JP2024516772A - コーンワックス酸化物及びエステル化生成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、明色コーンワックス酸化物、それらの製造方法、及び、それらの農業または林業の目的のためのあるいはプラスチック加工、ケア用品、印刷インキ及び/または塗料における添加剤としての使用、及び当該コーンワックス酸化物のケン化またはエステル化によって生成されるケン化またはエステル化コーンワックス酸化物に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、低い酸価を有する明色コーンワックス酸化物、コーンワックスから当該酸化物を製造する方法、並びに農業または林業の目的のためのあるいはプラスチック加工、ケア用品、印刷インキ及び/または塗料における添加剤としてのそれらの使用に関する。本発明のコーンワックス酸化物のケン化またはエステル化によってそれぞれ生成されるケン化またはエステル化コーンワックス酸化物も提供される。
クロム硫酸を用いた化石及び非化石天然ワックスの酸化は20世紀の初頭から知られており、今日も操業されている「ゲルストホーフェナー法」において、1927年から化石モンタンワックスをベースとして工業的に行われている。これらのクロム酸ベースの方法は化石モンタンワックスのみならず再生可能な天然ワックス、例えばカルナバワックス及びキャンデリラワックスの酸化にも用いることができる。カルナバワックスのクロム酸酸化の方法はDE-A10231886(特許文献1)に記載されている。天然のカルナバワックス(ファットグレー、4号;ミッドイエロー、プライマリーイエロー及び蛍光、3号乃至1号)及び粗製モンタンワックス(黒)ははっきりと濃い色をしている。クロム硫酸を用いた酸化により、明色ワックス生成物が得られる。
しかし、クロム酸を用いた天然ワックスの酸化では、ワックスエステルの解裂及び生じたワックスアルコールからワックス酸への原位置酸化が起こる。酸価が遊離ワックス酸の含有量の目安である。このような酸化における典型的な変換は、エステル基に基づいて50~90%の範囲である
DE-A1 10 2013 007638(特許文献2)は、天然ワックスエステルとαオレフィンとの混合物をクロム硫酸で酸化する、規定の酸価を有する酸ワックスの製造方法を開示している。天然ワックスエステルは、米殻ワックス、カルナバワックス、ヒマワリワックス、及びサトウキビワックスからなる群から選択される。DE-A1 10 2018 116113(特許文献3)は、出発原料として米ぬかワックスまたはヒマワリワックスを使用した2段階の酸化法による、天然ワックス酸化物の製造方法を開示している。
EP-A1 3 102 292(特許文献4)は、米ぬかワックス及びモンタンワックスのクロム硫酸での処理による酸化物の製造を開示している。US-A 4 083 731(特許文献5)は、モンタン及びバークワックス酸化物の製造を開示しており、モンタン及びバークワックスは、三酸化クロム及び濃硫酸の混合物により110℃で酸化される。このように漂白された天然ワックスは、所望の明色化に加えて、未漂白ワックスよりも高いケン化価及び高い酸価を有する。
酸価が高いと、ワックス酸化物を含む有機相と、クロム塩及び他の水溶性反応生成物を含む水相との相分離が促進されるため、酸化後に天然ワックス酸化物から副生成物を容易に分離できるという有利な効果をもたらすことが多い。しかしながら、酸価が低いと、ほとんどの場合相分離は非常にゆっくりと起き、時には全く起こらない。相分離が起きない、または相分離が非常に遅い場合、天然ワックス酸化物を確実に単離・精製することは、多大な努力なしにはほぼ不可能である。
効率的な相分離のために酸価を高めるためには、低い酸価を得るために必要とされるよりも多くの量のクロム硫酸を必要とし、より多くの量のクロム塩廃棄物を排出する。大量の廃棄物を回避することは、経済的及び環境的な観点から望ましい。
通常、酸価が低い場合の相分離は、油分を多く含有する天然ワックスを使用する場合、さらに困難となり、脱油などの前処理が必要となることが多い。これは、時に大量の溶媒を必要とし、経済的にも環境的にも不都合である。高い酸価を有する天然ワックス酸化物から低い酸価を有する生成物を得るために、ワックス酸化物の酸価は、副生成物の除去後に、低下させることができ、例えば、ワックス及び/またはワックス酸化物中に含まれる酸をアルコールでエステル化することによる。これは、低い酸価を有する天然ワックス酸化物を得るために、酸化後を含み、さらなる合成工程が必要であることを意味し、同様に経済的及び環境的に不都合である。特に、特定の用途で酸価の低い天然ワックス酸化物が必要な場合、大量のクロム硫酸を使用せず、及び、その後のエステル化による酸価の低下、また酸化前の大量の溶媒の使用を回避することが有利である。
DE-A10231886 DE-A1 10 2013 007638 DE-A1 10 2018 116113 EP-A1 3 102 292 US-A 4 083 731
本発明の目的は、天然ワックスのクロム硫酸酸化による、天然ワックス酸化物を製造する方法を提供することであって、酸化後に、広い範囲の酸価にわたって天然ワックス酸化物を単離することが可能である。
驚くべきことに、天然ワックスとしてコーンワックスを使用すると、コーンワックスの油含有量が比較的高くても、低い酸価でありながら、天然ワックスのクロム硫酸酸化後、天然ワックス酸化物を単離及び精製することが可能であることが見出された。
本発明はコーンワックス酸化物(O)を製造する方法を提供し、当該方法は、次の工程:
i)コーンワックス (CW)を用意する工程;
ii)三酸化クロムと硫酸との混合物(M)を用意する工程;
iii)当該コーンワックス (CW)を当該混合物(M)と反応させることによってコーンワックス (CW)の酸化を実施して、コーンワックス酸化物(O)を得る工程;
iv)当該反応を終了し、工程iii)で得られた反応混合物を、水性相から有機相が相分離するまで静置する工程;
v)当該有機相を分離する工程;
vi)任意で、当該有機相からクロム化合物を含む残渣を除去して、当該コーンワックス酸化物(O)を精製された形で得る工程;
vii)任意で、当該コーンワックス(CW)の代わりにコーンワックス酸化物(O)を、任意で精製された形態で、使用して、工程ii)から工程vi)の一連の工程を繰り返す工程;
を含む。
この方法によれば、約10~約170mg KOH/gの範囲の酸価を有する、コーンワックスをベースとした明色天然ワックス酸化物、すなわちコーンワックス酸化物(O)を、単離後にさらに酸価調整のための工程を必要とせず、直接得ることが可能である。
実施例2におけるコーンワックス酸化物の鎖長分布 実施例7におけるコーンワックス酸化物の鎖長分布 コーンワックス中のエステル及び米ぬかワックスの鎖長分布
本発明の方法において、出発原料としてコーンワックス(CW)を使用する場合、約10mg KOH/gという低い酸価で、工程iv)における有機相と水性相との間の透明な相境界が形成されることが見出された。酸価が20~50mg KOH/gの範囲では、本発明の方法の工程iv)において、1分未満で、透明な相境界が通常認められる。50mg KOH/gを超える酸価では、本発明の方法の工程iv)において、10秒未満で、透明な相境界がしばしば見られる。ここに示された時間は、実施例に示したような条件下で観察されたものである。はるかに大きい反応容器では時間も変化し得るが、同一条件下で生成される他の天然ワックス酸化物の場合よりも大幅に短くなる。
酸価が低~中程度では、使用されるコーンワックス中の油含有量が比較的多い場合でも、相境界が明確に見える。対照的に、他の同じ条件下での米ぬかワックス酸化物の場合、相分離は約20mg KOH/g以上の酸価、かつ、5重量%未満の低い油含量でのみ、多くの場合は2重量%未満の油含量でのみ起こる。モンタンワックスの場合、相分離は、約50mg KOH/g以上の酸価でのみ起こることが多い。
本発明はさらに、コーンワックス(CW)を、三酸化クロム及び硫酸の混合物と、反応させることによって製造することができる、コーンワックス酸化物(O)を提供する。例えば、コーンワックス酸化物(O)の製造後にその酸価をさらに調整するために、及び/または、他の特性を変更するために、例えばエステル化もしくはケン化によって本発明のコーンワックス酸化物(O)をさらに改質することが可能である。
エステル化は、通常、アルコール、多くの場合、多価アルコール、例えばエチレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、ペンタエリスリトール、またはソルビトールを用いて行われる。本発明はそれゆえ、さらに、本発明のコーンワックス酸化物(O)を、アルコール、好ましくは多価アルコール、より好ましくはエチレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、または、ペンタエリスリトールと反応させることにより得られる、エステル化コーンワックス酸化物(E)を提供する。
ケン化は、通常、塩基性金属塩を用いて行われ、多くの場合、アルカリ金属水酸化物及び/またはアルカリ土類金属水酸化物を用いて行われる。本発明は、それゆえ、さらに、本発明のコーンワックス酸化物(O)または本発明のエステル化コーンワックス酸化物(E)を、塩基性金属塩、好ましくはアルカリ金属水酸化物及び/またはアルカリ土類金属水酸化物、より好ましくはCa(OH)2と反応させることによって得られる、ケン化コーンワックス酸化物(S)を提供する。
本発明は従って、さらに、農業または林業の目的のためのあるいはプラスチック加工、ケア用品、印刷インキ及び/または塗料における添加剤としての、本発明のコーンワックス酸化物(O)、本発明のエステル化コーンワックス酸化物(E)、または、本発明のケン化コーンワックス酸化物(S)の使用を提供する。
本発明はまた、三酸化クロムと硫酸との混合物を用いた酸化によって天然ワックス酸化物を製造するためのコーンワックス(CW)の使用に関する。コーンワックスは、通常、コーン油の基本的な分解を含む複数の処理工程、並びに、化学的、熱的及び/または機械的分離プロセスを含む複数の精製工程を介して、原料コーン油から得られる。コーン油などの未加工植物油から、ワックスが望ましくない副生成物(約60~90重量%)として除去される方法が、US4272447にて開示されている。
国際連合食糧農業機関(FAO)の情報によれば、コーンは最も広く生産されている穀物の1つである。2018年には、世界中で約11億4700万トンのコーンが収穫された。
コーンを加工する際に、特にコーンからコーン油を製造する際に、副産物として大量のコーンワックスが生成される。その高い生産量と広い地理的分布により、コーンワックスは経済的に興味深い天然ワックスである。
コーンワックスの化学組成は、多くの分析研究調査があるにもかかわらず、結果が一致しておらず、まだ完全には解明されていない。しかしながら、確かなことは、ワックスボディがワックスエステルから構成されることである。R.L. Shrinerは、"the composition of corn wax" (Journal of American Chemical Society, 1927, 49, 1290-1294)は、コーンワックスの少なくとも一部が、C22及びC24脂肪酸のミリシルアルコールエステルからなると述べている。G. Henonは、「シリカゲルと硝酸銀含浸シリカゲルの二重吸着層上での液体クロマトグラフィーを用いた植物油のワックス分析」 (Journal of American Oil Chemists' Society 2001, 78, 401-410) で、粗製コーン油からのコーンワックスは、44~58個の炭素原子を有する炭素鎖長を持つことができると述べている。
コーンワックスエステルは、主に、長鎖、飽和、非分岐状のモノカルボン酸と、長鎖、非分岐、脂肪族モノアルコールとのモノエステル(以下、「真性エステル」とも称する)からなる。コーンワックスエステルの酸部分は、主にC20、C22、及びC24の鎖長を有するアラキン酸、ベヘン酸及びリグノセリン酸が支配的であり、コーンワックスエステルのアルコール部分は、主にC24、C26、C28、C30及びC32の鎖長が支配的である。さらに、ワックスは、遊離脂肪酸、スクアレン、リン脂質及びステリルエステルなどのさらなる成分を含み得る。
精製及び脱油されたコーンワックス中のワックスエステルの含有量は、一般に97重量%を超える。脱油されていないコーンワックスでは、ワックスエステルの含有量はコーン油の含有量に応じて、50重量%程度であり得る。「微量成分」とみなすことができるコーンワックスの他の可変成分は、特定されていない「暗色物質」、スクワレン及び「ガム含有量」と呼ばれるものである。これらの成分は、通常、製品の品質において色及び有用性のばらつきを生じさせるため、再現困難になる。
褐色コーンワックスを明色化するための通常の技術は、過酸化水素による旧来の漂白であると考えられる。過酸化水素で漂白されたコーンワックスは黄色がかっており、それらのエステル含有量及びそれらの酸価に関して出発ワックスとほぼ相当する。そのようなタイプは主に、脱油及び精製されたコーンワックスとして市販されているが、同様に、微量成分が生成物中に残存するので、生成物の品質にばらつきがある。
出発ワックスよりも酸性度が低いコーンワックス酸化物は、DE 2546791 Bに記載されている酸化プロセスを使用して、高温で空気を通過させることによって製造することができる。したがって、これらは、未処理コーンワックスの酸価がすでにこの値を下回っているので、10mg KOH/g未満の酸価を有する。
本発明の方法は、過酸化水素による漂白方法と比較して、一定の製品品質を有する明色コーンワックス酸化物(O)を製造することができる。
本発明の方法によって製造されるコーンワックス酸化物(O)は、通常、ヨウ素色値が、DIN 6162(2014)に従って測定して、8未満であり、黄色度指数が、ASTM E 313-20に従って測定して、50未満である。しかしながら、コーンワックスの酸化のためのプロセスパラメータの適切な選択により、DIN 6162(2014)に従って測定したヨウ素色値が6未満、しばしば5未満、例えば2未満に、及び、黄色度指数が、ASTM E 313-20に従って測定して、40未満、しばしば30未満、例えば15未満になることが選択的に可能であることが見出された。
同時に、針貫入指数が、DIN51579(2010)に従って測定して、10 mm-1未満、しばしば6 mm-1未満、例えば4mm-1未満になり、これは、硬ワックスが必要な用途で特に好都合である。
本発明の方法及び本発明の当該コーンワックスベース生成物について、以下により詳しく説明する。
本発明のコーンワックス酸化物(O)を製造する方法は次の工程を含む、または次の工程からなる:
i)コーンワックス (CW)を用意する工程;
ii)三酸化クロムと硫酸との混合物(M)を用意する工程;
iii)当該コーンワックス (CW)を当該混合物(M)と反応させることによってコーンワックス (CW)の酸化を実施して、コーンワックス酸化物(O)を得る工程;
iv)当該反応を終了し、工程iii)で得られた反応混合物を、水性相から有機相が相分離するまで静置する工程;
v)当該有機相を分離する工程;
vi)任意で、当該有機相からクロム化合物を含む残渣を除去して、当該コーンワックス酸化物(O)を精製された形で得る工程;
vii)任意で、当該コーンワックス(CW)の代わりにコーンワックス酸化物(O)を、任意で精製された形態で、使用して、工程ii)から工程vi)の一連の工程を一回以上繰り返す工程。
工程i)で用意するコーンワックス(CW)は、任意のコーンワックスでよい。コーンワックス酸化物(O)の酸価が低~中程度、例えば50mgKOH/g以下であることが望ましい場合、当該コーンワックス(CW)は、多価アルコール及び炭素原子数8~20の脂肪族カルボン酸から形成されたポリエステルを、当該コーンワックス(CW)の総重量に基づいて、25重量%以下、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下、好ましくは5重量%、特に好ましくは3重量%以下の量で含む。通常、コーンワックス(CW)は、多価アルコール及び炭素原子数8~20の脂肪族カルボン酸から形成されたポリエステルを、0.1重量%を超えて含む。
この場合、多価アルコール及び炭素原子数8~20の脂肪族カルボン酸から形成されたポリエステルの所望の割合が、未処理コーンワックス中に既に存在し得るが、当該コーンワックスの前処理によって調整することもできる。好ましくは、当割合は、未処理コーンワックス(CW)中に既に存在する量である。この場合、コーンワックス(CW)は前処理されていないことが好ましい。
一方、多価アルコール及び炭素原子数8~20の脂肪族カルボン酸から形成されたポリエステルの割合が25重量%を著しく超える場合、工程i)で用意される前に、コーンワックス(CW)を前処理することが有利であり得る。この場合、当該前処理がコーンワックス(CW)中に存在するエステルのケン化を含まない場合が有利である。
代わりに、多価アルコール及び炭素原子数8~20の脂肪族カルボン酸から形成されたポリエステルを1種以上の有機溶媒で抽出することが好ましく、この抽出は、多価アルコール及び炭素原子数8~20の脂肪族カルボン酸から形成されたポリエステルの所望の割合が達成されるまで行われる。油及び脂肪を溶解することができる任意の有機溶媒がこの目的に適しており、例えば酢酸エチルまたはアセトン、好ましくは酢酸エチルである。
多価アルコール及び炭素原子数8~20の脂肪族カルボン酸から形成されたポリエステルは、好ましくは8~20の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸のジグリセリド及びトリグリセリド、特にコーン中に天然に存在する油、特にコーン油である。
したがって、有機溶媒による抽出には、脱油が含まれる場合がある。この場合、多価アルコール及び炭素原子数8~20の脂肪族カルボン酸から形成されたポリエステルの割合は、コーンワックスの油含有量ということもできる。
コーンワックス(CW)は、原料状態において多価アルコール及び炭素原子数8~20の脂肪族カルボン酸から形成されたポリエステルの割合にかかわらず、酸化前のいずれの時点においてもケン化によって前処理されないことが好ましい。
45~55の炭素原子、好ましくは47~53の炭素原子の数平均総炭素鎖長を有する直鎖エステルの混合物を含むコーンワックス(CW)が好ましい。さらに好ましくは、少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも50重量%が、52以下の炭素原子、好ましくは40~52の炭素原子の総炭素鎖長を有する直鎖状エステルの混合物を含むコーンワックス(CW)である。
さらに、当該コーンワックス(CW)は、好ましくは20mg KOH/g未満、より好ましくは15mg KOH/g未満、好ましくは10mg KOH/g未満、特に好ましくは1~8mg KOH/gの酸価を有する。コーンワックス(CW)は、さらに好ましくは150mg KOH/g未満、より好ましくは120mg KOH/g未満、好ましくは30~100mg KOH/g、特に好ましくは60~95mg KOH/gのケン化価を有する。
工程ii)で用意される三酸化クロムと硫酸との混合物(M)は、コーンワックスの酸化可能部分を酸化することができる限り、任意の混合物であってよい。このような三酸化クロムと硫酸との混合物は、一般にクロム硫酸とも呼ばれる。当該硫酸は、硫酸の割合が少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも96重量%、より好ましくは99重量%の濃硫酸であることが好ましい。これは、場合によっては発煙硫酸であってもよく、すなわち、さらに三酸化硫黄を含んでもよい。当該混合物(M)における三酸化クロムの濃度は、好ましくは50~200g/L、より好ましくは70~150g/L、最も好ましくは80~120g/Lである。
本発明の方法の工程iii)において、コーンワックス(CW)を当該混合物(M)と反応させることによってコーンワックス(CW)を酸化し、コーンワックス酸化物(O)が得られる。当該反応は、好ましくは撹拌しながら、70~200℃、より好ましくは80~150℃、好ましくは90~140℃、特に好ましくは105~130℃の温度で実施される。
使用される全三酸化クロムと使用されるコーンワックス(CW)との重量比は、好ましくは1:6~3:1、特に1:5~2:1、より好ましくは2:5~6:5である。当該重量比が1:6未満である場合、酸化が起こる程度が、コーンワックスの著しい明色化をもたらすには小さすぎる。当該重量比が3:1より大きい場合、エステル結合の開裂が特に高度に起き、他の条件に応じて、生成物の所望の酸価に適合させることが困難になる可能性がある。本発明の方法における工程vii)が実施される場合、使用される三酸化クロムと使用されるコーンワックス(CW)との重量比は、好ましくは、工程iii)が実施されるたびに6:5未満である。
この工程iii)は、任意で、2つ以上の工程に分けることができる。例えば、工程iii)は、混合物(M)を最初に用意する工程、及び、その後コーンワックス(CW)を添加する工程を含んでもよい。あるいは、工程iii)は、コーンワックス(CW)を最初に用意する工程、及び、その後混合物(M)を添加する工程を含んでもよい。これらの場合、それぞれの第2の成分(CW)または(M)は、例えば、一度に少しずつ、連続的に、または一度に添加してもよく、好ましくは一度に少しずつ又は連続的に、より好ましくは一度に少しずつ添加され得る。
工程iii)における反応が70~200℃の温度で行われる実施形態では、コーンワックス(CW)及び/または混合物(M)の添加中の温度は、場合により当該反応温度と異なり得て、第2の成分が添加された後にのみ、70~200℃、より好ましくは80~150℃、好ましくは90~140℃、特に好ましくは105~130℃の必要な値に調整され得る。
例えば、上記添加中の温度は、60~150℃、好ましくは70~130℃、より好ましくは80~110℃であってもよい。好ましくは、当該コーンワックス(CW)が添加中に溶融状態である。
一実施形態において、最初に三酸化クロムと硫酸との混合物(M)を用意し、60~150℃、好ましくは70~130℃、より好ましくは80~110℃の温度に加熱し、コーンワックス(CW)を固体状態で少しずつ添加する。添加後、温度を70~200℃、好ましくは80~150℃、好ましくは90~140℃、より好ましくは105~130℃に調整し、酸化を行う。
別の実施形態において、最初に三酸化クロム及び硫酸の混合物(M)を用意し、60~130℃の温度に加熱し、コーンワックス(CW)を溶融状態で少しずつ、好ましくは60~150℃、好ましくは70~130℃、より好ましくは80~110℃の温度で添加する。添加後、温度を70~200℃、好ましくは80~150℃、好ましくは90~140℃、より好ましくは105~130℃に調整し、酸化を行う。
さらなる実施形態において、最初にコーンワックス(CW)を用意し、60~150℃、好ましくは70~130℃、より好ましくは80~110℃の温度で溶融し、そして、三酸化クロムと硫酸との混合物(M)を、加熱せず少しずつ添加する。添加後、温度を70~200℃、好ましくは80~150℃、好ましくは90~140℃、より好ましくは105~130℃に調整し、酸化を行う。
別の実施形態では、最初にコーンワックス(CW)を用意し、60~150℃、好ましくは70~130℃、より好ましくは80~110℃の温度で溶融し、三酸化クロムと硫酸との混合物(M)を、好ましくは60~150℃、好ましくは70~130℃、より好ましくは80~110℃の高温で、少しずつ添加する。添加後、温度を70~200℃、好ましくは80~150℃、好ましくは90~140℃、より好ましくは105~130℃に調整し、酸化を行う。
さらなる実施形態において、最初にコーンワックス(CW)、及び、三酸化クロム及び硫酸の混合物(M)を室温で用意し、徐々に70~200℃、好ましくは80~150℃、好ましくは90~140℃、より好ましくは105~130℃の温度まで加熱し、当該温度で酸化させる。
少なくとも70~200℃、80~150℃、90~140℃、または105~130℃での酸化は、好ましくはコーンワックス(CW)及び/または混合物(M)の添加も、撹拌しながら行う。この場合、撹拌は任意の方法で、例えば、機械的に駆動される撹拌機、または磁気的に駆動される撹拌機を用いて行うことができる。好ましくは、攪拌は機械的に駆動される攪拌機、より好ましくはKPGスターラーを含む機械的に駆動される撹拌機を用いて行われる。
工程iii)における撹拌速度は、好ましくは100~500rpm(毎分回転数)、より好ましくは120~300rpm、最も好ましくは170~250rpmの範囲内であり、100rpm未満及び500rpmを超える撹拌機速度では、効率的な酸化に必要な混合とならず、もはや分離することができないエマルジョン形成のリスクが増大する。
工程iii)における当該コーンワックスの酸化は、好ましくは少なくとも30分間、より好ましくは45分間~12時間、より好ましくは1~8時間、好ましくは2~5時間、特に好ましくは3~4.5時間にわたり行われる。
また、コーンワックス(CW)と混合物(M)とを含む反応混合物に酸化促進剤を添加しないことが好ましく、これらは、一般にエステル結合の開裂をもたらし、コーンワックス酸化物(O)における酸価がそれに応じて上昇し得るためである。従って、酸化において酸化促進剤、例えば、乳化剤(例えば、アルカンスルホネート、フッ素化アルカンスルホネート)、界面活性剤、ポリマー型界面活性剤、窒素含有カチオン性界面活性剤、相間移動触媒、フェントン試薬、金属塩、塩酸等、を使用しないことが好ましい。
所望の反応時間に到達したら、工程iv)において反応を終了し、当該反応混合物を、有機相が水性相から相分離するまで静置する。「反応を終了」とは、撹拌を停止し、加熱を終了することを意味すると理解される。これが行われると、コーンワックス酸化物(O)を含有する浮遊有機相は、硫酸及びクロム化合物を含む沈降した水性相から相分離し始める。静置する前に、当該反応混合物は、任意で、有機相が水性相から分かれた後に、当該有機相を容易に分離できる装置へと移すことができる。そのような装置の一例は、分離漏斗である。この目的のための他の装置は、当業者に知られており、本発明において使用可能である。
相境界が形成されるまでに必要な時間は、酸価に依存する。驚くべきことに、本発明の方法では、工程iv)における「反応を終了」してすぐ、水性相と有機相とを分ける明確な相境界が観察された。酸価が20~50mg KOH/gの範囲では、当該相境界が1分未満で観察され、酸価が50mg KOH/gを超えると、数秒以内で観察された。
「反応を終了」した後の相境界の形成は、酸価が約10mg KOH/gと非常に低い場合でさえ観察され、クロム硫酸によって酸化されたワックスではむしろ異例である。例えば、記載された合成手順により、同条件でも、相境界は、ライスワックスでは酸価が約20mg KOH/g以上でのみ、モンタンワックスでは酸価が約50mg KOH/g以上でのみ観察される。これは、経済的及び環境的観点の両方から、他の天然ワックスの酸化物よりもコーンワックス酸化物(O)が有する明らかな利点である。
工程v)では、コーンワックス酸化物を含む有機相を分離する。これは、例えば、分離漏斗を使用して行うことができる。あるいは、適切な技術的手段によって、浮遊有機相をすくい取ることもできる。
有機相を容器の端から注ぎ出すことも可能である。相分離後に水性相から有機相を分離する方法は原則として当業者に知られており、ここで使用することが可能である。さらに、任意で、工程vi)において、コーンワックス酸化物を含む分離有機相は、当該有機層からクロム化合物を含む残渣を除去し、精製した形のコーンワックス酸化物を得るために、さらに精製することもできる。
当該精製は、有機物質から極性物質及び/または水溶性物質を分離するのに適した任意の方法で行うことができる。例えば、有機相をクロマトグラフィーで精製したり、または、シリカゲルを通して濾過することができる。
好ましくは、クロム化合物を含む残渣は、当該有機相をシュウ酸及び/または硫酸の水溶液で洗浄することにより除去される。別の実施形態では、クロム化合物を含む残渣は、好ましくは当該有機層を、水で洗浄することにより除去される。別の実施形態では、クロム化合物を含む残渣が好ましくは当該有機層を、遠心分離する工程により除去される。
ここで「洗浄」とは、工程iv)及びv)による洗浄及びその後の相分離のための有機相とそれぞれの洗浄媒体との混合を意味すると理解される。
好ましい実施形態の一つにおいて、クロム化合物を含む残渣は、有機相をシュウ酸及び硫酸の水溶液で1回以上洗浄し、続いて当該有機相を水で1回以上洗浄することによって除去される。
さらに好ましい実施形態は、クロム化合物を含む残渣は、当該有機層を、シュウ酸及び硫酸の水溶液を用いて1回以上洗浄し、続いて有機相を遠心分離することによって除去される。
さらに好ましい実施形態において、クロム化合物を含む残渣は、当該有機相を水で1回以上洗浄し、続いて当該有機相を遠心分離することによって除去される。
特に好ましい実施形態において、クロム化合物を含む残渣は、当該有機相をシュウ酸及び硫酸の水溶液で1回以上洗浄し、続いて当該有機相を水で1回以上洗浄し、続いて有機相を遠心分離することによって除去される。
任意で、工程vii)において、コーンワックス(CW)の代わりにコーンワックス酸化物(O)を、任意で精製された形で、使用して、工程ii)~vi)の一連の工程を繰り返すことができる。好ましくは、工程ii)~vi)の一連の工程は、繰り返さない。
好ましい実施形態において、本発明の当該方法はコーンワックス酸化物(O)を製造する方法であって、当該方法は次の工程を含む:
i)コーンワックス (CW)、好ましくは油除去コーンワックス (CW)を用意する工程;
ii)三酸化クロムと硫酸との混合物(M)を用意する工程;
iii)当該コーンワックス (CW)を、70~200℃、好ましくは80~150℃、好ましくは90~140℃、より好ましくは105~130℃の温度で、撹拌しながら、当該混合物(M)と反応させることによってコーンワックス (CW)の酸化を実施して、コーンワックス酸化物(O)を得る工程;
iv)当該反応を終了し、工程iii)で得られた反応混合物を、水性相から有機相が相分離するまで静置する工程;
v)当該有機相を分離する工程;
vi)任意で、当該有機相からクロム化合物を含む残渣を除去して、当該コーンワックス酸化物(O)を精製された形で得る工程;
vii)任意で、当該コーンワックス (CW)の代わりにコーンワックス酸化物(O)を、任意で精製された形態で、使用して、工程ii)から工程vi)の一連の工程を繰り返す工程;
ここで、工程iii)における当該酸化は、少なくとも30分間、好ましくは45分間~12時間、より好ましくは1~8時間、好ましくは2~5時間、特に好ましくは3~4.5時間にわたり行われる。
この実施形態において、特に選択的に、ヨウ素色値は、DIN 6162(2014)に従って測定して、6未満、しばしば5未満、例えば2未満であり、及び/または、黄色度指数は、ASTM E 313-20に従って測定して、40未満、しばしば30未満、例えば15未満でありうる。
本発明はさらに、コーンワックス(CW)を、三酸化クロムと硫酸との混合物(M)と反応させることによって得られるコーンワックス酸化物(O)を提供する。当該コーンワックス酸化物(O)は、好ましくは、使用するコーンワックス(CW)よりも高い酸価を有する。
本発明の当該コーンワックス酸化物(O)は、好ましくは、ISO2114(2002)に従い測定して、約10~約170mgKOH/g、より好ましくは10~140mgKOH/g、より好ましくは11~130mgKOH/g、より好ましくは15~110mgKOH/gの酸価を有する。一実施形態では、本発明の当該コーンワックス酸化物(O)は、約10から20mgKOH/g未満の酸価を有する。
別の実施形態では、本発明の当該コーンワックス酸化物(O)は、約20~約50mgKOH/gの酸価を有する。さらに別の実施形態では、本発明の当該コーンワックス酸化物(O)は、ISO2114(2002)に従い測定して、50~約170mgKOH/gの酸価を有する。さらに別の実施形態では、本発明の当該コーンワックス酸化物(O)は、140mgKOH/g未満、好ましくは110mgKOH/g未満、より好ましくは60mgKOH/g未満、特に好ましくは40mgKOH/g未満、特に好ましくは20mgKOH/g未満の酸価を有する。
エステルの反応の程度に応じて、本発明のコーンワックス酸化物は、真性エステル(C42~C60)を含有する。「真性エステル」は、ここでは反応によって影響されない、原料ワックス中に元々含まれていたワックスエステルの残留部分を意味すると理解される。
本発明はさらに、本発明の当該コーンワックス酸化物(O)は、ISO2114(2002)に従い測定して、約10~約170mgKOH/gの酸価を有し、炭素原子数46の真性エステルの重量割合の、炭素原子数52の真性エステルの重量割合に対する比率は1より大きい、コーンワックス酸化物(O)を提供する。このコーンワックス酸化物(O)は、請求項1における方法により製造することができる
本発明のコーンワックス酸化物(O)は、好ましくは、当該コーンワックス酸化物(O)の酸価がコーンワックス(CW)の酸価よりも大きいことを特徴とする。
さらに、本発明のコーンワックス酸化物(O)は、特に請求項1に記載の方法によって製造された場合、ヨウ素色値が、DIN 6162(2014)に従って測定して、好ましくは6未満、より好ましくは5未満、さらにより好ましくは3未満、好ましくは2未満、特に好ましくは1.5未満である。あるいは、本発明のコーンワックス酸化物(O)は、黄色度指数が、ASTM E 313-20に従って測定して、好ましくは50未満、より好ましくは30未満、さらにより好ましくは20未満、好ましくは15未満、特に好ましくは10未満である。
さらに、本発明の当該コーンワックス酸化物(O)は、好ましくは多価アルコール及び炭素原子数8~20の脂肪族カルボン酸から形成されたポリエステルを、コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、5重量%未満、より好ましくは3重量%未満、最も好ましくは1重量%未満含む。
一実施形態では、コーンワックス酸化物(O)は、
a) 炭素原子8~36の遊離脂肪族カルボン酸を、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、3重量%~40重量%;
b) 炭素原子24~36の遊離脂肪族アルコールを、当該コーンワックス酸化物の総重量に基づいて、0重量%~10重量%;
c) 炭素原子10~30の遊離脂肪族ジカルボン酸を、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、0~5重量%;
d) 炭素原子40~66の真性エステルを、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、30~97重量%;及び
e) コーンワックスに存在するさらなる天然成分を、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、0重量%~30重量%、を含む、
ここで、a)、b)、c)、d)、及びe)の合計は、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、100重量%である。
好ましい実施形態において、コーンワックス酸化物(O)は、
a) 炭素原子8~36の遊離脂肪族カルボン酸を、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、3重量%~15重量%;
b) 炭素原子24~36の遊離脂肪族アルコールを、当該コーンワックス酸化物の総重量に基づいて、0重量%~7重量%;
c) 炭素原子10~30の遊離脂肪族ジカルボン酸を、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、0~4重量%;
d) 炭素原子40~66の真性エステルを、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、65~97重量%;及び
e) コーンワックスに存在するさらなる天然成分を、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、0重量%~15重量%、を含む、
ここで、a)、b)、c)、d)、及びe)の合計は、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、100重量%である。
好ましい実施形態において、コーンワックス酸化物(O)は、
a) 炭素原子8~36の遊離脂肪族カルボン酸を、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、3重量%~10重量%;
b) 炭素原子24~36の遊離脂肪族アルコールを、当該コーンワックス酸化物の総重量に基づいて、0重量%~5重量%;
c) 炭素原子10~30の遊離脂肪族ジカルボン酸を、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、0~3重量%;
d) 炭素原子40~66の真性エステルを、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、65~97重量%;及び
e) コーンワックスに存在するさらなる天然成分を、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、0重量%~15重量%、を含む、
ここで、a)、b)、c)、d)、及びe)の合計は、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、100重量%である。
本発明は、50mgKOH/g未満の酸価を有し、多価アルコール及び炭素原子数8~20の脂肪族カルボン酸から形成されたポリエステルを、コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、5重量%未満含むコーンワックス酸化物を提供する。ここで、当該コーンワックス酸化物は、
a) 炭素原子8~36の遊離脂肪族カルボン酸を、、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、3重量%~25重量%;
b) 炭素原子24~36の遊離脂肪族アルコールを、当該コーンワックス酸化物の総重量に基づいて、0重量%~10重量%;
c) 炭素原子10~30の遊離脂肪族ジカルボン酸を、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、0~5重量%;
d) 炭素原子40~66の真性エステルを、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、65~97重量%;及び
e) コーンワックスに存在するさらなる天然成分を、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、0重量%~15重量%、を含む、
ここで、a)、b)、c)、d)、及びe)の合計は、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、100重量%である。
この場合、コーンワックス酸化物(O)は、好ましくは、リグノセリン酸を、当該コーンワックス酸化物(O)の総重量に基づいて、5重量%以下、より好ましくは3重量%以下の割合で含む。
重量割合及び鎖長分布は、例えばガスクロマトグラフィーにより測定することができる。
さらに、本発明によるコーンワックス酸化物は、典型的には、ISO 2176(1997)に従って測定して、70℃~90℃、好ましくは75℃~80℃の滴点を有する。
本発明のコーンワックス酸化物は、針貫入指数(NPI)が、DIN 51579(2010)に従って測定して、好ましくは10 mm-1未満、好ましくは6 mm-1未満、より好ましくは4 mm-1未満、最も好ましくは3mm-1未満である。
コーンワックスの酸化によって、ケン化価は、DIN ISO 3681(2019)に従って測定して、好ましくは最大70%、好ましくは最大40%、より好ましくは最大30%高まる。ケン化価の上昇は、ワックスエステルの解裂及びその後のワックスアルコールから酸への酸化によって機構的に説明することができる。追加的に、不飽和炭素-炭素結合の一部が酸化剤によって解裂され、同様に酸へと酸化される。
したがって、ケン化価は、よく知られているようにケン化価が変化しないケン化とは対照的に、また、生成物を単に明るくする他の漂白方法とは対照的に、実際に起こった酸化の程度の目安でもある。例えば、コーンワックスを過酸化水素で漂白することの効果は、実際のワックスの構造を変えることなく、変色する不純物及び二次成分のみが除去されるため、本発明の意味におけるワックスの化学修飾をもたらさない。
本発明のコーンワックス酸化物(O)は、典型的には、300℃の温度(加熱速度:5℃/分)に達するまでの質量損失が、DIN 51006(2005)に従って測定して、50%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満であって、特に良好な熱安定性を特徴とする。
本発明はさらに、上記コーンワックス酸化物(O)を、アルコールを用いたエステル化または反応により得られる、エステル化コーンワックス酸化物(E)を提供する。好ましいアルコールは、多価アルコール、例えばエチレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、またはソルビトールなどである。エステル化において、アルコールとコーンワックス酸化物(O)との重量比は、1:100~1:5、より好ましくは1:50~1:10、最も好ましくは1:20~1:12が選択される。
エステル化生成物は、好ましくは、再生可能な原料ベースと並んで、300℃(加熱速度:5℃/分)の温度の到達までの質量損失が、DIN 51006(2005)に従って測定して、15%未満、好ましくは10%未満であり、特に良好な熱安定性を特徴とする。エステル化生成物は、好ましくは、40mg KOH/g未満、より好ましくは30mg KOH/g未満、最も好ましくは20mg KOH/g未満の酸価を有する。同様に、本発明は、農業または林業の目的のためのあるいはプラスチック加工、ケア用品、印刷インキ及び/または塗料における添加剤としての、本発明によるコーンワックス酸化物(O)または本発明によるケン化コーンワックス酸化物(S)または本発明によるエステル化コーンワックス酸化物(E)の使用を提供する。
さらに、本発明は、上記のコーンワックス酸化物(O)または上記のエステル化コーンワックス酸化物(E)を、金属水酸化物(例えば、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Zn(OH)2など)、金属酸化物(例えば、CaOなど)、金属炭酸塩(例えば、Na2CO3, CaCO3など)、または水性アルカリ液(例えば、NaOH、KOHなど)からなる群から選択される塩基性金属塩でケン化することにより製造されるケン化コーンワックス酸化物(S)を提供する。アルカリ金属水酸化物及び/またはアルカリ土類金属水酸化物、とりわけNaOH、KOH及び/またはCa(OH)2が好ましい。特に好ましいのは、Ca(OH)2である。
ケン化において、塩基性金属塩とコーンワックス酸化物(O)との重量比は、1:100~1:5、より好ましくは1:50~1:10が選択される。
対応する製造方法は、例えばDE4019167またはEP1010728に見ることができる。ケン化生成物は、好ましくは、再生可能な原料ベースと並んで、300℃(加熱速度:5℃/分)の温度の到達までの質量損失が、DIN 51006(2005)に従って測定して、10%未満、好ましくは5%未満であり、特に良好な熱安定性を特徴とする。好ましくは、ケン化生成物は、40mg KOH/g未満、より好ましくは25mg KOH/g未満、最も好ましくは15mg KOH/g未満の酸価を有する。
本発明はまた、三酸化クロムと硫酸との混合物(M)を用いた酸化によって天然ワックス酸化物を製造するための、コーンワックス(CW)の使用を提供する。
本発明を、以下の例、図1~3、及び特許請求の範囲によってより詳細に説明する。
物質の特性評価
モンタンワックス及びモンタンワックス誘導体の特性評価にも使用される表1に記載の標準法を、コーンワックス、コーンワックス酸化物、及び更に他のコーンワックス誘導体の特性の決定のために使用する。
Figure 2024516772000002
コーンワックス酸化物の成分の鎖長分布をガスクロマトグラフィーにより測定した。比較物質として、C6~C36の炭素鎖長を有するワックス酸及びワックスアルコールを使用した。C44~C58のワックスエステルを、モデル物質の組合せにより調製した。コーンワックスのガスクロマトグラムにおけるピークを特定するために、個々の成分の規定量をワックス試料に添加し、対応するピーク面積の明確な増加を観察した。測定条件を表2に示す。
Figure 2024516772000003
使用した原料は実施例として2つの異なるコーンワックス(CW1~2)、及び比較例として2つの米ぬかワックス(RBW1~2)、サトウキビワックス(SCW)、及びカルナバワックス(CarW)であり、いずれの場合も粗製状態であった。粗製状態におけるコーンワックス及び比較例のワックスの特性を表3に示す。
選択された米ぬかワックスが有する酸価、ケン化価、及び油含有量は、使用されたコーンワックスのそれらの値の範囲内にあるものであった。サトウキビワックス及びカルナバワックスの酸価は、当然ながらコーンワックスまたは米ぬかワックスの酸価よりも高い。
Figure 2024516772000004
実施例1~8及び比較例9~15
表4に示す量の三酸化クロムを96%硫酸に入れ(濃度: 100g CrO3/L)、スターラー、温度センサ、滴下漏斗、還流冷却器を備えた3L反応容器で100℃に加熱した。次いで、粗製状態の溶融天然ワックス(90℃)を少しずつ添加した。
反応混合物の温度を110℃に調整し、反応混合物を、KPGスターラーを用いて約200rpmで4時間撹拌した。加熱及び撹拌を停止した。相が分かれるとすぐに、水性相を分離した。この操作を、実施例3及び7では2回、実施例8では3回行われる。例9、10、12、14及び15(比較例)では、相分離は起こらなかった。したがって、天然ワックス酸化物の特性は調査できなかった。
有機相を、シュウ酸及び硫酸の水溶液で洗浄し、次いで水で洗浄することによって、クロム残渣を除去し、温かい遠心管に排出し、遠心分離した。コーンワックス酸化物の酸化条件及び特性を表4に示す。
測定された鎖長分布は、実施例2については図1に、実施例7については図2に示す。遊離酸は白棒グラフによって示され、エステルは黒棒グラフによって示される。使用したコーンワックス中のエステルの鎖長分布を図3に示す(白棒グラフ)。平均鎖長は、炭素原子数50であった。比較のために、図3は、炭素原子数53の数平均鎖長を有する米ぬかワックスの鎖長分布を併せて示す(黒棒グラフ)。いずれの場合も炭素鎖長を横軸に、ガスクロマトグラムのピーク面積から求めた総鎖長分布における各炭素鎖長の割合を重量%で縦軸に表したものである。
実施例1~8から、コーンワックス酸化物は、ヨウ素色値が5未満及び黄色度指数が30未満という、固有の明色を有することが分かる。同時に、酸価は、11mg KOH/gという非常に低い値から128mg KOH/gという高い値まで広範囲にわたった。
対照的に、米ぬかワックス、サトウキビワックス、及びカルナバワックスを使用した比較例9、10、12、14、及び15では、相分離せず、生成物を単離することができなかった。これは驚くべきことである、なぜなら比較目的で使用した天然ワックスの酸価、ケン化価、油含有量、及び使用量が、使用したコーンワックスのそれらの値と近いからである。
比較例11及び13では、相分離は起きたものの、米ぬかワックスの場合、比較的低い油含有量(4.3重量%)及び比較的高い酸価(35mg KOH/g)にもかかわらず、300分(5時間)を要した。米ぬかワックス酸化物の酸価(27及び36mg KOH/g)と近い酸価で、実施例4及び5では、コーンワックスは著しく高い油含有量(9.7重量%)を有するにもかかわらず、相ははるかに迅速に分かれた。サトウキビワックスの場合、比較的高い酸価(47mg KOH/g)にもかかわらず、相が分かれるまで10分を要した。カルナバロウの場合、相は分かれなかった。同時に、コーンワックス酸化物において、はるかに良好なヨウ素色値及び黄色度指数が観察された。
Figure 2024516772000005
Figure 2024516772000006
Figure 2024516772000007
このことから、コーンワックス(CW)のクロム硫酸酸化は、米ぬかワックス、サトウキビワックスまたはカルナバワックスを用いるよりも、広範囲の天然ワックス酸化物を高品質で製造することができることが分かる。
実施例16~19
スターラー、温度センサ、滴下漏斗、及び還流冷却器を備えた1L反応容器中で、実施例3、5、6、及び7からのコーンワックス酸化物を、窒素雰囲気下で溶融し、表5で示す量のCa(OH)2と混合する。所望の酸価が得られるまで反応混合物を撹拌し、次いで反応混合物を加熱しながら加圧濾過する。
Figure 2024516772000008
実施例16~19では、コーンワックス酸化物をCa(OH)2でケン化することにより、15mg KOH/g未満の低い酸価を有するケン化生成物を製造することができ、これは、高熱安定性を必要とする使用に特に適している。
実施例20~22
スターラー、温度センサ、滴下漏斗、及び還流冷却器を備えた1L反応容器中で、実施例7からのコーンワックス酸化物を窒素雰囲気下で溶融し、表6に示す量のアルコール及び0.1gのメタンスルホン酸と混合する。所望の酸価が得られるまで反応混合物を撹拌し、生成した水を留去して、次いで反応混合物を加熱しながら加圧濾過する。
Figure 2024516772000009
実施例20~22では、コーンワックス酸化物をエチレングリコール、グリセロールまたはペンタエリスリトールでエステル化することにより、20mg KOH/g未満の低い酸価を有するエステル化生成物を容易に製造することができ、これは、高い熱安定性を必要とする使用に特に適している。

Claims (19)

  1. 次の工程:
    i)コーンワックス (CW)を用意する工程;
    ii)三酸化クロムと硫酸との混合物(M)を用意する工程;
    iii)当該コーンワックス (CW)を当該混合物(M)と反応させることによってコーンワックス (CW)の酸化を実施して、コーンワックス酸化物(O)を得る工程;
    iv)当該反応を終了し、工程iii)で得られた反応混合物を、水性相から有機相が相分離するまで静置する工程;
    v)当該有機相を分離する工程;
    vi)任意で、当該有機相からクロム化合物を含む残渣を除去して、当該コーンワックス酸化物(O)を精製された形で得る工程;
    vii)任意で、当該コーンワックス(CW)の代わりにコーンワックス酸化物(O)を、任意で精製された形で、使用して、工程ii)から工程vi)の一連の工程を繰り返す工程;
    を含む、コーンワックス酸化物(O)を製造する方法。
  2. 当該コーンワックス酸化物(O)は、出発原料よりも高い酸価を有する、請求項1に記載の方法。
  3. コーンワックス以外のワックスは使用しない、請求項1または2に記載の方法。
  4. 使用される総三酸化クロムと使用されるコーンワックス(CW)との重量比は、1:6~3:1である、請求項1~3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 上記クロム化合物を含む残渣を除去する工程は、工程vi)に従って行われ、かつ、次のvia)、vib)、及びvic)のうち少なくとも1つの工程、好ましくは2つの工程、さらに好ましくは全ての工程:
    via) 当該有機相を、シュウ酸及び/または硫酸の水溶液で洗浄する工程、
    vib) 当該有機層を、水で洗浄する工程、
    vic) 当該有機層を、遠心分離する工程、
    を含む、請求項1~4のいずれか一つに記載の方法。
  6. 当該コーンワックス(CW)は、多価アルコール及び炭素原子数8~20の脂肪族カルボン酸から形成されたポリエステルを、25重量%以下の量で含む、請求項1~5のいずれか一つに記載の方法。
  7. 当該硫酸は、硫酸の割合が少なくとも90重量%の濃硫酸である、請求項1~6のいずれか一つに記載の方法。
  8. 工程iii)における当該反応は、70~200℃の温度で撹拌しながら行う、請求項1~7のいずれか一つに記載の方法。
  9. 当該混合物(M)における三酸化クロムの濃度は、50~200g/Lである、請求項1~8のいずれか一つに記載の方法。
  10. 工程iii)における当該酸化は、少なくとも30分間、好ましくは1~8時間、より好ましくは2~5時間、最も好ましくは3~4.5時間にわたり行われる、請求項1~9のいずれか一つに記載の方法。
  11. 当該コーンワックス(CM)は、ISO2114(2002)に従い測定して、20mgKOH/g未満の酸価を有する、請求項1~10のいずれか一つに記載の方法。
  12. コーンワックス(CW)を、三酸化クロムと硫酸との混合物(M)と反応させることによって得られる、コーンワックス酸化物(O)。
  13. 請求項1~11のいずれか一つに記載の方法で得られる、請求項12に記載のコーンワックス酸化物(O)。
  14. 当該コーンワックス酸化物は、ISO2114(2002)に従い測定して、約10~約170mgKOH/gの酸価を有する、請求項12または13に記載のコーンワックス酸化物(O)。
  15. 炭素原子数46である真性エステルの重量割合と、炭素原子数52である真性エステルの重量割合との比率は1より大きい、約10~約170mgKOH/gの酸価を有するコーンワックス酸化物(O)。
  16. 請求項12~15のいずれか一つに記載のコーンワックス酸化物(O)を、アルコール、好ましくは多価アルコール、より好ましくはエチレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、またはソルビトール、と反応させることにより得られる、エステル化コーンワックス酸化物(E)。
  17. 請求項12~15のいずれか一つに記載のコーンワックス酸化物(O)または請求項16に記載のエステル化コーンワックス酸化物(E)を、塩基性金属塩、好ましくはアルカリ金属水酸化物及び/またはアルカリ土類金属水酸化物、より好ましくはCa(OH)を用いてケン化することによって得られる、ケン化コーンワックス酸化物(S)。
  18. 農業または林業の目的のためのあるいはプラスチック加工、ケア用品、印刷インキ及び/または塗料における添加剤としての、請求項12~15のいずれか一つに記載のコーンワックス酸化物(O)、請求項16に記載のケン化コーンワックス酸化物(S)または請求項17に記載のエステル化コーンワックス酸化物(E)の使用。
  19. 三酸化クロムと硫酸との混合物(M)を用いた酸化によって天然ワックス酸化物を製造するための、コーンワックス(CW)の使用。

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