. 前記化合物が、式(VIII)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000231
    式中、
    4Aは、第1のR基であり、
    4Bは、第2のR基であり、
    pは、0又は1である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  62. 前記化合物が、式(IX)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000232
    式中、
    4Aは、第1のR基であり、
    4Bは、第2のR基であり、
    pは、0又は1である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  63. 前記化合物が、式(X)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000233
    式中、
    4Aは、第1のR基であり、
    4Bは、第2のR基であり、
    pが、0又は1であり、
    4Dは、非置換C1-6アルキルであるR基である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  64. 前記化合物が、式(XI)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000234
    式中、
    4Aは、第1のR基であり、
    4Dは、非置換C1-6アルキルであるR基である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  65. 前記化合物が、式(XII)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000235
    式中、
    4Aは、第1のR基である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  66. 前記化合物が、式(XIII)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000236
    式中、
    4Aは、第1のR基であり、
    4Bは、第2のR基であり、
    pは、0又は1である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  67. 前記化合物が、式(XIV)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000237
    式中、
    4Aは、第1のR基であり、
    4Bは、第2のR基であり、
    pは、0又は1である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  68. 前記化合物が、式(XV)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000238
    式中、
    4Aは、第1のR基であり、
    4Bは、第2のR基であり、
    4Cは、第3のR基である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  69. 前記化合物が、式(XVI)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000239
    式中、
    4Cは、第1のR基である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  70. 前記化合物が、式(XVII)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000240
    式中、
    4Dは、非置換C1-6アルキルであるR基である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  71. 前記化合物が、式(XVIII)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000241
    式中、
    4Cは、第1のR基である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  72. 前記化合物が、式(XIX)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000242
    式中、
    4Dは、非置換C1-6アルキルであるR基である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  73. 前記化合物が、式(XX)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000243
    式中、
    4Aは、第1のR基であり、
    4Bは、第2のR基であり、
    pは、0又は1である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  74. 前記化合物が、式(XXI)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000244
    式中、
    4Aは、第1のR基であり、
    4Bは、第2のR基であり、
    pは、0又は1である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  75. 前記化合物が、式(XXII)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000245
    式中、
    4Aは、第1のR基であり、
    4Bは、第2のR基であり、
    pは、0又は1であり、
    4Dは、非置換C1-6アルキルであるR基である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  76. 前記化合物が、式(XXIII)に従う構造を有し、
    Figure 2024517023000246
    式中、
    4Aは、第1のR基である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  77. 各R4A、R4B、及びR4Cは、存在する場合、独立して、以下から選択されるR基:-C≡N、-C≡CH、0~4個のフルオロ置換基を含む飽和直鎖状若しくは分岐状C1-6脂肪族又はCアルコキシ、NR11(CHNR、(CHNR、O(CHOCH、O(CH12、及び(CH12、である、請求項61~76のいずれか一項に記載の化合物。
  78. 12が、C3-6シクロアルキル、O、N、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む3~9員ヘテロシクリル、並びに5~6員ヘテロアリールからなる群から選択される、請求項77に記載の化合物。
  79. 12が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、オキセタニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、アゼチジン、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリノから選択される、請求項77又は78に記載の化合物。
  80. 12が、0~4個のR14で置換され、式中、各R14が独立して、-CN、オキソ(=O)、ハロゲン、-OH、-NH、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、非置換C3-6シクロアルキル、又は非置換3~4員ヘテロシクリルから選択される、請求項77~79のいずれか一項に記載の化合物。
  81. 各R14が独立して、-CN、
    -F、-OH、-NH、-NHCH、-N(CH、-NHCHCH、-N(CHCH、-CH、-CHF、
    -CHF、-CF、-CHCH、-CHCHF、-CHCHF、-CHCF、-CHCHCH
    -CHCHCHF、-CHCHCHF、-CHCHCF、-CHCHOCH、-COCH
    -COCHCH、-CHCOCH、-CHCOCHCH、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、及びアゼチジニリルから選択される、請求項80に記載の化合物。
  82. 4A及び/又はR4C基が、存在する場合、-CN、-CH、-CHF、-CHF
    -CF、-CHCH、-CHCFH、-CHCHF、-CHCF、-CH(CH、-C(CH、-C≡CH、
    Figure 2024517023000247
    Figure 2024517023000248
    から選択され、
    並びに/又は
    4B基が、存在する場合、-CHOCH、-OCH、-OCHF、
    -OCHF、-OCF、-OCHCH、-OCHCHF、-OCHCHF、-OCHCF、-OCHCHCH、-OCHCH(CH、-OCHCHOCH
    Figure 2024517023000249
    -COCH、及びCHから選択されることを含む、請求項61~81のいずれか一項に記載の化合物。
  83. 化合物(1)~(169)からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
  84. 請求項1~83のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物。
  85. がんを治療する方法であって、それを必要とするヒトに、医薬組成物で有効量の請求項1~83のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
  86. 前記がんが、肺がんである、請求項85に記載の方法。
  87. 前記がんが、非小細胞肺がんである、請求項85又は86に記載の方法。
  88. 前記がんが、EGFR駆動型がんである、請求項85~87のいずれか一項に記載の方法。
  89. 前記がんが、EGFR変異を特徴とする、請求項85~88のいずれか一項に記載の方法。
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