JP2024516997A - Shp2阻害剤単独療法およびその使用 - Google Patents

Shp2阻害剤単独療法およびその使用 Download PDF

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Abstract

癌を処置する方法において固形腫瘍の減少に使用するためのSHP2阻害剤が本明細書で提供される。【選択図】図2A

Description

相互参照
本出願は、2021年5月5日に出願された米国仮特許出願第63/184,710号および2022年3月17日に出願された米国仮特許出願第63/320,991号の利益を主張するものであり、それらの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本開示は、SHP2阻害剤および癌を処置する方法に関する。
癌は、世界規模で罹患率および死亡率の主要因である。種々の癌タイプに対する標準治療は長年にわたって大幅に改善されてはきているものの、現在の標準治療は、癌の処置を改善させる効果的な治療への必要性を依然として満たしていない。タンパク質チロシンホスファターゼ2(SHP2)は、タンパク質チロシンホスファターゼファミリーに属しており、これは、細胞増殖、生存、分化、遊走およびアポトーシスの調節に関与している。タンパク質チロシンホスファターゼスーパーファミリーにおいて、SHP2は、初めて確認された真の癌原遺伝子であり、代謝、分化、増殖、遊走および生存などの様々なシグナル伝達経路において重要な役割を果たしている。SHP2は、Rasマイトジェン活性化プロテインキナーゼ、ヤヌスキナーゼ-シグナル伝達兼転写活性化因子(JAK-STAT)またはホスホイノシチド3-キナーゼ-AKTおよび核因子κB(NF-κB)ならびに他のシグナル伝達経路を調節し得る。SHP2はまた、プログラム細胞死タンパク質-1(PD-1)ならびにBおよびTリンパ球減弱因子(BTLA)の免疫チェックポイントシグナル伝達経路の主な調節因子であり、腫瘍免疫抑制に関連し得る。さらに、SHP2突然変異は、腫瘍ではまれにしか発生しない。
近年、SHP2は腫瘍阻害において重要な役割を果たすことが示されており、特に腫瘍におけるSHP2の役割がますます明らかになってきている。したがって、SHP2の阻害は、実行可能な抗腫瘍戦略となっている。癌は耐性をもつかまたは難治性になることから、新しい処置法が依然として必要とされている。
SHP2阻害剤で癌を処置する方法が本明細書で提供される。
一態様では、癌の処置を必要とする患者において癌を処置する方法であって、本方法は、治療有効量の、式(Ia)
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を患者に投与することを含み、患は抗癌剤治療に失敗している、方法が本明細書で提供される。
いくつかの実施形態では、本方法は、化合物を処置の第三選択薬、第四選択薬、第五選択薬または第六選択薬として患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、癌は、少なくとも1種の抗癌剤に耐性がある。いくつかの実施形態では、抗癌剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、PD-L1、および/またはCTLA-4である。いくつかの実施形態では、抗癌剤は、EGFR TK阻害剤である。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、エルロチニブ、アファチニブ、ゲフィチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、イコチニブ、ロシレチニブ、オルムチニブ、タルロキソチニブ(tarloxitinib)、TAK-788、アミバンタマブ(JNJ-6372)、またはAC0010から選択される。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤はオシメルチニブである。
いくつかの実施形態では、約5mg~約100mgの式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物が、その投与を必要とする患者に投与される。いくつかの実施形態では、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mgもしくは約50mgの式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物が患者に投与される。
いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物は、レジメンとして投与される。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物は、経口または腹腔内方法によって投与される。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物は毎日投与される。いくつかの実施形態では、化合物は、1日1回(QD)、1日2回(BID)、または1日3回(TID)で患者に投与される。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物は、7日間、14日間または21日間投与される。
いくつかの実施形態では、癌は、扁平上皮癌、非扁平上皮癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、黒色腫、肝細胞癌、腎細胞癌、卵巣癌、頭頸部癌、尿路上皮癌、乳癌、前立腺癌、神経膠芽腫、大腸癌、膵癌、リンパ腫、滑筋肉腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、または悪性末梢神経鞘腫(MPNST)である。
いくつかの実施形態では、癌を処置する方法は、患者の癌の転移を阻害する。いくつかの実施形態では、癌を処置する方法は、癌患者における疾患進行の時間を延長する。いくつかの実施形態では、癌を処置する本方法は、患者の生存期間を延長する。いくつかの実施形態では、癌を処置する本方法は、患者の無増悪生存期間を増大させる。いくつかの実施形態では、癌を処置する本方法は、患者の腫瘍または腫瘍量を減少させる。
一態様では、腫瘍体積の減少を必要とする患者において腫瘍体積を減少させる方法であって、治療有効量の、式(Ia)
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を患者に投与することを含む、方法が本明細書で提供される。
いくつかの実施形態では、腫瘍体積は、約10%、約20%、約30%、約40%、50%、約60%、約70%、約80%、または約90%減少する。いくつかの実施形態では、腫瘍体積は少なくとも約10%減少する。
別の態様では、INF-γ、IL-1β、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-10、IL-12p70、およびKC/GRO(CXCL1)から選択される1つ以上のバイオマーカー(サイトカイン)を調節する方法が本明細書に提示される。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、ベースラインレベルを超えて増加または低下する。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも100%、または少なくとも150%低下もしくは増加する。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、15倍、20倍または25倍低下もしくは増加する。
本明細書に記載される組み合わせおよび方法の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明および特定の例は、特定の実施形態を示すものではあるが、この詳細な説明から本開示の趣旨および範囲内の様々な変更および修正が当業者に明らかになるため、例示のみを目的として与えられていることを理解されたい。
参照による組み込み
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、あたかも各個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
本開示の様々な態様は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本開示の特徴および利点のより良い理解は、本開示の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明、および以下の添付の図面を参照することによって得られるであろう。
化合物(Ia)が、細胞増殖アッセイにおいて、GH21001(TNO-155)、RMC-4550、およびシスプラチンを含む他の薬剤よりも大きな効力を実証することを示す図である。 MC38モデルにおける腫瘍体積に対する式(Ia)の化合物の効果を示す図である。 MC38モデルにおける体重変化%に対する式(Ia)の化合物の効果を示す図である。 式(Ia)の化合物がMC38腫瘍におけるマクロファージ集団を減少させることを示す図である。 式(Ia)の化合物がMC38腫瘍における単球集団を増加させることを示す図である。 式(Ia)の化合物がMC38腫瘍における顆粒球集団を増加させることを示す図である。 式(Ia)の化合物がMC38腫瘍における循環CD3+細胞集団を増加させることを示す図である。 式(Ia)の化合物がMC38腫瘍における循環CD4+細胞集団を増加させることを示す図である。 式(Ia)の化合物がMC38腫瘍における循環CD8+細胞集団を増加させることを示す図である。 式(Ia)の化合物が肺癌細胞株HCC827-ER1の生存率を低下させることを示す図である。 式(Ia)の化合物がオシメルチニブ耐性癌細胞株NCI-H1975(L858R/T790M/C797S)の生存率を低下させることを示す図である。 NCI-H1975(L858R/T790M/C797S)オシメルチニブ抵抗性癌における腫瘍体積に対する式(Ia)の化合物の効果を示す図である。 NCI-H1975(L858R/T790M/C797S)オシメルチニブ抵抗性癌における体重に対する式(Ia)の化合物の効果を示す図である。 式(Ia)の化合物がGH21001(TNO-155)およびRMC-4550よりもKC/GROを有意に減少させることを示す図である。 HCC827 CDX腫瘍モデルにおける腫瘍体積に対する式(Ia)の化合物の効果を示す図である。 HCC827 CDX腫瘍モデルにおける体重変化%に対する式(Ia)の化合物の効果を示す図である。 HCC827 CDX腫瘍モデルにおけるpERKおよびDUSP6発現に対する式(Ia)の化合物の効果を示し、14Dは、DUSP6遺伝子発現の量を定量化したものを示す図である。 HCC827 CDX腫瘍モデルにおけるpERKおよびDUSP6発現に対する式(Ia)の化合物の効果を示し、14Dは、DUSP6遺伝子発現の量を定量化したものを示す図である。 HCC827 CDX腫瘍モデルにおけるpERKおよびDUSP6発現に対する式(Ia)の化合物の効果を示し、14Dは、DUSP6遺伝子発現の量を定量化したものを示す図である。 HCC827 CDX腫瘍モデルにおけるpERKおよびDUSP6発現に対する式(Ia)の化合物の効果を示し、14Dは、DUSP6遺伝子発現の量を定量化したものを示す図である。 HCC827 CDX腫瘍モデルにおけるpERKおよびDUSP6発現に対する式(Ia)の化合物の効果を示し、14Gは、ハウスキーピング遺伝子GAPDHに対するDUSP6のレベルを定量化したものを示す図である。 HCC827 CDX腫瘍モデルにおけるpERKおよびDUSP6発現に対する式(Ia)の化合物の効果を示し、14Gは、ハウスキーピング遺伝子GAPDHに対するDUSP6のレベルを定量化したものを示す図である。 HCC827 CDX腫瘍モデルにおけるpERKおよびDUSP6発現に対する式(Ia)の化合物の効果を示し、14Gは、ハウスキーピング遺伝子GAPDHに対するDUSP6のレベルを定量化したものを示す図である。 HCC827-ER1 CDX腫瘍モデルにおけるpERK発現に対する式(Ia)の化合物の効果を示す図である。 HCC827-ER1 CDX腫瘍モデルにおけるDUSP6発現に対する式(Ia)の化合物の効果を示し、DUSP6のレベルを定量化したものも示す図である。 HCC827 CDX腫瘍モデルにおいて、血漿中の式(Ia)の化合物の量をモニターする図である。 HCC827 CDX腫瘍モデルにおいて、腫瘍中の式(Ia)の化合物の量をモニターする図である。
癌を処置する方法
一態様では、癌の処置を必要とする患者において癌を処置する方法であって、本方法は、治療有効量の、式(I)
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物であって、
式中、
およびRは、それぞれ同じもしくは異なり、RおよびRは、それぞれ独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、および以下の置換されたもしくは非置換の基:-NH、C~C10アルキル、C~C10アルキルアミノ、C~C10アルコキシ、C~C12シクロアルキル、C~C12シクロアルキルオキシ、3~12員複素環基、C~C10アリール基、5~10員ヘテロアリール基から選択されるか、またはRおよびRは、3~8員飽和もしくは不飽和のシクロアルキル基もしくは複素環基を形成し、必要に応じて3~8員飽和もしくは不飽和のシクロアルキル基もしくは複素環基は、1~3個の-OH、-NH、-CN、NO、ハロゲン、C~C10アルキル、C~C10アルコキシ、C~C10アルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリールを有し、
は、H、Dまたは-NHから選択され、
Xは、結合、-NH-または-C(O)NH-から選択され、
Yは、NまたはCR13から選択され、ここで、R13は、H、D、-OH、-CN、ハロゲン、C~C10アルキル基、C~C10アルコキシ、C~C12シクロアルカンアミノ、C~C10アルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、3~8員複素環基、ハロゲン化C~C10アルキルアミノ、またはC~C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリール基から選択され、複素環基もしくはヘテロアリール基は、必要に応じて1~4個のヘテロ原子を含み、ヘテロ原子は、S、O、NまたはNHから選択され、
各Rは、同じもしくは異なり、独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、-C(O)NHR14または-NHC(O)R15から選択され、以下の基:-NH、C~C10アルキル、C~C10アルキルアミノ、C~C10アルコキシ、C~C12シクロアルキル、3~12員複素環基、C~C10アリール、もしくは5~10員ヘテロアリールで置換されているかもしくは非置換であり、ここで、R14およびR15は、それぞれ独立して、C~C10アルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C10アリールまたは5~10員ヘテロアリールから選択され、置換は、C~C10アルキル、ハロゲン原子、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、C~C10アルコキシ、C~C10アルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C10アリール、5~10員ヘテロアリールまたは3~12員複素環基が1つ以上の置換基によって置換されたものから選択され、上述の置換基は、C~C10アルキル、ハロゲン、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、C~C10アルコキシ、C~C10アルキルアミノまたはC~C12シクロアルキルから選択される1~3つの置換基で必要に応じて置換されており、
は、C~C10アリール、5~10員ヘテロアリール、C~C12シクロアルキル、3~12員複素環基、C~C14架橋環基もしくはスピロ環基、またはC~C14架橋複素環基もしくはスピロ複素環基から選択され、5~10員ヘテロアリール、3~12員複素環基、C~C14架橋複素環基もしくはスピロ複素環基は、N、NH、O、S、C(O)、またはS(O)から選択される1~3個のヘテロ原子もしくは基を含み、
各Rは、同じもしくは異なり、独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、アミノアシル、置換されたもしくは非置換の以下の基:C~C10アルキル、C~C10アルキルアミノ、C~C10アルコキシ、-NH、C~C12シクロアルキル、3~12員複素環基、C~C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記置換は、C~C10アルキル、C~C12シクロアルキル、3~12員複素環基、ハロゲン、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、ヒドロキシ-C~C10アルキル、C~C10アルコキシ、C~C10アルキルアミノ、5~10員複素芳香族基、C~C10アリール基もしくは3~12員複素環基が1つ以上の置換基によって置換されたものから選択され、または任意の2つの隣接するRが3~6員の飽和もしくは不飽和環を形成し、必要に応じて前記3~6員の飽和または不飽和環は、1~3個の-OH、-NH、-CN、ハロゲン、C~C10アルキル、C~C10アルコキシ、C~C12シクロアルキルアミノ、C~C10アルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、ハロゲン化C~C10アルキルアミノ、C~C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリールで置換されており、
、R、R、R、R10、R11、R12、およびR13は、それぞれ独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NOから選択され、-NH、C~C10アルキル、C~C10アルキルアミノ、C~C10アルコキシ、C~C12シクロアルキル、C~C12シクロアルキルオキシ基、3~12員複素環基、C~C10アリール、および5~10員ヘテロアリールから選択される置換されたもしくは非置換の基であり、置換は、C~C10アルキル、C~C12シクロアルキル、3~12員複素環基、ハロゲン、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、ヒドロキシ-C~C10アルキル、C~C10アルコキシ、C~C10アルキルアミノ、5~10員ヘテロアリールもしくはC~C10アリールから選択され、
mは、0、1、2または3であり、
nは、0、1、2または3であり、
pは、0、1または2である、
式(I)の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物と、を患者に投与することを含み、
癌処置を必要とする患者が、少なくとも1つの抗癌剤治療に失敗している、方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、癌処置を必要とする患者は、成功した抗癌療法の少なくとも1つのエンドポイントを達成することができなかった抗癌剤治療を以前に受けたことがある(すなわち、少なくとも1つの抗癌剤で以前に処置されたことがある)。いくつかの実施形態では、以前の抗癌剤治療は、患者の腫瘍寛解または無増悪生存を達成することができなかった。
いくつかの実施形態では、本方法は、化合物を処置の第三選択薬、第四選択薬、第五選択薬または第六選択薬として患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、癌は、少なくとも1種の抗癌剤に耐性がある。いくつかの実施形態では、抗癌剤は、免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、PD-L1、および/またはCTLA-4である。いくつかの実施形態では、抗癌剤は、EGFR TK阻害剤である。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤は、エルロチニブ、アファチニブ、ゲフィチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、イコチニブ、ロシレチニブ、オルムチニブ(olmatinib)、タルロキソチニブ、TAK-788、アミバンタマブ(JNJ-6372)、またはAC0010から選択される。いくつかの実施形態では、EGFR TK阻害剤はオシメルチニブである。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(II)
の構造を有する治療有効量のSHP2阻害剤、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物であって、
式中、
Xは、化学結合、-NH-、-CONH-から選択され、
は、H、D、ハロゲン原子、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、-C(O)NHR14または-NHC(O)R15から選択され、-NH、C~C10アルキル、C~C10アルキルアミノ、C~C10アルコキシ、C~C12シクロアルキル、3~12員複素環基、C~C10アリール、もしくは5~10員ヘテロアリールで置換されているかもしくは非置換であり、ここで、R14およびR15は、それぞれ独立して、C~C10アルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C10アリール、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、置換基は、C~C10アルキル、ハロゲン、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、C~C10アルコキシから選択され、C~C10アルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C10アリール、5~10員ヘテロアリール、または3~12員複素環基のうちの1つ以上の置換基によって置換されており、置換基は、C~C10アルキル、ハロゲン、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、C~C10アルコキシ、C~C10アルキルアミノ、またはC~C12シクロアルキルから必要に応じて置換されており、
は、C~C10アリール、5~10員ヘテロアリール、C~C12シクロアルキル、3~12員複素環基、C~C14架橋環基もしくはスピロ環基、またはC~C14架橋複素環基もしくはスピロ複素環基から選択され、5~10員ヘテロアリール基、3~12員複素環基、C~C14架橋複素環基もしくはスピロ複素環基は、N、NH、O、S、C(O)、またはS(O)から選択される1~3個のヘテロ原子もしくは基を含み、
各Rは、同じもしくは異なり、独立して、H、D、ハロゲン原子、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、もしくはアミノアシルから選択され、C~C10アルキル、C~C10アルキルアミノ、C~C10アルコキシ、-NH、C~C12シクロアルキル、3~12員複素環基、C~C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリール基から選択される基で置換されているかもしくは非置換であり、置換基は、C~C10アルキル、C~C12シクロアルキル、3~12員複素環基、ハロゲン、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、ヒドロキシ-C~C10アルキル、C~C10アルコキシ、C~C10アルキルアミノ、5~10員複素芳香族基、1つ以上の置換基で置換されたC~C10アリールもしくは3~12員複素環基であるか、または任意の2つの隣接するRが3~6員の飽和もしくは不飽和環を形成し、必要に応じて3~6員の飽和または不飽和環は、1~3個の-OH、-NH、-CN、ハロゲン、C~C10アルキル、C~C10アルコキシ、C~C12シクロアルキルアミノ、C~C10アルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、ハロゲン化C~C10アルキルアミノ、C~C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリールを含み、
nは、0、1、2または3である、
式(II)の構造を有する治療有効量のSHP2阻害剤、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を有する。
いくつかの実施形態では、Rは、H、D、ハロゲン、-CN、非置換またはハロゲン原子で置換されたC~C10アルキルから選択される。
いくつかの実施形態では、
は、フェニル、ナフチル、5~10員ヘテロアリール基または3~12員複素環基から選択され、5~10員ヘテロアリール基および3~12員複素環基は、N、NH、O、S、またはC(O)から必要に応じて選択される1~3個のヘテロ原子または基を含有する。
いくつかの実施形態では、5~10員ヘテロ芳香環は、チエニル;ピリジル;ピリミジニル;ピラジニル;ピリダジニル;ピロリル;ピラゾリル;チアゾリル;1,2,3-トリアゾリル;1,2,4-トリアゾリル;イミダゾリル;テトラゾリル;イソチアゾリル;オキサゾリル;イソオキサゾリル;チアジアゾリル;オキサジアゾリル;ベンゾチエニル;インドリル;ベンズイミダゾリル;ベンゾチアゾリル;ベンゾフラニル;キノリニル;イソキノリニル;キナゾリニル;インダゾリル;インドール[1,2-a]ピラジニル;4,7-ジアザインドール;ピラゾロピリミジニル;イミダゾ-ピリミジニル;オキサゾロピリミジニル;イソオキサゾピリミジニル;イミダゾピラジニル;ピラゾロピラジン;ピロロピラジニル;またはフランから選択される。いくつかの実施形態では、ピラジニル、チエノピラジニル、ピリドピリミジノン、ベンゾオキサゾリル、およびベンゾチアゾリルのいずれか1つ;3~12員複素環基は、アジリジニル、オキセタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、1,1-ジオキシチオモルホリニル、ブチロラクタム、バレロラクタム、カプロラクタム、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン、スクシンイミドまたは
から選択される。
いくつかの実施形態では、3~12員複素環基は、ブチロラクタミル、ピロリジニル、スクシンイミド、または
から選択される。
いくつかの実施形態では、各Rは、同じもしくは異なり、独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、アミノアシルから選択され、C~C10アルキル、C~C10アルキルアミノ、C~C10アルコキシ、-NHで置換されているかもしくは非置換であり、置換は、C~C10アルキル、ハロゲン、-NH、-CN、-OH、-NOが1つ以上の置換基で置換されているものから選択されるか、または任意の2つの隣接するRが3~6員の飽和もしくは不飽和環を形成し、必要に応じて3~6員の飽和または不飽和環は、1~3個の-OH、-NH、-CN、ハロゲン、C~C10アルキルおよびC~C10アルコキシで置換されている。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(Ia)
の構造、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を有する。
一態様では、腫瘍体積の減少を必要とする患者において腫瘍体積を減少させる方法であって、治療有効量の、式(Ia)
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を患者に投与することを含む、方法が本明細書で提供される。
いくつかの実施形態では、式(I)または(Ia)の化合物は、N-(3-((5-((3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)ピラジン-2-イル)チオ)-2-クロロフェニル)-2-ヒドロキシ-4-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-3-カルボキサミド、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物である。
様々な可変部について上述した基の任意の組み合わせが本明細書で企図される。本明細書を通して、その基および置換基は、安定な部分および化合物を提供するために当業者によって選択される。
式(I)、(Ia)、もしくは(II)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物は、SHP2阻害剤である。式(I)、(Ia)、および(II)の化合物は、2020年3月2日に出願された国際特許出願第PCT/CN2020/077391号によって実質的に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
投与量
いくつかの実施形態では、本方法は、投与を必要とする患者に、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、もしくは500mgの式(I)の化合物(例えば、式(Ia)の化合物)、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、約100mg、150mg、または約200mgの式(I)の化合物を患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、約1mg~約500mgまたは約1mg~約200mgの式(I)の化合物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、約1mg~約10mg、約1mg~約25mg、約1mg~約50mg、約5mg~約10mg、約5mg~約25mg、約5mg~約50mg、約10mg~約25mg、約10mg~約50mg、約50mg~約100mg、約100mg~約200mg、または約200mg~約500mgの式(I)の化合物を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本方法は、投与を必要とする患者に、少なくとも約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75gm、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、125mg、150mg、175mg、または200mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物(例えば、式(Ia)の化合物)の用量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、少なくとも約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、または10mgの式(I)の化合物を患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、投与を必要とする患者に、約100mg、約150mg、または約200mgの式(I)の化合物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、投与を必要とする患者に、約1mg~約10mg、約1mg~約25mg、約1mg~約50mg、約5mg~約10mg、約5mg~約25mg、約5mg~約50mg、約10mg~約25mg、約10mg~約50mg、約50mg~約100mgまたは約100mg~約200mgの式(I)の化合物を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本方法は、約5mg~約500mgもしくは約5mg~約200mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、投与を必要とする患者に、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、または約200mgの式(I)の化合物を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本方法は、投与を必要とする患者に、患者の体重に対する量(すなわち、mg/kg)の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物(例えば、式(Ia))を投与することを含む。いくつかの例では、本方法は、投与を必要とする患者に、式Iの化合物を、体重当たり約0.0001mg/kg~約200mg/kg、約0.001mg/kg~約200mg/kg、約0.01mg/kg~約200mg/kg、約0.01mg/kg~約150mg/kg、約0.01mg/kg~約100mg/kg、約0.01mg/kg~約50mg/kg、約0.01mg/kg~約25mg/kg、約0.01mg/kg~約10mg/kg、または0.01mg/kg~約5mg/kg、約0.05mg/kg~約200mg/kg、約0.05mg/kg~約150mg/kg、約0.05mg/kg~約100mg/kg、約0.05mg/kg~約50mg/kg、約0.05mg/kg~約25mg/kg、約0.05mg/kg~約10mg/kg、または0.05mg/kg~約5mg/kg、約0.5mg/kg~約200mg/kg、約0.5mg/kg~約150mg/kg、約0.5mg/kg~約100mg/kg、約0.5mg/kg~約50mg/kg、約0.5mg/kg~約25mg/kg、約0.5mg/kg~約10mg/kg、または0.5mg/kg~約5mg/kgに相当する量で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、投与を必要とする患者に、体重当たり約1mg/kg~約200mg/kg、約1mg/kg~約150mg/kg、約1mg/kg~約100mg/kg、約1mg/kg~約50mg/kg、約1mg/kg~約25mg/kg、約1mg/kg~約10mg/kg、または約1mg/kg~約5mg/kgの式(I)の化合物を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本方法は、投与を必要とする患者に、患者の患者体重当たり約5mg/kg~約25mg/kgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物(例えば、式(Ia)の化合物)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、投与を必要とする患者に、患者の体重当たり約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、または約25mg/kgの式(I)の化合物を投与することを含む。
化合物の更なる形態
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、1つ以上の立体中心を有し、各立体中心は、独立して、R配置またはS配置のいずれかで存在する。本明細書に提示される化合物は、すべてのジアステレオマー、エナンチオマー、およびエピマー形態、ならびにそれらの適切な混合物を含む。本明細書で提供される化合物および方法は、すべてのcis-、trans-、syn-、anti、entgegen(E)、およびzusammen(Z)異性体、ならびにそれらの適切な混合物を含む。特定の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、化合物のラセミ混合物を光学的に活性な分割剤と反応させて一対のジアステレオ異性体化合物/塩を形成し、ジアステレオマーを分離し、光学的に純粋なエナンチオマーを回収することによって、個々の立体異性体として調製される。いくつかの実施形態では、エナンチオマーの分割は、本明細書に記載される化合物の共有結合性ジアステレオマー誘導体を使用して行われる。別の実施形態では、ジアステレオマーは、溶解度の差に基づく分離/分解技術によって分離される。他の実施形態では、立体異性体の分離は、クロマトグラフィーによって、またはジアステレオマー塩の形成によって、および再結晶、またはクロマトグラフィー、またはそれらの任意の組み合わせによる分離によって行われる。Jean Jacques,Andre Collet,Samuel H.Wilen,「Enantiomers,Racemates and Resolutions,」John Wiley and Sons,Inc.,1981。いくつかの実施形態では、立体異性体は、立体選択的合成によって得られる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物はプロドラッグとして調製される。「プロドラッグ」は、インビボで親薬物へと変換される薬剤を指す。状況によっては、プロドラッグは親薬物よりも容易に投与され得ることから、これらは多くの場合に有用である。例えば、プロドラッグは経口投与では生物学的に利用可能であり得るが、一方で親薬物は利用不可である。プロドラッグはまた、親薬物よりも医薬組成物への溶解度が向上していてもよい。いくつかの実施形態では、プロドラッグの設計は、有効な水溶性を増加させる。限定されないが、プロドラッグの例は、水溶性が移動性に不利な細胞膜を通過するのを容易にするためにエステル(「プロドラッグ」)として投与されるが、水溶性が有益である細胞内に入ると代謝的に加水分解されて活性実体であるカルボン酸になる、本明細書に記載される化合物である。プロドラッグの更なる例は、酸基に結合した短いペプチド(ポリアミノ酸)であり得、このペプチドが代謝されて活性部分が現れる。特定の実施形態では、インビボ投与時に、プロドラッグは、化合物の生物学的、薬学的または治療的に活性な形態に化学的に変換される。特定の実施形態では、プロドラッグは、1つ以上のステップまたはプロセスによって、化合物の生物学的、薬学的または治療的に活性な形態に酵素的に代謝される。
いくつかの実施形態では、プロドラッグは、薬物の代謝安定性または輸送特性を変化させ、副作用または毒性をマスクし、薬物の風味を改善し、または薬物の他の特性もしくは性質を変化させるように設計される。インビボでの薬物動態学的、薬力学的プロセスおよび薬物代謝の知識により、一旦薬学的に活性な化合物が知られると、化合物のプロドラッグの設計が可能になる。(例えば、Nogrady(1985)Medicinal Chemistry A Biochemical Approach,Oxford University Press,New York,pages 388-392;Silverman(1992),The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action,Academic Press,Inc.,San Diego,pages 352-401,Rooseboom et al.,Pharmacological Reviews,56:53-102,2004;Aesop Cho,「Recent Advances in Oral Prodrug Discovery」,Annual Reports in Medicinal Chemistry,Vol.41,395-407,2006;T.Higuchi and V.Stella,Pro-drugs as Novel Delivery Systems,Vol.14 of the A.C.S.Symposium Seriesを参照されたい)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物のいくつかは、別の誘導体または活性化合物のプロドラッグであり得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物の芳香環部分の部位は、様々な代謝反応を受けやすい。したがって、芳香環構造上の適切な置換基の組み込みは、この代謝経路を減少させるか、最小化するか、または排除する。特定の実施形態では、芳香環の代謝反応に対する感受性を減少させるか、または排除するための適切な置換基は、単なる例として、ハロゲン、またはアルキル基である。
別の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、同位体標識(例えば、放射性同位元素)されるか、または発色団もしくは蛍光部分、生物発光標識、または化学発光標識を含むがこれらに限定されない他の手段によって標識される。
本明細書に開示される化合物には、1つ以上の原子が、自然界で通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられているという事実を別にすれば、本明細書に列挙される化合物と同一である同位体標識された化合物が含まれる。本化合物に取り込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、硫黄、フッ素、塩素、およびヨウ素の同位体、例えば、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18F、36Cl、および125Iが挙げられる。いくつかの実施形態では、ある特定の同位体標識された化合物、例えば、Hおよび14Cなどの放射性同位体がその中に組み込まれた化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。いくつかの実施形態では、重水素などの同位体による置換は、より大きな代謝安定性、例えば増加したインビボ半減期または低下した必要投薬量などから生じる特定の治療上の利点をもたらす。
追加の実施形態または更なる実施形態では、本明細書に記載される化合物は、投与を必要とする生物における投与時に代謝されて、所望の治療効果を含む所望の効果をもたらすために使用される代謝産物を産生する。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容され得る」は担体または希釈剤などの物質を指し、これは化合物の生物学的活性または特性を抑制せず、比較的非毒性である。これはすなわち、物質は望ましくない生物学的効果を引き起こすことなく、または含有される組成物の構成成分のうちいずれかと有害な様式で相互作用することなく、個体に投与され得るということである。
「薬学的に許容され得る塩」という用語は、投与される生物に対して有意な刺激を引き起こさず、化合物の生物学的活性および性質を無効にしない化合物の製剤を指す。いくつかの実施形態では、薬学的に許容され得る塩は、本明細書で開示される化合物を酸と反応させることによって得られる。薬学的に許容され得る塩はまた、本明細書に開示される化合物を塩基と反応させて塩を形成することによって得られる。
本明細書に記載される化合物は、薬学的に許容され得る塩として形成され得、かつ/または薬学的に許容され得る塩として使用され得る。薬学的に許容され得る塩の種類としては、限定されないが、以下のものが挙げられる。(1)化合物の遊離塩基形態を、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタリン酸など;または有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4’-メチレンビス-(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、酢酸t-ブチル、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸、酪酸、フェニル酢酸、フェニル酪酸、バルプロ酸などの薬学的に許容され得る無機酸または有機酸と反応させることによって形成される酸付加塩。(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えばアルカリ金属イオン(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類イオン(例えば、マグネシウム、カルシウム)、またはアルミニウムイオンで置き換えられて形成される塩。いくつかの場合、本明細書に記載される化合物は、有機塩基、例えば、限定されないが、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミン、ジシクロヘキシル-アミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンと配位し得る。他の場合では、本明細書に記載される化合物は、限定されないが、アルギニンおよびリジンなどのアミノ酸との塩を形成し得る。酸性プロトンを含む化合物との塩を形成するために使用される許容され得る無機塩基としては、限定されないが、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。
いくつかの実施形態では、薬学的に許容され得る塩は、溶媒付加形態、特に溶媒和物を含む。溶媒和物は化学量論量または非化学量論量の溶媒のいずれかを含有し、水およびエタノールなどの薬学的に許容され得る溶媒を用いて結晶化のプロセス中に形成され得る。溶媒が水である場合には水和物が形成され、溶媒がアルコールである場合にはアルコラートが形成される。本明細書に記載される化合物の溶媒和物は、本明細書に記載されるプロセス中に都合よく調製または形成することができる。さらに、本明細書で提供される化合物は、非溶媒和形態および溶媒和形態で存在し得る。一般に、溶媒和形態は、本明細書で提供される化合物および方法において、非溶媒和形態と等価であると考えられる。
医薬組成物
一態様では、本明細書に記載される化合物は、医薬組成物に製剤化される。医薬組成物は、活性化合物の薬学的に使用することができる調製物への加工を容易にする1つ以上の薬学的に許容され得る不活性成分を使用して従来の様式で製剤化される。適切な製剤は、選択される投与経路に依存している。本明細書に記載される医薬組成物の概要は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995);Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975;Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams&Wilkins1999)に見出すことができ、かかる開示は参照により組み込まれる。(Lippincott Williams&Wilkins,1999)に見ることができ、そのような開示のためにこれらの全体は本明細書に援用される。
本明細書で使用される医薬組成物は、本明細書に開示される化合物と他の化学成分(すなわち、薬学的に許容され得る不活性成分)、例えば担体、医薬品添加剤、結合剤、充填剤、懸濁化剤、香味剤、甘味剤、崩壊剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤、着色剤、希釈剤、可溶化剤、湿潤剤、可塑剤、安定剤、浸透促進剤、湿潤剤、消泡剤、酸化防止剤、防腐剤、またはそれらの1つ以上の組み合わせとの混合物を指す。医薬組成物は、生物への化合物の投与を容易にする。
本明細書に記載される医薬製剤は、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、髄内注射、髄腔内、直接脳室内、腹腔内、リンパ内、鼻腔内注射)、鼻腔内、口腔内、局所または経皮投与経路を含むがこれらに限定されない複数の投与経路によって様々な方法で対象に投与可能である。本明細書に記載される医薬製剤には、水性液体分散液、自己乳化分散液、固溶体、リポソーム分散液、エアロゾル、固体剤形、粉末、即時放出製剤、制御放出製剤、速溶製剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、遅延放出製剤、持続放出製剤、拍動放出製剤、多粒子製剤、および混合即時および制御放出製剤が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は経口投与される。
いくつかの実施形態では、医薬製剤は錠剤の形態である。他の実施形態では、本明細書に開示される化合物の医薬製剤は、カプセル剤の形態である。
一態様では、経口投与用の液体製剤剤形は、水性経口分散液、エマルジョン、溶液、エリキシル、ゲル、およびシロップを含むがこれらに限定されない群から選択される水性懸濁液または溶液の形態である。
吸入による投与のために、本明細書に開示される化合物は、エアロゾル、ミストまたは粉末として使用するために製剤化される。
頬側または舌下投与の場合、組成物は、従来の様式で製剤化された錠剤、ロゼンジ、またはゲルの形態をとることができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、経皮剤形として調製される。
一態様では、本明細書に開示される化合物は、筋肉内、皮下、または静脈内注射に適した医薬組成物に製剤化される。
本明細書に記載されるタンパク質複合体は、局所投与することができ、溶液、懸濁液、ローション、ゲル、ペースト、薬用スティック、バーム、クリームおよび軟膏などの様々な局所投与可能な組成物に製剤化することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は、浣腸、直腸ゲル、直腸フォーム、直腸エアロゾル、坐剤、ゼリー坐剤、または保持浣腸などの直腸組成物に製剤化される。
本明細書に記載される医薬組成物および剤形は、典型的には1つ以上の医薬品添加剤を含む。適切な医薬品添加剤は、薬学の当業者に周知である。特定の医薬品添加剤が医薬組成物または剤形への組み込みに適切であるかどうかは、例えば意図された患者への投与経路といった種々の要因に依存している。本明細書に記載される医薬組成物は、特定の製剤中で活性成分が分解し得る速度を減少させることができる安定剤、滑剤、緩衝剤および崩壊剤などの他の薬剤を含むことができる。
本明細書に記載される医薬組成物は、ある特定の例では、本明細書に提供される量で、本明細書に記載される組み合わせ(例えば、本明細書に記載されるような抗癌剤)中の活性剤以外の更なる活性剤を含み得る。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、錠剤またはカプセル剤などの経口剤形で提供される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、非経口投与に適した液体に再懸濁することができる粉末(例えば、凍結乾燥粉末)として供給される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、静脈内(I.V.)投与用に製剤化される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、非制御対応物によって獲得されるもの以上に薬物療法を改善するという目的を有する、放出制御医薬品として提供され得る。放出制御製剤は、薬物の活性を延長し、投薬回数を減少し、かつ対象のコンプライアンスを増大させることができる。加えて、放出制御製剤は、作用開始時間または薬物の血中レベルなどの他の特性に影響を与えるために使用され得、それによって副(例えば、有害)作用の発生に影響を与え得る。

本明細書に記載される化合物および医薬組成物は、例えば癌などの疾患、障害の処置または疾患および障害の症状の軽減もしくは除去に有用である。
いくつかの実施形態では、癌は腫瘍の形態である。いくつかの実施形態では、癌は、扁平上皮癌、非扁平上皮癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、黒色腫、肝細胞癌、腎細胞癌、卵巣癌、頭頸部癌、尿路上皮癌、乳癌、前立腺癌、神経膠芽腫、大腸癌、膵癌、リンパ腫、滑筋肉腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、または悪性末梢神経鞘腫(MPNST)から選択される。いくつかの実施形態では、癌は扁平上皮癌である。いくつかの実施形態では、癌は非扁平上皮癌である。いくつかの実施形態では、癌は非小細胞肺癌(NSCLC)である。いくつかの実施形態では、癌は小細胞肺癌である。いくつかの実施形態では、癌は黒色腫である。いくつかの実施形態では、癌は肝細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌は腎細胞癌である。いくつかの実施形態では、癌は卵巣癌である。いくつかの実施形態では、癌は頭頸部癌である。いくつかの実施形態では、癌は尿路上皮癌である。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌(例えば、HER2陰性またはHER2陽性乳癌)である。いくつかの実施形態では、癌は前立腺癌である。いくつかの実施形態では、癌は神経膠芽腫である。いくつかの実施形態では、癌は大腸癌である。いくつかの実施形態では、癌(care)は膵臓癌である。いくつかの実施形態では、癌はリンパ腫である。いくつかの実施形態では、癌は滑筋肉腫である。いくつかの実施形態では、癌は悪性末梢鞘腫瘍(MPNST)である。
いくつかの実施形態では、腫瘍は固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、癌を処置する方法は、患者の腫瘍体積または腫瘍量を減少させる。いくつかの実施形態では、腫瘍は、体積が5%~95%もしくは5%~50%またはその中の任意の値に減少する。いくつかの実施形態では、腫瘍は、体積が約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%減少する。いくつかの実施形態では、腫瘍体積は、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%減少する。
いくつかの実施形態では、腫瘍の体積は、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%減少する。
いくつかの実施形態では、癌は血液癌である。いくつかの実施形態では、癌は、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(骨髄性白血病(NHL)、リードスタンバーグ疾患、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)または慢性リンパ性白血病(CLL)から選択される血液癌である。いくつかの実施形態では、癌はホジキンリンパ腫またはリードスタンバーグ疾患である。
いくつかの実施形態では、癌はリンパ腫である。いくつかの実施形態では、癌は非ホジキンリンパ腫(NHL)である。いくつかの実施形態では、NHLは、低悪性度NHL(例えば、濾胞性リンパ腫(FL);リンパ形質細胞性リンパ腫(LL);辺縁帯リンパ腫(MZL)または原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫)または進行性NHL(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL);濾胞性大細胞リンパ腫ステージIII;未分化大細胞型リンパ腫;節外NK/T細胞リンパ腫;リンパ腫様肉芽腫症;血管免疫芽球性T細胞リンパ腫;末梢T細胞リンパ腫;血管内大細胞型B細胞リンパ腫;バーキットリンパ腫;リンパ芽球性リンパ腫;成人T細胞白血病/リンパ腫;またはマントル細胞リンパ腫)である。いくつかの実施形態では、癌は、ホジキンリンパ腫(例えば、古典的または結節性リンパ球優位型)である。いくつかの実施形態では、ホジキンリンパ腫は、リード-シュテルンベルク細胞を含み、リード-シュテルンベルク疾患を引き起こし得る。いくつかの実施形態では、癌は多発性骨髄腫(MM)である。いくつかの実施形態では、癌は急性骨髄性白血病(AML)である。いくつかの実施形態では、癌は慢性骨髄性白血病(CML)である。いくつかの実施形態では、癌は慢性リンパ性白血病(CLL)(例えば、BinetステージA癌またはBinetステージB癌)である。いくつかの実施形態では、癌は急性リンパ性白血病(ALL)(例えば、T細胞またはB細胞リンパ芽球性白血病)である。
いくつかの実施形態では、癌は、ステージI、ステージII、ステージIII、またはステージIVの癌である。いくつかの実施形態では、癌は、ステージIの癌(例えば、ステージIA、IBまたはIC)である。いくつかの実施形態では、癌は、ステージIIの癌(例えば、ステージIIAまたはIIB)である。いくつかの実施形態では、癌は、ステージIIIの癌(例えば、ステージIIIA、IIIBまたはIIIC)である。いくつかの実施形態では、癌は、ステージIVの癌(例えば、ステージIVAまたはIVB)である。
本明細書に記載される処置は、診断後の任意の時点で癌患者に投与され得る。例えば、癌患者は、処置を受けていない(例えば、診断された癌への癌治療を受けたことがない)場合があり得る。癌患者は、ある癌の処置が未経験であるか、例えば転移または悪性腫瘍によって生じる1つ以上の他の癌と診断されることがある。癌患者は、1つ以上の癌について免疫チェックポイントが未処置であり得る。癌患者は、難治性癌を有し得る。ある特定の例では、本明細書に記載される組み合わせは、投与の必要がある患者に第一選択療法(例えば、治療を受けていない癌患者に投与される一次療法)として投与される。
いくつかの実施形態では、癌を処置する方法は、患者の癌の転移を阻害する。いくつかの実施形態では、転移は、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%阻害される。
いくつかの実施形態では、癌を処置する方法は、患者の既存の腫瘍転移を減少させる。いくつかの実施形態では、既存の腫瘍転移は、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%減少される。
いくつかの実施形態では、癌を処置する方法は、患者の癌の疾患進行(進行したステージ間の進行を含む;例えば、ステージIIIからステージIV癌への進行)までの時間を延長または増加させる。いくつかの実施形態では、増加は、処置ありの疾患進行までの時間と処置なしの疾患進行までの時間との比較である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年以上であってその中の値を含む、疾患進行までの時間を延長する。
いくつかの実施形態では、癌を処置する本方法は、患者の生存期間を延長する。いくつかの実施形態では、癌を処置する本方法は、患者の無増悪生存期間を増大させる。いくつかの実施形態では、癌を処置する本方法は、患者の癌の疾患進行までの時間を延長する。いくつかの実施形態では、癌を処置する本方法は、患者の生存期間を延長する。いくつかの実施形態では、癌を処置する本方法は、患者の無増悪生存期間を増大させる。いくつかの実施形態では、生存期間は、少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年、2年以上であってその中の値を含む期間延長される。
いくつかの実施形態では、患者は処置未経験である。
いくつかの実施形態では、本方法は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物(例えば、式(Ia)の化合物)を第一選択療法として患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物(例えば、式(Ia)の化合物を、処置の第二選択薬、第三選択薬、第四選択薬、第五選択薬または第六選択薬として患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、式(I)の化合物を第二選択薬として投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、式(I)の化合物を第三選択薬として投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、式(I)の化合物を第四選択薬として投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本方法は、少なくとも1つの抗癌療法による処置後に、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物(例えば、式(Ia)の化合物)を患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、抗癌療法は、化学療法、放射線療法、手術、標的療法、免疫療法またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、抗癌療法は化学療法である。いくつかの実施形態では、抗癌療法は放射線療法である。いくつかの実施形態では、抗癌療法は癌手術である。いくつかの実施形態では、抗癌療法は腫瘍切除または摘出である。いくつかの実施形態では、抗癌療法は免疫療法である。
いくつかの実施形態では、本方法は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物(例えば、式(Ia)の化合物)を、少なくとも1つのEGFR療法(上皮成長因子)に失敗した患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を、少なくとも1つのEGFR TKI療法(上皮成長因子チロシンキナーゼ阻害剤)に失敗した患者に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、癌は難治性である。いくつかの実施形態では、癌は、少なくとも1種の抗癌剤に耐性がある。
投薬レジメンおよび処置レジメンの方法
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物(例えば、式(Ia)の化合物)は、癌を処置するための医薬品の調製に使用される。
特定の治療用途では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物は、癌に既に罹患している患者に、例えば、腫瘍サイズを減少させるために、癌の症候の少なくとも1つを治癒または少なくとも部分的に停止させるのに十分な量で投与される。こうした使用に有効な量は、疾患または病気の重症度および経過、投与前の治療、患者の健康状態、体重および薬物への応答ならびに処置する医師の判断に応じて変化させてもよい。治療有効量は、必要に応じて、限定されないが、用量漸増臨床試験を含む方法によって決定される。
いくつかの実施形態では、本方法は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を患者に経口または腹腔内方法(i.p.)またはそれらの組み合わせによって投与することを含む。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は経口投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は腹腔内投与(i.p.)される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は腫瘍に直接投与される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は静脈内投与(I.V.)される。
成人の処置に用いられる用量は、典型的には、0.01mg~5000mg/日または約0.01mg~約1000mg/日の範囲である。いくつかの実施形態では、所望の用量は、単回用量または分割用量で都合よく提供される。いくつかの実施形態では、用量は単回用量として提供される。いくつかの実施形態では、用量は1日当たりの複数の用量に分割される。
いくつかの実施形態では、本方法は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を毎日、毎週、または毎月患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は毎日投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は毎週投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は隔週で投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は毎月投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は2ヶ月に1回投与される。
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物(例えば、式(Ia)の化合物)は、例えば、1日1回(QD)、1日2回(BID)、週1回(QW)、週2回(BID)、週3回(TIW)、または毎月(QM)投与することができる。いくつかの実施形態では、本方法は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物をQD、BIDもしくはTID投与することを含む。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物はQD投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物はBID投与される。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物はTID投与される。ある特定の例では、式(I)の化合物は週に2~3回投与される。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、約1日間~約7日間、1日間~約14日間、1日間~約21日間、1日間~約28日間にわたって1日1回、または疾患進行もしくは許容できない毒性が生じるまでQD投与される。くつかの実施形態では、式(I)の化合物は、処置を必要とする患者に約7日間、14日間または21日間投与される。さらに大きな耐性によってさらに多くの、またはより頻繁な投与が可能となり得る場合には、式(I)の化合物の投与は、患者の耐性に部分的には依存し得る。
特定の実施形態では、投与される式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物の用量は、一定の期間、一時的に減少させるか、または一時的に中断することができる(すなわち、「休薬日」)。
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物は、レジメンで投与され得る。レジメンは、所定の期間(例えば、投与時間)にわたって、治療有効量の、式(I)の化合物を提供するように構成することができる。レジメンは、式(I)の化合物の副作用または望ましくない合併症を制限または予防するように構成することができる。癌を処置するのに有用なレジメンは、必要に応じて繰り返され得る任意の投与日数を含み得る。投与期間は、少なくとも1つの治療の投与を一切含まない休薬期間で中断することができる。例えば、レジメンは、2日間、3日間、5日間、7日間、10日間、15日間、21日間、28日間以上を含む投与期間を含み得る。これらの期間は繰り返され得る。例えば、レジメンが1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回以上繰り返される場合には、レジメンは上記の一連の日数を含み得る。
レジメンは、少なくとも1、2、3、5、7、10日間またはそれよりも長い休止期間を含むことができる。休薬期間は、例えば薬物に対する患者の反応を監視することによって、または処置の有効性を測定することによって決定され得る。休薬期間は、対象が休薬期間中の一連の期間に治療を受けないようにするため、対象に投与される治療のすべてに適用され得る。
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を使用して癌を処置するための本明細書に記載されるレジメンは、疾患進行または許容できない毒性が生じるまで継続され得る。いくつかの実施形態では、処置は、疾患進行が減少するかまたは逆転する(すなわち、ステージI~ステージIIの癌からの疾患進行が遅延または逆転する)まで継続される。いくつかの実施形態では、処置は、処置中の患者における許容できない毒性が生じるまで継続される。
バイオマーカー
別の態様では、処置を必要とする患者において処置前にベースラインレベルを超えて1つ以上のバイオマーカーを調節する方法であって、式(I)のSHP2阻害剤化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物(例えば、式(Ia)の化合物)を患者に投与することを含む方法が本明細書に提示される。いくつかの実施形態では、処置経過の進行が、1つ以上のバイオマーカーの測定によってモニターされる。
いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーとしては、炎症応答および免疫系調節において重要である炎症促進性サイトカインまたはケモカインが含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーとしては、INF-γ、IL-1β、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-10、IL-12p70、およびKC/GRO(CXCL1)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはINF-γに対するものである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはIL-1βである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはIL-2である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはIL-4である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはIL-5である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはIL-6である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはIL-10である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはIL-12p70である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーはKC/GROである。
いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、処置前のベースラインレベルを超えて増加または減少する。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、ベースラインレベルを超えて増加する。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、ベースラインレベルを超えて減少する。
いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも100%、または少なくとも150%増加する。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、15倍、20倍または25倍増加する。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも100%、または少なくとも150%減少する。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、15倍、20倍または25倍減少する。いくつかの実施形態では、KC/GROは、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも100%、または少なくとも150%減少する。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイオマーカーは、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、15倍、20倍または25倍減少する。
いくつかの実施形態では、癌を処置する方法は、DUSP6の発現を少なくとも65%、より好ましくは少なくとも58%に低下させることを含む。最も好ましい実施形態では、DUSP6の発現は少なくとも48%に低下する。
いくつかの実施形態では、癌を処置する方法は、DUSP6の発現を少なくとも95%まで、より好ましくは少なくとも98%阻害することを含む。最も好ましい実施形態では、DUSP6の発現は少なくとも99%低下する。
いくつかの実施形態では、癌を処置する方法は、pERKの発現を少なくとも80%、より好ましくは少なくとも88%に低下させることを含む。最も好ましい実施形態では、pERKの発現は少なくとも95%に低下する。
いくつかの実施形態では、DUSP6の発現は、式(I)の化合物、またはその薬学的に有効な塩による処置効率を示すバイオマーカーとして使用することができる。
いくつかの実施形態では、pERKの発現は、式(I)の化合物、またはその薬学的に有効な塩による処置効率を示すバイオマーカーとして使用することができる。
いくつかの実施形態では、癌を処置する方法は、ベースライン発現レベルに対してDUSP6の発現をモニターすることを含む。別の実施形態では、癌を処置する方法は、ベースライン発現レベルと比較してpERKの発現をモニターすることを含む。
別の態様では、処置を必要とする患者において処置前にベースラインレベルを超えて1つ以上の細胞集団を調節する方法であって、式(I)のSHP2阻害剤化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物(例えば、式(Ia)の化合物)を患者に投与することを含む方法が本明細書に提示される。いくつかの実施形態では、処置経過の進行が、1つ以上の細胞集団の測定によってモニターされる。いくつかの実施形態では、1つ以上の細胞集団は、炎症応答および免疫系調節において重要な細胞集団を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の細胞集団には、マクロファージ、単球、顆粒球、CD3+細胞、CD4+細胞、およびCD8+細胞が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、マクロファージ集団の約5%~約60%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、マクロファージ集団の約5%~約10%,約5%~約15%,約5%~約20%,約5%~約25%,約5%~約30%,約5%~約35%,約5%~約40%,約5%~約45%,約5%~約50%,約5%~約55%,約5%~約60%,約10%~約15%,約10%~約20%,約10%~約25%,約10%~約30%,約10%~約35%,約10%~約40%,約10%~約45%,約10%~約50%,約10%~約55%,約10%~約60%,約15%~約20%,約15%~約25%,約15%~約30%,約15%~約35%,約15%~約40%,約15%~約45%,約15%~約50%,約15%~約55%,約15%~約60%,約20%~約25%,約20%~約30%,約20%~約35%,約20%~約40%,約20%~約45%,約20%~約50%,約20%~約55%,約20%~約60%,約25%~約30%,約25%~約35%,約25%~約40%,約25%~約45%,約25%~約50%,約25%~約55%,約25%~約60%,約30%~約35%,約30%~約40%,約30%~約45%,約30%~約50%,約30%~約55%,約30%~約60%,約35%~約40%,約35%~約45%,約35%~約50%,約35%~約55%,約35%~約60%,約40%~約45%,約40%~約50%,約40%~約55%,約40%~約60%,約45%~約50%,約45%~約55%,約45%~約60%,約50%~約55%,約50%~約60%、または約55%~約60%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、マクロファージ集団の約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、または約60%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、マクロファージ集団の少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、または約55%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、マクロファージ集団の最大で約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、または約60%の減少をもたらす。
いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、単球集団の約5%~約60%の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、単球集団の約5%~約10%,約5%~約15%,約5%~約20%,約5%~約25%,約5%~約30%,約5%~約35%,約5%~約40%,約5%~約45%,約5%~約50%,約5%~約55%,約5%~約60%,約10%~約15%,約10%~約20%,約10%~約25%,約10%~約30%,約10%~約35%,約10%~約40%,約10%~約45%,約10%~約50%,約10%~約55%,約10%~約60%,約15%~約20%,約15%~約25%,約15%~約30%,約15%~約35%,約15%~約40%,約15%~約45%,約15%~約50%,約15%~約55%,約15%~約60%,約20%~約25%,約20%~約30%,約20%~約35%,約20%~約40%,約20%~約45%,約20%~約50%,約20%~約55%,約20%~約60%,約25%~約30%,約25%~約35%,約25%~約40%,約25%~約45%,約25%~約50%,約25%~約55%,約25%~約60%,約30%~約35%,約30%~約40%,約30%~約45%,約30%~約50%,約30%~約55%,約30%~約60%,約35%~約40%,約35%~約45%,約35%~約50%,約35%~約55%,約35%~約60%,約40%~約45%,約40%~約50%,約40%~約55%,約40%~約60%,約45%~約50%,約45%~約55%,約45%~約60%,約50%~約55%,約50%~約60%、または約55%~約60%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、単球集団の約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、または約60%の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、単球集団の少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、または約55%の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、単球集団の最大で約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、または約60%の増加をもたらす。
いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、顆粒球集団の約5%~約60%の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、顆粒球集団の約5%~約10%,約5%~約15%,約5%~約20%,約5%~約25%,約5%~約30%,約5%~約35%,約5%~約40%,約5%~約45%,約5%~約50%,約5%~約55%,約5%~約60%,約10%~約15%,約10%~約20%,約10%~約25%,約10%~約30%,約10%~約35%,約10%~約40%,約10%~約45%,約10%~約50%,約10%~約55%,約10%~約60%,約15%~約20%,約15%~約25%,約15%~約30%,約15%~約35%,約15%~約40%,約15%~約45%,約15%~約50%,約15%~約55%,約15%~約60%,約20%~約25%,約20%~約30%,約20%~約35%,約20%~約40%,約20%~約45%,約20%~約50%,約20%~約55%,約20%~約60%,約25%~約30%,約25%~約35%,約25%~約40%,約25%~約45%,約25%~約50%,約25%~約55%,約25%~約60%,約30%~約35%,約30%~約40%,約30%~約45%,約30%~約50%,約30%~約55%,約30%~約60%,約35%~約40%,約35%~約45%,約35%~約50%,約35%~約55%,約35%~約60%,約40%~約45%,約40%~約50%,約40%~約55%,約40%~約60%,約45%~約50%,約45%~約55%,約45%~約60%,約50%~約55%,約50%~約60%、または約55%~約60%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、顆粒球集団の約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、または約60%の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、顆粒球集団の少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、または約55%の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、単球集団の最大で約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、または約60%の増加をもたらす。
いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、CD3+細胞集団の約5%~約60%の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、CD3+細胞集団の約5%~約10%,約5%~約15%,約5%~約20%,約5%~約25%,約5%~約30%,約5%~約35%,約5%~約40%,約5%~約45%,約5%~約50%,約5%~約55%,約5%~約60%,約10%~約15%,約10%~約20%,約10%~約25%,約10%~約30%,約10%~約35%,約10%~約40%,約10%~約45%,約10%~約50%,約10%~約55%,約10%~約60%,約15%~約20%,約15%~約25%,約15%~約30%,約15%~約35%,約15%~約40%,約15%~約45%,約15%~約50%,約15%~約55%,約15%~約60%,約20%~約25%,約20%~約30%,約20%~約35%,約20%~約40%,約20%~約45%,約20%~約50%,約20%~約55%,約20%~約60%,約25%~約30%,約25%~約35%,約25%~約40%,約25%~約45%,約25%~約50%,約25%~約55%,約25%~約60%,約30%~約35%,約30%~約40%,約30%~約45%,約30%~約50%,約30%~約55%,約30%~約60%,約35%~約40%,約35%~約45%,約35%~約50%,約35%~約55%,約35%~約60%,約40%~約45%,約40%~約50%,約40%~約55%,約40%~約60%,約45%~約50%,約45%~約55%,約45%~約60%,約50%~約55%,約50%~約60%、または約55%~約60%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、CD3+細胞集団の約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、または約60%の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、CD3+細胞集団の少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、または約55%の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、CD3+細胞集団の最大で約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、または約60%の増加をもたらす。
いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、CD4+細胞集団の約5%~約60%の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、CD4+細胞集団の約5%~約10%,約5%~約15%,約5%~約20%,約5%~約25%,約5%~約30%,約5%~約35%,約5%~約40%,約5%~約45%,約5%~約50%,約5%~約55%,約5%~約60%,約10%~約15%,約10%~約20%,約10%~約25%,約10%~約30%,約10%~約35%,約10%~約40%,約10%~約45%,約10%~約50%,約10%~約55%,約10%~約60%,約15%~約20%,約15%~約25%,約15%~約30%,約15%~約35%,約15%~約40%,約15%~約45%,約15%~約50%,約15%~約55%,約15%~約60%,約20%~約25%,約20%~約30%,約20%~約35%,約20%~約40%,約20%~約45%,約20%~約50%,約20%~約55%,約20%~約60%,約25%~約30%,約25%~約35%,約25%~約40%,約25%~約45%,約25%~約50%,約25%~約55%,約25%~約60%,約30%~約35%,約30%~約40%,約30%~約45%,約30%~約50%,約30%~約55%,約30%~約60%,約35%~約40%,約35%~約45%,約35%~約50%,約35%~約55%,約35%~約60%,約40%~約45%,約40%~約50%,約40%~約55%,約40%~約60%,約45%~約50%,約45%~約55%,約45%~約60%,約50%~約55%,約50%~約60%、または約55%~約60%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、CD4+細胞集団の約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、または約60%の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、CD4+細胞集団の少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、または約55%の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、CD4+細胞集団の最大で約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、または約60%の増加をもたらす。
いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、CD8+細胞集団の約5%~約60%の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、CD8+細胞集団の約5%~約10%,約5%~約15%,約5%~約20%,約5%~約25%,約5%~約30%,約5%~約35%,約5%~約40%,約5%~約45%,約5%~約50%,約5%~約55%,約5%~約60%,約10%~約15%,約10%~約20%,約10%~約25%,約10%~約30%,約10%~約35%,約10%~約40%,約10%~約45%,約10%~約50%,約10%~約55%,約10%~約60%,約15%~約20%,約15%~約25%,約15%~約30%,約15%~約35%,約15%~約40%,約15%~約45%,約15%~約50%,約15%~約55%,約15%~約60%,約20%~約25%,約20%~約30%,約20%~約35%,約20%~約40%,約20%~約45%,約20%~約50%,約20%~約55%,約20%~約60%,約25%~約30%,約25%~約35%,約25%~約40%,約25%~約45%,約25%~約50%,約25%~約55%,約25%~約60%,約30%~約35%,約30%~約40%,約30%~約45%,約30%~約50%,約30%~約55%,約30%~約60%,約35%~約40%,約35%~約45%,約35%~約50%,約35%~約55%,約35%~約60%,約40%~約45%,約40%~約50%,約40%~約55%,約40%~約60%,約45%~約50%,約45%~約55%,約45%~約60%,約50%~約55%,約50%~約60%、または約55%~約60%の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、CD8+細胞集団の約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、または約60%の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、CD8+細胞集団の少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、または約55%の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、式(Ia)の化合物の投与は、CD8+細胞集団の最大で約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、または約60%の増加をもたらす。
定義
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、特段文脈で明確に規定しない限り、複数形の指示対象を含む。また、「または」という用語は、内容が明らかにそうでないことを指示しない限り、「および/または」を含むその意味で一般的に使用されることに留意されたい。さらに、本明細書で提供される見出しは、便宜上のものにすぎず、特許請求される発明の範囲または意味を解釈するものではない。
本明細書で使用される以下の用語は、特に指示しない限り、以下の意味を有する。
「オキソ」とは、=O置換基を指す。
「アルキル」とは、1~20個の炭素原子を有し、単結合によって分子の残りに結合している直鎖または分岐状の炭化水素鎖ラジカルを指す。10個までの炭素原子を含むアルキルは、C~C10アルキルと呼ばれ、同様に、例えば、6個までの炭素原子を含むアルキルは、C~Cアルキルである。他の数の炭素原子を含むアルキル(および本明細書で定義される他の部分)も同様に表される。アルキル基としては、C~C10アルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~CアルキルおよびC~Cアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。代表的なアルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(i-プロピル)、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)、3-メチルヘキシル、2-メチルヘキシル、1-エチル-プロピルなどが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アルキルは、メチルまたはエチルである。好ましくは、C~C10アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、およびtert-ブチルのいずれか1つである。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、アルキル基は、以下に記載されるように必要に応じて置換されていてもよい。
「アルキレン」とは、分子の残りをラジカル基に連結する直鎖または分岐状の二価炭化水素鎖を指す。いくつかの実施形態では、アルキレンは、-CH-、-CHCH-、または-CHCHCH-である。いくつかの実施形態では、アルキレンは、-CH-である。いくつかの実施形態では、アルキレンは、-CHCH-である。いくつかの実施形態では、アルキレンは、-CHCHCH-である。
「アルコキシ」とは、式-ORのラジカルを指し、式中、Rは、定義されたとおりのアルキルラジカルである。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、アルコキシ基は、以下に記載されるように必要に応じて置換されていてもよい。代表的なアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アルコキシはメトキシである。いくつかの実施形態では、アルコキシはエトキシである。「C~C10アルコキシ」という用語は、単独でまたは組み合わせて、基C~C10アルキル-O-を意味し、「C~C10アルキル」は、メトキシ(-OCH)、エトキシ(-OCHCH)、n-プロポキシ(-OCHCHCH)、イソ-プロポキシ(-OCH(CH)、n-ブトキシ(-OCHCHCHCH)、sec-ブトキシ(-OCH(CH)CHCH)、イソ-ブトキシ(-OCHCH(CH)、tert-ブトキシ(-OC(CH)などを含むが、これらに限定されない上で定義したとおりを意味する。
「ヘテロアルキル」とは、アルキルの1つ以上の炭素原子がO、N(すなわち、NH、N-アルキル)またはS原子で置き換えられている上記のアルキルラジカルを指す。「ヘテロアルキレン」とは、分子の残りをラジカル基に連結する直鎖または分岐状の二価ヘテロアルキル鎖を指す。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロアルキルまたはヘテロアルキレン基は、以下に記載されるように必要に応じて置換されていてもよい。代表的なヘテロアルキル基としては、-OCHOMe、-OCHCHOMe、または-OCHCHOCHCHNHが挙げられるが、これらに限定されない。代表的なヘテロアルキレン基としては、-OCHCHO-、-OCHCHOCHCHO-、または-OCHCHOCHCHOCHCHO-が挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキルアミノ」とは、式-NHRまたは-NRRのラジカルを指し、式中、各Rは、独立して、上で定義したアルキルラジカルである。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、アルキルアミノ基は、以下に記載されるように必要に応じて置換されていてもよい。
「芳香族」という用語は、4n+2個のπ電子を含有する非局在化π電子系を有する平面環を指し、nは整数である。芳香族は必要に応じて置換されていてもよい。「芳香族」という用語は、アリール基(例えば、フェニル、ナフタレニル)およびヘテロアリール基(例えば、ピリジニル、キノリニル)の両方を含む。
「アリール」とは、環を形成する原子のそれぞれが炭素原子である芳香環を指す。アリール基は必要に応じて置換されていてもよい。アリール基の例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アリールはフェニルである。構造に応じて、アリール基はモノラジカルまたはジラジカル(すなわち、アリーレン基)であり得る。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、「アリール」または接頭辞「ar-」(「アラルキル」など)は、必要に応じて置換されているアリールラジカルを含むことを意味する。
「カルボキシ」とは、-COHを指す。いくつかの実施形態では、カルボキシ部分は、「カルボン酸生物学的等価体」で置き換えられてもよく、これは、カルボン酸部分と同様の物理的および/または化学的特性を示す官能基または部分を指す。カルボン酸生物学的等価体は、カルボン酸基と同様の生物学的特性を有する。カルボン酸部分を有する化合物は、カルボン酸含有化合物と比較した場合、カルボン酸部分をカルボン酸生物学的等価体と交換し、同様の物理的および/または生物学的特性を有することができる。例えば、一実施形態では、カルボン酸生物学的等価体は、カルボン酸基とほぼ同程度に生理学的pHでイオン化する。カルボン酸の生物学的等価体の例としては、限定されないが、以下のものが挙げられる。
などである。
「シクロアルキル」とは、環を形成する原子(すなわち、骨格原子)のそれぞれが炭素原子である、単環式もしくは多環式非芳香族ラジカルを指す。シクロアルキルは、飽和、または部分的に不飽和であり得る。シクロアルキルは芳香環と縮合していてもよい(この場合、シクロアルキルは非芳香環炭素原子を介して結合している)。シクロアルキル基には、3~10個の環原子を有する基が含まれる。代表的なシクロアルキルには、3~10個の炭素原子、3~8個の炭素原子、3~6個の炭素原子または3~5個の炭素原子を有するシクロアルキルが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、C~Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、単環式、二環式または多環式である。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、スピロ[2.2]ペンチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[3.3.0]オクタン、ビシクロ[4.3.0]ノナン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.2]デカン、ノルボルニル、デカリニルおよびアダマンチルの中から選択される。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは単環式である。単環式シクロアルキルとしては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。いくつかの実施形態では、単環式シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは二環式である。二環式シクロアルキル基には、縮合二環式シクロアルキル基、スピロ二環式シクロアルキル基、および架橋二環式シクロアルキル基が含まれる。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、スピロ[2.2]ペンチル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、ビシクロ[3.3.0]オクタン、ビシクロ[4.3.0]ノナン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.2]デカン、ノルボルニル、3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オンおよびデカリニルの中から選択される。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは多環式である。多環式ラジカルには、例えば、アダマンチルおよびが含まれる。いくつかの実施形態では、多環式シクロアルキルはアダマンチルである。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、シクロアルキル基は必要に応じて置換されていてもよい。
「縮合」とは、既存の環構造に融合された本明細書に記載される任意の環構造を指す。縮合環がヘテロシクリル環またはヘテロアリール環である場合、縮合ヘテロシクリル環または縮合ヘテロアリール環の一部となる既存の環構造上の炭素原子は、窒素原子で置換されていてもよい。
「ハロ」または「ハロゲン」とは、ブロモ、クロロ、フルオロまたはヨードを指す。
「ハロアルキル」とは、上で定義した1つ以上のハロラジカルで置換された、上で定義したアルキルラジカル、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,2-ジフルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、1,2-ジブロモエチルなどを指す。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、ハロアルキル基は必要に応じて置換されていてもよい。
「ハロアルコキシ」とは、上で定義した1つ以上のハロラジカルによって置換された、上で定義したアルコキシラジカル、例えば、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、フルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、1,2-ジフルオロエトキシ、3-ブロモ-2-フルオロプロポキシ、1,2-ジブロモエトキシなどを指す。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、ハロアルコキシ基は必要に応じて置換されていてもよい。
「ヘテロシクロアルキル」または「ヘテロシクリル」または「複素環式環」とは、2~10個の炭素原子と、窒素、酸素および硫黄からなる群より選択される1~4個のヘテロ原子とを含む安定な3~14員の非芳香族環ラジカルを指す。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロシクロアルキルラジカルは、単環式、二環式環(これは、縮合二環式ヘテロシクロアルキル(アリール環またはヘテロアリール環と縮合している場合、ヘテロシクロアルキルは、非芳香族環原子を介して結合している)、架橋ヘテロシクロアルキルまたはスピロヘテロシクロアルキルを含み得る)または多環式であり得る。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは単環式または二環式である。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは単環式である。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは二環式である。ヘテロシクリルラジカル中の窒素、炭素または硫黄原子は、必要に応じて酸化されていてもよい。窒素原子は、必要に応じて四級化されていてもよい。ヘテロシクリルラジカルは、部分的または完全に飽和している。そのようなヘテロシクリルラジカルの例としては、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル、および1,1-ジオキソ-チオモルホリニルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキルという用語はまた、単糖、二糖およびオリゴ糖を含むがこれらに限定されない炭水化物のすべての環形態を含む。特に明記しない限り、ヘテロシクロアルキルは、環内に2~10個の炭素を有する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、環内に2~8個の炭素を有する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、環内に2~8個の炭素と、1または2個のN原子とを有する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、環内に2~10個の炭素と、0~2個のN原子と、0~2個のO原子と、0~1個のS原子とを有する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、環内に2~10個の炭素と、1~2個のN原子と、0~1個のO原子と、0~1個のS原子とを有する。ヘテロシクロアルキル中の炭素原子の数に言及する場合、ヘテロシクロアルキル中の炭素原子の数は、ヘテロシクロアルキルを構成する(ヘテロ原子を含む)原子(すなわち、ヘテロシクロアルキル環の骨格原子)の総数と同じではないことが理解される。本明細書で具体的に他の意味を示さない限り、ヘテロシクロアルキル基は必要に応じて置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、「3~12員複素環基」という用語は、3~12個、特に5~12個、より詳細には5~7個の炭素原子およびヘテロ原子またはヘテロ原子基を含む飽和もしくは部分不飽和の単環式環、または多環式複素環基を指し、ヘテロ原子またはヘテロ原子基は、N、NH、O、C(O)、S(O)((式中、mは0、1または2である))から選択される。いくつかの実施形態では、3~12員複素環基としては、アジリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、チオモルホリン、テトラヒドロピラニル、1,1-ジオキソチオモルホリニル、ブチロラクタミル、バレロラクタム、カプロラクタム、ブチロラクトン、バレロラクトン、またはカプロラクトンが挙げられる。
「ヘテロアリール」は、窒素、酸素および硫黄から選択される1つ以上の環ヘテロ原子を含むアリール基を指す。ヘテロアリールは、単環式または二環式である。単環式ヘテロアリールの具体例としては、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、ピリダジニル、トリアジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、インドリジン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インダゾール、ベンズイミダゾール、プリン、キノリジン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,8-ナフチリジンおよびプテリジンが挙げられる。単環式ヘテロアリールの具体例としては、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、ピリダジニル、トリアジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、およびフラザニルが挙げられる。二環式ヘテロアリールの具体例としては、インドリジン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インダゾール、ベンズイミダゾール、プリン、キノリジン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,8-ナフチリジン、およびプテリジンが挙げられる。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、チアゾリル、チエニル、チアジアゾリルまたはフリルである。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、環内に0~4個のN原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、環内に1~4個のN原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、環内に0~4個のN原子、0~1個のO原子および0~1個のS原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、環内に1~4個のN原子、0~1個のO原子および0~1個のS原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、C~Cヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、単環式ヘテロアリールは、C~Cヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、単環式ヘテロアリールは、5員または6員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、二環式ヘテロアリールは、C~Cヘテロアリールである。
「必要に応じて置換されている」または「置換されている」という用語は、言及された基が、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、-OH、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキルスルホン、アリールスルホン、-CN、アルキン、C~Cアルキルアルキン、ハロゲン、アシル、アシルオキシ、-COH、-COアルキル、ニトロ、およびアミノ(例えば、-NH、-NHR、-NR)、ならびにその保護された誘導体から個別にかつ独立して選択される1つ以上の追加の基で置換されていてもよいことを意味する。いくつかの実施形態では、任意の置換基は、独立して、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、シクロアルキル、ハロゲン、-CN、-NH、-NH(CH)、-N(CH、-OH、-COHおよび-COアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、任意の置換基は、独立して、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、-CH、-CHCH、-CF、-OCH、および-OCFから選択される。いくつかの実施形態では、置換された基は、先行する基の1つまたは2つで置換される。いくつかの実施形態では、脂肪族炭素原子(非環式または環式)上の任意の置換基は、オキソ(=O)を含む。
「互変異性体」とは、分子のある原子から同じ分子の別の原子へのプロトンシフトを指す。本明細書に提示される化合物は、互変異性体として存在し得る。互変異性体は、単結合および隣接する二重結合の切り替えを伴う水素原子の移動によって相互変換可能な化合物である。互変異性化が可能な結合配置では、互変異性体の化学平衡が存在する。本明細書に開示される化合物のすべての互変異性形態が企図される。互変異性体の正確な比は、物理的状態、温度、溶媒、およびpHを含むいくつかの要因に依存する。互変異性相互変換のいくつかの例としては、以下のものが挙げられる。
「同時投与」などの用語は、本明細書で使用される場合、単一の患者への選択された治療薬の投与を包含することを意味し、薬剤が同じもしくは異なる投与経路によって、または同じもしくは異なる時間に投与される処置レジメンを含むことを意図する。
本明細書で使用される「有効量」または「治療有効量」という用語は、処置される疾患または症状の症候の1つ以上をある程度軽減する、投与される薬剤または化合物の十分な量を指す。この結果は、疾患の徴候、症候、もしくは原因の低減および/もしくは軽減、または生物系の他の望ましい変化であり得る。例えば、治療的使用のための「有効量」は、疾患症候の臨床的に有意な減少を提供するために必要とされる本明細書に開示される化合物を含む組成物の量である。個々のいずれかの場合での適切な「有効量」は、用量漸増研究などの技術を使用して決定されてもよい。「有効量」は、化合物が存在しない場合と比較して、化合物が記載された目的を達成するのに十分な量である(例えば、それが投与される効果を達成する、疾患を処置する、酵素活性を低下させる、酵素活性を増加させる、シグナル伝達経路を減少させる、または疾患もしくは症状の1つ以上の症候を減少させる)。「有効量」の例は、疾患の1つ以上の症候の処置、予防、または低減に寄与するのに十分な量であり、「治療有効量」とも呼ばれ得る。1つ以上の症候(およびこの句の文法的等価物)の「低減」は、1つ以上の症候の重症度もしくは頻度の減少、または1つ以上の症候の排除を意味する。薬物の「予防有効量」は、対象に投与すると、意図された予防効果、例えば、損傷、疾患、病態もしくは症状の発症(または再発)を予防もしくは遅延させる、または損傷、疾患、病態もしくは症状、またはそれらの症候の発症(または再発)の可能性を低下させる薬物の量である。完全な予防効果は、必ずしも1用量の投与によって生じるわけではなく、一連の用量の投与後にのみ生じることができる。したがって、予防有効量を1回以上の投与で投与することができる。本明細書で使用される「活性低下量」は、アンタゴニストが存在しない場合と比較して、酵素の活性を減少させるのに必要なアンタゴニストの量を指す。本明細書で使用される「機能破壊量」は、アンタゴニストが存在しない場合と比較して、酵素またはタンパク質の機能を破壊するのに必要なアンタゴニストの量を指す。正確な量は、処置の目的に依存し、公知の技術を使用して当業者によって確認可能であろう(例えば、ieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1-3,1992);Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999);Pickar,Dosage Calculations(1999);およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams&Wilkins参照されたい)。
本明細書で使用される場合、「薬学的な組み合わせ」という用語は、1つを超える活性成分を混合または組み合わせることで生じる生成物を意味し、活性成分の固定された組み合わせまたは固定されていない組み合わせの両方を含む。「固定された組み合わせ」という用語は、活性成分、例えば、式(I)の化合物および助剤が両方とも単一の実体または投薬量の形態で患者に同時に投与されることを意味する。「固定されていない組み合わせ」という用語は、活性成分、例えば式(I)の化合物および助剤が、特定の時間制限を設けることなく、同時に、並行してまたは連続的に、別々の実体として患者に投与され、そのような投与により患者の体内で有効なレベルの2つの化合物が提供されることを意味する。後者は、例えば3つ以上の活性成分の投与といったカクテル療法にも適用される。
「対象」または「患者」という用語は哺乳動物を包含する。哺乳動物の例としては、ヒトが挙げられるが、これに限定されない。一実施形態では、哺乳動物はヒトである。
本明細書で使用される「処置する(treat)」、「処置する(treating)」または「処置(treatment)」という用語は、疾患もしくは症状の少なくとも1つの症候を緩和、減弱または改善すること、更なる症候を予防すること、疾患もしくは症候を阻害すること、例えば、疾患もしくは症状の発症を停止すること、疾患もしくは症状を緩和すること、疾患もしくは症状の後退を引き起こすこと、疾患もしくは症状によって引き起こされる症状を緩和すること、または疾患もしくは症状の症候を予防的および/または治療的に停止することを含む。
「癌」という用語は、未制御の細胞成長を特徴とする哺乳動物のいずれかの生理学的症状を指す。本明細書に記載される癌は、固形腫瘍および血液(hematological)(血液(blood))癌を含む。「血液癌」とは任意の血液感染性癌を指し、例えば、骨髄腫、リンパ腫および白血病を含む。「固形腫瘍」または「腫瘍」は、病変、ならびに悪性か良性かにかかわらず腫瘍性の細胞成長および増殖、ならびに異常な組織成長で生じるすべての全癌性細胞および癌性細胞および組織を指す。本明細書で使用される「腫瘍性」は、悪性か良性かにかかわらず、異常な組織成長で生じる調節不全または未制御であるいずれかの型の細胞成長を指す。
「高める」という用語は、投与または接触前のタンパク質または細胞と比較して、本明細書に記載される組み合わせの投与または接触後のタンパク質または細胞の機能または活性における増大または改善を指す。
「抗癌剤」という用語は、平易で通常の意味に従って使用され、抗腫瘍特性または細胞の成長もしくは増殖を阻害する能力を有する組成物を指す。いくつかの実施形態では、抗癌剤は化学療法剤である。いくつかの実施形態では、抗癌剤は、癌を処置する方法で有用性を有すると本明細書で明らかにされている薬剤である。いくつかの実施形態では、抗癌剤は、FDAまたはUSA以外の国の同様の規制当局によって承認された癌を処置するための薬剤である。
「化学療法剤」または「化学療法薬」という用語は、平易で通常の意味に従って使用され、抗腫瘍特性または細胞の成長もしくは増殖を阻害する能力を有する化学組成物または化合物を指す。「化学療法」は、本明細書に記載される化学療法剤または抗癌剤の投与を含む治療またはレジメンを指す。
「ポリペプチド」および「タンパク質」は本明細書に互換的に使用され、少なくとも2つ以上のアミノ酸を含む任意の分子を指す。
「レジメン」という用語は、本明細書に記載される疾患、障害または症状を処置するための1つ以上の治療(例えば、本明細書に記載される組み合わせまたは本明細書に記載される抗癌剤などの別の活性剤)の投薬および投与のタイミングについてのプロトコルを指す。レジメンは、当該技術分野で公知である有効投与期間および休薬期間を含むことができる。
以下の実施例は、本開示を例示することを意図しているが、本開示を限定することを意図していないことが理解されよう。前述の説明および例の様々な他の例および修正は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく本開示を読んだ後に当業者には明らかであり、そのような例または修正のすべてが添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。本明細書で参照されるすべての刊行物および特許は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
実施例1 式(Ia)の化合物の合成
式(I)、(Ia)および(II)の化合物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT/CN2020/07791に提供される方法によって合成することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物の合成は、化学文献に記載される手段を使用して、本明細書に記載される方法を使用して、またはそれらの組み合わせによって達成される。
実施例2:材料および方法
試薬:GH21001(TNO-155)、GH21005(HBI-2376)がHUYA Biosciences(米国)から供給され、RMC-4550がMCE(中国)から供給された。オシメルチニブは、中国のSelleckから購入した。シスプラチンをQilu Pharma(中国)から購入した。抗PD-1(RMP 1-14)およびラットIgG2a抗体をBioXCell(中国)から購入した。
細胞株および維持:インビトロおよびインビボ研究に使用されたすべての細胞株は、HUYABIOによって提供されたKYSE520を除いて、Crown Biosciences細胞バンクの一部として供給された。特に明記しない限り、すべての細胞株を供給源に従って37℃および5%COで維持した。ヒト肺癌細胞株NCI-H358、HCC827、食道癌細胞株KYSE 520、胃癌細胞株NCI-N87およびマウス結腸癌細胞株MC38をRPMI1640+10%FBS中で培養した。膵臓細胞株MiaPaca-2をMDME+10%FBS+2.5%HS中で培養した。膵癌細胞株CAPAN-1をIMDM+20%FBS中で培養した。脳腫瘍細胞株U87MGをMEM+0.01mM NEAA+10%FBS中で培養した。肺癌細胞株HCC827-ER1(Crown BiosciencesのHCC827由来)をRPMI1640+10%FBS+42μMエルロチニブ中で培養した。肺癌細胞株NCI-H1975(Synthego Corporationで開発)をRPMI 1640+10%FBS+100μg/ml Hygromycin(Sun,2020)中で培養した。
細胞生存率アッセイ:細胞傷害性アッセイのために、細胞を96ウェルプレートに播種し、Crown Biosciences Cell line Databaseに基づいて播種密度を決定した。細胞を2000細胞/ウェルで播種した。播種の24時間後、細胞を示された化合物濃度の阻害剤で処理した。5日目に、細胞をCellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay試薬(Promega)で溶解し、EnVision Multi-plateリーダーを用いて発光を読み取った。IC50を計算するために、シグモイド用量応答を有する非線形回帰モデルを使用して用量応答曲線を生成する。生存率の式を以下に示す。IC50値はGraphPad Prism 8.0によって自動的に生成された。これらのアッセイの結果を図1および表1に示し、さらに図9A(HCC827-ER1)および図9B(NCI-H1975(L858R/T790M/C797S))に示す。
実施例3:動物モデルおよびインビボ処置
この研究における動物の管理および使用を含む手順は、実施前にCrown Biosciencesの施設内動物管理使用委員会(IACUC)によって検討および承認された。研究中、動物の管理および使用は、国際実験動物ケア評価認証協会(AAALAC)の規制に従って行われた。動物(6~8週間)を、Shanghai Lingchang Biotechnology Co.,Ltd(中国上海)から入手し、腫瘍細胞接種前に順応させた。
すべての細胞株を培養で維持し、指数増殖期の細胞を採取し、腫瘍接種前に細胞カウンターによって定量化した。0.1mlのPBS中のMC38腫瘍細胞(1×10)を雌C57/Bl動物の右脇腹前部に接種した(処置開始時の平均腫瘍サイズはおよそ112mm)。マトリゲル(1:1)と混合した0.1mlのPBS中のNCI-H1975(EGFR L858R/T7900M/C797S)腫瘍細胞(1×10)を雌NOD/SCID動物に接種した(処置開始時の平均腫瘍はおよそ200mm)。雌Balb/C Nude動物に接種したマトリゲル(1:1)と混合した0.1mlのPBS中のHCC827-ER1腫瘍細胞(5×10個)は、処置開始時に平均腫瘍がおよそ325mmであった。
無作為化および処置開始の日付を0日目とした。腫瘍体積を、ノギスを使用して二次元で週に2回測定し、体積を、式:V=(L×W×W)/2を使用してmmで表し、式中、Vは腫瘍体積であり、Lは腫瘍長さ(最長腫瘍寸法)であり、Wは腫瘍幅(Lに垂直な最長腫瘍寸法)である。投薬量は10mL/kg/日であった。GH21001およびGH21005を200mlの50mMクエン酸ナトリウム(pH=4.2)と共にHP-β-CDに溶解した。抗PD-1およびラットIgG2aをPBSで希釈した。RMC-4550を、50mMクエン酸ナトリウム(pH=5.0)中の1% Capitsolで希釈し、オシメルチニブの0.5%投薬溶液を2% DMSO/30%PEG300で希釈した。これらの実験の結果を図2A~B(MC38腫瘍)および図10A~10B(NCI-H1975(L858R/T790M/C797S)腫瘍)に示す。HCC827 CDXモデルの結果を図12A~Bに示す。終了時に腫瘍を回収した。腫瘍の一部を切り刻み、タンパク質単離のために直ちに急速凍結し、またはFAC分析のために腫瘍組織を解離させた。腫瘍の別の部分を10%中性緩衝ホルマリンで固定した後、パラフィンブロックに加工した。
実施例4:腫瘍および血液イムノタイピング
腫瘍解離:最終投与から12時間後、MC38腫瘍を有する動物の腫瘍および血液を採取した。腫瘍を、The Tumor Dissociation Kit(130-096-730)Miltenyi Biotec MACS Technologyを使用して酵素的および機械的に解離させた。単核血液細胞(PBMC)を、Histopaque-1077(Sigma)を使用して全血から単離した。
腫瘍細胞懸濁液、全溶解血液または単離されたPBMCを再懸濁し、1μg/ml Fc-Block(マウスBD Fc Block(商標)カタログ番号553141)を含む染色緩衝液でブロックした。透過処理緩衝液で希釈したFoxP3を除いて、すべての抗体をFcブロッキング緩衝液で希釈した。抗体をCrown Biosciences社の最適化に従って希釈した。細胞表面マーカーCD45、CD4、CD335、CD11b、Gr-1をBiolegend社から購入した。CD3はBD Biosciences社から購入した。CD8、FoxP3およびLD BDをeBiosciences社から購入した。データをサイトメーターで収集し、Kaluza Analysis Softwareを使用してデータを分析した。これらの実験の結果を図3(マクロファージ)、図4(単球)、図5(顆粒球)、図6(CD3+細胞)、図7(CD4+細胞)および図8(CD8+細胞)に示す。
サイトカイン検出アッセイ:V-Plex炎症促進性パネル1マウスキット(Mesoscale Discovery)を使用して、最後の投与の2時間後に腫瘍を有する動物から単離した血漿中のサイトカインレベルを決定した。腫瘍を有する動物からの血漿を、製造業者のガイドラインに記載されているように分析した。簡潔には、KC/GROに対する捕捉抗体で予めコーティングしたMSDプレートに希釈血漿を導入する。インキュベーション後、試料を洗浄し、二次検出抗体(MSD SULFO-TAG(商標))と共にインキュベートする。アッセイからの電気化学発光検出をMeso Scale Discoveryプラットフォームで分析し、サイトカインレベルを製造業者の対照試料に従って計算する。この実験の結果を図11に示す-式(Ia)の化合物は、GH21001(TNO-155)およびRMC-4550と比較してKC/GROを有意に減少させることが観察された。
免疫ブロット分析:腫瘍を投与後のそれぞれの時点で採取し、液体窒素中で急速凍結した。組織を乳鉢および乳棒を使用して液体窒素中で粉砕し、秤量した。ホスファターゼおよびプロテアーゼ阻害剤を含有する量のRIPA緩衝液を重量の3倍で添加し、試料を反転させ、氷上に30分間置いた。4℃で15分間、14,000gで遠心分離することによって細胞溶解物を得て、上清を新しいチューブに移した。Pierce BCAタンパク質アッセイキットを使用してタンパク質を定量化した。50μgのタンパク質を各ウェルにロードした。ゲルを予備活性化PVDFに移し、一次抗体および二次抗体を5%粉乳を含むTBSTで希釈した。標的タンパク質を、ECL法を使用するTanon 5200化学発光画像分析システムで検出した。一次抗体:DUSP6、Abcam ab76310、β-アクチンCST 3700S、p-ERK CST 4370s、ERK CST 4695s。HCC827 CDX異種移植片モデルにおけるこれらの実験の結果を図13A、図13B、および図13Cに示す。また、図13Eおよび図13Fを参照されたい。HCC827_ER1 CDX異種移植片モデルでは、図14Aおよび図14Bに示されている。
qPCR分析:腫瘍組織を投与から4時間後に採取し、組織を液体窒素中で急速凍結した。組織を乳鉢および乳棒を使用して液体窒素中で粉砕し、秤量した。組織を、ステンレス鋼ビーズを含有するRLT緩衝液に入れ、TissueLyserに入れた。RNAを、RNAeasyミニスピンキット(Qiagen 74106)を使用して処理した。総RNAをNanodrop(商標)2000分光光度計によって定量化した。High Capacity cDNA Reverse Transcriptase Kit(ABI 4374966)を使用してcDNAを調製した。リアルタイムPCRを、Applied Biosystems Inc,fact PCRシステム7900Hを使用して、TaqMan Universal PCR Master Mix(ABI 4304437)およびDUSP6プローブ(Theremo Fisher 4331182)およびGAPDHプローブ(ThermoFisher 4351370)を使用して行った。生データをSDS2.4によって分析し、ΔCt相対定量化法を使用して処理した。ΔCt値を、ヒトハウスキーピング遺伝子GAPDHに対して計算した。ΔΔCt値を賦形剤群に対して計算した。2-ΔΔCtは、標的遺伝子、DUSP6、発現レベルを表す。DUSP6発現についてのHCC827 CDX異種移植片モデルにおけるこれらの実験の結果を図13D、図13Gに示す。
薬物動態学的分析:血液および腫瘍を、それぞれの用量濃度でHBI-2376を単回投与した後のそれぞれの時点で腫瘍を有する動物からN=3/時点(血漿)またはN=3/時点(腫瘍組織)で回収した。Phoenix WinNonlin 6.3を用いたLC-MS/MS分析によって試料を分析して、血漿または腫瘍試料中の化合物の濃度を決定した。濃度は、線形/対数台形則を使用して計算した。HCC827 CDX異種移植片モデルにおけるこれらの実験の結果を図15Aおよび図15Bに示す。
本明細書に記載される実施例および実施形態は、例示目的のみとしており、当業者に示唆される様々な修正または変更は、本出願の趣旨および範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれるべきであることを理解されたい。本明細書で引用されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (55)

  1. 癌の処置を必要とする患者において癌を処置する方法であって、前記方法が、治療有効量の、式(Ia)
    の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を前記患者に投与することを含み、
    前記患者は少なくとも1つの抗癌剤治療に失敗している、方法。
  2. 前記方法が、前記化合物を処置の第三選択薬、第四選択薬、第五選択薬または第六選択薬として前記患者に投与することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記抗癌剤がEGFR TK阻害剤である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記化合物、またはその薬学的に許容され得る塩が、前記必要とする患者に約5mg/kg~約25mg/kgで投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記化合物、またはその薬学的に許容され得る塩が、前記必要とする患者に約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、または約25mg/kgで投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記方法が、前記化合物をレジメンとして前記患者に投与することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記方法が、前記化合物を経口または腹腔内方法によって前記患者に投与することを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記方法が、前記化合物を前記患者にまたは毎日投与することを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記方法が、前記化合物を前記患者にQD、BIDまたはTIDで投与することを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記癌が、扁平上皮癌、非扁平上皮癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、黒色腫、肝細胞癌、腎細胞癌、卵巣癌、頭頸部癌、尿路上皮癌、乳癌、前立腺癌、神経膠芽腫、大腸癌、膵癌、リンパ腫、滑筋肉腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、または悪性末梢神経鞘腫(MPNST)である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 癌を処置する前記方法が、前記患者における前記癌の転移を阻害する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 癌を処置する前記方法が、前記患者における前記癌の疾患進行までの時間を延長する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  13. 癌を処置する前記方法が、前記患者の生存を延長する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  14. 癌を処置する前記方法が、前記患者の無増悪生存期間を増大させる、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  15. 癌を処置する前記方法が、前記患者の腫瘍または腫瘍量を減少させる、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  16. 腫瘍体積の減少を必要とする患者において腫瘍体積を減少させる方法であって、前記方法が、治療有効量の、式(Ia)
    の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を前記患者に投与することを含む、方法。
  17. 前記腫瘍体積が、約10%、約20%、約30%、約40%、または約50%減少する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記腫瘍体積が少なくとも約10%減少する、請求項16に記載の方法。
  19. 前記化合物、またはその薬学的に許容され得る塩が、前記必要とする患者に約5mg/kg~約25mg/kgで投与される、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記化合物、またはその薬学的に許容され得る塩が、前記必要とする患者に約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、または約25mg/kgで投与される、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記方法が、前記化合物をレジメンとして前記患者に投与することを含む、請求項16~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記方法が、前記化合物を経口または腹腔内方法によって前記患者に投与することを含む、請求項16~20のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記方法が、前記化合物を前記患者にまたは毎日投与することを含む、請求項16~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記方法が、前記化合物を前記患者にQD、BIDまたはTIDで投与することを含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記方法が、前記化合物を前記患者に7日間、14日間または21日間投与することを含む、請求項16~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 癌の処置を必要とする患者において癌を処置する方法であって、前記方法が、治療有効量の、式(I)
    の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物であって、
    式中、
    およびRは、それぞれ同じもしくは異なり、RおよびRは、それぞれ独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、および以下の置換されたもしくは非置換の基:-NH、C~C10アルキル、C~C10アルキルアミノ、C~C10アルコキシ、C~C12シクロアルキル、C~C12シクロアルキルオキシ、3~12員複素環基、C~C10アリール基、5~10員ヘテロアリール基から選択されるか、またはRおよびRは、3~8員飽和もしくは不飽和のシクロアルキル基もしくは複素環基を形成し、必要に応じて前記3~8員飽和もしくは不飽和のシクロアルキル基もしくは複素環基は、1~3個の-OH、-NH、-CN、NO、ハロゲン、C~C10アルキル、C~C10アルカンオキシ、C~C10アルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリールを有し、
    は、H、Dまたは-NHから選択され、
    Xは、結合、-NH-または-C(O)NH-から選択され、
    Yは、NまたはCR13から選択され、ここで、R13は、H、D、-OH、-CN、ハロゲン、C~C10アルキル基、C~C10アルコキシ、C~C12シクロアルカンアミノ、C~C10アルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、3~8員複素環基、ハロゲン化C~C10アルキルアミノ、またはC~C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記複素環基もしくはヘテロアリール基は、必要に応じて1~4個のヘテロ原子を含み、前記ヘテロ原子は、S、O、NまたはNHから選択され、
    各Rは、同じもしくは異なり、独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、-C(O)NHR14または-NHC(O)R15から選択され、以下の基:-NH、C~C10アルキル、C~C10アルキルアミノ、C~C10アルコキシ、C~C12シクロアルキル、3~12員複素環基、C~C10アリール、もしくは5~10員ヘテロアリールで置換されているかもしくは非置換であり、ここで、R14およびR15は、それぞれ独立して、C~C10アルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C10アリールまたは5~10員ヘテロアリールから選択され、前記置換は、C~C10アルキル、ハロゲン原子、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、C~C10アルコキシ、C~C10アルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、C~C10アリール、5~10員ヘテロアリールまたは3~12員複素環基が1つ以上の置換基によって置換されたものから選択され、上述の置換基は、C~C10アルキル、ハロゲン、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、C~C10アルコキシ、C~C10アルキルアミノまたはC~C12シクロアルキルから選択される1~3つの置換基で必要に応じて置換されており、
    は、C~C10アリール、5~10員ヘテロアリール、C~C12シクロアルキル、3~12員複素環基、C~C14架橋環基もしくはスピロ環基、またはC~C14架橋複素環基もしくはスピロ複素環基から選択され、5~10員ヘテロアリール、3~12員複素環基、C~C14架橋複素環基もしくはスピロ複素環基は、N、NH、O、S、C(O)、またはS(O)から選択される1~3個のヘテロ原子もしくは基を含み、
    各Rは、同じもしくは異なり、独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、アミノアシル、置換されたもしくは非置換の以下の基:C~C10アルキル、C~C10アルキルアミノ、C~C10アルコキシ、-NH、C~C12シクロアルキル、3~12員複素環基、C~C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリールから選択され、前記置換は、C~C10アルキル、C~C12シクロアルキル、3~12員複素環基、ハロゲン、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、ヒドロキシ-C~C10アルキル、C~C10アルコキシ、C~C10アルキルアミノ、5~10員複素芳香族基、C10アリール基もしくは3~12員複素環基が1つ以上の置換基によって置換されたものから選択され、または任意の2つの隣接するRが3~6員の飽和もしくは不飽和環を形成し、必要に応じて前記3~6員の飽和または不飽和環は、1~3個の-OH、-NH、-CN、ハロゲン、C~C10アルキル、C~C10アルコキシ、C~C12シクロアルキルアミノ、C~C10アルキルアミノ、C~C12シクロアルキル、ハロゲン化C~C10アルキルアミノ、C~C10アリールもしくは5~10員ヘテロアリールで置換されており、
    、R、R、R、R10、R11、R12、およびR13は、それぞれ独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NOから選択され、-NH、C~C10アルキル、C~C10アルキルアミノ、C~C10アルコキシ、C~C12シクロアルキル、C~C12シクロアルキルオキシ基、3~12員複素環基、C~C10アリール、および5~10員ヘテロアリールから選択される置換されたもしくは非置換の基であり、置換は、C~C10アルキル、C~C12シクロアルキル、3~12員複素環基、ハロゲン、-NH、-CN、-C(O)OH、-CHO、-OH、-NO、ヒドロキシ-C~C10アルキル、C~C10アルコキシ、C~C10アルキルアミノ、5~10員ヘテロアリールもしくはC~C10アリールから選択され、
    mは、0、1、2または3であり、
    nは、0、1、2または3であり、
    pは、0、1または2である、
    化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を前記患者に投与することを含み、
    前記癌の処置を必要とする患者は、少なくとも1つの抗癌剤治療に失敗している、方法。
  27. 前記方法が、前記化合物を処置の第三選択薬、第四選択薬、第五選択薬または第六選択薬として前記患者に投与することを含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記抗癌剤がEGFR TK阻害剤である、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記EGFR TK阻害剤が、エルロチニブ、アファチニブ、ゲフィチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ、イコチニブ、ロシレチニブ、オルムチニブ、タルロキソチニブ、TAK-788、アミバンタマブ(JNJ-6372)、またはAC0010から選択される、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記EGFR TK阻害剤がオシメルチニブである、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記化合物、またはその薬学的に許容され得る塩が、前記必要とする患者に約5mg/kg~約25mg/kgで投与される、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記化合物、またはその薬学的に許容され得る塩が、前記必要とする患者に約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、または約25mg/kgで投与される、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記方法が、前記化合物をレジメンとして前記患者に投与することを含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記方法が、前記化合物を経口または腹腔内方法によって前記患者に投与することを含む、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記方法が、前記化合物を前記患者にまたは毎日投与することを含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記方法が、前記化合物を前記患者にQD、BID、またはTIDで投与することを含む、請求項1~35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記癌が、扁平上皮癌、非扁平上皮癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、黒色腫、肝細胞癌、腎細胞癌、卵巣癌、頭頸部癌、尿路上皮癌、乳癌、前立腺癌、神経膠芽腫、大腸癌、膵癌、リンパ腫、滑筋肉腫、脂肪肉腫、滑膜肉腫、または悪性末梢神経鞘腫(MPNST)である、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 癌を処置する前記方法が、前記患者における前記癌の転移を阻害する、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 癌を処置する前記方法が、前記患者における前記癌の疾患進行までの時間を延長する、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 癌を処置する前記方法が、前記患者の生存を延長する、請求項1~39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 癌を処置する前記方法が、前記患者の無増悪生存期間を増加させる、請求項1~40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 癌を処置する前記方法が、前記患者の腫瘍または腫瘍量を減少させる、請求項1~41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記方法が、治療有効量の、式(Ia)
    の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を前記患者に投与することを含む、請求項1~42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記腫瘍体積が、約10%、約20%、約30%、約40%、または約50%減少する、請求項1~43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記腫瘍体積が少なくとも約10%減少する、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記化合物、またはその薬学的に許容され得る塩が、前記必要とする患者に約5mg/kg~約25mg/kgで投与される、請求項1~45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記化合物、またはその薬学的に許容され得る塩が、前記必要とする患者に約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、または約25mg/kgで投与される、請求項1~46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記方法が、前記化合物をレジメンとして前記患者に投与することを含む、請求項1~47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記方法が、前記化合物を経口または腹腔内方法によって前記患者に投与することを含む、請求項1~48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記方法が、前記化合物を前記患者にまたは毎日投与することを含む、請求項1~49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記方法が、前記化合物を前記患者にQD、BID、またはTID投与することを含む、請求項1~50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記方法が、前記化合物を前記患者に7日間、14日間、または21日間投与することを含む、請求項1~51のいずれか一項に記載の方法。
  53. DUSP6発現がハウスキーピング遺伝子と比較して48%に低下する、請求項1~52のいずれか一項に記載の方法。
  54. DUSP6発現のレベルが、バイオマーカーとして使用することができる、請求項1~53のいずれか一項に記載の方法。
  55. pERK発現がハウスキーピング遺伝子と比較して95%に低下する、請求項1~54のいずれか一項に記載の方法。
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